JP2008303378A - タンニン系接着剤、それを用いた木質系複合材料およびこの木質系複合材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着剤を塗布した被塗工物(木質チップのような木質系成形材料等)が、配向装置で左右水平方向面内だけでなく上下方向についても一方向に配列され、良好な外観を呈し、粉塵による作業環境悪化を低減できるタンニン系接着剤、および、該接着剤を用いた実用強度に優れた木質系複合材料とその製造方法を提供する。
【解決手段】上記接着剤を、(変性)タンニン又はその水溶液や水分散液と、第3級アミンと、易スリップ性表面改質剤とが配合されてなるか、或いは(変性)タンニン又はその水溶液や水分散液と、第3級アミンとが配合されてなり、pHが10を超え13以下とされているものとし、上記複合材料を、木質系成形材料が該接着剤で互いに接着されているものとするとともに、それを、木質系成形材料と該接着剤とを混和して形成させた木質マットに高温水蒸気を浸透させつつ加熱加圧して接着剤を硬化させて得る。
【選択図】なし
【解決手段】上記接着剤を、(変性)タンニン又はその水溶液や水分散液と、第3級アミンと、易スリップ性表面改質剤とが配合されてなるか、或いは(変性)タンニン又はその水溶液や水分散液と、第3級アミンとが配合されてなり、pHが10を超え13以下とされているものとし、上記複合材料を、木質系成形材料が該接着剤で互いに接着されているものとするとともに、それを、木質系成形材料と該接着剤とを混和して形成させた木質マットに高温水蒸気を浸透させつつ加熱加圧して接着剤を硬化させて得る。
【選択図】なし
Description
本発明は、タンニン系接着剤、それを用いた木質系複合材料およびこの木質系複合材料の製造方法に関する。
木質系成形材料として木材を破砕した細長い木質チップを得たのち、この木質チップに接着剤を付着させ、木質チップをその長手方向に略揃えて配向させてマット状に積層して木質マットを形成し、この木質マットを加熱加圧することによって、木質系複合材料を得る方法が知られている。得られる木質系複合材料は、木質チップを配向させることによって曲げ強度が高くなる(例えば、特許文献1参照)。
木質チップの配向装置としては、木質片を自然落下させ、配向板の間を通過させて配向する種々の装置が考案されている。例えば、同軸上で複数枚の円盤を一定間隔において配置し、円盤を回転させながらその円盤同士の間に木質チップを通過させることによって木質チップを配向する装置や、平行に併設した複数枚の板を配置し、相互に反対方向へ往復運動する板間を木質チップが通過することによって配向するものなどがある。
上記のように木質チップを接着剤で結合されてなる木質系複合材料としては、例えば、単板積層材(LVL)、パーティクルボード、ミディアムデンシティーファイバーボード(MDF)、ハードボード等が挙げられる。
しかしながら、従来の上記木質系複合材料は、使用される木質チップが植物資源からなり再生可能な資源材料であるものの、接着剤として、一般に再生可能な天然資源ではない、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート樹脂などの石油系材料が用いられている。したがって、得られる木質系複合材料は、循環型材料とは言えない。
木質チップの配向装置としては、木質片を自然落下させ、配向板の間を通過させて配向する種々の装置が考案されている。例えば、同軸上で複数枚の円盤を一定間隔において配置し、円盤を回転させながらその円盤同士の間に木質チップを通過させることによって木質チップを配向する装置や、平行に併設した複数枚の板を配置し、相互に反対方向へ往復運動する板間を木質チップが通過することによって配向するものなどがある。
上記のように木質チップを接着剤で結合されてなる木質系複合材料としては、例えば、単板積層材(LVL)、パーティクルボード、ミディアムデンシティーファイバーボード(MDF)、ハードボード等が挙げられる。
しかしながら、従来の上記木質系複合材料は、使用される木質チップが植物資源からなり再生可能な資源材料であるものの、接着剤として、一般に再生可能な天然資源ではない、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート樹脂などの石油系材料が用いられている。したがって、得られる木質系複合材料は、循環型材料とは言えない。
このような問題を解決する方法として、例えば、使用済みの廃木材を、リサイクル使用するために破砕機で破砕されて分級された細長い木質チップと、天然成分であるタンニンを主成分とする接着剤(以下、「タンニン系接着剤」と記す)を混和し、このタンニン系接着剤を加熱して硬化し、硬化した接着剤で木質チップ同士を結合させて再生可能な資源を原料とする天然型資源からなる木質系複合材料を得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。得られた木質系複合材料は実用上十分な強度を有することが可能である。
しかしながら、これらのタンニン系接着剤を使用する場合、接着剤を塗布した木質チップ等が配向装置において、左右方向の水平面内では一方向に配列されるが、上下方向の垂直面内については配向されにくいし、また、原材料となる木質系成形材料、例えば木材を破砕した木質チップ等の表面に付着させた接着剤が、製造ラインを進む間に粉塵として舞い上がり、作業環境の悪化を引き起こすという問題があった。
しかしながら、これらのタンニン系接着剤を使用する場合、接着剤を塗布した木質チップ等が配向装置において、左右方向の水平面内では一方向に配列されるが、上下方向の垂直面内については配向されにくいし、また、原材料となる木質系成形材料、例えば木材を破砕した木質チップ等の表面に付着させた接着剤が、製造ラインを進む間に粉塵として舞い上がり、作業環境の悪化を引き起こすという問題があった。
本発明の課題は、従来のタンニン系接着剤の問題点に鑑み、接着剤を塗布した被塗工物、例えば木質チップのような木質系成形材料等が配向装置において、左右方向の水平面内だけでなく、上下方向についても一方向に配列され、良好な外観を呈するとともに、粉塵による作業環境の悪化を低減できるタンニン系接着剤、および、該タンニン系接着剤を用いた実用強度に優れた木質系複合材料とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、タンニン系接着剤を、タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶液若しくは水分散液と第3級アミンと易スリップ性表面改質剤とが配合されてなるものとすることにより、上記課題が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶液若しくは水分散液と第3級アミンと易スリップ性表面改質剤とが配合されてなることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、易スリップ性表面改質剤が水性合成樹脂エマルションであることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、水性合成樹脂エマルションが変性スチレン−ブタジエン系共重合体エマルションであることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、変性スチレン−ブタジエン系共重合体エマルションがカルボキシル変性のものであることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第2〜4のいずれかの発明において、水性合成樹脂エマルションが(メタ)アクリル酸エステル系共重合体エマルションであることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第2〜5のいずれかの発明において、水性合成樹脂エマルションのガラス転移温度が0〜20℃であることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、易スリップ性表面改質剤が変性ポリシロキサン化合物であることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、第3級アミンがヘキサメチレンテトラミンであることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明において、そのpHが7より大きく13以下であることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、易スリップ性表面改質剤の含有割合がタンニンまたは変性タンニンに対し不揮発分として、質量基準で0.01〜20%であることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶液若しくは水分散液と第3級アミンとが配合されてなり、かつpHが10より大きく13以下とされていることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第1〜11のいずれかの発明において、第3級アミンの含有割合がタンニンまたは変性タンニンに対し、質量基準で1〜20%であることを特徴とするタンニン系接着剤が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、複数の木質系成形材料が第1〜12のいずれかの発明のタンニン系接着剤によって互いに接着されていることを特徴とする木質系複合材料が提供される。
また、本発明の第14の発明によれば、第13の発明において、木質系成形材料が、木質チップであることを特徴とする木質系複合材料が提供される。
また、本発明の第15の発明によれば、木質系成形材料と第1〜12のいずれかの発明のタンニン系接着剤とを混和して木質マットを形成させた後、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させることを特徴とする木質系複合材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第16の発明によれば、第15の発明において、木質系成形材料にタンニン系接着剤をスプレー塗布することによって混和させて木質マットを形成させることを特徴とする製造方法が提供される。
また、本発明の第17の発明によれば、第15または16の発明において、木質系成形材料が、木質チップであることを特徴とする製造方法が提供される。
また、本発明の第18の発明によれば、第13または14の発明の木質系複合材料を用いることを特徴とする構造材が提供される。
本発明の接着剤によれば、接着剤塗布後の被塗工物、例えば木質チップのような木質系成形材料の表面の摩擦抵抗が下がり、自重による傾倒により左右方向の水平面内だけでなく、上下方向についても一方向に配列させることができ、良好な外観を呈せしむるし、また、木質チップ等の木質系成形材料の表面に付着させた接着剤の凝集力が増し、製造ラインを流れる間に飛散される粉塵量を大幅に抑制でき、作業環境の悪化を低減できるという顕著な効果が奏される。
また、本発明の木質系複合材料によれば、複数の木質系成形材料が、本発明の接着剤によって互いに接着され、天然資源を主原料としているので、再生可能になるとともに、タンニン系接着剤には有害な触媒などが用いられていないので、有害物、例えば揮発性物質等が発生しないという顕著な効果が奏される。
また、本発明の木質系複合材料の製法によれば、木質系成形材料と、本発明の接着剤との混和物によって木質マットを形成し、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させるようにしたので、木質系複合材料が厚肉であってもプレスサイクルを短くでき、生産性を向上させるという顕著な効果が奏される。
また、本発明の木質系複合材料の製法によれば、木質系成形材料と、本発明の接着剤との混和物によって木質マットを形成し、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させるようにしたので、木質系複合材料が厚肉であってもプレスサイクルを短くでき、生産性を向上させるという顕著な効果が奏される。
本発明の接着剤において主組成成分として用いられるタンニンは、木材からの抽出物であり、木質系成形材料との親和性が良く、適度な粘着性を有し、更に、硬化すると高強度になる。
タンニンが抽出される木材は特に限定されないが、ラジアータパインやミモザ(別称:ワットル、アカシア)、ケブラチョから採取される縮合型タンニンが好ましい。これらのタンニンは単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
タンニンを抽出する樹木の樹齢は特に限定されるものではないが、例えばミモザの場合には樹齢8〜10年のものが接着剤としての性能や生産性から好ましい。生産地についても特に限定されるものではないが、例えばミモザの場合には南米やアフリカ産のものが好ましく、ケブラチョの場合には南米産のものが好ましい。
タンニンが抽出される木材は特に限定されないが、ラジアータパインやミモザ(別称:ワットル、アカシア)、ケブラチョから採取される縮合型タンニンが好ましい。これらのタンニンは単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
タンニンを抽出する樹木の樹齢は特に限定されるものではないが、例えばミモザの場合には樹齢8〜10年のものが接着剤としての性能や生産性から好ましい。生産地についても特に限定されるものではないが、例えばミモザの場合には南米やアフリカ産のものが好ましく、ケブラチョの場合には南米産のものが好ましい。
タンニンには糖などの不純物が混入していても特に問題にはならないが、高強度の木質系複合材料を得ようとする場合には、不純物は少ない方がよい。タンニンの純度は例えばStiasny Value(以下、「SV」と記す)で評価することができ、SVは好ましくは50以上、より好ましくは70以上である。
なお、上記SVは、例えば以下のようにして求めることができる。
すなわち、予め乾燥した試料(樹皮抽出物、或いは標準カテキン)を、容量25mlの丸底フラスコに約100mg秤取り、蒸留水10ml、37%ホルムアルデヒド水溶液2ml、塩酸(10規定)1mlをこの順に添加した後、フラスコを加熱し、30分間沸騰させる。加熱後直ちに、予め質量を測定したガラスフィルターで試料を一気にろ過し、熱水、メタノールで順次洗浄する。ガラスフィルターを105℃のオーブンで一晩乾燥させ、質量を測定し、残渣質量を算出する。そして、以下の式を用いて算出する。なお、値の補正のために、標準カテキンのSVも測定する。
