JP2004143385A - タンニン系接着剤組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タンニン系接着剤の問題点である低いpH領域での硬化を改善した非ホルムアルデヒド系あるいは低ホルムアルデヒド系タンニン系接着剤組成物およびその製造法である。
【解決手段】ルイス酸触媒反応と酸化的縮合反応により硬化するタンニン系接着剤組成物であり、ルイス酸触媒反応に用いる薬剤は、電子対受容体として反応を触媒する。製造方法は、接着剤の基材であるタンニンに、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加えた後、酸化的反応をする薬剤を加え、または前記タンニンに酸化的反応をする薬剤を加えた後、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加え、前記タンニンを非ホルムアルデヒド系のタンニン接着剤とする。
【選択図】 なし
【解決手段】ルイス酸触媒反応と酸化的縮合反応により硬化するタンニン系接着剤組成物であり、ルイス酸触媒反応に用いる薬剤は、電子対受容体として反応を触媒する。製造方法は、接着剤の基材であるタンニンに、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加えた後、酸化的反応をする薬剤を加え、または前記タンニンに酸化的反応をする薬剤を加えた後、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加え、前記タンニンを非ホルムアルデヒド系のタンニン接着剤とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然フェノール類であるタンニンに、電子対受容体(電子対を受け取る物質)であるルイス酸(Gilbert Newton Lewisの説に従う酸)触媒反応をする薬剤と酸化剤を作用させ、非ホルムアルデヒド系あるいは低ホルムアルデヒド系で硬化する接着剤組成物およびその製造法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
今日、木材用接着剤として使用されているユリアホルムアルデヒド樹脂接着剤、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤、メラミンホルムアルデヒド樹脂接着剤などは、いずれもその原料を石油資源に依存しており、それらの接着剤から発生する揮発性有機化合物(VOC)はアトピー性皮膚炎や喘息などを引き起こすアレルギーの原因物質の一つと考えられている。また、廃棄物規正法が成立したことから不要木材製品を従来のように安易に焼却することも廃棄することもできない。したがって、木材を可能な限り循環使用し最終的にパルプ用チップあるいは木炭などとして使用するために、パルプ製造時あるいは炭化操作時に障害となる合成樹脂接着剤による接着は可能な限り避けなければならない。このため植物から採取しうる天然のフェノール化合物である植物性タンニンを利用する木材用接着剤の開発研究が種々行われた。しかし、そのほとんどはホルムアルデヒドとの反応により高分子化するホルムアルデヒド系接着剤であり、現在広く使用されている合成樹脂系接着剤の域を出ていない。また、その被接着製品からもホルムアルデヒドが放散される可能性も欠点として残っており、その性能も合成樹脂の代替品の域を出ていない。
【0003】
本発明者は、植物から抽出されるタンニンを接着剤基材とし、しかもアルデヒド系化合物を使用せずに、酸化的反応によりこれらを硬化する接着剤組成物を見出し、これを発表した(特開昭61−62573、木材学会誌(1989)35(6)496−505、木材学会誌(1989)35(6)506−512、木材学会誌(1990)36(9)725−731、木材学会誌(1991)37(11)1079−1085.)。しかし、この酸化的反応によって硬化する接着剤組成物は、硫酸添加あるいはスルホン化タンニンのスルホン基をH型にした場合に良好な性能を発揮する接着剤であった。このため、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤と同等の接着力を有するものの、接着剤のpHは2程度と低く強酸系であり、被着木材を劣化する恐れがあった。
【0004】
本発明では、この酸化的反応で硬化するタンニン系接着剤の問題点である低いpH領域での硬化を改善した非ホルムアルデヒド系あるいは低ホルムアルデヒド系タンニン系接着剤組成物およびその製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明で使用できるタンニンとしては、それらを採取する植物の(樹)種あるいは抽出溶媒等の抽出法には制限されず、公知のいずれのタンニンも使用できる。代表的なタンニンとして、例えばミモザタンニン、ケブラコタンニン、マングローブタンニン、ココナッツタンニンなどの縮合型タンニン、チェスナッツタンニンなどの加水分解型タンニンおよび柿シブタンニンなどをあげることができる。
【0006】
上記植物性タンニンのほか、これらタンニンをトリクロロ酢酸で処理したトリクロロ酢酸処理タンニン、カテコール存在下にトリクロロ酢酸で処理したカテコール化タンニン、レゾルシノール存在下にトリクロロ酢酸で処理したレゾルシノール化タンニン、および同様にして調製したフェノール化タンニン、クレゾール化タンニンなどの化学修飾タンニンも同等に用いる。
