JP2005060590A - 接着剤、木質系複合材料、木質系複合材料の製造方法及び接着体の剥離方法 - Google Patents

接着剤、木質系複合材料、木質系複合材料の製造方法及び接着体の剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 木材の構成成分であるリグニンを利用した接着強度、耐水性に優れた接着剤、該接着剤をバインダーとして用いた木質系複合材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 変性リグニンと、前記変性リグニンを溶解するアルカリ性水溶液とからなる接着剤であって、前記変性リグニンは、リグニン分子中の少なくとも一部のフェノール誘導体にメチロール基が化学結合したものである接着剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、木材の構成成分であるリグニンを利用した接着強度、耐水性に優れた接着剤、該接着剤をバインダーとして用いた木質系複合材料及びその製造方法に関する。
近年、枯渇の予想される石油や石炭等の化石資源に代わり、永続的利用が可能な森林資源に対する関心が高まってきている。なかでも、木材の主要構成成分であるセルロースやリグニンを利用する技術に関心が寄せられ精力的に研究が行われている。セルロースについては、従来からのパルプ原料、食品添加剤、強化繊維としての利用だけでなく、糖化してアルコールや生分解プラスチック等の原料として多用途で有効利用されている。しかし、リグニンについては、地球上でセルロースの次に豊富に存在する有機物質であるにもかかわらず、燃焼させてエネルギーに変換されるのが大部分であり、素材として有効に利用されていないのが現状であった。
一方、木材を細長い木質材料片(チップ)やファイバー状に加工したものは、木質系構造材料として利用されている。例えば、特許文献1には、チップと接着剤の混和物を積層し加圧・加熱することによって得られる木質系構造材料が開示されている。その他にも、チップやファイバーを接着剤で結合してなる木質系構造材料として、パーチクルボード、MDF、ハードボード等が知られており、建材を中心に好適に用いられている。
これらの木質系構造材料は廃木材や工場端材等を原料とすることができ木材資源を有効利用するものである。しかしながら、これらの木質系構造材料には、接着剤としてフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等の石油系樹脂が用いられているのが現状であり、完全な資源循技術であるとは言い難い。また、これらの石油系樹脂からなる接着剤の多くは有害なホルムアルデヒドを硬化剤とすることから、人体に悪影響を与える可能性があり問題視されている。更に、これらの木質系構造材料の廃棄についても、埋め立て等をしても石油系樹脂成分が微生物による分解を受けずに土中の残存したり、焼却する際にも有害なガスが発生したりする等の問題もあった。
これに対して、特許文献2や特許文献3等には、セルロース、でんぷん、リグニン等の天然材料を用いた接着剤が開示されている。しかしながら、これらの接着剤では充分な接着強度や耐水性が得られず、強度が必要とされる用途には使用できないという問題があった。
特公昭50−17512号公報 特表平11−503476号公報 特開平9−249862号公報
本発明は、上記の現状に鑑み、木材の構成成分であるリグニンを利用した接着強度、耐水性に優れた接着剤、該接着剤をバインダーとして用いた木質系複合材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、変性リグニンと、前記変性リグニンを溶解するアルカリ性水溶液とからなる接着剤であって、前記変性リグニンは、分子中の少なくとも一部のフェノール誘導体にメチロール基が化学結合したものである接着剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の接着剤は、変性リグニンと、前記変性リグニンを溶解するアルカリ性水溶液とからなる。
上記変性リグニンの原料となるリグニンとしては特に限定されず、例えば、針葉樹、広葉樹、草本植物等の樹種に由来する全てのリグニンを用いることができる。いずれのリグニンを用いるかは、接着剤として必要とされる性能やコストから適宜選定すればよい。例えば、接着剤としての強度が要求される場合には、分子量の大きい針葉樹由来のリグニンが好適であり、接着剤の粘度を低くしたい場合には、分子量の小さい広葉樹由来のリグニンが好適である。
