JP2005059220A - 耐熱性及び耐薬品性保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で、耐薬品性及び耐熱性に優れかつ厚さ均一性を保った、多層プリント配線基板の製造工程において使用するのに適した保護フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムである基材フィルム、及び、前記基材フィルムの少なくとも1つの面に溶剤キャストにより形成されたポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層を含む、耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムである基材フィルム、及び、前記基材フィルムの少なくとも1つの面に溶剤キャストにより形成されたポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層を含む、耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステルフィルム又はポリオレフィンフィルムの耐熱性および耐薬品性を向上させたフィルムに関し、より詳細には、ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムの少なくとも1つの面にポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層を有する耐熱性及び耐薬品性保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、多層プリント配線基板の製造工程において、電気回路パターン形成時にパターンを形成していない銅箔を保護し、又は、複数の銅張積層板を圧着する際にプリプレグのはみ出しを防止して、銅張積層板どうし及び銅張積層板とプレス板との接着を防止するために保護フィルムが使用されている。このような保護フィルムは、多層プリント配線基板の製造工程上、現像液、エッチング液及びレジスト剥離液などの薬品にさらされ、また、熱プレス時に高温にさらされる。このため、保護フィルムには耐薬品性とともに耐熱性が求められる。耐熱性保護フィルムは多数知られており、特に、上記のようなプリント基板製造の分野などにおいて多用されている。最近では、製品の生産性、信頼性の面から150℃、さらには180℃を越える耐熱性が求められている。
【0003】
特許文献1には4−メチル−1−ペンテン樹脂を用い、特許文献2には脂環式ポリオレフィン樹脂を用いたオレフィン系フィルムがプリント積層板製造用の離型フィルムとして開示されている。しかしながら、オレフィン系樹脂を保護対象物に直接的に接触させると、高温時にメルトフローして汚染したり、熱分解反応による部分分解物や酸化防止剤等の安定剤がフィルム表面にブリードアウトし、プレス板や基板を汚染するといった問題があった。
【0004】
また、耐熱性のある離型フィルムとしてフッ素樹脂系フィルムが用いられることがある。しかしながら、フッ素樹脂フィルムは膜厚精度が出にくく、膜厚均一性を必要とする分野には不向きである。また、高価であり、使用後の廃棄にも制約がある。
【0005】
保護フィルムとしては、ポリイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスチックを基材としたものが知られている。たとえば、ポリイミド基材とシリコーン系粘着剤を組み合わせた粘着テープがNo.360ULの商品名で日東電工株式会社より販売されている。また、特許文献3には多層プリント基板製造工程用の保護フィルムとしてポリフェニレンスルフィドのフィルムとシリコーン系粘着剤層とからなる保護フィルムが開示されている。スーパーエンジニアリングプラスチックフィルムは優れた耐熱性を持っているが、フッ素樹脂系フィルムと同様にかなり高価であり、低価格化が強く望まれている。
【0006】
一方、ポリフェニレンスルフィドやポリエチレンテレフタレートフィルムのような耐熱性フィルムと熱硬化再剥離性アクリル系粘着層とからなる保護フィルムが提案されている。ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、加工性、引裂き強度といった取り扱いのしやすさ、透明性、リサイクル性あるいは価格面などから基材フィルムとして多用されている。しかしながら、上記のような高温でのプレスを必要とする用途では、PETフィルム等のポリエステル樹脂は所望の温度よりも十分に高い融点を持っているにも関わらず、フィルム中に含まれるオリゴマーや熱分解反応による部分分解物が加熱プレス時にフィルム表面にブリードアウトし、プレス板や基板と接着してしまう問題があった。フィルム表面の耐熱性を向上する方法として、UV硬化樹脂によるコーティングが考えられ、これらは表面硬度を向上することはできるが、十分な耐薬品性をもったものはなかった。
【0007】
フィルムの耐熱性を向上する他の方法として、たとえば、特許文献4にはポリイミドをPETフィルムに溶剤コーティングしたフィルムが開示されている。しかしながら、ポリイミドを溶解することができるアミド系溶剤は沸点が高いので、膜形成後に残留した溶剤を容易に除去することができない。このため、残留溶剤除去のためには基材フィルムの耐熱性を大きく越えた高温での焼付けが必要であり、基材フィルムの物性を維持しながら膜厚均一性を保つことは困難であった。
【0008】
一方、ポリイミドよりは耐熱性が低いものの、耐熱性の高い樹脂の溶液キャスト法が知られている。例えば、特許文献5には、ポリエーテルスルホンを1,3−ジオキソランに溶解してキャストすることにより、アミド系高沸点溶剤や環境汚染や腐食の恐れのあるハロゲン系溶媒を使用せずに、フィルムを形成できることが開示されている。このような方法で形成されるフィルムは液晶表示装置における偏光板などの用途で使用できることが記載されているのみである。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−263724号公報
【特許文献2】
特開2001−233968号公報
【特許文献3】
特開平10−272700号公報
【特許文献4】
特開平1−97638号公報
【特許文献5】
特許第2991937号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、安価で、耐薬品性及び耐熱性に優れかつ厚さ均一性を保った、多層プリント配線基板の製造工程において使用するのに適した保護フィルムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1つの態様において、ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムである基材フィルム、及び、前記基材フィルムの少なくとも1つの面に溶剤キャストにより形成されたポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層を含む、耐熱性及び耐薬品性保護フィルムを提供する。
この保護フィルムは、ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムを基材フィルムとしているので安価に製造することができ、また、ポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層により、耐熱性及び耐薬品性が付与されている。また、基材フィルムは樹脂層の耐引き裂き性を改良する。
さらに、ポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層は、比較的に低い沸点の溶剤中の溶液から溶剤キャスト法で製造できるので、保護フィルムの厚さ均一性を保つことができる。さらに、基材フィルムであるポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムは高温でのプレスを行なったときに柔軟性を発揮するので、以下において詳述するような緩衝フィルムとしても作用することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の保護フィルムについて詳細に説明する。
ポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層
本発明の保護フィルムは溶剤キャスト法により形成されたポリエーテルスルホン(以下、「PES」ともいう)またはポリエーテルイミド(以下、「PEI」ともいう)樹脂層(以下、「耐熱樹脂層」ともいう)を有する。この耐熱樹脂層は、保護フィルムに耐熱性および耐薬品性を付与するものである。このようなフィルムは、例えば、プリント配線板製造時に用いられる水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ現像液、塩化銅、塩化鉄水溶液のようなエッチング液、黒化処理液、あるいはアルコールや炭化水素溶剤などの有機溶剤といった各種薬品に対して耐性を有するため、基板用の保護フィルム(マスキングテープ)として使用できる。また、ポリエーテルスルホンはそのガラス転移温度が約230℃であり、ポリエーテルイミドはそのガラス転移温度が約210℃であるから、これらの温度より低い温度では分解が起こらず、また、ぬれ広がることがない。例えばプリント配線板製造時に用いられる190℃、60Kg/cm2といった高温高圧で加圧された場合においても発泡、フロー、熱分解等を起こさず、プレス板や製造基板等の接触面への張り付きがなく、離型フィルムとして使用することができる。
