JP2002299791A - ウェットエッチングを採用した電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンション - Google Patents

ウェットエッチングを採用した電子部品の製造方法、電子部品及びハードディスク用サスペンション

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層か
らなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積
層体の絶縁層をウェットエッチングにより電子部品を製
造するのに、低コストで、廃棄処理に問題のある有機溶
剤を使用せずに電子部品を製造する方法。 【解決手段】 導電性無機物層2―絶縁層1−導電性無
機物3層からなる積層体をウェットエッチングにより導
電性無機物層2,3のパターニング、次いでウェットエ
ッチングにより絶縁層1のパターニングを行う。該積層
体における絶縁層1はウェットエッチング可能で、単層
構造又は2層以上の絶縁ユニット層の積層構造であり、
該ウェットエッチングにより絶縁層のパターニングをド
ライフィルムレジスト4,5を用いて行い、電子部品を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェットプロセス
によって絶縁層のパターニングが可能な導電性無機物−
絶縁層−導電性無機物、又は導電性無機物−絶縁層とい
う層構成からなる積層体を用いて、絶縁層をウェットエ
ッチングによりパターニングする工程により、電子部品
を製造する方法、該製造方法により得られた電子部品自
体、及びハードディスクドライブ用サスペンションに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体技術の飛躍的な発展により
半導体パッケージの小型化、多ピン化、ファインピッチ
化、電子部品の極小化などが急速に進み、いわゆる高密
度実装の時代に突入した。それに伴い、プリント配線基
板も片側配線から両面配線へ、さらに多層化、薄型化が
進められている(岩田, 原園, 電子材料,35(1
0),53(1996))。
【0003】そのような電子部品の配線・回路を形成す
る際のパターン形成方法には、導電性無機物層(主とし
て金属層)−絶縁層−導電性無機物層(主として金属
層)という層構成における基板上の導電性無機物層を塩
化第二鉄のような酸性溶液でエッチングし、配線を形成
した後、層間の導通をとるために、プラズマエッチング
等のドライ状態や、ヒドラジン等のウェット状態で絶縁
層を所望の形に除去し(特開平6−164084号公
報)、めっきや導電ペースト等で配線間をつなぐ方法が
ある。また、別のパターン形成方法には、感光性ポリイ
ミド(特開平4−168441号公報)などを用いて絶
縁層を所望の形に設けた後に、その空隙にめっきで配線
を形成する方法(エレクトロニクス実装学会第7回研究
討論会予稿集1999年発行)などがある。
【0004】近年、電気製品、特に、パーソナルコンピ
ューターは低価格化が進み、これらに用いる部材や部品
等も低価格の指向が強いので、いかに低コストで電子部
品を作るかというのが、非常に大きな課題となってい
る。
【0005】現在、パーソナルコンピューターの生産量
の急激な伸びに伴い、それに組み込まれているハードデ
ィスクドライブもまた生産量が増大している。ハードデ
ィスクドライブにおける、磁気を読み取るヘッドを支持
しているサスペンションといわれる部品は、ステンレス
の板ばねに、銅配線を接続するものから、小型化への対
応のためステンレスの板ばねに直接銅配線が形成されて
いるワイヤレスサスペンションといわれるものへと主製
品が移り変わりつつある。
【0006】このようなワイヤレスサスペンションは導
電性無機物層(主として金属層)−絶縁層−導電性無機
物層(主として金属層)からなる3層材を用いて作製さ
れているものが主流である。該3層材は、例えば、絶縁
層の片側に銅合金箔、もう一方の側にステンレス箔が積
層された層構成が挙げられる。ワイヤレスサスペンショ
ンは、高速で回転するディスク上をスキャンし、細かな
振動が加わる部材であるため、配線(導電性無機物層)
の絶縁層への密着強度は非常に重要であり、厳しいスペ
ックが求められている。また、ハードディスクは情報を
記録する装置であるので、データの読み書きに対する高
度の信頼性が要求され、配線の密着強度やサスペンショ
ンから発生する塵などのごみやアウトガスに対してもス
ペックは厳しい。
