JP4803473B2 - ドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンション - Google Patents

ドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンション Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性無機物−絶縁層−導電性無機物層、又は導電性無機物層−絶縁層という層構成からなる積層体の絶縁層に対して、ウェットエッチングによりパターニングするのに適したドライフィルムレジストを使用する電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体技術の飛躍的な発展により半導体パッケージの小型化、多ピン化、ファインピッチ化、電子部品の極小化などが急速に進み、いわゆる高密度実装の時代に突入した。それに伴い、プリント配線基板も片側配線から両面配線へ、さらに多層化、薄型化が進められている(岩田, 原園, 電子材料,35(10),53(1996))。
【0003】
そのような電子部品の配線・回路を形成する際のパターン形成方法には、導電性無機物層(主として金属層)−絶縁層−導電性無機物層(主として金属層)という層構成における基板上の導電性無機物層を塩化第二鉄のような酸性溶液でエッチングし、配線を形成した後、層間の導通をとるために、プラズマエッチング等のドライ状態や、ヒドラジン等のウエット状態で絶縁層を所望の形に除去し(特開平6−164084号公報)、めっきや導電ペースト等で配線間をつなぐ方法がある。また、別のパターン形成方法には、感光性ポリイミド(特開平4−168441号公報)などを用いて絶縁層を所望の形に設けた後に、その空隙にめっきで配線を形成する方法(エレクトロニクス実装学会第7回研究討論会予稿集
1999年発行)などがある。
【0004】
近年、電気製品、特に、パーソナルコンピューターは低価格化が進み、これらに用いる部材や部品等も低価格の指向が強いので、いかに低コストで電子部品を作るかというのが、非常に大きな課題となっている。
【0005】
現在、パーソナルコンピューターの生産量の急激な伸びに伴い、それに組み込まれているハードディスクドライブもまた生産量が増大している。ハードディスクドライブにおける、磁気を読み取るヘッドを支持しているサスペンションといわれる部品は、ステンレスの板ばねに、銅配線を接続するものから、小型化への対応のためステンレスの板ばねに直接銅配線が形成されているワイヤレスサスペンションといわれるものへと主製品が移り変わりつつある。
【0006】
このようなワイヤレスサスペンションは導電性無機物層(主として金属層)−絶縁層−導電性無機物層(主として金属層)からなる3層材を用いて作製されているものが主流である。該3層材は、例えば、絶縁層の片側に銅合金箔、もう一方の側にステンレス箔が積層された層構成が挙げられる。ワイヤレスサスペンションは、高速で回転するディスク上をスキャンし、細かな振動が加わる部材であるため、配線(導電性無機物層)の絶縁層への密着強度は非常に重要であり、厳しいスペックが求められている。また、ハードディスクは情報を記録する装置であるので、データの読み書きに対する高度の信頼性が要求され、配線の密着強度やサスペンションから発生する塵などのごみやアウトガスに対してもスペックは厳しい。
【0007】
一般に、電子部品に用いられる前記の3層材等の積層体は、基板の反りを防ぐため導電性無機物層と絶縁層との熱膨張率を同じにするために、低膨張性の絶縁層、特に、低膨張性ポリイミドを含ませることが多い。絶縁層に用いられる低膨張性ポリイミドとしては、東レ−デュポン株式社製のカプトン(商品名)、宇部興産株式会社製のユーピレックス(商品名)、鐘淵化学工業株式会社製のアピカル(商品名)等がある。市販の積層体としてはこれら低膨張性ポリイミドフィルムの表面にスパッタリングや無電解めっき等で、金属層(主に銅)を形成し、その後、電解めっきによって導体層の厚さを大きくしたものがある(種類Iの積層体という)。また、別の種類の積層体として、低膨張性ポリイミドの表面にポリイミド以外の接着剤(例えばエポキシ系接着剤)の層を形成してなる、ポリイミド以外の接着剤−低膨張性ポリイミド−ポリイミド以外の接着剤からなる3層構造の絶縁体を用い、熱圧着により導体箔を該絶縁層の両面に接着した積層体がある(種類IIの積層体という)。さらに別の種類の積層体として、低膨張性ポリイミドの表面に接着性ポリイミドの層を形成してなる、接着性ポリイミド−低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミドからなる3層構造の絶縁体を用い、熱圧着により導体箔を該絶縁層の両面に接着した積層体がある(種類III の積層体という)。
【0008】
前記種類Iの積層体は、絶縁層が単一組成のポリイミドよりなっているため、反りが生じにくく、また、金属層を薄くすることが可能であるので、細い配線を形成するのに有利であるという利点がある。前記種類IIの積層体及び種類III の積層体は、導体層を熱圧着により形成するため、導体層を種々選択できる。たとえば、圧延銅箔やステンレス箔等を用いた積層体の作製が可能である。また、種類III の積層体は、接着性ポリイミドが金属層側に配置されているので金属層と絶縁層の接着強度が大きい利点がある。また金属層の厚さを大きくすることができるという利点がある。
【0009】
ワイヤレスサスペンションは、バネ性を必要とするため、金属層としてステンレス箔が用いられることが多く、積層構造としては、例えば、銅箔−接着性ポリイミド−低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミド−ステンレスが挙げられる。従来、ワイヤレスサスペンションは絶縁層のエッチング面積が大きいため、レーザーではなく、同じドライプロセスであるプラズマエッチングにより絶縁層がパターニングされている。しかしながら、プラズマエッチングは、エッチングレートが小さいため、エッチングに要する時間が長く、しかもシート単位(枚葉)毎の生産であるため、生産性が悪く、また装置も高価なため生産コストが非常に高くなってしまう欠点がある。
【0010】
このような理由から、エッチングレートが大きく、したがって、生産性が高く装置コストも安くすることが可能なウェットプロセスにより、絶縁層のパターニングを行うことが望まれてきた。また、ウェットエッチングは、プラズマエッチングのような真空プロセスを必要としないため、ロール供給による一貫生産ラインのプロセスが容易に適用できるため、プラズマエッチングに比べ飛躍的に生産性を高められる。
【0011】
さらに、多層基板の層間の導通をとるための穴をレーザーで開け、それを所望の形に金型で型抜きしていた、フレキシブルプリント基板や多層基板等の電子部品も、ウェットエッチング技術を用いることで、穴開けと型抜きの工程を同時に行え、しかも、金型では切り出せなかった微細な形状までも、形成が可能となることから、電子部品の各分野でもウェットプロセスで絶縁層のパターニングが望まれている。さらに、ウェットエッチングを用いると、レーザーでは、加工が難しいパターンにテーパーを形成することが可能であることから、スルーホール等にテーパーを形成することで接続部の信頼性を向上させることができる。
【0012】
前記種類IIの積層体については、エポキシ系接着剤が使用される場合は、耐溶剤性が高すぎて全くウェットエッチングできないという不都合がある。
【0013】
前記種類III の積層体については、接着性ポリイミド層と低膨張性ポリイミド層のエッチング特性の違いが大きすぎるため、エッチングしたときの断面形状がきれいにならず、事実上ウェットエッチングにより電子部品を作製するのが困難である。
【0014】
前記種類Iの積層体については、主としてレーザー等のドライエッチングが行われているが、少数ではあるがウェットエッチングによる加工が一部行われている。しかしながら、導電性無機物層の形成がスパッタ等の処理であるため、ポリイミド表面に金属イオンを高速で衝突させて行うので、金属イオンがポリイミド層の内部まで食い込むため、表層のポリイミドが若干変性してしまう。種類Iの積層体における、絶縁層と導電性無機物層との密着性は、導電性無機物層と絶縁層の化学結合や化学的相互作用によるものであるため、導電性無機物層と絶縁層との親和性が強くなっている。したがって、種類Iの積層体に対してウェットエッチングした場合には、導電性無機物層との界面の絶縁層において、変性している部分がエッチング残りとなる不良が発生し易いという問題がある。
【0015】
一方、プレスで導電性無機物層と絶縁層を一体化させた積層体III は、化学結合や化学的相互作用よりも導電性無機物層の表面の凹凸によるアンカー効果により密着力を生み出しているため、エッチング残りが起きにくい。また、前記したように、プレスによる積層体の製造においては、導電性無機物層を選択する自由度が大きいため、これまでスパッタで導電性無機物層を形成したものでは、適用不可能であった製品まで作製することが可能となる。
【0016】
ポリイミドは、一般に溶媒溶解性が乏しいことが多いが、ヒドラジンやアルカリ水溶液により分解されるため、薬液によるポリイミドフィルムのウェットエッチングが、これまで種々検討されてきた。たとえば、特開昭50−4577号公報では、ヒドラジンとアンモニアを用いた配線構造体の製造方法が開示されている。また、特開昭58−103531号公報では、無機アルカリ水溶液によるポリイミドフィルムのエッチング方法が開示されている。また、特開昭57−65727号公報では、脂肪族ジアミンによるポリイミドのエッチング方法が開示されている。その他に、現在開示されているポリイミドのウェットエッチング方法は、ヒドラジン・無機アルカリ・有機アルカリ・脂肪族アミン(ジアミン)・脂肪族アルコールを溶媒として、水や有機極性溶媒を、それぞれ混合させた薬液を用いたものとなっている(例えば、特開昭58−74041号公報、特開昭58−96632号公報、特開平3−101228号公報、特開平5−190610号公報、特開平5−202206号公報、特開平7−157560号公報)。