上記針葉樹、広葉樹、草本植物等からリグニンを単離する方法としては特に限定されず、従来公知の方法のいずれも用いることができるが、針葉樹、広葉樹、草本植物等のリグノセルロース系材料に含有されるリグニンをフェノール誘導体化し、濃酸を添加して単離する方法が好適である(このようにして単離されたフェノール誘導体化されたリグニンを、以下、リグノフェノール誘導体ともいう)。リグノフェノール誘導体はフェノール性が高いことから、後述するメチロール基の導入頻度を高いものとすることができ、得られる本発明の接着剤の硬化特性を向上させることができる。なかでも、側鎖α位がフェノール誘導体で置換された構造を有するリグノフェノール誘導体は、特にフェノール誘導体化を高密度で行うことができ、構造の均一なリグノフェノール誘導体とすることができるので、得られる接着剤の硬化性が更に優れたものとなることから特に好適である。
上記リグノフェノール誘導体を調製する方法としては、例えば、木粉等のリグノセルロース系材料に、クレゾール等の液体状フェノール誘導体を浸透させてリグニンをフェノール誘導体に溶媒和させた後、濃酸を添加してセルロース成分を溶解する方法が挙げられる。又は、木粉等の原材料に、個体状又は液体状のフェノール誘導体をエタノール又はアセトン等の溶媒に溶解したフェノール誘導体溶液を浸透させてから溶媒を留去した後、濃酸を添加してセルロース成分を溶解してもよい。
この方法によれば、リグニンを溶媒和したフェノール誘導体と、セルロース成分を溶解した濃酸とが2相分離系を形成する。フェノール誘導体により溶媒和されたリグニンは、フェノール誘導体相が濃酸相と接触する界面においてのみ酸と接触し、この際生じたリグニンの高反応サイト(α位)のカチオンが、更にフェノール誘導体により攻撃される。この結果、リグノフェノール誘導体がフェノール誘導体相に生成されるので、これをフェノール誘導体相から抽出することにより、リグノフェノール誘導体が得られる。
図1に、リグニンの側鎖のα位にフェノール誘導体が選択的に導入される態様を示す化学式を示した。
上記抽出の方法としては、例えば、フェノール誘導体相を大過剰のエチルエーテルに加えて得た沈殿物を集めてアセトンに溶解させ、不溶部を遠心分離にて除去した後、アセトン可溶部を濃縮し、このアセトン可溶部を大過剰のエチルエーテルに滴下して得られる沈殿区分から溶媒を留去する方法が挙げられる。また、濃酸処理後の全反応液を過剰の水中に投入し、不溶区分を遠心分離にて集め、透析し乾燥させ、乾燥物にアルコール又はアセトンを加えてリグノフェノール誘導体を抽出し、更に、この可溶部分を過剰のエチルエーテルに滴下してリグノフェノール誘導体を不溶区分として分離してもよい。 これらの方法において後者の方法が、使用するフェノール誘導体の量が少なくてすむために経済的であり多量合成に向いている。
これらのリグノフェノール誘導体を調製する方法の好ましい1例を示す図を図2に示した。
上記リグノフェノール誘導体を調製する際に用いる酸としては、セルロースに対する膨潤性を有する酸が好ましく、例えば、65重量%以上の濃度の硫酸、85重量%以上の濃度のリン酸、38重量%以上の濃度の塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸等が挙げられる。
上記リグノフェノール誘導体を調製する際に用いるフェノール誘導体としては、1価又は2価以上のフェノールが挙げられる。上記1価のフェノールとしては、例えば、フェノール、クレゾール等のアルキルフェノール;メトキシフェノール、ナフトール等が挙げられる。上記2価のフェノールとしては、例えば、カテコール、アルキルカテコール、レゾルシノール、アルキルレゾルシノール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン等が挙げられる。上記3価のフェノールとしては、例えば、ピロガロール等が挙げられる。これらのフェノール誘導体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