SV=(残渣質量/試料質量)×(104.1/標準カテキンのSV)×100
なお、上記SVは、例えば以下のようにして求めることができる。
すなわち、予め乾燥した試料(樹皮抽出物、或いは標準カテキン)を、容量25mlの丸底フラスコに約100mg秤取り、蒸留水10ml、37%ホルムアルデヒド水溶液2ml、塩酸(10規定)1mlをこの順に添加した後、フラスコを加熱し、30分間沸騰させる。加熱後直ちに、予め質量を測定したガラスフィルターで試料を一気にろ過し、熱水、メタノールで順次洗浄する。ガラスフィルターを105℃のオーブンで一晩乾燥させ、質量を測定し、残渣質量を算出する。そして、以下の式を用いて算出する。なお、値の補正のために、標準カテキンのSVも測定する。
SV=(残渣質量/試料質量)×(104.1/標準カテキンのSV)×100
タンニンは、木材から抽出したままのものを用いてもよいが、接着剤としての性能や粘度等で改質の必要がある場合には変性して改質した変性タンニンとして用いてもよい。以下、タンニンや変性タンニンを総称して(変性)タンニンということもある。
(変性)タンニンは、粉体のまま取り扱ってもよいが、取扱いやすさや接着剤に用いて得られる木質系複合材料の性能等を考慮すると水に溶解又は分散させ液状で使用することが好ましい。この場合、(変性)タンニン濃度は20質量%〜70質量%が好ましい。粘度については10,000cps以下が好ましく、木質系成形材料との混和を接着剤のスプレー塗布によって行う場合には2,000cps以下が取扱い易く好ましい。
(変性)タンニンは、粉体のまま取り扱ってもよいが、取扱いやすさや接着剤に用いて得られる木質系複合材料の性能等を考慮すると水に溶解又は分散させ液状で使用することが好ましい。この場合、(変性)タンニン濃度は20質量%〜70質量%が好ましい。粘度については10,000cps以下が好ましく、木質系成形材料との混和を接着剤のスプレー塗布によって行う場合には2,000cps以下が取扱い易く好ましい。
本発明の接着剤において用いられる易スリップ性表面改質剤としては水性のものであれば特に限定されず、その例の一つとして、アクリル酸系、アクリル酸エステル系、メタクリル酸系、メタクリル酸エステル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、スチレン系、エチレン系、ブタジエン系、ビニルピリジン系、アクリロニトリル系、ウレタン系等の合成樹脂エマルションや、それらの変性物、例えばカルボキシル変性物、エーテル変性物、エステル変性物等や、共重合物などが挙げられ、中でもカルボキシル変性等の変性スチレンブタジェン系共重合体エマルション、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体エマルションなどが好ましい。
また、他の例として、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等の変性ポリシロキサン化合物などのシリコン系化合物が挙げられる。
易スリップ性表面改質剤は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
また、他の例として、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等の変性ポリシロキサン化合物などのシリコン系化合物が挙げられる。
易スリップ性表面改質剤は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
本発明の接着剤において、易スリップ性表面改質剤の含有割合は、タンニンまたは変性タンニンに対し不揮発分として、配列の面からは、質量基準で通常0.01〜20%であって、シリコン系化合物の場合には、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.01重量〜1重量%、それ以外の場合には、好ましくは3〜15%、より好ましくは5〜10%であり、この割合が0.01%未満では上下方向に充分に配向させることができず、また、20%を超えても接着剤に占めるタンニンの比率が下がってしまい、十分な硬化強度が得られにくくなるし、また、粉塵抑止の面からは、質量基準で通常1〜20%、好ましくは3〜15%、より好ましくは5〜10%であり、この割合が1%未満では粉塵の発生を十分には抑えにくくなるし、また、20%を超えても接着剤に占めるタンニンの比率が下がってしまい、十分な硬化強度が得られにくくなる。
また、合成樹脂エマルションは、ガラス転移温度が通常−10〜30℃、好ましくは0〜20℃であるのがよい。この温度が低すぎても、また、高すぎても粉塵の発生を十分には抑えにくくなる。
また、合成樹脂エマルションは、ガラス転移温度が通常−10〜30℃、好ましくは0〜20℃であるのがよい。この温度が低すぎても、また、高すぎても粉塵の発生を十分には抑えにくくなる。
本発明の接着剤において用いられる第3級アミンは、(変性)タンニンを架橋・硬化するための硬化剤として作用する。
第3級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリエチルテトラミン、トリブチルアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族第3級アミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン等が挙げられる。
これらの第3級アミンは単独で用いても2種類以上を併用してもよいが、ヘキサメチレンテトラミンを用いるのが、後述の木質複合材料を高強度なものとすることができ、生産性にすぐれ、有害な揮発性物質が発生せず、さらに材料コストが安価であるので、好ましい。
ヘキサメチレンテトラミンは粉体状のものでもペレット状のものでもどちらでもよい。
本発明の接着剤において、第3級アミンの含有割合は、タンニンまたは変性タンニンに対し、質量基準で通常1〜20%、好ましくは2〜15%、より好ましくは3〜10%である。この割合が1%未満では(変性)タンニンの硬化が進行しにくく実用上十分な接着強度が発現しないおそれがあるし、また、20%を超えても硬化反応が早すぎてプレス機投入前に硬化してしまうおそれがあり、また経済性が悪くなってしまうこととなる。
第3級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリエチルテトラミン、トリブチルアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族第3級アミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン等が挙げられる。
これらの第3級アミンは単独で用いても2種類以上を併用してもよいが、ヘキサメチレンテトラミンを用いるのが、後述の木質複合材料を高強度なものとすることができ、生産性にすぐれ、有害な揮発性物質が発生せず、さらに材料コストが安価であるので、好ましい。
ヘキサメチレンテトラミンは粉体状のものでもペレット状のものでもどちらでもよい。
