JP2005061862A - 放射線画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線検出部30は、放射線の照射により発光を示す蛍光体シート、該蛍光体シートから発せられた発光光を導光する導光部および導光された発光光を電気信号に変換する検出部から構成され、読取光源21の側方へ蛍光体シートが照射線画像記録媒体10に相対するように取り付けられている。また読取光源21を光源移動部22により走査方向へ移動させることにより、放射線量検出部30を所望の検出位置へ移動させることができる。このため、従来必要であった、放射線量検出部30を設けるための特別なスペース(X方向)は不要となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体を透過した放射線を放射線画像として記録する放射線画像記録媒体に放射線画像を記録する際における放射線の線量を検出する放射線量検出手段および放射線画像を読み取るための読取光を射出する読取光源を備えた放射線画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被写体を透過したX線などの放射線を放射線画像として記録する放射線画像記録媒体を、読取光源から射出される読取光により走査露光して、記録された放射線画像を読み取る放射線画像読取装置が知られている。
【0003】
上記のような放射線画像記録媒体は、医療用放射線画像の撮影などにおいて多く利用されており、種々のタイプのものが提案されている。たとえば、照射された放射線の放射線エネルギーの一部を蓄積するとともに、可視光やレーザ光などの励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体を利用して形成された蓄積性蛍光体シートや、照射された放射線の放射線の線量に応じた量の電荷を発生し、その電荷を潜像電荷として蓄積することにより放射線画像を記録するものなどがある。なお、ここで線量とは、放射線の照射された物質の単位質量に吸収される放射線エネルギーまたはそれに比例する量のことをいう。
【0004】
ここで、上記のような放射線画像記録媒体を利用して放射線画像の撮影を行う際には、撮影される人体の部位や、放射線源の種類などによって放射線の線量が制御される。そして、その放射線の線量は、人体に影響のない程度であって、かつ放射線画像記録媒体から読み取った放射線画像が画像診断に適切な画質となるような大きさである必要がある。上記のような放射線の線量の制御を行う装置として、例えばフォトタイマを用いた装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された装置は、放射線の照射に応じて瞬時に発光する放射線量検出用蛍光体と、この放射線量検出用蛍光体から発せられる瞬時発光光を検出する光検出器と、この放射線量検出部により検出された瞬時発光光の発光レベルに基いて照射する放射線の線量を制御する制御手段とからなるフォトタイマを用いるものであって、上記放射線量検出用蛍光体を被写体と放射線画像記録媒体との間に配置し、被写体を透過した放射線を放射線量検出用蛍光体に照射することにより放射線の線量を検出し、その検出した放射線量に基いて照射する放射線の線量を制御する。このような制御により、人体に与える影響を抑制しつつ、適切な画質の放射線画像を取得することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−62748号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、放射線画像読取装置は医療施設等に設置される場合が多く、小型化が強く求められている。しかしながら、読取光源および放射線量検出部を有する放射線画像読取装置は、読取光源を配設するためのスペースに加え、放射線量検出部を配設するためのスペースを設ける必要があり、これらのスペースが画像記録面と垂直な方向に積み重なるため、装置の厚さが増大し、装置が大型化してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑み、読取光源および放射線量検出手段を有する放射線画像読取装置において、装置の大型化を回避することができる放射線画像読取装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線画像読取装置は、被写体を透過した放射線が照射され、該照射された放射線を放射線画像として記録する放射線画像記録媒体に対して、前記放射線画像を読み取るための読取光を射出する、前記放射線画像記録媒体の前記被写体が位置する側とは反対側に配置された読取光源と、
該読取光源の側方に取り付けられ、前記放射線の照射時に、前記被写体および前記放射線画像記録媒体を透過した放射線の線量を検出する放射線量検出手段と、
