JP4630608B2 - 木質系複合材料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、木質系複合材料の製造方法に関する。
木質系成形材料として木材を破砕した繊維方向に細長い木質チップに結合剤を付着させ、結合剤が付着した木質チップを長手方向に向きを揃え即ち配向して積層させて木質積層マットを形成し、この木質積層マットを加熱及び加圧して木質系複合材料を得る方法が知られている。得られる木質系複合材料は、木質チップを配向させることによって曲げ強度が高くなる(例えば、特許文献1参照。)。
上記木質チップを結合剤で結合されてなる木質系複合材料としては、例えば、単板積層材(LVL)、パーティクルボード、ミディアムデンシティーファイバーボード(MDF)、ハードボード等が挙げられる。しかしながら、上記木質系複合材料は、使用される木質チップは植物資源からなり再生可能な資源材料であるが、結合剤は一般にフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート樹脂などの石油系材料であり、これらの石油系材料は再生が困難な天然資源である。即ち、再利用がし難くい材料が併用されており、得られた木質系複合材料は、厳密な意味では循環型材料とは言えない。
また、細長い木質チップと結合剤の混和物を一方向に配向させながら積層することにより形成された木質積層マットは、ベルトコンベア等の搬送装置の上に載置されてプレス機に搬送されるが、搬送中の振動によって配向が乱れたり積層が崩れてしまって、得られる木質系複合材料の物性が低下してしまうという問題があった。
この様な従来の課題を解決する方法として、使用済みの廃木材をリサイクル使用するために、破砕機で破砕されて分級された細長い木質チップと天然成分であるタンニンを主成分とする接着剤(以降、タンニン系接着剤という)を含む結合剤とを混和し、この結合剤を加熱して硬化し木質チップ同士を結合させる構成とする方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2の方法は、再生可能な資源を原料とする天然型資源からなる木質系複合材料であり、しかも得られる木質系複合材料は、構造材としても十分に使用出来る強度を有するものとすることが可能である。また、タンニン系接着剤を含む結合剤が粘着性を有する結合剤であるので、木質積層マットを加熱加圧するためにプレス機に搬送する際に、得られる木質複合材料の強度が実用上問題となる程度まで低下するような木質チップの配向の乱れや木質積層マットの端部の積層崩れは起こり難い。
一方で、近年、住宅部材に含まれる有害な揮発性物質などを原因とするシックハウス症候群の多発が社会的問題になっている。タンニン系接着剤は天然資源であり、従来のフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート樹脂などの石油系材料よりも人体への安全性に優れた素材であるが、硬化剤を併用する場合には、硬化剤の種類によっては有害な揮発性物質を発生させる可能性がある。
また、得られる木質系複合材料の使用用途によっては、低コストな木質系複合材料が望まれることもある。従来から、低コスト化の一つの方法として、生産性を向上させることが検討されているが、熱伝導によって加熱硬化させる従来の熱プレス機では生産速度の点で限界があった。即ち、厚さがおよそ20mm以上の苛の場合には、ボード中央部において接着剤が充分に硬化する温度まで加熱されるのに非常に時間がかかり、生産性が悪くて採算が合わなくなってしまうという問題があった。
特開昭63−107507号公報 特許第3515099号公報
本発明は、従来のタンニン系接着剤を用いた木質系複合材料及びその製造方法の問題点を鑑み、有害な揮発性物質を発生させることがない接着剤組成物を用いた生産性に優れた木質系複合材料の製造方法を提供することにある。
請求項1記載の木質系複合材料の製造方法は、木質系成形材料と、タンニンとタンニンの自己硬化を促進する触媒とからなる接着剤組成物とを混和して混和物とし、この混和物を積層して木質積層マットを形成し、木質積層マット内に水蒸気を浸透させて加熱及び加圧して接着剤を硬化させることにより、木質系成形材料が硬化した接着剤で結合された木質系複合材料を得ることを特徴とする。
請求項2記載の木質系複合材料の製造方法は、請求項1記載の木質系複合材料の製造方法において、タンニンの自己硬化を促進する触媒が、アルカリ及び/又はルイス酸であることを特徴とする。
