JP2017505287A - リグニンを処理し、結合剤組成物を生成するための方法 - Google Patents

リグニンを処理し、結合剤組成物を生成するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明はリグニンを処理するための方法に関し、この方法は以下のステップを含む。a)組成物の温度を0〜60℃に保ちながら、フェノールのクラスから選択される化合物を含有する水性組成物にリグニンを溶解するステップ、およびb)組成物の温度を60〜100℃に保ち、かつ組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら、組成物を反応させるステップ。本発明はさらに、結合剤組成物を生成するための方法、およびその異なる適用に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、リグニンを処理するための方法、および結合剤組成物を生成するためのそのリグニンの使用、ならびにその異なる適用に関する。
リグニンは、たとえば木材などから抽出できる天然ポリマーである。リグニンは天然のバイオポリマーであることから、より環境に優しい接着性組成物を作製するために、合成材料の代わりにリグニンを接着剤の成分として使用することが研究されている。特に、たとえばフェノールホルムアルデヒド樹脂などのフェノール樹脂の合成フェノールを置換する能力が、先行技術の目的であった。樹脂組成物中の合成フェノールの量を減少させる目的のために、リグニンを使用できる。過去に、リグニンはリグニン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の生成の際にフェノールを置換するために使用されていた。
しかし、現在公知のリグニンに基づく樹脂は、従来のフェノール樹脂が用いられている適用のすべてに対して好適ではない。たとえば、現在公知のリグニンに基づく樹脂は、高圧ラミネートに対して好適ではない。高圧ラミネート(High−pressure laminates:HPL)はプラスチックラミネートとしても公知であり、熱硬化性樹脂を結合剤として用いることによって、紙、ファブリック、またはその他のコア材料の複数の層を熱および圧力の影響下でともに融合することによって製造され得る。本発明者らは、樹脂におけるより高いフェノール置換をもたらすことによって、たとえば高圧ラミネートなどの異なる適用における使用に対して好適な特性を有する、より環境に優しい結合剤組成物をもたらすような方法に対する必要性を認識していた。
本発明の目的は、リグニンを処理するための新たなタイプの方法を提供すること、および異なる適用に対する結合剤組成物を生成するための方法を提供することである。本発明の目的は、新たな結合剤組成物および接着性組成物、ならびにそれらの使用を提供することである。
本発明に従うリグニンを処理するための方法は、請求項1に提示されるものを特徴とする。
本発明に従う結合剤組成物を生成するための方法は、請求項10に提示されるものを特徴とする。
本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物は、請求項20に提示されるものを特徴とする。
本発明に従う接着性組成物は、請求項21に提示されるものを特徴とする。
本発明に従う使用は、請求項19、22、23および24に提示されるものを特徴とする。
本発明のさらなる理解を提供するために含まれて、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、記載とともに本発明の原理の説明を助けるものである。
本発明の一実施形態に従う、リグニンを処理するための方法を示す流れ図である。 本発明の一実施形態に従う、結合剤組成物を生成するための方法を示す流れ図である。
本発明はリグニンを処理するための方法に関し、この方法は以下のステップを含む。
a)組成物の温度を0〜60℃に保ちながら、フェノールのクラスから選択される化合物を含有する水性組成物にリグニンを溶解するステップ、および
b)組成物の温度を60〜100℃に保ち、かつ組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら、組成物を反応させるステップ。
本発明はさらに、結合剤組成物を生成するための方法に関し、この方法は以下のステップを含む。
a)組成物の温度を0〜60℃に保ちながら、フェノールのクラスから選択される化合物を含有する水性組成物にリグニンを溶解するステップ、
b)組成物の温度を60〜100℃に保ち、かつ組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら、組成物を反応させるステップ、および
c)ステップb)において形成された組成物を架橋剤と混合し、組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら組成物を60〜100℃の温度で加熱するステップ。
本発明の一実施形態においては、ステップa)においてリグニンを組成物に溶解し、この組成物は水と、フェノールのクラスから選択される少なくとも1つの化合物とからなる。本発明の一実施形態において、リグニンは、フェノールのクラスから選択される化合物の水性組成物に溶解される。
本発明の一実施形態において、フェノールのクラスから選択される化合物は、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。本発明の一実施形態において、フェノールのクラスから選択される化合物はフェノールである。
本発明の一実施形態において、ステップa)において組成物にアルカリが加えられる。本発明の一実施形態において、ステップb)において組成物にアルカリが加えられる。本発明の一実施形態において、ステップa)およびステップb)において組成物にアルカリが加えられる。
本発明の一実施形態において、アルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む。
ステップb)は組成物を反応させるステップを含み、すなわちステップb)は組成物中で反応を起こさせるステップを含む。本発明の一実施形態において、ステップb)は組成物をアルカリと反応させるステップを含み、ここでアルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、特定の温度を用いることによってリグニンを実際にフェノールと反応させることなく、たとえばフェノールおよび水などの組成物にリグニンを溶解することによって、結合剤組成物を生成するステップに有利な影響を与え、かつ所望であれば低いpH値による結合剤組成物の生成を可能にすることを見出した。なぜ上記の利点を達成できるのかに対するあらゆる特定の理論に本発明を限定することなく、たとえばフェノールおよび水などの組成物にリグニンを溶解するときに、共有結合は形成されないが、結合剤組成物の生成中に起こるさらなる反応に関する立体的に有益な位置に、リグニンおよびフェノールの両方の反応部位が存在することが考えられる。本発明の発明者らは、本発明の方法によって、たとえば高圧ラミネートの製造などに好適なリグニンに基づく結合剤組成物を生成できることを見出した。