【0017】
しかしながら、ポリイミドを分解する成分であるヒドラジンは、毒性が高いため、生産工程に用いるには適さないので、近年開示されている例は、無機アルカリ水溶液にさまざまな添加剤を加えた系のエッチング溶液が多い。
【0018】
また、現在開示されているポリイミドのウェットエッチング技術は、ポリイミド層が1層からなる絶縁層を含む積層体を用いたものが主であり、ポリイミド層が複数層積層されている積層体を、ウェットエッチングにより加工した例の報告はわずかしかない(特開平6−164084号公報)。これは、ポリイミドが複数層積層されていると各層のエッチング特性が異なるため、ウェットエッチングにより良好な断面形状が得られないという問題があるためである。
【0019】
これらの従来のポリイミドフィルムのウェットエッチングによりパターニングを行う方法には、パターンマスクに金属を用いる方法(特開平5−283486号公報)、溶剤現像、溶剤剥離のネガ型液体レジストを用いる方法(特開平5−301981号公報)、溶剤現像、溶剤剥離のポジ型の液体レジストを用いる方法(特開昭51−27464号公報、特開昭53−49068号公報、特開昭53−49068号公報、特開昭57−65727号公報、特開昭58−74041号公報)がある。これら従来のポリイミドフィルムのウェットエッチングによりパターニングを行う方法は、絶縁層のパターニングに要する時間を短縮する効果はある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記、金属層をパターンマスクとして用いてポリイミドをエッチングする方法は、金属層を最終的な絶縁層のパターン形状となるようにエッチングし、該エッチングされた金属層をパターンマスクとして絶縁層をエッチングした後、該金属層をさらに目的とする配線の形状にエッチングによりパターニングし直す必要があった。即ち、この方法は金属のエッチング処理が合計2回必要であり、しかもポリイミドのエッチング時にエッチング液が金属に触れるため、金属層の劣化の原因となっていた。
【0021】
また、溶剤現像・剥離タイプの液体レジストを用いてレジストパターンを作製する場合には、現像液及び剥離液に有機溶媒が必要であるので、環境への負荷が大きく、廃液処理費用も必要であった。その上に、溶剤現像・剥離タイプの液体レジストを用いる場合は、均一な厚さの塗布膜を安定的に作成するのは次の理由から困難であった。即ち、ハードディスクドライブ用サスペンション等の電子部品では、剛性の無い基板に液体レジストを塗布、乾燥して製造することになり、均一な厚みの塗布膜を作製することは困難であった。ハードディスクドライブ用サスペンション等の電子部品には高精度のパターニングが要求されるが、塗布によりレジスト膜を製造する場合には、塗布膜を精度よく一定厚みにするには塗布・乾燥工程における非常に厳密な管理を必要としていた。特に、塗布面に凹凸がある場合には、レジスト塗布膜の表面が平坦になりにくく、精度よくパターニングできないという問題がある。
【0022】
これらの状況から、アルカリ水溶液で現像・剥離が行えるレジストによる絶縁層のウェットエッチングが実現されることが生産上望まれている。
基本的にアルカリ現像・アルカリ剥離が可能なレジストは、無機アルカリを含有しているポリイミドエッチング液を用いると、エッチング液のアルカリ成分により基板である積層体から剥離してしまうことが確認されていたため、このようなレジストを使用して、積層体のエッチングを行い電子部品を製造することを実現することは従来困難と思われていた。
【0023】
塩基性(アルカリ)薬液によるポリイミドウェットエッチングをドライフィルムレジストを用いて行うことは、電子部品を製造する上で非常に有利であると考えられるが、現在、絶縁層としてポリイミド層の塩基性(アルカリ)薬液によるウェットエッチングに適用可能なドライフィルムレジストは知られていない。また、従来の積層体がウェットエッチングに要する時間が、長い、または、良好な形状にエッチングできないと言う問題を抱えていたため、このようなドライフィルムレジストの選定、適用が難しい、または、適用する意味がないということから、詳細な検討が行われていないという背景がある。
【0024】
そこで本発明は、導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積層体をウェットエッチングにより電子部品を製造するのに適し、しかも前記した従来技術の問題点を解消することができるドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、該製造方法により得られた電子部品自体、及びハードディスク用サスペンションを提供することを目的とする。
【0025】
さらに本発明の付随的な目的は、アルカリ現像、アルカリ剥離の処理工程による前記積層体のウェットエッチングを可能にするドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、該製造方法により得られた電子部品自体、及びハードディスク用サスペンションを提供することである。
【0026】
また、本発明の付随的な目的は、導電性無機物層の劣化を防ぐために導電性無機物層のエッチングが1回で可能となる電子部品の製造方法を実現し、レジストの現像・剥離に使用する薬液に環境への負荷が大きい有機溶媒を用いることなく、単層構造又は2層以上の絶縁ユニット層の積層構造の絶縁層に対してもウェットエッチングを適用可能にするドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、該製造方法により得られた電子部品自体、及びハードディスク用サスペンションを提供することである。
【0027】
さらに本発明の付随的な目的は、ウェットエッチング後の断面形状が良好でエッチング精度の良い積層体である電子部品の製造方法、該製造方法により得られた電子部品自体、及びハードディスク用サスペンションを提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
前記した問題点を解決する本発明のドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法は、導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積層体に表面粗さRzが0.5μm〜50μmの微細な凹凸を有するドライフィルムレジスト該ドライフィルムレジストの凹凸側を該積層体側に向けて減圧状態乃至真空状態で20〜100℃で0.05〜0.3MPaの圧力でラミネートしてウェットエッチングにより電子部品を製造する方法であって、該積層体の絶縁層はドライフィルムレジストを用いたウエットエッチングによってパターン形成されるものであり、該絶縁層は1層以上であり、適用するドライフィルムレジストの厚さが該積層体における1層の導電性無機物層の厚さの1.1倍以上であり、かつ、70℃に保たれたエッチング液に被エッチング物が浸漬されたとき、ドライフィルムレジストパターンの保持時間が1分以上であることを特徴とする。
【0029】
上記ドライフィルムレジストがアルカリ水溶液により現像可能であり、且つアルカリ水溶液で剥離可能であることが好ましい態様である。このようなアルカリ水溶液による現像及びアルカリ水溶液での剥離を行うことにより、使用済み有機溶剤の処理の問題がない利点がある。
【0030】
本発明者等は、種々のドライフィルムレジストの各種エッチング液に対する耐性を調査した結果、アルカリ現像・アルカリ剥離タイプのドライフィルムレジストについてエッチング条件・ドライフィルムレジストを以下のようにして適正化すれば、ドライフィルムレジストの材質によっては、エッチング液に対する耐性を持つことを見出した。また、アルカリ現像・アルカリ剥離以外の、乳酸現像、乳酸剥離タイプのドライフィルムレジストについても、同様に耐性を有することを見出した。
【0031】
即ち、ドライフィルムレジストのウエットエッチング耐性を積層体に付与するためには、導電性無機物層のパターニングが行われた積層体に対してドライフィルムレジストを真空プレスにより減圧下でラミネートし、得られたドライフィルムレジストのラミネート体に対してウェットエッチングすることが望ましい。ドライフィルムレジストを減圧下で積層体に対して面プレスを行うことにより、ラミネート後の反りの問題が解決される。
【0032】
一般的にドライフィルムレジストの積層体とのラミネート後の反りの発生は次のようにして起こる。通常、電子部品の製造に用いられる積層体、即ち、導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積層体は、高度の平坦性を追求し減圧下、熱圧着により作製されているためロール状に巻き取った長尺物ではなく枚葉毎のシート形態となっている。該積層体における絶縁層のパターンを形成するのに、ロールラミネータにより、金属のパターニングが終わった基板にドライフィルムレジストをラミネートすると、積層体自体が薄く剛性に乏しいために、積層体が反ってしまう。このような積層体の反りは、レジストに対する露光時のマスクとアライメントのずれが大きくなると言う問題が生じていた。
【0033】