請求項3記載の木質系複合材料の製造方法は、請求項2記載の木質系複合材料の製造方法において、アルカリが、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであることを特徴とする。
請求項4記載の木質系複合材料の製造方法は、請求項2記載の木質系複合材料の製造方法において、ルイス酸が、シリカであることを特徴とする。
一般的に、タンニンは水溶液状態でpH4〜7程度の液性を示し、水溶液をそのまま加熱するのみで硬化する。通常、タンニンの硬化には、そのまま加熱硬化させる方法以外に、酸性下でホルムアルデヒドを混合し、加熱して硬化させる方法がある。タンニンのこの硬化反応を利用して木質系複合材料を製造する場合には、原材料となる木質系成形材料例えば木材を破砕した木質チップ等の表面に、タンニンとホルムアルデヒドとを混合した混合液を付着させ、混合液を付着された木質チップを成形金型中で加熱加圧してタンニンを硬化させれば、木質複合材料を得ることができる。
しかしながら、木質チップ中のヘミセルロースが充分に軟化されにくいので、上記方法では加圧しても木質チップ同士が充分に圧密され難く、得られる木質複合材料の曲げ強度が不十分であったり、バラツキが出たりする恐れがある。
本発明においては、タンニン水溶液をアルカリ性とすることで、上記ヘミセルロースを加水分解して軟化させ、同時にアルカリ性としたタンニン水溶液のまま、若しくはこれに、硬化反応速度を早くする為に例えばシリカ等の触媒を混合した接着剤組成物として用いて、加熱加圧時間を短縮しかつ低温で硬化させることで、適度に圧密されて強度のバラツキがなくかつ充分な実用強度を有する木質複合材料を得るものである。
木質系成形材料の原料樹種としては、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、ファーなどの針葉樹、シラカバ、アピトン、センゴンラウト、アスペンなどの広葉樹が挙げられ、更に、これらの樹木だけでなく竹、コウリャンといった植物材料をも含めることができる。
利用できる形態としては、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。特に、解体廃材、廃パレット材、間伐材、製材時に発生する端材、燃料や製紙用原料として使用される木質材料等のリサイクル材が好ましい。
本発明においては、木質系成形材料は木質チップとされている場合に最も効果が大きい。木質チップの形状は特に限定されるものではない。形状としては例えば、ブロック状、平板状、ストランド状、フレーク状、チップ、木粉、ファイバーなどが挙げられる。
上記原材料を木質チップに加工する方法としては、ハンマーミル、表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する一軸破砕機、回転刃がかみ合った構造の二軸もしくは多軸破砕機等の破砕機が使用されるが、ベニア加工をしたものを割り箸状に切断してスチックにするロータリーカッター、丸太などを回転刃で切削してストランドにするフレーカー等も使用できる。特に原料としてリサイクル材料を使用する場合、異物が混入しやすく刃の耐久性が高いという点で破砕機が好ましい。
上記の方法で得られた木質チップは幅、厚さ及び長さのバラツキがあるので、分級工程によって所定のサイズの木質チップを得る。このときの分球方法としては、ローラースクリーン方式や振動メッシュ方式、風選方式等があり、必要に応じて使い分ければよい。上記木質チップの大きさは特に限定されないが、得られる木質複合材料に強度・弾性率が必要な場合には、長さが20mm以上150mm以下が好ましい。20mm未満であると製品の強度・弾性率が低くなってしまい、150mmより大きいと強度ばらつきが大きくなってしまう。
また、木質チップの長さが20mm以上150mm以下の場合には、積層した木質積層マットの木質チップの隙間が大きいので、20mm未満の小さい木質チップを使用するパーチクルボードなどと比較すると、木質積層マット内部への高温水蒸気の通りが良く、極めて短時間に木質積層マットを加熱させることができ、高温水蒸気によるプレス加工方法の特長を効果的に発現させることができる。
木質系成形材料は、含水率を一定範囲に調整しておくことが好ましい。含水率を一定にすることで、生産する成形品即ち木質複合材料の品質バラツキが少なくなる。好ましい含水率としては、0〜14重量%である。タンニン系接着剤を水溶液として使用する場合には、木質系成形材料の含水率は0〜10%が好ましい。含水率が10%を越えると、製造直後の木質系複合材料の含水率が高くなってしまい、出荷するまでに長期間養生する必要があるので好ましくない。