【0007】
上記開示した縮合型タンニン、加水分解型タンニン、柿シブタンニンなどの植物性タンニン、および化学修飾タンニンは、いずれも単独あるいは複数種類を混合して用いることができる。
【0008】
また、タンニンを木材あるいはその樹皮から抽出する際に、抽出溶媒中にトリクロロ酢酸およびフェノール類を単独あるいは複数混合添加することによって、化学修飾タンニンを直接抽出することも可能である。
【0009】
ルイス酸触媒作用をする薬剤としては、いわゆる電子対受容体として反応を触媒する薬剤、たとえば三フッ化ホウ素、銅(II)イオン、ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、コロイド状ケイ酸、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムなどを単独あるいは複数混合して用いる。
【0010】
酸化的反応に関与する薬剤としては、過酸化水素、硫酸第一鉄、硫酸銅、フェロシアン化カリ、過硫酸アンモニウム、重クロム酸カリ、過酢酸、硫酸マンガン、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化作用を有する薬剤を単独あるいは複数混合して用いる。
【0011】
接着剤の基材であるタンニンにルイス酸触媒作用をする薬剤を加えた後、酸化的反応をする薬剤を加え、あるいはタンニンに酸化的反応をする薬剤を加えた後ルイス酸触媒作用をする薬剤を加え、またはこれらの薬剤を混合してタンニンに加えることによって、基材であるタンニンを非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤とする。
【0012】
一方、上述した非ホルムアルデヒド系の他にも、上述したようにして得られた非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物を、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤合成時のフェノール(核)に対するホルムアルデヒドのモル比1.5〜2.0の2分の1以下の量(タンニンおよび化学修飾タンニンのフェノール核に対するホルムアルデヒドのモル比)を加え、ルイス酸触媒反応および酸化的反応と共に硬化反応を促進する低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤とすることもある。
【0013】
なお、本発明における化学修飾タンニンを接着剤基材として用いる場合は、ルイス酸触媒作用をする薬剤のみを加え酸化的反応をする薬剤を加えずに非ホルムアルデヒド系接着剤として用いることも可能である。
【0014】
さらに、同様の化学修飾タンニンを接着剤基材として用いる場合は、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加えずに酸化的反応をする薬剤のみを加えても、非ホルムアルデヒド系接着剤として用いることができる。
【0015】
さらにまた、前記非ホルムアルデヒド系接着剤に対してアルデヒド系薬剤をモル比1.5〜2.0の2分の1以下の量添加することによって、それぞれ単体の場合より高性能の低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤とすることも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の適切な態様を、実施例によって説明する。
【0017】
(実施例1)
50%ミモザタンニン水溶液574gにトリクロロ酢酸0.26モルを加え、120℃、60分間オートクレーブで反応させ、トリクロロ酢酸処理ミモザタンニンを調製した。
【0018】
50%ミモザタンニン水溶液574gにトリクロロ酢酸0.26モル、レゾルシノール1.55モルまたはカテコール1.55モルを加え、120℃、60分間オートクレーブで反応させ、それぞれレゾルシノール化ミモザタンニンまたはカテコール化タンニンを調製した。
【0019】
上述のようにして得られた50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液16gに5%ホウ酸0.4ml、41%ケイ酸ナトリウム0.2mlと37%ホルマリンを0.2ml加え、よく攪拌後カナダヒバの板(厚さ1cm)に塗布した。これを60℃、圧締圧力10kg/cm2で1時間加熱圧締した。ブロック剪断試験の結果、54kgf/cm2の圧縮剪断強さが得られた。この接着剤のフェノール核1個に対する添加ホルムアルデヒド量は、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤(フェノール:ホルムアルデヒド=1:1.6で製造した場合)のホルムアルデヒド添加量の約1/36であり、この接着剤は低温硬化型低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤に位置づけることができる。
【0020】
(実施例2)
50%レゾルシノール化ミモザタンニン水溶液16gに20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は52.2kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤に位置づけられる。