本発明の一実施形態においては、ステップb)において、温度およびpHを好適なレベルに調整することによって、フェノールのクラスから選択される化合物とリグニンとを反応させる。
本発明の一実施形態において、ステップb)はリグニンをアルカリ化するために行われる。アルカリ化ステップの結果として、リグニンは活性化される。なぜリグニンのアルカリ化によって非アルカリ化リグニンよりも活性化されたリグニンまたは反応性の高いリグニンが形成されるのかに関するあらゆる特定の理論に本発明を限定することなく、アルカリ化がリグニンの高分子構造を開くことによって、通常リグニン構造内の反応性の基を無能にしている立体障害が除去されることが考えられる。さらに、アルカリ化はリグニン高分子に荷電基を加え得る。本発明の一実施形態において、本発明に従う方法によってリグニンを処理することは、リグニンを活性化する。たとえば結合剤組成物を生成するなどのためにアルカリ化リグニンを用いることの利点は、生成プロセスの加熱または重合段階において非処理リグニンを用いた通常の場合よりも、適合性および反応挙動がかなり良好になることである。
驚くべきことに、本発明者らはリグニンをフェノールに溶解するときに、フェノールがリグニンの反応部位に立体的に近いことを見出した。本発明に従う方法のステップc)において、これらの反応物質成分をたとえばホルムアルデヒドなどの架橋剤と反応させるとき、使用される架橋剤は両方の成分と同等に反応して、高い比率の生体に基づく材料を有する結合剤組成物の形成を可能にする。
本明細書において、別様に述べられない限り、「リグニン」という表現は任意の好適なリグニン供給源から生じるリグニンであるものと理解されるべきである。
使用されるリグニンは、本質的に純粋なリグニンであり得る。「本質的に純粋なリグニン」という表現は、少なくとも90%純粋なリグニン、好ましくは少なくとも95%純粋なリグニンであるものと理解されるべきである。本発明の一実施形態において、本質的に純粋なリグニンは、最大10%、好ましくは最大5%の他の成分を含む。こうした他の成分の例として、抽出物およびたとえばヘミセルロースなどの炭水化物が示され得る。本発明の一実施形態において、リグニンは10重量%未満、好ましくは6重量%未満、およびより好ましくは4重量%未満の炭水化物を含有する。リグニンに存在する炭水化物の量は、規格SCAN−CM 71に従うパルスアンペロメトリック検出器を有する高性能陰イオン交換クロマトグラフィー(high performance anion exchange chromatography with pulsed amperometric detector:HPAE−PAD)によって測定できる。
本発明の一実施形態において、リグニンの灰パーセンテージは7.5重量%未満、好ましくは5重量%未満、およびより好ましくは3重量%未満である。灰含有量は、有機物質が燃焼する前にアルカリ塩が融解しないようにリグニンサンプルを炭化して素早く燃焼させ(例、20〜200℃にて30分間、その後温度を200〜600℃に調整して1h、その後温度を600〜700℃に調整して1時間)、最後にリグニンサンプルを700℃にて1h強熱することによって定めることができる。リグニンサンプルの灰含有量は、燃焼および強熱の後に残るサンプルの質量を示し、それはサンプルの乾燥含有量のパーセントとして示される。
本発明の一実施形態において、リグニンの重量平均分子量(Mw)は1000〜15000g/mol、好ましくは2000〜10000g/mol、およびより好ましくは3000〜8000g/molである。リグニンの分子量は、高性能分子ふるいクロマトグラフィーを以下の態様で用いることによって定めることができる。2つの並行測定を行う。溶離剤として0.1M NaOHを用いる。分子量1100〜73900g/molを有するNa−ポリスチレンスルホン酸標準を用いて、較正を行う。品質管理のため、標準品質クラフトリグニンおよびPSS分子量標準を用いる。使用されるカラムは、PSS MCXプレカラム、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーマトリックスを充填した1000Åおよび100 000Å分離カラムである。均一濃度ランプログラムを用いる。ランタイムは45分間である。注入体積は50μlである。フラックスは毎分0.5mlである。温度は25℃である。クロマトグラフィーの結果として、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)および多分散指数(polydispersity index:PDI)の値を報告できる。
本発明の一実施形態において、リグニンの数平均分子量(Mn)は700〜4000、好ましくは800〜3000、およびより好ましくは1000〜2500である。
本発明の一実施形態において、リグニンの多分散性は1.0〜7、好ましくは1.2〜6、およびより好ましくは1.4〜4.5である。
本発明の一実施形態において、リグニンの正規化ラジカルスカベンジャー指数(normalized radical scavenger index:NRSI)は0.01〜20、好ましくは0.05〜10、およびより好ましくは0.1〜6である。抽出物の抗酸化活性は、メタノール抽出物におけるDPPH法を用いて評価できる。
ラジカルスカベンジング法の基礎は、マルテルド(Malterud)ら(ファーマコロジー・アンド・トキシコロジー(Pharmacol.Toxicol.)1996、78:111−116)に記載されている。この方法は、DPPHがそのラジカル特徴を失うときに、抽出物および純粋成分が1,1−ジフェニルピクリル−2−ヒドラジルラジカル(DPPH・)分子と反応する能力に基づくものである。ラジカル形状の減少を、分光光度計によって溶液色の紫色から黄色への変化として観察できる(波長515nmにて吸光度が測定される)。RSI(ラジカルスカベンジング指数(radical scavenging index))は、515nmにおけるDPPH吸光度の50%阻害を生じた濃度の逆数として定義される。次いで、そのサンプルRSIをブチルヒドロキシトルエン(butyl hydroxytoluene:BHT)対照に対するRSI値で割ることによって、その結果を「正規化」(NRSI)できる。