いずれのフェノール誘導体を用いるかは、接着剤の用途ごとに必要とされる性能やコストから適宜選定する。例えば、接着剤に疎水性が要求される場合には1価のフェノールであるクレゾールが好適であり、硬化性や低pHのアルカリ水溶液への溶解性が要求される場合には、2価以上のフェノールが好適である。また、接着剤としての硬化性を重視する場合には、フェノール性水酸基のオルト位又はパラ位がフリーであるフェノール誘導体が好適である。
上記変性リグニンは、リグニン分子中の少なくとも一部のフェノール誘導体にメチロール基(ヒドロキシルメチル基)が化学結合したものである。
リグニン分子中のフェノール誘導体にメチロール基が化学結合していることにより、得られる変性リグニンは加熱等により架橋・高分子化させることができ、熱硬化性となる。これにより、凝集力が高まることから、本発明の接着剤は高い接着強度と耐水性とを発現することができる。また、導入したメチロール基の反応性により、接着しようとする被着体がフェノール誘導体等のメチロール基との反応性を有する官能基を有する場合には、変性リグニンと被着体とが化学結合してより高い接着強度が得られる。このような高い接着強度や耐水性は、従来のリグニンを用いた接着剤では全く得られなかったものである。
上記メチロール基はリグニン分子中の少なくとも一部のフェノール誘導体に化学結合していればよい。また、フェノール誘導体一つあたりに結合するメチロール基の個数は一個であってもよく、複数個であってもよい。メチロール基はフェノール性水酸基のオルト位又はパラ位に結合することができる。
上記リグニン分子中のフェノール誘導体にメチロール基を導入して化学結合させる方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、リグニンを固形分数%程度のアルカリ水溶液とし、この水溶液中にホルムアルデヒドを添加して加熱する方法等が挙げられる。この溶液に酸を添加して酸性にすれば、水溶液中のメチロール化されたリグニンが析出してくるので遠心分離等によって分離して、未反応のホルムアルデヒドを除去できる。この際に用いる、アルカリの種類や濃度は特に限定されず、例えば、0.1規定程度の水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。また、メチロール基を効率よく導入する観点から、ホルムアルデヒドはリグニン中のフェノール誘導体量の1モル倍以上添加することが好ましい。また、加熱条件は特に限定されないが、例えば、好ましい下限は40℃、好ましい上限は100℃である。40℃未満であると、反応率が低く充分なメチロール基が導入されないことがあり、100℃を超えると、得られる変性リグニンが自己重合してしまうことがある。
本発明の接着剤では、上記変性リグニンは、アルカリ性水溶液に溶解される。
上記変性リグニンは通常は粉体であることから、そのままでは被着体表面への浸透性やぬれ性が悪く充分な接着力を発現し得ない。アルカリ性水溶液に溶解した水溶液とすることにより被着体への浸透性やぬれ性が発現し、被着体への刷毛塗りやスプレー塗布等一般的な接着剤と同様の取り扱いができるようになる。また、アルカリ雰囲気下においては、メチロール基の反応性が高くなることから、接着剤としての硬化性を向上させることができる。更に、水溶液とすることにより、有機溶剤を媒体として用いた場合のように熱による引火によって火災や爆発が起こる危険性がなく、熱プレス等の成形方法も自由に選択することができるうえ、有害物質の発生もなく人体に優しく作業環境に優れたものとなる。
上記アルカリ性水溶液としては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等の水溶液が挙げられる。
上記アルカリ性水溶液は、pHが10以上であることが好ましい。リグニンはもともと疎水性の高いフェノール性物質であり水溶液化しにくい物質であるので、pHが10未満であると、用いる変性リグニンが特に疎水性の高いものである場合には溶解しにくいことがある。また、メチロール基の反応性はpHが高いほどよく、特に、pH10以上で接着剤としての優れた硬化特性が発現してくる。
本発明の接着剤において、アルカリ性水溶液へのリグニンの溶解量としては特に限定されないが、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は80重量%である。1重量%未満であると、充分な接着強度が得られないことがあり、80重量%を超えると、接着剤の粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難となったり、被着体表面とのぬれ性が不充分となったりすることがある。より好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は60重量%である。