タンニン系接着剤の主成分であるタンニンは、天然木材からの抽出成分であり、木質系成形材料との親和性が良く、適度な粘着性を有し、硬化すると高強度になる。タンニンを抽出する樹木は特に限定されないが、ラジアータパインやミモザ(ワットル又はアカシアともいう)、ケブラチョから採取される縮合型タンニンが好ましい。
タンニンを抽出する樹木の樹齢は特に限定されるものではないが、例えばミモザの場合には、樹齢8〜10年のものが接着剤としての性能や生産性から好ましい。生産地についても特に限定されるものではないが、例えばミモザの場合には、南米やアフリカ産のものが好ましいく、ケブラチョの場合には南米産のものが好ましい。タンニンには糖などの不純物が混入していても特に問題にはならないが、高強度の木質系複合材料としたい場合には、不純物は少ない方がよい。タンニンの純度は、例えばStiasny Value(SV)で評価することができ、好ましいSVは50以上である。更に好ましくは70以上である。
SVは、例えば以下のようにして求めることができる。予め乾燥した試料(樹皮抽出物、或いは標準カテキン)を、容量25mlの丸底フラスコに約100mg秤り取り、蒸留水10ml、37%ホルムアルデヒド水溶液2ml、10N塩酸1mlをこの順に添加した後、フラスコを加熱し、30分間沸騰させる。加熱後直ちに、予め重量を測定したガラスフィルターで試料を一気にろ過し、熱水、メタノールで順次洗浄した。ガラスフィルターは105℃のオーブンで一晩乾燥させて重量を測定し、残渣重量を算出する。SVは、以下の式を用いて算出した。値の補正のために、標準のカテキンのSVも測定する。
SV=(残渣重量/試料重量)×(104.1/標準カテキンのSV)×100
タンニンは木材から抽出したままで用いても良いが、接着剤としての性能や粘度等で改質の必要がある場合には変性させて改質して用いても良い。タンニンは粉体のまま木質系成形材料と混和しても良いが、製造時の扱いやすさや木質系複合材料の性能を考慮すると水や有機溶剤に溶解又は分散させて使用することが好ましい。この場合、タンニン濃度は20重量%〜70重量%が好ましい。粘度については10、000cps以下が好ましく、木質系成形材料との混和を接着剤のスプレー塗布によって行う場合には2、000cps以下が好ましい。
タンニンには自己硬化する性質があり、タンニン単独であっても熱によって硬化する。また、自己硬化を促進する触媒を用いると硬化が促進される。この様な自己硬化を促進する触媒としてはアルカリや、シリカ(SiO2)のようなルイス酸が挙げられる。
アルカリによって自己硬化を促進させる場合には、好ましいpHは7以上13以下、より好ましくは7以上12以下である。pHをアルカリ性にすることによって、タンニンの自己硬化が促進され、生産性が向上し物性も良くなる。また、pHをアルカリ性にすることによって、製品の厚さ方向の密度を均一にすることができ、耐水性が良くなり、さらに、プレス時の圧力を下げることができるので好ましい。
即ち、この現象は、高温水蒸気によるプレス成形時の熱と水蒸気によって、木質系成形材料中のヘミセルロースが加水分解し、木質系成形材料の軟化がおこるためであるが、アルカリによって、加水分解が更に促進されるからである。この軟化作用によって、プレス圧力が下がり、密度むらがなくなり、更にその結果として強度や耐水性などの製品性能が良くなるのである。
pHが13より大ではアルカリが強すぎて取り扱いに注意する必要があるし、アルカリが強すぎて、木材成分(例えば、ヘミセルロース)が軟化を通り越して一部分解して変性し、木質系複合材料が黒く着色する可能性があるので好ましくない。加えて、pHが13より大では、硬化反応が早すぎてプレス機投入前に硬化してしまうこともある。アルカリ剤の種類は特に限定されないが、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げられる。
また、シリカ(SiO2)のようなルイス酸も、タンニンの自己硬化を促進する触媒として作用する。シリカはペレット状のものでも微粉状のものでもよい。シリカの添加量はタンニン固形分に対して、1重量%〜20重量%が好ましい。更に好ましくは3重量%〜10重量%である。1重量%より少なければ触媒としての効果が充分でなく硬化に時間がかかるという問題があり、20重量%より多ければ硬化反応が早すぎてプレス機投入前に硬化してしまうという問題がある。