【0007】一般に、電子部品に用いられる前記の3層
材等の積層体は、基板の反りを防ぐため導電性無機物層
と絶縁層との熱膨張率を同じにするために、低膨張性の
絶縁層、特に、低膨張性ポリイミドを含ませることが多
い。絶縁層に、低膨張性ポリイミドのみを用いた積層体
は、低膨張性ポリイミドとして東レ−デュポン株式会社
製のカプトン(商品名)、宇部興産株式会社製のユーピ
レックス(商品名)、鐘淵化学工業株式会社製のアピカ
ル(商品名)等のポリイミドフィルムを用いており、こ
れらは低膨張性ポリイミドフィルムの表面にスパッタリ
ングや無電解めっき等で、金属層(主に銅)を形成し、
その後、電解めっきによって導体層の厚さを大きくした
ものがある(種類Iの積層体という)。また、別の種類
の積層体として、低膨張性ポリイミドの表面にポリイミ
ド以外の接着剤(例えばエポキシ系接着剤)の層を形成
してなる、ポリイミド以外の接着剤−低膨張性ポリイミ
ド−ポリイミド以外の接着剤からなる3層構造の絶縁体
を用い、熱圧着により導体箔を該絶縁層に接着した積層
体がある(種類IIの積層体という)。さらに別の種類の
積層体として、低膨張性ポリイミドの表面に接着性ポリ
イミドの層を形成してなる、接着性ポリイミド−低膨張
性ポリイミド−接着性ポリイミドからなる3層構造の絶
縁体を用い、熱圧着により導体箔を該絶縁層に接着した
積層体がある(種類III の積層体という)。
【0008】前記種類Iの積層体は、絶縁層が単一組成
のポリイミドよりなっているため、反りが生じにくく、
また、金属層を薄くすることが可能であるので、細い配
線を形成するのに有利であるという利点がある。前記種
類IIの積層体及び種類III の積層体は、導体層を熱圧着
により形成するため、導体層を種々選択できる。たとえ
ば、圧延銅箔やステンレス箔等を用いた積層体の作製が
可能である。種類IIの積層体は接着性が良好であり、ま
た、種類III の積層体は接着層が耐熱性の良好なポリイ
ミドであるため、耐熱性が良好であるという利点があ
る。また、両者は、金属層の厚さを大きくすることがで
きるという利点もある。
【0009】ワイヤレスサスペンションは、バネ性を必
要とするため、金属層としてステンレス箔が用いられる
ことが多く、積層構造としては、例えば、銅箔−接着性
ポリイミド−低膨張性ポリイミド−接着性ポリイミド−
ステンレスが挙げられる。従来、ワイヤレスサスペンシ
ョンは絶縁層のエッチング面積が大きいため、レーザー
ではなく、同じドライプロセスであるプラズマエッチン
グにより絶縁層がパターニングされているものが主であ
る。しかしながら、プラズマエッチングは、エッチング
レートが小さいため、エッチングに要する時間が長く、
しかもシート単位(枚葉)毎の生産であるため、生産性
が悪く、また装置も高価なため生産コストが非常に高く
なってしまう欠点がある。
【0010】このような理由から、エッチングレートが
大きく、したがって、生産性が高く装置コストも安くす
ることが可能なウェットプロセスにより、絶縁層のパタ
ーニングを行うことが望まれてきた。
【0011】さらに、多層基板の層間の導通をとるため
の穴をレーザーで開け、それを所望の形に金型で型抜き
していた、フレキシブルプリント基板や多層基板等の電
子部品も、ウェットエッチング技術を用いることで、穴
開けと型抜きの工程を同時に行え、しかも、金型では切
り出せなかった微細な形状までも、形成が可能となるこ
とから、電子部品の各分野でもウェットプロセスで絶縁
層のパターニングが望まれている。
【0012】前記種類IIの積層体については、エポキシ
系接着剤が使用される場合は、耐溶剤性が高すぎて全く
ウェットエッチングできないという不都合がある。
【0013】前記種類III の積層体については、接着性
ポリイミド層と低膨張性ポリイミド層のエッチング特性
の違いが大きすぎるため、エッチングしたときの断面形
状がきれいにならず、事実上ウェットエッチングにより
電子部品を作製するのが困難である。
【0014】前記種類Iの積層体については、ウェット
エッチングによる加工が一部行われている。しかしなが
ら、導電性無機物層の形成がスパッタ等の処理であるた
め、ポリイミド表面に金属を高速で衝突させて行うの
で、金属が表層だけではなくポリイミド層の内部まで食
い込むため、表層のポリイミドが若干変性してしまう。
種類Iの積層体における、絶縁層と導電性無機物層との
密着性は、導電性無機物層と絶縁層の化学結合や化学的
相互作用によるものが主であるため、導電性無機物層と
絶縁層との親和性が強くなっている。したがって、種類
Iの積層体に対してウェットエッチングした場合には、
