JP4095457B2 - 水性接着剤組成物及びそれを用いる木質パネル - Google Patents

水性接着剤組成物及びそれを用いる木質パネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質材料の接着に用いられる水性接着剤組成物と、該水性接着剤組成物を用いる木質パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建材、内装材等または前記建材の材料となる合板、パーティクルボード、ファイバーボード(MDF)等の接着剤として、ホルムアルデヒド系接着剤が知られている。前記ホルムアルデヒド系接着剤は、接着性、作業性に優れているため、前記用途に多用されている。ところが、前記建材、内装材等を用いた住宅では、前記接着剤から放散されるホルムアルデヒドが、住環境におけるシックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因となり、居住者の健康面に好ましくない影響を与えるという問題がある。
【0003】
そこで、ホルムアルデヒド系接着剤に代わる接着剤が種々検討されており、例えば、木材から抽出される天然樹脂の1種であるタンニンの水溶液を水性接着剤として用いることが知られている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
前記タンニンは、木材の心材、樹皮に多く含まれ、冷水または温水により容易に抽出することができ、一般に皮なめし剤として用いられている。前記タンニンは、化学構造的には、加水分解により没食子酸、エラグ酸等を生じる加水分解型と、ポリフェノールが数分子重合したものと考えられる縮合型とに大分される。そして、前記水性接着剤としては、縮合型タンニンの水溶液が用いられている。
【0005】
前記タンニンの原料となる木材は植林により供給することができ、前記植林のサイクルは、例えば、南アフリカのブラックワットルの場合、10年サイクルと言われている。従って、前記タンニンは、南洋材の伐採のように地球環境に負荷をかけることなく永続的に供給することができ、石油製品から製造される合成樹脂等のように資源の枯渇を顧慮する必要もない。
【0006】
しかしながら、前記タンニンの水溶液自体を前記水性接着剤として用いるときには、被着材に対して十分な接着力を得ることが難しいという不都合がある。
【0007】
【非特許文献1】
矢崎義和、「木質用天然物(タンニン)系接着剤」、日本接着学会誌、2001年、第37巻、第12号、p.25−30
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、タンニンを含む接着剤であって、被着材に対して優れた耐水性、耐久性を付与することができ、しかもホルムアルデヒドを放出することのない水性接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の目的は、優れた耐水性、耐久性を備え、木材自体に含まれるホルムアルデヒドの量以上のホルムアルデヒドを放出することのない木質パネルを提供することにもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記不都合を解消するために、本発明の水性接着剤は、木材から抽出されたタンニンの水溶液と、多官能エポキシ化合物と、第三級アミンとを含むことを特徴とする。
【0011】
前記タンニンは、ポリフェノールが数分子重合したものと考えられるので、多官能エポキシ化合物によって架橋されて不溶化することにより接着力が発現するものと考えられる。しかし、前記タンニンの水溶液(以下、タンニン水溶液と略記する)を、単に多官能エポキシ化合物と混合しただけでは、架橋反応の速度が遅く、得られた木材接着物において、十分な接着強度、耐水性を得ることができない。
【0012】
そこで、本発明の水性接着剤は、タンニンの水溶液と、多官能エポキシ化合物とに、さらに第三級アミンを加えることにより、多官能エポキシ化合物による前記タンニンの架橋反応を促進することができ、不溶化されたタンニンにより、被着材に対して優れた耐水性、耐久性を付与することができる。
【0013】
また、本発明の水性接着剤は、ホルムアルデヒドまたは加熱等により分解してホルムアルデヒドを生成する物質を含まないので、それ自体からホルムアルデヒドを放出することがない。
【0014】
従って、木質材料を、木材から抽出されたタンニンの水溶液と、多官能エポキシ化合物と、第三級アミンとを含む水性接着剤組成物により、相互に接着してなる本発明の木質パネルによれば、優れた耐水性、耐久性を備え、しかもシックハウス症候群、化学物質過敏症等の発生を有効に防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0016】
本発明の水性接着剤組成物は、木材から抽出されたタンニンの水溶液と、多官能エポキシ化合物と、第三級アミンとを含むものである。
【0017】
前記タンニンとしては、南アフリカ、アルゼンチンで産出されるワットルタンニン、アルゼンチンで産出されるケブラチョ(ケブラコ)タンニン、ニュージーランド、オーストラリア、チリで産出されるラジアタパインタンニン等の他、ユーカリ、マングローブ、日本産カラマツ等から抽出されるタンニン等を挙げることができる。前記タンニンは、スルホン化等の化学変成により、水に対する溶解性を高めたものであってもよい。
【0018】
前記タンニンは、木材から抽出された後、通常は乾燥されて粉末となっている。本発明では、前記粉末のタンニンを水に溶解したものを前記タンニンの水溶液(以下、タンニン水溶液と略記することがある)として用いるが、木材からの抽出液をそのままタンニン水溶液として用いてもよい。前記タンニン水溶液の濃度は特に限定されず、例えば、50重量%の前記タンニン水溶液を用いることができる。
【0019】
前記多官能エポキシ化合物は、1分子内に2個以上のエポキシ基を備える化合物である。このような化合物として、2官能エポキシ化合物、3官能エポキシ化合物、2官能エポキシ化合物と3官能エポキシ化合物との混合物、4官能または4官能以上のエポキシ化合物を挙げることができる。
