JP2003069188A - ドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンション - Google Patents

ドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンション

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JP2003069188A
JP2003069188A JP2001258815A JP2001258815A JP2003069188A JP 2003069188 A JP2003069188 A JP 2003069188A JP 2001258815 A JP2001258815 A JP 2001258815A JP 2001258815 A JP2001258815 A JP 2001258815A JP 2003069188 A JP2003069188 A JP 2003069188A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層か
らなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積
層体をウェットエッチングにより電子部品を製造する方
法、該方法により得られた電子部品を提供する。 【解決手段】 導電性無機物層2―絶縁層1−導電性無
機物層3からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層
からなる積層体にドライフィルム4,5をラミネートし
てウェットエッチングにより電子部品を製造する。該積
層体の絶縁層はウエットエッチングによってパターン形
成が可能であり、該絶縁層は1層以上であり、適用する
ドライフィルムの厚さが該積層体における1層の導電性
無機物層の厚さの1.1倍以上であり、かつ、70℃に
保たれたエッチング液に被エッチング物が浸漬されたと
き、ドライフィルムレジストパターンの保持時間が1分
以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性無機物−絶
縁層−導電性無機物層、又は導電性無機物層−絶縁層と
いう層構成からなる積層体の絶縁層に対して、ウェット
エッチングによりパターニングするのに適したドライフ
ィルムレジストを使用する電子部品の製造方法、電子部
品及びハードディスク用サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体技術の飛躍的な発展により
半導体パッケージの小型化、多ピン化、ファインピッチ
化、電子部品の極小化などが急速に進み、いわゆる高密
度実装の時代に突入した。それに伴い、プリント配線基
板も片側配線から両面配線へ、さらに多層化、薄型化が
進められている(岩田, 原園, 電子材料,35(1
0),53(1996))。
【0003】そのような電子部品の配線・回路を形成す
る際のパターン形成方法には、導電性無機物層(主とし
て金属層)−絶縁層−導電性無機物層(主として金属
層)という層構成における基板上の導電性無機物層を塩
化第二鉄のような酸性溶液でエッチングし、配線を形成
した後、層間の導通をとるために、プラズマエッチング
等のドライ状態や、ヒドラジン等のウエット状態で絶縁
層を所望の形に除去し(特開平6−164084号公
報)、めっきや導電ペースト等で配線間をつなぐ方法が
ある。また、別のパターン形成方法には、感光性ポリイ
ミド(特開平4−168441号公報)などを用いて絶
縁層を所望の形に設けた後に、その空隙にめっきで配線
を形成する方法(エレクトロニクス実装学会第7回研究
討論会予稿集1999年発行)などがある。
【0004】近年、電気製品、特に、パーソナルコンピ
ューターは低価格化が進み、これらに用いる部材や部品
等も低価格の指向が強いので、いかに低コストで電子部
品を作るかというのが、非常に大きな課題となってい
る。
【0005】現在、パーソナルコンピューターの生産量
の急激な伸びに伴い、それに組み込まれているハードデ
ィスクドライブもまた生産量が増大している。ハードデ
ィスクドライブにおける、磁気を読み取るヘッドを支持
しているサスペンションといわれる部品は、ステンレス
の板ばねに、銅配線を接続するものから、小型化への対
応のためステンレスの板ばねに直接銅配線が形成されて
いるワイヤレスサスペンションといわれるものへと主製
品が移り変わりつつある。
【0006】このようなワイヤレスサスペンションは導
電性無機物層(主として金属層)−絶縁層−導電性無機
物層(主として金属層)からなる3層材を用いて作製さ
れているものが主流である。該3層材は、例えば、絶縁
層の片側に銅合金箔、もう一方の側にステンレス箔が積
層された層構成が挙げられる。ワイヤレスサスペンショ
ンは、高速で回転するディスク上をスキャンし、細かな
振動が加わる部材であるため、配線(導電性無機物層)
の絶縁層への密着強度は非常に重要であり、厳しいスペ
ックが求められている。また、ハードディスクは情報を
記録する装置であるので、データの読み書きに対する高
度の信頼性が要求され、配線の密着強度やサスペンショ
ンから発生する塵などのごみやアウトガスに対してもス
ペックは厳しい。
【0007】一般に、電子部品に用いられる前記の3層
材等の積層体は、基板の反りを防ぐため導電性無機物層
と絶縁層との熱膨張率を同じにするために、低膨張性の
絶縁層、特に、低膨張性ポリイミドを含ませることが多
い。絶縁層に用いられる低膨張性ポリイミドとしては、
東レ−デュポン株式社製のカプトン(商品名)、宇部興
産株式会社製のユーピレックス(商品名)、鐘淵化学工
業株式会社製のアピカル(商品名)等がある。市販の積
層体としてはこれら低膨張性ポリイミドフィルムの表面
にスパッタリングや無電解めっき等で、金属層(主に
銅)を形成し、その後、電解めっきによって導体層の厚
さを大きくしたものがある(種類Iの積層体という)。
また、別の種類の積層体として、低膨張性ポリイミドの
表面にポリイミド以外の接着剤(例えばエポキシ系接着
剤)の層を形成してなる、ポリイミド以外の接着剤−低
膨張性ポリイミド−ポリイミド以外の接着剤からなる3
層構造の絶縁体を用い、熱圧着により導体箔を該絶縁層
の両面に接着した積層体がある(種類IIの積層体とい
う)。さらに別の種類の積層体として、低膨張性ポリイ
ミドの表面に接着性ポリイミドの層を形成してなる、接
着性ポリイミド−低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミ
ドからなる3層構造の絶縁体を用い、熱圧着により導体
箔を該絶縁層の両面に接着した積層体がある(種類III
の積層体という)。
【0008】前記種類Iの積層体は、絶縁層が単一組成
のポリイミドよりなっているため、反りが生じにくく、
また、金属層を薄くすることが可能であるので、細い配
線を形成するのに有利であるという利点がある。前記種
類IIの積層体及び種類III の積層体は、導体層を熱圧着
により形成するため、導体層を種々選択できる。たとえ
ば、圧延銅箔やステンレス箔等を用いた積層体の作製が
可能である。また、種類III の積層体は、接着性ポリイ
ミドが金属層側に配置されているので金属層と絶縁層の
接着強度が大きい利点がある。また金属層の厚さを大き
くすることができるという利点がある。
【0009】ワイヤレスサスペンションは、バネ性を必
要とするため、金属層としてステンレス箔が用いられる
ことが多く、積層構造としては、例えば、銅箔−接着性
ポリイミド−低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミド−
ステンレスが挙げられる。従来、ワイヤレスサスペンシ
ョンは絶縁層のエッチング面積が大きいため、レーザー
ではなく、同じドライプロセスであるプラズマエッチン
グにより絶縁層がパターニングされている。しかしなが
ら、プラズマエッチングは、エッチングレートが小さい
ため、エッチングに要する時間が長く、しかもシート単
位(枚葉)毎の生産であるため、生産性が悪く、また装
置も高価なため生産コストが非常に高くなってしまう欠
点がある。
【0010】このような理由から、エッチングレートが
大きく、したがって、生産性が高く装置コストも安くす
ることが可能なウェットプロセスにより、絶縁層のパタ
ーニングを行うことが望まれてきた。また、ウェットエ
ッチングは、プラズマエッチングのような真空プロセス
を必要としないため、ロール供給による一貫生産ライン
のプロセスが容易に適用できるため、プラズマエッチン
グに比べ飛躍的に生産性を高められる。
【0011】さらに、多層基板の層間の導通をとるため
の穴をレーザーで開け、それを所望の形に金型で型抜き
していた、フレキシブルプリント基板や多層基板等の電
子部品も、ウェットエッチング技術を用いることで、穴
開けと型抜きの工程を同時に行え、しかも、金型では切
り出せなかった微細な形状までも、形成が可能となるこ
とから、電子部品の各分野でもウェットプロセスで絶縁
層のパターニングが望まれている。さらに、ウェットエ
ッチングを用いると、レーザーでは、加工が難しいパタ
ーンにテーパーを形成することが可能であることから、
スルーホール等にテーパーを形成することで接続部の信
頼性を向上させることができる。
【0012】前記種類IIの積層体については、エポキシ
系接着剤が使用される場合は、耐溶剤性が高すぎて全く
ウェットエッチングできないという不都合がある。
【0013】前記種類III の積層体については、接着性
ポリイミド層と低膨張性ポリイミド層のエッチング特性
の違いが大きすぎるため、エッチングしたときの断面形
状がきれいにならず、事実上ウェットエッチングにより
電子部品を作製するのが困難である。
【0014】前記種類Iの積層体については、主として
レーザー等のドライエッチングが行われているが、少数
ではあるがウェットエッチングによる加工が一部行われ
ている。しかしながら、導電性無機物層の形成がスパッ
タ等の処理であるため、ポリイミド表面に金属イオンを
高速で衝突させて行うので、金属イオンがポリイミド層
の内部まで食い込むため、表層のポリイミドが若干変性
してしまう。種類Iの積層体における、絶縁層と導電性
無機物層との密着性は、導電性無機物層と絶縁層の化学
結合や化学的相互作用によるものであるため、導電性無
機物層と絶縁層との親和性が強くなっている。したがっ
て、種類Iの積層体に対してウェットエッチングした場
合には、導電性無機物層との界面の絶縁層において、変