【0021】
(実施例3)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液16gに20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は94.6kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0022】
(実施例4)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液8gと50%レゾルシノール化ミモザタンニン水溶液8gを混合した溶液に20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は48.2kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0023】
(実施例5)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液8gと50%カテコール化ミモザタンニン水溶液8gを混合した溶液に20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は61.5kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0024】
(実施例6)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液8gと50%カテコール化ミモザタンニン水溶液8gを混合した溶液に17.5%ホウ酸3ml、37%ホルマリン0.2ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は63.5kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0025】
(実施例7)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン12gと50%レゾルシノール化ミモザタンニン6gの混合溶液に、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2ml、20%コロイド状ケイ酸ナトリウム溶液2ml、17.5%ホウ酸溶液3ml、30%過酸化水素水0.3mlを添加し接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は58.3kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0026】
(実施例8)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン16gに、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2ml、20%コロイド状ケイ酸ナトリウム溶液2ml、5%ホウ酸水溶液0.4ml、2モル/l過硫酸ナトリウム2ml、30%過酸化水素水0.3ml、および37%ホルマリン0.2mlを添加し接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は61.9kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0027】
【発明の効果】
本発明のタンニン系接着剤組成物は、植物成分の一つである天然フェノール類のタンニンを主剤とし、これに哺乳動物にはきわめて毒性が低いホウ酸、ケイ酸化合物、酸化剤類、および硬化反応後の接着剤から放散しない限り毒性がないホルムアルデヒドを合成樹脂接着剤のフェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤の数分の一添加したものであり、接着温度も低温に設定することができるので、環境にやさしい接着剤とすることができる。
【0028】
また、本発明においてタンニンを化学修飾する際に用いるフェノール、レゾルシノール、カテコールなどのフェノール化合物は天然のタンニンの官能基としても存在する化合物であるから、それらを用いて調製した化学修飾タンニン類は従来の合成樹脂接着剤と比較して、その安全性はきわめて高い。
【0029】
このように、本発明のタンニン系接着剤は、ヒトをはじめとする哺乳動物に安全な薬剤で調製される接着剤であり、その接着製品を最終処理する際にもパルプ用チップ原料としたり、あるいは炭化処理を行う時でも排出ガスが環境を汚染することなく、家庭廃棄物あるいは産業廃棄物としても取扱いを容易とすることができる接着剤組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然フェノール類であるタンニンに、電子対受容体(電子対を受け取る物質)であるルイス酸(Gilbert Newton Lewisの説に従う酸)触媒反応をする薬剤と酸化剤を作用させ、非ホルムアルデヒド系あるいは低ホルムアルデヒド系で硬化する接着剤組成物およびその製造法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