【0013】
本発明の保護フィルムの樹脂層に好適に用いられるポリエーテルスルホンは、骨格において芳香族基がスルホン基およびエーテル基により結合されているものである。例えば、下記一般式(1)〜(3)
【0014】
(−Ar1 −SO2 −Ar2 −O−) (1)
(−Ar3 −X−Ar4 −O−Ar5 −SO2 −Ar6 −O−) (2)
(−Ar7 −SO2 −Ar8 −O−Ar9 −O−) (3)
(式(1)中、Ar1 、Ar2 は同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。式(2)中、Ar3 〜Ar6 は同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、Xは炭素数1〜15の二価の炭素水素基である。式(3)中、Ar7 〜Ar9 は同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。)からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホンが挙げられる。
【0015】
ここで、式(1)において好適なAr1 、Ar2 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられる。Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である場合が、製造面からも有利であり特に好適に用いられる。
【0016】
式(2)において、好適なAr3 〜Ar6 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられ、特に好適な例としてAr3 〜Ar6 はいずれもp−フェニレン基があげられる。また、Xは炭素数1〜15の二価の炭素水素基であり、炭素数1〜15の二価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基及びアラアルキレン基から選ばれる。好適には炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、アラアルキレン基であり、より好適には、炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、アラアルキレン基である。具体的にはメチレン基、1,1−エチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、4−メチル−2,2−ペンチレン基などの脂肪族炭化水素基、1, 1−シクロヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1, 1−シクロヘキシレン基などの脂環族炭化水素基、1−フェニル−1,1−エチレン基、ジフェニルメチレン基などのアラアルキレン基が例示できる。これらの中で2,2−プロピレン基がさらにより好適に用いられる。式(2)において、特に好ましくはAr3 〜Ar6 がいずれもp−フェニレン基であり、かつXが2,2−プロピレン基である。
【0017】
さらに式(3)において、好適なAr7 、Ar8 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられる。これらの中でAr7 、Ar8 はともにp−フェニレン基がさらに好適に用いられる。また、好適なAr9 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられる。これらの中でp−フェニレン基、ビフェニリレン基がさらにより好適である。式(3)において特に好ましくはAr7 、Ar8 、Ar9 がいずれもp−フェニレン基である。
【0018】
本発明に用いられる芳香族ポリエーテルスルホンとしては、上記式(1)〜(3)で表される一種あるいは二種以上の繰り返し単位を有する重合体の混合物又はこれらの繰り返し単位を有する共重合体も好適に使用できる。例えば共重合体の場合、式(1)の繰り返し単位および式(2)の繰り返し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホン、式(1)の繰り返し単位および式(3)の繰り返し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホンが好ましく用いられる。その場合、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位、あるいは式(1)の繰り返し単位と式(3)の繰り返し単位の割合、すなわち共重合組成比(1)/(2)、(1)/(3)は得られる該芳香族ポリエーテルスルホンの溶解性、耐熱性、製膜したフィルムの物性を鑑みて決定すればよく、特に制限はないが、式(1)の繰り返し単位を0.1〜99.9モル%、好ましくは1〜99モル%含有する芳香族ポリエーテルスルホンが好ましい。
【0019】
本発明の保護フィルムの樹脂層に好適に用いられるポリエーテルイミドは、骨格において芳香族基がエーテル基およびイミド基で結合されている化合物である。より詳細には、
【0020】
【化1】
の構造単位を含むポリエーテルイミドが好適である。ここに、Qは二価の脂肪族または芳香族基であり、そしてA1 は
【0021】
【化2】
【0022】
の二価の基であり、式中のR1 は2乃至約10個の炭素原子を有するアルキル基であり、各R2 は個々にC1−6 のアルキル基またはハロであり、R3 はC1−3 のgem−アルキレンであり、そしてm、nおよびpの各々は個々に0または1である。または、上記の式(I)の構造単位と、
【0023】
【化3】
【0024】
の単位とを含むコポリエーテルイミドが挙げられる。ここに、Qは既に定義の通りであり、そしてA2 はm−またはp−フェニレンあるいはビス(アルキレン)ポリジオルガノシロキサン基あるいは
【0025】
【化4】
【0026】
を有し、式中のXはO、SまたはNR4 であり、R4 は水素またはC1−6 のアルキルであり、そしてzは0または1である。
【0027】
ポリエーテルイミド中の好適なQ基は
【化5】
を有する。
【0028】
これらの耐熱性樹脂層は溶剤キャスティング法によって形成される。溶剤としては、PESまたはPEIを溶解しうる物であれば特に限定されないが、1,3−ジオキソランを主成分として含む溶剤が使用されることが好ましい。1,3−ジオキソランは、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒に比べ沸点が低いためコーティング膜内の残存溶媒の量を容易に低下させることができ、塩化メチレン等のハロゲン系に比べ、環境汚染や腐食といった問題がないからである。溶剤は1,3−ジオキソランに追加して、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどの他の環状エーテル溶剤を含むことができる。主成分の1,3−ジオキソランは、PESまたはPEIの製膜に優れた溶剤であるが、空気との接触によって過酸化物を生じやすいので、不活性雰囲気でコーティング後に乾燥することがよい。また、PESまたはPEIの溶液は、分子量および溶剤混合物にもよるが、均一な膜を形成するためには400〜30,0000cps程度の粘度であることが好ましい。
【0029】
これらの耐熱樹脂層の厚みは、限定するわけではないが、0.1μmから5μmが好適である。0.1μm厚未満では、十分な耐熱性・耐薬品性を付与することができないことがあり、また、5μm厚を超えると、基材フィルムとの熱膨張係数の違いにより、フィルム全体がカールしたり、剥がれたりする恐れがあるからである。
【0030】
基材フィルム
基材フィルムはポリエステルフィルムもしくはポリオレフィンフィルムである。基材フィルムは、引き裂き強度が高く、PESまたはPEI単独からなるフィルムと比べて引き裂き強度を改善することができる。基材フィルムは、ポリエステルフィルムとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。一方、ポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがある。
【0031】
基材フィルムの厚みは、その要求特性に応じて選択することができる。すなわち、耐熱性樹脂層を構成するPESまたはPEIは非常に高い硬度を有し、一方、基材フィルムを構成するポリエステルフィルム又はオレフィンフィルムは比較的に柔軟性を有するので、基材フィルムの厚さを調節することで、本発明のフィルムの硬さを調節することができる。例えば、高い硬さを必要とする場合には、基材フィルムは比較的に薄いほうがよく、例えば、4〜30μmの厚さである。
このような厚さでは、熱プレス時に被プレス体の変形を防止することができるからである。一方、基材フィルムの厚さを20〜250μm程度にすると、耐熱性保護フィルムに柔軟性が付与され、熱プレス時に被プレス体の凹凸を吸収することができる緩衝フィルムとして作用することもできる。
【0032】