性している部分がエッチング残りとなる不良が発生し易
いという問題がある。
【0015】一方、プレスで導電性無機物層と絶縁層を
一体化させた積層体III は、化学結合や化学的相互作用
よりも導電性無機物層の表面の凹凸によるアンカー効果
により密着力を生み出しているため、エッチング残りが
起きにくい。また、前記したように、プレスによる積層
体の製造においては、導電性無機物層を選択する自由度
が大きいため、これまでスパッタで導電性無機物層を形
成したものでは、適用不可能であった製品まで作製する
ことが可能となる。
【0016】ポリイミドは、一般に溶媒溶解性が乏しい
ことが多いが、ヒドラジンやアルカリ水溶液により分解
されるため、薬液によるポリイミドフィルムのウェット
エッチングが、これまで種々検討されてきた。たとえ
ば、特開昭50−4577号公報では、ヒドラジンとア
ンモニアを用いた配線構造体の製造方法が開示されてい
る。また、特開昭58−103531号公報では、無機
アルカリ水溶液によるポリイミドフィルムのエッチング
方法が開示されている。また、特開昭57−65727
号公報では、脂肪族ジアミンによるポリイミドのエッチ
ング方法が開示されている。その他に、現在開示されて
いるポリイミドのウェットエッチング方法は、ヒドラジ
ン・無機アルカリ・有機アルカリ・脂肪族アミン(ジア
ミン)・脂肪族アルコールを溶媒として、水や有機極性
溶媒を、それぞれ混合させた薬液を用いたものとなって
いる(例えば、特開昭58−74041号公報、特開昭
58−96632号公報、特開平3−101228号公
報、特開平5−190610号公報、特開平5−202
206号公報、特開平7−157560号公報)。
【0017】しかしながら、ポリイミドを分解する成分
であるヒドラジンは、毒性が高いため、生産工程に用い
るには適さないので、近年開示されている例は、無機ア
ルカリ水溶液にさまざまな添加剤を加えた系のエッチン
グ溶液が多い。
【0018】また、現在開示されているポリイミドのウ
ェットエッチング技術は、ポリイミド層が1層からなる
絶縁層を含む積層体を用いたものが主であり、ポリイミ
ド層が複数層積層されている積層体を、ウェットエッチ
ングにより加工した例の報告はわずかしかない(特開平
6−164084号公報)。これは、ポリイミドが複数
層積層されていると各層のエッチング特性が異なるた
め、ウェットエッチングにより良好な断面形状が得られ
ないという問題があるためである。
【0019】これらの従来のポリイミドフィルムのウェ
ットエッチングによりパターニングを行う方法には、パ
ターンマスクに金属を用いる方法(特開平5−2834
86号公報)、溶剤現像、溶剤剥離のネガ型液体レジス
トを用いる方法(特開平5−301981号公報)、溶
剤現像、溶剤剥離のポジ型の液体レジストを用いる方法
(特開昭51−27464号公報、特開昭53−490
68号公報、特開昭53−49068号公報、特開昭5
7−65727号公報、特開昭58−74041号公
報)がある。これら従来のポリイミドフィルムのウェッ
トエッチングによりパターニングを行う方法は、絶縁層
のパターニングに要する時間を短縮する効果はある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記、
金属層をパターンマスクとして用いてポリイミドをエッ
チングする方法は、金属層を最終的な絶縁層のパターン
形状となるようにエッチングし、該エッチングされた金
属層をパターンマスクとして絶縁層をエッチングした
後、該金属層をさらに目的とする配線の形状にエッチン
グによりパターニングし直す必要があった。即ち、この
方法は金属のエッチング処理が合計2回必要であり、し
かもポリイミドのエッチング時にエッチング液が金属に
触れるため、金属層の劣化の原因となっていた。
【0021】また、溶剤現像・剥離タイプの液体レジス
トを用いてレジストパターンを作製する場合には、現像
液及び剥離液に有機溶媒が必要であるので、環境への負
荷が大きく、廃液処理費用も必要であった。その上に、
溶剤現像・剥離タイプの液体レジストを用いる場合は、
均一な厚さの塗布膜を安定的に作成するのは次の理由か
ら困難であった。即ち、ハードディスクドライブ用サス
ペンション等の電子部品では、剛性の無い基板に液体レ
ジストを塗布、乾燥して製造することになり、均一な厚
みの塗布膜を作製することは困難であった。ハードディ
スクドライブ用サスペンション等の電子部品には高精度
のパターニングが要求されるが、塗布によりレジスト膜
を製造する場合には、塗布膜を精度よく一定厚みにする
には塗布・乾燥工程における非常に厳密な管理を必要と
していた。特に、塗布面に凹凸がある場合には、レジス
ト塗布膜の表面が平坦になりにくく、精度よくパターニ
ングできないという問題がある。
【0022】これらの状況から、アルカリ水溶液で現像
・剥離が行えるレジストによる絶縁層のウェットエッチ
ングが実現されることが生産上望まれている。基本的に
アルカリ現像・アルカリ剥離が可能なレジストは、無機
アルカリを含有しているポリイミドエッチング液を用い
ると、エッチング液のアルカリ成分により基板である積
層体から剥離してしまうことが確認されていたため、こ
のようなレジストを使用して、積層体のエッチングを行
い電子部品を製造することを実現することは従来困難と
思われていた。
【0023】塩基性(アルカリ)薬液によるポリイミド
ウェットエッチングをドライフィルムレジストを用いて
行うことは、電子部品を製造する上で非常に有利である
と考えられるが、現在、絶縁層としてポリイミド層の塩
基性(アルカリ)薬液によるウェットエッチングに適用
可能なドライフィルムレジストは知られていない。ま
た、従来の積層体がウェットエッチングに要する時間
が、長い、または、良好な形状にエッチングできないと
言う問題を抱えていたため、このようなドライフィルム
レジストの選定、適用が難しい、または、適用する意味
がないということから、詳細な検討が行われていないと
いう背景がある。
【0024】そこで本発明は、導電性無機物層―絶縁層
−導電性無機物層からなる積層体、又は導電性無機物層
−絶縁層からなる積層体をウェットエッチングにより電
子部品を製造するのに適し、しかも前記した従来技術の
問題点を解消することができるドライフィルムレジスト
を用いた電子部品の製造方法、該製造方法により得られ
た電子部品自体、及びハードディスク用サスペンション
を提供することを目的とする。
【0025】さらに本発明の付随的な目的は、アルカリ
現像、アルカリ剥離の処理工程による前記積層体のウェ
ットエッチングを可能にするドライフィルムレジストを
用いた電子部品の製造方法、該製造方法により得られた
電子部品自体、及びハードディスク用サスペンションを
提供することである。
【0026】また、本発明の付随的な目的は、導電性無
機物層の劣化を防ぐために導電性無機物層のエッチング
が1回で可能となる電子部品の製造方法を実現し、レジ
ストの現像・剥離に使用する薬液に環境への負荷が大き
い有機溶媒を用いることなく、単層構造又は2層以上の
絶縁ユニット層の積層構造の絶縁層に対してもウェット
エッチングを適用可能にするドライフィルムレジストを
用いた電子部品の製造方法、該製造方法により得られた
電子部品自体、及びハードディスク用サスペンションを
提供することである。
【0027】さらに本発明の付随的な目的は、ウェット
エッチング後の断面形状が良好でエッチング精度の良い
積層体である電子部品の製造方法、該製造方法により得
られた電子部品自体、及びハードディスク用サスペンシ
ョンを提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】前記した問題点を解決す
る本発明のドライフィルムレジストを用いた電子部品の
製造方法は、導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層
からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる
積層体にドライフィルムをラミネートしてウェットエッ
チングにより電子部品を製造する方法であって、該積層
体の絶縁層はウエットエッチングによってパターン形成
が可能であり、該絶縁層は1層以上であり、適用するド
ライフィルムの厚さが該積層体における1層の導電性無
機物層の厚さの1.1倍以上であり、かつ、70℃に保
たれたエッチング液に被エッチング物が浸漬されたと
き、ドライフィルムレジストパターンの保持時間が1分
以上であることを特徴とする。
【0029】上記ドライフィルムレジストがアルカリ水
溶液により現像可能であり、且つアルカリ水溶液で剥離
可能であることが好ましい態様である。このようなアル
カリ水溶液による現像及びアルカリ水溶液での剥離を行
うことにより、使用済み有機溶剤の処理の問題がない利
点がある。
【0030】本発明者等は、種々のドライフィルムレジ
ストの各種エッチング液に対する耐性を調査した結果、
アルカリ現像・アルカリ剥離タイプのドライフィルムレ
ジストについてエッチング条件・ドライフィルムレジス
トを以下のようにして適正化すれば、ドライフィルムレ
ジストの材質によっては、エッチング液に対する耐性を
持つことを見出した。また、アルカリ現像・アルカリ剥
離以外の、乳酸現像、乳酸剥離タイプのドライフィルム
レジストについても、同様に耐性を有することを見出し
た。
【0031】即ち、ドライフィルムのウエットエッチン
グ耐性を積層体に付与するためには、導電性無機物層の
パターニングが行われた積層体に対してドライフィルム
レジストを真空プレスにより減圧下でラミネートし、得
られたドライフィルムレジストのラミネート体に対して
ウェットエッチングすることが望ましい。ドライフィル
ムレジストを減圧下で積層体に対して面プレスを行うこ
とにより、ラミネート後の反りの問題が解決される。
【0032】一般的にドライフィルムレジストの積層体
とのラミネート後の反りの発生は次のようにして起こ
る。通常、電子部品の製造に用いられる積層体、即ち、
導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層からなる積層
体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積層体は、高
度の平坦性を追求し減圧下、熱圧着により作製されてい
るためロール状に巻き取った長尺物ではなく枚葉毎のシ
ート形態となっている。該積層体における絶縁層のパタ
ーンを形成するのに、ロールラミネータにより、金属の
