JP2005010651A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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武史 本庄
Satoru Shiobara
悟 塩原
Takeshi Shimomichi
毅 下道
Keiji Ohashi
圭二 大橋
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Abstract

【課題】外力を受けたときの光ファイバの断線や伝送損失増加を軽減して通信品質を向上させる。
【解決手段】光ファイバケーブル1は、中心部に設けた長尺状の中心緩衝材3と、この中心緩衝材3の周囲に配設して長尺方向に延伸した光ファイバ心線5とからなる集合体7と、この集合体7の円周に配設するよう長尺方向に延伸した抗張力繊維9と、この抗張力繊維9の外周に被覆したシース材11と、から構成される。中心部の中心緩衝材3は光ファイバケーブル1にかかる外力を吸収し、光ファイバ心線5同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線5に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大が効果的に防止される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバケーブルに関し、特に構内配線用の光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大きい張力に耐えうる構内配線用」の光ファイバケーブルとしては、層型光ケーブルとディストリビューションケーブルが知られている。
【0003】
層型光ケーブル101は、図7に示されているように、中心にテンションメンバ103(抗張力体)があり、その周りを複数の光ファイバ心線105が1方向又はSZ撚りで撚られ、この複数の光ファイバ心線105の外周に押さえ巻き107が施され、この押さえ巻き107の上からシース109が被せられている。なお、上記のテンションメンバ103は、鋼線もしくはFRP(Fiber Reinforced Plastic:繊維強化プラスチック)である。
【0004】
ディストリビューションケーブル111の構造は、図8に示されているように束状になった光ファイバ心線105の周りに抗張力繊維113が横巻きされた後に、抗張力繊維113の周囲に被覆樹脂のシース115が被せられた構造である。このディストリビューションケーブル111は、ケーブルの中心部に固いテンションメンバがないために、前述した層型光ケーブル101と比べて布設時に曲げやすいことが利点である。また、層型光ケーブル101のように鋼線やFRPなどの比重の大きい部材が使用されていないので、光ケーブルを軽量化できる利点がある(例えば、特許文献1及び文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−183764号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2003−5002号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の層型光ケーブル101においては、テンションメンバ103としての鋼線もしくはFRPは、剛性が高く、光ケーブル自体が曲げにくいという問題点があった。また、この層型光ケーブル101が側圧を受けたときは、光ファイバ心線105がテンションメンバ103に押しつけられて局所的な曲がりを生じるために光ファイバの損失増加が見られるという問題点があった。
【0008】
ディストリビューションケーブル111は、上記の層型光ケーブル101の欠点を改良したものであるが、この構造の光ケーブル111は、光ファイバ心線105同士が交差するために、ケーブルに外力がかかったときに、その交差点で局所曲げが生じて、損失増加を生じやすいという問題点があった。
【0009】
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、ディストリビューションケーブルの中心部に長尺状の中心緩衝材を設けることにより、光ケーブルが外力を受けたときの光ファイバの断線や伝送損失増加を軽減して、通信品質を向上させる光ファイバケーブルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の光ファイバケーブルは、中心部に設けた長尺状の中心緩衝材と、この中心緩衝材の周囲に配設して長尺方向に延伸した光ファイバ心線又は光ファイバ素線とからなる集合体と、この集合体の円周に配設するよう長尺方向に延伸した抗張力繊維と、この抗張力繊維の外周に被覆したシース材と、から構成してなることを特徴とするものである。
【0011】
したがって、中心部の中心緩衝材は、光ケーブルにかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大が効果的に防止され、通信品質が向上する。
【0012】