なお、基材フィルムは、そのままでは、ポリエーテルスルホン又はポリエーテルイミドの樹脂層や粘着剤層との接着性が低いことがある。その場合、基材フィルムは易接着性処理が施されてよい。易接着性処理としては1つにはプライマー層の塗布などの化学処理が挙げられる。例えば、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂などの水溶性もしくは水分散性樹脂とともに、イソシアネート化合物もしくはメラミン化合物及びエポキシ化合物を含むプライマー層が考えられる。また、易接着性処理は、別には、コロナ放電処理又はプラズマ処理などの物理的方法も考えられる。
【0033】
粘着剤層
本発明の保護フィルムは、基材フィルムの耐熱性樹脂層を有する側とは反対側に粘着剤層を含むことができる。この耐熱樹脂層は、保護フィルムに耐熱性および耐薬品性を付与するものである。このようなフィルムは、例えば、プリント配線板製造時に用いられる水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ現像液、塩化銅、塩化鉄水溶液のようなエッチング液、黒化処理液、あるいはアルコールや炭化水素溶剤などの有機溶剤といった各種薬品に対して耐性を有するため、基板用の保護フィルム(マスキングテープ)として使用でき、続く熱プレス工程においても、プレス機器及びプリント配線基板の耐熱性保護フィルムとしてそのまま使用できる。
【0034】
本発明の保護フィルムにおいて好適に使用される粘着剤層は、被着体を保護するとともに、所望のプロセスを経過した後に糊残りなく容易に被着体より剥離することができるものであることが望ましい。粘着剤層は、所望の温度(例えば、熱プレス時において経験する温度)での耐熱性があれば特に限定されることはなく、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、フッ素系などの粘着剤が使用できる。
特に熱硬化再剥離性を有する粘着剤は、加熱前には十分に接着力があり、加熱後に著しく接着力が低下し剥離が容易になるため保護フィルムとして好適である。このような粘着剤としては、例えば、エポキシ基などの熱硬化性官能基を有する(メタ)アクリレートの単位をアクリレート系モノマー単位の一部として含むアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤が挙げられる。より詳細には、一般的なアクリル系粘着剤に用いられる2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸などのモノマーに加えて、グリシジルメタクリレートを5〜15%(モノマー質量基準)程度用いたポリマーは熱硬化剥離型アクリル系粘着剤として好適に使用される。
【0035】
粘着剤の厚みは、限定するわけではないが、通常、0.5〜10μmである。0.5μm厚未満では、被着体への密着追従性が低下し、使用中に剥がれてしまう恐れがある。また、10μm厚を超えると、使用中に溶剤や薬品などが接着剤と被着体の間にしみ込み、剥がれや、被着体を汚染する恐れがある。
【0036】
耐薬品性及び耐熱性保護フィルムの用途
本発明は、電気用途のプリント基板製造工程におけるプレス板、基板の保護や、薄膜の金属箔を加工する際の部材の保護などに有効な、安価で耐熱性・耐薬品性に優れたフィルムを提供する。特に、多層プリント基板製造工程用の保護フィルムとして有用である。詳しくは、プリント基板の貼り合わせ工程において、フォトレジスト現像液、エッチング液及び黒化処理液といった薬品から被着体を保護し、190℃で、60Kg/cm2 、90分間といった高温及び均一な高圧を長時間にわたって被着体に作用させた後に保護フィルムを剥離させる用途に適する。
【0037】
本発明では基材としてポリエステルフィルム又はポリオレフィンフィルムを用いているため、厚み精度が良く均一な圧力を作用させる事ができ、かつ安価である。ポリエステルフィルム又はポリオレフィンフィルムの弱点である耐熱性耐薬品性はその上に溶剤キャストにより形成されたポリエーテルスルホン又はポリエーテルイミド樹脂層によって改善される。
【0038】
また、貼り付け・熱硬化時に高温高圧を必要とする、熱硬化性の接着剤を用いた接着フィルムの基材としても有効である。
【0039】
耐薬品性及び耐熱性保護フィルムの使用方法
多層プリント配線板は、本発明の保護フィルムを用いて、以下のように製造することができる。図1は本発明の保護フィルムの1つの態様を示す断面図である。この保護フィルム10は基材フィルム11の片面に耐熱性樹脂層12を有し、その反対側に粘着剤層13を有する。図2は、多層プリント配線板製造工程図の一部を示している。図2に示すように両面に銅箔22、23をラミネートした銅張積層板(両面板という)21に穴開け加工を行った後、メッキ加工によりスルーホール21aを導通させる(a,b)。次に銅箔23の上にレジストを塗布するかドライフィルムと呼ばれる感光フィルム30をラミネートし、他方の銅箔22の上に本発明の保護フィルム10を配置した後に、一方の銅箔23のみをパターン形成されたワークフィルムを用いて密着露光し、現像する(c)。これにより一方の銅箔23の未露光部分のレジスト或いは感光フィルムのみが除去される(d)。次いで塩化銅、塩化鉄等の銅エッチング液でエッチングして未露光部分に対応する銅箔を除去し(e)、最後に残ったレジスト或いは感光フィルムを剥離除去する(f)。導体パターンを形成しない銅箔22にラミネートされる耐薬品性を有する本発明の保護フィルム10は、銅箔22がエッチングされないように保護する目的で使用される。
【0040】
次にこのように片面に導体パターンが形成された複数枚の銅張積層板20を、図3に示すように各内層(導体パターン形成面)が内側となるようにして、間にプリプレグ25(ガラス繊維等のエポキシ樹脂を含浸させて半硬化させたもの)を介在させて加熱加圧し、プリプレグ25を完全に硬化させて銅張積層板20どうしを接着することができる。この場合、導体パターンが形成されていない銅箔22とプレス板50との間には本発明の保護フィルム10が介在しており、離型フィルムとして作用する。複数の銅張積層板の組を何組か重ねて同時にプレスすることもできる。その場合には、本発明の保護フィルム10は銅積層板どうしの張り付きを防止することができる。なお、本発明のフィルムを剥離フィルムとして用い、粘着剤層を必要としない場合には、図4に示すような耐熱性樹脂層12を基材フィルム11の両面に有するフィルム10が考えられる。
【0041】
あるいは、図5に示すようにプレス板50が剥離フィルム40を介してパターン形成された銅箔23’と接触する場合には、熱プレス時に、パターン形成された領域(配線領域)に応力集中が起こることがある。このような場合には、銅箔23’とは反対側の面での厚さ均一性を保つために、剥離フィルムとしての本発明の保護フィルム10は十分な硬さ(低い沈み込み性)が要求される。このような用途では、上述のように、基材フィルム11の厚さを薄くし、樹脂層12の厚さを厚くすることでフィルム10に硬さを付与する。
【0042】
一方、図5において、剥離フィルム40として、基材フィルム11の厚さを厚くし、樹脂層12の厚さを薄くした本発明の保護フィルム10を用いた場合には、基材フィルム11の柔軟性のために、銅箔23’のパターン形状に追従してフィルム10は緩衝フィルムとして作用し、パターン形成された領域(配線領域)への応力集中を防止することもできる。
【0043】
【実施例】
実施例1
1.両面耐熱離型フィルムの作成
ポリエーテルスルホン(PES)(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 レーデルA300NT)を1,3−ジオキソランに溶解し、固形分5%溶液とした。この溶液を膜厚12μmのPETフィルム(ユニチカ製、エンブレム、片面易接着処理、片面コロナ処理)の易接着処理面(以下A面という)にバーコーターを用いてコーティングし、100℃のオーブンに10分間入れて乾燥させた。得られたPESの膜厚は1μmであった。
同様にしてこのフィルムのコロナ処理面(以下B面という)にも上記溶液をバーコーターを用いてコーティングした。得られたPESの膜厚は1μmであった。
【0044】
2.サンプルの熱プレス
上記1で得られたサンプルを、銅箔(厚み35μm、圧延、硬質、日本製箔株式会社製)上に配し、さらに2枚のプレス板(厚さ2mm、JIS,G,4305(SUS304)2B、両面SG、株式会社テストピース製)の間にはさんで、熱プレス機を用いてプレスした。条件は、ヘッド温度190℃、面圧60Kg/cm2 、90分間である。
サンプルはプレス後SUS304の板に張り付くことなく、非常に軽くはがれた。SUS面には、しみ状の汚染もみられなかった。また同様に銅箔からも張り付きや汚染なく、非常に軽くはがれた。
【0045】
3.沈み込み性評価
高さ50μm、幅100μmのパターン付き銅箔(厚み18μm)のパターンのない面にフィルムを載せ、ヘッド温度190℃、面圧60Kg/cm2 、90分間の条件で加圧し、銅箔の平坦性を目視にて観察した。観察結果は以下のように、判定した。
◎…実用上全く問題ない ○…実用上問題ない △…実用上問題あり ×…使用不可
【0046】
実施例2
コーティング樹脂をポリエーテルイミド(PEI)に変えた以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表に示す。
【0047】
実施例3
4.保護フィルムの作成