本発明の接着剤において、第3級アミンの含有割合は、タンニンまたは変性タンニンに対し、質量基準で通常1〜20%、好ましくは2〜15%、より好ましくは3〜10%である。この割合が1%未満では(変性)タンニンの硬化が進行しにくく実用上十分な接着強度が発現しないおそれがあるし、また、20%を超えても硬化反応が早すぎてプレス機投入前に硬化してしまうおそれがあり、また経済性が悪くなってしまうこととなる。
本発明の接着剤は、pHがアルカリ性であるのがよく、さらには第3級アミンと易スリップ性表面改質剤とを配合する場合にはpHが7より大きく13以下、中でも7より大きく12以下であるのが好ましい。また、易スリップ性表面改質剤を配合しない場合においては、pHを10より大きく13以下、さらには10より大きく12以下とすることが好ましい。
タンニンの水溶液は通常pH4〜7程度であるが、タンニン水溶液は、pHを調整することでタンニン系接着剤の反応性や物性を調整することができる。
本発明の接着剤においてpHをアルカリ性にすることによって、接着剤の反応速度を適度に遅延させることができ、接着剤の取り扱いがしやすくなり、また、接着剤を木質系成形材料に供して得られる木質複合材料について、その生産性と性能の向上に資するものとなる。これは、例えば、接着剤のpHが酸性の場合には、反応が早すぎてプレス機投入前に硬化してしまうことがあるのに対し、pHがアルカリ性であることから適度な反応速度となるために、接着剤配合後、プレス機に投入するまでには接着剤の硬化は起こらず、プレス機で加熱加圧した時に初めて硬化することに如実に示される。
また、接着剤のpHが酸性の場合には、接着剤を加熱硬化させる時に第3級アミンの過剰な分解が起こり有害な揮発性物質が発生するおそれがあるが、pHをアルカリ性にすることによって、接着剤を加熱硬化させる時に第3級アミンの過剰な分解が抑えられるので有害な揮発性物質が発生しにくくなる。
タンニンの水溶液は通常pH4〜7程度であるが、タンニン水溶液は、pHを調整することでタンニン系接着剤の反応性や物性を調整することができる。
本発明の接着剤においてpHをアルカリ性にすることによって、接着剤の反応速度を適度に遅延させることができ、接着剤の取り扱いがしやすくなり、また、接着剤を木質系成形材料に供して得られる木質複合材料について、その生産性と性能の向上に資するものとなる。これは、例えば、接着剤のpHが酸性の場合には、反応が早すぎてプレス機投入前に硬化してしまうことがあるのに対し、pHがアルカリ性であることから適度な反応速度となるために、接着剤配合後、プレス機に投入するまでには接着剤の硬化は起こらず、プレス機で加熱加圧した時に初めて硬化することに如実に示される。
また、接着剤のpHが酸性の場合には、接着剤を加熱硬化させる時に第3級アミンの過剰な分解が起こり有害な揮発性物質が発生するおそれがあるが、pHをアルカリ性にすることによって、接着剤を加熱硬化させる時に第3級アミンの過剰な分解が抑えられるので有害な揮発性物質が発生しにくくなる。
また、プレス時に高温水蒸気を作用させることにより木質系成形材料中のヘミセルロースが加水分解されることで、木質系成形材料の軟化が起こるが、その際の加水分解がpHをアルカリ性にすることによって更に促進され、容易に軟化されるようになる。この軟化作用によって、低いプレス圧力であっても木質チップの圧密が可能となり、製品の厚さ方向の密度を均一にすることができ、耐水性が良くなり、さらに、プレス時の圧力を下げることができるので好ましい。更にその結果として強度や耐水性などの製品性能が良くなる。
もっとも、pHが13より大きくなり、アルカリ性が強くなりすぎると、取り扱いに注意する必要があるし、また、木材成分(例えば、ヘミセルロース)が軟化を通り越して一部分解して変性し、木質複合材料が黒く着色するおそれがあるので好ましくない。
タンニンが水溶液として供される場合、そのpHは硬化剤と混合する前に予め調整しておくことが好ましい。pHを調整するアルカリについては特に限定されないが、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げられる。
タンニンが水溶液として供される場合、そのpHは硬化剤と混合する前に予め調整しておくことが好ましい。pHを調整するアルカリについては特に限定されないが、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げられる。
また、本発明の接着剤は、必要に応じ、所期の目的を損なわない範囲で、この種接着剤に通常用いられる各種添加剤を含有させてもよい。この添加剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の有機溶剤;フタル酸エステル等の可塑剤;造膜剤;クレー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マイカ、ケイ酸粉末等の体質顔料;小麦粉、コーンスターチ、木粉、ヤシ殻粉等の充填剤または増量剤;酸化チタン等の着色顔料;染料;増粘剤;粘性改質剤;分散剤;乳化剤;尿素等の湿潤剤;消泡剤;凍結防止剤;防腐剤;防かび剤;防虫剤;防錆剤;その他改質のための試薬等を挙げることができる。
さらに、本発明の接着剤には、強度の補強、粘性、機械的特性等を改善するために、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等やそのプレポリマー、そして澱粉、キトサン、リグニン、レゾルシノール等を含有させてもよい。
さらに、本発明の接着剤には、強度の補強、粘性、機械的特性等を改善するために、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等やそのプレポリマー、そして澱粉、キトサン、リグニン、レゾルシノール等を含有させてもよい。
本発明の接着剤は、木材チップ、ベニア等の木質材料を相互に接着して、木質パネル等の木質系複合材料を製造する用途に供することができ、揮発性物質の低減された木質系複合材料を得ることができる。前記木質系複合材料は、種々の形状のものとすることができ、また、種々の用途に供することができ、例えばインシュレーションボード、パーティクルボード、ハードボード、配向性ボード(OSB)、ウェハーボード、中密度繊維板(MDF)等のいわゆる木質ボード類、合板、単板積層材(LVL)、集成材、突き板化粧板、構造材等として用いられ、特に構造材、例えば柱、梁、土台、根太、大引、桁、母屋、垂木、棟木、筋交い、火打などに適している。
本発明の木質系複合材料は、複数の木質系成形材料が上記タンニン系接着剤によって互いに接着されていることで特徴付けられるものである。
本発明の木質系複合材料は、木質系成形材料と上記タンニン系接着剤とを混和して木質マットを形成させた後、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させることによって製造することができる。
木質系成形材料としては、特に限定されないが、木質チップが好ましい。
上記木質チップの形状については特に限定されず、例えば、ブロック状、平板状、ストランド状、フレーク状、チップ、木粉、ファイバーなどが挙げられる。