該積層体の絶縁層のパターンを高精度に再現するためには、絶縁層のウェットエッチングは、現行のドライプロセスであるプラズマエッチングに比べて、パターニングの寸法精度が良好であることも特徴であるため、このようなアライメントのずれは大問題であり、この問題の解決はウェットエッチングプロセスを確立する上で非常に重要である。
【0034】
したがって、本発明はドライフィルムレジストを減圧下で面プレスを行うことにより、ラミネート後の反りの問題が解決している。しかし、通常のドライフィルムレジストを用いると面プレスの場合は、絶縁層上に導電性無機物層の配線が形成されているため、該導電性無機物層の配線が凹凸となっているので、その凹部又は凸部の淵の箇所において、ドライフィルムレジストの間に気泡が内包されてしまうことがあるという問題がある。
【0035】
また、上記のような場合に気泡の内包を緩和するためには、ドライフィルムレジストの表面の少なくとも片面に、微細な凹凸が形成されていることが望ましい。該微細な凹凸はエンボス加工によって施すことができる。表面に凹凸が形成されたドライフィルムレジストを、該凹凸が導電性無機物層の凹凸側(即ち配線側)に向くようにラミネートすることにより気泡の発生を抑制できる。即ち、凹凸により、気泡の逃げ場が生まれ、気泡を抱き込むことを防げる。
【0036】
また、上記のようなエッチング耐性を積層体に付与するためには、ドライフィルムレジストのラミネート体に露光、現像してパターニングした後、絶縁層のエッチャントに対するドライフィルムレジストの耐性を向上させる処理として、紫外線照射処理、加熱処理、及び紫外線照射処理と加熱処理の組合せから選ばれた処理を行うことが望ましい。しかし、それほどアライメント精度の要求されていない製品については常圧下で公知のラミネート手法を用いラミネートを行って差し支えない。
【0037】
また、上記のようなエッチング耐性を積層体に付与するためには、ドライフィルムレジストの厚さが、原料とする積層体の1層の導電性無機物層の厚さの1.1〜5倍であることが望ましく、かつウェットエッチング処理される絶縁層の厚さと同等以上であることが望ましい。このとき前記無機物層の厚さとは、絶縁層のエッチングを行う際に、絶縁層上に設けられた無機物層の厚さのうち最大のものをいう。
【0038】
また、上記のようなエッチング耐性を積層体に付与するためには、絶縁層のウェットエッチング時の温度が10℃以上120℃以下であることか望ましい。
【0039】
また、上記のようなエッチング耐性を積層体に付与するためには、ウェットエッチングする際に用いるエッチング液のpHが8より大きいことが望ましい。
【0040】
アルカリ水溶液で現像と剥離が行えるドライフィルムレジストは、現在、最も汎用的であるため安価であり、品種も多く選択の幅が広い、また、現像・剥離の工程に用いる装置も数多く市販されているために、入手が容易であり、価格も安価である。また、無機のアルカリ水溶液の場合は、廃液の処理も容易であることから、溶剤現像・溶剤剥離タイプの液体レジストを用いる場合に比べ、プロセス全体にかかるコストを大幅に低減できる。
【0041】
本発明のドライフィルムレジストが適用される積層体は、ウェットエッチング後の積層体の断面形状が良好でエッチング精度の良い積層体となるので、特に、ハードディスクドライブ用サスペンションに有用である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンションについて、プロセス図を用いて好適な実施の形態の具体例を概説する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。図1は、ポリイミドの絶縁層1の片面に銅の導電性無機物層3、他の片面にSUSの導電性無機物層2を形成した積層体を出発原料とした、ウェットエッチングによる電子部品の製造方法を示すプロセス図である。
【0043】
(a)で示す層構成は電子部品の出発原料の積層体である。該積層体の表裏面の各導電性無機物層2、3に対して、ドライフィルムレジスト4を、ロールプレス又は面プレスによりラミネートして、(b)で示す積層構造のラミネート体を得る。該ラミネート体に対して、導電性無機物層2、3が所望のパターンとなるようなマスクを被せ露光し、次いで、NaHCO3 水溶液で現像を行い、(c)で示す状態のレジストパターンを形成する。次いで、FeCl3 水溶液で導電性無機物層2、3のエッチングを行うことにより、(d)で示す状態のレジストパターンに従った導電性無機物層2、3のエッチングパターンを形成する。次いで、NaOH水溶液又はKOH水溶液でレジストを溶解剥離し、(e)で示す状態の導電性無機物層2、3のエッチングパターンを得る。次いで、(e)の状態の導電性無機物層2、3の積層体の表裏面に対してドライフィルムレジスト5を、ロールプレス又は面プレスによりラミネートして、(f)で示す積層構造のラミネート体を得る。該ラミネート体に対して、絶縁層1が所望のパターンとなるようなマスクを被せ露光し、次いで、NaHCO3 水溶液で現像を行い、(g)で示す状態のレジストパターンを形成する。次いで、アルカリ水溶液で絶縁層1のエッチングを行うことにより、(h)で示す状態のレジストパターンに従った絶縁層1のエッチングパターンを形成する。次いで、NaOH水溶液又はKOH水溶液でレジストを溶解剥離し、(i)で示す状態のエッチングパターンが形成された本発明の電子部品を得る。
次に本発明の各構成要件を具体的に説明する。
【0044】
積層体
本発明に用いる積層体は、導電性無機物層−絶縁層−導電性無機物層、または、絶縁層−導電性無機物層からなる層構成である。ここで、用いられる導電性無機物層とは有機物ではない導電性物質層のことを言い、たとえば、銅や鉄などの純金属層、ステンレスなどの合金層、それら金属層の表面に処理を施された物質層、単結晶シリコン層、無機半導体層、金属酸化物層等が挙げられ、導電性無機物層が絶縁層の両面に形成されている場合には、それぞれの導電性無機物層が同じでも良いし、異なってもよい。特に、電子部品として用いる場合には、銅、銅合金、鉄、ニッケル、ステンレス等が好適に用いられる。これら、導電性無機物層は、厚さが0.1μm〜1mmの範囲であることが好ましく、特に導電性無機物層が金属の場合は0.1μm〜200μmの範囲がより好ましい。
【0045】
本発明の電子部品の製造方法により得られる電子部品が、ハードディスクドライブ用サスペンション用途である場合には、出発原料としての積層体における導電性無機物層の一方が、ステンレスでさえあれば特に制限されるものではないが、サスペンションに必要なばね特性や寸法安定性の観点から、SUS304が好ましく、より好ましくは300℃以上の温度でテンションアニール処理がなされたものである。ステンレス箔の好ましい厚さ範囲は10〜70μm、より好ましくは15〜30μmである。
【0046】
出発原料としての積層体のもう一方の導電性無機物層は、厚さ3〜30μmの銅箔、銅合金箔などが挙げられる。銅合金箔とは、銅とニッケル、シリコン、亜鉛、すず、ベリリウム等の異種の元素からなる合金で、銅含有率70%以上のものをいう。
これらステンレス箔及び銅合金箔については接着力等を向上させるため表面処理を施してもよい。
【0047】
上記積層体における絶縁層は、絶縁性を有する物質であれば、特に限定されないが、薄膜での絶縁性と耐熱性の観点からポリイミド樹脂を少なくとも1層以上含むことが好ましい。また、導電性無機物層との接着性を向上させる目的から絶縁層を構成する複数層の絶縁ユニット層が積層されていても差し支えない。たとえば、接着性絶縁層を含んでも良い。その場合、耐熱性・絶縁性の観点から全ての層がポリイミドであることが好ましい。また、それら各層は、求められる特性に応じ全て異なる組成のものでも良いし、同じ組成のものが複数層用いられても良い。そのような例として、ステンレス−接着性ポリイミドA−線熱膨張係数30ppm以下の低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミドB−銅からなる積層体が挙げられ、接着性ポリイミドAとBは、それぞれ被着体である導電性無機物層が、ステンレスと銅と異なるため、それぞれ各被着体と良好に接着する組成に調整する必要性から異なった組成となっている。
【0048】
上記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成する少なくとも1層が有機物と無機物の複合体であってもよい。該複合体は、例えば、マトリクス樹脂層中に無機フィラー等の無機物微粒子が分散されたもの、或いはガラスクロス等の繊維シートにマトリクス樹脂が含浸されたもの等が挙げられる。
【0049】
また、基板の反り防止の観点から、絶縁層のうち少なくとも1層は、導電性無機物層との熱膨張率(線熱膨張係数)が、比較的似通ったものを用いるのが好ましく(特開昭60−157286号公報参照)、その線熱膨張係数の差の許容範囲は、±15ppmである。さらに、一般に導電性無機物は30ppm以下の線熱膨張係数であることから、より好ましくは30ppm以下の線熱膨張係数を有する絶縁層を用いると良い。また、より厳しく反りの発生を抑えたい場合は、30ppm以下の絶縁層の総厚が、全絶縁層の総厚の1/2以上であることが好ましい。
【0050】
積層体における絶縁層が、特に、複数層あるポリイミド層のエッチング特性は重要である。本発明に用いる積層体における絶縁層が、二層以上の絶縁ユニット層からなるるものは、ウェットエッチング時の各層のエッチングレートの大きいものと小さいものの比が6:1〜1:1、好ましくは4:1〜1:1の範囲内にあるものが望ましい。この範囲内のエッチングレートを持つ各絶縁ユニット層を選択すれば、絶縁層が良好なエッチング形状となる。したがって、従来、厳しいスペックが求められているワイヤレスサスペンション用の積層体でもウェットエッチングが精度良く行えるので、ドライエッチングに比べて短時間のエッチングが可能で生産性が良い。