本発明の接着剤は、必要に応じて、例えば、充填材、補強材、酸化防止剤、発泡剤、消泡剤、接着性付与剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、界面活性剤、エラストマー、染料、顔料、着色剤等の通常接着剤に添加される添加剤を含有してもよい。
本発明の接着剤の塗布方法としては特に限定されず、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬等のあらゆる方法で塗布することができ、使用する用途に応じて好適な方法を使い分ければよい。
本発明の接着剤は必要に応じて加熱硬化させることができる。上記加熱温度の好ましい下限は60℃、好ましい上限は250℃である。60℃未満であると、硬化時間が遅くなりことがあり、250℃を超えると、接着剤自体の劣化や分解が起こることがある。もちろん、室温で硬化させることもできる。
本発明の接着剤においてリグニンとしてリグノフェノール誘導体を用いた場合には、接着剤として使用して架橋・高分子化した変性リグニンを、アルカリ処理することによって低分子化することができる。即ち、アルカリ処理により、側鎖α位に導入したフェノール誘導体のフェノール性水酸基が解離し、隣接基関与効果により、側鎖β位の炭素との結合が形成されると同時に、β−アリールエーテル結合が解裂する。従って、本発明の接着剤を用いて接着した接着体を再び分離させたい場合には、アルカリ処理によって接着剤を低分子化して凝集力を小さくすることにより容易に分離することができる。
上記アルカリ処理としては、例えば、本発明の接着剤により接着した接着体をアルカリ溶液中に浸漬し、一定時間反応させ、必要に応じて加熱する方法が挙げられる。この処理に用いることのできるアルカリ溶液としては、側鎖α位に導入したフェノール誘導体のフェノール性水酸基を解離させることができるものであれば特に限定されない。例えば、p−クレゾールを導入したリグノフェノール誘導体を用いてなる本発明の接着剤では、水酸化ナトリウム溶液等を用いることができる。この場合、アルカリ濃度範囲の好ましい下限は0.5規定、好ましい上限は2規定であり、処理時間の好ましい下限は1時間、好ましい上限は5時間である。また、加熱における温度や圧力等の条件は特に限定されないが、例えば、100℃以上に加熱することで効率よく低分子化を行うことができる。
本発明の接着剤は、天然由来のリグニンを接着成分とするにも関わらず、従来のリグニン等を用いた接着剤に比べて極めて高い接着強度や耐水性が得られ、実用性に優れるものである。また、従来はほとんど利用できなかったリグニンを有効に利用できる点で、極めて有用である。
本発明の接着剤の用途としては特に限定されず、例えば、金属材料、ガラスやセラミックス等の無機材料、プラスチック、木材、生体材料等のあらゆる材料の接着に好適に用いることができる。また、被着体の形状としても特に限定されず、例えば、平板状、ブロック状、チップ状、繊維状、粉体等任意の形状のものを接着することができる。
本発明の接着剤を用いて木質系成形材料を接着して複合化することにより、構成材料全てが天然資源からなる完全資源循環型であり、かつ、人体に優しい木質系複合材料が得られる。
本発明の接着剤と、木質系成形材料とを含有する木質系複合材料もまた、本発明の1つである。
上記木質系成形材料としては特に限定されず、例えば、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、ファー等の針葉樹;シラカバ、アピトン、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹;竹、コウリャン等の草本植物等の樹木に由来するものを用いることができる。これらの木質系成形材料の利用できる形態としては、上記樹木の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。特に、解体廃材、廃パレット材、間伐材、製材時に発生する端材、燃料や製紙用原料として使用される木質材料等を用いることが、リサイクルの点から好ましい。