本発明の一実施形態において、リグニンの乾燥固体含有量は98%未満、好ましくは40〜80%、およびより好ましくは50〜70%である。1〜5gのリグニンサンプルを真空オーブン内で60℃以上の温度で4時間乾燥させることによって、乾燥固体含有量を測定できる。
本発明の一実施形態において、リグニンは、乾燥リグニン1グラム当り0.1〜6mmol、好ましくは0.3〜3.5mmolの量の脂肪族ヒドロキシル基を有する。
本発明の一実施形態において、リグニンは、乾燥リグニン1グラム当り0.1〜5mmol、好ましくは1.5〜4.5mmolの量のフェノールヒドロキシル基を有する。脂肪族およびフェノールヒドロキシル基は、リグニンサンプルを亜リン酸化の後に31P NMR分光法によって特徴付けることによって定めることができ、その後脂肪族ヒドロキシル基を定量的に定めることができる。31P NMR分析のために、40mgのリグニンを計量して、300μlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解してもよい。完全な溶解後に、200μlのピリジンと、400μl(0.05M)のエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドのピリジン/CDCl内部標準溶液(internal standard solution:ISTD)と、100μlのCr(acac)のピリジン/CDCl溶液とを加える。次いで、200μlの亜リン酸化試薬2−クロロ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン(dioxaphopholane)を滴下して加える。最後に溶液に600μlのCDClを加えて、清澄な茶色から黒色の溶液を得る。次いで新しく調製したサンプルを、室温にて31P NMRによって測定し得る。ブルカー(Bruker)500MHz NMR分光計を測定に用いることができる。31P NMR測定は、グラナータ(Grannata)およびアルギュロポウロス(Argyropoulos)によって開発された方法(グラナータ A.およびアルギュロポウロス D.S.、2−クロロ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン、リグニンにおける非縮合および縮合フェノール部分の正確な決定のための試薬(2−Chloro−4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaphospholane,a reagent for the accurate determination of the uncondensed and condensed phenolic moieties in lignins)、ジャーナル・オブ・アグリカルチュラル・アンド・フード・ケミストリー(J.Agric.Food Chem)、1995、43:1538−1544)に基づくものである。その結果は、mmol/gリグニンとして算出される。
本発明の一実施形態において、リグニンはクラフトリグニン、水蒸気爆砕リグニン、バイオリファイナリーリグニン、超臨界分離リグニン、加水分解リグニン、フラッシュ沈殿リグニン、バイオマス由来リグニン、アルカリパルプ化プロセスからのリグニン、ソーダプロセスからのリグニン、オルガノソルブパルプ化からのリグニン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。本発明の一実施形態において、リグニンは木材に基づくリグニンである。リグニンは、軟木、堅木、一年生植物、またはそれらの組み合わせから生じ得る。
異なるリグニン成分は、異なる特性、たとえば分子量、モル質量、多分散性、ヘミセルロースおよび抽出物の含有量および組成などを有してもよい。
本明細書において、別様に述べられない限り、「クラフトリグニン」とはクラフト黒液から生じるリグニンであるものと理解されるべきである。黒液とは、クラフトパルプ化プロセスにおいて使用されるリグニン残基、ヘミセルロースおよび無機化学物質のアルカリ性水溶液である。パルプ化プロセスからの黒液は、さまざまな割合の異なる軟木および堅木種から生じる成分を含む。たとえば沈殿およびろ過などを含む異なる技術によって、黒液からリグニンを分離できる。リグニンは通常、11〜12より低いpH値において沈殿し始める。異なる特性を有するリグニン画分を沈殿させるために、異なるpH値が用いられ得る。これらのリグニン画分は、たとえばMwおよびMnなどの分子量分布、多分散性、ヘミセルロースおよび抽出物含有量が互いに異なっている。より高いpH値にて沈殿したリグニンのモル質量は、より低いpH値にて沈殿したリグニンのモル質量よりも高い。さらに、より低いpH値にて沈殿したリグニン画分の分子量分布は、より高いpH値にて沈殿したリグニン画分のものよりも広い。
酸性洗浄ステップを用いて、無機不純物、ヘミセルロースおよび木材抽出物から沈殿リグニンを精製できる。ろ過によって、さらなる精製を達成できる。
本発明の一実施形態において、リグニンはフラッシュ沈殿リグニンである。本明細書において「フラッシュ沈殿リグニン」という用語は、200〜1000kPaの過剰圧力の影響下で、二酸化炭素に基づく酸性化剤、好ましくは二酸化炭素を用いて、黒液流のpHをリグニンの沈殿レベルまで下げ、かつリグニンを沈殿させるためにその圧力を突然解除することによる連続的プロセスにおいて黒液から沈殿させたリグニンであるものと理解されるべきである。フラッシュ沈殿リグニンを生成するための方法は、特許出願フィンランド特許出願公開第20106073号に開示されている。上記方法における滞留時間は300s未満である。フラッシュ沈殿リグニン粒子は2μm未満の粒子直径を有し、塊を形成し、たとえばろ過などを用いてこの塊を黒液から分離できる。フラッシュ沈殿リグニンの利点は、それが通常のクラフトリグニンよりも高い反応性を有することである。さらなる処理のために必要であれば、フラッシュ沈殿リグニンを精製および/または活性化してもよい。
本発明の一実施形態において、リグニンは純粋なバイオマスから分離される。分離プロセスは、バイオマスを強アルカリまたは強酸によって液化することから始まってもよく、その後に中和プロセスが続いてもよい。アルカリ処理の後に、上に示したのと類似の態様でリグニンを沈殿させ得る。本発明の一実施形態において、バイオマスからのリグニンの分離は、酵素処理のステップを含む。酵素処理によって、バイオマスから抽出されるようにリグニンを修飾する。純粋なバイオマスから分離されたリグニンは硫黄を含まないため、さらなる処理において有用である。
本発明の一実施形態において、リグニンは水蒸気爆砕リグニンである。水蒸気爆砕は、木材およびその他の繊維状有機材料に適用され得るパルプ化および抽出技術である。