前記読取光源を前記放射線画像記録媒体に対して平行な平面内で移動させる光源移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
なお、ここで「読取光源の側方に取り付けられる」とは、読取光源に対して、放射線画像記録媒体の画像記録面と平行な方向に、例えば光源移動手段による光源の移動方向に突出させて取り付けることを意味している。
【0010】
前記読取光源がライン光源であり、
前記放射線量検出手段が、前記ライン光源に対して、該ライン光源の長手方向へ移動可能に取り付けられているものであり、
前記光源移動手段が、前記ライン光源を該ライン光源の長手方向と交わる走査方向へ移動させるものであれば、
前記放射線量検出手段を前記ライン光源の長手方向へ移動させる検出移動手段を備えてもよい。
【0011】
入力された被写体情報に基づいて前記光源移動手段、または前記光源移動手段および前記検出移動手段を制御して、予め前記被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ前記放射線量検出手段を移動させる移動制御手段を備えてもよい。
【0012】
なお「被写体情報」とは、放射線の照射対象である被写体に関する情報を意味し、具体的には被写体部位情報、被写体サイズ情報あるいは被写体撮影方向情報等のいずれかもしくはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明の放射線画像読取装置は、放射線量検出手段が読取光源の側方へ取り付けられているため、放射線量検出手段を配設するためのスペースが、読取光源を配設するためのスペースに画像記録面と垂直な方向に積み重なることがないので装置の厚さが増大せず、装置の大型化を回避することができる。また読取光源を光源移動手段により移動させることにより、放射線量検出手段を所望の検出位置へ移動させることができる。
【0014】
読取光源がライン光源であり、放射線量検出手段が前記ライン光源に対して、該ライン光源の長手方向へ移動可能に取り付けられているものであり、光源移動手段が、ライン光源をライン光源の長手方向と交わる走査方向へ移動するものであれば、放射線量検出手段をライン光源の長手方向へ移動させる検出移動手段を備えることにより、ライン光源が走査方向のみへ移動可能なものであっても、光源移動手段および検出移動手段を用いて、放射線量検出手段を任意の所望の検出位置へ移動することができる。
【0015】
入力された被写体情報に基づいて、光源移動手段または、光源移動手段および検出移動手段を制御して、予め該被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ前記放射線量検出手段を移動させる移動制御手段を備えれば、使用者は被写体情報を入力するのみで、放射線量検出手段を適切な検出位置へ移動させることができ、放射線画像読取装置の利便性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明による放射線画像読取装置を用いた画像情報記録読取システムの概略構成図である。
【0017】
図1に示すように、この画像情報記録読取システム1は、静電潜像を記録可能な放射線画像記録媒体10と、放射線画像記録媒体10に読取光L1を照射する読取光源21および該読取光源21を移動する光源移動部22とからなる読取用露光部20と、読取光源21の側方に取り付けられた、被写体65および放射線画像記録媒体10を透過した放射線の線量を検出する放射線量検出部30と、読取用露光部20および放射線量検出部30を制御する制御部40と、放射線画像記録媒体10の電荷を読み出す電流検出回路50と、放射線L2を照射する放射線照射部60と、放射線量検出部30、制御部40、電流検出回路50および放射線照射部60と接続されたシステム制御部70とを有している。
【0018】
放射線画像記録媒体10は、画像情報を担持する被写体を透過した放射線L2(例えば、X線等)が第1電極層(導電体層)11に照射されることにより記録用光導電層12内に電荷が発生し、この発生した電荷を記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に潜像電荷として蓄積し、読取光L1で第2電極層(導電体層)15が移動されることにより読取用光導電層14内に電荷が発生し前記潜像電荷と電荷再結合して潜像電荷の量に応じた電流を発生するものである。なお、第2電極層15の外側には読取光L1を透過する透明支持体17が設けられている。第2電極層15は、多数の線状電極(図中の斜線部)がストライプ状に配列されて成るものである。以下第2電極層15の電極をストライプ電極16といい、各線状電極をエレメント16aという。記録用光導電層12、電荷輸送層13、および読取用光導電層14には、アモルファス状の物質としてのa−Seを主成分とするものを使用する。なお、図1に示すように、記録用光導電層12、電荷輸送層13、読取用光導電層14、第2電極層15および、透明支持体17の積層方向をX方向、ストライプ電極16の長手方向をY方向、読取光源21の長手方向をZ方向とする。
