JP2004154409A - 乳房用画像撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乳房用画像撮像装置において、撮影の際に被検者に掛かる負担を軽減させる。
【解決手段】撮影台4の被検者の胸壁9と接する辺に、被検者の胸壁9の表面形状に大凡沿って湾曲した湾曲部4aを設けて、撮影台4と胸壁9とを無理なく接することができるようにする。そして、撮影時には、移動手段70により固体検出器10を筐体4の胸壁9側の側壁内面4bに近接する方向に移動させて、胸壁9近傍までの領域の撮像を行い、読取時には、移動手段70により固体検出器10を胸壁9側の側壁内面4bから離間する方向に移動させて、読取用露光光源部20を走査する際に湾曲部4aが干渉しないようにして、静電潜像の読取を行う。
【選択図】 図7
【解決手段】撮影台4の被検者の胸壁9と接する辺に、被検者の胸壁9の表面形状に大凡沿って湾曲した湾曲部4aを設けて、撮影台4と胸壁9とを無理なく接することができるようにする。そして、撮影時には、移動手段70により固体検出器10を筐体4の胸壁9側の側壁内面4bに近接する方向に移動させて、胸壁9近傍までの領域の撮像を行い、読取時には、移動手段70により固体検出器10を胸壁9側の側壁内面4bから離間する方向に移動させて、読取用露光光源部20を走査する際に湾曲部4aが干渉しないようにして、静電潜像の読取を行う。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体検出器を使用して、乳房の放射線画像を撮影する乳房用画像撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、医療診断等を目的とする放射線撮影において、放射線を検出して得た電荷を固体検出素子の蓄電部に一旦蓄積し、該蓄積した電荷を放射線画像情報を表す画像信号に変換して出力する放射線固体検出器が各種提案、実用化されている。例えば、放射線を電荷に変換する電荷生成プロセスの面からは、光変換方式の放射線固体検出器と直接変換方式の放射線固体検出器の2つの方式が提案され、また蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面からは、TFT(薄膜トランジスタ)読出方式と光読出方式の2つの方式が提案されている。
【0003】
ここで、光変換方式の放射線固体検出器とは、例えば、絶縁基板上に多数の光電変換素子(固体検出素子)を行列状に形成した固体検出部(画像読取部)と、この固体検出部上に形成された蛍光体とから成るものであり、放射線が照射されることにより蛍光体から発せられた蛍光を光電変換素子で検出して得た信号電荷を光電変換素子の蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を画像信号(電気信号)に変換して出力するものである(例えば特許文献1等)。
【0004】
また、直接変換方式の放射線固体検出器とは、例えば、絶縁基板上に行列状に形成された多数の電荷収集電極と、この電荷収集電極上に形成された放射線が照射されると放射線情報を担持する電荷を発生する放射線導電体とを積層して成る固体検出部を有するものであり、放射線が照射されることにより放射線導電体内で発生した信号電荷を電荷収集電極で集めて蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を電気信号に変換して出力するものである(例えば特許文献2等)。この方式における固体検出素子は、電荷収集電極と放射線導電体を主要部とするものである。
【0005】
TFT読出方式とは、固体検出素子の蓄電部に蓄積された信号電荷を、該蓄電部と接続されたTFTを走査駆動して読み出す方式であり、光読出方式とは、固体検出素子に読取光(読取用の電磁波)を照射して読み出す方式である。
【0006】
さらに、本願出願人は、特許文献3や特許文献4等において改良型直接変換方式の放射線固体検出器を提案している。改良型直接変換方式の放射線固体検出器とは、直接変換方式、かつ光読出方式のものであり、記録用の放射線に対して透過性を有する第1の導電体層、該第1の導電体層を透過した記録用の放射線の照射を受けることにより光導電性(正確には放射線導電性)を呈する記録用光導電層、第1の導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取用の電磁波の照射を受けることにより光導電性(正確には電磁波導電性)を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の導電体層を、この順に積層して成るものであり、記録用光導電層と電荷輸送層との界面(蓄電部)に、画像情報を担持する信号電荷(潜像電荷)を蓄積するものである。第1の導電体層および第2の導電体層は電極として機能するものである。また、この方式における固体検出素子は、記録用光導電層、電荷輸送層および読取用光導電層を主要部とするものである。
【0007】
上記各種方式の放射線固体検出器から出力された画像信号は、外部に出力され、後段の信号処理装置により種々の信号処理が施された後にCRT等の出力手段により可視情報等として出力される。このように、放射線固体検出器を用いることにより、被写体の放射線画像を表す画像信号をリアルタイムで得、直ちに可視画像等として出力することができる。
【0008】
なお、上述した各種方式の放射線固体検出器を使用して放射線画像を撮影し、検出器内の蓄積電荷を読み出して画像信号を得るに際しては、より高速に画像信号を取得するために、行すなわちライン毎に、そのラインの各素子(一部または全部)の蓄積電荷を並列的に読み出すことがよく行われている。このような方式を、以下ライン読出方式という。
【0009】
【特許文献1】
特開平02−164067号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平01−216290号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−105297号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2000−162726号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
現在、上記の固体検出器を撮像デバイスに用いた、乳房の放射線画像を撮像する乳房用画像撮像装置が考えられている。
【0014】
この乳房用画像撮像装置は、筐体の内部に固体検出器と読取光光源もしくは輝尽性蛍光体パネルと励起光光源およびセンサが配置された撮影台上に被検者の乳房を固定し、乳房の上部から放射線を照射して、乳房の放射線画像を得るものであるが、この装置においては、できるだけ被検者の胸壁近傍までの画像情報を取得可能であることが要求されている。
【0015】
そのため、撮影台内部の固体検出器を胸壁側に可能な限り近接させるべく、撮影台を強く被検者の胸壁に押圧して撮影を行うため、被検者は相当な苦痛を強いられていた。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みて、乳房用画像撮像装置において、撮影の際に被検者に掛かる負担を軽減させることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による乳房用画像撮像装置は、撮影台内部に、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器が収容された乳房用画像撮像装置において、撮影台および固体検出器の被検者の胸部に対向する一辺に、被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
上記乳房用画像撮像装置においては、被検者の胸部に対向する一辺に被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部が設けられ、被検者の乳房を撮影台上に押圧する押圧板を備えたものとしてもよい。