請求項2によるこの発明の光ファイバケーブルは、請求項1記載の光ファイバケーブルにおいて、前記中心緩衝材は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることを特徴とするものである。
【0013】
したがって、シース内部断面積に対して占める中心緩衝材の断面積比が10%以上、80%未満であることにより、側圧における損失増加と曲げ損失が効果的に抑えられる。
【0014】
請求項3によるこの発明の光ファイバケーブルは、請求項1又は2記載の光ファイバケーブルにおいて、前記中心緩衝材が、光ファイバ心線又は光ファイバ素線よりも硬度が小さいことを特徴とするものである。
【0015】
したがって、中心緩衝材が光ファイバ心線又は光ファイバ素線よりも硬度が小さいので、光ファイバケーブルにかかる外力が中心緩衝材により吸収される。
【0016】
請求項4によるこの発明の光ファイバケーブルは、請求項1,2又は3記載の光ファイバケーブルにおいて、前記中心緩衝材が、抗張力繊維であることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、中心緩衝材が抗張力繊維であるので、光ファイバケーブルにかかる外力を吸収するだけでなく抗張力体の役割を果たすことになる。その結果、中心部の抗張力繊維と外側の抗張力繊維の双方が抗張力体として機能するので、ケーブル強さが向上する。
【0018】
請求項5によるこの発明の光ファイバケーブルは、中心部に設けた長尺状の抗張力繊維と、この抗張力繊維の周囲に配設して長尺方向に延伸した光ファイバ心線又は光ファイバ素線とからなる集合体と、この集合体の円周に押さえ巻きを施した押え巻部と、押え巻部の周囲に一括シースして構成してなることを特徴とするものである。
【0019】
したがって、中心部の抗張力繊維は、光ケーブルにかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大が効果的に防止され、通信品質が向上する。しかも、中心部の抗張力繊維は抗張力体としても機能する。
【0020】
請求項6によるこの発明の光ファイバケーブルは、請求項4記載の光ファイバケーブルにおいて、前記抗張力繊維は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることを特徴とするものである。
【0021】
したがって、シース内部断面積に対して占める抗張力繊維の断面積比が10%以上、80%未満であることにより、側圧における損失増加と曲げ損失が効果的に抑えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1を参照するに、この第1の実施の形態に係る光ファイバケーブル1(以下、「光ケーブル」という)は、中心部に長尺状の中心緩衝材3が設けられており、この中心緩衝材3の周囲に複数の光ファイバ心線5(又は光ファイバ素線)が長尺方向に延伸するように配設されて集合体7を構成している。この集合体7の円周には長尺方向に延伸した抗張力繊維9が配設され、これらの抗張力繊維9の周囲は押出成形により樹脂のシース材11で一括シースされている。
【0024】
例えば、上記の中心緩衝材3は、25000デニールのポリプロピレンヤーンであり、この中心緩衝材3の周りには12本の0.9φの光ファイバ心線5(SM)が中心緩衝材3の円周上に並ぶように3000mmのピッチでSZ撚りされており、この光ファイバ心線5の上から、この第1の実施の形態では押え巻用の線条体13として例えば1000デニールのナイロンヤーンで押さえ巻きされて集合体7が作製される。なお、上記の光ファイバ心線5はSZ撚りに限定されず、一方向撚りであっても構わない。
【0025】
この集合体7の上から、抗張力繊維9としての例えば40000デニール分のアラミド繊維が300mmのピッチで横巻きされた後に、押出成形によりポリ塩化ビニール樹脂がシース材11として0.6mmの厚さで被覆され、外径が6mmの光ケーブル1が作製される。
【0026】
この場合、抗張力体の役割を示すのは、横巻きに使用した抗張力繊維9としてのアラミド繊維であり、中心緩衝材3は抗張力作用が小さいものでも構わない。
【0027】
また、中心緩衝材3は、当該中心緩衝材3の上に光ファイバ心線5が撚られるために長尺状でなければならないが、光ファイバ心線5に比べて硬度が小さい材質であれば、いかなる材料でも利用可能であり、繊維状のものや、樹脂を押出したものなどが好適に利用される。また、不織布や紙などのテープ体を円形に整形したものなども利用可能である。
【0028】
なお、この第1の実施の形態では、主にナイロン心線が光ファイバ心線5として使用されているが、光ファイバ素線(0.25φ)でも同様の効果が得られる。
【0029】
図2を参照するに、光ケーブル1を製造する方法について説明する。
【0030】
