JP2005062744A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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武史 本庄
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Abstract

【課題】 外力を受けたときの光ファイバの断線や伝送損失増加を軽減して通信品質を向上させる。
【解決手段】 光ファイバケーブル1は、中心部に設けた長尺状の中心緩衝材3と、この中心緩衝材3の周囲に長尺方向に延伸した光ファイバ心線5と心線間介在体7を交互に配設してなる集合体7と、この集合体7の円周に配設するよう長尺方向に延伸した抗張力繊維9と、この抗張力繊維9の外周に被覆したシース材11と、から構成される。中心部の中心緩衝材3は光ファイバケーブル1にかかる外力を吸収し、光ファイバ心線5同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線5に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大が効果的に防止される。しかも、心線間介在体7により、中心緩衝材3の円周上に光ファイバ心線5を等間隔に離して分布させ、光ファイバ心線5の偏り移動が防止される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、光ファイバケーブルに関し、特に構内配線用の光ファイバケーブルに関する。
従来、大きい張力に耐えうる構内配線用の光ファイバケーブルとしては、層型光ケーブルとディストリビューションケーブルが知られている。
層型光ケーブル101は、図9に示されているように、中心にテンションメンバ103(抗張力体)があり、その周りを複数の光ファイバ心線105が1方向又はSZ撚りで撚られ、この複数の光ファイバ心線105の外周に押さえ巻き107が施され、この押さえ巻き107の上からシース109が被せられている。なお、上記のテンションメンバ103は、鋼線もしくはFRP(Fiber Reinforced Plastic:繊維強化プラスチック)である。
ディストリビューションケーブル111の構造は、図10に示されているように束状になった光ファイバ心線105の周りに抗張力繊維113が横巻きされた後に、抗張力繊維113の周囲に被覆樹脂のシース115が被せられた構造である。このディストリビューションケーブル111は、ケーブルの中心部に固いテンションメンバがないために、前述した層型光ケーブル101と比べて布設時に曲げやすいことが利点である。また、層型光ケーブル101のように鋼線やFRPなどの比重の大きい部材が使用されていないので、光ケーブルを軽量化できる利点がある(例えば、特許文献1及び文献2参照)。
特開平11−183764号公報 特開2003−5002号公報
ところで、従来の層型光ケーブル101においては、テンションメンバ103としての鋼線もしくはFRPは、剛性が高く、光ケーブル自体が曲げにくいという問題点があった。また、この層型光ケーブル101が側圧を受けたときは、光ファイバ心線105がテンションメンバ103に押しつけられて局所的な曲がりを生じるために光ファイバの損失増加が見られるという問題点があった。
ディストリビューションケーブル111は、上記の層型光ケーブル101の欠点を改良したものであるが、この構造の光ケーブル111は、光ファイバ心線105同士が交差するために、ケーブルに外力がかかったときに、その交差点で局所曲げが生じて、損失増加を生じやすいという問題点があった。
この発明は上述の課題を解決するためになされたものである。
この発明の光ファイバケーブルは、中心部に設けた長尺状の中心緩衝材と、この中心緩衝材の周囲にほぼ均等に配設して長尺方向に延伸した複数の光ファイバ心線又は光ファイバ素線と、前記各光ファイバ心線又は光ファイバ素線の間に配設して長尺方向に延伸した複数の心線間介在体とからなる集合体と、この集合体の円周に配設するよう長尺方向に延伸した抗張力繊維と、この抗張力繊維の外周に被覆したシース材と、から構成してなることを特徴とするものである。
したがって、中心部の中心緩衝材は、光ケーブルにかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大が効果的に防止され、通信品質が向上する。しかも、心線間介在体は、中心緩衝材の円周上に光ファイバ心線又は光ファイバ素線を等間隔に離して分布せしめ、光ファイバ心線又は光ファイバ素線が偏り移動することを防止する。
この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記中心緩衝材は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることが好ましい。したがって、側圧試験における損失増加と曲げ損失が効果的に抑えられる。