【0019】
また、固体検出器を、記録されている画像情報を画像信号として検出するための、湾曲部が設けられた辺と略直交する方向に延びる多数の線状電極を備えたものとした場合には、線状電極から信号を検出する信号検出手段を、湾曲部が設けられた辺と対向する辺側から線状電極に接続することが好ましい。
【0020】
また、固体検出器を、湾曲部の最深部から左右に分割された2枚の検出器から構成されたものとしてもよい。
【0021】
さらに、固体検出器を、第1の導電層、少なくとも1つの光導電層、多数の線状電極からなるストライプ電極を有する第2の導電層をこの順に積層してなり、画像情報を担持する放射線が照射されることにより画像情報を静電潜像として記録し、読取光で走査されることにより静電潜像に応じた電流を発生するものとしてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明による乳房用画像撮像装置は、撮影台の被検者の胸壁と接する辺に、胸壁近傍の表面形状に沿った湾曲部を設け、併せて、撮影台内部に収容される固体検出器にも、撮影台の湾曲部に対応させて湾曲部を設けたことにより、撮影時に無理なく被検者の胸壁を撮影台に押圧することができ、撮影の際に被検者に掛かる負担を軽減させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明による乳房用画像撮像装置の第1の実施の形態を示す概略図、図2はこの装置の押圧板および撮影台の上面図、図3はこの装置の撮影台内部の概略図、図4はこの装置に用いる固体検出器の概略図である。
【0024】
この乳房用画像撮像装置1は、内部に放射線源2を収納する放射線源収納部3と、内部に固体検出器10等を収容してなる撮影台4とが対向するようアーム5によって連結され、このアーム5が基台6に取り付けられて構成されているものである。さらに、アーム5には、撮影台4上に上から乳房8を押さえつけて保持する押圧板7が設けられている。
【0025】
撮影台4の被検者の胸壁9と接する辺には、被検者の胸壁9の表面形状に大凡沿って湾曲した湾曲部4aが設けられている。そのため、撮影時に無理なく被検者の胸壁9を撮影台4に押圧することができ、撮影の際に被検者に掛かる負担を軽減させることができる。なお、この湾曲部4aの奥行きDは10mm程度とすればよい。また、押圧板7の被検者の胸壁9側の辺にも、撮影台4に形成された湾曲部4aの形状に対応した湾曲部7aが設けられている。
【0026】
撮影台4の内部には、画像情報を担持する放射線の照射を受けてこの画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器10と、固体検出器10に記録された放射線画像情報の読取時に使用される読取用露光光源部20と、読取用露光光源部20を副走査方向に移動させる読取用露光光源部移動手段75と、読取用露光光源部20による固体検出器10への走査露光時に固体検出器10から流れ出す電流を検出して画像信号を得る電流検出手段30と、固体検出器10に所定の電圧を印加する高電圧電源部45と、撮影開始前に固体検出器10に前露光光を照射する前露光光源部60と、固体検出器10を撮影台4内部において被検者の胸壁9に近接させる方向および胸壁9から離間させる方向(上述の副走査方向)に移動させる固体検出器移動手段70と、読取用露光光源部20、電流検出手段30、高電圧電源部45、前露光光源部60、移動手段70および75を制御する制御手段80とが配置されている。
【0027】
固体検出器10は、直接変換方式かつ光読出方式の放射線固体検出器であって、画像情報を担持する記録光が照射されることによりこの画像情報を静電潜像として記録し、読取光で走査されることにより静電潜像に応じた電流を発生するものであり、具体的には図4に示すように、ガラス基板16上に形成されており、乳房8を透過した放射線(以下記録光という)に対して透過性を有する第一導電層11、記録光の照射を受けることにより電荷を発生して導電性を呈する記録用光導電層12、第一導電層11に帯電される潜像極性電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像極性電荷と逆極性の輸送極性電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層13、読取光の照射を受けることにより電荷を発生して導電性を呈する読取用光導電層14、読取光に対して透過性を有する第二導電層15をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面に蓄電部17が形成される。
【0028】
第一導電層11および第二導電層15はそれぞれ電極をなすものであり、第一導電層11の電極は2次元状に平坦な平板電極とされ、第二導電層15の電極は図中斜線で示すように、記録されている画像情報を画像信号として検出するための多数のエレメント(線状電極)15aが画素ピッチでストライプ状に配されたストライプ電極とされている(例えば特許公報3記載の静電記録体を参照)。エレメント15aの配列方向が主走査方向、エレメント15aの長手方向が副走査方向に対応する。
【0029】
この固体検出器10のサイズは長辺24cm×短辺18cmで、長辺方向が主走査方向、短辺方向が副走査方向となるように撮影台4内に収容されている。また、固体検出器10の長辺のうち被検者の胸壁9に近接する側には、撮影台4の湾曲部4aに対応して湾曲部10aが設けられている。この湾曲部10aは、エレメント15aと直交するする方向に備えられているので、エレメント15aから画像信号を検出する際に影響を及ぼすことはない。
【0030】
読取用露光光源部20としては、LEDチップが一列に複数並べられて構成されたライン光源と、該光源から出力された光を固体検出器10上で線状に照射させる光学系とからなるものを用いる。なお、光源部20を固体検出器10と必要な距離を保ったままリニアモータからなる移動手段75により、固体検出器10のストライプ電極15a長手方向、即ち副走査方向に走査することにより固体検出器10の全面の露光を行う。なお、読取用露光光源部20および移動手段75により読取光走査手段が構成される。
【0031】
図5は固体検出器10および電流検出手段30の接続態様の詳細を示した図である。図示するように、湾曲部10aが設けられた辺と対向する辺において、固体検出器10の各エレメント15aがTAB( Tape Automated Bonding )フィルム32上に形成されたプリントパターン(不図示)を介してチャージアンプIC33と接続され、さらにチャージアンプIC33がTABフィルム32上に形成されたプリントパターン(不図示)を介してプリント基板31と接続されている。なお、本実施の形態では全てのエレメント15aを1つのチャージアンプIC33に接続するのではなく、全体として数個〜数10個のチャージアンプIC33を設け、順次隣接する数本〜百本程度のエレメント15a毎に各チャージアンプIC33に接続するようにしている。
【0032】
なお、電流検出手段30は、上述の態様に限定されるものではなく、チャージアンプIC33をTABフィルム32上に形成せずに、ガラス基板16上に形成する、いわゆるCOG( Chip On Glass )と呼ばれる態様としてもよい。
【0033】
図6は撮影台4内に設けられた電流検出手段30および高電圧電源部45の詳細、並びにこれらと固体検出器10との接続態様を示したブロック図である。
【0034】
高電圧電源部45は、高電圧電源40とバイアス切換手段42とが一体化された回路であり、高電圧電源40は、一旦、静電記録部10へのバイアス印加/短絡など切換えのためバイアス切換手段45を介して静電記録部10に接続されている。なお、この回路は、切換え時に流れる電流の尖頭値を制限して装置の電流が集中する箇所の破壊を防ぐために、充放電過大電流を防止するように設計されている。
【0035】