この第1の実施の形態で用いられる光ケーブル製造装置15としては、複数の光ファイバ心線5を集合するための集合機17が備えられており、この集合機17には、中心緩衝材3を送り出すための1個の緩衝材用送出ボビン19と、光ファイバ心線5が巻き取られている12個の心線用送出ボビン21と、12個の光ファイバ心線5を中心緩衝材3の周囲にSZ撚りに撚り合わせるための撚り合せ制御板23と、SZ撚りに撚られた複数の光ファイバ心線5の周囲にボビン25から送出される押え巻用の線条体13で押さえ巻きを行うための押さえ巻き装置27が備えられている。
【0031】
また、上記の撚り合せ制御板23には、図示していないが中央に中心緩衝材3を通過可能な1個の中心挿通孔が設けられ、この中心挿通孔の周囲に光ファイバ心線5を通過可能な12個の心線用挿通孔が設けられている。この撚り合せ制御板23は光ファイバ心線5をSZ撚りするために、正逆方向に、つまり光ファイバ心線5の送り出し方向において時計、反時計回り方向に交互に繰り返し回転するように構成されている。
【0032】
したがって、緩衝材用送出ボビン19が回転されて中心緩衝材3としての例えば25000デニールのポリプロピレンヤーンが送り出される。これと同時に、12個の心線用送出ボビン21が回転されて光ファイバ心線5としての例えば0.9φの光ファイバ心線5(SM)が撚り合せ制御板23に送り出される。撚り合せ制御板23では12本の光ファイバ心線5が中心緩衝材3の周囲に3000mmのピッチでSZ撚りとされるように正逆方向に交互に回転される。
【0033】
さらに、上記のSZ撚りに撚られた12個の光ファイバ心線5の周囲は、押さえ巻き装置27により、押え巻用の線条体13としての例えば1000デニールのナイロンヤーンで押さえ巻きされて集合体7が作製される。
【0034】
また、光ケーブル製造装置15には、上記の集合機17で集合された集合体7の周囲にボビン29から送出される抗張力繊維9を横巻きするための横巻き装置31と、この横巻き装置31で横巻きされた抗張力繊維9の周囲にシース材11の樹脂を被覆して光ケーブル1を押出成形するための光ケーブル用押出機33が設けられている。
【0035】
したがって、上記の集合体7の周囲には横巻き装置31により抗張力繊維9としての例えば40000デニール分のアラミド繊維が300mmのピッチで横巻きされる、この横巻きされたアラミド繊維の周囲には光ケーブル用押出機33に備えられた押出ヘッド35のダイス37によりシース材11としての例えば0.6mmの厚さのポリ塩化ビニール樹脂で被覆されて光ケーブル1が押出成形される。
【0036】
上記構成により、光ケーブル1の中心緩衝材3は、光ファイバ心線5(例えばナイロン心線)と比してはるかに柔軟であり、同一硬度計で比較するのが難しいほどである。上記の中心緩衝材3は、光ケーブル1にかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線5同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線5へ例えば断線や変形などのダメージや伝送損失の増大を効果的に防止することとなる。
【0037】
また、上記の中心緩衝材3は、シース内部断面積に対して占める断面積比が10%以上、80%未満であることが、下記に示されているように側圧試験における損失増加と曲げ損失を制御する効果を図るという点で望ましい。
【0038】
上記の第1の実施の形態の光ケーブル1を用いて、中心緩衝材3に使用したポリプロピレンヤーンの量を変化させて側圧試験を行ったところ、中心緩衝材3の充填密度と、側圧試験における最大損失増加量(dB)との関係が、図3に示されているグラフの結果となった。
【0039】
なお、図3のグラフにおいては、ポリプロピレンヤーンの量が充填密度(%)で表現されている。この場合の充填密度は、光ケーブル内径(シース内径)の断面積に対する中心緩衝材3の占める正味(空気層を含まない)の断面積の比率として定義されている。
【0040】
また、側圧試験は、構内用光ケーブル規格であるTelcordia GR−409 COREに準拠して評価したものである。概略すると、100mm巾の側圧板を使用して、10分間、1000Nの一定荷重を印加している。また、光ケーブルの損失測定の波長は、1.55μmで行われている。同一ケーブルにおいては、10回の試験(損失データは12心×10回=120点)が行われ、その試験データのうちの最大損失増加量を記したものが図3に示されているグラフとなる。
【0041】
図3によると、充填密度が10%以上において、急に側圧試験の最大損失増加量(dB)が小さくなっている。したがって、側圧試験において損失抑制効果が見られるのは、中心緩衝材3の充填密度が10%以上のときであることが分かる。
【0042】
次に、上記の第1の実施の形態の光ケーブル1を用いて、中心緩衝材3に使用したポリプロピレンヤーンの量を変化させて曲げ損失を測定したところ、中心緩衝材3の充填密度と、直径40φのマンドレルに巻き付けたときの最大損失増加量、換言すれば最大曲げ損失(dB)との関係が、図4に示されているグラフの結果となった。
【0043】
なお、光ケーブルの損失測定は、1.55μmの波長において行われており、光ケーブルが直径40φのマンドレルに1周巻き付けられたときの損失が測定された。図3の場合と同様に、ポリプロピレンヤーンの量が充填密度(%)で表現されており、充填密度は図3の場合と同様に定義される。また、図4のグラフでは、12心のうち、最も大きい曲げ損失を記録した光ファイバのデータがプロットされている。