パターニングが終わった基板にドライフィルムレジスト
をラミネートすると、積層体自体が薄く剛性に乏しいた
めに、積層体が反ってしまう。このような積層体の反り
は、レジストに対する露光時のマスクとアライメントの
ずれが大きくなると言う問題が生じていた。
【0033】該積層体の絶縁層のパターンを高精度に再
現するためには、絶縁層のウェットエッチングは、現行
のドライプロセスであるプラズマエッチングに比べて、
パターニングの寸法精度が良好であることも特徴である
ため、このようなアライメントのずれは大問題であり、
この問題の解決はウェットエッチングプロセスを確立す
る上で非常に重要である。
【0034】したがって、本発明はドライフィルムレジ
ストを減圧下で面プレスを行うことにより、ラミネート
後の反りの問題が解決している。しかし、通常のドライ
フィルムレジストを用いると面プレスの場合は、絶縁層
上に導電性無機物層の配線が形成されているため、該導
電性無機物層の配線が凹凸となっているので、その凹部
又は凸部の淵の箇所において、ドライフィルムレジスト
の間に気泡が内包されてしまうことがあるという問題が
ある。
【0035】また、上記のような場合に気泡の内包を緩
和するためには、ドライフィルムレジストの表面の少な
くとも片面に、微細な凹凸が形成されていることが望ま
しい。該微細な凹凸はエンボス加工によって施すことが
できる。表面に凹凸が形成されたドライフィルムレジス
トを、該凹凸が導電性無機物層の凹凸側(即ち配線側)
に向くようにラミネートすることにより気泡の発生を抑
制できる。即ち、凹凸により、気泡の逃げ場が生まれ、
気泡を抱き込むことを防げる。
【0036】また、上記のようなエッチング耐性を積層
体に付与するためには、ドライフィルムレジストのラミ
ネート体に露光、現像してパターニングした後、絶縁層
のエッチャントに対するドライフィルムレジストの耐性
を向上させる処理として、紫外線照射処理、加熱処理、
及び紫外線照射処理と加熱処理の組合せから選ばれた処
理を行うことが望ましい。しかし、それほどアライメン
ト精度の要求されていない製品については常圧下で公知
のラミネート手法を用いラミネートを行って差し支えな
い。
【0037】また、上記のようなエッチング耐性を積層
体に付与するためには、ドライフィルムレジストの厚さ
が、原料とする積層体の1層の導電性無機物層の厚さの
1.1〜5倍であることが望ましく、かつウェットエッ
チング処理される絶縁層の厚さと同等以上であることが
望ましい。このとき前記無機物層の厚さとは、絶縁層の
エッチングを行う際に、絶縁層上に設けられた無機物層
の厚さのうち最大のものをいう。
【0038】また、上記のようなエッチング耐性を積層
体に付与するためには、絶縁層のウェットエッチング時
の温度が10℃以上120℃以下であることか望まし
い。
【0039】また、上記のようなエッチング耐性を積層
体に付与するためには、ウェットエッチングする際に用
いるエッチング液のpHが8より大きいことが望まし
い。
【0040】アルカリ水溶液で現像と剥離が行えるドラ
イフィルムレジストは、現在、最も汎用的であるため安
価であり、品種も多く選択の幅が広い、また、現像・剥
離の工程に用いる装置も数多く市販されているために、
入手が容易であり、価格も安価である。また、無機のア
ルカリ水溶液の場合は、廃液の処理も容易であることか
ら、溶剤現像・溶剤剥離タイプの液体レジストを用いる
場合に比べ、プロセス全体にかかるコストを大幅に低減
できる。
【0041】本発明のドライフィルムが適用される積層
体は、ウェットエッチング後の積層体の断面形状が良好
でエッチング精度の良い積層体となるので、特に、ハー
ドディスクドライブ用サスペンションに有用である。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に本発明のドライフィルムレ
ジストを用いた電子部品の製造方法、電子部品及びハー
ドディスク用サスペンションについて、プロセス図を用
いて好適な実施の形態の具体例を概説する。しかしなが
ら、本発明はこれに限定されない。図1は、ポリイミド
の絶縁層1の片面に銅の導電性無機物層3、他の片面に
SUSの導電性無機物層2を形成した積層体を出発原料
とした、ウェットエッチングによる電子部品の製造方法
を示すプロセス図である。
【0043】(a)で示す層構成は電子部品の出発原料
の積層体である。該積層体の表裏面の各導電性無機物層
2、3に対して、ドライフィルムレジスト4を、ロール
プレス又は面プレスによりラミネートして、(b)で示
す積層構造のラミネート体を得る。該ラミネート体に対
して、導電性無機物層2、3が所望のパターンとなるよ
うなマスクを被せ露光し、次いで、NaHCO3 水溶液
で現像を行い、(c)で示す状態のレジストパターンを
形成する。次いで、FeCl3 水溶液で導電性無機物層
2、3のエッチングを行うことにより、(d)で示す状
態のレジストパターンに従った導電性無機物層2、3の
エッチングパターンを形成する。次いで、NaOH水溶
液又はKOH水溶液でレジストを溶解剥離し、(e)で
示す状態の導電性無機物層2、3のエッチングパターン
を得る。次いで、(e)の状態の導電性無機物層2、3
の積層体の表裏面に対してドライフィルムレジスト5
を、ロールプレス又は面プレスによりラミネートして、
(f)で示す積層構造のラミネート体を得る。該ラミネ
ート体に対して、絶縁層1が所望のパターンとなるよう
なマスクを被せ露光し、次いで、NaHCO3 水溶液で
現像を行い、(g)で示す状態のレジストパターンを形
成する。次いで、アルカリ水溶液で絶縁層1のエッチン
グを行うことにより、(h)で示す状態のレジストパタ
ーンに従った絶縁層1のエッチングパターンを形成す
る。次いで、NaOH水溶液又はKOH水溶液でレジス
トを溶解剥離し、(i)で示す状態のエッチングパター
ンが形成された本発明の電子部品を得る。次に本発明の
各構成要件を具体的に説明する。
【0044】積層体 本発明に用いる積層体は、導電性無機物層−絶縁層−導
電性無機物層、または、絶縁層−導電性無機物層からな
る層構成である。ここで、用いられる導電性無機物層と
は有機物ではない導電性物質層のことを言い、たとえ
ば、銅や鉄などの純金属層、ステンレスなどの合金層、
それら金属層の表面に処理を施された物質層、単結晶シ
リコン層、無機半導体層、金属酸化物層等が挙げられ、
導電性無機物層が絶縁層の両面に形成されている場合に
は、それぞれの導電性無機物層が同じでも良いし、異な
ってもよい。特に、電子部品として用いる場合には、
銅、銅合金、鉄、ニッケル、ステンレス等が好適に用い
られる。これら、導電性無機物層は、厚さが0.1μm
〜1mmの範囲であることが好ましく、特に導電性無機
物層が金属の場合は0.1μm〜200μmの範囲がよ
り好ましい。
【0045】本発明の電子部品の製造方法により得られ
る電子部品が、ハードディスクドライブ用サスペンショ
ン用途である場合には、出発原料としての積層体におけ
る導電性無機物層の一方が、ステンレスでさえあれば特
に制限されるものではないが、サスペンションに必要な
ばね特性や寸法安定性の観点から、SUS304が好ま
しく、より好ましくは300℃以上の温度でテンション
アニール処理がなされたものである。ステンレス箔の好
ましい厚さ範囲は10〜70μm、より好ましくは15
〜30μmである。
【0046】出発原料としての積層体のもう一方の導電
性無機物層は、厚さ3〜30μmの銅箔、銅合金箔など
が挙げられる。銅合金箔とは、銅とニッケル、シリコ
ン、亜鉛、すず、ベリリウム等の異種の元素からなる合
金で、銅含有率70%以上のものをいう。これらステン
レス箔及び銅合金箔については接着力等を向上させるた
め表面処理を施してもよい。
【0047】上記積層体における絶縁層は、絶縁性を有
する物質であれば、特に限定されないが、薄膜での絶縁
性と耐熱性の観点からポリイミド樹脂を少なくとも1層
以上含むことが好ましい。また、導電性無機物層との接
着性を向上させる目的から絶縁層を構成する複数層の絶
縁ユニット層が積層されていても差し支えない。たとえ
ば、接着性絶縁層を含んでも良い。その場合、耐熱性・
絶縁性の観点から全ての層がポリイミドであることが好
ましい。また、それら各層は、求められる特性に応じ全
て異なる組成のものでも良いし、同じ組成のものが複数
層用いられても良い。そのような例として、ステンレス
−接着性ポリイミドA−低膨張性ポリイミド−接着性ポ
リイミドB−銅からなる積層体が挙げられ、接着性ポリ
イミドAとBは、それぞれ被着体である導電性無機物層
が、ステンレスと銅と異なるため、それぞれ各被着体と
良好に接着する組成に調整する必要性から異なった組成
となっている。
【0048】上記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成する
少なくとも1層が有機物と無機物の複合体であってもよ
い。該複合体は、例えば、マトリクス樹脂層中に無機フ
ィラー等の無機物微粒子が分散されたもの、或いはガラ
スクロス等の繊維シートにマトリクス樹脂が含浸された
もの等が挙げられる。
【0049】また、基板の反り防止の観点から、絶縁層
のうち少なくとも1層は、導電性無機物層との熱膨張率
(線熱膨張係数)が、比較的似通ったものを用いるのが
好ましく(特開昭60−157286号公報参照)、そ
の熱膨張率の差の許容範囲は、±15ppmである。さ
らに、一般に導電性無機物は30ppm以下の熱膨張率
であることから、より好ましくは30ppm以下の熱膨
張率を有する絶縁層を用いると良い。また、より厳しく
反りの発生を抑えたい場合は、30ppm以下の絶縁層
の総厚が、全絶縁層の総厚の1/2以上であることが好
ましい。
【0050】積層体における絶縁層が、特に、複数層あ
るポリイミド層のエッチング特性は重要である。本発明
に用いる積層体における絶縁層が、二層以上の絶縁ユニ
ット層からなるるものは、ウェットエッチング時の各層
のエッチングレートの大きいものと小さいものの比が
6:1〜1:1、好ましくは4:1〜1:1の範囲内に
あるものが望ましい。この範囲内のエッチングレートを
持つ各絶縁ユニット層を選択すれば、絶縁層が良好なエ
ッチング形状となる。したがって、従来、厳しいスペッ
クが求められているワイヤレスサスペンション用の積層
体でもウェットエッチングが精度良く行えるので、ドラ
イエッチングに比べて短時間のエッチングが可能で生産
性が良い。
【0051】また、絶縁層の総厚みは、3μm〜500
μmであることが望ましい。さらに、生産性の観点か