TABフィルム32上に設けられたチャージアンプIC33は、固体検出器10の各エレメント15a毎に接続された多数のチャージアンプ33aおよびサンプルホールド(S/H)33b、各サンプルホールド33bからの信号をマルチプレクスするマルチプレクサ33cを備えている。固体検出器10から流れ出す電流は各チャージアンプ33aにより電圧に変換され、該電圧がサンプルホールド33bにより所定のタイミングでサンプルホールドされ、サンプルホールドされた各エレメント15aに対応する電圧がエレメント15aの配列順に切り替わるようにマルチプレクサ33cから順次出力される(主走査の一部に相当する)。マルチプレクサ33cから順次出力された信号はプリント基板31上に設けられたマルチプレクサ31cに入力され、さらに各エレメント15aに対応する電圧がエレメント15aの配列順に切り替わるようにマルチプレクサ31cから順次出力され主走査が完了する。マルチプレクサ31cから順次出力された信号はA/D変換部31aによりデジタル信号に変換され、デジタル信号がメモリ31bに格納される。
【0036】
前露光光源部60としては、短時間で発光/消光し、残光の非常に小さい光源が必要であり、本実施の形態においては外部電極型希ガス蛍光ランプを利用する。詳細には前露光光源部60は、図3に示すように、図中紙面奥方向に延びる複数の外部電極型希ガス蛍光ランプ61と、該蛍光ランプ61と固体検出器10との間に挿入された波長選択フィルタ62と、蛍光ランプ61の後方に配され、蛍光ランプ61から出力された光を効率よく固体検出器10側へ反射するための反射板63とを備えてなる。なお、前露光光は固体検出器10の第二電極層15全体に照射すればよく特に集光手段は必要ないが、照度分布は小さい方がよい。なお、光源としては蛍光ランプの代わりに、例えばLEDチップを面的に並べたものを利用するもことできる。
【0037】
固体検出器10から静電潜像を読み取る際、基本的には蓄積されている潜像電荷を全て読み出すことができるが、場合によっては潜像電荷を完全に読み出すことができず固体検出器10に残留電荷として読み残すことがある。また、固体検出器10に静電潜像を記録するとき、記録光の照射の前に固体検出器10に高圧を印加するが、この印加の際に暗電流が発生し、それによる電荷(暗電流電荷)も固体検出器10に蓄積される。さらに、これら以外の原因によっても固体検出器10に種々な電荷が記録光の照射の前に蓄積されることが知られている。記録光の照射の前に蓄積されるこれら残留電荷,暗電流電荷などの不要電荷は、記録光を照射することにより蓄積される画像情報を担持する電荷に加算されることになるから、結局固体検出器10から静電潜像を読み取ったとき、出力される信号には画像情報を担持する電荷に基づく信号以外に不要電荷による信号成分が含まれることになり、残像現象やS/N劣化などの問題を生じる。
【0038】
前露光は、この記録光を固体検出器に照射する前に固体検出器に蓄積されている不要電荷を消去し、残像現象やS/N劣化などの問題を解消するためのものである。
【0039】
移動手段70は、図示しないリニアモータにより構成され、固体検出器10を撮影位置と読取位置との間で平行往復移動させる。
【0040】
乳房用画像撮像装置においては、胸壁近傍まで画像情報を取得するために、固体検出器10を可能な限り被検者の胸壁9側の側壁内面4bに近接させることが好ましいが、撮影台4および固体検出器10に、上述のような湾曲部4aおよび10aを設けると、静電潜像の読取時に、読取用露光光源部20を走査する際に湾曲部4aに干渉して固体検出器10の端まで走査することができなくなってしまうため、読取時には固体検出器10を湾曲部4aの影響を受けない位置に移動させる必要がある。
【0041】
そのため、撮影位置とは撮影台4内において固体検出器10を被検者の胸壁9側の側壁内面4bに近接させた位置(図7(A)中で固体検出器が存在する位置)を意味し、読取位置とは撮影台4内において固体検出器10を被検者の胸壁9側の側壁内面4aから離間させて、読取用露光光源部20により固体検出器10の全面を走査する際に湾曲部4aの影響を受けない位置(図7(B)中で固体検出器が存在する位置)を意味する。
【0042】
次いで、このように構成される乳房用画像撮像装置1の動作について説明する。
【0043】
図7は撮影時および読取時の撮影台4内部における固体検出器10の位置を示す図である。
【0044】
図7(A)に示すように、撮影時には、固体検出器10は予め移動手段70により撮影位置に移動されるとともに、前露光光が照射されて、固体検出器10に蓄積されている不要電荷が消去される。なお、前露光処理は、固体検出器10への電圧印加前に行ってもよいし、該電圧印加後に行ってもよい。さらには、電圧印加前に前露光点灯し、電圧印加後に消灯する態様であってもよい。
【0045】
次に、バイアス切換手段42により電源40の負極を第1の導電体層11に接続して第一導電層11と各エレメント15aとの間に直流電圧を印加し両導電層11、15を帯電させる。これにより固体検出器10内の第一導電層11とエレメント15aとの間に、エレメント15aをU字の凹部とするU字状の電界が形成される。
【0046】
その後、撮影者がタイミングを見計らって図示しない照射ボタンを押すと、放射線源2より放射線が乳房8に照射される。乳房8を透過した放射線、すなわち乳房8の放射線画像情報を担持する記録光を固体検出器10に照射すると、固体検出器10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が上述の電界分布に沿ってエレメント15aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面に形成された蓄電部17に負電荷が蓄積される。この蓄積された負電荷すなわち潜像極性電荷の量は被写体を透過した放射線量に略比例するので、この潜像極性電荷が静電潜像を担持することとなる。このようにして静電潜像が固体検出器10に記録される。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は第一導電層11に引き寄せられて、高電圧電源40から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。
【0047】
放射線を照射し画像記録を行った後、固体検出器10から静電潜像を読み取る際には、図7(B)に示すように、固体検出器10は移動手段70により読取位置に移動されるとともに、固体検出器10の両導電層11、15間はバイアス切換手段42により短絡される。
【0048】
読取用露光光源部20を作動させて読取光を出力させるとともに、この光源部20をエレメント15aの長手方向すなわち副走査方向に移動手段75により移動させ、固体検出器10の全面を走査する。
【0049】
このとき、固体検出器10は撮影台4内において読取位置、すなわち撮影台4に設けられた湾曲部4aの影響を受けない位置に移動されているため、固体検出器10の全域から画像情報を取得することができる。
【0050】
上記の走査を行うと、読取用光導電層14内に正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が蓄電部17に蓄積された負電荷(潜像極性電荷)に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部19で潜像極性電荷と電荷再結合し消滅する。一方、読取用光導電層14に生じた負電荷は第二導電層15に注入される正電荷と電荷再結合し消滅する。このようにして、固体検出器10に蓄積されていた負電荷が電荷再結合により消滅し、この電荷再結合の際の電荷の移動による電流が固体検出器10内に生じる。
【0051】
各エレメント15a毎に接続された電流検出用のチャージアンプ33aにより、この電流を各エレメント15a毎に並列的(同時)に検出する。チャージアンプ33aにより検出された信号は、サンプルホールド33bによりサンプルホールドされ、サンプルホールドされた各エレメント15aに対応する電圧がエレメント15aの配列順に切り替わるようにマルチプレクサ33cから順次出力され、プリント基板31上のマルチプレクサ31cによりさらに順次出力され、A/D変換部31aでA/D変換され、デジタルの画像信号としてメモリ31bに格納される。