この実施例では基材フィルムの片面に樹脂層を有し、反対面に粘着剤層を有する保護フィルムを以下のとおりに作成した。
PES(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 レーデルA300NT)を1,3−ジオキソランに溶解し、固形分5%溶液とした。この溶液を膜厚16μmのPETフィルム(ユニチカ製、エンブレムPTM16、片面易接着処理、片面コロナ処理)の易接着処理面にバーコーターを用いてコーティングし、100℃のオーブンに10分間入れて乾燥させた。得られたPESの膜厚は1μmであった。
一方、アクリル系粘着剤(組成比2−EHA/GMA/AA=88/10/2、2−EHA;2−エチルヘキシルアクリレート日本触媒株式会社製(アクリル酸2−エチルヘキシルエステル)GMA;グリシジルメタアクリレート日本油脂株式会社製(ニッサン ブレンマーG)AA;アクリル酸 和光特級試薬)を既報により合成し、酢酸エチル/トルエン/MEKの混合溶剤を用いて固形分濃度5%とした。
該フィルムのコロナ処理面にこのアクリル系粘着剤をバーコーターを用いてコーティングし、シリコーン剥離処理PET(帝人デュポン株式会社製、ピューレックスA31、膜厚38μm)にラミネートした。得られた粘着剤の膜厚は1μmであった。
5.評価サンプル作成
上記4で得られたサンプルを、銅箔(厚み35μm、圧延、硬質、日本製箔株式会社製)に熱ラミネートした。熱ラミネートの条件は80℃、ラインスピード2m/min 、ニップ圧約1.5〜2.0Kg/cmである。
6.薬品処理
該フィルムをフォトレジスト用現像液、エッチング液、黒化処理液の順に通し、水洗後、乾燥した。顕微鏡によりフィルム表面を観察したところ、薬液に侵されたところはなかった。
フォトレジスト用現像液:Na2 CO3 aq 1wt%、35sec 、30℃
エッチング液:CuCl2 aq 2.7mol /l、280sec 、45℃
黒化処理液:NaClO 60g/l、NaOH 80g/l、300sec 、85℃
7.サンプルの熱プレス
上記4および5で得られたサンプルを実施例1と同様に熱プレス機を用いてプレスした。
サンプルは薬品処理の有無に関わらず、プレス後SUS304の板を汚染することなく軽くはがれた。また銅箔からも汚染することなく容易に剥離することができた。
さらに、沈み込み性評価を行ったところ、良好な結果が得られた。
【0048】
実施例4
コーティング樹脂をポリエーテルイミド(PEI)に変えた以外は実施例3と同様に評価を行った。
【0049】
実施例5
基材樹脂の厚みを16μmとした以外は実施例3と同様に評価を行った。結果を下記表に示す。
【0050】
比較例1
耐熱樹脂層を設けなかった以外は実施例1と同様に評価を行った。
【0051】
比較例2
耐熱樹脂層を設けなかった以外は実施例3と同様に評価を行った。
【0052】
比較例3
ラジカル・カチオン重合併用系UV硬化性コーティング剤(KR−567、旭電化株式会社製)をメチルエチルケトン溶剤で希釈し10%溶液とした。この溶液を膜厚16μmのPETフィルム(ユニチカ製、エンブレムPTM12、片面易接着処理、片面コロナ処理)の易接着処理面にバーコーターを用いてコーティングし、100℃のオーブンに10分間入れて乾燥させた。その後、UV照射装置を用いて、1000mJ/cm2 照射した。得られた硬化膜の膜厚は3μmであった。その後、実施例3と同様にPET面に粘着剤を塗布し評価を行った。
【0053】
【表1】
【0054】
樹脂−1:PES(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 レーデルA300NT)
樹脂−2:PEI(日本ジーイープラスチックス社製 ウルテム1000)
樹脂フィルム−1(ユニチカ株式会社製、エンブレム PTM12、片面易接着処理、片面コロナ処理)
樹脂フィルム−2(ユニチカ株式会社製、エンブレム PTM12、片面易接着処理、片面コロナ処理)
【0055】
【表2】
【0056】
上記表2より、実施例1,2,3,4,5は、熱プレス後にはSUSおよび銅箔に接着することがなく、また分解物やオリゴマー等によるステインもなかった。一方、比較例1のようにコーティング処理しなかったものはSUS面、銅箔面に強固に接着し、容易に剥がすことができなかった。剥がそうとするとフィルムが破損した。比較例2は、薬品処理の有無に関わらず、熱プレス後にプレス板に強固に接着した。また比較例3は、薬品処理がない場合、汚染がみられなかったが、一部クラックが観察された。薬品処理後には、クラックが観察され、さらに熱プレスするとプレス板に強固に接着した。
したがって、本発明の耐熱性フィルムは、熱プレス時の耐熱性に優れ、プレス板および被着体からの剥離性に優れた保護フィルムである。
【0057】
すなわち本発明によるフィルムは熱プレス時の耐熱性、プレス板および被着体からの離型性にも優れている。また、一方の面に粘着性を付与することにより被着体を様々な薬品から保護することが可能となるため、耐熱性・耐薬品性保護フィルムとしても有用である。
【0058】
実施例6
基材樹脂の厚みを125μmとした以外は実施例1と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。
8.追随性評価
高さ50μmの銅箔パターン上にフィルムを載せ、ヘッド温度190℃、面圧60Kg/cm2 、90分間の条件で加圧し、パターン埋まり具合を目視にて観察した。観察結果は以下のように、判定した。
◎…実用上全く問題ない ○…実用上問題ない △…実用上問題あり ×…使用不可
結果を下記表4に示す。
【0059】
実施例7
基材樹脂を下記表3のようにかえた以外は実施例1と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0060】
実施例8
基材樹脂の厚みを125μmとした以外は実施例4と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0061】
実施例9
粘着剤層の変わりに下記表3に示す樹脂でラミネートした以外は実施例4と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0062】
比較例4
熱可塑性樹脂層を下記表3に示す樹脂とした以外は実施例3と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0063】
比較例5
耐熱樹脂層を設けなかった以外は実施例8と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0064】
比較例6
熱可塑性樹脂層を下記表3に示す樹脂とした以外は実施例3と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
樹脂フィルム−3(東レ株式会社製、ルミラー T60)
樹脂フィルム−4(東レ株式会社製、トレファンNO ZK93K)
樹脂フィルム−5(東レ・デュポン株式会社、カプトン 500H)
【0067】
【表4】
【0068】
上記表4より、実施例6〜9は熱プレス後にはプレス板を汚染することなく軽くはがれた。また、実施例6〜9は様々な薬品処理液に対する耐薬品性を示し、また接着面は、ブレス後に銅箔面から糊残りなく容易に剥離することができた。比較例4は、薬品処理の有無に関わらず、熱プレス後にプレス板に強固に接着した。また比較例5及び6は、薬品処理の有無に関わらず、熱プレス後にプレス板にプレス板を汚染することなく軽くはがれたが、銅パターンに対する追随性は十分ではなかった。
【0069】
したがって、本発明の耐熱性保護フィルムは、被着体を様々な薬品から保護することが可能であり、また、熱プレス時の耐熱性に優れ、プレス板および被着体からの剥離性に優れた保護フィルムである。
【0070】
【発明の効果】
本発明の耐薬品性及び耐熱性保護フィルムは、安価で、耐薬品性及び耐熱性に優れかつ厚さ均一性を保った、多層プリント配線基板の製造工程において使用するのに適した保護フィルムである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護フィルムの1つの態様を示す断面図である。
【図2】多層プリント配線板製造工程図の一部(導体パターン形成)を示す。
【図3】多層プリント配線板製造工程の一部(熱プレス)を示す。
【図4】本発明の保護フィルムの別の態様を示す断面図である。
【図5】熱プレス工程における別の態様を示す。
【符号の説明】
10…本発明の保護フィルム
11…基材フィルム
12…耐熱性樹脂層
13…粘着剤層
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステルフィルム又はポリオレフィンフィルムの耐熱性および耐薬品性を向上させたフィルムに関し、より詳細には、ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムの少なくとも1つの面にポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層を有する耐熱性及び耐薬品性保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、多層プリント配線基板の製造工程において、電気回路パターン形成時にパターンを形成していない銅箔を保護し、又は、複数の銅張積層板を圧着する際にプリプレグのはみ出しを防止して、銅張積層板どうし及び銅張積層板とプレス板との接着を防止するために保護フィルムが使用されている。このような保護フィルムは、多層プリント配線基板の製造工程上、現像液、エッチング液及びレジスト剥離液などの薬品にさらされ、また、熱プレス時に高温にさらされる。このため、保護フィルムには耐薬品性とともに耐熱性が求められる。耐熱性保護フィルムは多数知られており、特に、上記のようなプリント基板製造の分野などにおいて多用されている。最近では、製品の生産性、信頼性の面から150℃、さらには180℃を越える耐熱性が求められている。