【0020】
より具体的には、前記2官能エポキシ化合物として、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0021】
また、前記3官能エポキシ化合物として、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0022】
また、前記2官能エポキシ化合物と3官能エポキシ化合物との混合物としては、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0023】
また、4官能または4官能以上のエポキシ化合物として、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1−(N,N−ジグリシジルアミノメチル)−1,5,5−トリメチル−3−(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)ジアミノトルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタンのハロゲン2置換体またはハロゲン4置換体、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェニル)スルホン、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェノキシフェニル)スルホン、4−(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼンスルホン酸の4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニルエステル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)アルキレングリコール、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)−ノナ(ブチレングリコール)、N,N−ジグリシジルアミノ−2,4−ビス(グリシジルオキシ)アニリン等を挙げることができる。
【0024】
前記多官能エポキシ化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0025】
前記第三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリエチルテトラミン、トリブチルアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族第三級アミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、ジメチルアニリン等の芳香族第三級アミンを挙げることができるが、特にヘキサミンを用いることが好ましい。
【0026】
本発明の水性接着剤組成物において、前記タンニン、多官能エポキシ化合物、第三級アミンは任意の割合で混合することができ、前記割合はとくに限定されるものではないが、例えば、前記タンニン水溶液に含まれる固形分としてのタンニン100重量部に対して、多官能エポキシ化合物0.1〜50重量部、第三級アミン1〜50重量部を用いることができる。
【0027】
また、本発明の水性接着剤組成物は、必要に応じ接着性能を損なわない範囲で、各種添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルエマルジョン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルエマルジョン等の水溶性高分子;トルエン、キシレン、メタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の有機溶剤;フタル酸エステル等の可塑剤;増膜剤;クレー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マイカ、ケイ酸粉末等の体質顔料;小麦粉、コーンスターチ、木粉、ヤシ殻粉等の充填剤または増量剤;酸化チタン等の着色顔料;染料;増粘剤;粘性改質剤;分散剤;乳化剤;尿素等の湿潤剤;消泡剤;凍結防止剤;防腐剤;防かび剤;防虫剤;防錆剤;その他改質のための試薬等を挙げることができる。
【0028】
さらに、本発明の水性接着剤組成物は、強度の補強、粘性、機械的特性等を改善するために、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等を添加してもよい。本発明の水性接着剤組成物は、それ自体ホルムアルデヒドを放出しないので、前記ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等を添加しても、該樹脂によるホルムアルデヒド放散量を抑制することができる。
【0029】
本発明の水性接着剤組成物は、木材チップ、ベニア等の木質材料を相互に接着して、木質パネルを製造する用途に用いることができ、ホルムアルデヒド放散量の低減された木質パネルを得ることができる。前記木質パネルとしては、インシュレーションボード、パーティクルボード、ハードボード、配向性ボード(OSB)、ウェハーボード、中密度繊維板(MDF)等のいわゆる木質ボード類、合板、単板積層材(LVL)、集成材、突き板化粧板等を挙げることができる。
【0030】
次に、本発明の実施例と比較例とを示す。
【0031】
【実施例1】
本実施例では、タンニン粉末(Bondtite社製、商品名:ボンドタイト345)の50重量%タンニン水溶液を調製し、該タンニン水溶液100重量部に対して、多官能エポキシ化合物としてグリセロールポリグリシジルエーテル(株式会社クラレ製、商品名:B−1)3.1重量部、45重量%ヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)水溶液5重量部、粘度調節のためのエチレングリコール3重量部を添加して、糊液(水性接着剤組成物)を得た。
【0032】