【0019】
読取光源21は、読取光L1である波長約460nmの光を射出する多数のLEDがZ方向に線状に配列されたライン状の光源である。光源移動部22は、制御部40の制御により、読取光源21をY方向に移動するものである。
【0020】
放射線線量検出部30は、図1に示すように、読取光源21の長手方向中央部の側方に固定されて取り付けられている。また図2は、放射線線量検出部30の概略構成図であり、この図2に示すように、蛍光体シート部31と検出部32とから構成されている。蛍光体シート部31は、放射線の照射により発光を示す蛍光体シート31aと、蛍光体シート31aから発せられた発光光L3を検出部32まで導光する導光部31bとが光学的に接触した状態で重ね合わされて構成されている。したがって、蛍光体シート31aから発せられた発光光L3は導光部31bを経由し、導光部31bに接続された検出部32まで導光される。検出部32は、導光部31bにより導光された発光光L3を電気信号に変換するフォトダイオード等の半導体検出器である。なお、放射線量検出部30は、蛍光体シート31a側が、放射線画像記録媒体10と相対するように読取光源21に取り付けられている。
【0021】
制御部40は、読取用露光部20および放射線量検出部30を制御するものであり、入力部41および記憶部42が設けられている。入力部41は、手動操作により放射線画像を取得する被写体情報が入力可能である。記憶部42には、予め各被写体情報と対応して、適切な放射線量検出部30の検出位置が記憶されている。制御部40は、被写体情報が入力されると、放射線L2が照射される前に、光源移動部22を制御して、放射線量検出部30を被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ移動させる。また、放射線L2が照射されると、検出部32から出力され、積分された電気信号が所定の閾値以上になった際に放射線源61からの放射線の射出を停止させるよう制御信号D1を出力するものである。なお、上記閾値は、人体に影響を及ぼすことなく、かつ放射線画像記録媒体10の高画質な画像情報が取得できる程度の放射線が放射線画像記録媒体10に照射されるよう予め設定された値である。
【0022】
また制御部40は、読取を行う際に、走査露光を指示する制御信号A1が入力されると読取光源21から読取光L1を射出させ、同時に光源移動部22を駆動して読取光源21を放射線画像記録媒体10の一方の端部から、他方の端部まで移動させ、読取光L1により放射線画像記録媒体10を走査露光させる。
【0023】
電流検出回路50は、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に、反転入力端子に接続された電流検出アンプ51を多数有している。放射線画像記録媒体10の第1電極層11はスイッチ52の一方の入力および電源53の負極に接続されており、電源53の正極はスイッチ52の他方の入力に接続されている。
【0024】
スイッチ52の出力は各電流検出アンプ51を構成する不図示のオペアンプの非反転入力端子に共通に接続されている。読取光L1がストライプ電極16側に照射(走査露光)されることにより、各電流検出アンプ51は、各エレメント16aに流れる電流を、接続された各エレメント16aについて同時(並列的)に検出する。
【0025】
スイッチ52は、画像記録を指示する制御信号B1が入力されると、電源53側に切り換えられ、放射線画像記録媒体10(詳しくは第1電極層11の電極とストライプ電極16との間)に電源53から直流電圧が印加される。一方画像読取を指示する制御信号B2が入力されると、スイッチ52は第1電極層11側に切り換えられ、電流検出アンプ51を構成する不図示のオペアンプのイマジナリーショートを介して第1電極層11の電極とストライプ電極16とが実質的にショートされ、両電極が同電位にされる。
【0026】
なお、電流検出アンプ51の構成の詳細については、本発明の要旨に関係がないのでここでは詳細な説明を省略するが、周知の構成を種々適用することが可能である。電流検出アンプ51の構成によっては、スイッチ52および電源53並びに各エレメント16aとの接続態様が上記とは異なるものとなるのは勿論である。
【0027】
放射線照射部60は、放射線L2を発する放射線源61と放射線源61を駆動する電力を発生する高電圧発生器62とからなる。高電圧発生器62は、放射線L2照射を指示する制御信号C1が入力されたときには高圧HVを放射線源61に供給し、放射線源61から放射線L2を発生させる。