木質系成形材料の原料材の樹種としては、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、ファーなどの針葉樹類や、シラカバ、アピトン、センゴンラウト、アスペンなどの広葉樹類が挙げられるが、これらの樹木だけでなく竹、コウリャンといった植物材料をも含めることができる。
上記木質チップの形状については特に限定されず、例えば、ブロック状、平板状、ストランド状、フレーク状、チップ、木粉、ファイバーなどが挙げられる。
木質系成形材料の原料材の樹種としては、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、ファーなどの針葉樹類や、シラカバ、アピトン、センゴンラウト、アスペンなどの広葉樹類が挙げられるが、これらの樹木だけでなく竹、コウリャンといった植物材料をも含めることができる。
原料材の形態としては、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。特に、解体廃材、廃パレット材、間伐材、製材時に発生する端材、燃料や製紙用原料として使用される木質材料等のリサイクル材が好ましい。
上記原料材を木質チップに加工する方法としては、ハンマーミル、表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する一軸破砕機、回転刃がかみ合った構造の二軸もしくは多軸破砕機等の破砕機が使用されるが、ベニア加工をしたものを割り箸状に切断してスチックにするロータリーカッター、丸太などを回転刃で切削してストランドにするフレーカー等も使用できる。特に原料としてリサイクル材料を使用する場合、異物が混入しやすいので回転刃の耐久性を考慮して、破砕機が好ましい。
上記の方法で得られた木質チップはサイズのバラツキがあるので、分級工程によって所定のサイズに揃えるのが好ましい。
この際の分級方法としては、ローラースクリーン方式、振動メッシュ方式、風選方式等があり、必要に応じて使い分ければよい。
上記木質チップの大きさは特に限定されないが、強度・弾性率が必要な場合には長さを20mm以上150mm以下とするのが好ましい。長さが短すぎると製品の強度・弾性率が低くなってしまうし、また、長すぎても強度ばらつきが大きくなってしまうおそれがある。
この際の分級方法としては、ローラースクリーン方式、振動メッシュ方式、風選方式等があり、必要に応じて使い分ければよい。
上記木質チップの大きさは特に限定されないが、強度・弾性率が必要な場合には長さを20mm以上150mm以下とするのが好ましい。長さが短すぎると製品の強度・弾性率が低くなってしまうし、また、長すぎても強度ばらつきが大きくなってしまうおそれがある。
また、木質系成形材料は、予め含水率を一定範囲に調整しておくことが好ましい。すなわち、含水率を一定にすることで生産時の成形品の品質バラツキがなくなる。
木質系成形材料の含水率は、0〜14質量%に調整することが好ましく、さらにタンニン系接着剤を水溶液として使用する場合には0〜10質量%に調整することが好ましい。タンニン系接着剤を水溶液として使用する場合、含水率が10質量%を超えると製造直後の木質複合材料の含水率が高くなってしまい、出荷するまでに長期間の養生を必要とするおそれがある。
木質系成形材料の含水率は、0〜14質量%に調整することが好ましく、さらにタンニン系接着剤を水溶液として使用する場合には0〜10質量%に調整することが好ましい。タンニン系接着剤を水溶液として使用する場合、含水率が10質量%を超えると製造直後の木質複合材料の含水率が高くなってしまい、出荷するまでに長期間の養生を必要とするおそれがある。
含水率が調整された木質系成形材料は、上記接着剤と混和されるが、接着剤の混和量は、木質系成形材料の密度、形状、表面状態にもよるが、通常、木質系成形材料の質量に対して、タンニンの固形分で換算して1〜20質量%とすることが好ましい。
上記木質系成形材料と接着剤とを混和させる方法としては、木質系成形材料と接着剤をヘンシェルミキサー(ヘンシェル社製、高速混合機)のような高速ミキサーに投入して混和する方法が挙げられ、また、接着剤が液体の場合には、例えばコンベア上やドラムブレンダー内等で木質系成形材料に対し、スプレー塗布を施すなどして、木質系成形材料の表面に接着剤を付着させ、混和物とする方法等が挙げられ、木質系成形材料が板材やブロック状の部材の場合は、刷毛塗りやローラー塗り方法等が挙げられる。
このようにして得られた混和物は積層させて木質マットに形成され、木質マットを加熱及び加圧すれば、均一で安定した強度の木質系複合材料が得られる。
上記木質系成形材料と接着剤とを混和させる方法としては、木質系成形材料と接着剤をヘンシェルミキサー(ヘンシェル社製、高速混合機)のような高速ミキサーに投入して混和する方法が挙げられ、また、接着剤が液体の場合には、例えばコンベア上やドラムブレンダー内等で木質系成形材料に対し、スプレー塗布を施すなどして、木質系成形材料の表面に接着剤を付着させ、混和物とする方法等が挙げられ、木質系成形材料が板材やブロック状の部材の場合は、刷毛塗りやローラー塗り方法等が挙げられる。
このようにして得られた混和物は積層させて木質マットに形成され、木質マットを加熱及び加圧すれば、均一で安定した強度の木質系複合材料が得られる。
木質系成形材料を一方向に配向させる必要がある場合には、一定間隔に分割されたフォーミング型や、オリエンテッドストランドボード(OSB)等の製造で用いられるディスクオリエンター等の配向積層装置が用いられる。
そして、上記木質マットは加熱しながらプレス成形することで、接着剤が硬化し木質系複合材料となる。
そして、上記木質マットは加熱しながらプレス成形することで、接着剤が硬化し木質系複合材料となる。
本発明にかかる木質系複合材料の製造方法は、上記のようにして木質マットを形成し、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させることを特徴としている。
すなわち、木質マットの内部に高温水蒸気を浸透させながら加熱及び加圧するプレス装置、例えば一般的な蒸気プレス装置の加圧盤の間に配置して加圧及び加熱成形することが好ましい。加熱と加圧とは同時に行ってもよいし、加圧をした後に加熱をしてもよいし、加熱した後に加圧してもよい。高温水蒸気を木質マットの内部に浸透させる方法としては、特に限定されないが、高温水蒸気を木質マットに噴射する方法が一般的である。噴射は、木質マットが蒸気プレス機の加圧盤の間に配置されている間であれば、どのタイミングで噴射してもよい。加熱温度は100℃〜250℃が好ましく、それゆえ高温水蒸気の温度は100℃〜250℃が好ましい。また、加圧板による加圧圧力は、1〜10MPaが好ましい。また、加熱・加圧処理は、接着剤が硬化する時間だけ行えばよい。
すなわち、木質マットの内部に高温水蒸気を浸透させながら加熱及び加圧するプレス装置、例えば一般的な蒸気プレス装置の加圧盤の間に配置して加圧及び加熱成形することが好ましい。加熱と加圧とは同時に行ってもよいし、加圧をした後に加熱をしてもよいし、加熱した後に加圧してもよい。高温水蒸気を木質マットの内部に浸透させる方法としては、特に限定されないが、高温水蒸気を木質マットに噴射する方法が一般的である。噴射は、木質マットが蒸気プレス機の加圧盤の間に配置されている間であれば、どのタイミングで噴射してもよい。加熱温度は100℃〜250℃が好ましく、それゆえ高温水蒸気の温度は100℃〜250℃が好ましい。また、加圧板による加圧圧力は、1〜10MPaが好ましい。また、加熱・加圧処理は、接着剤が硬化する時間だけ行えばよい。