ら、且つ、ドライフィルムレジストのエッチング液に対
する耐性の観点から、10秒以上30分以内のウェット
エッチング加工時間であることが好ましく、10秒以上
15分以内、さらに好ましくは10秒以上10分以内、
最も好ましくは10秒以上5分以内であることが望まし
い。30分間を超えるエッチング条件だと、エッチング
液が強アルカリであるので、ドライフィルムレジストが
エッチング時に剥離してしまい、所望のエッチングパタ
ーンの形成ができなくなるからである。ウェットエッチ
ング加工を行う条件でのエッチングレートが大きく、3
0分で500μm以上の絶縁層のエッチングができる場
合は、絶縁層の厚みは500μmでも良く、逆にエッチ
ングレートが小さく30分かけても500μmをエッチ
ングできない場合は、30分かけて絶縁層をエッチング
できる厚さまでが許容範囲である。具体的に例示する
と、絶縁層のエッチングレートが20μm/minであ
る場合は600μmまでが絶縁層の厚さの許容範囲であ
り、エッチングレートが2μm/minである場合には
60μm までが許容範囲である。
【0052】絶縁層のウェットエッチングとは、アルカ
リ溶液での絶縁層としてのポリイミドのエッチングを例
に取ると、イミド結合が溶液中の水酸化物イオンと反応
して開環し、ポリアミック酸になる。この状態でも、ポ
リイミドの時よりはアルカリ溶液に溶解しやすくなる
が、さらに、アミック酸のアミド基が水酸化物イオンの
攻撃を受け、加水分解されポリマーの分子量が下がるこ
とで溶解性が向上する。また分子鎖中に加水分解されや
すい基を有している場合はそこが加水分解される時もあ
る。一般に同一の構造、同一の製造条件で作製された絶
縁層の場合、近似的にその速さは、水酸化物イオンがポ
リイミドのイミド結合に衝突する回数に比例し、これは
熱力学的に温度と共に指数関数的に増大する。
【0053】このメカニズムにより、直鎖上のポリマー
である場合は、実用的な分子量の範囲であれば、エッチ
ングレートにはそれほど分子量の影響が出てこないと思
われ、実際、発明者らの行なった実験でも上記の仮説を
補強するデータが出ている。
【0054】本発明に使用される出発原料としての積層
体において、絶縁層を構成する接着性絶縁層とは、主に
ポリイミドやそれに類する樹脂であるが、特に限定され
ず、耐熱性や絶縁性を有する樹脂であればよい(イミド
結合の有無によらない)。本発明で接着性ポリイミドと
は被着体との密着力を100g/cm以上を有するポリ
イミドの事で、主に熱可塑性ポリイミドが用いられるが
特に限定されない。
【0055】本発明に使用される出発原料としての積層
体は、導電性無機物層に直接絶縁層の溶液を1 層以上塗
布・積層することにより絶縁層を形成し、それと、もう
一方の導電性無機物層を積層後、熱圧着することで作製
したもの(キャスト法)でも、予め用意された絶縁層と
してのコアフィルムに接着性絶縁層を形成し、その上下
に導電性無機物層を積層し熱圧着して作製したもの(フ
ィルム法)または、接着性絶縁層を絶縁フィルム上に形
成後、蒸着やスパッタ・めっき等で導電性無機物層を形
成したもの等、最終的な積層体の層構成さえ同じであれ
ば、その作製方法によらず、目的となる製品の要求性能
に合わせて、適宜選択できる。
【0056】目的とする電子部品が、圧延銅箔やステン
レスなど、めっきにより形成できない導電性無機物層が
必須の成分である場合は熱圧着により導電性無機物層を
形成する方法により作成された積層体を用いるのが好ま
しく、配線幅が1μm 以下の非常に微細な導電性無機物
層のパターニングが必要となる場合には、スパッタやめ
っきにより導電性無機物層が薄く形成された積層体を用
いるのが好ましい。導電性無機物層を含めた積層体全体
の厚さは、用いる用途により多様であるが、5μm 〜2
000μm までの範囲が好ましい。特に、積層体におけ
る導電性無機物層全てが金属である場合は、5μm から
1000μm の範囲が好ましく、5〜500μm の範囲
が特に好ましい。
【0057】ドライフィルムレジスト 本発明に使用されるドライフィルムレジストには、紫外
線(電磁波)を照射することで、現像液に対する溶解性
が変化する物質が挙げられる。ドライフィルムレジスト
とは、所望のパターンの露光マスクを通して紫外線(電
磁波)を照射することで露光部と未露光部でのパターニ
ングが可能である感光性樹脂組成物が、フィルム状に成
形されたものを言う。露光部が現像液に溶出するポジ型
と未露光部が現像液に溶出するネガ型があり、本発明に
は後記する要求物性を満たしていれば、どちらを用いて
も良い。
【0058】本発明に使用されるドライフィルムレジス
トは、具体的には、高分子バインダー、単官能、及び/
または多官能モノマー、光重合開始剤、その他添加剤の
配合により得られ、通常、それらの混合溶液をフィルム
のような基材に塗布して製造することができる。
【0059】本発明に使用されるドライフィルムレジス
トの一成分としての前記高分子バインダーは、ドライフ
ィルムレジストの形態を保持する目的、また、現像性を
付与する目的などでドライフィルムレジストに混入さ
れ、いわゆる、ドライフィルムレジストの骨組に当たる
成分である。このような高分子バインダーとしては、主
にアクリル系樹脂を用いることができ、その他にもポリ
エステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリアリルアミ
ン等を用いることができるが、しかしながら、特に限定
されない。また、ドライフィルムレジストとして形状を
保持しなければないらないことから、高分子バインダー
の重量平均分子量は、6000以上であることが好まし
く、現像性の観点から重量平均分子量が100000以
下であることが好ましいが、特に限定されない。
【0060】本発明に使用されるドライフィルムレジス
トの一成分としての高分子バインダーには、現像性を付
与するために、アルカリ現像の場合は酸性の官能基、酸
現像の場合は塩基性の官能基が導入される場合が多い。
該官能基として、多官能モノマー、および単官能モノマ
ーは、紫外線等が照射されることにより光重合開始剤が
発生させたラジカルにより、高分子バインダーや他の多
官能モノマーと反応し、架橋構造を形成することで、ド
ライフィルムレジストの溶解性を減少させる働きがあ
る。
【0061】このような官能基の具体例には、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シ
クロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、2−ジ(pーヒドロキシフェニル)
プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエ
チルトリメチロールプロパントリアクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)
アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリ
ロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、及びウレタ
ン基を含有する多官能(メタ)アクリレート、ビスフェ
ノールAを構造中に含んだ多官能メタクリレートまたは
アクリレート等が挙げられるが、特に限定されない。
【0062】本発明に使用されるドライフィルムレジス
トの一成分としての光重合開始剤は、電磁波、特に、紫
外線を吸収し、解裂、及び/または他分子からの水素引
きぬきを行い、ラジカルを発生させるものであり、例え
ば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラ
キノン、1,2ーベンズアントラキノン、2,3−ベン
ズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,
3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキ
ノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラ
キノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナント
ラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−
ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアン
トラキノンなどのキノン類;ベンゾフェノン、ミヒラー
ズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフ
ェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ
ェノンなどの芳香族ケトン類;ベンゾイン、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチル
ベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾインエーテ
ル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケ
タール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェ
ニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物;チ
オキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わ
せ、例えば、エチルチオキサントンとジメチルアミノ安
息香酸エチル、2ークロルチオキサントンとジメチルア
ミノ安息香酸エチル、イソプロピルチオキサントンとジ
メチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、また、2
−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾリル二量体とミヒラーズケトンとの組み合わせ;9−
フェニルアクリジン等のアクリジン類、1−フェニル−
1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシ
ム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(ο