上記木質系成形材料の形状としては特に限定されず、例えば、ブロック状、平板状、ストランド状、フレーク状、チップ、木粉、ファイバー等が挙げられる。なかでも、チップ、木粉又はファイバーよりなる群から選択される少なくとも1種が好適である。チップを本発明の接着剤で固めた木質系複合材料は特に強度の強いものとなる。即ち、チップはファイバーや木粉よりもエレメントが大きく強度・弾性率に優れた複合材料とすることができるので、本発明の接着剤の特徴である接着強度の強さを最も有効に生かすことができる利用形態である。また、木粉を本発明の接着剤で固めた木質系複合材料は、製品形状の自由度が大きくプレス成形等によって複雑な形状に成形可能であり、表面平滑性にも優れたものとなるので建材等意匠性の要求される用途に好適に使用できる。また、ファイバーを本発明の接着剤で固めた木質系複合材料は強度と意匠性のバランスに優れた製品とすることができる。また、これらのチップ、木粉、ファイバーは入手が容易であり安価であることからも好ましい。
上記木質系成形材料としてチップを用いる場合には、上記チップの大きさは特に限定されないが、強度・弾性率が必要な場合には好ましい下限は20mm、好ましい上限は150mmである。20mm未満であると、得られる本発明の木質系複合材料の強度・弾性率が低くなってしまうことがあり、150mmを超えると、強度のばらつきが大きくなってしまうことがある。
上記樹木からチップを得る方法としては特に限定されず、例えば、ハンマーミル、表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する一軸破砕機、回転刃がかみ合った構造の二軸もしくは多軸破砕機等の破砕機を用いる方法の他、ベニア加工をしたものを割り箸状に切断してスチックにするロータリーカッター、丸太等を回転刃で切削してストランドにするフレーカー等を用いる方法が挙げられる。特に原料としてリサイクル材料を使用する場合、異物が混入しやすく刃の耐久性が高いという点で破砕機が好ましい。
上記の方法で得られたチップはサイズのバラツキがあるので、分級工程によって所定のサイズのチップに分級することが好ましい。上記分級方法としては特に限定されず、例えば、ローラースクリーン方式や振動メッシュ方式、風選方式等が挙げられる。
分級されたチップは、含水率を一定範囲に調整しておくことが好ましい。含水率を一定にすることで生産時の成形品の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては0〜14%である。
本発明の木質系複合材料において、本発明の接着剤と木質系成形材料の混合比率としては、木質系成形材料の密度、形状、表面状態にもよるが、好ましい下限は、通常は木質系成形材料の重量に対してリグニンの量として1重量%、好ましい上限は20重量%である。
本発明の木質系複合材料を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、本発明の接着剤と木質系成形材料とを混合する工程と、接着剤をバインダーとして木質系成形材料を成形する工程とを有する方法が好適である。
このような木質系複合材料の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の木質系複合材料の製造方法では、まず、本発明の接着剤と木質系成形材料とを混合する工程を行う。
上記接着剤と木質系成形材料の混合手段としては、木質系成形材料がチップや木粉等形状が小さい場合には、コンベア上やドラムブレンダー内等で木質系成形材料に対し、スプレー等の塗布手段を用いることにより木質系成形材料の表面に接着剤を付着させる方法が好適である。この方法によれば、均一で安定した強度の木質系複合材料が得られる。木質系成形材料が板材やブロック状の部材の場合には、刷毛塗りやローラー塗りによって混合することもできる。
本発明の木質系複合材料の製造方法では、次いで、接着剤をバインダーとして木質系成形材料を成形する工程を行う。
この場合の成形方法としては特に限定されないが、加熱及び加圧する方法が好適である。加熱することにより本発明の接着剤が短時間でかつ反応効率よく硬化するので生産性の向上と接着強度の向上が見込める。また、加圧することにより木質系成形材料が強く密着して接着強度が向上する。加熱と加圧とは同時に行ってもよく、加熱後に加圧してもよく、加圧後に加熱してもよい。