以下、実施例により比較例と対比させながら本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度40質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶液ベース)の割合で混合しておいた変性スチレンブタジエン系共重合体エマルション(日本ゼオン社製、商品名「Nipol LX430」、ガラス転移温度12℃、不揮発分49%)とヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液の混合液を、タンニン水溶液100質量部に対し10質量部になるように配合し、接着剤を調製した。調製した接着剤中のタンニンに対する変性スチレンブタジエン系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で8質量%であった。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度40質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶液ベース)の割合で混合しておいた変性スチレンブタジエン系共重合体エマルション(日本ゼオン社製、商品名「Nipol LX430」、ガラス転移温度12℃、不揮発分49%)とヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液の混合液を、タンニン水溶液100質量部に対し10質量部になるように配合し、接着剤を調製した。調製した接着剤中のタンニンに対する変性スチレンブタジエン系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で8質量%であった。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
実施例2
タンニンの粉体を温水に溶解させるのを濃度45質量%になるようにするとともに、変性スチレンブタジエン系共重合体エマルションとヘキサメチレンテトラミン水溶液の混合液のタンニン水溶液100質量部に対する配合量を15.5質量部になるようにしたこと以外は実施例1と同様にして接着剤を調製し、評価サンプルを作製した。調製した接着剤中のタンニンに対する変性スチレンブタジエン系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で11質量%であった。
タンニンの粉体を温水に溶解させるのを濃度45質量%になるようにするとともに、変性スチレンブタジエン系共重合体エマルションとヘキサメチレンテトラミン水溶液の混合液のタンニン水溶液100質量部に対する配合量を15.5質量部になるようにしたこと以外は実施例1と同様にして接着剤を調製し、評価サンプルを作製した。調製した接着剤中のタンニンに対する変性スチレンブタジエン系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で11質量%であった。
実施例3
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度40質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、あらかじめ5.5:0.38:10(水溶液ベース)の割合で混合しておいたヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液、易スリップ性表面改質剤としてのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製、商品名「BYK−333」)およびスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルション(昭和高分子社製、商品名「ポリゾールAP−3760N」、ガラス転移温度12℃、不揮発分50%)の混合液を、タンニン水溶液100質量部に対し11質量部になるように配合し、接着剤を調製した。調製した接着剤中のタンニンに対するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で9質量%であった。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度40質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、あらかじめ5.5:0.38:10(水溶液ベース)の割合で混合しておいたヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液、易スリップ性表面改質剤としてのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製、商品名「BYK−333」)およびスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルション(昭和高分子社製、商品名「ポリゾールAP−3760N」、ガラス転移温度12℃、不揮発分50%)の混合液を、タンニン水溶液100質量部に対し11質量部になるように配合し、接着剤を調製した。調製した接着剤中のタンニンに対するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で9質量%であった。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
実施例4
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度45質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶液ベース)の割合で混合しておいたスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルション(昭和高分子社製、商品名「ポリゾールAP−3760N」、ガラス転移温度12℃、不揮発分50%)とヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液の混合液を用い、タンニン水溶液100質量部に対して混合液が15.5質量部になるように配合し、接着剤を調製した。調製した接着剤中のタンニンに対するスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で11質量%であった。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度45質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶液ベース)の割合で混合しておいたスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルション(昭和高分子社製、商品名「ポリゾールAP−3760N」、ガラス転移温度12℃、不揮発分50%)とヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液の混合液を用い、タンニン水溶液100質量部に対して混合液が15.5質量部になるように配合し、接着剤を調製した。調製した接着剤中のタンニンに対するスチレンアクリル酸エステル系共重合体エマルションの含有割合は、不揮発分換算で11質量%であった。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