本明細書において、別様に述べられない限り、「バイオリファイナリーリグニン」とは、バイオマスが燃料、化学物質およびその他の材料に転換される精製設備またはプロセスから回収され得るリグニンであるものと理解されるべきである。
本明細書において、別様に述べられない限り、「超臨界分離リグニン」とは、超臨界流体分離または抽出技術を用いてバイオマスから回収され得るリグニンであるものと理解されるべきである。超臨界条件とは、所与の物質に対する臨界点より上の温度および圧力に対応する。超臨界条件においては、別個の液相および気相が存在しない。超臨界水または液体抽出とは、超臨界条件下の水または液体を用いることによって、バイオマスを分解してセルロース糖に転換する方法である。この水または液体は溶媒の働きをして、セルロースプラント物質から糖を抽出し、リグニンは固体粒子として残る。
本発明の一実施形態において、リグニンは加水分解リグニンである。加水分解リグニンは、紙パルプまたは木材化学プロセスから回収され得る。
本発明の一実施形態において、リグニンはオルガノソルブプロセスから生じる。オルガノソルブとは、リグニンおよびヘミセルロースを可溶化するために有機溶媒を用いるパルプ化技術である。
本発明の一実施形態において、ステップa)における組成物の温度は、好ましくは15〜55℃、より好ましくは20〜50℃、およびさらにより好ましくは30〜45℃に保たれる。ステップa)における組成物の温度を0〜60℃、および好ましくは上述の範囲に保つことによって、フェノールのクラスから選択される化合物を含有する水性組成物にリグニンを溶解させる一方で、少なくともリグニンの大部分に対して、リグニンがフェノールのクラスから選択される化合物と反応することを妨げることを可能にする。
ステップa)およびステップb)における組成物のpH値は、生成される結合剤組成物の最終適用に依存して選択され得る。
本発明の一実施形態において、ステップa)における組成物のpHは4〜10のpH値、好ましくは4.5〜9.5のpH値、より好ましくは5〜9のpH値、およびさらにより好ましくは5.5〜8.5のpH値に保たれる。本発明の一実施形態において、ステップb)における組成物のpHは好ましくは6〜10のpH値、より好ましくは6.5〜9.5のpH値、およびさらにより好ましくは7〜9のpH値に保たれる。ステップa)およびステップb)において、これらの種類のpH範囲は、高圧ラミネートのための結合剤組成物を生成するときに用いられてもよい。
本発明の一実施形態において、ステップa)における組成物のpHは4〜14のpH値、好ましくは7〜13.5のpH値、およびより好ましくは8.5〜13のpH値に保たれる。本発明の一実施形態において、ステップb)における組成物のpHは好ましくは7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、およびさらにより好ましくは10〜13のpH値に保たれる。ステップa)およびステップb)において、これらの種類のpH範囲は、合板のための結合剤組成物を生成するときに用いられてもよい。
ステップb)において、組成物は60〜100℃の温度で処理される。本発明の一実施形態において、組成物はステップb)において好ましくは70〜95℃の温度、およびより好ましくは75〜90℃の温度で加熱される。
本発明の一実施形態において、ステップb)は10分間〜2時間、好ましくは1時間〜1.5時間にわたって行われる。
本発明の一実施形態において、アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはそれらの組み合わせである。
本発明の一実施形態において、アルカリの濃度は、ステップb)における組成物の総重量に基づいて0.1〜11重量%、および好ましくは0.5〜9重量%である。本発明の一実施形態において、アルカリの濃度は、ステップb)における組成物の総重量に基づいて0.1〜5重量%、および好ましくは0.5〜2重量%である。本発明の一実施形態において、アルカリの濃度は、ステップb)における組成物の総重量に基づいて3〜15重量%、好ましくは5〜12、およびより好ましくは6〜10重量%である。
本発明の一実施形態において、ステップa)におけるリグニンの濃度は、ステップa)における組成物の総重量に基づいて10〜40重量%、および好ましくは20〜30重量%である。
本発明の一実施形態において、ステップa)におけるフェノールのクラスから選択される化合物の濃度は、ステップa)における組成物の総重量に基づいて10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%、およびより好ましくは20〜45重量%である。
ステップc)における形成された組成物を加熱するステップは、結合剤組成物の粘度が増加するように、反応物質成分すなわちリグニンと、フェノールのクラスから選択される化合物と、架橋剤とを重合するために行われる。予め定められた粘度値が形成されるまで加熱が続けられてもよい。最終結合剤組成物の予め定められた粘度値は、その結合剤組成物が使用される特定の適用に依存して変動してもよい。
本発明の一実施形態において、最終結合剤組成物の予め定められた粘度値は少なくとも40cP、好ましくは少なくとも50cP、およびより好ましくは少なくとも80cPである。本発明の一実施形態において、最終結合剤組成物の予め定められた粘度値は40cP以上250cP以下、好ましくは50cP以上150cP以下、およびより好ましくは80cP以上120cP以下である。
本発明の一実施形態において、最終結合剤組成物の予め定められた粘度値は少なくとも250cP、好ましくは少なくとも300cP、およびより好ましくは少なくとも500cPである。本発明の一実施形態において、最終結合剤組成物の予め定められた粘度値は250cP以上1500cP以下、好ましくは300cP以上1200cP以下、およびより好ましくは500cP以上1000cP以下である。
粘度は、回転式粘度計を用いて25℃にて測定される。
本発明の一実施形態において、ステップc)は、組成物を好ましくは65〜95℃の温度、より好ましくは70〜90の温度、およびさらにより好ましくは75〜85℃の温度で加熱するステップを含む。
本発明の一実施形態において、架橋剤はアルデヒド、アルデヒドの誘導体、アルデヒド形成化合物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。本発明の一実施形態において、アルデヒドの誘導体はヘキサメチレンテトラミン、パラホルムアルデヒド、またはトリオキサンである。本発明の一実施形態において、架橋剤は芳香族アルデヒド、グリオキサール、フルフリルアルコール、カプロラクタム、およびグリコール化合物からなる群より選択される。アルデヒドは、ホルムアルデヒドであり得る。芳香族アルデヒドは、フルフリルアルデヒドであり得る。本発明の一実施形態において、架橋剤はアルデヒドであり、好ましくはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、またはそれらの組み合わせである。