導電性無機物層との界面の絶縁層において、変性してい
る部分がエッチング残りとなる不良が発生し易いという
問題がある。
【0015】一方、プレスで導電性無機物層と絶縁層を
一体化させた積層体は、化学結合や化学的相互作用より
も導電性無機物層の表面の凹凸によるアンカー効果が密
着力に対して大きく寄与しているため、エッチング残り
が起きにくい。また、前記したように、プレスによる積
層体の製造においては、導電性無機物層を選択する自由
度が大きいため、これまでスパッタで導電性無機物層を
形成したものでは、適用不可能であった製品まで作製す
ることが可能となる。
【0016】ポリイミドは、一般に溶媒溶解性が乏しい
ことが多いが、ヒドラジンやアルカリの溶液により分解
されるため、薬液によるポリイミドフィルムのウェット
エッチングが、これまで種々検討されてきた。たとえ
ば、特開昭50−4577号公報では、ヒドラジンとア
ンモニアを用いた配線構造体の製造方法が開示されてい
る。また、特開昭58−103531号公報では、無機
塩基性水溶液によるポリイミドフィルムのエッチング方
法が開示されている。また、特開昭57−65727号
公報では、脂肪族ジアミンによるポリイミドのエッチン
グ方法が開示されている。その他に、現在開示されてい
るポリイミドのウェットエッチング方法は、ヒドラジン
・無機アルカリ・有機アルカリ・脂肪族アミン(ジアミ
ン)・脂肪族アルコールを溶媒として、水や有機極性溶
媒を、それぞれ混合させた薬液を用いたものとなってい
る(例えば、特開昭58−74041号公報、特開昭5
8−96632号公報、特開平3−101228号公
報、特開平5−190610号公報、特開平5−202
206号公報、特開平7−157560号公報)。
【0017】しかしながら、ポリイミドを分解する成分
であるヒドラジンは、毒性が高いため、生産工程に用い
るには適さないので、近年開示されている例は、無機塩
基性水溶液にさまざまな添加剤を加えた系のエッチング
溶液が多い。
【0018】これらの従来のポリイミドフィルムのウェ
ットエッチングによりパターニングを行う方法には、パ
ターンマスクに金属を用いる方法(特開平5−2834
86号公報)、溶剤現像、溶剤剥離のネガ型液体レジス
トを用いる方法(特開平5−301981号公報)、溶
剤現像、溶剤剥離のポジ型の液体レジストを用いる方法
(特開昭51−27464号公報、特開昭53−490
68号公報、特開昭53−49068号公報、特開昭5
7−65727号公報、特開昭58−74041号公
報)がある。これら従来のポリイミドフィルムのウェッ
トエッチングによりパターニングを行う方法は、絶縁層
のパターニングに要する時間を短縮する効果はある。
【0019】また、ポリイミドを絶縁層として用いる積
層体は、厚みが薄いことが多く、剛性が低いため、従来
の剛直なガラスエポキシ基板等に比べハンドリング性が
劣ると言う問題をかかえているため、プロセスを設計す
る上で大きな制約条件となっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記、
金属層をパターンマスクとして用いてポリイミドをエッ
チングする方法は、金属層を最終的な絶縁層のパターン
形状となるようにエッチングし、該エッチングされた金
属層をパターンマスクとして絶縁層をエッチングした
後、該金属層をさらに目的とする配線の形状にエッチン
グによりパターニングし直す必要があった。即ち、この
方法は金属のエッチング処理が合計2回必要であり、し
かもポリイミドのエッチング時にエッチング液が金属に
触れるため、金属層の劣化の原因となっていた。
【0021】また、溶剤現像・剥離タイプの液体レジス
トを用いてレジストパターンを作製する場合には、現像
液及び剥離液に有機溶媒が必要であるので、環境への負
荷が大きく、廃液処理費用も必要であった。その上に、
溶剤現像・剥離タイプの液体レジストを用いる場合は、
均一な厚さの塗布膜を安定的に作成するのは次の理由か
ら困難であった。即ち、ハードディスクドライブ用サス
ペンション等の電子部品では、剛性の低い基板に液体レ
ジストを塗布、乾燥して製造することになり、均一な厚
みの塗布膜を作製することは困難であった。ハードディ
スクドライブ用サスペンション等の電子部品には高精度
のパターニングが要求されるが、塗布によりレジスト膜
を製造する場合には、塗布膜を精度よく一定厚みにする
には塗布・乾燥工程における非常に厳密な管理を必要と
していた。
【0022】基本的に塩基性水溶液現像・塩基性水溶液
剥離が可能なレジストは、無機塩基性水溶液を含有して
