JP2005059738A - 脱着式車両用シート装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ストライカ14,15が進入可能なストライカ進入溝28a,29aを有し、ストライカ進入溝28a,29aに進入したストライカを抜け止め可能なロック機構u1,u2を、車両シートSの底面の前後に設け、前後のロック機構の一方のロック機構のストライカ進入溝に、床面に前後に並べて設けられたストライカのうちの一方のストライカ14を進入させ、その後に、他方のロック機構のストライカ進入溝に、他方のストライカ15を進入させて抜け止めすることにより、車両シートをそのシートクッション20が略水平となる状態で床面に脱着可能とすることができる。
【選択図】 図2
Description
そして、後側のロック機構のフックと後部ストライカが係合して該係合状態を保持し、かつ、前側のロック機構と前部ストライカが係合して該係合状態を保持することにより、シートはシート使用位置に装着される。
そして、走行中の車両が急ブレーキを掛けた場合等には、着座者に前向きの慣性力が掛かり、この慣性力はシートベルトからバックルに伝わり、さらに、サイドフレームを介して補強材に伝わる。
また、このように補強材とサイドフレームをボルトをもって固定すると、部品点数が増加してコスト高になるとともに、ボルトの締結スペースが必要になってしまう。
図1から図3に示すように、車両10内の床面11には、シートSを設置するためのシート設置面12と、シート設置面12の直後に位置する格納用凹部13とが設けられている。シート設置面12には、3個のストライカ14、15が突設されている。即ち、シート設置面13の後部に、互いの前後方向位置を同じとして設けられた左右一対の後部ストライカ(一方のストライカ)14と、シート設置面12の前部の左右方向の中央部に設けられた一つの前部ストライカ(他方のストライカ)15である。
図1に示すように、シートSは、車両の後部座席であり、着座者の尻部を支えるシートクッション20と、着座者の背部を支えるシートバック21とを有しており、シートクッション20の内部とシートバック21の内部にはそれぞれ、ともに金属製のシートクッションフレーム22(図4及び図5参照)と、左右一対のシートバックフレーム(図示略)が埋設されている。
図4及び図5に示すように、シートクッションフレーム22は、左右一対のサイドフレーム23と、左右のサイドフレーム23の前端同士を接続する前部連結部材24と、サイドフレーム23の後端同士を接続する棒状の連結パイプ25と、サイドフレーム23の前端部の上面間に架設された前部連結板26と、前部連結板26と連結パイプ25とを連結する左右一対の棒状補強材27とを具備している。
さらに、シートS内には、常時はロック状態にあり、図示を省略した開放スイッチを操作するとアンロック状態に切り替わる角度保持機構(図示略)が設けられている。この角度保持機構がロック状態のときはシートバック21の回動が規制され、アンロック状態になるとシートバック21の回動が許容される。シートバック21は、図2及び図1の実線に示す起立位置と図3及び図1の仮想線に示す前傾位置との間を回動可能であり、シートバック21を起立位置に移動させた状態で開放スイッチを操作しなければ、シートバック21は起立位置に保持される。一方、開放スイッチを操作すると、角度保持機構がアンロック状態となるので、シートバック21を前傾位置に向けて回動可能となる。
また、基部材28の後端部と補助部材29の対向面間には、左右方向を向く回転軸31が架設されており、該回転軸31には後部ストライカ14と係脱可能な係合溝32aと腕部32bを有するフック32が枢着されている。
そして、以上説明した、ストライカ進入溝28b、29a、案内溝28c、フック32、連結ピン33、リンク部材34、回転軸35、回動片36、トーションばね37、及び連結ピン38により、後部ロックユニット(後側のロック機構)U1が構成されている。
そして、上記の取付板40、ロック用ブラケット42(ストライカ進入溝42a)、フック46、ポール47、トーションばね48、49、牽引ワイヤW、及びロック解除スイッチにより前部ロックユニット(揺動式ロック機構)U2が構成されている。
また、図4及び図5に示すように、右側のサイドフレーム23の前端部の内側面には、エアシリンダ60のシリンダ本体61の前端部が、左右方向の軸回りに回転可能として枢着されており、そのロッド62の後端部が、右側の回動アーム50の中間部に、左右方向の軸回りに回転可能として枢着されている。このエアシリンダ60のロッド62は、常時、シリンダ本体61から突出する方向に付勢されているので、シートクッション20と回動アーム50の開き角度は、自由状態では図2及び図4に示す状態にある。
まず、シート使用位置から離れた位置にあるシートSを格納位置に移動させて、さらに格納位置に保持する動作について説明する。