本発明の一実施形態において、ステップc)は触媒の存在下で行われる。本発明の一実施形態において、触媒は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの任意の混合物からなる群より選択される。
本発明の一実施形態において、ステップc)における組成物のpHは好ましくは6〜10のpH値、より好ましくは6.5〜9.5のpH値、およびさらにより好ましくは7〜9のpH値に保たれる。
本発明の一実施形態において、ステップc)における組成物のpHは好ましくは7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、およびさらにより好ましくは10〜13のpH値に保たれる。
本発明はさらに、結合剤組成物の生成のための、本発明に従う方法によって処理されたリグニンの使用に関する。
本発明はさらに、本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物に関する。
本発明はさらに、本発明に従う結合剤組成物を含む接着性組成物に関する。この接着性組成物は、他の結合剤、エキステンダー、添加剤、触媒、および充填剤からなる群より選択される1つまたはそれ以上の接着性成分をさらに含み得る。
本発明はさらに、ラミネート、好ましくは高圧ラミネートを製造するための、本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用に関し、ここで組成物のpHはステップa)において4〜10の値、ステップb)において6〜10の値に保たれる。
本発明はさらに、ラミネート、好ましくは高圧ラミネートを製造するための、本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用に関し、ここで組成物のpHはステップc)において6〜10の値に保たれる。
本発明はさらに、鋳造材料、保護コーティング、摩擦材料、研磨材料、グラスウール、ロックウール、プリプレグ、シャッタリングフィルム、オーバーレイ、成形構成要素、または繊維強化複合物を製造するための、本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用に関し、ここで組成物のpHはステップa)において4〜10の値、ステップb)において6〜10の値に保たれる。
本発明はさらに、鋳造材料、保護コーティング、摩擦材料、研磨材料、グラスウール、ロックウール、プリプレグ、シャッタリングフィルム、オーバーレイ、成形構成要素、または繊維強化複合物を製造するための、本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用に関し、ここで組成物のpHはステップc)において6〜10の値に保たれる。
本発明はさらに、パーティクルボード、配向性ストランドボード、チップボード、イントララム、グルーラム、ハードボード、ウエハーボード、ファイバーボード、合板、または木材接着剤を製造するための、本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用に関し、ここで組成物のpHはステップa)において4〜14の値、ステップb)において7〜14の値に保たれる。
本発明はさらに、パーティクルボード、配向性ストランドボード、チップボード、イントララム、グルーラム、ハードボード、ウエハーボード、ファイバーボード、合板、または木材接着剤を製造するための、本発明に従う方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用に関し、ここで組成物のpHはステップc)において好ましくは7〜14のpH値に保たれる。
前述の本発明の実施形態は、互いに任意の組み合わせで使用されてもよい。いくつかの実施形態をともに組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を形成してもよい。本発明が関係する方法、組成物または使用は、前述の本発明の実施形態の少なくとも1つを含んでもよい。
本発明に従う方法の利点は、低pH結合剤組成物、すなわち中性または酸性のpH範囲を有する結合剤組成物の生成を可能にする態様でリグニンを処理できることである。本発明に従う方法によって処理されたリグニンは開いた構造を有することによって反応性が高くなるため、リグニンによって低pH結合剤組成物を生成することが可能になる。
本発明の利点は、本発明に従う方法によって、高圧ラミネートの製造に用いるために好適な生体に基づく結合剤組成物を生成できることである。本発明の利点は、高圧ラミネートに対するより環境に優しい結合剤組成物を生成できることである。
ここで本発明の実施形態を詳細に参照する。実施形態の例を添付の図面に示す。
以下の記載は、当業者がこの開示に基づいて本発明を使用できるように本発明のいくつかの実施形態を詳細に開示するものである。ステップの多くは、当業者にとって本明細書に基づいて自明となるので、実施形態のすべてのステップを詳細には考察していない。
図1は、リグニンを処理するための本発明の一実施形態に従う方法を示す。
リグニンの処理を開始する前に、リグニンの供給源を選択する。加えて、本発明に従う方法において使用するその他の成分およびそれらの量を選択する。必要であれば、図1の方法において使用する成分を、リグニン処理プロセスに対して好適になるように前処理してもよい。
さまざまな調製および前処理の後に、図1に示した本発明の実施形態の1つにおいては、ステップa)を行う。ステップa)は、フェノールのクラスから選択される化合物を含有する水性組成物にリグニンを溶解するステップを含む。組成物の温度を0〜60℃に保つ。
リグニンを溶解するステップの後に、ステップa)において形成した組成物の温度を60〜100℃に保ち、かつ組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら、組成物を反応させる。
本発明の一実施形態において、リグニンを溶解するステップの後に、ステップa)において形成した組成物は、ステップb)においてリグニンをアルカリ化するためのアルカリ処理を受ける。ステップa)および/またはステップb)において、組成物にアルカリを加え得る。アルカリはアルカリ金属の水酸化物である。
