JP2005060561A - ポリエステル製造触媒、それを用いたポリエステル組成物およびそれを用いたポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル製造触媒、それを用いたポリエステル組成物およびそれを用いたポリエステル組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエステル内で触媒化合物が析出せず、得られるポリエステルの黄色味が抑えられ、しかもポリエステル製造時の反応性に優れる触媒化合物およびそれを用いた改質されたポリエステル組成物の提供。
【解決手段】テレフタル酸ジメチルに対する13C−NMRスペクトルから求められる触媒活性パラメータ(W)が0.85以上である金属元素を含有するアルコキシド化合物およびそれを製造触媒として用いたポリエステル組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルを製造するのに適した触媒化合物、これを用いたポリエステル組成物およびポリエステル組成物の製造方法に関する。
ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートに代表されるように、力学特性、耐熱性、耐候性、耐電気絶縁性、耐薬品性に優れ、フィルム、繊維、ボトル、その他の成形品として広く使用されている。ポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある。)で説明すると、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル化反応(以下、DEと称することがある。)もしくはエステル交換反応(以下、EIと称することがある。)によりビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを製造し、次いで高温・高真空下で重縮合反応を行うことにより工業的に製造できる。
一般にポリエステルの製造には、反応を円滑に進行させる目的で触媒化合物が用いらる。この触媒化合物としては、種々の金属化合物が知られており、中でも、EI反応には二酸化マンガンが、重縮合反応には三酸化アンチモンが広く使用されている。しかしながら、これらの二酸化マンガンや三酸化アンチモンは、得られるポリエステルに析出物が発生しやすく、工程調子を悪化させたり、成形品品質を悪化させたりする。
そこで、EI触媒として、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属を使用することが特開平6−340734号公報(特許文献1)で提案されている。しかし、これらのアルカリ土類金属からなる化合物も完全にはポリエステルに溶解しないため、析出物は減少しているもののさらなる改善が必要であった。また、特公昭47−15703号公報では、アンチモン化合物以外の重縮合触媒として、ゲルマニウム化合物を用いる事も提案されている。しかし、ゲルマニウム化合物を使用した場合、副反応としてジエチレングリコールが生成しやすくポリマー軟化点の制御が困難であったり、ゲルマニウム化合物が極めて高価であることから、生産コストを引き上げるという問題がある。また特開平特開昭52−33996号公報では、触媒としてチタン化合物を用いる方法が提案されている。チタン化合物は高活性かつ安価であるが、得られるポリエステルが黄色味を帯びるという問題がある。この問題は、チタン化合物の添加量が多い程、顕著となる傾向にあり、チタン化合物を使用する場合は、その添加量を極力低くする事が必要である。しかし、単純にチタン化合物の添加量を下げるとポリエステル製造時の反応性が不足し、所望の品質を有するポリエステルを得ることが出来ない。そのため、チタン化合物の使用には、得られるポリエステルの黄色味を抑えつつ、ポリエステル製造時の反応性を高度に維持するという二律背反の問題が潜在していた。
特開平6−340734号公報 特公昭47−15703号公報 特開昭52−33996号公報
本発明の課題は、ポリエステル内で触媒化合物が析出せず、得られるポリエステルの黄色味が抑えられ、しかもポリエステル製造時の反応性に優れる触媒化合物を提供すること、およびそれを用いた析出物および黄色味の発現が抑えられたポリエステル組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題を解消すべくポリエステル内で析出せず、また少量で極めて高い活性を有する触媒について鋭意研究した結果、芳香族ジカルボン酸と混合したときに、芳香族ジカルボン酸の13C−NMRスペクトルの変化が、触媒の活性と大きく関与していることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、本発明の第一の目的は、下記一般式(I)
M(OR)n (I)
(ここで、Mは金属元素、nは金属価数、Rはアルキル基を示す。)