次に、本実施例の糊液196gを、含水率3%の木材チップ563gに吹き付けた。次に、前記木材チップを、185℃、最大圧力3MPa、熱圧時間100秒の条件下に加熱圧締し、厚さ4.93mm、密度750kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0033】
次に、本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0034】
【実施例2】
本実施例では、多官能エポキシ化合物6.2重量部を用いた以外は、実施例1と全く同一にして糊液を得た。
【0035】
次に、本実施例の糊液200gを、含水率3%の木材チップ558gに吹き付け、実施例1と全く同一の条件下に加熱圧締し、厚さ4.94mm、密度750kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0036】
次に、本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0037】
【実施例3】
本実施例では、実施例1で用いた45重量%ヘキサミン水溶液5重量部に代えて、トリエチルアミン3重量部を用いた以外は、実施例1と全く同一にして糊液を得た。
【0038】
次に、本実施例の糊液を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、厚さ4.92mm、密度740kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0039】
次に、本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
【実施例4】
本実施例では、実施例1で用いたタンニン粉末に代えてミモザタンニンの粉末(Bondtite社製)を用いて、50重量%タンニン水溶液を調製し、該タンニン水溶液100重量部に対して、多官能エポキシ化合物としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)0.5重量部、45重量%ヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)水溶液7重量部を添加して、糊液を得た。
【0041】
次に、本実施例の糊液182gを、含水率5%の木材チップ540gに吹き付け、実施例1と全く同一の条件下に加熱圧締し、厚さ5.10mm、密度770kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0042】
次に、本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0043】
【実施例5】
本実施例では、実施例1で用いたタンニン粉末に代えてケブラチョタンニンの粉末(富士化学工業株式会社製)を用いて、50重量%タンニン水溶液を調製し、該タンニン水溶液100重量部に対して、多官能エポキシ化合物としてポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX−810)5重量部、45重量%ヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)水溶液3重量部を添加して、糊液を得た。
【0044】
次に、本実施例の糊液186gを、含水率3%の木材チップ568gに吹き付け、実施例1と全く同一の条件下に加熱圧締し、厚さ4.83mm、密度790kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0045】
次に、本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0046】
【比較例1】
本比較例では、実施例1で用いたものと全く同一のタンニン水溶液100重量部に対して、パラホルムアルデヒド15重量部、粘度調節のための水10重量部を添加して、糊液を得た。
【0047】
次に、本比較例の糊液140gを、含水率6.5%の木材チップ520gに吹き付けた。次に、前記木材チップを、185℃、最大圧力3MPa、熱圧時間200秒の条件下に加熱圧締し、厚さ4.69mm、密度820kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0048】
次に、本比較例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0049】
【比較例2】
本比較例では、まず、尿素に対するホルムアルデヒドのモル比が4.9となるように原料を仕込み、該原料のpHを9.0に調整して65℃まで昇温した後、不揮発分が55重量%になるまで濃縮して、尿素とホルムアルデヒドとの初期縮合物(以下、尿素−ホルムアルデヒド初期縮合物と略記する)を調製した。
【0050】
次に、実施例1で用いたものと全く同一のタンニン水溶液100重量部に対して、前記尿素−ホルムアルデヒド初期縮合物15重量部を添加して、糊液を得た。
【0051】
次に、本比較例の糊液を用いた以外は、比較例1と全く同一にして、厚さ4.69mm、密度840kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0052】
次に、本比較例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
【比較例3】
本比較例では、実施例1で用いたものと全く同一のタンニン水溶液100重量部に対して、25重量%ヘキサミン水溶液20重量部を添加して、糊液を得た。
【0054】
次に、本比較例の糊液159gを用いた以外は、比較例1と全く同一にして、厚さ4.83mm、密度790kg/m3のパーティクルボードを製造した。
【0055】
次に、本比較例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004095457
表1から、前記各実施例の糊液を用いて得られたパーティクルボードは、前記常態曲げ強度に示されるように優れた耐久性と、前記吸水厚さ膨張率に示されるように優れた耐水性を備え、しかも原料の木材自体に含まれる以上のホルムアルデヒドを放出しないことが明らかである。