ステップa)およびステップb)の結果として、リグニンはさらなる生成ステップのために好適になり、かつたとえばホルムアルデヒドなどと共有結合するために好適になる。
図2は、結合剤組成物を生成するための本発明の一実施形態に従う方法を示す。
図2に示す方法は、図1に対して上述した方法に従うステップa)およびステップb)においてリグニンを処理するステップから始まる。
ステップb)の後、ステップc)において、ステップb)において形成した組成物を架橋剤と混合する。結合剤組成物を形成するために、組成物中の反応物質成分、すなわちリグニンと、フェノールのクラスから選択した化合物と、架橋剤とを互いに反応させるために、形成した組成物を60〜100℃の温度で加熱する。ステップc)において、組成物のpHを6〜14のpH値に保つ。結合剤組成物の所望の予め定められた粘度値に達するまで、組成物の加熱を続ける。
ステップc)の結果として、所望の特性を有し、特に高い比率の生体に基づく成分を有する結合剤組成物を生成する。この結合剤組成物をそのまま接着適用に使用してもよいし、接着性組成物を生成するためにこの結合剤組成物を他の接着性成分とともにさらに処理してもよい。
実施例1−リグニンの活性化、および結合剤組成物の生成のための活性化リグニンの使用
この実施例においては、最初にリグニンをフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。以下の成分およびそれらの量を使用した。
Figure 2017505287
最初に水およびフェノールの組成物を形成した。次いで、その組成物の温度を30℃未満に保ち、かつ組成物のpHを8未満の値に保ちながら、リグニンを組成物に撹拌しながらゆっくり加えた。すべてのリグニンを加えたとき、組成物を90℃の温度まで加熱しながら組成物に水酸化ナトリウムを加えた。組成物のpHを9未満の値に保った。90℃の温度にて、組成物の加熱を10分間続けた。
上述のとおりに処理したリグニンを、その後結合剤組成物を生成するために用いた。上で形成した組成物に、438gのパラホルムアルデヒドを段階的なやり方で加えた。その後、組成物のpHを測定して、7.70の値を有するようにした。形成した組成物を約80℃の温度で加熱し、その加熱を2時間15分続け、その間に回転式粘度計を用いて25℃にて測定した粘度が130cPに増加した。
その後、形成した結合剤組成物を分析した。分析の結果を表1にみることができる。
Figure 2017505287
表1において、MRは分子の比率(molecular ratio)、すなわちmol(パラホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表す。表1において、WTは水許容性(water tolerance)を表し、すなわち樹脂が沈殿し始める前に樹脂にどれほどの水を加え得るかを示す。
ゲル化時間は、ロッドを有する試験管に0.5mlのサンプルを加えることによって定めた。サンプルは撹拌しなかった。グリセリンまたは油浴中で試験管を撹拌せずに100℃に加熱した。サンプルがペースト状(融解した固体)になるまでの時間を測定し、その後測定を完了した。
表1に示した結果から、固体含有量は、この結合剤組成物を高圧ラミネートに用いるために好適なレベルであることが分かる。水許容性は、ラミネートに対して用いられていた従来のフェノール−ホルムアルデヒド結合剤組成物に対するものよりも良好である。
実施例2−リグニンの活性化、および結合剤組成物の生成のための活性化リグニンの使用
この実施例においては、最初にリグニンをフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。以下の成分およびそれらの量を使用した。
Figure 2017505287
最初に水およびフェノールの組成物を形成した。次いで、その組成物の温度を30℃未満に保ち、かつ組成物のpHを5未満の値に保ちながら、リグニンを組成物に撹拌しながらゆっくり加えた。すべてのリグニンを加えたとき、組成物を90℃の温度まで加熱しながら組成物に水酸化ナトリウムを加えた。組成物のpHを9未満の値に保った。90℃の温度にて、組成物の加熱を10分間続けた。
上述のとおりに処理したリグニンを、その後結合剤組成物を生成するために用いた。上で形成した組成物に、421gのパラホルムアルデヒドを段階的なやり方で加えた。その後、pHを測定して、7.70の値を有するようにした。形成した組成物を約78℃の温度で加熱し、その加熱を1時間23分続け、その間に回転式粘度計を用いて25℃にて測定した粘度が130cPに増加した。
その後、形成した結合剤組成物を分析した。分析の結果を表2にみることができる。
Figure 2017505287
表2において、MRは分子の比率、すなわちmol(パラホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表す。表2において、WTは水許容性を表し、すなわち樹脂が沈殿し始める前に樹脂にどれほどの水を加え得るかを示す。
ゲル化時間は、実施例1に対して上述したとおりに定めた。
表2に示した結果から、固体含有量は、この結合剤組成物を高圧ラミネートに用いるために好適なレベルであることが分かる。水許容性は、ラミネートに対して用いられていた従来のフェノール−ホルムアルデヒド結合剤組成物に対するものよりも良好である。
実施例3−高圧ラミネートの製造
実施例1において生成した結合剤組成物に含浸したクラフト紙のいくつかの層を加熱および圧力の下でともに融合することによって、高圧ラミネートを製造した。その後、形成したラミネートの沸騰水および熱許容性をテストした。このテストは、規格SFS−EN 438−2(高圧装飾用ラミネート(high−pressure decorative laminates:HPL))に従って行った。サンプルの層間剥離およびブリスターを評価した。どちらのテストも、沸騰水中に2時間浸漬した後、および150℃のオーブン中で30分間加熱した後の視覚的外観の評価に基づくものであった。40%および50%のフェノールがリグニンで置換された結合剤組成物の熱ならびに沸騰水および熱許容性は良好であり、ブリスターは観察されなかった。
実施例4−リグニンの活性化、および結合剤組成物の生成のための活性化リグニンの使用
この実施例においては、最初にリグニンをフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。以下の成分およびそれらの量を使用した。
Figure 2017505287
最初にリグニンを水と混合し、次いで形成された組成物に水酸化ナトリウムを加えた。pHを約13.8の値に増加させた。この組成物にフェノールを加えた。組成物にリグニンを溶解させる間、組成物の温度を45℃未満に保った。