で示される金属元素を含有するアルコキシド化合物であって、
テレフタル酸ジメチルに対する13C−NMRスペクトルから求められる触媒活性パラメータ(W)が0.85以上であるポリエステルの製造に用いる触媒化合物によって達成される。
また、本発明の触媒化合物は、その好ましい態様として(1)テレフタル酸ジメチルと混合したとき、テレフタル酸ジメチルの13C−NMRスペクトルのピーク数が増加すること、(2)炭素数3〜10のアルキル基が分岐構造を有すること、(3)金属元素がチタンおよびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることのいずれかを具備する触媒化合物も包含する。
さらにまた、本発明によれば、上記本発明の触媒化合物を、ポリエステルの全ジカルボン酸成分に対して、金属元素換算で、1〜5ミリモル%含有するポリエステル組成物、好ましくはポリエチレンテレフタレート組成物も提供される。また、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とジオールもしくはそのエステル形成性誘導体とを反応させてポリエステルを製造する際に、触媒として本発明の触媒化合物を、全ジカルボン酸成分に対して、金属元素換算で1〜5ミリモル%用いるポリエステル組成物の製造方法も提供される。
本発明によれば、少なくとも1種の金属元素を含有し、芳香族ジカルボン酸化合物の13C−NMRピーク数を変化させる高活性の触媒化合物と、該触媒化合物を用いることにより析出物抑制性および色相に優れたポリエステルを得ることができる。
本発明の触媒化合物について、以下に詳しく説明する。
本発明の触媒化合物は、下記一般式(I)で表わされる化合物である。
M(OR)n (I)
上記式(I)中の、Mは金属元素を示す。本発明の触媒化合物を構成する金属元素としては、ジルコニウム元素、チタン元素およびアルミニウム元素が挙げられ、それらの中でも、析出物やジエチレングリコールの発生が少ないことから、チタン元素およびアルミニウム元素が好ましく、特にチタン元素が好ましい。また、上記式(I)中の、nはMの金属価数を示し、Rはアルキル基をそれぞれ示す。
本発明の触媒化合物は、芳香族ジカルボン酸化合物との混合溶液として13C−NMR測定を行った際、芳香族ジカルボン酸化合物のピークを大きく変化させることを特徴とする。ここでいうNMRスペクトルに現れるピーク変化とは、芳香族ジカルボン酸化合物の単独スペクトルには観測されない新規のピークが得られることを指す。
具体的には、テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと称することがある。)および触媒化合物を溶解したD化クロロホルム(CDCl)混合液の13C−NMRを測定し、DMTのカルボニル炭素に帰属するピークの積分強度(以下、SBと称することがある。)で、触媒化合物によって新たに発生したピークの積分強度(以下、SAと称することがある。)で割った値(以下、触媒活性パラメータまたは単にWと称することがある。)が0.85以上であることを特徴とする。好ましい触媒活性パラメーターは0.90以上、さらに0.95以上である。理論的な触媒活性パラメータの上限は1であり、Wの範囲は1に近いほど高活性となり好ましい。
触媒活性パラメーターが0.85未満であると、触媒化合物の活性が乏しく、色相を向上させるために触媒量を減らすと得られるポリエステル組成物の機械的特性が低下し、一方ポリエステルの製造時の反応性を高めると触媒量が多くなり、ポリエステル中に析出物が発生したり色相が悪化(黄色味がつく)してしまう。
触媒化合物の触媒活性パラメータを0.85以上にするには、例えば、触媒化合物に含まれるアルキル基の炭素数を3〜10の範囲にすることやアルキル基の分子鎖中に分岐構造を持たせることなどが挙げられる。好ましいアルキル基は、イソプロピル基,イソブチル基,s−ブチル基,t−ブチル基,イソペンチル基,イソヘキシル基が挙げられ、それらの中でもイソプロピル基,2−エチルヘキシル基が好ましい。なお、触媒化合物の金属元素に付加する複数のアルコキシド基は、それぞれ構造の異なるアルコキシド基でも、構造の全く同じアルコキシド基であってもよい。
つぎに、本発明のポリエステル組成物の製造方法について説明する。
通常、ポリエステル組成物は、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とジオールもしくはそのエステル形成性誘導体とをエステル化反応またはエステル交換反応させ、さらに重縮合反応させることで製造される。そして、本発明の特徴は、エステル化反応、エステル交換反応または重縮合反応のいずれかで少なくとも使用される触媒として、上述の本発明の触媒化合物を、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分に対して、金属元素換算で1〜5ミリモル%の範囲で使用することにある。