実施例5
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度45質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH11に調整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量部に対して5.5質量部になるように配合し、接着剤を調製した。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度45質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH11に調整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量部に対して5.5質量部になるように配合し、接着剤を調製した。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
比較例1
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度40質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量部に対し3.75質量部になるように配合し、接着剤を調製した。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度40質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量部に対し3.75質量部になるように配合し、接着剤を調製した。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
比較例2
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度45質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量部に対し5.5質量部になるように配合し、接着剤を調製した。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを使用し、タンニン系接着剤を以下のようにして調製した。
まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度45質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量部に対し5.5質量部になるように配合し、接着剤を調製した。
上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプレーガン(アネスト岩田社製、商品名「W−100 131G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し、室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした。
実施例1〜5、比較例1〜2により得られたサンプルは、引張試験機(エー・アンド・デイ社製 品番「テンシロンUCT−5T」)により接着剤付着面同士の摩擦係数測定を引張速度「100mm/min」の測定条件下で行った。その結果を表1に示す。
実施例1〜5、比較例1〜2により得られたサンプルは、接着剤の剥がれにくさを評価するため、テーバー式摩耗試験機(テスター産業社製 品番「AB−101」)によりJIS K 5600−5−9に基づく耐摩耗性評価を行った。試験条件は磨耗輪「CS−10」、付加加重「500g」、回転数「200回転」により行った。測定結果を表2に示す。
実施例6
木質系複合材料を、以下の製造プロセスで成形した。
木質系成形材料として、木材廃棄物を一軸破砕機にて破砕したボード用の木質チップ(木材廃棄物処理業者より購入したもの。)を、ローラースクリーン方式であるウエーブローラースクリーン装置(たいへい社製)を用いて、厚さ又は幅1mm〜8mmの木質チップに分級した。木質チップは含水率6質量%となるように調整した。
タンニン系接着剤としては実施例3で調製したものを使用した。
木質チップとタンニン系接着剤とを、前者100質量部に対して後者(溶液ベース)15.5質量部になるように計量するとともに、木質チップをドラムブレンダーに投入した状態でタンニン系接着剤を噴霧して木質チップと接着剤とを混和し、木質チップ表面にタンニン系接着剤が付着した混和物を得た。
次にこの混和物を配向積層して木質マットを調製した。この木質マットを、蒸気プレス機の加圧盤の間に配設し、180℃の高温水蒸気を噴射しながら、加圧盤による加圧圧力0.9MPaで加熱加圧して比重0.75の木質系複合材料を得た。
木質系複合材料を、以下の製造プロセスで成形した。
木質系成形材料として、木材廃棄物を一軸破砕機にて破砕したボード用の木質チップ(木材廃棄物処理業者より購入したもの。)を、ローラースクリーン方式であるウエーブローラースクリーン装置(たいへい社製)を用いて、厚さ又は幅1mm〜8mmの木質チップに分級した。木質チップは含水率6質量%となるように調整した。
タンニン系接着剤としては実施例3で調製したものを使用した。
木質チップとタンニン系接着剤とを、前者100質量部に対して後者(溶液ベース)15.5質量部になるように計量するとともに、木質チップをドラムブレンダーに投入した状態でタンニン系接着剤を噴霧して木質チップと接着剤とを混和し、木質チップ表面にタンニン系接着剤が付着した混和物を得た。
次にこの混和物を配向積層して木質マットを調製した。この木質マットを、蒸気プレス機の加圧盤の間に配設し、180℃の高温水蒸気を噴射しながら、加圧盤による加圧圧力0.9MPaで加熱加圧して比重0.75の木質系複合材料を得た。
比較例3
実施例6で用いたタンニン系接着剤に代えて比較例1で調製したタンニン系接着剤を用いた以外は実施例6と同様にして木質系複合材料を得た。
実施例6で用いたタンニン系接着剤に代えて比較例1で調製したタンニン系接着剤を用いた以外は実施例6と同様にして木質系複合材料を得た。
実施例6、比較例3により行われた製造プロセスにおいて、目視にて木質チップの上下方向の配向状態及び外観状態を確認した。また、成形後の木質系複合材料について四点曲げ試験(建築基準法 告示1446号試験法)による曲げ強度を測定した。これらの結果を表3に示す。
実施例7
木質系複合材料を、以下の製造プロセスで成形した。
木質系成形材料として、木材廃棄物を一軸破砕機にて破砕したボード用の木質チップ(木材廃棄物処理業者より購入したもの。)を、ローラースクリーン方式であるウエーブローラースクリーン装置(たいへい社製)を用いて、厚さ又は幅1mm〜8mmの木質チップに分級した。木質チップは含水率6質量%となるように調整した。