上記加熱温度の好ましい下限は60℃、好ましい上限は250℃である。60℃未満であると、接着剤の硬化時間が遅くなることがあり、250℃を超えると、木質系成形材料が劣化してしまうことがある。また、加圧の条件は特には限定されない。また、加熱・加圧処理時間は、接着剤が硬化する時間だけ行えばよい。
本発明の木質系複合材料を更に強度・弾性率に優れたものとする必要がある場合には、上記成形工程において、チップ等を一方向に配向させることが好ましい。一方向に配向させることにより、配向方向の強度・弾性率が向上する。
本発明の木質系複合材料は、木質系成形材料を本発明の接着剤で固めて複合化させたことにより、強度と耐水性とに優れる。また、リグニンは元々植物の一成分であることから、木質系成形材料との親和性も高く、接着面の浸透性やぬれ性がよく強度に優れた界面が形成される。また、本発明の接着剤は天然物質であるリグニンを出発物質としているので、本発明の木質系複合材料は全て天然物質からなるものであり、資源の有効利用という観点で地球環境に大きく貢献するものとなる。更に、本発明の木質系複合材料には有害な揮発性化学物質が含有されないので人体に害のない生活環境に優しい木質系複合材料であり、住宅部材等として安心して用いることができるものとなる。
本発明の木質系複合材料等の本発明の接着剤を用いて接着した接着体は、上述のようにアルカリ処理することにより、架橋・高分子化された変性リグニンを低分子化して、容易に剥離することができる。従来の尿素、メラミン、フェノール等の合成接着剤を用いた木質系複合材料等では、使用後にリサイクルする有効な手段がなく燃焼させてエネルギーにするか、粉砕してセメントの混合剤とするしかなく、資源を何回も循環させて利用することは不可能であった。本発明の接着剤を用いて接着した接着体は、アルカリ処理により剥離して、構成要素へ容易に分解することができるので、資源を有効に利用することが可能である。
本発明の接着剤を用いて接着した接着体をアルカリ処理する接着体の剥離方法もまた、本発明の1つである。
本発明の接着剤は、リグニン分子中の少なくとも一部のフェノール誘導体にメチロール基が化学結合した変性リグニンを接着成分とするものであり、アルカリ性水溶液に溶解させて水溶液化した接着剤であるので、接着強度、耐水性(煮沸試験後の強度)に優れる。特に天然材料であるリグニンでの耐水性能の発現は、分子中へのメチロール基の導入とアルカリ水溶液への溶解によって初めて達成することができる。また、リグニンとしてリグノフェノール誘導体を用いた場合には、いったん接着して硬化させたものをアルカリ処理することにより再び構成要素に分解することが可能であり、リサイクル性に優れた接着剤となる。
本発明の接着剤と木質系成形材料とを含有する木質系複合材料は、強度と耐水性に優れることから造作用途のみならず構造用途にも応用することができる。また、構成物質全てが天然材料からなるので有害な揮発性物質が発生せず人体に優しく、資源を有効利用することで地球環境の保全に貢献できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)接着剤の調製
脱脂処理したベイツガ木粉100gに対して、このベイツガ木粉中のリグニンC9単位あたり3molのp−クレゾールを含むアセトン溶液を加えて一夜放置して、ベイツガ木粉にp−クレゾールを含浸させた。その後、ベイツガ木粉からアセトンを乾燥・留去させた。次に、この全量に72%硫酸400mLを加え、30℃で60分間激しく攪拌した。所定時間経過後攪拌を停止し、反応を停止させるために、反応溶液を冷却した4000mLのイオン交換水に攪拌しながら少量づつ加えた。約60分後攪拌を停止し、不溶解物を遠心分離して分離した。沈殿物を減圧乾燥させた後、アセトン600mLで抽出した。遠心分離後、上澄み液を過剰のn−ヘキサン中に滴下し、得られた沈殿を減圧乾燥させることでリグノフェノール誘導体24gを得た。得られたリグノフェノール誘導体の分子量を測定したところ重量平均分子量で3600であった。
なお、分子量測定は以下の手順で行った。まず、試料20mgを5mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、上澄み液を0.2μmのフィルターでろ過した。得られたろ液を検液として下記測定条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を実施した。