【0052】
読取光の走査露光に伴い固体検出器10内を流れる電流は潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであり、この電流を検出して得た画像信号は静電潜像を表すので静電潜像を読取ることができる。
【0053】
次に、本発明による乳房用画像撮像装置の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は上記第1の実施の形態と比較して、固体検出器の方式を変更し、それに伴い撮影台内部の一部の構成を変更したものである。図8は本実施の形態の乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器の概略図、図9は固体検出器および電流検出手段の接続態様の詳細を示した図である。
【0054】
本実施の形態の装置の撮影台を構成する撮影台4´にも、被検者の胸壁9と接する辺に被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部4a´が設けられており、撮影台4´の内部には、撮像デバイスである固体検出器110、固体検出部110から電荷を読み出して画像信号を出力する電流検出手段130、および高電圧電源部が配置されている。
【0055】
本実施の形態の乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器110は、光変換方式かつTFT読出方式の放射線固体検出器であり、静電潜像を読み取る際に読取光で走査する必要がなく、機械的に読み取ることができるため、読取用露光光源部、読取用露光光源部を移動させる移動手段、および、固体検出器を移動させる移動手段が不要となる。
【0056】
この固体検出器110は、ガラス基板111上に画像情報を担持する放射線を検出する固体検出部120が形成されたものである。
【0057】
固体検出部120は、光電変換部121aと蓄電部121bとから成る固体検出素子としての光電変換素子121および蓄電部121bに蓄電した信号電荷を転送するTFTから成る転送部122が行列状に形成されたものである。
【0058】
この固体検出器110のサイズは長辺24cm×短辺18cmで、長辺方向が主走査方向、短辺方向が副走査方向となるように撮影台4´内に収容されている。また、固体検出器110の長辺の被検者の胸壁9に近接する側には、撮影台4´の湾曲部4aに対応して湾曲部110aが設けられている。
【0059】
図9に示すように、湾曲部110aが設けられた辺と対向する辺において、固体検出器110に記録されている画像情報を画像信号として検出するための多数の信号線(エレメント)127aが、順次隣接する数本〜百本程度の信号線127a毎にTABフィルム132上に形成されたプリントパターン(不図示)を介して電流検出手段130のプリント基板131と接続されている。
【0060】
また、湾曲部110aが設けられた辺と直交する辺において、固体検出器110の走査線(エレメント)127bが、順次隣接する数本〜百本程度の走査線127b毎にTABフィルム135上に形成されたプリントパターン(不図示)を介してプリント基板134と接続されている。
【0061】
プリント基板131上には、固体検出部120から列毎に信号線(エレメント)127aを介して転送された信号電荷を外部に読み出す出力アンプ142、コンデンサ143、この両者に接続されたSW(スイッチ)144、出力アンプ142に接続されたSW145、マルチプレクサ141、主走査パルス発生器149、A/D変換部(不図示)、およびメモリ(不図示)が設けられている。出力アンプ142やコンデンサ143等は、光電変換素子121の縦列分だけ設けられている。SW144、145は主走査手段としての主走査パルス発生器149と接続されている。
【0062】
また、プリント基板134上には、行毎に各TFTのゲートと走査線(エレメント)127bを介して共通に接続された副走査パルス発生器148が設けられている。
【0063】
信号線127aは、湾曲部110aと直交するする方向に延びているために、湾曲部110aの影響を受けないが、走査線127bは、湾曲部110aと平行するする方向に延びているために、湾曲部110aが形成されている部分において分断されてしまう。そのため、ガラス基板111上に、湾曲部110aの中心で左右に分割された2つの固体検出部120aおよび120bを形成することによって、上記問題を解消することができる。なお、2枚のガラス基板にそれぞれ固体検出器を形成し、それらを一体化して使用してもよい。
【0064】
この固体検出部120の放射線検出面側には不図示の蛍光体が設けられており、副走査パルス発生器148により走査線127bをオフ状態にして転送部122をオフすると共に主走査パルス発生器149によりSW144をオンにして乳房8を透過した放射線を蛍光体に照射すると、放射線の線量に応じた光が蛍光体から発せられ、放射線の線量に応じた電荷が光電変換部121aで発生し蓄電部121bに蓄電される。次に図中最上部の走査線127bから各ライン毎に順次オン状態にして各走査線127bに接続された転送部122をオンさせ、またSW144をオフすると、蓄電部121bに蓄電された電荷がライン毎(1ライン分同時に)に出力アンプ142側に転送され、出力アンプ142とコンデンサ143とによって積分され、電圧値の画像信号に変換されて該画像信号がライン毎に並列的に各出力アンプ142からA/D変換部へ出力され、A/D変換部でA/D変換され、デジタルの画像信号としてメモリに格納される。この際、1ライン分の画像信号が各出力アンプ142の出力部に得られる毎に、主走査パルス発生器149によりSW145を順次切り換えながら、その1ライン分の画像信号をA/D変換部に出力することによって、固体検出部120内に蓄積された信号電荷のライン読出しを行う。
【0065】
上記のように構成された本実施の形態の乳房用画像撮像装置においても、第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記のような放射線源と撮影台とが一体的に構成された乳房用画像撮像装置だけでなく、乳房用の撮像に用いるカセッテに応用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の乳房用画像撮像装置の概略図
【図2】上記乳房用画像撮像装置の押圧板および撮影台の上面図
【図3】上記乳房用画像撮像装置の撮影台内部の概略図
【図4】上記乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器の概略図
【図5】上記乳房用画像撮像装置の固体検出器および電流検出手段の接続態様を示した図
【図6】上記乳房用画像撮像装置の電流検出手段および高電圧電源部の詳細およびこれらと固体検出器の接続態様を示したブロック図
【図7】上記乳房用画像撮像装置の撮影時および読取時の撮影台(筐体)内部における固体検出器の位置を示す図
【図8】本発明の第2の実施の形態の乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器の概略図
【図9】上記乳房用画像撮像装置の固体検出器および電流検出手段の接続態様を示した図
【符号の説明】
1 胸部撮影装置
2 放射線源
3 放射線源収納部
4 撮影台
5 アーム
6 基台
7 押圧板
8 乳房
9 胸壁
10 固体検出器
20 読取用露光光源部
30 電流検出手段
40 高電圧電源
45 高電圧電源部
60 前露光光源部
70 移動手段
80 制御手段
110 固体検出器