【0051】
また、絶縁層の総厚みは、3μm〜500μmであることが望ましい。さらに、生産性の観点から、且つ、ドライフィルムレジストのエッチング液に対する耐性の観点から、10秒以上30分以内のウェットエッチング加工時間であることが好ましく、10秒以上15分以内、さらに好ましくは10秒以上10分以内、最も好ましくは10秒以上5分以内であることが望ましい。30分間を超えるエッチング条件だと、エッチング液が強アルカリであるので、ドライフィルムレジストがエッチング時に剥離してしまい、所望のエッチングパターンの形成ができなくなるからである。ウェットエッチング加工を行う条件でのエッチングレートが大きく、30分で500μm以上の絶縁層のエッチングができる場合は、絶縁層の厚みは500μmでも良く、逆にエッチングレートが小さく30分かけても500μmをエッチングできない場合は、30分かけて絶縁層をエッチングできる厚さまでが許容範囲である。具体的に例示すると、絶縁層のエッチングレートが20μm/minである場合は600μmまでが絶縁層の厚さの許容範囲であり、エッチングレートが2μm/minである場合には60μm までが許容範囲である。
【0052】
絶縁層のウェットエッチングとは、アルカリ溶液での絶縁層としてのポリイミドのエッチングを例に取ると、イミド結合が溶液中の水酸化物イオンと反応して開環し、ポリアミック酸になる。この状態でも、ポリイミドの時よりはアルカリ溶液に溶解しやすくなるが、さらに、アミック酸のアミド基が水酸化物イオンの攻撃を受け、加水分解されポリマーの分子量が下がることで溶解性が向上する。また分子鎖中に加水分解されやすい基を有している場合はそこが加水分解される時もある。一般に同一の構造、同一の製造条件で作製された絶縁層の場合、近似的にその速さは、水酸化物イオンがポリイミドのイミド結合に衝突する回数に比例し、これは熱力学的に温度と共に指数関数的に増大する。
【0053】
このメカニズムにより、直鎖上のポリマーである場合は、実用的な分子量の範囲であれば、エッチングレートにはそれほど分子量の影響が出てこないと思われ、実際、発明者らの行なった実験でも上記の仮説を補強するデータが出ている。
【0054】
本発明に使用される出発原料としての積層体において、絶縁層を構成する接着性絶縁層とは、主にポリイミドやそれに類する樹脂であるが、特に限定されず、耐熱性や絶縁性を有する樹脂であればよい(イミド結合の有無によらない)。本発明で接着性ポリイミドとは被着体との密着力を100g/cm以上を有するポリイミドの事で、主に熱可塑性ポリイミドが用いられるが特に限定されない。
【0055】
本発明に使用される出発原料としての積層体は、導電性無機物層に直接絶縁層の溶液を1 層以上塗布・積層することにより絶縁層を形成し、それと、もう一方の導電性無機物層を積層後、熱圧着することで作製したもの(キャスト法)でも、予め用意された絶縁層としてのコアフィルムに接着性絶縁層を形成し、その上下に導電性無機物層を積層し熱圧着して作製したもの(フィルム法)または、接着性絶縁層を絶縁フィルム上に形成後、蒸着やスパッタ・めっき等で導電性無機物層を形成したもの等、最終的な積層体の層構成さえ同じであれば、その作製方法によらず、目的となる製品の要求性能に合わせて、適宜選択できる。
【0056】
目的とする電子部品が、圧延銅箔やステンレスなど、めっきにより形成できない導電性無機物層が必須の成分である場合は熱圧着により導電性無機物層を形成する方法により作成された積層体を用いるのが好ましく、配線幅が1μm 以下の非常に微細な導電性無機物層のパターニングが必要となる場合には、スパッタやめっきにより導電性無機物層が薄く形成された積層体を用いるのが好ましい。
導電性無機物層を含めた積層体全体の厚さは、用いる用途により多様であるが、5μm 〜2000μm までの範囲が好ましい。特に、積層体における導電性無機物層全てが金属である場合は、5μm から1000μm の範囲が好ましく、5〜500μm の範囲が特に好ましい。
【0057】
ドライフィルムレジスト
本発明に使用されるドライフィルムレジストには、紫外線(電磁波)を照射することで、現像液に対する溶解性が変化する物質が挙げられる。ドライフィルムレジストとは、所望のパターンの露光マスクを通して紫外線(電磁波)を照射することで露光部と未露光部でのパターニングが可能である感光性樹脂組成物が、フィルム状に成形されたものを言う。露光部が現像液に溶出するポジ型と未露光部が現像液に溶出するネガ型があり、本発明には後記する要求物性を満たしていれば、どちらを用いても良い。
【0058】
本発明に使用されるドライフィルムレジストは、具体的には、高分子バインダー、単官能、及び/または多官能モノマー、光重合開始剤、その他添加剤の配合により得られ、通常、それらの混合溶液をフィルムのような基材に塗布して製造することができる。
【0059】
本発明に使用されるドライフィルムレジストの一成分としての前記高分子バインダーは、ドライフィルムレジストの形態を保持する目的、また、現像性を付与する目的などでドライフィルムレジストに混入され、いわゆる、ドライフィルムレジストの骨組に当たる成分である。このような高分子バインダーとしては、主にアクリル系樹脂を用いることができ、その他にもポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリアリルアミン等を用いることができるが、しかしながら、特に限定されない。また、ドライフィルムレジストとして形状を保持しなければないらないことから、高分子バインダーの重量平均分子量は、6000以上であることが好ましく、現像性の観点から重量平均分子量が100000以下であることが好ましいが、特に限定されない。
【0060】
本発明に使用されるドライフィルムレジストの一成分としての高分子バインダーには、現像性を付与するために、アルカリ現像の場合は酸性の官能基、酸現像の場合は塩基性の官能基が導入される場合が多い。該官能基として、多官能モノマー、および単官能モノマーは、紫外線等が照射されることにより光重合開始剤が発生させたラジカルにより、高分子バインダーや他の多官能モノマーと反応し、架橋構造を形成することで、ドライフィルムレジストの溶解性を減少させる働きがある。
【0061】
このような官能基の具体例には、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(pーヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、及びウレタン基を含有する多官能(メタ)アクリレート、ビスフェノールAを構造中に含んだ多官能メタクリレートまたはアクリレート等が挙げられるが、特に限定されない。
【0062】
本発明に使用されるドライフィルムレジストの一成分としての光重合開始剤は、電磁波、特に、紫外線を吸収し、解裂、及び/または他分子からの水素引きぬきを行い、ラジカルを発生させるものであり、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2ーベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類;ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン類;ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物;チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、例えば、エチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、2ークロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、イソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、また、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体とミヒラーズケトンとの組み合わせ;9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(ο−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類等が挙げられるが、特に限定されない。
【0063】
その他、本発明に使用されるドライフィルムレジストの添加剤としては、照射された電磁波の吸収効率を高める色素や、ドライフィルム自体に柔軟性を与える可塑剤、等が挙げられるが、特に限定されない。
【0064】
本発明に使用されるドライフィルムレジストには、アルカリ水溶液により現像と剥離が行えるものが好ましいが、エッチング液に耐性を持ち絶縁層をウェットエッチングしている間、パターン形状を保持することができるものであれば、特に限定されない。たとえば、アルカリ水溶液により現像・剥離が行えるのは、旭化成工業株式会社製サンフォートシリーズ(商品名)、ニチゴーモートン社製ALPHOシリーズ(商品名)、LAMINARシリーズ(商品名)などが挙げられる。また、市販の乳酸現像・乳酸剥離タイプのドライフィルムレジスト SFP−00GI−25AR(商品名:新日鐵化学株式会社製)なども使用可能である。
【0065】