この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記中心緩衝材及び心線間介在体が、光ファイバ心線又は光ファイバ素線よりも硬度が小さいことが好ましい。したがって、光ファイバケーブルにかかる外力が中心緩衝材及び心線間介在体により吸収される。
この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記中心緩衝材が、抗張力繊維であることが好ましい。したがって、光ファイバケーブルにかかる外力を吸収するだけでなく抗張力体の役割を果たすことになる。その結果、中心部の抗張力繊維と外側の抗張力繊維の双方が抗張力体として機能するので、ケーブル強さが向上する。
この発明の光ファイバケーブルは、中心部に設けた長尺状の抗張力繊維と、この抗張力繊維の周囲に配設して長尺方向に延伸した複数の光ファイバ心線又は光ファイバ素線と、前記各光ファイバ心線又は光ファイバ素線の間に配設して長尺方向に延伸した複数の心線間介在体とからなる集合体と、この集合体の円周に押さえ巻きを施した押さえ巻部と、押さえ巻部の周囲に一括シースして構成してなることを特徴とするものである。
したがって、中心部の抗張力繊維は、光ケーブルにかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大が効果的に防止され、通信品質が向上する。しかも、中心部の抗張力繊維は抗張力体としても機能する。また、心線間介在体は、抗張力繊維の円周上に光ファイバ心線又は光ファイバ素線を等間隔に離して分布せしめ、光ファイバ心線又は光ファイバ素線が偏り移動することを防止する。
この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記抗張力繊維は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることが好ましい。したがって、側圧試験における損失増加と曲げ損失が効果的に抑えられる。
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、この発明によれば、中心部の中心緩衝材により、光ケーブルにかかる外力を吸収でき、また光ファイバ心線同士の交差を防ぐことができるので、外力によって光ファイバ心線に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大を効果的に防止でき、通信品質を向上できる。しかも、心線間介在体により、中心緩衝材の円周上に光ファイバ心線又は光ファイバ素線を等間隔に離して分布せしめ、光ファイバ心線又は光ファイバ素線が偏り移動することを防止できるので、光ファイバの破断や損失増加を効果的に防ぐ効果がある。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照するに、この第1の実施の形態に係る光ファイバケーブル1(以下、「光ケーブル」という)は、中心部に長尺状の中心緩衝材3が設けられており、この中心緩衝材3の周囲に複数の光ファイバ心線5(又は光ファイバ素線)が長尺方向に延伸するように配設され、しかも、前記各光ファイバ心線5の間に長尺方向に延伸した心線間介在体7が配設されて集合体9を構成している。この集合体9の円周には長尺方向に延伸した抗張力繊維11が配設され、これらの抗張力繊維11の周囲は押出成形により樹脂のシース材13で一括シースされている。
例えば、上記の中心緩衝材3は、25000デニールのポリプロピレンヤーンであり、この中心緩衝材3の周りには4本の0.9mmφの光ファイバ心線5(SM)が中心緩衝材3の円周上にほぼ均等に配置され、しかも4本の光ファイバ心線5の間に2500デニールのポリプロピレンヤーンの心線間介在体7が1本ずつ配置され、所謂、4本の光ファイバ心線5と4本の心線間介在体7が中心緩衝材3の円周上に全周に亘って交互に隣接して配置された状態で共に3000mmのピッチでSZ撚りされている。この光ファイバ心線5及び心線間介在体7の上から、この第1の実施の形態では押さえ巻用の線条体15として例えば1000デニールのナイロンヤーンで押さえ巻きされて集合体9が作製される。なお、上記の光ファイバ心線5及び心線間介在体7は共に中心緩衝材3の円周上にSZ撚りされているが、このSZ撚りに限定されず、光ファイバ心線5及び心線間介在体7の位置関係が同じであれば一方向撚りでも、又は、撚りなしであっても構わない。
この集合体9の上から、抗張力繊維11としての例えば40000デニール分のアラミド繊維が300mmのピッチで横巻きされた後に、押出成形によりポリ塩化ビニール樹脂がシース材13として0.6mmの厚さで被覆され、外径が6mmの光ケーブル1が作製される。