触媒化合物の使用量が下限未満だと、本発明の触媒化合物を用いてもポリエステル製造時の反応性が乏しく、一方、上限を超えると本発明の触媒化合物を用いても得られるポリエステルが黄色味がかるなど色相の悪化を引き起こす。好ましい触媒化合物の使用量は2〜4ミリモル%である。
本発明の製造方法におけるジカルボン酸としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸などが挙げられ、ジオールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどが挙げられる。また、エステル形成性誘導体とは、炭素数1〜3のアルキル基が付加したアルキルエステルが挙げられる。
本発明の製造方法で得られるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、本発明におけるポリエステルは、他の第三成分を共重合したポリエステルであっても良い。上記第3成分(共重合成分)は、ジカルボン酸成分またはグリコール成分のいずれでもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合、ジカルボン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等が第三成分として例示でき、これらは単独または二種以上を併用してもよい。
本発明では、発明の効果を損なわない範囲において、耐熱性を向上させる目的で種々の安定剤を添加することができる。安定剤としては、例えばリン化合物が広く用いられており、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスホネート化合物及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また二種以上併用してもよい。これらのリン化合物の中でも、触媒化合物との反応性が低い点で特に下記一般式(II)で表されるホスホネート化合物が好ましい。
Figure 2005060561
(上記式中、RおよびRは、同じかまたは異なっていてよくかつ炭素数原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−または―CH(Y)を示す(Yは、フェニル基を示す))
これらリン化合物の添加時期は、エステル交換反応またはエステル化反応が実質的に終了した後であればいつでもよく、例えば、重縮合反応を開始する以前の大気圧下でも、重縮合反応を開始した後の減圧下でも、重縮合反応の末期でもまた、重縮合反応の終了後、すなわちポリマーを得た後に添加してもよい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法について、さらにポリエチレンテレフタレートを例にとって詳述する。
一般的にエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルの原料としてテレフタル酸に代表される芳香族ジカルボン酸を用いる製造方法とジメチルテレフタレートに代表される芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体を原料として用いる二つの方法が知られている。本発明におけるポリエステルは、その製造方法により特に制限はないが、好ましくは原料物質としてジメチルテレフタレートが全ジカルボン酸成分の80mol%以上である、エステル交換反応を経由する製造方法である。ジメチルテレフタレートを原料物質とする製造方法では、0.05〜0.20MPaの加圧下にて実施する方法がより好ましい。エステル交換反応時の圧力が、0.05Mpa以下では、触媒作用による反応の促進が充分でなく、一方0.20MPa以上では、副生成物として発生するジエチレングリコールのポリマー中の含有量が著しく増加し、ポリマーの熱安定性等の特性が劣ってしまう。
最後に、本発明のポリエステル組成物について説明する。
本発明のポリエステル組成物は、上述の本発明の製造方法によって得られる。本発明のポリエステル組成物の固有粘度(ο−クロロフェノール、35℃)は、0.50〜0.80の範囲にあることが好ましく、さらに0.55〜0.75、特に0.60〜0.70の範囲が好ましい。固有粘度が0.50未満であると、成形加工品、例えばフィルムの耐衝撃性が不足するため好ましくない。他方、固有粘度が0.80を超えると、原料ポリマーの固有粘度を過剰に引き上げる必要があり不経済である。