今日、木材用接着剤として使用されているユリアホルムアルデヒド樹脂接着剤、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤、メラミンホルムアルデヒド樹脂接着剤などは、いずれもその原料を石油資源に依存しており、それらの接着剤から発生する揮発性有機化合物(VOC)はアトピー性皮膚炎や喘息などを引き起こすアレルギーの原因物質の一つと考えられている。また、廃棄物規正法が成立したことから不要木材製品を従来のように安易に焼却することも廃棄することもできない。したがって、木材を可能な限り循環使用し最終的にパルプ用チップあるいは木炭などとして使用するために、パルプ製造時あるいは炭化操作時に障害となる合成樹脂接着剤による接着は可能な限り避けなければならない。このため植物から採取しうる天然のフェノール化合物である植物性タンニンを利用する木材用接着剤の開発研究が種々行われた。しかし、そのほとんどはホルムアルデヒドとの反応により高分子化するホルムアルデヒド系接着剤であり、現在広く使用されている合成樹脂系接着剤の域を出ていない。また、その被接着製品からもホルムアルデヒドが放散される可能性も欠点として残っており、その性能も合成樹脂の代替品の域を出ていない。
【0003】
本発明者は、植物から抽出されるタンニンを接着剤基材とし、しかもアルデヒド系化合物を使用せずに、酸化的反応によりこれらを硬化する接着剤組成物を見出し、これを発表した(特開昭61−62573、木材学会誌(1989)35(6)496−505、木材学会誌(1989)35(6)506−512、木材学会誌(1990)36(9)725−731、木材学会誌(1991)37(11)1079−1085.)。しかし、この酸化的反応によって硬化する接着剤組成物は、硫酸添加あるいはスルホン化タンニンのスルホン基をH型にした場合に良好な性能を発揮する接着剤であった。このため、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤と同等の接着力を有するものの、接着剤のpHは2程度と低く強酸系であり、被着木材を劣化する恐れがあった。
【0004】
本発明では、この酸化的反応で硬化するタンニン系接着剤の問題点である低いpH領域での硬化を改善した非ホルムアルデヒド系あるいは低ホルムアルデヒド系タンニン系接着剤組成物およびその製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明で使用できるタンニンとしては、それらを採取する植物の(樹)種あるいは抽出溶媒等の抽出法には制限されず、公知のいずれのタンニンも使用できる。代表的なタンニンとして、例えばミモザタンニン、ケブラコタンニン、マングローブタンニン、ココナッツタンニンなどの縮合型タンニン、チェスナッツタンニンなどの加水分解型タンニンおよび柿シブタンニンなどをあげることができる。
【0006】
上記植物性タンニンのほか、これらタンニンをトリクロロ酢酸で処理したトリクロロ酢酸処理タンニン、カテコール存在下にトリクロロ酢酸で処理したカテコール化タンニン、レゾルシノール存在下にトリクロロ酢酸で処理したレゾルシノール化タンニン、および同様にして調製したフェノール化タンニン、クレゾール化タンニンなどの化学修飾タンニンも同等に用いる。
【0007】
上記開示した縮合型タンニン、加水分解型タンニン、柿シブタンニンなどの植物性タンニン、および化学修飾タンニンは、いずれも単独あるいは複数種類を混合して用いることができる。
【0008】
また、タンニンを木材あるいはその樹皮から抽出する際に、抽出溶媒中にトリクロロ酢酸およびフェノール類を単独あるいは複数混合添加することによって、化学修飾タンニンを直接抽出することも可能である。
【0009】
ルイス酸触媒作用をする薬剤としては、いわゆる電子対受容体として反応を触媒する薬剤、たとえば三フッ化ホウ素、銅(II)イオン、ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、コロイド状ケイ酸、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムなどを単独あるいは複数混合して用いる。
【0010】
酸化的反応に関与する薬剤としては、過酸化水素、硫酸第一鉄、硫酸銅、フェロシアン化カリ、過硫酸アンモニウム、重クロム酸カリ、過酢酸、硫酸マンガン、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化作用を有する薬剤を単独あるいは複数混合して用いる。
【0011】
接着剤の基材であるタンニンにルイス酸触媒作用をする薬剤を加えた後、酸化的反応をする薬剤を加え、あるいはタンニンに酸化的反応をする薬剤を加えた後ルイス酸触媒作用をする薬剤を加え、またはこれらの薬剤を混合してタンニンに加えることによって、基材であるタンニンを非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤とする。
【0012】
一方、上述した非ホルムアルデヒド系の他にも、上述したようにして得られた非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物を、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤合成時のフェノール(核)に対するホルムアルデヒドのモル比1.5〜2.0の2分の1以下の量(タンニンおよび化学修飾タンニンのフェノール核に対するホルムアルデヒドのモル比)を加え、ルイス酸触媒反応および酸化的反応と共に硬化反応を促進する低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤とすることもある。
【0013】
なお、本発明における化学修飾タンニンを接着剤基材として用いる場合は、ルイス酸触媒作用をする薬剤のみを加え酸化的反応をする薬剤を加えずに非ホルムアルデヒド系接着剤として用いることも可能である。
【0014】
さらに、同様の化学修飾タンニンを接着剤基材として用いる場合は、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加えずに酸化的反応をする薬剤のみを加えても、非ホルムアルデヒド系接着剤として用いることができる。
【0015】
さらにまた、前記非ホルムアルデヒド系接着剤に対してアルデヒド系薬剤をモル比1.5〜2.0の2分の1以下の量添加することによって、それぞれ単体の場合より高性能の低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤とすることも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の適切な態様を、実施例によって説明する。
【0017】
(実施例1)
50%ミモザタンニン水溶液574gにトリクロロ酢酸0.26モルを加え、120℃、60分間オートクレーブで反応させ、トリクロロ酢酸処理ミモザタンニンを調製した。
【0018】
50%ミモザタンニン水溶液574gにトリクロロ酢酸0.26モル、レゾルシノール1.55モルまたはカテコール1.55モルを加え、120℃、60分間オートクレーブで反応させ、それぞれレゾルシノール化ミモザタンニンまたはカテコール化タンニンを調製した。
【0019】
上述のようにして得られた50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液16gに5%ホウ酸0.4ml、41%ケイ酸ナトリウム0.2mlと37%ホルマリンを0.2ml加え、よく攪拌後カナダヒバの板(厚さ1cm)に塗布した。これを60℃、圧締圧力10kg/cm2で1時間加熱圧締した。ブロック剪断試験の結果、54kgf/cm2の圧縮剪断強さが得られた。この接着剤のフェノール核1個に対する添加ホルムアルデヒド量は、フェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤(フェノール:ホルムアルデヒド=1:1.6で製造した場合)のホルムアルデヒド添加量の約1/36であり、この接着剤は低温硬化型低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤に位置づけることができる。
【0020】
(実施例2)
50%レゾルシノール化ミモザタンニン水溶液16gに20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は52.2kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤に位置づけられる。
【0021】
(実施例3)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液16gに20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は94.6kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0022】
(実施例4)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液8gと50%レゾルシノール化ミモザタンニン水溶液8gを混合した溶液に20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は48.2kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0023】
(実施例5)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液8gと50%カテコール化ミモザタンニン水溶液8gを混合した溶液に20%コロイド状ケイ酸溶液2ml、5%ホウ酸0.4ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は61.5kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0024】
(実施例6)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン水溶液8gと50%カテコール化ミモザタンニン水溶液8gを混合した溶液に17.5%ホウ酸3ml、37%ホルマリン0.2ml、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2mlを加え接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は63.5kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0025】