本発明に使用される積層体における絶縁層のウェットエッチングは、絶縁層表面に導電性無機物層の配線等の凹凸が形成されている場合が多く、その場合、用いるドライフィルムレジストの膜厚は、導電性無機物層の厚みの1.1倍以上であることが望ましい。1.1倍未満だと、ドライフィルムレジストのラミネート後に基板の凸部がドライフィルムレジストを突き破って露出する恐れがあり、エッチング形状不良の原因となる。簡便に表記すると、ドライフィルムレジストの膜厚は、ドライフィルムレジストによりパターンを形成する側の導電性無機物層のパターンの厚さの最大値の1.1倍以上の範囲であれば良好なパターン形状が得られる。
【0066】
通常、市販のドライフィルムレジストのアスペクト比は、2〜1程度であり、細線をパターニングするには、薄ければ薄いほど有利であるが、上記のような問題があるため、積層体に設けられた導電性無機物層より厚いことが必要である。
【0067】
ドライフィルムレジストのラミネート手法は、通常ロールプレス、面プレス等公知のラミネート方法を用いることができる。
【0068】
本発明に用いる積層体の絶縁層が薄く、無機物層を所望の形状にパターニングした状態では、積層体の剛性が低い場合には、ロールプレスによりドライフィルムレジストを積層体にラミネートすると、枚葉のシート毎に加工した場合、シートのラミネートされた積層体が反ってしまうという問題がある。基板が反ると、その後、露光を行うときにアライメントに大きなずれが生じる。このずれは、導電性無機物層のパターンと絶縁層のパターンのずれの原因になるため、できうる限り小さいものにしなければならない。そのため、シート上の積層体にドライフィルムレジストをラミネートする場合には、面プレスを用いるのが精度良く設計どおりの製品を作製するのに好ましい。
【0069】
また、ドライフィルムレジストをエッチングされた導電性無機物層上にラミネートする際に、気泡の混入があると、例えば、エッチングにより導電性無機物層の凹凸の淵の箇所において、ドライフィルムレジストの間に気泡が内包されると、その部分が密着不良となり、エッチング形状に不良が出る。ウェットエッチングは、ドライプロセスであるプラズマエッチングよりも数十倍エッチング速度が大きいため、このような密着不良があると通常エッチングされない部位までエッチングされやすく、パターン不良がドライプロセス以上に広範囲にわたる。このため、高精度のパターニングを要求される製品の場合には、このラミネート工程を減圧状態乃至真空状態、好ましくは、80KPa(≒600mmHg)以下、さらに好ましくは40KPa(≒300mmHg)以下、最も好ましくは、6.7KPa(≒50mmHg) 以下の蒸気圧で行うことが気泡除去に望ましい。
【0070】
ところで、表面が平滑なドライフィルムレジストを用いる場合には、減圧の面プレスを行っても、基板表面の約20%以上が気泡となることがある。このような場合には、表面に微細な凹凸が施されているようなドライフィルムレジストを用い、基板側に凹凸を向けるようにしてラミネートすると、微細な凹凸が気泡の逃げる通路となり、この現象が発生せず、気泡の除去に非常に有効である。
【0071】
つまり、シート毎の処理でドライフィルムレジストをラミネートする場合に、寸法精度の良い製品を作製するには、減圧下における面プレスを実施すること、及び表面に凹凸が施されているドライフィルムレジストを用いることが好ましい態様となる。
【0072】
ドライフィルムレジスト表面に施された凹凸は、その表面粗さRzが0.5μm〜50μmの範囲であることが好ましく、その凹凸を形成する手法は、感光性樹脂組成物を塗布又は成形によりドライフィルムレジストにした後に、エンボス加工を施すことにより、或いは予め凹凸のついたフィルムに感光性樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥させることによって、凹凸が形成されたドライフィルムレジストを得てもよいが、その手法に関しては特に限定されない。
【0073】
ラミネート手法
精密な加工精度を要求される場合ドライフィルムレジストをラミネートする条件は、20〜100℃の範囲の温度、0.05〜0.3MPa(0.5〜3kgf/cm2 )の範囲の圧力で実施するのが好ましい。また、その時の雰囲気は減圧状態乃至真空状態、好ましくは、80KPa(≒600mmHg)以下、さらに好ましくは40KPa(≒300mmHg)以下、最も好ましくは、6.7KPa(≒50mmHg) 以下の蒸気圧であることが望ましい。加工する積層体のシートサイズにより真空吸引時間を調整するが、圧着時にドライフィルムレジストと積層体のシート間に気泡が残らないように、時間を設定する。また、ラミネート条件は、使用するドライフィルムレジストのTgにより異なり、導電性無機物層のパターン間を十分に被覆できる温度でラミネートを行う。このとき、温度を高くしすぎると露光時の感度が不安定になるので注意する。
【0074】
ドライフィルムレジストの現像と剥離は、用いるドライフィルムレジストに対応した現像液または剥離液を用い、その推奨条件で行うのが好ましいが、特に限定されない。先に述べたように、廃棄物処理の観点から、無機アルカリ水溶液による現像が好ましい。現像方法は、ディップ法でもスプレー法でも、液中スプレー法でも良く、特に限定されない。
【0075】
ドライフィルムレジストをポリイミドのウェットエッチングに用いる場合には、エッチング液の成分が非常に反応性の高い成分を高濃度で含有しているため、ドライフィルムレジストがパターンを保持するのが他の場合に比べて困難である。そのような場合、ドライフィルムレジストをラミネートし、露光現像後、パターンが形成された状態で、加熱するか、ネガ型のドライフィルムレジストの場合には、再び、電離放射線、好ましくは、紫外線を照射すると、ドライフィルムレジストのパターンが強固になり、エッチング液に接触しても形状を保持する時間が長くなる。
【0076】
加熱する条件としては、30℃〜200℃、好ましくは70℃〜150℃の範囲であり、処理時間は、10秒〜20分の間が適当である。手法としては、ホットプレート上に静置する方法、オーブンに投入する方法、熱風で処理する方法、赤外線ヒータを用いる方法等が挙げられるが特に限定されない。
【0077】
また、レジストパターンの形成後に紫外線(電磁波)を照射することで、パターン保持性を向上させる場合には、パターン露光時と同様の波長で、5mJ以上のエネルギーの照射を行うと良い。
【0078】
ここで、ドライフィルムレジストが充分積層体に密着していないとウェットエッチングを行ったときに、ドライフィルムレジストが剥離してしまう。そこで、最低200g/cm以上の90°剥離強度を保持しているのが好ましい。
【0079】
また、熱プレスにより作製された積層体に多く見うけられるが、積層体を形成する無機物表面に密着力向上のためにに粗化処理が行われており、その粗化面が絶縁層に転写されている場合は、その凹凸にドライフィルムが食い込む為、密着力が得やすいので好ましい。
【0080】
エッチング液
本発明に使用されるドライフィルムレジストに適用可能なエッチング液には、従来技術の欄で述べたような種々のエッチング液が使用できる。しかし、本発明の電子部品の製造方法は、高い生産性でかつ、低いプロセスコスト(装置コスト・維持管理コスト・廃棄物処理コスト)、低毒性であることを目的とするものであるので、エッチング液は低毒性で、且つ高寿命であることが望ましい。毒性の高いヒドラジンは含まないものであることが好ましいが、エッチング液に対して、重量で10wt%以下であれば添加剤と言う観点で含んでも良い。ヒドラジンが10%を超えると、エッチングを行ったときの形状が不安定になりやすく、工程の管理が難しくなる。これは、特開平5−301981号公報に述べられているようにヒドラジンは、エッチングの挙動が不安定であるためであり、ヒドラジン含有量が少ない方が工程管理上・作業環境上も好ましい。
【0081】
本発明に使用されるドライフィルムレジストに適用可能なエッチング液は、該ドライフィルムレジストが形状を保持可能な時間内に、ポリイミドがエッチングできるだけの充分なエッチング速度を有していなければならない。具体的には、特開平10−97081号公報と特開平10−195214号公報に開示されている無機アルカリを主成分としたアルカリ水溶液が、もっとも好ましい。本発明で使用できるエッチング液は、基本的には無機アルカリ・脂肪族アミン(ジアミン)・脂肪族アルコール・脂肪族アミノアルコールの単独、またはそれらの混合の水溶液に、尿素や有機極性溶媒が添加してあるものが挙げられる。
【0082】
エッチングにおける処理温度は、用いるエッチング液の凝固点、または、沈殿が生じる温度より高く、沸点よりも低い温度の範囲であればよいが、生産性や工程管理上の関係から、10℃〜120℃、好ましくは30℃〜95℃、より好ましくは50℃〜90℃である。処理を行う温度で揮発する成分が含まれているエッチング液の場合は、長時間処理を継続すると、エッチング液の組成が変化してしまうことがあるため、処理温度はできるだけエッチング液の内容成分が揮発しない温度で行うのが好ましいが、必ずしもその温度で行う必要はない。
【0083】
エッチング浴内の温度分布は小さければ小さいほど良いが、±1℃の範囲で維持されているのが好ましく、±0.5℃の範囲で維持されているのがより好ましい。
【0084】
これまでの知見から温度が高くなればなるほど、ポリイミドのウェットエッチングのメカニズムから、指数関数的にエッチングレートが大きくなることが確認されている。エッチングレートが大きい条件で処理を行えば行うほど、温度に対するエッチングレートの違いが大きくなるため、エッチング浴内で温度分布があると基板面内でのパターン精度のばらつきが大きくなる。絶縁層のエッチングレートが大きい場合に特に顕著であり、極力温度分布を小さくすることが均一な加工を行う上で効果がある。
【0085】