−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル
類等が挙げられるが、特に限定されない。
【0063】その他、本発明に使用されるドライフィル
ムレジストの添加剤としては、照射された電磁波の吸収
効率を高める色素や、ドライフィルム自体に柔軟性を与
える可塑剤、等が挙げられるが、特に限定されない。
【0064】本発明に使用されるドライフィルムレジス
トには、アルカリ水溶液により現像と剥離が行えるもの
が好ましいが、エッチング液に耐性を持ち絶縁層をウェ
ットエッチングしている間、パターン形状を保持するこ
とができるものであれば、特に限定されない。たとえ
ば、アルカリ水溶液により現像・剥離が行えるのは、旭
化成工業株式会社製サンフォートシリーズ(商品名)、
ニチゴーモートン社製ALPHOシリーズ(商品名)、
LAMINARシリーズ(商品名)などが挙げられる。
また、市販の乳酸現像・乳酸剥離タイプのドライフィル
ムレジスト SFP−00GI−25AR(商品名:新
日鐵化学株式会社製)なども使用可能である。
【0065】本発明に使用される積層体における絶縁層
のウェットエッチングは、絶縁層表面に導電性無機物層
の配線等の凹凸が形成されている場合が多く、その場
合、用いるドライフィルムレジストの膜厚は、導電性無
機物層の厚みの1.1倍以上であることが望ましい。
1.1倍未満だと、ドライフィルムレジストのラミネー
ト後に基板の凸部がドライフィルムレジストを突き破っ
て露出する恐れがあり、エッチング形状不良の原因とな
る。簡便に表記すると、ドライフィルムレジストの膜厚
は、ドライフィルムレジストによりパターンを形成する
側の導電性無機物層のパターンの厚さの最大値の1.1
倍以上の範囲であれば良好なパターン形状が得られる。
【0066】通常、市販のドライフィルムレジストのア
スペクト比は、2〜1程度であり、細線をパターニング
するには、薄ければ薄いほど有利であるが、上記のよう
な問題があるため、積層体に設けられた導電性無機物層
より厚いことが必要である。
【0067】ドライフィルムレジストのラミネート手法
は、通常ロールプレス、面プレス等公知のラミネート方
法を用いることができる。
【0068】本発明に用いる積層体の絶縁層が薄く、無
機物層を所望の形状にパターニングした状態では、積層
体の剛性が低い場合には、ロールプレスによりドライフ
ィルムレジストを積層体にラミネートすると、枚葉のシ
ート毎に加工した場合、シートのラミネートされた積層
体が反ってしまうという問題がある。基板が反ると、そ
の後、露光を行うときにアライメントに大きなずれが生
じる。このずれは、導電性無機物層のパターンと絶縁層
のパターンのずれの原因になるため、できうる限り小さ
いものにしなければならない。そのため、シート上の積
層体にドライフィルムレジストをラミネートする場合に
は、面プレスを用いるのが精度良く設計どおりの製品を
作製するのに好ましい。
【0069】また、ドライフィルムレジストをエッチン
グされた導電性無機物層上にラミネートする際に、気泡
の混入があると、例えば、エッチングにより導電性無機
物層の凹凸の淵の箇所において、ドライフィルムレジス
トの間に気泡が内包されると、その部分が密着不良とな
り、エッチング形状に不良が出る。ウェットエッチング
は、ドライプロセスであるプラズマエッチングよりも数
十倍エッチング速度が大きいため、このような密着不良
があると通常エッチングされない部位までエッチングさ
れやすく、パターン不良がドライプロセス以上に広範囲
にわたる。このため、高精度のパターニングを要求され
る製品の場合には、このラミネート工程を減圧状態乃至
真空状態、好ましくは、80KPa(≒600mmH
g)以下、さらに好ましくは40KPa(≒300mm
Hg)以下、最も好ましくは、6.7KPa(≒50m
mHg) 以下の蒸気圧で行うことが気泡除去に望まし
い。
【0070】ところで、表面が平滑なドライフィルムレ
ジストを用いる場合には、減圧の面プレスを行っても、
基板表面の約20%以上が気泡となることがある。この
ような場合には、表面に微細な凹凸が施されているよう
なドライフィルムレジストを用い、基板側に凹凸を向け
るようにしてラミネートすると、微細な凹凸が気泡の逃
げる通路となり、この現象が発生せず、気泡の除去に非
常に有効である。
【0071】つまり、シート毎の処理でドライフィルム
レジストをラミネートする場合に、寸法精度の良い製品
を作製するには、減圧下における面プレスを実施するこ
と、及び表面に凹凸が施されているドライフィルムレジ
ストを用いることが好ましい態様となる。
【0072】ドライフィルムレジスト表面に施された凹
凸は、その表面粗さRzが0.5μm〜50μmの範囲
であることが好ましく、その凹凸を形成する手法は、感
光性樹脂組成物を塗布又は成形によりドライフィルムレ
ジストにした後に、エンボス加工を施すことにより、或
いは予め凹凸のついたフィルムに感光性樹脂組成物の溶
液を塗布し、乾燥させることによって、凹凸が形成され
たドライフィルムレジストを得てもよいが、その手法に
関しては特に限定されない。
【0073】ラミネート手法 精密な加工精度を要求される場合ドライフィルムレジス
トをラミネートする条件は、20〜100℃の範囲の温
度、0.05〜0.3MPa(0.5〜3kgf/cm
2 )の範囲の圧力で実施するのが好ましい。また、その
時の雰囲気は減圧状態乃至真空状態、好ましくは、80
KPa(≒600mmHg)以下、さらに好ましくは4
0KPa(≒300mmHg)以下、最も好ましくは、
6.7KPa(≒50mmHg) 以下の蒸気圧であるこ
とが望ましい。加工する積層体のシートサイズにより真
空吸引時間を調整するが、圧着時にドライフィルムレジ
ストと積層体のシート間に気泡が残らないように、時間
を設定する。また、ラミネート条件は、使用するドライ
フィルムレジストのTgにより異なり、導電性無機物層
のパターン間を十分に被覆できる温度でラミネートを行
う。このとき、温度を高くしすぎると露光時の感度が不
安定になるので注意する。
【0074】ドライフィルムレジストの現像と剥離は、
用いるドライフィルムレジストに対応した現像液または
剥離液を用い、その推奨条件で行うのが好ましいが、特
に限定されない。先に述べたように、廃棄物処理の観点
から、無機アルカリ水溶液による現像が好ましい。現像
方法は、ディップ法でもスプレー法でも、液中スプレー
法でも良く、特に限定されない。
【0075】ドライフィルムレジストをポリイミドのウ
ェットエッチングに用いる場合には、エッチング液の成
分が非常に反応性の高い成分を高濃度で含有しているた
め、ドライフィルムレジストがパターンを保持するのが
他の場合に比べて困難である。そのような場合、ドライ
フィルムレジストをラミネートし、露光現像後、パター
ンが形成された状態で、加熱するか、ネガ型のドライフ
ィルムレジストの場合には、再び、電離放射線、好まし
くは、紫外線を照射すると、ドライフィルムレジストの
パターンが強固になり、エッチング液に接触しても形状
を保持する時間が長くなる。
【0076】加熱する条件としては、30℃〜200
℃、好ましくは70℃〜150℃の範囲であり、処理時
間は、10秒〜20分の間が適当である。手法として
は、ホットプレート上に静置する方法、オーブンに投入
する方法、熱風で処理する方法、赤外線ヒータを用いる
方法等が挙げられるが特に限定されない。
【0077】また、レジストパターンの形成後に紫外線
(電磁波)を照射することで、パターン保持性を向上さ
せる場合には、パターン露光時と同様の波長で、5mJ
以上のエネルギーの照射を行うと良い。
【0078】ここで、ドライフィルムレジストが充分積
層体に密着していないとウェットエッチングを行ったと
きに、ドライフィルムレジストが剥離してしまう。そこ
で、最低200g/cm以上の90°剥離強度を保持し
ているのが好ましい。
【0079】また、熱プレスにより作製された積層体に
多く見うけられるが、積層体を形成する無機物表面に密
着力向上のためにに粗化処理が行われており、その粗化
面が絶縁層に転写されている場合は、その凹凸にドライ
フィルムが食い込む為、密着力が得やすいので好まし
い。
【0080】エッチング液 本発明に使用されるドライフィルムレジストに適用可能
なエッチング液には、従来技術の欄で述べたような種々
のエッチング液が使用できる。しかし、本発明の電子部
品の製造方法は、高い生産性でかつ、低いプロセスコス
ト(装置コスト・維持管理コスト・廃棄物処理コス
ト)、低毒性であることを目的とするものであるので、
エッチング液は低毒性で、且つ高寿命であることが望ま
しい。毒性の高いヒドラジンは含まないものであること
が好ましいが、エッチング液に対して、重量で10wt
%以下であれば添加剤と言う観点で含んでも良い。ヒド
ラジンが10%を超えると、エッチングを行ったときの
形状が不安定になりやすく、工程の管理が難しくなる。
これは、特開平5−301981号公報に述べられてい
るようにヒドラジンは、エッチングの挙動が不安定であ
るためであり、ヒドラジン含有量が少ない方が工程管理
上・作業環境上も好ましい。
【0081】本発明に使用されるドライフィルムレジス
トに適用可能なエッチング液は、該ドライフィルムレジ
ストが形状を保持可能な時間内に、ポリイミドがエッチ
ングできるだけの充分なエッチング速度を有していなけ
ればならない。具体的には、特開平10−97081号
公報と特開平10−195214号公報に開示されてい
る無機アルカリを主成分としたアルカリ水溶液が、もっ
とも好ましい。本発明で使用できるエッチング液は、基
本的には無機アルカリ・脂肪族アミン(ジアミン)・脂
肪族アルコール・脂肪族アミノアルコールの単独、また
はそれらの混合の水溶液に、尿素や有機極性溶媒が添加
してあるものが挙げられる。
【0082】エッチングにおける処理温度は、用いるエ
ッチング液の凝固点、または、沈殿が生じる温度より高
く、沸点よりも低い温度の範囲であればよいが、生産性
や工程管理上の関係から、10℃〜120℃、好ましく
は30℃〜95℃、より好ましくは50℃〜90℃であ
る。処理を行う温度で揮発する成分が含まれているエッ
チング液の場合は、長時間処理を継続すると、エッチン
グ液の組成が変化してしまうことがあるため、処理温度
はできるだけエッチング液の内容成分が揮発しない温度
で行うのが好ましいが、必ずしもその温度で行う必要は
ない。
【0083】エッチング浴内の温度分布は小さければ小
さいほど良いが、±1℃の範囲で維持されているのが好
ましく、±0.5℃の範囲で維持されているのがより好
ましい。