シートSのシートバック21を前傾位置に移動させ、かつ、エアシリンダ60の付勢力に抗してシートクッション20と回動アーム50の開き角度を狭めながら、回動アーム50を後方に回動させて、シートSを後方の回動端まで回動させると、シートSは、シートS全体が格納用凹部13内に位置して、シートクッション20の下面が格納用凹部13の底面に接触する格納位置に位置する(図1の仮想線及び図3参照)。この際、シートSの前部ロックユニットU2のフック46はアンロック位置にあるので、シートSが格納位置に移動すると、図3及び図11に示すように、格納位置保持用ストライカ54が、前部ロックユニットU2のストライカ進入溝42に進入してフック46の係合溝46aと係合し、フック46が反時計方向に回転する。さらにフック46は、その係合部46cがポール47の外周面と摺接しながら反時計方向に回転し続け、図11に示すロック位置に達すると、格納位置保持用ストライカ54がストライカ進入溝42の終端部に位置するとともに、係合部46cにポール47の被係合部47aが係合して、フック46がロック位置に保持される。このようにフック46がロック位置に保持されると、フック46の腕部46bが、格納位置保持用ストライカ54と係合しつつ、ストライカ進入溝42の開放端部を塞ぐので、シートSは格納位置から移動不能となる。
まず、ロック解除スイッチを操作して、牽引ワイヤWを牽引する。すると、ポール47が時計方向に回転し、被係合部47aと係合部46cの係合が解除されるので、フック46はトーションばね48の付勢力によりアンロック位置に向けて回動する。このため、シートSを前方に向けて回動させれば、格納位置保持用ストライカ54がストライカ進入溝42aから脱出する。
この場合、従来であれば、側方から見たときの前部ストライカ15と後部ストライカ14の前後方向距離L(図2参照)と、後部ロックユニットU1のストライカ進入溝28b、29aと前部ロックユニットU2のストライカ進入溝42aの前後方向距離が一致していないと、前部ストライカ15が前部ロックユニットU2のストライカ進入溝42aにスムーズに進入できなかった。
しかし、本実施形態の前部ロックユニットU2のロック用ブラケット42は揺動ピン43回りに揺動可能となっているので、これらの距離に多少のずれがあっても、前部ストライカ15をストライカ進入溝42aの開放側端部に少しでも接触させれば、ロック用ブラケット42が揺動し、前部ストライカ15はストライカ進入溝42aの終端側にスムーズに進入する。
このように、前後のストライカ14、15と前後のロックユニットU1、U2をそれぞれ係合させると、シートSはシート使用位置に保持される(図1の実線及び図2参照)。
そして、この後に、シートSを後方に向けて回動させれば、後部ストライカ14と前部ストライカ15がストライカ進入溝28b、29aとストライカ進入溝42aからそれぞれ脱出するので、シートSを格納位置に戻すことができる。
なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符号を付すに止め、その詳細な説明は省略する。
さらに、前部ロックユニットU2のロック用ブラケット42(図12及び図13では図示略)を取付板40に固着した点(即ち、取付板40には揺動孔41は設けられておらず、ロック用ブラケット42には揺動ピン43は設けられていない)、及び、格納位置保持用ストライカ54(図12及び図13では図示略)が、左右の固定用ブラケット52に対して前後方向に回動可能となっている点も、本実施形態の特徴である。
シート使用位置から離れた位置にあるシートSを格納位置に移動させるには、第1の実施形態と同様に、シートバック21を前傾位置に移動させてから、シートSを後方に向けて格納位置まで回動させる。このときシートSの前部ロックユニットU2のフック46はアンロック位置にあるので、シートSが格納位置に達した際に、前部ロックユニットU2のストライカ進入溝42aが格納位置保持用ストライカ54に少しでも進入すれば、格納位置保持用ストライカ54は前後方向に揺動しながらストライカ進入溝42aの終端側に円滑に進入する。そして、格納位置保持用ストライカ54によって反時計方向に回転付勢されたフック46がロック位置に移動することにより、シートSを格納位置に円滑かつ確実に保持することができる。
しかし、本実施形態では上述したように、後部ストライカ14がストライカ進入溝28b、29a内で移動可能となっているので、この状態からシートSを前後方向に移動させることにより、ストライカ進入溝42aの回動軌跡上に前部ストライカ15を位置させる調整を行うことができる。そして、このような調整を行った後に、前部ストライカ15をストライカ進入溝28b、29aに進入させれば、前部ロックユニットU2と前部ストライカ15を円滑かつ確実にロックさせることができる。
このように、前後のストライカ14、15と前後のロックユニットU1、U2をそれぞれ係合させると、シートSはシート使用位置に保持される。