この場合、抗張力体の役割を示すのは、横巻きに使用した抗張力繊維11としてのアラミド繊維であり、中心緩衝材3は抗張力作用が小さいものでも構わない。
また、中心緩衝材3は、当該中心緩衝材3の上に光ファイバ心線5が撚られるために長尺状でなければならない。また、中心緩衝材3及び心線間介在体7は、光ファイバ心線5に比べて硬度が小さい材質であれば、いかなる材料でも利用可能であり、繊維状のものや、樹脂を押出したものなどが好適に利用される。また、不織布や紙などのテープ体を円形に整形したものなども利用可能である。なお、実際に使用した上記の中心緩衝材3及び心線間介在体7は、同一硬度計で比較するのが難しいほど、光ファイバ心線5に比べてはるかに柔軟である。
また、この第1の実施の形態では、主に0.9mmφのナイロン心線が光ファイバ心線5として使用されているが、光ファイバ素線(0.25mmφ)でも同様の効果が得られる。
図2を参照するに、光ケーブル1を製造する方法について説明する。
この第1の実施の形態で用いられる光ケーブル製造装置17としては、複数の光ファイバ心線5を集合するための集合機19が備えられており、この集合機19には、中心緩衝材3を送り出すための1個の緩衝材用送出ボビン21と、光ファイバ心線5が巻き取られている4個の心線用送出ボビン23と、心線間介在体7が巻き取られている4個の心線間介在体用送出ボビン25と、4本の光ファイバ心線5と4本の心線間介在体7とを交互に配置して中心緩衝材3の周囲にSZ撚りに撚り合わせるための撚り合せ制御板27と、SZ撚りに撚られた複数の光ファイバ心線5の周囲にボビン29から送出される押さえ巻用の線条体15で押さえ巻きを行うための押さえ巻き装置31が備えられている。
また、上記の撚り合せ制御板27には、図示していないが中央に中心緩衝材3を通過可能な1個の中心挿通孔が設けられ、この中心挿通孔の周囲に光ファイバ心線5を通過可能な4個の心線用挿通孔と心線間介在体7を通過可能な4個の心線間介在体用挿通孔が設けられている。この撚り合せ制御板27は光ファイバ心線5及び心線間介在体7をSZ撚りするために、正逆方向に、つまり光ファイバ心線5及び心線間介在体7の送り出し方向において時計、反時計回り方向に交互に繰り返し回転するように構成されている。
したがって、緩衝材用送出ボビン21が回転されて中心緩衝材3としての例えば25000デニールのポリプロピレンヤーンが送り出される。これと同時に、4個の心線用送出ボビン23と4個の心線間介在体用送出ボビン25が回転されて光ファイバ心線5としての例えば0.9mmφの光ファイバ心線5(SM)と心線間介在体7としての例えば2500デニールのポリプロピレンヤーンが撚り合せ制御板27に送り出される。撚り合せ制御板27では4本の光ファイバ心線5と4本の心線間介在体7が中心緩衝材3の周囲に3000mmのピッチでSZ撚りとされるように正逆方向に交互に回転される。
さらに、上記のSZ撚りに撚られた4本の光ファイバ心線5と4本の心線間介在体7の周囲は、押さえ巻き装置31により、押さえ巻用の線条体15としての例えば1000デニールのナイロンヤーンで押さえ巻きされて集合体9が作製される。
また、光ケーブル製造装置17には、上記の集合機19で集合された集合体9の周囲にボビン33から送出される抗張力繊維11を横巻きするための横巻き装置35と、この横巻き装置35で横巻きされた抗張力繊維11の周囲にシース材13の樹脂を被覆して光ケーブル1を押出成形するための光ケーブル用押出機37が設けられている。
したがって、上記の集合体9の周囲には横巻き装置35により抗張力繊維11としての例えば40000デニール分のアラミド繊維が300mmのピッチで横巻きされる、この横巻きされたアラミド繊維の周囲には光ケーブル用押出機37に備えられた押出ヘッド39のダイス41によりシース材13としての例えば0.6mmの厚さのポリ塩化ビニール樹脂で被覆されて光ケーブル1が押出成形される。
上記構成により、光ケーブル1の中心緩衝材3は、光ファイバ心線5(例えばナイロン心線)と比してはるかに柔軟であり、同一硬度計で比較するのが難しいほどである。上記の中心緩衝材3は、光ケーブル1にかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線5同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線5へ例えば断線や変形などのダメージや伝送損失の増大を効果的に防止することとなる。
また、心線間介在体7は、中心緩衝材3と同様に同一硬度計で比較するのが難しいほど光ファイバ心線5(例えばナイロン心線)と比してはるかに柔軟であり、中心緩衝材3の円周上に光ファイバ心線5を等間隔に離して分布せしめ、光ファイバ心線5が偏り移動することを防止するので、光ファイバの破断や損失増加を効果的に防ぐ効果がある。
図1で示した第1の実施の形態の光ケーブル1と、図3に示した比較例としての光ケーブル43とを製作し、これらの特性評価を実施した。