装置:高速液体クロマトグラフィー(日立)
カラム:PLgel3μmMIXD−E×2
サイズ 7.5mmφ×300mm
移動相:THF(1.0ml/min)
温度:室温
検出器:RI
注入量:100μl
検量:showax社製 Pst標準試料(66000〜580 10点検量)
得られたリグノフェノール誘導体に対して、以下の手順によりメチロール基の導入を行った。
リグノフェノール誘導体20gを0.1N水酸化ナトリウム水溶液2000gに溶解させ、37%ホルムアルデヒド水溶液200gを添加し60℃で3時間良く攪拌しながら反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、0.1N塩酸を徐々に加えてpH2まで酸性化させて反応を停止させた。次に反応液を遠心分離し、得られた固形分を減圧乾燥させて、メチロール基が導入されたリグノフェノール誘導体15gを得た。得られたメチロール基が導入されたリグノフェノール誘導体の分子量を測定したところ重量平均分子量で4200であった。
得られたメチロール基が導入されたリグノフェノール誘導体15gをpH13の水酸化ナトリウム水溶液22.5gに溶解させ固形分40%の接着剤を得た。
得られた接着剤の低分子量化の可否について以下の方法により確認した。
接着剤100mgを直径5mmのアルミパンに入れ、80℃で3時間加熱処理して水分を蒸発させながら硬化させた。硬化体40mgを恒量測定済み試験管に採り、2mLのアセトンを加え、それぞれ密封した。これを10分間激しく攪拌した後、3時間放置した。上澄みを恒量測定済みのろ紙にてろ過し、不溶解区分を含むろ紙と試験管とを、105℃にて乾燥、恒量を求めた。試料による不溶解区分の重量を試験管及びろ紙の重量増加を加算して求めた。アセトン溶解度は5%であり、加熱により架橋・高分子化していることがわかった。
上記と同様にして硬化させた接着剤40mgを140℃で1時間、1N水酸化ナトリウム水溶液で処理して低分子化した。アセトン溶解度を測定したところ70%であり、架橋・高分子化したものが再び低分子に変換されたことを示していた。
(2)木質系複合材料の製造
得られた接着剤を用い、木質系成形材料として木材廃棄物処理業者から購入した一軸破砕機にて破砕された長さ20〜150mmのボード用チップを、ローラースクリーン方式であるウエーブローラースクリーン装置を用いて、厚さ1〜8mmに分級したものを用いて木質系複合材料を製造した。
含水率6%に調整したチップ100gの表面に、接着剤をチップに対して10重量%になるようにスプレーガン(アネスト岩田社製)を用いて均一塗布した。次に、接着剤が塗布されたチップを内寸150mm×50mm×高さ60mmの金型(凹型)内に投入した。なお、金型内には中央に仕切版が設置してあり、長手方向に25mm間隔で2等分されたものを用いた。仕切版はチップ投入後に取り除いた。仕切版の作用により、チップは金型内で長手方向に一軸配向した。次に、凸型を設置し、プレス機にて製品の厚さが10mmになるように圧力をかけて180℃で30分間プレス成形して木質系複合材料を得た。
(実施例2)
(1)接着剤の調製
リグニンとしてリグニンスルホン酸(日本製紙社製、製品名「サンエキスP201」)を用いた。リグニン20gを0.1N水酸化ナトリウム水溶液2000gに溶解させ、37%ホルムアルデヒド水溶液200gを添加し60℃で3時間よく攪拌しながら反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、0.1N塩酸を徐々に加えてpH7まで中性化させて反応を停止させた。室温で減圧乾燥させてメチロール基が導入されたリグニンを得た。
得られたメチロール基が導入されたリグニン10gを0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液15gに溶解させ接着剤を得た。接着剤のpHは13であった。
(2)木質系複合材料の製造
得られた接着剤を用いた以外は実施例1と同様の方法により木質系複合材料を製造した。
(実施例3)
実施例1で作製したの接着剤を用いた。ただし、後述する接着強度の測定においては、プレス条件を常温で7日間放置することとした。
また、木質系複合材料の製造において、プレス条件を常温で7日間放置することとした以外は実施例1と同様の方法により木質系複合材料を得た。
(比較例1)