【0028】
システム制御部70は、制御部40に向けて走査露光を指示する制御信号A1を出力し、スイッチ52に向けて画像記録を指示する制御信号B1または画像読取を指示する制御信号B2を出力し、高電圧発生器62に向けて放射線L2射出を指示する制御信号C1を出力する。
【0029】
以下、上記構成の画像情報記録読取システム1の作用について説明する。まず、放射線画像の記録を行う前に、使用者は、入力部41から手動操作により放射線画像を取得する被写体情報を入力する。記憶部42には、予め各被写体情報、例えば被写体部位情報と対応して、最も適切な放射線量検出部30の検出位置が記憶されている。例えば被写体部位が胃であれば、図3の(A)に示すように、放射線画像記録媒体10の略中央部に相対する位置が検出位置91として記憶されている。被写体部位が肺であれば、図3の(B)に示すように放射線画像記録媒体10のY方向の下から3/4の位置(右肺に対応する位置)が検出位置92として記憶されている。
【0030】
制御部40は、被写体情報が入力されると、光源移動部22を制御して、放射線量検出部30を被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ移動させる。
【0031】
次にシステム制御部70は、スイッチ52に画像記録を指示する制御信号B1を出力する。すなわち、放射線画像記録媒体10内の記録用光導電層12で発生した電荷を蓄電部19に蓄積させることができるように、スイッチ52を電源53側に切り換えて第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に電源53から記録用電圧としての所定の大きさの直流電圧を印加して、両者を帯電させる。
【0032】
この記録用電圧の印加の後、システム制御部70は、高電圧発生器62に、放射線L2の照射を指示する制御信号C1を出力する。高電圧発生器62から高圧HVが放射線源61に供給され、放射線源61から放射線L2が照射される。
【0033】
射出された放射線L2は被写体65に照射される。被写体65に照射された放射線L2は被写体65を透過し、この被写体65の放射線画像を担持した放射線L2が放射線画像記録媒体10に照射される。そして、放射線画像記録媒体10に照射された放射線L2は、その一部は放射線画像として放射線画像記録媒体10に蓄積記録されるとともに、その一部を除く放射線L2は放射線画像記録媒体10を透過して、放射線量検出装置30の蛍光体シート部31aに照射される。
蛍光体シート31aに放射線L2が照射されると、蛍光体シート31aはその照射された放射線L2の線量に応じた光量で発光する。そして、図2に示すように、蛍光体シート31aから発せられた発光光L3は導光部31bに入射し、導光部31bに入射した発光光L3は検出部32まで導光される。そして、検出部32に入射した発光光L3は検出部32において電気信号に光電変換され、その電気信号は制御部40に出力される。制御部40は、入力された電気信号を積分し、その積分された電気信号の大きさと予め設定された閾値とを比較し、積分値の方が閾値よりも大きくなった場合には、放射線L2の照射停止を指示する制御信号D1をシステム制御部70へ出力する。システム制御部70は、制御信号C1の出力を停止させ、放射線L2の照射が終了する。
【0034】
放射線L2が放射線画像記録媒体10に照射されている間、放射線画像記録媒体10の記録用光導電層12内では正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が所定の電界分布に沿ってストライプ電極16の各エレメント16aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に潜像電荷として蓄積される。潜像電荷の量は照射放射線L2量に略比例するので、この潜像電荷が静電潜像を担持することとなる。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は第1電極層11に引き寄せられて、電源53から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。
【0035】
次に、放射線画像記録媒体10から静電潜像を読み取る際には、システム制御部70は、スイッチ52に画像読取を指示する制御信号B2を出力する。スイッチ52は第1電極層11側に切り換えられ、電流検出アンプ51を構成する不図示のオペアンプのイマジナリーショートを介して第1電極層11の電極とストライプ電極16とが実質的にショートされ、両電極が同電位にされる。
【0036】