比較例の光ケーブル43は、基本的には第1の実施の形態の光ケーブル1において心線間介在体7が無いものである。
すなわち、同一部材には同符号を付して説明すると、25000デニールのポリプロピレンヤーンからなる中心部の長尺状の中心緩衝材3があり、この中心緩衝材3の周囲に長尺方向に延伸するように配設された4本の0.9mmφの光ファイバ心線5(SM)が3000mmのピッチでSZ撚りされている。この光ファイバ心線5の上から1000デニールのナイロンヤーンで押さえ巻きされて集合体45が作製されている。この集合体45の上から、長尺方向に延伸した40000デニール分のアラミド繊維の抗張力繊維11が300mmのピッチで横巻きされた後に、これらの抗張力繊維11の周囲は押出成形によりポリ塩化ビニール樹脂のシース材13で0.6mmの厚さで一括シースされ、外径が6mmの光ケーブル43を作製した。
上記の第1の実施の形態の光ケーブル1と、比較例としての光ケーブル43において、中心緩衝材3に使用したポリプロピレンヤーンの量を変化させて側圧試験を行ったところ、中心緩衝材3の充填密度と、側圧試験における最大損失増加量(dB)との関係が、図5に示されているグラフの結果となった。
なお、図5のグラフにおいては、ポリプロピレンヤーンの量が充填密度(%)で表現されている。この場合の充填密度は、光ケーブル内径(シース内径)の断面積に対する中心緩衝材3の占める正味(空気層を含まない)の断面積の比率として定義されている。
また、側圧試験は、構内用光ケーブル規格であるTelcordia GR-409 COREに準拠して評価したものである。概略すると、100mm巾の側圧板を使用して、10分間、1000Nの一定荷重を印加している。また、光ケーブルの損失測定の波長は、1.55μmで行われている。同一ケーブルにおいては、10回の試験(損失データは4心×12回=48点)が行われ、その試験データのうちの最大損失増加量を記したものが図5に示されているグラフとなる。
グラフによると、充填密度が大きいほど側圧試験における最大損失増加量が小さい傾向がみられる。また、心線間介在体7の有無の違いにおける比較では、心線間介在体7が無しの方が側圧試験における損失増加量が大きくなっている。この結果は、心線間介在体7が側圧試験における損失増加を効果的に防ぐ効果があることを示している。
より詳しく説明すると、比較例の光ケーブル43では、外力を吸収するのに十分な中心部の中心緩衝材3の充填量に対して光ファイバ心線5の数が少ないために、光ケーブル43を製造時に図4に示されているように中心緩衝材3に対して光ファイバ心線5が偏って配置されて光ファイバ心線5同士が交差する場合が生じた。また、たとえ光ケーブル43の製造時に複数の光ファイバ心線5が均等に配置されたとしても、光ファイバ心線5の数が少ないために自由度が大きいので、光ケーブル43を布設時に光ファイバ心線5が動いて心線同士が交差してしまうことが生じた。
これらの現象が生じた場合には、光ケーブル43の中心部の中心緩衝材3が役に立たず、光ケーブル43に外力がかかったときに、伝送損失の増大や光ファイバの断線などが起きる可能性がある。上述したように図5における側圧試験時の損失増加は、光ファイバ心線3が当該光ファイバ心線3の硬度と同等もしくはそれ以上の構成物(心線も含む)によって大きな力で押しつけられるときに、光ファイバ心線3の内部の光ファイバが曲げられるために生じるのである。
また、上記の中心緩衝材3は、シース内部断面積に対して占める断面積比が10%以上、80%未満であることが、下記に示されているように側圧試験における損失増加と曲げ損失を制御する効果を図るという点で望ましい。
図5では、充填密度が8%のときは最大損失増加量(dB)が0.9dBであり、充填密度が10%以上で急に小さくなっている。したがって、側圧試験において損失抑制効果が見られるのは、中心緩衝材3の充填密度が10%以上のときである。
次に、上記の第1の実施の形態の光ケーブル1を用いて、中心緩衝材3に使用したポリプロピレンヤーンの量を変化させて曲げ損失を測定したところ、中心緩衝材3の充填密度と、直径40mmφのマンドレルに巻き付けたときの最大損失増加量、換言すれば最大曲げ損失(dB)との関係が、図6に示されているグラフの結果となった。
なお、光ケーブルの損失測定は、1.55μmの波長において行われており、光ケーブルが直径40mmφのマンドレルに1周巻き付けられたときの損失が測定された。図5の場合と同様に、ポリプロピレンヤーンの量が充填密度(%)で表現されており、充填密度は図5の場合と同様に定義される。また、図6のグラフでは、4心のうち、最も大きい曲げ損失を記録した光ファイバのデータがプロットされている。