上記シリカのようなルイス酸を用いる場合、pH調節をしないタンニン水溶液(通常pH4〜7程度となるものが多い。)に混合して用いても良いが、タンニン水溶液をアルカリ性とした場合に、より触媒効果が大きくなるので、pHは上記アルカリ剤により7以上13以下に調整されることが好ましい。
含水率を調整された木質チップは、上記接着剤組成物と混合される。接着剤組成物の混和量は、木質チップの密度、形状、表面状態にもよるが、通常は木質チップの重量に対して、タンニンの固形分で1重量%〜20重量%が好ましい。1重量%未満であれば接着強度が充分に発現せず、20重量%より大きければ経済性が悪くなってしまうし、タンニン接着剤を水溶液として用いる場合には、プレス直後の製品の含水率が高くなってしまい、出荷するまでに長期間の養生を必要とするので好ましくない。
上記木質系成形材料と接着剤組成物の混和手段としては、木質系成形材料と接着剤組成物とをヘンシェルミキサー(商品名、ヘンシェル社製)のような高速ミキサーに投入して混合する方法が挙げられるが、接着剤組成物が液体の場合には、コンベア上やドラムブレンダー内等で木質系成形材料に対し、スプレー等の塗布手段を用いることにより、木質チップの表面に接着剤を付着させると、均一で安定した強度の木質系複合材料が得られる。木質系成形材料がチップ形状ではなく、例えば板状やブロック状の部材の場合は、刷毛塗りやローラー塗りによって混合することもできる
タンニンと触媒とは予め混合してから木質チップと混和しても良く、配合せずに別々に木質チップと混和させても良い。また、タンニンを水溶液として用いる場合には、触媒は固体そのままで、或いは水溶液化して予めタンニン水溶液と混合して接着剤組成物とすることができる。触媒として、アルカリとシリカを併用する場合には、混合の順番は特に限定されるものではない。例えば、タンニン水溶液のpHを調整した後にシリカを配合しても良いし、シリカを配合した後にpHを調整しても良い。また、予めシリカを溶解させたアルカリ水溶液でタンニンのpHを調整しても良い。また、タンニンの粉末を水溶液化させるときに、予めアルカリ性にした水を用いたり、シリカを分散させた水を用いてタンニンを溶解させても良い。
木質チップと接着剤組成物との混和物は、積層することなどにより木質積層マットを形成する。具体的には、接着剤組成物を混和された木質チップを、成形金型の中に投入し積層することで行うことができる。 長さ方向を略揃える即ち配向させる必要がある場合には、一定間隔に分割されたフォーミング型や、オリエンテッドストランドボード(OSB)等の製造で用いられるディスクオリエンター等の配向積層装置が用いられる。
上記木質積層マットを成形金型内に投入し、水蒸気を噴射しながら加熱加圧可能なプレス装置、いわゆる蒸気プレス装置の加圧板同士の間に配置して加熱及び加圧して成形する。木質積層マットは、未加圧の状態では個々のチップ同士の間は隙間があり、噴射された水蒸気はその隙間を通って木質積層マットの奥まで到達する。
加熱と加圧とは、同時に行っても良いし、加圧をした後に加熱をしても良いし、加熱した後に加圧しても良い。水蒸気の噴射は、木質積層マットが上記蒸気プレス機の加圧板の間に配置されている間であればどのタイミングで噴射しても良い。加熱温度は100℃〜250℃が好ましい。水蒸気温度は100℃〜250℃が好ましい。また、プレス成形時の圧力条件は、1〜10MPaが好ましい。また、加熱及び加圧の時間は、接着剤が硬化する時間だけ行えば良い。
本発明は、木質チップと、タンニンに少なくともタンニンの自己硬化を促進する触媒を混合した接着剤組成物とを混和して積層して木質積層マットとし、木質積層マットに水蒸気を通気させて加熱、加圧することで、タンニンを硬化させて木質チップ同士を硬化したタンニンにより結合させる構成としていることから、再生可能な天然資源を原料とする天然資源型からなる木質系複合材料を得ることができ、しかも得られた木質系複合材料は優れた強度と耐水性を有することが可能である。
また、本発明では、有害な触媒などを使用せず、タンニンの自己硬化を促進する触媒を用いてタンニンを硬化させるので、有害な揮発性物質が発生しない。
以下に、実施例と比較のために行った実施例(以下、比較例という。)とを説明する。
(実施例1)
木質系複合材料を、以下の製造プロセスで成形した。木質系成形材料は、木材廃棄物を一軸破砕機にて破砕したボード用チップ(木材廃棄物処理業者より購入したもの。)を、ローラースクリーン方式であるウエーブローラースクリーン装置(たいへい社製)を用いて、厚さ又は幅1mm〜8mmの木質チップに分級した。木質チップは含水率6重量%となるように調整した。