(実施例7)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン12gと50%レゾルシノール化ミモザタンニン6gの混合溶液に、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2ml、20%コロイド状ケイ酸ナトリウム溶液2ml、17.5%ホウ酸溶液3ml、30%過酸化水素水0.3mlを添加し接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は58.3kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型非ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0026】
(実施例8)
50%トリクロロ酢酸処理ミモザタンニン16gに、40%ケイ酸ナトリウム水溶液0.2ml、20%コロイド状ケイ酸ナトリウム溶液2ml、5%ホウ酸水溶液0.4ml、2モル/l過硫酸ナトリウム2ml、30%過酸化水素水0.3ml、および37%ホルマリン0.2mlを添加し接着剤を調製した。この接着剤を用いて実施例1の場合と同様にして接着試験片を作り、接着力を測定した。その剪断接着力は61.9kgf/cm2であった。この接着剤は低温硬化型低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤である。
【0027】
【発明の効果】
本発明のタンニン系接着剤組成物は、植物成分の一つである天然フェノール類のタンニンを主剤とし、これに哺乳動物にはきわめて毒性が低いホウ酸、ケイ酸化合物、酸化剤類、および硬化反応後の接着剤から放散しない限り毒性がないホルムアルデヒドを合成樹脂接着剤のフェノールホルムアルデヒド樹脂接着剤の数分の一添加したものであり、接着温度も低温に設定することができるので、環境にやさしい接着剤とすることができる。
【0028】
また、本発明においてタンニンを化学修飾する際に用いるフェノール、レゾルシノール、カテコールなどのフェノール化合物は天然のタンニンの官能基としても存在する化合物であるから、それらを用いて調製した化学修飾タンニン類は従来の合成樹脂接着剤と比較して、その安全性はきわめて高い。
【0029】
このように、本発明のタンニン系接着剤は、ヒトをはじめとする哺乳動物に安全な薬剤で調製される接着剤であり、その接着製品を最終処理する際にもパルプ用チップ原料としたり、あるいは炭化処理を行う時でも排出ガスが環境を汚染することなく、家庭廃棄物あるいは産業廃棄物としても取扱いを容易とすることができる接着剤組成物を提供することができる。
Claims (9)
- ルイス酸触媒反応と酸化的縮合反応により硬化するタンニン系接着剤組成物。
- ルイス酸触媒反応に用いる薬剤は、電子対受容体として反応を触媒する薬剤である請求項1記載のタンニン系接着剤組成物。
- 電子対受容体として反応を触媒する薬剤は、典型金属のホウ素、アルミニウムおよび遷移金属のチタン等のハロゲン化物、三フッ化ホウ素、銅(II)イオン等のほか、ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、コロイド状ケイ酸、ホウ素、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムなどのルイス酸性を示す薬剤から選択された1または2以上の薬剤である請求項2記載のタンニン系接着剤組成物。
- 酸化的縮合反応に用いる薬剤は、過酸化水素、硫酸第一鉄、硫酸銅、フェロシアン化カリ、過硫酸アンモニウム、重クロム酸カリ、過酢酸、硫酸マンガン、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化作用を有する薬剤から選択された1または2以上の薬剤である請求項1記載のタンニン系接着剤組成物。
- 接着剤の基材であるタンニンは、縮合型タンニン、加水分解型タンニン、柿シブタンニンなどのタンニン類である請求項1記載のタンニン系接着剤組成物。
- 接着剤の基材であるタンニンは、請求項5のタンニンをトリクロロ酢酸で処理したトリクロロ酢酸処理タンニン、カテコール存在下にトリクロロ酢酸で処理したカテコール化タンニン、レゾルシノール存在下にトリクロロ酢酸で処理したレゾルシノール化タンニン、フェノール存在下にトリクロロ酢酸で処理したフェノール化タンニン、クレゾール存在下にトリクロロ酢酸で処理したクレゾール化タンニンなどの化学修飾タンニンであるタンニン系接着剤組成物。
- 請求項5または6のタンニンは、複数種類を混合して用いるタンニン系接着剤組成物。
- 接着剤の基材であるタンニンに、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加えた後、酸化的反応をする薬剤を加え、または前記タンニンに酸化的反応をする薬剤を加えた後、ルイス酸触媒作用をする薬剤を加え、前記タンニンを非ホルムアルデヒド系のタンニン接着剤とするタンニン系接着剤組成物の製造方法。
- 請求項8の製造方法にて製造した非ホルムアルデヒド系のタンニン接着剤に対して、アルデヒド化合物を少量加えて低ホルムアルデヒド系タンニン接着剤とするタンニン系接着剤組成物の製造方法。
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