【0003】
特許文献1には4−メチル−1−ペンテン樹脂を用い、特許文献2には脂環式ポリオレフィン樹脂を用いたオレフィン系フィルムがプリント積層板製造用の離型フィルムとして開示されている。しかしながら、オレフィン系樹脂を保護対象物に直接的に接触させると、高温時にメルトフローして汚染したり、熱分解反応による部分分解物や酸化防止剤等の安定剤がフィルム表面にブリードアウトし、プレス板や基板を汚染するといった問題があった。
【0004】
また、耐熱性のある離型フィルムとしてフッ素樹脂系フィルムが用いられることがある。しかしながら、フッ素樹脂フィルムは膜厚精度が出にくく、膜厚均一性を必要とする分野には不向きである。また、高価であり、使用後の廃棄にも制約がある。
【0005】
保護フィルムとしては、ポリイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスチックを基材としたものが知られている。たとえば、ポリイミド基材とシリコーン系粘着剤を組み合わせた粘着テープがNo.360ULの商品名で日東電工株式会社より販売されている。また、特許文献3には多層プリント基板製造工程用の保護フィルムとしてポリフェニレンスルフィドのフィルムとシリコーン系粘着剤層とからなる保護フィルムが開示されている。スーパーエンジニアリングプラスチックフィルムは優れた耐熱性を持っているが、フッ素樹脂系フィルムと同様にかなり高価であり、低価格化が強く望まれている。
【0006】
一方、ポリフェニレンスルフィドやポリエチレンテレフタレートフィルムのような耐熱性フィルムと熱硬化再剥離性アクリル系粘着層とからなる保護フィルムが提案されている。ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、加工性、引裂き強度といった取り扱いのしやすさ、透明性、リサイクル性あるいは価格面などから基材フィルムとして多用されている。しかしながら、上記のような高温でのプレスを必要とする用途では、PETフィルム等のポリエステル樹脂は所望の温度よりも十分に高い融点を持っているにも関わらず、フィルム中に含まれるオリゴマーや熱分解反応による部分分解物が加熱プレス時にフィルム表面にブリードアウトし、プレス板や基板と接着してしまう問題があった。フィルム表面の耐熱性を向上する方法として、UV硬化樹脂によるコーティングが考えられ、これらは表面硬度を向上することはできるが、十分な耐薬品性をもったものはなかった。
【0007】
フィルムの耐熱性を向上する他の方法として、たとえば、特許文献4にはポリイミドをPETフィルムに溶剤コーティングしたフィルムが開示されている。しかしながら、ポリイミドを溶解することができるアミド系溶剤は沸点が高いので、膜形成後に残留した溶剤を容易に除去することができない。このため、残留溶剤除去のためには基材フィルムの耐熱性を大きく越えた高温での焼付けが必要であり、基材フィルムの物性を維持しながら膜厚均一性を保つことは困難であった。
【0008】
一方、ポリイミドよりは耐熱性が低いものの、耐熱性の高い樹脂の溶液キャスト法が知られている。例えば、特許文献5には、ポリエーテルスルホンを1,3−ジオキソランに溶解してキャストすることにより、アミド系高沸点溶剤や環境汚染や腐食の恐れのあるハロゲン系溶媒を使用せずに、フィルムを形成できることが開示されている。このような方法で形成されるフィルムは液晶表示装置における偏光板などの用途で使用できることが記載されているのみである。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−263724号公報
【特許文献2】
特開2001−233968号公報
【特許文献3】
特開平10−272700号公報
【特許文献4】
特開平1−97638号公報
【特許文献5】
特許第2991937号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、安価で、耐薬品性及び耐熱性に優れかつ厚さ均一性を保った、多層プリント配線基板の製造工程において使用するのに適した保護フィルムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1つの態様において、ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムである基材フィルム、及び、前記基材フィルムの少なくとも1つの面に溶剤キャストにより形成されたポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層を含む、耐熱性及び耐薬品性保護フィルムを提供する。
この保護フィルムは、ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムを基材フィルムとしているので安価に製造することができ、また、ポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層により、耐熱性及び耐薬品性が付与されている。また、基材フィルムは樹脂層の耐引き裂き性を改良する。
さらに、ポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層は、比較的に低い沸点の溶剤中の溶液から溶剤キャスト法で製造できるので、保護フィルムの厚さ均一性を保つことができる。さらに、基材フィルムであるポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムは高温でのプレスを行なったときに柔軟性を発揮するので、以下において詳述するような緩衝フィルムとしても作用することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の保護フィルムについて詳細に説明する。
ポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層
本発明の保護フィルムは溶剤キャスト法により形成されたポリエーテルスルホン(以下、「PES」ともいう)またはポリエーテルイミド(以下、「PEI」ともいう)樹脂層(以下、「耐熱樹脂層」ともいう)を有する。この耐熱樹脂層は、保護フィルムに耐熱性および耐薬品性を付与するものである。このようなフィルムは、例えば、プリント配線板製造時に用いられる水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ現像液、塩化銅、塩化鉄水溶液のようなエッチング液、黒化処理液、あるいはアルコールや炭化水素溶剤などの有機溶剤といった各種薬品に対して耐性を有するため、基板用の保護フィルム(マスキングテープ)として使用できる。また、ポリエーテルスルホンはそのガラス転移温度が約230℃であり、ポリエーテルイミドはそのガラス転移温度が約210℃であるから、これらの温度より低い温度では分解が起こらず、また、ぬれ広がることがない。例えばプリント配線板製造時に用いられる190℃、60Kg/cm2といった高温高圧で加圧された場合においても発泡、フロー、熱分解等を起こさず、プレス板や製造基板等の接触面への張り付きがなく、離型フィルムとして使用することができる。
【0013】
本発明の保護フィルムの樹脂層に好適に用いられるポリエーテルスルホンは、骨格において芳香族基がスルホン基およびエーテル基により結合されているものである。例えば、下記一般式(1)〜(3)
【0014】
(−Ar1 −SO2 −Ar2 −O−) (1)
(−Ar3 −X−Ar4 −O−Ar5 −SO2 −Ar6 −O−) (2)
(−Ar7 −SO2 −Ar8 −O−Ar9 −O−) (3)
(式(1)中、Ar1 、Ar2 は同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。式(2)中、Ar3 〜Ar6 は同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、Xは炭素数1〜15の二価の炭素水素基である。式(3)中、Ar7 〜Ar9 は同一または異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。)からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホンが挙げられる。
【0015】
ここで、式(1)において好適なAr1 、Ar2 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられる。Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である場合が、製造面からも有利であり特に好適に用いられる。
【0016】