次いで温度を約75℃に上昇させて、約1時間加熱を続けた。組成物の加熱の間、組成物のpHを10〜11の値に保った。
その後、上述のとおりに処理したリグニンを、結合剤組成物の生成に使用した。上で形成した組成物に、490gのパラホルムアルデヒドを段階的なやり方で加えた。回転式粘度計を用いて25℃にて測定した粘度が315cPに増加するまで、形成した組成物を約83〜85℃の温度で加熱した。
その後、形成した結合剤組成物を分析した。分析の結果を表3にみることができる。
Figure 2017505287
表3において、MRは分子の比率、すなわちmol(パラホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表す。
ゲル化時間は、実施例1に対して上述したとおりに定めた。
表3に示した結果から、形成された結合剤組成物の特性は、木材接着剤に対して好適であり、かつたとえば合板および配向性ストランドボードなどに使用するために好適であることが分かる。
実施例5−リグニンの活性化、および結合剤組成物の生成のための活性化リグニンの使用
この実施例においては、最初にリグニンをフェノールで処理した。以下の成分およびそれらの量を使用した。
Figure 2017505287
最初に水およびフェノールの組成物を形成した。次いで、その組成物の温度を40℃未満に保ち、かつ組成物のpHを6未満の値に保ちながら、リグニンを組成物に撹拌しながらゆっくり加えた。すべてのリグニンを加えたとき、組成物を90℃の温度まで加熱した。組成物のpHを約7の値に保った。
上述のとおりに処理したリグニンを、その後結合剤組成物を生成するために用いた。上で形成した組成物に、458.4gのパラホルムアルデヒドを段階的なやり方で加えた。さらに、触媒すなわち52.3gの水酸化ナトリウムを、組成物に段階的なやり方で加えた。組成物のpHを7〜8の値に保った。形成した組成物を80〜90℃の温度で加熱した。この組成物の加熱を合計約1時間行った。
その後、形成した結合剤組成物を分析した。分析の結果を表4にみることができる。
Figure 2017505287
表4において、MRは分子の比率、すなわちmol(パラホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表す。表4において、WTは水許容性を表し、すなわち樹脂が沈殿し始める前に樹脂にどれほどの水を加え得るかを示す。
ゲル化時間は、実施例1に対して上述したとおりに定めた。
表4に示した結果から、固体含有量は、この結合剤組成物をたとえばラミネートおよびシャッタリングフィルムなどの含浸適用に用いるために好適なレベルであることが分かる。水許容性は、ラミネートに対して用いられていた従来のフェノール−ホルムアルデヒド結合剤組成物に対するものよりも良好である。
実施例6−リグニンの処理、および結合剤組成物の生成のための活性化リグニンの使用
この実施例においては、最初にリグニンをフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。以下の成分およびそれらの量を使用した。
Figure 2017505287
最初に水およびフェノールの組成物を形成した。次いで、その組成物の温度を約40℃に保ち、かつ組成物のpHを5.5未満の値に保ちながら、リグニンを組成物に撹拌しながらゆっくり加えた。
すべてのリグニンを加えたとき、組成物の温度を約70〜75℃に保ちながら組成物に水酸化ナトリウムを加えた。組成物のpHを8.5未満の値に保った。次いで、90℃の温度にて組成物の加熱を10分間続けた。
上述のとおりに処理したリグニンを、その後結合剤組成物を生成するために用いた。上で形成した組成物に、568gのパラホルムアルデヒドを段階的なやり方で加えた。その後、組成物のpHを測定して、約8の値を有するようにした。形成した組成物を約76℃の温度で加熱し、その加熱を1時間45分続け、その間に回転式粘度計を用いて25℃にて測定した粘度が930cPに増加した。
その後、形成した結合剤組成物を分析した。分析の結果を表5にみることができる。
Figure 2017505287
表5において、MRは分子の比率、すなわちmol(パラホルムアルデヒド)/mol(フェノール+リグニン)の比率を表す。表5において、WTは水許容性を表し、すなわち樹脂が沈殿し始める前に樹脂にどれほどの水を加え得るかを示す。
ゲル化時間は、実施例1に対して上述したとおりに定めたが、ただし130℃の温度を用いた。
形成した結合剤組成物を用いて、冷却した結合剤組成物に、結合剤組成物の重量に基づいて約2重量%のジエチレングリコール(diethylene glycol:DEG)を加え、次いで結合剤組成物の重量に基づいて1重量%未満のグリコール酸を加えることによって、プリプレグを調製した。
実施例7−ロックウールの形成
この実施例においては、最初にリグニンをフェノールおよび水酸化ナトリウムで処理した。以下の成分およびそれらの量を使用した。
Figure 2017505287
最初に水およびフェノールの組成物にリグニンを加えた。この組成物に、45.4gのホウ砂を段階的なやり方で加えた。ホウ砂は、ロックウールにおいて耐火性を高め、かつ防カビ剤の働きをするために一般的に使用される製品である。ホウ砂は、リグニンを溶解してフェノールおよびNaOHと反応させる反応には関与しない。ホウ砂は、ポリマーマトリックス内での均一な分布を確実にするためにプロセスの最初に組成物に加えてもよいが、結合剤組成物形成後にのみ加えてもよい。ホウ砂を加えた後に、組成物に水酸化ナトリウムを加えた。この組成物にリグニンを溶解するときの組成物の温度は、約20〜42℃であった。
その後、温度を約65℃に上昇させて、組成物のpHを約10に保ちながら、約1時間にわたってリグニンをフェノールおよび水酸化ナトリウムと反応させた。
上の手順によってリグニンを活性化した後、組成物に1093.5gのホルムアルデヒドを加え、組成物を65℃の温度にて約2.5時間加熱した。pHを約8.8に保った。次いで組成物を40℃の温度に冷却し、組成物の重量に基づいて約1重量%のホウ酸を加え、その後に組成物の重量に基づいて約4〜5重量%の尿素を加えた。
技術の進歩とともに、本発明の基本的アイデアがさまざまなやり方で実現され得ることが当業者には自明である。よって本発明およびその実施形態は、上述の実施例に限定されず、それらは請求項の範囲内で変化してもよい。

Claims (24)

  1. リグニンを処理するための方法であって、前記方法は以下のステップ:
    a)組成物の温度を0〜60℃に保ちながら、フェノールのクラスから選択される化合物を含有する水性組成物にリグニンを溶解するステップと、
    b)前記組成物の温度を60〜100℃に保ち、かつ前記組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら、前記組成物を反応させるステップと