【0084】これまでの知見から温度が高くなればなる
ほど、ポリイミドのウェットエッチングのメカニズムか
ら、指数関数的にエッチングレートが大きくなることが
確認されている。エッチングレートが大きい条件で処理
を行えば行うほど、温度に対するエッチングレートの違
いが大きくなるため、エッチング浴内で温度分布がある
と基板面内でのパターン精度のばらつきが大きくなる。
絶縁層のエッチングレートが大きい場合に特に顕著であ
り、極力温度分布を小さくすることが均一な加工を行う
上で効果がある。
【0085】エッチングを行う方法は、ディップ法、ス
プレー法、液中スプレー法、ディップ+超音波照射法等
が挙げられるが、スプレー法の場合、エッチング液から
の内容成分の揮発が多く、液の管理が困難になる。好ま
しくはディップ法、または液中スプレー法であり、エッ
チング形状のテーパー角をより小さくするためには、液
中スプレー法が好ましい。
【0086】エッチング液中において超音波を照射する
場合には、超音波照射により、ドライフィルムレジスト
が部分的に剥離し、エッチング形状が不良とならないよ
うに超音波条件を考慮する必要がある。
【0087】積層体のエッチング処理中は、積層体を垂
直に立てた状態で処理を行っても良いし、水平にした状
態で処理を行っても良い。垂直に立てて処理を行うとエ
ッチング終了後にエッチング浴から取り出したときに、
エッチング液の切れが良く、エッチング液のロスが少な
い。水平にして処理を行うと、水平連続搬送が可能とな
り量産性により適しているし、また、エッチング液の温
度分布が小さくなる利点がある。
【0088】ドライフィルムレジストの剥離 ドライフィルムレジストの剥離は、用いるドライフィル
ムレジストの剥離の推奨条件を用いるが、使用する絶縁
層であるポリイミド等がアルカリ耐性に乏しい場合は、
エタノールアミン等の有機アルカリを使用すると良い。
ドライフィルムレジストの剥離の手法は、通常、薬液の
スプレー剥離が用いられることが多いが、ディップ法で
も超音波照射によるものでもよい。
【0089】また、熱プレスにより作製された積層体に
多く見うけられるが、積層体を形成する導電性無機物層
表面に密着力向上のために粗化処理が行われており、そ
の粗化面が絶縁層に転写されている場合は、その粗化面
にドライフィルムレジストが埋め込まれているので、通
常よりも条件を激しくする必要がある。また、前記のエ
ッチング液耐性向上処理を行った場合も同様である。
【0090】
【実施例】[エッチング性試験]絶縁層を形成するため
のサンプルを製造するために、接着性樹脂として三井化
学株式会社製ポリアミック酸ワニス:PAA−A(商品
名)、新日本理化株式会社製ポリイミドワニス:EN−
20(商品名)を用意した。コアとなる低膨張性ポリイ
ミドとしては、鐘淵化学株式会社製ポリイミドフィルム
APIKALNPI(商品名、厚さ12.5μm )を
用意した。エッチング試験に用いるエッチング液は、東
レエンジニアリング株式会社製アルカリ−アミン系ポリ
イミドエッチング液TPE−3000(商品名)を用意
した。
【0091】前記各接着性樹脂ワニスを15cm×15
cmの大きさの膜厚100μm のSUS304板上にス
ピンコートで乾燥後の膜厚20μm〜40μmとなるよ
うにそれぞれコーテイングし、EN−20(商品名、新
日本理化株式会社製)は180℃30分オーブンによっ
て乾燥を行った。また、PAA−A(商品名、三井化学
株式会社製)は、アミック酸ワニスであるので120℃
15分間の乾燥工程において溶媒を除去した後、所定の
操作をして熱イミド化してポリイミドとした。APIK
AL NPI(商品名、鐘淵化学株式会社製)について
は、片面をマスキングし、サンプルとした。各サンプル
を長さ約1.5cm、幅約2cmに切り出し、中心部に
カッターナイフで傷をつけた後に、膜厚を触針式膜厚計
(DektakTechnology社製)にて測定し、初期の膜厚とし
た。その後、70℃に調節され、マグネチックスターラ
ーにて渦ができる程度に攪拌されたポリイミドエッチン
グ液TPE−3000(商品名、東レエンジニアリング
株式会社製)に浸積し、時間ごとに初期膜厚を測定した
場所とほぼ同じ場所の膜厚を触針式膜厚計(Dektak Te
chnology社製)にて測定し、初期の膜厚から浸積後の膜
厚を引いたものを、膜減り量とした。その1分間当たり
の膜減り量をエッチングレート(単位:μm/min)
とした。その値を下記の表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】[エッチング性評価]厚み12.5μmの
ポリイミドフィルムであるAPIKAL NPIフィル
ム(商品名、鐘淵化学株式会社製)に、乾燥後の膜厚が
1.5μm±0.3μmになるようにEN−20(商品
名、新日本理化株式会社製ポリイミドワニス)を両面に
塗布し、180℃30分間オーブンにて乾燥して成膜し
た。これを接着層付きフィルムAとした。
【0094】同様に、厚み12.5μmのAPIKAL
NPIフィルム(商品名、鐘淵化学株式会社製)の両
面にPAA−A(商品名、三井化学株式会社製)を塗
布、成膜したものを接着層付きフィルムBとした。PA
A−A(商品名、新日本理化株式会社製ポリイミドワニ
ス)は、アミック酸ワニスであるので120℃15分間
の乾燥工程で溶媒を除去後、所定の操作をして熱イミド
化してポリイミドとした。以下に、コア層と接着層のエ
ッチングレートの比を示す。下記の表2に接着層付きフ
ィルムA及びBのエッチングレートの比を示す。
【0095】
【表2】
【0096】前記各接着層付きフィルムA及びBを厚み
20μmのSUS304HTA箔(商品名、新日本製鉄
製)を、厚み18μm(Rz=1.5μm)のオーリン
社製銅合金箔C7025(商品名)の疎面側に向けて挟
み、20Kg/cm2 圧力、270℃で10分間、真空
圧着し、SUS:絶縁層:銅からなる3層材を2種類作
製した。得られた積層体を積層体A、積層体Bとした。
【0097】[絶縁層のエッチング評価]前記工程で得
られた各積層体A及びBを、SUS側をマスクして、塩
化第二鉄溶液に浸積し、銅箔をエッチングした。その
後、乾燥し、適当な大きさに裁断した後、70℃でマグ
ネチックスターラーで渦ができるほど攪拌した東レエン
ジニアリング社製エッチング液TPE−3000(商品
名)に浸積した。きれいにポリイミド膜が除去され、S
US面が露出した時点で取り出し、絶縁層をウェットエ
ッチングした。
【0098】また、同様にして、圧力25〜30Pa、
プロセスガスNF3 /O2 =10/90%、周波数40
kHzにてプラズマ処理を行い、絶縁層をプラズマエッ
チングした。
【0099】SUS上にポリイミド層が目視で残存して
ないことが確認できるまでエッチングし、このエッチン
グに要した時間で、絶縁層の膜厚を割った値(エッチン
グレート)を下記表3に示す。
【0100】
【表3】
【0101】表3によれば、ウェットエッチングはプラ
ズマエッチングに比べエッチングレートが大きく。非常
に短時間で、絶縁層のエッチングが可能であることが確
認された。
【0102】[導電性無機物層のパターニング]300
mm×300mmの大きさの前記エッチング性評価の試
験で調製した積層体Aのステンレス層上、及び銅合金箔
層上の両方の面に厚み50μmのアルカリ現像型ドライ
フィルムレジストを加熱したロールラミネーターにて
0.5m/minの速さで、ロールの表面の温度105
℃で、2〜4Kg/cmの線圧でラミネート後、15分
間室温で放置した。このとき、積層体の両面にステンレ
ス層と銅合金箔層があるため、ドライフィルムレジスト
のラミネート後も積層体は平坦であり、反りは確認され
なかった。その後、所定のマスクを用いて真空密着露光
機で100mJ/cm2 露光した。室温で15分間放置
後、Na2 CO3 1重量%水溶液で、30℃、スプレー
圧2Kg/cm2 で60秒間ドライフィルムレジストを
現像し、レジストパターンを形成した。
【0103】その後、塩化第二鉄水溶液にてステンレス
層、銅箔層を同時に、エッチングした。その後、50℃
の3重量%NaOH水溶液で、スプレー圧1Kg/cm
2 でドライフィルムレジストを剥離し、積層体Aの導電
性無機物層をパターニングした。このようにして、ステ
ンレス層及び銅合金層がパターニングされ部分的に絶縁
層が露出した積層体Aが得られた。
【0104】[ドライフィルムレジスト]アルカリ現像
・アルカリ剥離タイプのネガ型ドライフィルムレジスト
として、以下の、旭化成工業株式会社製サンフォートA
Q‐1558(商品名、厚み15μm)、同AQ‐20
58(商品名、厚み20μm)、同AQ‐2538(商
品名、厚み25μm)、同AQ‐3038(商品名、厚
み30μm)、同AQ‐4038(商品名、厚み40μ
m)、同AQ‐5038(商品名、厚み50μm)、及
びニチゴーモートン株式会社製ALPHO NPE53
8(商品名、厚み38μm、エンボス処理あり)、同N
PE342(厚み42μm、商品名、エンボス処理あ
り)を用意した。また、乳酸現像、乳酸剥離タイプのネ
ガ型ドライフィルムレジストとして新日鉄化学株式会社
製SFP−00GI−25−AR(商品名)を用意し
た。
【0105】上記のサンプルを以下の手法で、面プレス
(減圧下、及び常圧下)とロールプレス(減圧下、及び
常圧下)を行って、ドライフィルムレジストラミネート
後の積層体Aの外観を検討した。
【0106】[面プレス]積層体Aを、ドライフィルム
レジスト(DFR)により挟み、名機製作所製真空ラミ
ネーターMVLP−500を用い、設定温度75℃の熱
板上にドライフィルム−積層体−ドライフィルムからな
る順番で積層し、セットした後、チャンバー内気圧を3
0mmHg(≒4KPa:大気圧の約1/25)まで減
圧後、プレス圧1Kgf/cm2 で80秒プレスした。
また同様にして、プレスする際の内部気圧を常圧にした
ものも行った。
【0107】このようにしてラミネートを行った積層体
は、常圧下では全てのサンプルにおいて、銅合金箔やス
テンレス箔がパターニングされている端部に所々に気泡
が混入していた。また、減圧下でプレスを行ったとき
は、エンボスにより表面に微細な凹凸が施されているド
ライフィルムレジストは、気泡が混入していなかった
が、エンボス加工がなされていないものは銅合金箔やス
テンレス箔がパターニングされている端部に所々に気泡
が混入していた。しかし、全てのサンプルが平坦であ
り、反りは見うけられなかった。
【0108】[ロールプレス]積層体Aを、ドライフィ
ルムレジストで挟み加熱したロールラミネーターで0.