タンニン系接着剤としては実施例2で調製したものを使用した。
木質チップとタンニン系接着剤とを、前者100質量部に対して後者(溶液ベース)15.5質量部になるように計量するとともに、木質チップをドラムブレンダーに投入した状態でタンニン系接着剤を噴霧して木質チップと接着剤とを混和し、木質チップ表面にタンニン系接着剤が付着した混和物を得た。
次にこの混和物を配向積層して木質マットを調製した。この木質マットを、蒸気プレス機の加圧盤の間に配設し、180℃の高温水蒸気を噴射しながら、加圧盤による加圧圧力0.9MPaで加熱加圧して比重0.75の木質系複合材料を得た。
木質系複合材料を、以下の製造プロセスで成形した。
木質系成形材料として、木材廃棄物を一軸破砕機にて破砕したボード用の木質チップ(木材廃棄物処理業者より購入したもの。)を、ローラースクリーン方式であるウエーブローラースクリーン装置(たいへい社製)を用いて、厚さ又は幅1mm〜8mmの木質チップに分級した。木質チップは含水率6質量%となるように調整した。
タンニン系接着剤としては実施例2で調製したものを使用した。
木質チップとタンニン系接着剤とを、前者100質量部に対して後者(溶液ベース)15.5質量部になるように計量するとともに、木質チップをドラムブレンダーに投入した状態でタンニン系接着剤を噴霧して木質チップと接着剤とを混和し、木質チップ表面にタンニン系接着剤が付着した混和物を得た。
次にこの混和物を配向積層して木質マットを調製した。この木質マットを、蒸気プレス機の加圧盤の間に配設し、180℃の高温水蒸気を噴射しながら、加圧盤による加圧圧力0.9MPaで加熱加圧して比重0.75の木質系複合材料を得た。
比較例4
実施例7で用いたタンニン系接着剤に代えて比較例2で調製したタンニン系接着剤を用いた以外は実施例7と同様にして木質系複合材料を得た。
実施例7で用いたタンニン系接着剤に代えて比較例2で調製したタンニン系接着剤を用いた以外は実施例7と同様にして木質系複合材料を得た。
実施例7、比較例4により行われた製造プロセスにおいて、大気サンプリングポンプ(ジーエルサイエンス社製 品番「SP208−10L」)により粉塵濃度の測定を行った。測定条件は吸引速度「10L/分」、吸引時間「30分」により行った。また、成形後の木質系複合材料について四点曲げ試験(建築基準法 告示1446号試験法)による曲げ強度を測定した。これらの測定結果を表4に示す。
本発明の接着剤によれば、接着剤塗布後の被塗工物、例えば木質チップのような木質系成形材料の表面の摩擦抵抗が下がり、自重による傾倒により左右方向の水平面内だけでなく、上下方向についても一方向に配列させることができ、良好な外観を呈せしむるとともに、木質チップ等木質系成形材料の表面に付着させた接着剤の凝集力が増し、製造ラインを流れる間に飛散される粉塵量を大幅に抑制でき、作業環境の悪化を低減できるし、また、本発明の木質系複合材料によれば、複数の木質系成形材料が、本発明の接着剤によって互いに接着され、天然資源を主原料としているので、再生可能になるとともに、タンニン系接着剤には有害な触媒などが用いられていないので、有害物、例えば揮発性物質等が発生しないし、また、本発明の木質系複合材料の製法によれば、木質系成形材料と、本発明の接着剤との混和物によって木質マットを形成し、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させるようにしたので、木質系複合材料が厚肉であってもプレスサイクルを短かくでき、生産性を向上させうるので、産業上大いに有用である。
Claims (18)
- タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶液若しくは水分散液と第3級アミンと易スリップ性表面改質剤とが配合されてなることを特徴とするタンニン系接着剤。
- 易スリップ性表面改質剤が水性合成樹脂エマルションであることを特徴とする請求項1に記載のタンニン系接着剤。
- 水性合成樹脂エマルションが変性スチレン−ブタジエン系共重合体エマルションであることを特徴とする請求項2に記載のタンニン系接着剤。
- 変性スチレン−ブタジエン系共重合体エマルションがカルボキシル変性のものであることを特徴とする請求項3に記載のタンニン系接着剤。
- 水性合成樹脂エマルションが(メタ)アクリル酸エステル系共重合体エマルションであることを特徴とする請求項2に記載のタンニン系接着剤。
- 水性合成樹脂エマルションのガラス転移温度が0〜20℃であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のタンニン系接着剤。
- 易スリップ性表面改質剤が変性ポリシロキサン化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタンニン系接着剤。
- 第3級アミンがヘキサメチレンテトラミンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタンニン系接着剤。
- そのpHが7より大きく13以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のタンニン系接着剤。
- 易スリップ性表面改質剤の含有割合がタンニンまたは変性タンニンに対し不揮発分として、質量基準で0.01〜20%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のタンニン系接着剤。
- タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶液若しくは水分散液と、第3級アミンとが配合されてなり、かつpHが10より大きく13以下とされていることを特徴とするタンニン系接着剤。
- 第3級アミンの含有割合がタンニンまたは変性タンニンに対し、質量基準で1〜20%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のタンニン系接着剤。
- 複数の木質系成形材料が請求項1〜12のいずれかに記載のタンニン系接着剤によって互いに接着されていることを特徴とする木質系複合材料。
- 木質系成形材料が、木質チップであることを特徴とする請求項13に記載の木質系複合材料。
- 木質系成形材料と請求項1〜12のいずれかに記載のタンニン系接着剤とを混和して木質マットを形成させた後、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させることを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
- 木質系成形材料にタンニン系接着剤をスプレー塗布することによって混和させて木質マットを形成させることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
- 木質系成形材料が、木質チップであることを特徴とする請求項15または16に記載の製造方法。
- 請求項13または14に記載の木質系複合材料を用いることを特徴とする構造材。
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