また、本発明のポリエステル組成物は、本発明を阻害しない範囲で滑剤として不活性粒子を含有させてもよい。例えばフイルム成形用ポリエステル樹脂としては、平均粒径0.01〜5.0μmの滑剤を0.02〜5.0重量%添加するのが好ましい。本発明において、使用する不活性粒子は特に限定されず、例えば無機粒子としてはコロイダルシリカ、多孔質シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、カオリン、複合酸化物粒子等が挙げられ、有機粒子としては架橋ポリスチレン、アクリル系架橋粒子、メタクリル系架橋粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。また、繊維用ポリエステル樹脂組成物として、二酸化チタン、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色相改良剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加えることができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。触媒化合物の活性および得られるポリエステルの特性は下記の方法で測定、評価した。
(1)NMR測定
D化クロロホルム(CDCl)に対し、5モル%のテレフタル酸ジメチル(DMT)およびDMTと等モル量の触媒化合物を溶解した混合液を、10φのNMR試料管に入れて13C−NMR測定を行った。測定は日本電子製JEOL−A400を用いて、周波数400MHzで、室温で行った。積算回数は1000回とした。
(2)触媒活性パラメータ(W)の算出
得られたNMRスペクトルのうち、DMTカルボニル炭素に帰属されるピークについて、積強度を求め、下記式に従い触媒活性パラメータ(W)を算出した。なお、DMTカルボニル炭素に帰属されるピークは、上記(1)のNMR測定を行ったのと同じサンプルを60℃に昇温してから再度上記(1)のNMR測定を行うとピーク強度が減少することから判別できる。
W=SA/SB
W=(新規ピークの積分強度合計)/(カルボニル炭素原子に由来する全ピークの積分強度)
ここで、上記式中のWは触媒活性パラメータ、SBはDMTのカルボニル炭素に帰属するピークの積分強度で、SAは触媒化合物によって新たに発生したピークの積分強度を意味する。
(3)極限粘度(IV)
ポリエステル0.6gをオルトクロロフェノール50ml中に、加熱溶解した後、一旦冷却させ、その溶液をオストワルド式粘度管を用いて35℃の温度条件で測定した溶液粘度から算出した。
(4)色相(Col)
粒状のポリマーサンプルを160℃にて90分乾燥機中で熱処理し、結晶化させた後、カラーマシン社製CM―7500型カラーマシンで測定した。
(5)金属含有濃度分析
ポリエステルを280℃で加熱溶融し、円形ディスクを作成し、蛍光X線装置(リガク製;3720型)を用いて金属元素濃度を測定した。
(6)析出粒子数
精秤したポリエステル0.1gを溶解液(ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム=50/50混合液)に1昼夜浸漬し、3μm孔径テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(ろ過面積=7.1cm)でろ過する。次いで乾燥させたろ紙上の残渣物を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S3100型)を用いて1μm以上の粒子個数をカウントし、単位重量当りの粒子個数に換算した。
[比較例1]
テレフタル酸ジメチル(DMT)100部とエチレングリコール(EG)70部の混合物に、テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)をDMTに対して3ミリモル%添加し、加圧反応が可能なSUS製容器に仕込み、0.07MPaの加圧を行い140℃から240℃に昇温し、発生するメタノールとエチレングリコールを系外に留去しながら、エステル交換反応を4時間行い反応を完結させた。その後、トリエチルホスホノアセテート(TEPA)をDMTに対して20ミリモル%添加しエステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物を重縮合反応容器に移し、290℃まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空下で重縮合反応を行い、固有粘度(IV)が0.60のポリエステルを得た。重縮合反応時間は140分であった。使用した触媒化合物および得られたポリエステルの品質を表1に示す。
[実施例1]
比較例1において、触媒化合物をテトラ−i−プロポキシチタネート(TiPT)に変更する以外は、比較例1と同様の方法でIVが0.65のポリエステルを得た。使用した触媒化合物および得られたポリエステルの品質を表1に示す。
[実施例2]