130 電流検出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体検出器を使用して、乳房の放射線画像を撮影する乳房用画像撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、医療診断等を目的とする放射線撮影において、放射線を検出して得た電荷を固体検出素子の蓄電部に一旦蓄積し、該蓄積した電荷を放射線画像情報を表す画像信号に変換して出力する放射線固体検出器が各種提案、実用化されている。例えば、放射線を電荷に変換する電荷生成プロセスの面からは、光変換方式の放射線固体検出器と直接変換方式の放射線固体検出器の2つの方式が提案され、また蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面からは、TFT(薄膜トランジスタ)読出方式と光読出方式の2つの方式が提案されている。
【0003】
ここで、光変換方式の放射線固体検出器とは、例えば、絶縁基板上に多数の光電変換素子(固体検出素子)を行列状に形成した固体検出部(画像読取部)と、この固体検出部上に形成された蛍光体とから成るものであり、放射線が照射されることにより蛍光体から発せられた蛍光を光電変換素子で検出して得た信号電荷を光電変換素子の蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を画像信号(電気信号)に変換して出力するものである(例えば特許文献1等)。
【0004】
また、直接変換方式の放射線固体検出器とは、例えば、絶縁基板上に行列状に形成された多数の電荷収集電極と、この電荷収集電極上に形成された放射線が照射されると放射線情報を担持する電荷を発生する放射線導電体とを積層して成る固体検出部を有するものであり、放射線が照射されることにより放射線導電体内で発生した信号電荷を電荷収集電極で集めて蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を電気信号に変換して出力するものである(例えば特許文献2等)。この方式における固体検出素子は、電荷収集電極と放射線導電体を主要部とするものである。
【0005】
TFT読出方式とは、固体検出素子の蓄電部に蓄積された信号電荷を、該蓄電部と接続されたTFTを走査駆動して読み出す方式であり、光読出方式とは、固体検出素子に読取光(読取用の電磁波)を照射して読み出す方式である。
【0006】
さらに、本願出願人は、特許文献3や特許文献4等において改良型直接変換方式の放射線固体検出器を提案している。改良型直接変換方式の放射線固体検出器とは、直接変換方式、かつ光読出方式のものであり、記録用の放射線に対して透過性を有する第1の導電体層、該第1の導電体層を透過した記録用の放射線の照射を受けることにより光導電性(正確には放射線導電性)を呈する記録用光導電層、第1の導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取用の電磁波の照射を受けることにより光導電性(正確には電磁波導電性)を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の導電体層を、この順に積層して成るものであり、記録用光導電層と電荷輸送層との界面(蓄電部)に、画像情報を担持する信号電荷(潜像電荷)を蓄積するものである。第1の導電体層および第2の導電体層は電極として機能するものである。また、この方式における固体検出素子は、記録用光導電層、電荷輸送層および読取用光導電層を主要部とするものである。
【0007】
上記各種方式の放射線固体検出器から出力された画像信号は、外部に出力され、後段の信号処理装置により種々の信号処理が施された後にCRT等の出力手段により可視情報等として出力される。このように、放射線固体検出器を用いることにより、被写体の放射線画像を表す画像信号をリアルタイムで得、直ちに可視画像等として出力することができる。
【0008】
なお、上述した各種方式の放射線固体検出器を使用して放射線画像を撮影し、検出器内の蓄積電荷を読み出して画像信号を得るに際しては、より高速に画像信号を取得するために、行すなわちライン毎に、そのラインの各素子(一部または全部)の蓄積電荷を並列的に読み出すことがよく行われている。このような方式を、以下ライン読出方式という。
【0009】
【特許文献1】
特開平02−164067号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平01−216290号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−105297号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2000−162726号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
現在、上記の固体検出器を撮像デバイスに用いた、乳房の放射線画像を撮像する乳房用画像撮像装置が考えられている。
【0014】
この乳房用画像撮像装置は、筐体の内部に固体検出器と読取光光源もしくは輝尽性蛍光体パネルと励起光光源およびセンサが配置された撮影台上に被検者の乳房を固定し、乳房の上部から放射線を照射して、乳房の放射線画像を得るものであるが、この装置においては、できるだけ被検者の胸壁近傍までの画像情報を取得可能であることが要求されている。
【0015】
そのため、撮影台内部の固体検出器を胸壁側に可能な限り近接させるべく、撮影台を強く被検者の胸壁に押圧して撮影を行うため、被検者は相当な苦痛を強いられていた。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みて、乳房用画像撮像装置において、撮影の際に被検者に掛かる負担を軽減させることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による乳房用画像撮像装置は、撮影台内部に、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器が収容された乳房用画像撮像装置において、撮影台および固体検出器の被検者の胸部に対向する一辺に、被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
上記乳房用画像撮像装置においては、被検者の胸部に対向する一辺に被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部が設けられ、被検者の乳房を撮影台上に押圧する押圧板を備えたものとしてもよい。
【0019】
また、固体検出器を、記録されている画像情報を画像信号として検出するための、湾曲部が設けられた辺と略直交する方向に延びる多数の線状電極を備えたものとした場合には、線状電極から信号を検出する信号検出手段を、湾曲部が設けられた辺と対向する辺側から線状電極に接続することが好ましい。
【0020】
また、固体検出器を、湾曲部の最深部から左右に分割された2枚の検出器から構成されたものとしてもよい。
【0021】
さらに、固体検出器を、第1の導電層、少なくとも1つの光導電層、多数の線状電極からなるストライプ電極を有する第2の導電層をこの順に積層してなり、画像情報を担持する放射線が照射されることにより画像情報を静電潜像として記録し、読取光で走査されることにより静電潜像に応じた電流を発生するものとしてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明による乳房用画像撮像装置は、撮影台の被検者の胸壁と接する辺に、胸壁近傍の表面形状に沿った湾曲部を設け、併せて、撮影台内部に収容される固体検出器にも、撮影台の湾曲部に対応させて湾曲部を設けたことにより、撮影時に無理なく被検者の胸壁を撮影台に押圧することができ、撮影の際に被検者に掛かる負担を軽減させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明による乳房用画像撮像装置の第1の実施の形態を示す概略図、図2はこの装置の押圧板および撮影台の上面図、図3はこの装置の撮影台内部の概略図、図4はこの装置に用いる固体検出器の概略図である。
【0024】