エッチングを行う方法は、ディップ法、スプレー法、液中スプレー法、ディップ+超音波照射法等が挙げられるが、スプレー法の場合、エッチング液からの内容成分の揮発が多く、液の管理が困難になる。好ましくはディップ法、または液中スプレー法であり、エッチング形状のテーパー角をより小さくするためには、液中スプレー法が好ましい。
【0086】
エッチング液中において超音波を照射する場合には、超音波照射により、ドライフィルムレジストが部分的に剥離し、エッチング形状が不良とならないように超音波条件を考慮する必要がある。
【0087】
積層体のエッチング処理中は、積層体を垂直に立てた状態で処理を行っても良いし、水平にした状態で処理を行っても良い。垂直に立てて処理を行うとエッチング終了後にエッチング浴から取り出したときに、エッチング液の切れが良く、エッチング液のロスが少ない。水平にして処理を行うと、水平連続搬送が可能となり量産性により適しているし、また、エッチング液の温度分布が小さくなる利点がある。
【0088】
ドライフィルムレジストの剥離
ドライフィルムレジストの剥離は、用いるドライフィルムレジストの剥離の推奨条件を用いるが、使用する絶縁層であるポリイミド等がアルカリ耐性に乏しい場合は、エタノールアミン等の有機アルカリを使用すると良い。ドライフィルムレジストの剥離の手法は、通常、薬液のスプレー剥離が用いられることが多いが、ディップ法でも超音波照射によるものでもよい。
【0089】
また、熱プレスにより作製された積層体に多く見うけられるが、積層体を形成する導電性無機物層表面に密着力向上のために粗化処理が行われており、その粗化面が絶縁層に転写されている場合は、その粗化面にドライフィルムレジストが埋め込まれているので、通常よりも条件を激しくする必要がある。また、前記のエッチング液耐性向上処理を行った場合も同様である。
【0090】
【実施例】
[エッチング性試験]
絶縁層を形成するためのサンプルを製造するために、接着性樹脂として三井化学株式会社製ポリアミック酸ワニス:PAA−A(商品名)、新日本理化株式会社製ポリイミドワニス:EN−20(商品名)を用意した。コアとなる低膨張性ポリイミドとしては、鐘淵化学株式会社製ポリイミドフィルム APIKAL NPI(商品名、厚さ12.5μm )を用意した。エッチング試験に用いるエッチング液は、東レエンジニアリング株式会社製アルカリ−アミン系ポリイミドエッチング液TPE−3000(商品名)を用意した。
【0091】
前記各接着性樹脂ワニスを15cm×15cmの大きさの膜厚100μm のSUS304板上にスピンコートで乾燥後の膜厚20μm〜40μmとなるようにそれぞれコーテイングし、EN−20(商品名、新日本理化株式会社製)は180℃30分オーブンによって乾燥を行った。また、PAA−A(商品名、三井化学株式会社製)は、アミック酸ワニスであるので120℃15分間の乾燥工程において溶媒を除去した後、所定の操作をして熱イミド化してポリイミドとした。APIKAL NPI(商品名、鐘淵化学株式会社製)については、片面をマスキングし、サンプルとした。各サンプルを長さ約1.5cm、幅約2cmに切り出し、中心部にカッターナイフで傷をつけた後に、膜厚を触針式膜厚計(Dektak Technology社製)にて測定し、初期の膜厚とした。その後、70℃に調節され、マグネチックスターラーにて渦ができる程度に攪拌されたポリイミドエッチング液TPE−3000(商品名、東レエンジニアリング株式会社製)に浸積し、時間ごとに初期膜厚を測定した場所とほぼ同じ場所の膜厚を触針式膜厚計(Dektak Technology社製)にて測定し、初期の膜厚から浸積後の膜厚を引いたものを、膜減り量とした。その1分間当たりの膜減り量をエッチングレート(単位:μm/min)とした。その値を下記の表1に示す。
【0092】
【表1】
Figure 0004803473
【0093】
[エッチング性評価]
厚み12.5μmのポリイミドフィルムであるAPIKAL NPIフィルム(商品名、鐘淵化学株式会社製)に、乾燥後の膜厚が1.5μm±0.3μmになるようにEN−20(商品名、新日本理化株式会社製ポリイミドワニス)を両面に塗布し、180℃30分間オーブンにて乾燥して成膜した。これを接着層付きフィルムAとした。
【0094】
同様に、厚み12.5μmのAPIKAL NPIフィルム(商品名、鐘淵化学株式会社製)の両面にPAA−A(商品名、三井化学株式会社製)を塗布、成膜したものを接着層付きフィルムBとした。PAA−A(商品名、新日本理化株式会社製ポリイミドワニス)は、アミック酸ワニスであるので120℃15分間の乾燥工程で溶媒を除去後、所定の操作をして熱イミド化してポリイミドとした。以下に、コア層と接着層のエッチングレートの比を示す。下記の表2に接着層付きフィルムA及びBのエッチングレートの比を示す。
【0095】
【表2】
Figure 0004803473
【0096】
前記各接着層付きフィルムA及びBを厚み20μmのSUS304HTA箔(商品名、新日本製鉄製)を、厚み18μm(Rz=1.5μm)のオーリン社製銅合金箔C7025(商品名)の疎面側に向けて挟み、20Kg/cm2 圧力、270℃で10分間、真空圧着し、SUS:絶縁層:銅からなる3層材を2種類作製した。得られた積層体を積層体A、積層体Bとした。
【0097】
[絶縁層のエッチング評価]
前記工程で得られた各積層体A及びBを、SUS側をマスクして、塩化第二鉄溶液に浸積し、銅箔をエッチングした。その後、乾燥し、適当な大きさに裁断した後、70℃でマグネチックスターラーで渦ができるほど攪拌した東レエンジニアリング社製エッチング液TPE−3000(商品名)に浸積した。きれいにポリイミド膜が除去され、SUS面が露出した時点で取り出し、絶縁層をウェットエッチングした。
【0098】
また、同様にして、圧力25〜30Pa、プロセスガスNF3 /O2 =10/90%、周波数40kHzにてプラズマ処理を行い、絶縁層をプラズマエッチングした。
【0099】
SUS上にポリイミド層が目視で残存してないことが確認できるまでエッチングし、このエッチングに要した時間で、絶縁層の膜厚を割った値(エッチングレート)を下記表3に示す。
【0100】
【表3】
Figure 0004803473
【0101】
表3によれば、ウェットエッチングはプラズマエッチングに比べエッチングレートが大きく。非常に短時間で、絶縁層のエッチングが可能であることが確認された。
【0102】
[導電性無機物層のパターニング]
300mm×300mmの大きさの前記エッチング性評価の試験で調製した積層体Aのステンレス層上、及び銅合金箔層上の両方の面に厚み50μmのアルカリ現像型ドライフィルムレジストを加熱したロールラミネーターにて0.5m/minの速さで、ロールの表面の温度105℃で、2〜4Kg/cmの線圧でラミネート後、15分間室温で放置した。このとき、積層体の両面にステンレス層と銅合金箔層があるため、ドライフィルムレジストのラミネート後も積層体は平坦であり、反りは確認されなかった。その後、所定のマスクを用いて真空密着露光機で100mJ/cm2 露光した。室温で15分間放置後、Na2 CO3 1重量%水溶液で、30℃、スプレー圧2Kg/cm2 で60秒間ドライフィルムレジストを現像し、レジストパターンを形成した。
【0103】
その後、塩化第二鉄水溶液にてステンレス層、銅箔層を同時に、エッチングした。その後、50℃の3重量%NaOH水溶液で、スプレー圧1Kg/cm2 でドライフィルムレジストを剥離し、積層体Aの導電性無機物層をパターニングした。このようにして、ステンレス層及び銅合金層がパターニングされ部分的に絶縁層が露出した積層体Aが得られた。
【0104】
[ドライフィルムレジスト]
アルカリ現像・アルカリ剥離タイプのネガ型ドライフィルムレジストとして、以下の、旭化成工業株式会社製サンフォートAQ‐1558(商品名、厚み15μm)、同AQ‐2058(商品名、厚み20μm)、同AQ‐2538(商品名、厚み25μm)、同AQ‐3038(商品名、厚み30μm)、同AQ‐4038(商品名、厚み40μm)、同AQ‐5038(商品名、厚み50μm)、及びニチゴーモートン株式会社製ALPHO NPE538(商品名、厚み38μm、エンボス処理あり)、同NPE342(厚み42μm、商品名、エンボス処理あり)を用意した。また、乳酸現像、乳酸剥離タイプのネガ型ドライフィルムレジストとして新日鉄化学株式会社製SFP−00GI−25−AR(商品名)を用意した。
【0105】
上記のサンプルを以下の手法で、面プレス(減圧下、及び常圧下)とロールプレス(減圧下、及び常圧下)を行って、ドライフィルムレジストラミネート後の積層体Aの外観を検討した。
【0106】
[面プレス]
積層体Aを、ドライフィルムレジスト(DFR)により挟み、名機製作所製真空ラミネーターMVLP−500を用い、設定温度75℃の熱板上にドライフィルム−積層体−ドライフィルムからなる順番で積層し、セットした後、チャンバー内気圧を30mmHg(≒4KPa:大気圧の約1/25)まで減圧後、プレス圧1Kgf/cm2 で80秒プレスした。また同様にして、プレスする際の内部気圧を常圧にしたものも行った。
【0107】
このようにしてラミネートを行った積層体は、常圧下では全てのサンプルにおいて、銅合金箔やステンレス箔がパターニングされている端部に所々に気泡が混入していた。また、減圧下でプレスを行ったときは、エンボスにより表面に微細な凹凸が施されているドライフィルムレジストは、気泡が混入していなかったが、エンボス加工がなされていないものは銅合金箔やステンレス箔がパターニングされている端部に所々に気泡が混入していた。しかし、全てのサンプルが平坦であり、反りは見うけられなかった。
【0108】
[ロールプレス]