図6によると、中心緩衝材3の充填密度が80%以上のときに、急激に曲げ損失が大きくなることが分かった。この理由としては、一定のケーブル外径を保ちつつ、充填密度を大きくするためには、例えば前述した押さえ巻用の線条体15により押さえ巻きで固く押さえなければ光ケーブル1を作製できない。しかし、押さえ巻きで固く押さえつけると中心緩衝材3自体が固くなり、中心緩衝材3の曲げこわさにより、光ケーブル1がなめらかに曲がりにくくなる。それに伴って、光ファイバ心線5の曲率が局所的に大きくなり、曲げ損失が大きくなることが考えられる。したがって、上記のことから、中心緩衝材3の充填密度は80%未満であることが必要とされる。
次に、この発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
図7を参照するに、この第2の実施の形態に係る光ケーブル47は、前述した第1の実施の形態の光ケーブル1の応用例であり、中心部に抗張力繊維49としての例えば40000デニール分のアラミド繊維が抗張力体を兼ねた中心緩衝材として配置されている。この抗張力繊維49の周りには4本の0.9mmφの光ファイバ心線5(SM)と4本の2500デニールのポリプロピレンヤーンの心線間介在体7が抗張力繊維49の円周上に交互に並ぶように配置して3000mmのピッチでSZ撚りされており、この光ファイバ心線5及び心線間介在体7の上から、押さえ巻用の線条体15として例えば1000デニールのナイロンヤーンで押さえ巻きされて集合体51が作製される。この集合体51の上から、抗張力繊維53としての例えば20000デニール分のアラミド繊維が300mmのピッチで横巻きされた後に、押出成形によりポリ塩化ビニール樹脂がシース材55として0.6mmの厚さで被覆され、外径が6mmの光ケーブル47が作製される。
なお、上記の中心緩衝材としての抗張力繊維49及び心線間介在体7は、光ファイバ心線5(例えばナイロン心線)と比して硬度が小さい材質ではるかに柔軟である。
上記構成により、上記の中心緩衝材としての抗張力繊維49は、光ケーブル47にかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線5同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線5へ例えば断線や変形などのダメージや伝送損失の増大を効果的に防止することとなる。
また、心線間介在体7は、抗張力繊維49の円周上に光ファイバ心線5を等間隔に離して分布せしめ、光ファイバ心線5が偏り移動することを防止するので、光ファイバの断線や損失増加を効果的に防ぐ効果がある。
さらに、この第2の実施の形態の光ケーブル47では、抗張力体の役割を示すのは、横巻きの抗張力繊維53と中心緩衝材としての抗張力繊維49の双方であるので、ケーブル強さが向上する。
なお、上記の中心部の抗張力繊維49は、第1の実施の形態の光ケーブル1の中心緩衝材3と同様に、シース内部断面積に対して占める断面積比が10%以上、80%未満であることが、側圧における損失増加と曲げ損失を制御する効果を図るという点で望ましい。
次に、この発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
図8を参照するに、この第3の実施の形態に係る光ケーブル57は、長尺状の抗張力繊維59が中心部に設けられており、この抗張力繊維59の周囲に複数の光ファイバ心線5(又は光ファイバ素線)と複数の心線間介在体7が長尺方向に延伸するように配設されて集合体61を構成している。この集合体61の円周は押さえ巻部63により押さえ巻きが施され、押さえ巻部63の周囲は押出成形により樹脂のシース材65で被覆されている。
例えば、上記の中心部の抗張力繊維59は40000デニール分のアラミド繊維であり、光ケーブル57の緩衝体かつ抗張力体として配置されている。この抗張力繊維59の周りには4本の0.9mmφの光ファイバ心線5(SM)と4本の2500デニールのポリプロピレンヤーンの心線間介在体7が抗張力繊維59の円周上に交互に並ぶように配設されて3000mmのピッチでSZ撚りされており、この光ファイバ心線5及び心線間介在体7の上から、20mm巾の不織布が押さえ巻部63として横巻きされた後に、押出成形によりポリ塩化ビニール樹脂がシース材65として0.6mmの厚さで被覆され、外径が6mmの光ケーブル57が作製される。
この場合、抗張力体の役割を示すのは、中心部の抗張力繊維59であり、押さえ巻部63としての例えば不織布は、光ファイバ心線5を口出しする時にシース材65が例えばカッタ刃により除去される場合に、カッタ刃が光ファイバ心線5に直接に触れないように防護するために巻かれている。なお、押さえ巻部63としては、上記の不織布に限定されず、プラスチックや紙をテープ状に加工したものや繊維状のものであっても構わない。
なお、上記の中心部の抗張力繊維59は、第1の実施の形態の光ケーブル1の中心緩衝材3と同様に、シース内部断面積に対して占める断面積比が10%以上、80%未満であることが、側圧における損失増加と曲げ損失を制御する効果を図るという点で望ましい。