この乳房用画像撮像装置1は、内部に放射線源2を収納する放射線源収納部3と、内部に固体検出器10等を収容してなる撮影台4とが対向するようアーム5によって連結され、このアーム5が基台6に取り付けられて構成されているものである。さらに、アーム5には、撮影台4上に上から乳房8を押さえつけて保持する押圧板7が設けられている。
【0025】
撮影台4の被検者の胸壁9と接する辺には、被検者の胸壁9の表面形状に大凡沿って湾曲した湾曲部4aが設けられている。そのため、撮影時に無理なく被検者の胸壁9を撮影台4に押圧することができ、撮影の際に被検者に掛かる負担を軽減させることができる。なお、この湾曲部4aの奥行きDは10mm程度とすればよい。また、押圧板7の被検者の胸壁9側の辺にも、撮影台4に形成された湾曲部4aの形状に対応した湾曲部7aが設けられている。
【0026】
撮影台4の内部には、画像情報を担持する放射線の照射を受けてこの画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器10と、固体検出器10に記録された放射線画像情報の読取時に使用される読取用露光光源部20と、読取用露光光源部20を副走査方向に移動させる読取用露光光源部移動手段75と、読取用露光光源部20による固体検出器10への走査露光時に固体検出器10から流れ出す電流を検出して画像信号を得る電流検出手段30と、固体検出器10に所定の電圧を印加する高電圧電源部45と、撮影開始前に固体検出器10に前露光光を照射する前露光光源部60と、固体検出器10を撮影台4内部において被検者の胸壁9に近接させる方向および胸壁9から離間させる方向(上述の副走査方向)に移動させる固体検出器移動手段70と、読取用露光光源部20、電流検出手段30、高電圧電源部45、前露光光源部60、移動手段70および75を制御する制御手段80とが配置されている。
【0027】
固体検出器10は、直接変換方式かつ光読出方式の放射線固体検出器であって、画像情報を担持する記録光が照射されることによりこの画像情報を静電潜像として記録し、読取光で走査されることにより静電潜像に応じた電流を発生するものであり、具体的には図4に示すように、ガラス基板16上に形成されており、乳房8を透過した放射線(以下記録光という)に対して透過性を有する第一導電層11、記録光の照射を受けることにより電荷を発生して導電性を呈する記録用光導電層12、第一導電層11に帯電される潜像極性電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像極性電荷と逆極性の輸送極性電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層13、読取光の照射を受けることにより電荷を発生して導電性を呈する読取用光導電層14、読取光に対して透過性を有する第二導電層15をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面に蓄電部17が形成される。
【0028】
第一導電層11および第二導電層15はそれぞれ電極をなすものであり、第一導電層11の電極は2次元状に平坦な平板電極とされ、第二導電層15の電極は図中斜線で示すように、記録されている画像情報を画像信号として検出するための多数のエレメント(線状電極)15aが画素ピッチでストライプ状に配されたストライプ電極とされている(例えば特許公報3記載の静電記録体を参照)。エレメント15aの配列方向が主走査方向、エレメント15aの長手方向が副走査方向に対応する。
【0029】
この固体検出器10のサイズは長辺24cm×短辺18cmで、長辺方向が主走査方向、短辺方向が副走査方向となるように撮影台4内に収容されている。また、固体検出器10の長辺のうち被検者の胸壁9に近接する側には、撮影台4の湾曲部4aに対応して湾曲部10aが設けられている。この湾曲部10aは、エレメント15aと直交するする方向に備えられているので、エレメント15aから画像信号を検出する際に影響を及ぼすことはない。
【0030】
読取用露光光源部20としては、LEDチップが一列に複数並べられて構成されたライン光源と、該光源から出力された光を固体検出器10上で線状に照射させる光学系とからなるものを用いる。なお、光源部20を固体検出器10と必要な距離を保ったままリニアモータからなる移動手段75により、固体検出器10のストライプ電極15a長手方向、即ち副走査方向に走査することにより固体検出器10の全面の露光を行う。なお、読取用露光光源部20および移動手段75により読取光走査手段が構成される。
【0031】
図5は固体検出器10および電流検出手段30の接続態様の詳細を示した図である。図示するように、湾曲部10aが設けられた辺と対向する辺において、固体検出器10の各エレメント15aがTAB( Tape Automated Bonding )フィルム32上に形成されたプリントパターン(不図示)を介してチャージアンプIC33と接続され、さらにチャージアンプIC33がTABフィルム32上に形成されたプリントパターン(不図示)を介してプリント基板31と接続されている。なお、本実施の形態では全てのエレメント15aを1つのチャージアンプIC33に接続するのではなく、全体として数個〜数10個のチャージアンプIC33を設け、順次隣接する数本〜百本程度のエレメント15a毎に各チャージアンプIC33に接続するようにしている。
【0032】
なお、電流検出手段30は、上述の態様に限定されるものではなく、チャージアンプIC33をTABフィルム32上に形成せずに、ガラス基板16上に形成する、いわゆるCOG( Chip On Glass )と呼ばれる態様としてもよい。
【0033】
図6は撮影台4内に設けられた電流検出手段30および高電圧電源部45の詳細、並びにこれらと固体検出器10との接続態様を示したブロック図である。
【0034】
高電圧電源部45は、高電圧電源40とバイアス切換手段42とが一体化された回路であり、高電圧電源40は、一旦、静電記録部10へのバイアス印加/短絡など切換えのためバイアス切換手段45を介して静電記録部10に接続されている。なお、この回路は、切換え時に流れる電流の尖頭値を制限して装置の電流が集中する箇所の破壊を防ぐために、充放電過大電流を防止するように設計されている。
【0035】
TABフィルム32上に設けられたチャージアンプIC33は、固体検出器10の各エレメント15a毎に接続された多数のチャージアンプ33aおよびサンプルホールド(S/H)33b、各サンプルホールド33bからの信号をマルチプレクスするマルチプレクサ33cを備えている。固体検出器10から流れ出す電流は各チャージアンプ33aにより電圧に変換され、該電圧がサンプルホールド33bにより所定のタイミングでサンプルホールドされ、サンプルホールドされた各エレメント15aに対応する電圧がエレメント15aの配列順に切り替わるようにマルチプレクサ33cから順次出力される(主走査の一部に相当する)。マルチプレクサ33cから順次出力された信号はプリント基板31上に設けられたマルチプレクサ31cに入力され、さらに各エレメント15aに対応する電圧がエレメント15aの配列順に切り替わるようにマルチプレクサ31cから順次出力され主走査が完了する。マルチプレクサ31cから順次出力された信号はA/D変換部31aによりデジタル信号に変換され、デジタル信号がメモリ31bに格納される。
【0036】
前露光光源部60としては、短時間で発光/消光し、残光の非常に小さい光源が必要であり、本実施の形態においては外部電極型希ガス蛍光ランプを利用する。詳細には前露光光源部60は、図3に示すように、図中紙面奥方向に延びる複数の外部電極型希ガス蛍光ランプ61と、該蛍光ランプ61と固体検出器10との間に挿入された波長選択フィルタ62と、蛍光ランプ61の後方に配され、蛍光ランプ61から出力された光を効率よく固体検出器10側へ反射するための反射板63とを備えてなる。なお、前露光光は固体検出器10の第二電極層15全体に照射すればよく特に集光手段は必要ないが、照度分布は小さい方がよい。なお、光源としては蛍光ランプの代わりに、例えばLEDチップを面的に並べたものを利用するもことできる。
【0037】