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調整した。まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度40%になるように溶解させた。その後、濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液でpH11に調整した。pH調整後、シリカの微粉末(日本アエロジル社製、AEROSIL200)を、タンニン固形分に対してシリカが5重量%になるように混合した。
木質チップをドラムブレンダーに投入し、タンニン系接着剤を、木質チップ100重量部に対してタンニン系接着剤12重量部になるように噴霧し混和物とした。次に混和物をOSLフォーミングマシーン(たいへい社製)に投入し、フォーミング金型(縦2、000mm、横500mm、高さ100mm)に投入した。フォーミング型内は金属製の仕切り板(厚み2mm)を用いて、50mm間隔に10等分したものを用い、接着剤を混和された木質チップを長さ方向に略揃えて配向させて積層し、木質積層マットとした。マットの高さは約100mmとした。
次に、フォーミング型、仕切り板を脱型し、木質積層マットを蒸気プレス機(川崎油工社製、300トンプレス機)の加圧板の間に配置した。木質積層マットを配置後、加圧板が軽く木質積層マットの表面に接触する程度の閉じ、0.9MPa、180℃の高温水蒸気を1分間噴射し、その後マットの厚さが20mmになるように加圧板を閉じて金型を閉じ、加圧板表面温度を180℃で5分間保持して木質系複合材料を得た。
上記木質系複合材料からサンプルを切り出して、曲げ強度(JIS K 5908に準じる。)とホルムアルデヒド放散量(JIS K 5908に準じる。)を測定した。
(実施例2)
pH調整をしないタンニン水溶液(pH4)を用いた以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を得、同様にして曲げ試験、ホルムアルデヒド放散量を測定した。
(実施例3)
シリカを用いなかった以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を得、同様にして曲げ試験、ホルムアルデヒド放散量を測定した。
(実施例4)
pHを10に調整し、タンニンをラジアータパインから採取したタンニンとし、かつシリカを用いなかった以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を得、同様にして曲げ試験、ホルムアルデヒド放散量を測定した。
(比較例1)
シリカを用いなかった以外は実施例2と同様にして木質系複合材料を得、同様にして曲げ試験、ホルムアルデヒド放散量を測定した。
(比較例2)
pHを10に調整し、シリカの微粉末の代わりに37%ホルマリン液をタンニン固形分に対しホルマリン10重量%となるように混合した以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を得、同様にして曲げ試験、ホルムアルデヒド放散量を測定した。
(比較例3)
高温水蒸気を木質積層マットに噴射せず、加圧板を加熱して加圧と加熱とを行うプレス機を用い、加熱及び加圧を、加圧加熱板の表面温度を180℃で5分間保持した以外は実施例1と同様にして木質系複合材料を得、同様にして曲げ試験、ホルムアルデヒド放散量を測定した。曲げ強度、ホルムアルデヒド放散量の測定結果を表1に示す。
Figure 0004630608

Claims (4)

  1. 木質系成形材料と、タンニンとタンニンの自己硬化を促進する触媒とからなる接着剤組成物とを混和して混和物とし、この混和物を積層して木質積層マットを形成し、木質積層マット内に水蒸気を浸透させて加熱及び加圧して接着剤を硬化させることにより、木質系成形材料が硬化した接着剤で結合された木質系複合材料を得ることを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
  2. タンニンの自己硬化を促進する触媒が、アルカリ及び/又はルイス酸であることを特徴とする請求項1記載の木質系複合材料の製造方法。
  3. アルカリが、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであることを特徴とする請求項2記載の木質系複合材料の製造方法。
  4. ルイス酸が、シリカであることを特徴とする請求項2記載の木質系複合材料の製造方法。
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