【0044】
図4によると、中心緩衝材3の充填密度が80%以上のときに、急激に曲げ損失が大きくなることが分かった。この理由としては、一定のケーブル外径を保ちつつ、充填密度を大きくするためには、例えば前述した押え巻用の線条体13により押さえ巻きで固く押さえなければ光ケーブル1を作製できない。しかし、押さえ巻きで固く押さえつけると中心緩衝材3自体が固くなり、中心緩衝材3の曲げこわさにより、光ケーブル1がなめらかに曲がりにくくなる。それに伴って、光ファイバ心線5の曲率が局所的に大きくなり、曲げ損失が大きくなることが考えられる。したがって、上記のことから、中心緩衝材3の充填密度は80%未満であることが必要とされる。
【0045】
次に、この発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0046】
図5を参照するに、この第2の実施の形態に係る光ケーブル39は、前述した第1の実施の形態の光ケーブル1の応用例であり、中心部に抗張力繊維41としての例えば40000デニール分のアラミド繊維が抗張力体を兼ねた中心緩衝材として配置されている。この抗張力繊維41の周りには12本の0.9φの光ファイバ心線5(SM)が抗張力繊維41の円周上に並ぶように3000mmのピッチでSZ撚りされており、この光ファイバ心線5の上から、押え巻用の線条体13として例えば1000デニールのナイロンヤーンで押さえ巻きされて集合体43が作製される。この集合体43の上から、抗張力繊維45としての例えば20000デニール分のアラミド繊維が300mmのピッチで横巻きされた後に、押出成形によりポリ塩化ビニール樹脂がシース材47として0.6mmの厚さで被覆され、外径が6mmの光ケーブル39が作製される。
【0047】
なお、上記の中心緩衝材としての抗張力繊維41は、光ファイバ心線5(例えばナイロン心線)と比して硬度が小さい材質ではるかに柔軟である。
【0048】
上記構成により、上記の中心緩衝材としての抗張力繊維41は、光ケーブル39にかかる外力を吸収すると共に光ファイバ心線5同士の交差を防ぐので、外力によって光ファイバ心線5へ例えば断線や変形などのダメージや伝送損失の増大を効果的に防止することとなる。
【0049】
さらに、この第2の実施の形態の光ケーブル39では、抗張力体の役割を示すのは、横巻きの抗張力繊維45と中心緩衝材としての抗張力繊維41の双方であるので、ケーブル強さが向上する。
【0050】
なお、上記の中心部の抗張力繊維41は、第1の実施の形態の光ケーブル1の中心緩衝材3と同様に、シース内部断面積に対して占める断面積比が10%以上、80%未満であることが、側圧における損失増加と曲げ損失を制御する効果を図るという点で望ましい。
【0051】
次に、この発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0052】
図6を参照するに、この第3の実施の形態に係る光ケーブル49は、長尺状の抗張力繊維51が中心部に設けられており、この抗張力繊維51の周囲に光ファイバ心線5(又は光ファイバ素線)が長尺方向に延伸するように配設されて集合体53を構成している。この集合体53の円周は押え巻部55により押さえ巻きが施され、押え巻部55の周囲は押出成形により樹脂のシース材57で被覆されている。
【0053】
例えば、上記の中心部の抗張力繊維51は40000デニール分のアラミド繊維であり、光ケーブルの緩衝体かつ抗張力体として配置されている。この抗張力繊維51の周りには12本の0.9φの光ファイバ心線5(SM)が抗張力繊維51の円周上に並ぶように3000mmのピッチでSZ撚りされており、この光ファイバ心線5の上から、20mm巾の不織布が押え巻部55として横巻きされた後に、押出成形によりポリ塩化ビニール樹脂がシース材57として0.6mmの厚さで被覆され、外径が6mmの光ケーブル49が作製される。
【0054】
この場合、抗張力体の役割を示すのは、中心部の抗張力繊維51であり、押え巻部55としての例えば不織布は、光ファイバ心線5を口出しする時にシース材57が例えばカッタ刃により除去される場合に、カッタ刃が光ファイバ心線5に直接に触れないように防護するために巻かれている。なお、押え巻部55としては、上記の不織布に限定されず、プラスチックや紙をテープ状に加工したものや繊維状のものであっても構わない。
【0055】
なお、上記の中心部の抗張力繊維51は、第1の実施の形態の光ケーブル1の中心緩衝材3と同様に、シース内部断面積に対して占める断面積比が10%以上、80%未満であることが、側圧における損失増加と曲げ損失を制御する効果を図るという点で望ましい。
【0056】
以上のように、第1〜第3の実施の形態のいずれの光ケーブル1,39,49においても、光ケーブルに外力がかかった場合、中心部の中心緩衝材3あるいは抗張力繊維41,51により、光ファイバ心線5の曲がりを緩やかにすることができ、損失増大を軽減することができた。また、中心部の中心緩衝材3あるいは抗張力繊維41,51が外力を吸収し、光ファイバ心線5にかかる力が軽減されたために、光ファイバの破断および変形を少なくすることができた。