固体検出器10から静電潜像を読み取る際、基本的には蓄積されている潜像電荷を全て読み出すことができるが、場合によっては潜像電荷を完全に読み出すことができず固体検出器10に残留電荷として読み残すことがある。また、固体検出器10に静電潜像を記録するとき、記録光の照射の前に固体検出器10に高圧を印加するが、この印加の際に暗電流が発生し、それによる電荷(暗電流電荷)も固体検出器10に蓄積される。さらに、これら以外の原因によっても固体検出器10に種々な電荷が記録光の照射の前に蓄積されることが知られている。記録光の照射の前に蓄積されるこれら残留電荷,暗電流電荷などの不要電荷は、記録光を照射することにより蓄積される画像情報を担持する電荷に加算されることになるから、結局固体検出器10から静電潜像を読み取ったとき、出力される信号には画像情報を担持する電荷に基づく信号以外に不要電荷による信号成分が含まれることになり、残像現象やS/N劣化などの問題を生じる。
【0038】
前露光は、この記録光を固体検出器に照射する前に固体検出器に蓄積されている不要電荷を消去し、残像現象やS/N劣化などの問題を解消するためのものである。
【0039】
移動手段70は、図示しないリニアモータにより構成され、固体検出器10を撮影位置と読取位置との間で平行往復移動させる。
【0040】
乳房用画像撮像装置においては、胸壁近傍まで画像情報を取得するために、固体検出器10を可能な限り被検者の胸壁9側の側壁内面4bに近接させることが好ましいが、撮影台4および固体検出器10に、上述のような湾曲部4aおよび10aを設けると、静電潜像の読取時に、読取用露光光源部20を走査する際に湾曲部4aに干渉して固体検出器10の端まで走査することができなくなってしまうため、読取時には固体検出器10を湾曲部4aの影響を受けない位置に移動させる必要がある。
【0041】
そのため、撮影位置とは撮影台4内において固体検出器10を被検者の胸壁9側の側壁内面4bに近接させた位置(図7(A)中で固体検出器が存在する位置)を意味し、読取位置とは撮影台4内において固体検出器10を被検者の胸壁9側の側壁内面4aから離間させて、読取用露光光源部20により固体検出器10の全面を走査する際に湾曲部4aの影響を受けない位置(図7(B)中で固体検出器が存在する位置)を意味する。
【0042】
次いで、このように構成される乳房用画像撮像装置1の動作について説明する。
【0043】
図7は撮影時および読取時の撮影台4内部における固体検出器10の位置を示す図である。
【0044】
図7(A)に示すように、撮影時には、固体検出器10は予め移動手段70により撮影位置に移動されるとともに、前露光光が照射されて、固体検出器10に蓄積されている不要電荷が消去される。なお、前露光処理は、固体検出器10への電圧印加前に行ってもよいし、該電圧印加後に行ってもよい。さらには、電圧印加前に前露光点灯し、電圧印加後に消灯する態様であってもよい。
【0045】
次に、バイアス切換手段42により電源40の負極を第1の導電体層11に接続して第一導電層11と各エレメント15aとの間に直流電圧を印加し両導電層11、15を帯電させる。これにより固体検出器10内の第一導電層11とエレメント15aとの間に、エレメント15aをU字の凹部とするU字状の電界が形成される。
【0046】
その後、撮影者がタイミングを見計らって図示しない照射ボタンを押すと、放射線源2より放射線が乳房8に照射される。乳房8を透過した放射線、すなわち乳房8の放射線画像情報を担持する記録光を固体検出器10に照射すると、固体検出器10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が上述の電界分布に沿ってエレメント15aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面に形成された蓄電部17に負電荷が蓄積される。この蓄積された負電荷すなわち潜像極性電荷の量は被写体を透過した放射線量に略比例するので、この潜像極性電荷が静電潜像を担持することとなる。このようにして静電潜像が固体検出器10に記録される。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は第一導電層11に引き寄せられて、高電圧電源40から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。
【0047】
放射線を照射し画像記録を行った後、固体検出器10から静電潜像を読み取る際には、図7(B)に示すように、固体検出器10は移動手段70により読取位置に移動されるとともに、固体検出器10の両導電層11、15間はバイアス切換手段42により短絡される。
【0048】
読取用露光光源部20を作動させて読取光を出力させるとともに、この光源部20をエレメント15aの長手方向すなわち副走査方向に移動手段75により移動させ、固体検出器10の全面を走査する。
【0049】
このとき、固体検出器10は撮影台4内において読取位置、すなわち撮影台4に設けられた湾曲部4aの影響を受けない位置に移動されているため、固体検出器10の全域から画像情報を取得することができる。
【0050】
上記の走査を行うと、読取用光導電層14内に正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が蓄電部17に蓄積された負電荷(潜像極性電荷)に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部19で潜像極性電荷と電荷再結合し消滅する。一方、読取用光導電層14に生じた負電荷は第二導電層15に注入される正電荷と電荷再結合し消滅する。このようにして、固体検出器10に蓄積されていた負電荷が電荷再結合により消滅し、この電荷再結合の際の電荷の移動による電流が固体検出器10内に生じる。
【0051】
各エレメント15a毎に接続された電流検出用のチャージアンプ33aにより、この電流を各エレメント15a毎に並列的(同時)に検出する。チャージアンプ33aにより検出された信号は、サンプルホールド33bによりサンプルホールドされ、サンプルホールドされた各エレメント15aに対応する電圧がエレメント15aの配列順に切り替わるようにマルチプレクサ33cから順次出力され、プリント基板31上のマルチプレクサ31cによりさらに順次出力され、A/D変換部31aでA/D変換され、デジタルの画像信号としてメモリ31bに格納される。
【0052】
読取光の走査露光に伴い固体検出器10内を流れる電流は潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであり、この電流を検出して得た画像信号は静電潜像を表すので静電潜像を読取ることができる。
【0053】
次に、本発明による乳房用画像撮像装置の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は上記第1の実施の形態と比較して、固体検出器の方式を変更し、それに伴い撮影台内部の一部の構成を変更したものである。図8は本実施の形態の乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器の概略図、図9は固体検出器および電流検出手段の接続態様の詳細を示した図である。
【0054】
本実施の形態の装置の撮影台を構成する撮影台4´にも、被検者の胸壁9と接する辺に被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部4a´が設けられており、撮影台4´の内部には、撮像デバイスである固体検出器110、固体検出部110から電荷を読み出して画像信号を出力する電流検出手段130、および高電圧電源部が配置されている。
【0055】
本実施の形態の乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器110は、光変換方式かつTFT読出方式の放射線固体検出器であり、静電潜像を読み取る際に読取光で走査する必要がなく、機械的に読み取ることができるため、読取用露光光源部、読取用露光光源部を移動させる移動手段、および、固体検出器を移動させる移動手段が不要となる。