式(2)において、好適なAr3 〜Ar6 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられ、特に好適な例としてAr3 〜Ar6 はいずれもp−フェニレン基があげられる。また、Xは炭素数1〜15の二価の炭素水素基であり、炭素数1〜15の二価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基及びアラアルキレン基から選ばれる。好適には炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、アラアルキレン基であり、より好適には、炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、アラアルキレン基である。具体的にはメチレン基、1,1−エチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、4−メチル−2,2−ペンチレン基などの脂肪族炭化水素基、1, 1−シクロヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1, 1−シクロヘキシレン基などの脂環族炭化水素基、1−フェニル−1,1−エチレン基、ジフェニルメチレン基などのアラアルキレン基が例示できる。これらの中で2,2−プロピレン基がさらにより好適に用いられる。式(2)において、特に好ましくはAr3 〜Ar6 がいずれもp−フェニレン基であり、かつXが2,2−プロピレン基である。
【0017】
さらに式(3)において、好適なAr7 、Ar8 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられる。これらの中でAr7 、Ar8 はともにp−フェニレン基がさらに好適に用いられる。また、好適なAr9 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基などがあげられる。これらの中でp−フェニレン基、ビフェニリレン基がさらにより好適である。式(3)において特に好ましくはAr7 、Ar8 、Ar9 がいずれもp−フェニレン基である。
【0018】
本発明に用いられる芳香族ポリエーテルスルホンとしては、上記式(1)〜(3)で表される一種あるいは二種以上の繰り返し単位を有する重合体の混合物又はこれらの繰り返し単位を有する共重合体も好適に使用できる。例えば共重合体の場合、式(1)の繰り返し単位および式(2)の繰り返し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホン、式(1)の繰り返し単位および式(3)の繰り返し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホンが好ましく用いられる。その場合、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位、あるいは式(1)の繰り返し単位と式(3)の繰り返し単位の割合、すなわち共重合組成比(1)/(2)、(1)/(3)は得られる該芳香族ポリエーテルスルホンの溶解性、耐熱性、製膜したフィルムの物性を鑑みて決定すればよく、特に制限はないが、式(1)の繰り返し単位を0.1〜99.9モル%、好ましくは1〜99モル%含有する芳香族ポリエーテルスルホンが好ましい。
【0019】
本発明の保護フィルムの樹脂層に好適に用いられるポリエーテルイミドは、骨格において芳香族基がエーテル基およびイミド基で結合されている化合物である。より詳細には、
【0020】
【化1】
の構造単位を含むポリエーテルイミドが好適である。ここに、Qは二価の脂肪族または芳香族基であり、そしてA1 は
【0021】
【化2】
【0022】
の二価の基であり、式中のR1 は2乃至約10個の炭素原子を有するアルキル基であり、各R2 は個々にC1−6 のアルキル基またはハロであり、R3 はC1−3 のgem−アルキレンであり、そしてm、nおよびpの各々は個々に0または1である。または、上記の式(I)の構造単位と、
【0023】
【化3】
【0024】
の単位とを含むコポリエーテルイミドが挙げられる。ここに、Qは既に定義の通りであり、そしてA2 はm−またはp−フェニレンあるいはビス(アルキレン)ポリジオルガノシロキサン基あるいは
【0025】
【化4】
【0026】
を有し、式中のXはO、SまたはNR4 であり、R4 は水素またはC1−6 のアルキルであり、そしてzは0または1である。
【0027】
ポリエーテルイミド中の好適なQ基は
【化5】
を有する。
【0028】
これらの耐熱性樹脂層は溶剤キャスティング法によって形成される。溶剤としては、PESまたはPEIを溶解しうる物であれば特に限定されないが、1,3−ジオキソランを主成分として含む溶剤が使用されることが好ましい。1,3−ジオキソランは、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒に比べ沸点が低いためコーティング膜内の残存溶媒の量を容易に低下させることができ、塩化メチレン等のハロゲン系に比べ、環境汚染や腐食といった問題がないからである。溶剤は1,3−ジオキソランに追加して、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどの他の環状エーテル溶剤を含むことができる。主成分の1,3−ジオキソランは、PESまたはPEIの製膜に優れた溶剤であるが、空気との接触によって過酸化物を生じやすいので、不活性雰囲気でコーティング後に乾燥することがよい。また、PESまたはPEIの溶液は、分子量および溶剤混合物にもよるが、均一な膜を形成するためには400〜30,0000cps程度の粘度であることが好ましい。
【0029】
これらの耐熱樹脂層の厚みは、限定するわけではないが、0.1μmから5μmが好適である。0.1μm厚未満では、十分な耐熱性・耐薬品性を付与することができないことがあり、また、5μm厚を超えると、基材フィルムとの熱膨張係数の違いにより、フィルム全体がカールしたり、剥がれたりする恐れがあるからである。
【0030】
基材フィルム
基材フィルムはポリエステルフィルムもしくはポリオレフィンフィルムである。基材フィルムは、引き裂き強度が高く、PESまたはPEI単独からなるフィルムと比べて引き裂き強度を改善することができる。基材フィルムは、ポリエステルフィルムとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。一方、ポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがある。
【0031】
基材フィルムの厚みは、その要求特性に応じて選択することができる。すなわち、耐熱性樹脂層を構成するPESまたはPEIは非常に高い硬度を有し、一方、基材フィルムを構成するポリエステルフィルム又はオレフィンフィルムは比較的に柔軟性を有するので、基材フィルムの厚さを調節することで、本発明のフィルムの硬さを調節することができる。例えば、高い硬さを必要とする場合には、基材フィルムは比較的に薄いほうがよく、例えば、4〜30μmの厚さである。
このような厚さでは、熱プレス時に被プレス体の変形を防止することができるからである。一方、基材フィルムの厚さを20〜250μm程度にすると、耐熱性保護フィルムに柔軟性が付与され、熱プレス時に被プレス体の凹凸を吸収することができる緩衝フィルムとして作用することもできる。
【0032】
なお、基材フィルムは、そのままでは、ポリエーテルスルホン又はポリエーテルイミドの樹脂層や粘着剤層との接着性が低いことがある。その場合、基材フィルムは易接着性処理が施されてよい。易接着性処理としては1つにはプライマー層の塗布などの化学処理が挙げられる。例えば、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂などの水溶性もしくは水分散性樹脂とともに、イソシアネート化合物もしくはメラミン化合物及びエポキシ化合物を含むプライマー層が考えられる。また、易接着性処理は、別には、コロナ放電処理又はプラズマ処理などの物理的方法も考えられる。
【0033】
粘着剤層
本発明の保護フィルムは、基材フィルムの耐熱性樹脂層を有する側とは反対側に粘着剤層を含むことができる。この耐熱樹脂層は、保護フィルムに耐熱性および耐薬品性を付与するものである。このようなフィルムは、例えば、プリント配線板製造時に用いられる水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ現像液、塩化銅、塩化鉄水溶液のようなエッチング液、黒化処理液、あるいはアルコールや炭化水素溶剤などの有機溶剤といった各種薬品に対して耐性を有するため、基板用の保護フィルム(マスキングテープ)として使用でき、続く熱プレス工程においても、プレス機器及びプリント配線基板の耐熱性保護フィルムとしてそのまま使用できる。
【0034】
本発明の保護フィルムにおいて好適に使用される粘着剤層は、被着体を保護するとともに、所望のプロセスを経過した後に糊残りなく容易に被着体より剥離することができるものであることが望ましい。粘着剤層は、所望の温度(例えば、熱プレス時において経験する温度)での耐熱性があれば特に限定されることはなく、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、フッ素系などの粘着剤が使用できる。