また、システム制御部70は、走査露光を指示する制御信号A1を制御部40に出力する。制御部40は、制御信号A1が入力されると読取光源23を放射線画像記録媒体10の端部まで移動させ、その後、読取光源23から読取光L1を射出させ、同時に光源移動部22を駆動して、読取光L1により放射線画像記録媒体10を走査露光する。
【0037】
この読取光L1による走査露光により、走査位置に対応するライン光が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が蓄電部16に蓄積された負電荷(潜像電荷)に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部16で潜像電荷と電荷再結合し消滅する。一方、光導電層14に生じた負電荷は電源53からストライプ電極16に注入される正電荷と電荷再結合し消滅する。このようにして、放射線画像記録媒体10の蓄電部19に蓄積されていた負電荷が電荷再結合により消滅し、この電荷再結合の際の電荷の移動による電流が放射線画像記録媒体10内に生じる。この電流を各エレメント16a毎に接続された各電流検出アンプ51が同時に検出する。読取りの際に放射線画像記録媒体10内を流れる電流は、潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであるから、この電流を検出することにより静電潜像を読み取る、すなわち静電潜像を表す画像信号を取得することができる。
【0038】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態の放射線画像記録読取システムは、放射線量検出部30が読取光源21の側方へ取り付けられているため、放射線量検出部30を配設するためのスペースが、読取光源21を配設するためのスペースに画像記録面と垂直な方向に積み重なることがないので装置の厚さが増大せず、装置の大型化を回避することができる。また読取光源21を光源移動部22により走査方向へ移動させることにより、放射線量検出部30を所望の検出位置へ移動させることができる。
【0039】
また、制御部40は、入力された被写体情報に基づいて、光源移動部22を制御して、予め被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ放射線量検出部30を移動させるので、使用者は被写体情報を入力するのみで、放射線量検出部30を適切な検出位置へ移動させることができ、放射線画像記録読取システムの利便性を向上させることができる。
【0040】
次に、図4を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なお、図4においては、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0041】
図4に示すように、この画像情報記録読取システム2は、放射線画像記録媒体10と、読取光源21および該読取光源21を移動する光源移動部22とからなる読取用露光部20と、読取光源21の側方に検出移動部81を介して取り付けられた放射線量検出部30と、読取用露光部20、放射線量検出部30および検出移動部81を制御する制御部80と、放射線画像記録媒体10の電荷を読み出す電流検出回路50と、放射線L2を照射する放射線照射部60と、放射線量検出部30、制御部40、電流検出回路50および放射線照射部60と接続されたシステム制御部70とを有している。
【0042】
検出移動部81は、放射線量検出部30を読取光源21の長手方向へ移動させる移動手段であり、制御部80により制御される。
【0043】
制御部80は、入力部41および記憶部82が設けられている。記憶部82には、予め各被写体情報と対応して、最も適切な検出位置が記憶されている。制御部80は、被写体情報が入力されると、放射線L2が照射される前に、光源移動部22および検出部移動部81を制御して、放射線量検出部30を被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ移動させる。Y方向およびZ方向へ放射線検出部30を移動可能であるため、任意の位置へ放射線検出部30を移動することができる。
【0044】
記憶部82には、予め各被写体情報、例えば乳房の撮影を行う場合であれば、乳房サイズ(S、MあるいはL等)および被写体撮影方向(内外斜位方向撮影(MLO):右乳房、内外斜位方向撮影(MLO):左乳房、あるいは頭尾方向撮影(CC)等)と対応して、最も適切な放射線量検出部30の検出位置が記憶されている。例えば、図5の(A)にしめすように、乳房を水平に撮影する頭尾方向撮影(CC)であり、乳房サイズがSであれば左右中央部で、胸壁側から2cm離れた位置が検出位置93として記憶され、(B)に示すように乳房サイズがMであれば胸壁側から4cm離れた位置が検出位置94として記憶され、(C)に示すように乳房サイズがLであれば胸壁側から6cm離れた位置が検出位置95として記憶されている。また図6の(A)に示すように右乳房を斜め方向から撮影する内外斜位方向撮影(MLO):右乳房であり乳房サイズがSであれば下から1/3で、胸壁側から2cm離れた位置が検出位置96として記憶され、(B)に示すように乳房サイズがMであれば胸壁側から4cm離れた位置が検出位置97として記憶され、(C)に示すように乳房サイズがLであれば胸壁側から6cm離れた位置が検出位置98として記憶されている。内外斜位方向撮影(MLO):左乳房の撮影を行う場合には左右が逆となる。