原料物質をテレフタル酸ジメチルからテレフタル酸(PTA)に変更し、PTA100部とEG70部とを混合して調製されたスラリーを一定速度でSUS反応容器に仕込み、常圧下で255℃まで昇温し、発生する水とエチレングリコールを系外に留去しながら、エステル化反応を4時間行い完結させた。この時のエステル化率は98%以上であり、生成されたオリゴマーの重合度は約6であった。その後、反応性生物を重縮合反応容器に移し、重縮合触媒として、テトラ−i−プロポキシチタネート(TiPT)をPTAに対して1ミリモル%添加し、次いでトリエチルホスホノアセテート(TEPA)をPTAに対して10ミリモル%添加した。その後、0.2mmHg以下の高真空下で重縮合反応を行い、固有粘度(IV)が0.65のポリエステルを得た。使用した触媒化合物および得られたポリエステルの品質を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、触媒化合物をテトラ−2−エチルヘキシチタネート(TiHT)に変更する以外は、実施例1と同様の方法でIVが0.65のポリエステルを得た。使用した触媒化合物および得られたポリエステルの品質を表1に示す。
[比較例2および3]
比較例1において、触媒化合物を表1の化合物に変更する以外は、比較例1と同様の方法でIVが0.65のポリエステルを得た。使用した触媒化合物および得られたポリエステルの品質を表1に示す。
[比較例4]
テレフタル酸ジメチル(DMT)100部とエチレングリコール(EG)70部の混合物に、酢酸マンガンををDMTに対して3ミリモル%添加した混合物をSUS製容器に仕込み、常圧下で220℃に昇温しながら発生するメタノールとエチレングリコールを系外に留去し、エステル交換反応を4時間行い反応を完結させた。その後、トリエチルホスホノアセテート(TEPA)、三酸化アンチモンをDMTに対してそれぞれ30,20ミリモル%添加しエステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物を重縮合反応容器に移し、300℃まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空下で重縮合反応を行い、固有粘度(IV)が0.65のポリエステルを得た。重縮合反応時間は140分であった。使用した触媒化合物および得られたポリエステルの品質を表1に示す。
Figure 2005060561
表1中の、新規NMRピーク数はDMT中に触媒化合物を存在させることによって発生した新規ピーク数、IVは固有粘度、Tiはチタン元素、Pはリン元素、Sbはアンチモン元素、DMTはテレフタル酸ジメチル、PTAはテレフタル酸、EGはエチレングリコールである。
表1から明らかなように、少なくとも1種の金属元素を含有し、芳香族ジカルボン酸化合物の13C−NMRピーク数を変化させる触媒化合物を用いれば析出粒子の少ない、しかも優れた色相を有するポリエステルを得ることができる。
実施例1の触媒化合物を室温でDMTに分散させたときの13C−NMRの測定チャートの概略図である。 比較例1の触媒化合物を室温でDMTに分散させたときの13C−NMRの測定チャートの概略図である。 触媒化合物を分散させていないDMTの室温での13C−NMRの測定チャートの概略図である。
符号の説明
1 DMTカルボニル炭素に帰属するピーク
2 触媒化合物によって新たに発生したピーク

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)
    M(OR)n (I)
    (ここで、Mは金属元素、nは金属元素Mの金属価数、Rはアルキル基を示す。)
    で示される金属元素を含有するアルコキシド化合物であって、
    テレフタル酸ジメチルに対する13C−NMRスペクトルから求められる触媒活性パラメータ(W)が0.85以上であることを特徴とするポリエステルの製造に用いる触媒化合物。
  2. テレフタル酸ジメチルと混合したとき、テレフタル酸ジメチルの13C−NMRスペクトルのピーク数が増加する請求項1記載の触媒化合物。
  3. 炭素数3〜10のアルキル基が分岐構造を有する請求項1記載の触媒化合物。
  4. 金属元素がチタンおよびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の触媒化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒化合物を、ポリエステルの全ジカルボン酸成分に対して、金属元素換算で、1〜5ミリモル%含有するポリエステル組成物。
  6. ポリエステル組成物を構成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである請求項5記載のポリエステル組成物。
  7. ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とジオールもしくはそのエステル形成性誘導体とを反応させてポリエステルを製造する際に、触媒として請求項1〜4のいずれかに記載の触媒化合物を、全ジカルボン酸成分に対して、金属元素換算で1〜5ミリモル%用いることを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
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