特に熱硬化再剥離性を有する粘着剤は、加熱前には十分に接着力があり、加熱後に著しく接着力が低下し剥離が容易になるため保護フィルムとして好適である。このような粘着剤としては、例えば、エポキシ基などの熱硬化性官能基を有する(メタ)アクリレートの単位をアクリレート系モノマー単位の一部として含むアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤が挙げられる。より詳細には、一般的なアクリル系粘着剤に用いられる2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸などのモノマーに加えて、グリシジルメタクリレートを5〜15%(モノマー質量基準)程度用いたポリマーは熱硬化剥離型アクリル系粘着剤として好適に使用される。
【0035】
粘着剤の厚みは、限定するわけではないが、通常、0.5〜10μmである。0.5μm厚未満では、被着体への密着追従性が低下し、使用中に剥がれてしまう恐れがある。また、10μm厚を超えると、使用中に溶剤や薬品などが接着剤と被着体の間にしみ込み、剥がれや、被着体を汚染する恐れがある。
【0036】
耐薬品性及び耐熱性保護フィルムの用途
本発明は、電気用途のプリント基板製造工程におけるプレス板、基板の保護や、薄膜の金属箔を加工する際の部材の保護などに有効な、安価で耐熱性・耐薬品性に優れたフィルムを提供する。特に、多層プリント基板製造工程用の保護フィルムとして有用である。詳しくは、プリント基板の貼り合わせ工程において、フォトレジスト現像液、エッチング液及び黒化処理液といった薬品から被着体を保護し、190℃で、60Kg/cm2 、90分間といった高温及び均一な高圧を長時間にわたって被着体に作用させた後に保護フィルムを剥離させる用途に適する。
【0037】
本発明では基材としてポリエステルフィルム又はポリオレフィンフィルムを用いているため、厚み精度が良く均一な圧力を作用させる事ができ、かつ安価である。ポリエステルフィルム又はポリオレフィンフィルムの弱点である耐熱性耐薬品性はその上に溶剤キャストにより形成されたポリエーテルスルホン又はポリエーテルイミド樹脂層によって改善される。
【0038】
また、貼り付け・熱硬化時に高温高圧を必要とする、熱硬化性の接着剤を用いた接着フィルムの基材としても有効である。
【0039】
耐薬品性及び耐熱性保護フィルムの使用方法
多層プリント配線板は、本発明の保護フィルムを用いて、以下のように製造することができる。図1は本発明の保護フィルムの1つの態様を示す断面図である。この保護フィルム10は基材フィルム11の片面に耐熱性樹脂層12を有し、その反対側に粘着剤層13を有する。図2は、多層プリント配線板製造工程図の一部を示している。図2に示すように両面に銅箔22、23をラミネートした銅張積層板(両面板という)21に穴開け加工を行った後、メッキ加工によりスルーホール21aを導通させる(a,b)。次に銅箔23の上にレジストを塗布するかドライフィルムと呼ばれる感光フィルム30をラミネートし、他方の銅箔22の上に本発明の保護フィルム10を配置した後に、一方の銅箔23のみをパターン形成されたワークフィルムを用いて密着露光し、現像する(c)。これにより一方の銅箔23の未露光部分のレジスト或いは感光フィルムのみが除去される(d)。次いで塩化銅、塩化鉄等の銅エッチング液でエッチングして未露光部分に対応する銅箔を除去し(e)、最後に残ったレジスト或いは感光フィルムを剥離除去する(f)。導体パターンを形成しない銅箔22にラミネートされる耐薬品性を有する本発明の保護フィルム10は、銅箔22がエッチングされないように保護する目的で使用される。
【0040】
次にこのように片面に導体パターンが形成された複数枚の銅張積層板20を、図3に示すように各内層(導体パターン形成面)が内側となるようにして、間にプリプレグ25(ガラス繊維等のエポキシ樹脂を含浸させて半硬化させたもの)を介在させて加熱加圧し、プリプレグ25を完全に硬化させて銅張積層板20どうしを接着することができる。この場合、導体パターンが形成されていない銅箔22とプレス板50との間には本発明の保護フィルム10が介在しており、離型フィルムとして作用する。複数の銅張積層板の組を何組か重ねて同時にプレスすることもできる。その場合には、本発明の保護フィルム10は銅積層板どうしの張り付きを防止することができる。なお、本発明のフィルムを剥離フィルムとして用い、粘着剤層を必要としない場合には、図4に示すような耐熱性樹脂層12を基材フィルム11の両面に有するフィルム10が考えられる。
【0041】
あるいは、図5に示すようにプレス板50が剥離フィルム40を介してパターン形成された銅箔23’と接触する場合には、熱プレス時に、パターン形成された領域(配線領域)に応力集中が起こることがある。このような場合には、銅箔23’とは反対側の面での厚さ均一性を保つために、剥離フィルムとしての本発明の保護フィルム10は十分な硬さ(低い沈み込み性)が要求される。このような用途では、上述のように、基材フィルム11の厚さを薄くし、樹脂層12の厚さを厚くすることでフィルム10に硬さを付与する。
【0042】
一方、図5において、剥離フィルム40として、基材フィルム11の厚さを厚くし、樹脂層12の厚さを薄くした本発明の保護フィルム10を用いた場合には、基材フィルム11の柔軟性のために、銅箔23’のパターン形状に追従してフィルム10は緩衝フィルムとして作用し、パターン形成された領域(配線領域)への応力集中を防止することもできる。
【0043】
【実施例】
実施例1
1.両面耐熱離型フィルムの作成
ポリエーテルスルホン(PES)(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 レーデルA300NT)を1,3−ジオキソランに溶解し、固形分5%溶液とした。この溶液を膜厚12μmのPETフィルム(ユニチカ製、エンブレム、片面易接着処理、片面コロナ処理)の易接着処理面(以下A面という)にバーコーターを用いてコーティングし、100℃のオーブンに10分間入れて乾燥させた。得られたPESの膜厚は1μmであった。
同様にしてこのフィルムのコロナ処理面(以下B面という)にも上記溶液をバーコーターを用いてコーティングした。得られたPESの膜厚は1μmであった。
【0044】
2.サンプルの熱プレス
上記1で得られたサンプルを、銅箔(厚み35μm、圧延、硬質、日本製箔株式会社製)上に配し、さらに2枚のプレス板(厚さ2mm、JIS,G,4305(SUS304)2B、両面SG、株式会社テストピース製)の間にはさんで、熱プレス機を用いてプレスした。条件は、ヘッド温度190℃、面圧60Kg/cm2 、90分間である。
サンプルはプレス後SUS304の板に張り付くことなく、非常に軽くはがれた。SUS面には、しみ状の汚染もみられなかった。また同様に銅箔からも張り付きや汚染なく、非常に軽くはがれた。
【0045】
3.沈み込み性評価
高さ50μm、幅100μmのパターン付き銅箔(厚み18μm)のパターンのない面にフィルムを載せ、ヘッド温度190℃、面圧60Kg/cm2 、90分間の条件で加圧し、銅箔の平坦性を目視にて観察した。観察結果は以下のように、判定した。
◎…実用上全く問題ない ○…実用上問題ない △…実用上問題あり ×…使用不可
【0046】
実施例2
コーティング樹脂をポリエーテルイミド(PEI)に変えた以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表に示す。
【0047】
実施例3
4.保護フィルムの作成
この実施例では基材フィルムの片面に樹脂層を有し、反対面に粘着剤層を有する保護フィルムを以下のとおりに作成した。
PES(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 レーデルA300NT)を1,3−ジオキソランに溶解し、固形分5%溶液とした。この溶液を膜厚16μmのPETフィルム(ユニチカ製、エンブレムPTM16、片面易接着処理、片面コロナ処理)の易接着処理面にバーコーターを用いてコーティングし、100℃のオーブンに10分間入れて乾燥させた。得られたPESの膜厚は1μmであった。
一方、アクリル系粘着剤(組成比2−EHA/GMA/AA=88/10/2、2−EHA;2−エチルヘキシルアクリレート日本触媒株式会社製(アクリル酸2−エチルヘキシルエステル)GMA;グリシジルメタアクリレート日本油脂株式会社製(ニッサン ブレンマーG)AA;アクリル酸 和光特級試薬)を既報により合成し、酢酸エチル/トルエン/MEKの混合溶剤を用いて固形分濃度5%とした。
該フィルムのコロナ処理面にこのアクリル系粘着剤をバーコーターを用いてコーティングし、シリコーン剥離処理PET(帝人デュポン株式会社製、ピューレックスA31、膜厚38μm)にラミネートした。得られた粘着剤の膜厚は1μmであった。
5.評価サンプル作成
上記4で得られたサンプルを、銅箔(厚み35μm、圧延、硬質、日本製箔株式会社製)に熱ラミネートした。熱ラミネートの条件は80℃、ラインスピード2m/min 、ニップ圧約1.5〜2.0Kg/cmである。
6.薬品処理
該フィルムをフォトレジスト用現像液、エッチング液、黒化処理液の順に通し、水洗後、乾燥した。顕微鏡によりフィルム表面を観察したところ、薬液に侵されたところはなかった。
フォトレジスト用現像液:Na2 CO3 aq 1wt%、35sec 、30℃