リグニンにメチロール基の導入を行わなかった以外は実施例1と同様にして接着剤及び木質系複合材料を得た。
(比較例2)
接着剤の調製において変性リグニンを溶解させるのにテトラヒドロフラン(THF)を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤を調製し、木質系複合材を製造した。
(比較例3)
接着剤の調製において変性リグニンを溶解させるのに純水(pH7)を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤を調製し、木質系複合材を製造した。
(比較例4)
リグニンにメチロール基の導入を行わず、また、溶液化せずに粉体のままで接着剤とした以外は実施例1と同様にして接着剤を調製し、木質系複合材料を製造した。
(評価)
実施例1〜2及び比較例1〜4で得た接着剤及び木質系複合材料について以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)接着試験
被着体として柾目のカバ材(30×25×厚さ10mm)を用い、105℃のオーブンで乾燥させたあと23℃湿度50%の養生室で養生させて含水率を約8%に調整したものを試験に使用した。接着面片面あたり約0.1gの接着剤を塗布し、素早く貼り合わせた後、180℃で30分プレスして接着サンプルを作製した。ただし、実施例3については、プレス条件を室温で7日間とした。
得られた接着サンプルについて、JIS K 6852に準拠した方法により圧縮せん断接着試験を実施した。
また、煮沸処理した後のサンプルの接着強度も測定した。煮沸処理は、サンプルを煮沸水中に4時間浸漬→常温水中で1時間乾燥→70℃の空気中で処理前の重量以下になるまで乾燥という手順で行った。
(2)曲げ試験
木質系複合材料からサンプルを切り出してJIS A 5908に準拠した方法により三点曲げ試験を実施した。
Figure 2005060590
本発明によれば、木材の主要構成成分であるリグニンを利用した接着強度に優れた接着剤、該接着剤をバインダーとして用いた構成材料全てが天然資源からなる完全資源循環型であり、かつ、人体に優しい木質系複合材料及びその製造方法を提供できる。
リグニンの側鎖のα位にフェノール誘導体が選択的に導入される態様を示す化学式である。 リグノフェノール誘導体を合成する方法の一例を示した図である。

Claims (10)

  1. 変性リグニンと、前記変性リグニンを溶解するアルカリ性水溶液とからなる接着剤であって、前記変性リグニンは、リグニン分子中の少なくとも一部のフェノール誘導体にメチロール基が化学結合したものであることを特徴とする接着剤。
  2. リグニンは、フェノール誘導体が添加されたリグノセルロース系材料に濃酸を添加して得られたものであることを特徴とする請求項1記載の接着剤。
  3. リグニンは、側鎖α位がフェノール誘導体で置換された構造を有することを特徴とする請求項2記載の接着剤。
  4. アルカリ性水溶液は、pHが10以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の接着剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の接着剤と、木質系成形材料とを含有することを特徴とする木質系複合材料。
  6. 木質系成形材料は、チップ、木粉又はファイバーよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の木質系複合材料。
  7. 請求項1、2、3又は4記載の接着剤と木質系成形材料とを混合する工程と、前記接着剤をバインダーとして木質系成形材料を成形する工程とを有することを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
  8. 接着剤をバインダーとして木質系成形材料を成形する工程において、加熱及び加圧を行うことを特徴とする請求項7記載の木質系複合材料の製造方法。
  9. 請求項1、2、3又は4記載の接着剤を用いて接着した接着体をアルカリ処理することを特徴とする接着体の剥離方法。
  10. 接着体は木質系複合材料であることを特徴とする請求項9記載の接着体の剥離方法。
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