以上のように、第1〜第3の実施の形態のいずれの光ケーブル1,47,57においても、光ケーブルに外力がかかった場合、中心部の中心緩衝材3あるいは抗張力繊維49,51により、光ファイバ心線5の曲がりを緩やかにすることができ、損失増大を軽減することができた。また、中心部の中心緩衝材3あるいは抗張力繊維49,51が外力を吸収し、光ファイバ心線5にかかる力が軽減されるために、光ファイバの破断および変形を少なくすることができる。しかも、心線間介在体7により、中心緩衝材3の円周上に光ファイバ心線5を等間隔に離して分布させ、光ファイバ心線5の偏り移動を防止できるので、光ファイバの断線や損失増加を効果的に防ぐことができる。
また、シース内部断面積に対して占める中心緩衝材3の断面積比を10%以上、80%未満とすることにより、側圧における損失増加と曲げ損失を効果的に抑えることができる。また、中心緩衝材3及び心線間介在体7は光ファイバ心線5よりも硬度を小さくすることにより、光ファイバケーブル1,47,57にかかる外力を容易に吸収できる。
さらに、中心緩衝材3を抗張力繊維とすることにより、光ファイバケーブルにかかる外力を吸収するだけでなく抗張力体の役割を果たすことができる。その結果、中心部の抗張力繊維と外側の抗張力繊維の双方が抗張力体として機能するので、ケーブル強さを向上させることができる。
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
この発明の第1の実施の形態の光ファイバケーブルの断面図である。 この発明の第1の実施の形態の光ファイバケーブルの製造装置の概略説明図である。 比較例の光ファイバケーブルの断面図である。 図3の光ファイバケーブルの光ファイバ心線が偏り移動したときの断面図である。 第1の実施の形態の光ファイバケーブルの中心緩衝材の充填密度と側圧試験における最大損失増加の関係を示すグラフである。 第1の実施の形態の光ファイバケーブルの中心緩衝材の充填密度と最大曲げ損失(40mmφ)の関係を示すグラフである。 この発明の第2の実施の形態の光ファイバケーブルの断面図である。 この発明の第3の実施の形態の光ファイバケーブルの断面図である。 従来の光ファイバケーブルの断面図である。 従来の他の光ファイバケーブルの断面図である。
符号の説明
1 光ファイバケーブル(第1の実施の形態の)
3 中心緩衝材
5 光ファイバ心線
7 心線間介在体
9 集合体
11 抗張力繊維
13 シース材
47 光ファイバケーブル(第2の実施の形態の)
49 抗張力繊維
51 集合体
53 抗張力繊維
55 シース材
57 光ファイバケーブル(第3の実施の形態の)
59 抗張力繊維
61 集合体
63 押さえ巻部
65 シース材

Claims (7)

  1. 中心部に設けた長尺状の中心緩衝材と、この中心緩衝材の周囲にほぼ均等に配設して長尺方向に延伸した複数の光ファイバ心線又は光ファイバ素線と、前記各光ファイバ心線又は光ファイバ素線の間に配設して長尺方向に延伸した複数の心線間介在体とからなる集合体と、この集合体の円周に配設するよう長尺方向に延伸した抗張力繊維と、この抗張力繊維の外周に被覆したシース材と、から構成してなることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記中心緩衝材は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記中心緩衝材が、光ファイバ心線又は光ファイバ素線よりも硬度が小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記中心緩衝材が、抗張力繊維であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の光ファイバケーブル。
  5. 中心部に設けた長尺状の抗張力繊維と、この抗張力繊維の周囲に配設して長尺方向に延伸した複数の光ファイバ心線又は光ファイバ素線と、前記各光ファイバ心線又は光ファイバ素線の間に配設して長尺方向に延伸した複数の心線間介在体とからなる集合体と、この集合体の円周に押さえ巻きを施した押さえ巻部と、押さえ巻部の周囲に一括シースして構成してなることを特徴とする光ファイバケーブル。
  6. 前記抗張力繊維は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることを特徴とする請求項5記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記心線間介在体が、光ファイバ心線又は光ファイバ素線よりも硬度が小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
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