5m/minの速さでロールの表面の温度105℃で、
2〜4Kg/cmの線圧でラミネートした後、15分間
室温で放置した。このようにして、ラミネートを行った
積層体は、すべて平坦な金属板上に静置すると、両端が
約1.5mm〜2mmほど浮き上がり、銅合金箔がパタ
ーニングされている側に反りかえっていた。また、減圧
下でラミネートを行ったものは気泡の混入はなかった。
しかし、常圧で行ったものは、銅合金箔やステンレス箔
がパターニングされている端部に所々に気泡が混入して
いた。
【0109】それぞれのサンプルで、ドライフィルムレ
ジストの表面からパターニングされたステンレス箔(厚
さ20μm )や銅合金箔(厚さ18μm )が、露出して
いないかを確認したところ、それぞれ金属層の厚さとド
ライフィルムレジストの厚さが同じか、小さいときに部
分的に金属がドライフィルムレジストを突き破り、露出
していた。評価結果を下記の表4に示す。
【0110】
【表4】
【0111】この結果より、平板プレスを用いた場合
は、ドライフィルムの表面に凹凸があるものが気泡の混
入に対し有効であることがわかる。また、ロールプレス
の場合、減圧を行えば表面が平坦なドライフィルムを用
いても気泡の混入は見うけられなかった。また、SUS
の厚さが20μm、銅箔の厚さが18μmであることよ
り、金属の露出がなくきれいにラミネートできるのは、
金属の厚さの1.1倍以上の厚さのドライフィルムであ
った。
【0112】[ドライフィルムレジストの選定]上記工
程で得られた絶縁層が露出した積層体Aを用いて以下の
作業を行った。積層体Aを、SUS側をマスクして、塩
化第二鉄溶液に浸積し、銅箔をエッチングした。その様
にして露出させた接着層面に上記のアルカリ現像型ドラ
イフィルムレジストを、加熱したロールラミネーターで
0.5m/minの速さでロールの表面の温度105℃
で、2〜4Kg/cmの線圧で、ラミネートした後、1
5分間室温で放置した。その後、OCR製作所製平行光
密着露光機にて、ライン&スペースが、それぞれ500
μm/500μmと80μm/80μmのストライプマ
スクをサンプルに密着させ、ドライフィルムの推奨の露
光量を30〜200mJの範囲で片面露光後、サンプル
を裏返して露光した。室温で15分間放置後、Na2
3 1重量%水溶液で、30℃、スプレー圧2Kg/c
2 で60秒間ドライフィルムレジストを現像した。そ
の後、乾燥し、70℃でマグネチックスターラーで渦が
できるほど攪拌した東レエンジニアリング社製エッチン
グ液TPE−3000(商品名)に浸積した。種々、浸
漬時間を変化させたサンプルを、50℃の3重量%Na
OH水溶液で、スプレー圧1Kg/cm2 でドライフィ
ルムレジストを剥離した。その様にして、所望の形状に
絶縁層をウェットエッチングした。ドライフィルムレジ
ストには、旭化成工業社製サンフォートAQ−1558
(商品名)、AQ−2058(商品名)、AQ−253
8(商品名)、AQ−3038(商品名)、AQ−40
38(商品名)、AQ−5038(商品名)、並びにニ
チゴーモートン社製NPE538(商品名)、NPE3
42(商品名)、新日鉄化学株式会社製SFP−00G
I−25−AR(商品名)を使用した。ただし、SFP
−00GI−25−AR(商品名)の現像に関しては指
定の乳酸水溶液を用いた。
【0113】各サンプルにつき、一定時間エッチング液
に浸漬したサンプルのストライプパターンの上部の寸法
を計測し、その寸法がパターン寸法の20%以上変化し
た点を便宜的にドライフィルムレジストパターンが剥
離、または溶解した時間とみなし、その時間までをドラ
イフィルムレジストがパターン形状を保持している時間
とした。この時間をパターン保持時間とする。各サンプ
ルについてパターン保持時間を下記の表5に示す。
【0114】
【表5】
【0115】表5によれば、旭化成工業社製サンフォー
トAQ5038(商品名)とニチゴーモートン社製NP
E342(商品名)がエッチング液耐性に比較的優れて
いることがわかった。また、旭化成工業社製サンフォー
トAQ2538〜AQ5038(商品名)は、同一組成
のドライフィルムレジストで厚さが違うだけであり、サ
ンプル番号の大きくなるにつれてドライフィルムレジス
トの厚みが増えたものである。表5によれば、厚みが増
えるにつれて、パターン保持時間が増えており、このこ
とからエッチング液耐性も向上していると判断される。
【0116】パターン補強処理 ドライフィルムレジストをパターニングした後に、ドラ
イフィルムレジストのエッチング液に対する耐性をさら
に与えるため、以下のような後処理を行った。用いたサ
ンプルは、上記の工程で銅合金箔を前面除去した積層体
Aを用い、旭化成工業社製サンフォートAQ5038
(商品名)をL/S=500μm/500μmと80μ
m/80μmのストライプにパターニングして用いた。
評価手法も前記ドライフィルムレジスト選定のときと同
じ手法で評価した
【0117】[熱処理]120℃に熱したホットプレー
ト上に、アルミホイルを敷き、その上にサンプルAを静
置し、パターン保持時間を求めた。このとき以下の表の
様に時間を変化させた。処理時間に対するパターン保持
率の結果を下記表6に示す。
【0118】
【表6】
【0119】[後露光処理]ネガ型のドライフィルムレ
ジストを用いているため、現像後に、さらにレジストパ
ターンを強化する必要があるので、以下のような条件で
後露光を行い、パターン保持時間を求めた。露光量に対
するパターン保持率を下記表7に示す。
【0120】
【表7】
【0121】表6及び表7によれば、パターン補強処理
において加熱によるものの方が効果が大きかったが、後
露光によるものでも熱処理ほどではないが効果があっ
た。これらは、求める電子部品やプロセスにより適宜選
択すると良い。またこれらの組み合わせでも、効果が確
認されたが熱処理の効果の寄与が大きく、露光による効
果はそれほど目立たなかった。
【0122】[露光・現像]上記工程で得られたドライ
フィルムレジストを積層された積層体Aに対して、マス
クパターンを被せ露光をg線で露光量30〜150mJ
/cm2 で行い、30℃、1重量%Na2 CO3 でスプ
レー現像した。これにより、絶縁層加工レジストパター
ンは絶縁層上にパターニングされたステンレス層、及び
銅合金箔層にオーバーラップするように形成した。
【0123】もし、オーバーラップを行わないように絶
縁層を残す領域にのみ絶縁層加工パターンを形成する
と、ウェットエッチングによりレジストパターンもエッ
チングされ、当該パターンとステンレス層または銅合金
層との間に隙間が形成されて、エッチングが入ってしま
い、絶縁層の加工したくないところをエッチング加工し
てしまう可能性がある。これを防ぐために、絶縁層加工
レジストパターンは、絶縁層上にパターニングされたス
テンレス層または銅合金層とオーバーラップするように
形成した。特に、ステンレス層または銅合金層の線幅が
狭い場合は、線幅の狭い導電層上に絶縁層加工レジスト
パターンを形成することは、このような点でも効果があ
る。
【0124】このとき、反りのあったサンプルは露光時
にマスクに密着せず、吸引により強制的に密着させたと
ころ、その反りの程度によってアライメント精度が他の
サンプルの3〜5倍程度悪化した。
【0125】[ウェットエッチング]上記工程で得られ
たサンプルを、以下の条件でウェットエッチングを行っ
た。なお、ドライフィルムレジストのエッチング液耐性
向上処理は行なわなかった。ウェットエッチング条件と
しては、前処理として、ノニオン系界面活性剤である日
信化学工業製サーフィノール104E(商品名)の0.