【0057】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0058】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項1の発明によれば、中心部の中心緩衝材により、光ケーブルにかかる外力を吸収でき、また光ファイバ心線同士の交差を防ぐことができるので、外力によって光ファイバ心線に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大を効果的に防止でき、通信品質を向上できる。
【0059】
請求項2の発明によれば、シース内部断面積に対して占める中心緩衝材の断面積比を10%以上、80%未満とすることにより、側圧における損失増加と曲げ損失を効果的に抑えることができる。
【0060】
請求項3の発明によれば、中心緩衝材は光ファイバ心線又は光ファイバ素線よりも硬度を小さくすることにより、光ファイバケーブルにかかる外力を容易に吸収できる。
【0061】
請求項4の発明によれば、中心緩衝材を抗張力繊維とすることにより、光ファイバケーブルにかかる外力を吸収するだけでなく抗張力体の役割を果たすことができる。その結果、中心部の抗張力繊維と外側の抗張力繊維の双方が抗張力体として機能するので、ケーブル強さを向上させることができる。
【0062】
請求項5の発明によれば、中心部の中心緩衝材により、光ケーブルにかかる外力を吸収でき、また光ファイバ心線同士の交差を防ぐことができるので、外力によって光ファイバ心線に対して与える断線や変形などのダメージや伝送損失の増大を効果的に防止でき、通信品質を向上できる。しかも、中心部の抗張力繊維は抗張力体としても機能できる。
【0063】
請求項6の発明によれば、シース内部断面積に対して占める抗張力繊維の断面積比を10%以上、80%未満とすることにより、側圧における損失増加と曲げ損失を効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の光ファイバケーブルの断面図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態の光ファイバケーブルの製造装置の概略説明図である。
【図3】第1の実施の形態の光ファイバケーブルの中心緩衝材の充填密度と側圧試験における最大損失増加の関係を示すグラフである。
【図4】第1の実施の形態の光ファイバケーブルの中心緩衝材の充填密度と最大曲げ損失(φ40)の関係を示すグラフである。
【図5】この発明の第2の実施の形態の光ファイバケーブルの断面図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態の光ファイバケーブルの断面図である。
【図7】従来の光ファイバケーブルの断面図である。
【図8】従来の他の光ファイバケーブルの断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバケーブル(第1の実施の形態の)
3 中心緩衝材
5 光ファイバ心線
7 集合体
9 抗張力繊維
11 シース材
39 光ファイバケーブル(第2の実施の形態の)
41 抗張力繊維
43 集合体
45 抗張力繊維
47 シース材
49 光ファイバケーブル(第3の実施の形態の)
51 抗張力繊維
53 集合体
55 押え巻部
57 シース材

Claims (6)

  1. 中心部に設けた長尺状の中心緩衝材と、この中心緩衝材の周囲に配設して長尺方向に延伸した光ファイバ心線又は光ファイバ素線とからなる集合体と、この集合体の円周に配設するよう長尺方向に延伸した抗張力繊維と、この抗張力繊維の外周に被覆したシース材と、から構成してなることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記中心緩衝材は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記中心緩衝材が、光ファイバ心線又は光ファイバ素線よりも硬度が小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記中心緩衝材が、抗張力繊維であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の光ファイバケーブル。
  5. 中心部に設けた長尺状の抗張力繊維と、この抗張力繊維の周囲に配設して長尺方向に延伸した光ファイバ心線又は光ファイバ素線とからなる集合体と、この集合体の円周に押さえ巻きを施した押え巻部と、押え巻部の周囲に一括シースして構成してなることを特徴とする光ファイバケーブル。
  6. 前記抗張力繊維は、シース内部断面積に対する断面積比が10%以上、80%未満であることを特徴とする請求項5記載の光ファイバケーブル。
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