積層体Aを、ドライフィルムレジストで挟み加熱したロールラミネーターで0.5m/minの速さでロールの表面の温度105℃で、2〜4Kg/cmの線圧でラミネートした後、15分間室温で放置した。このようにして、ラミネートを行った積層体は、すべて平坦な金属板上に静置すると、両端が約1.5mm〜2mmほど浮き上がり、銅合金箔がパターニングされている側に反りかえっていた。また、減圧下でラミネートを行ったものは気泡の混入はなかった。しかし、常圧で行ったものは、銅合金箔やステンレス箔がパターニングされている端部に所々に気泡が混入していた。
【0109】
それぞれのサンプルで、ドライフィルムレジストの表面からパターニングされたステンレス箔(厚さ20μm )や銅合金箔(厚さ18μm )が、露出していないかを確認したところ、それぞれ金属層の厚さとドライフィルムレジストの厚さが同じか、小さいときに部分的に金属がドライフィルムレジストを突き破り、露出していた。評価結果を下記の表4に示す。
【0110】
【表4】
Figure 0004803473
【0111】
この結果より、平板プレスを用いた場合は、ドライフィルムの表面に凹凸があるものが気泡の混入に対し有効であることがわかる。また、ロールプレスの場合、減圧を行えば表面が平坦なドライフィルムを用いても気泡の混入は見うけられなかった。また、SUSの厚さが20μm、銅箔の厚さが18μmであることより、金属の露出がなくきれいにラミネートできるのは、金属の厚さの1.1倍以上の厚さのドライフィルムであった。
【0112】
[ドライフィルムレジストの選定]
上記工程で得られた絶縁層が露出した積層体Aを用いて以下の作業を行った。積層体Aを、SUS側をマスクして、塩化第二鉄溶液に浸積し、銅箔をエッチングした。その様にして露出させた接着層面に上記のアルカリ現像型ドライフィルムレジストを、加熱したロールラミネーターで0.5m/minの速さでロールの表面の温度105℃で、2〜4Kg/cmの線圧で、ラミネートした後、15分間室温で放置した。その後、OCR製作所製平行光密着露光機にて、ライン&スペースが、それぞれ500μm/500μmと80μm/80μmのストライプマスクをサンプルに密着させ、ドライフィルムの推奨の露光量を30〜200mJの範囲で片面露光後、サンプルを裏返して露光した。室温で15分間放置後、Na2 CO3 1重量%水溶液で、30℃、スプレー圧2Kg/cm2 で60秒間ドライフィルムレジストを現像した。その後、乾燥し、70℃でマグネチックスターラーで渦ができるほど攪拌した東レエンジニアリング社製エッチング液TPE−3000(商品名)に浸積した。種々、浸漬時間を変化させたサンプルを、50℃の3重量%NaOH水溶液で、スプレー圧1Kg/cm2 でドライフィルムレジストを剥離した。その様にして、所望の形状に絶縁層をウェットエッチングした。ドライフィルムレジストには、旭化成工業社製サンフォートAQ−1558(商品名)、AQ−2058(商品名)、AQ−2538(商品名)、AQ−3038(商品名)、AQ−4038(商品名)、AQ−5038(商品名)、並びにニチゴーモートン社製NPE538(商品名)、NPE342(商品名)、新日鉄化学株式会社製SFP−00GI−25−AR(商品名)を使用した。ただし、SFP−00GI−25−AR(商品名)の現像に関しては指定の乳酸水溶液を用いた。
【0113】
各サンプルにつき、一定時間エッチング液に浸漬したサンプルのストライプパターンの上部の寸法を計測し、その寸法がパターン寸法の20%以上変化した点を便宜的にドライフィルムレジストパターンが剥離、または溶解した時間とみなし、その時間までをドライフィルムレジストがパターン形状を保持している時間とした。この時間をパターン保持時間とする。
各サンプルについてパターン保持時間を下記の表5に示す。
【0114】
【表5】
Figure 0004803473
【0115】
表5によれば、旭化成工業社製サンフォートAQ5038(商品名)とニチゴーモートン社製NPE342(商品名)がエッチング液耐性に比較的優れていることがわかった。また、旭化成工業社製サンフォートAQ2538〜AQ5038(商品名)は、同一組成のドライフィルムレジストで厚さが違うだけであり、サンプル番号の大きくなるにつれてドライフィルムレジストの厚みが増えたものである。表5によれば、厚みが増えるにつれて、パターン保持時間が増えており、このことからエッチング液耐性も向上していると判断される。
【0116】
パターン補強処理
ドライフィルムレジストをパターニングした後に、ドライフィルムレジストのエッチング液に対する耐性をさらに与えるため、以下のような後処理を行った。用いたサンプルは、上記の工程で銅合金箔を前面除去した積層体Aを用い、旭化成工業社製サンフォートAQ5038(商品名)をL/S=500μm/500μmと80μm/80μmのストライプにパターニングして用いた。評価手法も前記ドライフィルムレジスト選定のときと同じ手法で評価した
【0117】
[熱処理]
120℃に熱したホットプレート上に、アルミホイルを敷き、その上にサンプルAを静置し、パターン保持時間を求めた。このとき以下の表の様に時間を変化させた。処理時間に対するパターン保持率の結果を下記表6に示す。
【0118】
【表6】
Figure 0004803473
【0119】
[後露光処理]
ネガ型のドライフィルムレジストを用いているため、現像後に、さらにレジストパターンを強化する必要があるので、以下のような条件で後露光を行い、パターン保持時間を求めた。露光量に対するパターン保持率を下記表7に示す。
【0120】
【表7】
Figure 0004803473
【0121】
表6及び表7によれば、パターン補強処理において加熱によるものの方が効果が大きかったが、後露光によるものでも熱処理ほどではないが効果があった。これらは、求める電子部品やプロセスにより適宜選択すると良い。またこれらの組み合わせでも、効果が確認されたが熱処理の効果の寄与が大きく、露光による効果はそれほど目立たなかった。
【0122】
[露光・現像]
上記工程で得られたドライフィルムレジストを積層された積層体Aに対して、マスクパターンを被せ露光をg線で露光量30〜150mJ/cm2 で行い、30℃、1重量%Na2 CO3 でスプレー現像した。これにより、絶縁層加工レジストパターンは絶縁層上にパターニングされたステンレス層、及び銅合金箔層にオーバーラップするように形成した。
【0123】
もし、オーバーラップを行わないように絶縁層を残す領域にのみ絶縁層加工パターンを形成すると、ウェットエッチングによりレジストパターンもエッチングされ、当該パターンとステンレス層または銅合金層との間に隙間が形成されて、エッチングが入ってしまい、絶縁層の加工したくないところをエッチング加工してしまう可能性がある。これを防ぐために、絶縁層加工レジストパターンは、絶縁層上にパターニングされたステンレス層または銅合金層とオーバーラップするように形成した。特に、ステンレス層または銅合金層の線幅が狭い場合は、線幅の狭い導電層上に絶縁層加工レジストパターンを形成することは、このような点でも効果がある。
【0124】
このとき、反りのあったサンプルは露光時にマスクに密着せず、吸引により強制的に密着させたところ、その反りの程度によってアライメント精度が他のサンプルの3〜5倍程度悪化した。
【0125】
[ウェットエッチング]
上記工程で得られたサンプルを、以下の条件でウェットエッチングを行った。なお、ドライフィルムレジストのエッチング液耐性向上処理は行なわなかった。ウェットエッチング条件としては、前処理として、ノニオン系界面活性剤である日信化学工業製サーフィノール104E(商品名)の0.5%水溶液に、30秒浸漬させた後に、液中スプレー方式水平搬送型エッチング装置に投入した。エッチング液は東レエンジニアリング社製エッチング液TPE−3000を用い、処理温度は80℃とした。ポリイミド層のエッチング液に対するエッチングレートや、エッチングする温度にもよるが、この場合各サンプルの、エッチングに要する時間は70〜90秒程度であった。
【0126】
その際に、レジストパターンに気泡が混入していたサンプルとステンレス層および、銅合金箔層が露出していたサンプルは、エッチングが目的の形状になっていない部位が多く見うけられた。このような不良の原因は、ウェットエッチングはエッチングレートが非常に大きいため、エッチング液にすこし触れただけでもエッチングが行われるため、銅合金箔層のエッチングパターンを完全にドライフィルムレジストが被覆していない場合は、不良となりやすいからである。
【0127】
良好にエッチングが終了したサンプルの電子顕微鏡写真を図2に、エッチング不良が発生したサンプルの電子顕微鏡写真を図3に示す。図3によれば、銅合金箔のエッチングパターンの基部における周辺のポリイミドの絶縁層が浸食されていることが分かる。このような不良は、図1(g)において、ドライフィルムレジスト5の厚みが導電性無機物層3又は2の厚さの1.1倍未満の場合に導電性無機物層3又は2の基部における絶縁層1の周辺に発生する。
【0128】
[剥離]
絶縁層のパターニングに用いたドライフィルムレジストに対して、50℃、水酸化ナトリウム3Wt% の高温アルカリ溶液をスプレーすることにより、ドライフィルムレジストを積層体から剥離した。絶縁層がポリイミド等のアルカリ耐性に乏しい場合は、エタノールアミン等の有機アルカリを使用すると良い。
【0129】
上記のようにして作製した、サンプルについて各性能を評価したところ、ドライフィルムレジストをラミネートした状態で、反りが見うけられたサンプルはアライメント精度が悪く、気泡の混入があったもの、パターニングされたステンレス箔や銅合金箔がドライフィルムレジストから露出していたものはエッチング形状不良が見うけられた。その結果を下記の表8に示す。
【0130】
【表8】
Figure 0004803473