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記フェノールのクラスから選択される前記化合物は、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. ステップb)は前記組成物をアルカリと反応させるステップを含み、前記アルカリはアルカリ金属の水酸化物を含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. ステップa)における前記組成物の温度は、好ましくは15〜55℃、より好ましくは20〜50℃、およびさらにより好ましくは30〜45℃に保たれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップa)における前記組成物のpHは4〜10のpH値、好ましくは4.5〜9.5のpH値、より好ましくは5〜9のpH値、およびさらにより好ましくは5.5〜8.5のpH値に保たれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップb)における前記組成物のpHは好ましくは6〜10のpH値、より好ましくは6.5〜9.5のpH値、およびさらにより好ましくは7〜9のpH値に保たれる、請求項5に記載の方法。
  7. ステップa)における前記組成物のpHは4〜14のpH値、好ましくは7〜13.5のpH値、およびより好ましくは8.5〜13のpH値に保たれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップb)における前記組成物のpHは好ましくは7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、およびさらにより好ましくは10〜13のpH値に保たれる、請求項7に記載の方法。
  9. ステップb)において、前記組成物は好ましくは70〜95℃の温度、およびより好ましくは75〜90℃の温度で加熱される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 結合剤組成物を生成するための方法であって、前記方法は以下のステップ:
    a)組成物の温度を0〜60℃に保ちながら、フェノールのクラスから選択される化合物を含有する水性組成物にリグニンを溶解するステップと、
    b)前記組成物の温度を60〜100℃に保ち、かつ前記組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら、前記組成物を反応させるステップと、
    c)ステップb)において形成された前記組成物を架橋剤と混合し、前記組成物のpHを6〜14のpH値に保ちながら前記組成物を60〜100℃の温度で加熱するステップと
    を含むことを特徴とする、方法。
  11. ステップc)は、前記組成物を好ましくは65〜95℃の温度、より好ましくは70〜90℃の温度、およびさらにより好ましくは75〜85℃の温度で加熱するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. ステップa)における前記組成物のpHは4〜10のpH値、好ましくは4.5〜9.5のpH値、より好ましくは5〜9のpH値、およびさらにより好ましくは5.5〜8.5のpH値に保たれる、請求項10〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ステップb)における前記組成物のpHは好ましくは6〜10のpH値、より好ましくは6.5〜9.5のpH値、およびさらにより好ましくは7〜9のpH値に保たれる、請求項12に記載の方法。
  14. ステップa)における前記組成物のpHは4〜14のpH値、好ましくは7〜13.5のpH値、およびより好ましくは8.5〜13のpH値に保たれる、請求項10〜11のいずれか一項に記載の方法。
  15. ステップb)における前記組成物のpHは好ましくは7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、およびさらにより好ましくは10〜13のpH値に保たれる、請求項14に記載の方法。
  16. ステップc)における前記組成物のpHは好ましくは6〜10のpH値、より好ましくは6.5〜9.5のpH値、およびさらにより好ましくは7〜9のpH値に保たれる、請求項10〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. ステップc)における前記組成物のpHは好ましくは7〜14のpH値、より好ましくは9〜13.5のpH値、およびさらにより好ましくは10〜13のpH値に保たれる、請求項10〜15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記架橋剤はアルデヒドであり、好ましくはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、またはそれらの組み合わせである、請求項10〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 結合剤組成物の生成のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって処理されたリグニンの使用。
  20. 請求項10〜18のいずれか一項に記載の方法によって得ることのできる、結合剤組成物。
  21. 請求項20に記載の結合剤組成物を含む、接着性組成物。
  22. ラミネート、好ましくは高圧ラミネートを製造するための、請求項13または請求項16に記載の方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用。
  23. 鋳造材料、保護コーティング、摩擦材料、研磨材料、グラスウール、ロックウール、プリプレグ、シャッタリングフィルム、オーバーレイ、成形構成要素、または繊維強化複合物を製造するための、請求項13または請求項16に記載の方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用。
  24. パーティクルボード、配向性ストランドボード、チップボード、イントララム、グルーラム、ハードボード、ウエハーボード、ファイバーボード、合板、または木材接着剤を製造するための、請求項15または請求項17に記載の方法によって得ることのできる結合剤組成物の使用。
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