【0057】
これに対して、タンニン水溶液とパラホルムアルデヒドとを含む比較例1の糊液または、タンニン水溶液と尿素−ホルムアルデヒド初期縮合物とを含む比較例2の糊液を用いて得られたパーティクルボードは、前記常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率は前記各実施例の糊液を用いて得られたパーティクルボードと同等であるが、ホルムアルデヒド放出量が格段に多くなることが明らかである。
【0058】
また、タンニン水溶液と第三級アミンとを含み、多官能エポキシ化合物を含まない比較例3の糊液を用いて得られたパーティクルボードは、前記常態曲げ強度が前記各実施例の糊液を用いて得られたパーティクルボードに劣り、しかもホルムアルデヒド放出量が多くなることが明らかである。
【0059】
【実施例6】
本実施例では、実施例1で用いたものと全く同一のタンニン水溶液100重量部に対して、多官能エポキシ化合物としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)0.5重量部、45重量%ヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)水溶液7重量部、粘度調節のためのエチレングリコール2重量部とメタノール2重量部とを添加して、糊液(水性接着剤組成物)を得た。
【0060】
次に、本実施例の糊液69gを、含水率3%の南洋材繊維204gに吹き付けた。次に、前記南洋材繊維を、185℃、最大圧力3MPa、熱圧時間36秒の条件下に加熱圧締し、厚さ2.48mm、密度800kg/m3の中密度繊維板(MDF)を製造した。
【0061】
次に、本実施例で得られたMDFについて、JIS A 5905に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表2に示す。
【0062】
【比較例4】
本比較例では、JIS E1タイプユリア樹脂(株式会社オーシカ製、商品名:TX−202、不揮発分65%)100重量部に対して、粘度調節のための水10重量部を添加して、糊液を得た。
【0063】
次に、本比較例の糊液46gを、含水率3%の南洋材繊維212gに吹き付け、実施例6と全く同一の条件下に加熱圧締し、厚さ2.56mm、密度800kg/m3のMDFを製造した。
【0064】
次に、本比較例で得られたMDFについて、JIS A 5905に準じて、常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
Figure 0004095457
表2から、前記実施例6の糊液を用いて得られたMDFは、前記常態曲げ強度に示されるように優れた耐久性と、前記吸水厚さ膨張率に示されるように優れた耐水性を備え、しかも原料の木材自体に含まれる以上のホルムアルデヒドを放出しないことが明らかである。
【0066】
これに対して、ユリア樹脂を含む比較例4の糊液を用いて得られたMDFは、前記常態曲げ強度、吸水厚さ膨張率は前記実施例6の糊液を用いて得られたMDFと同等であるが、ホルムアルデヒド放出量が格段に多くなることが明らかである。
【0067】
【実施例7】
本実施例では、実施例1で用いたものと全く同一のタンニン水溶液100重量部に対して、多官能エポキシ化合物としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)0.5重量部、45重量%ヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)水溶液7重量部、粘度調節のためのエチレングリコール2重量部と尿素2重量部、充填剤としての小麦粉15重量部を添加して、糊液を得た。
【0068】
次に、本実施例の糊液を用い、南洋材からなる5プライ合板を製造した。本実施例では、前記南洋材として黄色ラワンを用い、単板構成は1.7mm、2.7mm、2.7mm、2.7mm、1.7mmとして合計厚さが11.5mmとなるようにした。前記単板の水分は10%であった。
【0069】
前記各単板に前記糊液を0.392kg/m2の塗布量で塗布した後、各単板を積層して貼り合わせ、室温で1MPaの冷圧下に20分、125℃、1MPaの熱圧下に230秒圧締して、合板とした。
【0070】
次に、本実施例で得られた5プライ合板について、普通合板の日本農林規格に準じて、2類の浸せきはく離試験とホルムアルデヒドの放散試験とを行い、2類はく離率と、放散ホルムアルデヒドとを測定した。結果を表3に示す。
【0071】
【実施例8】
本実施例では、前記南洋材として実施例7で用いた黄色ラワンに代えてカポールを用い、各単板に前記糊液を0.479kg/m2の塗布量で塗布した以外は、実施例7と全く同一にして、5プライ合板を製造した。
【0072】
次に、本実施例で得られた5プライ合板について、普通合板の日本農林規格に準じて、2類の浸せきはく離試験とホルムアルデヒドの放散試験とを行い、2類はく離率と、放散ホルムアルデヒドとを測定した。結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
Figure 0004095457
表3から、前記実施例7の糊液を用いて得られた実施例7,8の5プライ合板は、2類はく離率が0%であって、普通合板の日本農林規格に定める「通常の外気および湿潤露出に耐えうる接着性を有する」ことが明らかであり、しかも原料の木材自体に含まれる以上のホルムアルデヒドを放出しないことが明らかである。

Claims (2)

  1. 木材から抽出されたタンニンの水溶液と、多官能エポキシ化合物と、第三級アミンとを含むことを特徴とする水性接着剤組成物。
  2. 木質材料を、木材から抽出されたタンニンの水溶液と、多官能エポキシ化合物と、第三級アミンとを含む水性接着剤組成物により、相互に接着してなることを特徴とする木質パネル。
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