【0131】
【発明の効果】
本発明のドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法によれば、70℃に保たれたエッチング液に浸漬したとき、ドライフィルムレジストパターンの保持時間が1分以上であるので、絶縁層のウェットエッチングに要する時間が10秒以上30分以内、好ましくは10秒以上10分以内、さらに好ましくは10秒以上5分以内である場合には、強アルカリのエッチング液でエッチングしても、エッチング時にドライフィルムレジストが剥離することがなく、精度の良いウェットエッチングが行える。
【0132】
本発明のドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法によれば、適用される積層体における1層の無機物層の厚さの1.1倍以上の厚さであるので、ドライフィルムレジストのラミネート後に積層体の凸部がドライフィルムレジストを突き破って露出することがなく、絶縁層の良好なエッチングパターン形状が得られる。
【0133】
本発明で使用されるドライフィルムレジストは、表面に微細な凹凸が形成されているので、該ドライフィルムレジストを使用して電子部品を製造する場合には、該微細な凹凸により、気泡の逃げ場が生まれ、ドライフィルムレジストをラミネートしても気泡を抱き込むことを防げ、エッチング液の侵入が防げるので、積層体のエッチング耐性が向上する。
【0134】
本発明で使用されるドライフィルムレジストは積層体の絶縁層のウエットエッチングを可能にしたので、本発明のドライフィルムレジストを用いた電子部品の製造方法によれば、従来のドライエッチングに比べて短時間のエッチングが可能で生産性がよい。特に、ハードディスクドライブ用サスペンションのように、エッチングにより除去される絶縁層の面積が広く、しかも微細なパターンが必要とされている製品は、ウェットエッチングの適用における効果が絶大であるため、これまで以上に作業性が良く、不良が少なくなる。
【0135】
しかも、ハードディスクドライブ用サスペンション等の電子部品には高精度のパターニングが要求されるが、従来、ハードディスクドライブ用サスペンション等を作製するための剛性の無い基板に対して液体レジストを塗布してレジスト膜を精度よい均一な厚みとすることは困難であり、塗布・乾燥工程における非常に厳密な管理を必要とし、微細なエッチングには不適であったが、本発明のドライフィルムレジストによれば、絶縁層のパターニングをウエットエッチングにより行うことができ、もともと一定の膜厚のドライフィルムを用いた方が、レジストを形成するのに工程管理が容易であるという利点や、微細なエッチングに適するという利点がある。
【0136】
本発明で使用されるドライフィルムレジストによれば、積層体にラミネートしたものは、アルカリ水溶液による現像、及びアルカリ水溶液での剥離を行うことができるので、廃棄に問題のある有機溶剤を使用しない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドの絶縁層の片面に銅の導電性無機物層、他の片面にSUSの導電性無機物層を形成した積層体を出発原料とした、ウェットエッチングによる電子部品の製造方法を示すプロセス図である。
【図2】良好にエッチングが終了したサンプルの電子顕微鏡写真である。
【図3】銅合金箔が露出し、エッチング不良が発生したサンプルの電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 絶縁層
2、3 導電性無機物層
4、5 ドライフィルムレジスト

Claims (21)

  1. 導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積層体に表面粗さRzが0.5μm〜50μmの微細な凹凸を有するドライフィルムレジスト該ドライフィルムレジストの凹凸側を該積層体側に向けて減圧状態乃至真空状態で20〜100℃で0.05〜0.3MPaの圧力でラミネートしてウェットエッチングにより電子部品を製造する方法であって、
    該積層体の絶縁層はドライフィルムレジストを用いたウエットエッチングによってパターン形成されるものであり、
    該絶縁層は1層以上であり、
    適用するドライフィルムレジストの厚さが該積層体における1層の導電性無機物層の厚さの1.1倍以上であり、かつ、
    70℃に保たれたエッチング液に被エッチング物が浸漬されたとき、ドライフィルムレジストパターンの保持時間が1分以上であることを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記ドライフィルムレジストの表面の少なくとも片面に、前記微細な凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記微細な凹凸は、エンボス加工によって設けられたことを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記ドライフィルムレジストは、アルカリ水溶液により現像可能であり、且つアルカリ水溶液で剥離することが可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項記載の電子部品の製造方法において、前記積層体の絶縁層をウェットエッチングする際の温度が10℃以上120℃以下であることを特徴とする電子部品の製造方法
  6. 請求項1乃至5の何れか1項記載の電子部品の製造方法において、前記積層体の絶縁層をウェットエッチングする際に用いるエッチング液のpHが8より大きいことを特徴とする電子部品の製造方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項記載の電子部品の製造方法において、前記積層体にドライフィルムレジストをラミネートしてウェットエッチングする方法は、ドライフィルムレジストのラミネート体に露光、現像してパターニングした後、絶縁層のエッチャントに対するドライフィルムレジストの耐性を向上させる処理として、紫外線照射処理、加熱処理、及び紫外線照射処理と加熱処理の組合せから選ばれた処理を行うことを特徴とする電子部品の製造方法。
  8. 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成する1層以上の全ての層が有機物からなることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成する少なくとも1層が有機物と無機物の複合体であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成する少なくとも1層がポリイミド樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成する1層以上の全ての層がポリイミド樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  12. 前記積層体の絶縁層は、絶縁層を構成する少なくとも1層が線熱膨張係数30ppm以下の低膨張性ポリイミドであることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  13. 前記積層体の絶縁層は、接着性ポリイミド−線熱膨張係数30ppm以下の低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミドからなる層構成である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、10、11又は12記載の電子部品の製造方法。
  14. 前記接着性ポリイミド−線熱膨張係数30ppm以下の低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミドからなる層構成の絶縁層において、2つの接着性ポリイミドは互いに異なる組成のポリイミドである請求項13記載の電子部品の製造方法。
  15. 前記積層体における1層又は2層の導電性無機物層は、全ての層が銅、又は銅に表面処理を施した物質である請求項1乃至14の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  16. 前記積層体における1層又は2層の導電性無機物層は、全ての層が銅合金、又は銅合金に表面処理を施した物質である請求項1乃至15の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  17. 前記積層体における1層又は2層の導電性無機物層は、全ての層がステンレス、又はステンレスに表面処理を施した物質である請求項1乃至15の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  18. 前記積層体における2層の導電性無機物層は、1層がステンレス、又はステンレスに表面処理を施した物質であり、その他の層が銅合金、又は銅合金に表面処理を施した物質である請求項1乃至14の何れか1項記載の電子部品の製造方法
  19. 前記積層体における2層の導電性無機物層は、1層がステンレス、又はステンレスに表面処理を施した物質であり、その他の層が銅または、銅に表面処理を施した物質である請求項1乃至14の何れか1項記載の電子部品の製造方法
  20. 請求項1乃至19の何れか1項記載の電子部品の製造方法により作製された電子部品。
  21. 請求項1乃至19の何れか1項記載の電子部品の製造方法により作製されたハードディスクドライブ用サスペンション。
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