5%水溶液に、30秒浸漬させた後に、液中スプレー方
式水平搬送型エッチング装置に投入した。エッチング液
は東レエンジニアリング社製エッチング液TPE−30
00を用い、処理温度は80℃とした。ポリイミド層の
エッチング液に対するエッチングレートや、エッチング
する温度にもよるが、この場合各サンプルの、エッチン
グに要する時間は70〜90秒程度であった。
【0126】その際に、レジストパターンに気泡が混入
していたサンプルとステンレス層および、銅合金箔層が
露出していたサンプルは、エッチングが目的の形状にな
っていない部位が多く見うけられた。このような不良の
原因は、ウェットエッチングはエッチングレートが非常
に大きいため、エッチング液にすこし触れただけでもエ
ッチングが行われるため、銅合金箔層のエッチングパタ
ーンを完全にドライフィルムレジストが被覆していない
場合は、不良となりやすいからである。
【0127】良好にエッチングが終了したサンプルの電
子顕微鏡写真を図2に、エッチング不良が発生したサン
プルの電子顕微鏡写真を図3に示す。図3によれば、銅
合金箔のエッチングパターンの基部における周辺のポリ
イミドの絶縁層が浸食されていることが分かる。このよ
うな不良は、図1(g)において、ドライフィルムレジ
スト5の厚みが導電性無機物層3又は2の厚さの1.1
倍未満の場合に導電性無機物層3又は2の基部における
絶縁層1の周辺に発生する。
【0128】[剥離]絶縁層のパターニングに用いたド
ライフィルムレジストに対して、50℃、水酸化ナトリ
ウム3Wt% の高温アルカリ溶液をスプレーすること
により、ドライフィルムレジストを積層体から剥離し
た。絶縁層がポリイミド等のアルカリ耐性に乏しい場合
は、エタノールアミン等の有機アルカリを使用すると良
い。
【0129】上記のようにして作製した、サンプルにつ
いて各性能を評価したところ、ドライフィルムレジスト
をラミネートした状態で、反りが見うけられたサンプル
はアライメント精度が悪く、気泡の混入があったもの、
パターニングされたステンレス箔や銅合金箔がドライフ
ィルムレジストから露出していたものはエッチング形状
不良が見うけられた。その結果を下記の表8に示す。
【0130】
【表8】
【0131】
【発明の効果】本発明のドライフィルムレジストを用い
た電子部品の製造方法によれば、70℃に保たれたエッ
チング液に浸漬したとき、ドライフィルムレジストパタ
ーンの保持時間が1分以上であるので、絶縁層のウェッ
トエッチングに要する時間が10秒以上30分以内、好
ましくは10秒以上10分以内、さらに好ましくは10
秒以上5分以内である場合には、強アルカリのエッチン
グ液でエッチングしても、エッチング時にドライフィル
ムレジストが剥離することがなく、精度の良いウェット
エッチングが行える。
【0132】本発明のドライフィルムレジストを用いた
電子部品の製造方法によれば、適用される積層体におけ
る1層の無機物層の厚さの1.1倍以上の厚さであるの
で、ドライフィルムレジストのラミネート後に積層体の
凸部がドライフィルムレジストを突き破って露出するこ
とがなく、絶縁層の良好なエッチングパターン形状が得
られる。
【0133】本発明で使用されるドライフィルムレジス
トは、表面に微細な凹凸が形成されているので、該ドラ
イフィルムレジストを使用して電子部品を製造する場合
には、該微細な凹凸により、気泡の逃げ場が生まれ、ド
ライフィルムレジストをラミネートしても気泡を抱き込
むことを防げ、エッチング液の侵入が防げるので、積層
体のエッチング耐性が向上する。
【0134】本発明で使用されるドライフィルムレジス
トは積層体の絶縁層のウエットエッチングを可能にした
ので、本発明のドライフィルムレジストを用いた電子部
品の製造方法によれば、従来のドライエッチングに比べ
て短時間のエッチングが可能で生産性がよい。特に、ハ
ードディスクドライブ用サスペンションのように、エッ
チングにより除去される絶縁層の面積が広く、しかも微
細なパターンが必要とされている製品は、ウェットエッ
チングの適用における効果が絶大であるため、これまで
以上に作業性が良く、不良が少なくなる。
【0135】しかも、ハードディスクドライブ用サスペ
ンション等の電子部品には高精度のパターニングが要求
されるが、従来、ハードディスクドライブ用サスペンシ
ョン等を作製するための剛性の無い基板に対して液体レ
ジストを塗布してレジスト膜を精度よい均一な厚みとす
ることは困難であり、塗布・乾燥工程における非常に厳
密な管理を必要とし、微細なエッチングには不適であっ
たが、本発明のドライフィルムレジストによれば、絶縁
層のパターニングをウエットエッチングにより行うこと
ができ、もともと一定の膜厚のドライフィルムを用いた
方が、レジストを形成するのに工程管理が容易であると
いう利点や、微細なエッチングに適するという利点があ
る。
【0136】本発明で使用されるドライフィルムレジス
トによれば、積層体にラミネートしたものは、アルカリ
水溶液による現像、及びアルカリ水溶液での剥離を行う
ことができるので、廃棄に問題のある有機溶剤を使用し
ない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドの絶縁層の片面に銅の導電性無機物
層、他の片面にSUSの導電性無機物層を形成した積層
体を出発原料とした、ウェットエッチングによる電子部
品の製造方法を示すプロセス図である。
【図2】良好にエッチングが終了したサンプルの電子顕
微鏡写真である。
【図3】銅合金箔が露出し、エッチング不良が発生した
サンプルの電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 絶縁層 2、3 導電性無機物層 4、5 ドライフィルムレジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/06 H05K 3/06 J (72)発明者 富樫 智子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 河野 茂樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 甘崎 裕子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 内山 倫明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 八木 裕 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5D042 NA01 TA07 5D059 AA01 BA01 DA31 DA36 EA08 5E339 AA02 AB02 AD01 AD03 BC02 BC10 BD11 BE13 CC01 CC02 CD01 CE16 CF06 CF16 CF17 CG04 DD04

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物
    層からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からな
    る積層体にドライフィルムをラミネートしてウェットエ
    ッチングにより電子部品を製造する方法であって、 該積層体の絶縁層はウエットエッチングによってパター
    ン形成が可能であり、 該絶縁層は1層以上であり、 適用するドライフィルムの厚さが該積層体における1層
    の導電性無機物層の厚さの1.1倍以上であり、かつ、 70℃に保たれたエッチング液に被エッチング物が浸漬
    されたとき、ドライフィルムレジストパターンの保持時
    間が1分以上であることを特徴とする電子部品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ドライフィルムレジストの表面の少
    なくとも片面に、微細な凹凸が形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記微細な凹凸は、エンボス加工によっ
    て設けられたことを特徴とする請求項2記載の電子部品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ドライフィルムレジストは、アルカ
    リ水溶液により現像可能であり、且つアルカリ水溶液で
    剥離することが可能であることを特徴とする請求項1乃
    至3の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項記載の電子
    部品の製造方法において、前記積層体の絶縁層をウェッ
    トエッチングする際の温度が10℃以上120℃以下で
    あることを特徴とする電子部品の製造方法
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項記載の電子
    部品の製造方法において、前記積層体の絶縁層をウェッ
    トエッチングする際に用いるエッチング液のpHが8よ
    り大きいことを特徴とする電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1項記載の電子
    部品の製造方法において、前記積層体にドライフィルム
    をラミネートしてウェットエッチングする方法は、ドラ
    イフィルムのラミネート体に露光、現像してパターニン
    グした後、絶縁層のエッチャントに対するドライフィル
    ムレジストの耐性を向上させる処理として、紫外線照射
    処理、加熱処理、及び紫外線照射処理と加熱処理の組合
    せから選ばれた処理を行うことを特徴とする電子部品の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成す
    る1層以上の全ての層が有機物からなることを特徴とす
    る請求項1乃至7の何れか1項記載の電子部品の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成す
    る少なくとも1層が有機物と無機物の複合体であること
    を特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の電子部
    品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成
    する少なくとも1層がポリイミド樹脂からなることを特
    徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の電子部品の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成
    する1層以上の全ての層がポリイミド樹脂からなること
    を特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の電子部
    品の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成
    する少なくとも1層が線膨張率30ppm以下の低膨張
    性ポリイミドであることを特徴とする請求項1乃至11
    の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記積層体の絶縁層は、接着性ポリイ
    ミド−低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミドからなる
    層構成である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    10、11又は12記載の電子部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記接着性ポリイミド−低膨張性ポリ
    イミド−接着性ポリイミドからなる層構成の絶縁層にお
    いて、2つの接着性ポリイミドは互いに異なる組成のポ
    リイミドである請求項13記載の電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記積層体における1層又は2層の導
    電性無機物層は、全ての層が銅、又は銅に表面処理を施
    した物質である請求項1乃至14の何れか1項記載の電
    子部品の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記積層体における1層又は2層の導
    電性無機物層は、全ての層が銅合金、又は銅合金に表面
    処理を施した物質である請求項1乃至15の何れか1項
    記載の電子部品の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記積層体における1層又は2層の導
    電性無機物層は、全ての層がステンレス、又はステンレ
    スに表面処理を施した物質である請求項1乃至15の何
    れか1項記載の電子部品の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記積層体における2層の導電性無機
    物層は、1層がステンレス、又はステンレスに表面処理
    を施した物質であり、その他の層が銅合金、又は銅合金
    に表面処理を施した物質である請求項1乃至14の何れ
    か1項記載の電子部品の製造方法
  19. 【請求項19】 前記積層体における2層の導電性無機
    物層は、1層がステンレス、又はステンレスに表面処理
    を施した物質であり、その他の層が銅または、銅に表面
    処理を施した物質である請求項1乃至14の何れか1項
    記載の電子部品の製造方法
  20. 【請求項20】 請求項1乃至19の何れか1項記載の
    電子部品の製造方法により作製された電子部品。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至19の何れか1項記載の
    電子部品の製造方法により作製されたハードディスクド
    ライブ用サスペンション。
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