【0045】
また、例えば骨折部位などの経過観察を行う場合等であれば、検出位置として座標値を指定すれば、その座標値へ放射線量検出部30を移動することができる。なお、放射線量検出部30の検出位置の制御以外の動作は、図1に示す制御部40と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
以上の説明で明らかなように、本発明の第2の実施の形態の放射線画像記録読取システム2は、第1の実施の形態と同様に、放射線量検出部30が読取光源21の側方へ取り付けられているため、装置の大型化を回避することができる。また光源移動部22および検出移動部81により放射線量検出部30を任意の所望の検出位置へ移動させることができる。
【0047】
さらに、制御部80は、入力された被写体情報あるいは検出位置の座標値等に基づいて、光源移動部22および検出移動部81を制御して、放射線量検出部30を移動させるので、使用者は被写体情報あるいは検出位置の座標値等を入力するのみで、放射線量検出部30を最も適切な検出位置へ移動させることができ、放射線画像記録読取システムの利便性を向上させることができる。
【0048】
また、上記各実施の形態では、放射線画像記録媒体として、静電潜像を記録可能な放射線画像記録媒体10を用いたが、このような放射線画像記録媒体に限ず、照射された放射線を放射線画像として記録するものでれば如何なるものでもよく、例えば蓄積性蛍光体シート等から構成される放射線画像記録媒体を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態である画像情報記録読取システムの概略構成図
【図2】放射線量検出部の概略構成図
【図3】検出位置の説明図
【図4】第2の実施の形態である画像情報記録読取システムの概略構成図
【図5】検出位置の説明図
【図6】検出位置の説明図
【符号の説明】
1、2 画像情報記録読取システム
10 画像記録媒体
20 読取用露光部
21 読取光源
22 光源移動部
30 放射線量検出部
40、80 制御部
50 電流検出回路
60 放射線照射部
70 システム制御部
91、92、93、94、95、96,97、98 検出位置
Claims (4)
- 被写体を透過した放射線が照射され、該照射された放射線を放射線画像として記録する放射線画像記録媒体に対して、前記放射線画像を読み取るための読取光を射出する、前記放射線画像記録媒体の前記被写体が位置する側とは反対側に配置された読取光源と、
該読取光源の側方に取り付けられ、前記放射線の照射時に、前記被写体および前記放射線画像記録媒体を透過した放射線の線量を検出する放射線量検出手段と、
前記読取光源を前記放射線画像記録媒体に対して平行な平面内で移動させる光源移動手段とを備えたことを特徴とする放射線画像読取装置。 - 前記読取光源がライン光源であり、
前記放射線量検出手段が、前記ライン光源に対して、該ライン光源の長手方向へ移動可能に取り付けられているものであり、
前記光源移動手段が、前記ライン光源を該ライン光源の長手方向と交わる走査方向へ移動させるものであり、
前記放射線量検出手段を前記ライン光源の長手方向へ移動させる検出移動手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線画像読取装置。 - 入力された被写体情報に基づいて前記光源移動手段を制御して、予め該被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ前記放射線量検出手段を移動させる移動制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線画像読取装置。
- 入力された被写体情報に基づいて前記光源移動手段と前記検出移動手段とを制御して、予め前記被写体情報と対応して記憶されている検出位置へ前記放射線量検出手段を移動させる移動制御手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の放射線画像読取装置。
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