【0056】
この固体検出器110は、ガラス基板111上に画像情報を担持する放射線を検出する固体検出部120が形成されたものである。
【0057】
固体検出部120は、光電変換部121aと蓄電部121bとから成る固体検出素子としての光電変換素子121および蓄電部121bに蓄電した信号電荷を転送するTFTから成る転送部122が行列状に形成されたものである。
【0058】
この固体検出器110のサイズは長辺24cm×短辺18cmで、長辺方向が主走査方向、短辺方向が副走査方向となるように撮影台4´内に収容されている。また、固体検出器110の長辺の被検者の胸壁9に近接する側には、撮影台4´の湾曲部4aに対応して湾曲部110aが設けられている。
【0059】
図9に示すように、湾曲部110aが設けられた辺と対向する辺において、固体検出器110に記録されている画像情報を画像信号として検出するための多数の信号線(エレメント)127aが、順次隣接する数本〜百本程度の信号線127a毎にTABフィルム132上に形成されたプリントパターン(不図示)を介して電流検出手段130のプリント基板131と接続されている。
【0060】
また、湾曲部110aが設けられた辺と直交する辺において、固体検出器110の走査線(エレメント)127bが、順次隣接する数本〜百本程度の走査線127b毎にTABフィルム135上に形成されたプリントパターン(不図示)を介してプリント基板134と接続されている。
【0061】
プリント基板131上には、固体検出部120から列毎に信号線(エレメント)127aを介して転送された信号電荷を外部に読み出す出力アンプ142、コンデンサ143、この両者に接続されたSW(スイッチ)144、出力アンプ142に接続されたSW145、マルチプレクサ141、主走査パルス発生器149、A/D変換部(不図示)、およびメモリ(不図示)が設けられている。出力アンプ142やコンデンサ143等は、光電変換素子121の縦列分だけ設けられている。SW144、145は主走査手段としての主走査パルス発生器149と接続されている。
【0062】
また、プリント基板134上には、行毎に各TFTのゲートと走査線(エレメント)127bを介して共通に接続された副走査パルス発生器148が設けられている。
【0063】
信号線127aは、湾曲部110aと直交するする方向に延びているために、湾曲部110aの影響を受けないが、走査線127bは、湾曲部110aと平行するする方向に延びているために、湾曲部110aが形成されている部分において分断されてしまう。そのため、ガラス基板111上に、湾曲部110aの中心で左右に分割された2つの固体検出部120aおよび120bを形成することによって、上記問題を解消することができる。なお、2枚のガラス基板にそれぞれ固体検出器を形成し、それらを一体化して使用してもよい。
【0064】
この固体検出部120の放射線検出面側には不図示の蛍光体が設けられており、副走査パルス発生器148により走査線127bをオフ状態にして転送部122をオフすると共に主走査パルス発生器149によりSW144をオンにして乳房8を透過した放射線を蛍光体に照射すると、放射線の線量に応じた光が蛍光体から発せられ、放射線の線量に応じた電荷が光電変換部121aで発生し蓄電部121bに蓄電される。次に図中最上部の走査線127bから各ライン毎に順次オン状態にして各走査線127bに接続された転送部122をオンさせ、またSW144をオフすると、蓄電部121bに蓄電された電荷がライン毎(1ライン分同時に)に出力アンプ142側に転送され、出力アンプ142とコンデンサ143とによって積分され、電圧値の画像信号に変換されて該画像信号がライン毎に並列的に各出力アンプ142からA/D変換部へ出力され、A/D変換部でA/D変換され、デジタルの画像信号としてメモリに格納される。この際、1ライン分の画像信号が各出力アンプ142の出力部に得られる毎に、主走査パルス発生器149によりSW145を順次切り換えながら、その1ライン分の画像信号をA/D変換部に出力することによって、固体検出部120内に蓄積された信号電荷のライン読出しを行う。
【0065】
上記のように構成された本実施の形態の乳房用画像撮像装置においても、第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記のような放射線源と撮影台とが一体的に構成された乳房用画像撮像装置だけでなく、乳房用の撮像に用いるカセッテに応用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の乳房用画像撮像装置の概略図
【図2】上記乳房用画像撮像装置の押圧板および撮影台の上面図
【図3】上記乳房用画像撮像装置の撮影台内部の概略図
【図4】上記乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器の概略図
【図5】上記乳房用画像撮像装置の固体検出器および電流検出手段の接続態様を示した図
【図6】上記乳房用画像撮像装置の電流検出手段および高電圧電源部の詳細およびこれらと固体検出器の接続態様を示したブロック図
【図7】上記乳房用画像撮像装置の撮影時および読取時の撮影台(筐体)内部における固体検出器の位置を示す図
【図8】本発明の第2の実施の形態の乳房用画像撮像装置に用いる固体検出器の概略図
【図9】上記乳房用画像撮像装置の固体検出器および電流検出手段の接続態様を示した図
【符号の説明】
1 胸部撮影装置
2 放射線源
3 放射線源収納部
4 撮影台
5 アーム
6 基台
7 押圧板
8 乳房
9 胸壁
10 固体検出器
20 読取用露光光源部
30 電流検出手段
40 高電圧電源
45 高電圧電源部
60 前露光光源部
70 移動手段
80 制御手段
110 固体検出器
130 電流検出手段
Claims (5)
- 撮影台内部に、画像情報を担持する放射線の照射を受けて前記画像情報を記録し、記録した前記画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器が収容された乳房用画像撮像装置において、
前記撮影台および前記固体検出器の被検者の胸部に対向する一辺に、前記被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部が設けられていることを特徴とする乳房用画像撮像装置。 - 前記被検者の乳房を前記撮影台上に押圧する押圧板を備え、
該押圧板の前記被検者の胸部に対向する一辺に、前記被検者の胸部の表面形状に沿って湾曲した湾曲部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の乳房用画像撮像装置。 - 前記固体検出器が、前記記録されている画像情報を画像信号として検出するための、前記湾曲部が設けられた辺と略直交する方向に延びる多数の線状電極を備えたものであり、
前記線状電極から信号を検出する信号検出手段が、前記湾曲部が設けられた辺と対向する辺側から前記線状電極に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の乳房用画像撮像装置。 - 前記固体検出器が、前記湾曲部の最深部から左右に分割された2枚の検出器から構成されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の乳房用画像撮像装置。
- 前記固体検出器が、第1の導電層、少なくとも1つの光導電層、多数の線状電極からなるストライプ電極を有する第2の導電層をこの順に積層してなり、画像情報を担持する放射線が照射されることにより前記画像情報を静電潜像として記録し、読取光で走査されることにより前記静電潜像に応じた電流を発生するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の乳房用画像撮像装置。
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