11 床面
12 シート設置面
13 格納用凹部
13a 前壁
14 後部ストライカ(一方のストライカ)
15 前部ストライカ(他方のストライカ)
20 シートクッション
21 シートバック
22 シートクッションフレーム
23 サイドフレーム
24 前部連結部材
25 連結パイプ
26 前部連結板
27 棒状補強材
28 基部材(フレーム構成部材)
28a 切欠部
28b ストライカ進入溝
28c 案内溝
29 補助部材(フレーム構成部材)
29a ストライカ進入溝
30 バックル
31 回転軸
32 フック
32a 係合溝
32b 腕部
33 連結ピン
34 リンク部材
35 回転軸
36 回動片
36a 被押圧部
37 トーションばね
38 連結ピン
40 取付板
41 揺動孔
42 ロック用ブラケット
42a ストライカ進入溝
43 揺動ピン
44 45 回転軸
46 フック
46a 係合溝
46b 腕部
46c 係合部
47 ポール
47a 被係合部
48 49 トーションばね
50 回動アーム
51 回転軸(回動中心)
52 固定用ブラケット(固定部材)
53 連結部材(固定部材)
54 格納位置保持用ストライカ
60 エアシリンダ
61 シリンダ本体
62 ロッド
S シート
R 円周
T 接線
U1 後部ロックユニット(後側のロック機構)
U2 前部ロックユニット(揺動式ロック機構)
W 牽引ワイヤ
Claims (7)
- ストライカが進入可能なストライカ進入溝を有し、該ストライカ進入溝に進入したストライカを抜け止め可能なロック機構を、車両シートの底面の前後に設け、前後のロック機構の一方のロック機構のストライカ進入溝に、上記床面に前後に並べて設けられたストライカのうちの一方のストライカを進入させ、その後に、他方のロック機構のストライカ進入溝に、他方のストライカを進入させて抜け止めすることにより、上記車両シートを、そのシートクッションが略水平となる状態で、上記床面に脱着可能として取り付ける車両用シート装置において、
上記他方のロック機構を、左右方向を向く軸を中心に揺動自在な揺動式ロック機構としたことを特徴とする脱着式車両用シート装置。 - 請求項1記載の脱着式車両用シート装置において、
上記揺動式ロック機構によって上記他方のストライカが抜け止めされた際に、上記一方のストライカを中心とし上記他方のストライカを通る円周の、該他方のストライカを通る接線上に、上記揺動式ロック機構の揺動中心を位置させた脱着式車両用シート装置。 - 請求項1または2記載の脱着式車両用シート装置において、
上記固定式ロック機構が後側のロック機構であり、上記揺動式ロック機構が前側のロック機構である脱着式車両用シート装置。 - ストライカが進入可能なストライカ進入溝を有し、該ストライカ進入溝に進入したストライカを抜け止め可能なロック機構を、車両シートの底面の前後に設け、後側のロック機構のストライカ進入溝に、上記床面の後部に設けられた後部ストライカを進入させ、その後に、前側のロック機構のストライカ進入溝に、上記床面の前部に設けられた前部ストライカを進入させて抜け止めすることにより、上記車両シートを、そのシートクッションが略水平となる状態で、上記床面に脱着可能として取り付ける車両用シート装置において、
上記後側のロック機構のストライカ進入溝の長手方向寸法を、上記後部ストライカが該ストライカ進入溝内を移動可能な寸法に設定することにより、上記後側のロック機構のストライカ進入溝に後部ストライカが進入した後に、上記前側のロック機構のストライカ進入溝の位置を、上記前部ストライカが進入可能となる位置に移動可能としたことを特徴とする脱着式車両用シート装置。 - 請求項4記載の脱着式車両用シート装置において、
上記車両シートが、上記床面に向かって延出するに回動アームと、該回動アームの床面側端部に左右方向の軸回りに回転自在に枢着された固定部材とを備え、該固定部材を上記床面に固着することにより、上記車両シートを、上記床面に載置されるシート使用位置と上記床面に凹設した格納用凹部に収納される格納位置とに回動移動可能とした脱着式車両用シート装置。 - 請求項5記載の脱着式車両用シート装置において、
上記後側のロック機構のストライカ進入溝を、上記固定部材と上記回動アームの枢着軸を中心とし上記後部ストライカを通る円周の接線方向を向くようにした脱着式車両用シート装置。 - 請求項1から6のいずれか1項記載の脱着式車両用シート装置において、
上記シートのシートクッション内部に埋設された、左右一対の前後方向を向くサイドフレームを、該サイドフレームの長手方向を向く2つのフレーム構成部材を接合することにより構成し、該サイドフレームに、後側のロック機構のストライカ進入溝を形成し、かつ、該サイドフレームの側面に、車両に設けられたシートベルトのタングプレートと係脱自在なバックルを取り付けた脱着式車両用シート装置。
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