エッチング液:CuCl2 aq 2.7mol /l、280sec 、45℃
黒化処理液:NaClO 60g/l、NaOH 80g/l、300sec 、85℃
7.サンプルの熱プレス
上記4および5で得られたサンプルを実施例1と同様に熱プレス機を用いてプレスした。
サンプルは薬品処理の有無に関わらず、プレス後SUS304の板を汚染することなく軽くはがれた。また銅箔からも汚染することなく容易に剥離することができた。
さらに、沈み込み性評価を行ったところ、良好な結果が得られた。
【0048】
実施例4
コーティング樹脂をポリエーテルイミド(PEI)に変えた以外は実施例3と同様に評価を行った。
【0049】
実施例5
基材樹脂の厚みを16μmとした以外は実施例3と同様に評価を行った。結果を下記表に示す。
【0050】
比較例1
耐熱樹脂層を設けなかった以外は実施例1と同様に評価を行った。
【0051】
比較例2
耐熱樹脂層を設けなかった以外は実施例3と同様に評価を行った。
【0052】
比較例3
ラジカル・カチオン重合併用系UV硬化性コーティング剤(KR−567、旭電化株式会社製)をメチルエチルケトン溶剤で希釈し10%溶液とした。この溶液を膜厚16μmのPETフィルム(ユニチカ製、エンブレムPTM12、片面易接着処理、片面コロナ処理)の易接着処理面にバーコーターを用いてコーティングし、100℃のオーブンに10分間入れて乾燥させた。その後、UV照射装置を用いて、1000mJ/cm2 照射した。得られた硬化膜の膜厚は3μmであった。その後、実施例3と同様にPET面に粘着剤を塗布し評価を行った。
【0053】
【表1】
【0054】
樹脂−1:PES(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 レーデルA300NT)
樹脂−2:PEI(日本ジーイープラスチックス社製 ウルテム1000)
樹脂フィルム−1(ユニチカ株式会社製、エンブレム PTM12、片面易接着処理、片面コロナ処理)
樹脂フィルム−2(ユニチカ株式会社製、エンブレム PTM12、片面易接着処理、片面コロナ処理)
【0055】
【表2】
【0056】
上記表2より、実施例1,2,3,4,5は、熱プレス後にはSUSおよび銅箔に接着することがなく、また分解物やオリゴマー等によるステインもなかった。一方、比較例1のようにコーティング処理しなかったものはSUS面、銅箔面に強固に接着し、容易に剥がすことができなかった。剥がそうとするとフィルムが破損した。比較例2は、薬品処理の有無に関わらず、熱プレス後にプレス板に強固に接着した。また比較例3は、薬品処理がない場合、汚染がみられなかったが、一部クラックが観察された。薬品処理後には、クラックが観察され、さらに熱プレスするとプレス板に強固に接着した。
したがって、本発明の耐熱性フィルムは、熱プレス時の耐熱性に優れ、プレス板および被着体からの剥離性に優れた保護フィルムである。
【0057】
すなわち本発明によるフィルムは熱プレス時の耐熱性、プレス板および被着体からの離型性にも優れている。また、一方の面に粘着性を付与することにより被着体を様々な薬品から保護することが可能となるため、耐熱性・耐薬品性保護フィルムとしても有用である。
【0058】
実施例6
基材樹脂の厚みを125μmとした以外は実施例1と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。
8.追随性評価
高さ50μmの銅箔パターン上にフィルムを載せ、ヘッド温度190℃、面圧60Kg/cm2 、90分間の条件で加圧し、パターン埋まり具合を目視にて観察した。観察結果は以下のように、判定した。
◎…実用上全く問題ない ○…実用上問題ない △…実用上問題あり ×…使用不可
結果を下記表4に示す。
【0059】
実施例7
基材樹脂を下記表3のようにかえた以外は実施例1と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0060】
実施例8
基材樹脂の厚みを125μmとした以外は実施例4と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0061】
実施例9
粘着剤層の変わりに下記表3に示す樹脂でラミネートした以外は実施例4と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0062】
比較例4
熱可塑性樹脂層を下記表3に示す樹脂とした以外は実施例3と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0063】
比較例5
耐熱樹脂層を設けなかった以外は実施例8と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0064】
比較例6
熱可塑性樹脂層を下記表3に示す樹脂とした以外は実施例3と同様に評価を行った。また、沈み込み性評価の代わりに以下の追随性評価を行った。結果を下記表4に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
樹脂フィルム−3(東レ株式会社製、ルミラー T60)
樹脂フィルム−4(東レ株式会社製、トレファンNO ZK93K)
樹脂フィルム−5(東レ・デュポン株式会社、カプトン 500H)
【0067】
【表4】
【0068】
上記表4より、実施例6〜9は熱プレス後にはプレス板を汚染することなく軽くはがれた。また、実施例6〜9は様々な薬品処理液に対する耐薬品性を示し、また接着面は、ブレス後に銅箔面から糊残りなく容易に剥離することができた。比較例4は、薬品処理の有無に関わらず、熱プレス後にプレス板に強固に接着した。また比較例5及び6は、薬品処理の有無に関わらず、熱プレス後にプレス板にプレス板を汚染することなく軽くはがれたが、銅パターンに対する追随性は十分ではなかった。
【0069】
したがって、本発明の耐熱性保護フィルムは、被着体を様々な薬品から保護することが可能であり、また、熱プレス時の耐熱性に優れ、プレス板および被着体からの剥離性に優れた保護フィルムである。
【0070】
【発明の効果】
本発明の耐薬品性及び耐熱性保護フィルムは、安価で、耐薬品性及び耐熱性に優れかつ厚さ均一性を保った、多層プリント配線基板の製造工程において使用するのに適した保護フィルムである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護フィルムの1つの態様を示す断面図である。
【図2】多層プリント配線板製造工程図の一部(導体パターン形成)を示す。
【図3】多層プリント配線板製造工程の一部(熱プレス)を示す。
【図4】本発明の保護フィルムの別の態様を示す断面図である。
【図5】熱プレス工程における別の態様を示す。
【符号の説明】
10…本発明の保護フィルム
11…基材フィルム
12…耐熱性樹脂層
13…粘着剤層
Claims (6)
- ポリエステルもしくはポリオレフィンフィルムである基材フィルム、及び、前記基材フィルムの少なくとも1つの面に溶剤キャストにより形成されたポリエーテルスルホンもしくはポリエーテルイミド樹脂層を含む、耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
- 前記基材フィルムの片側に前記樹脂層を含み、かつ、前記基材フィルムの前記樹脂層とは反対側に粘着剤層を含む、請求項1記載の耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
- 前記基材フィルムの両側に前記樹脂層を含む、請求項1記載の耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
- 前記樹脂層は0.1〜5μmの厚さである、請求項1〜3のいずれか1項記載の耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
- 前記基材フィルムは20〜250μmの厚さである、請求項1〜4のいずれか1項記載の耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
- 前記基材フィルムは4〜30μmの厚さである、請求項1〜4のいずれか1項記載の耐熱性及び耐薬品性保護フィルム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003207136A JP2005059220A (ja) | 2003-08-11 | 2003-08-11 | 耐熱性及び耐薬品性保護フィルム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014237272A (ja) * | 2013-06-10 | 2014-12-18 | 三菱樹脂株式会社 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
CN111421930A (zh) * | 2020-04-24 | 2020-07-17 | 无锡睿穗电子材料科技有限公司 | 一种适用于多层印刷电路板制造工艺的保护膜 |
-
2003
- 2003-08-11 JP JP2003207136A patent/JP2005059220A/ja active Pending
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