いるポリイミドエッチング液を用いると、エッチング液
のアルカリ成分により基板である積層体から剥離してし
まうことが確認されていたため、このようなレジストを
使用して、積層体のエッチングを行い電子部品を製造す
ることを実現することは困難と思われていた。
【0023】また、現在開示されているポリイミドのウ
ェットエッチング技術は、ポリイミド層が1層からなる
絶縁層を含む積層体を用いたものが主であり、ポリイミ
ド層が複数層積層されている積層体を、ウェットエッチ
ングにより加工した例の報告はわずかしかない(特開平
6−164084号公報)。これは、ポリイミドが複数
層積層されていると各層のエッチング特性が異なるた
め、ウェットエッチングにより良好な断面形状が得られ
ないという問題があるためである。
【0024】ハードディスク用のサスペンションは、バ
ネ材のステンレスが必須要素であるため、両面に接着性
樹脂層を設けた低膨張性ポリイミドフィルムを導体箔と
ステンレス箔の間に挟み、圧着することで作製した積層
体や、ステンレス箔上にポリイミド層が複数層積層され
ており、さらに熱圧着により導体層を形成された積層体
を用いて製造される。そのため、上記の各問題に直面
し、ウェットエッチングによりポリイミド層をパターニ
ングしサスペンションを作製することは、実現していな
かった。
【0025】そこで本発明は、導電性無機物層―絶縁層
−導電性無機物層からなる積層体、又は導電性無機物層
−絶縁層からなる積層体の絶縁層をウェットエッチング
により電子部品を製造するのに、低コストで、廃棄処理
に問題のある有機溶剤を使用することがなく、しかも前
記した従来技術の問題点を解消する製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0026】本発明の付随的な目的は、導電性無機物層
の劣化を防ぐために導電性無機物層のエッチングが1回
で可能となる製造方法を実現し、レジストの現像・剥離
に使用する薬液に環境への負荷が大きい有機溶媒を用い
ることなく、1層単層構造又は2層以上の絶縁ユニット
層の積層構造の絶縁層にもレジストを用いたウェットエ
ッチングが適用できる電子部品の製造方法を提供する。
【0027】さらに本発明の付随的な目的は、ウェット
エッチング後の断面形状が良好でエッチング精度の良い
積層体となる電子部品の製造方法を提供し、該製造方法
により得られた電子部品、及びハードディスク用サスペ
ンションを提供する。
【0028】さらに本発明の付随的な目的は、ドライフ
ィルムレジストを用いた、水溶液、特に、塩基性水溶液
での現像、塩基性水溶液での剥離の処理工程による前記
積層体のウェットエッチングを可能にすることである。
【0029】さらに本発明の付随的な目的は、ドライフ
ィルムレジストを用いた塩基性水溶液現像、塩基性水溶
液剥離の処理工程による前記積層体のウェットエッチン
グをシート単位(枚葉)毎の加工でも実現することであ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品の製造
方法は、導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物層から
なる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からなる積層
体をウェットエッチングにより導電性無機物層のパター
ニング、次いでウェットエッチングにより絶縁層のパタ
ーニングを行う電子部品の製造方法であって、該積層体
における絶縁層はウェットエッチング可能で、単層構造
又は2層以上の絶縁ユニット層の積層構造であり、該ウ
ェットエッチングにより絶縁層のパターニングを、ドラ
イフィルムレジストを用いて行うことを特徴とする。
【0031】上記電子部品の製造方法において、ドライ
フィルムレジストが、水溶液、特に、塩基性水溶液によ
り現像され、塩基性水溶液で剥離することが可能である
ことが、好ましい態様である。塩基性水溶液による現
像、及び塩基性水溶液での剥離を行うことにより、装置
コストが低減されることができ、使用済み有機溶剤の処
理の問題がない利点がある。
【0032】種々のドライフィルムレジストの各種エッ
チング液に対する耐性を調査した結果、塩基性水溶液現
像・塩基性水溶液剥離タイプのドライフィルムレジスト
についてエッチング条件・ドライフィルムレジストの膜
厚等を以下のようにして適正化すれば、ドライフィルム
の材質によっては、エッチング液に対する耐性を持つこ
とを見出した。また、塩基性水溶液現像・塩基性水溶液
剥離以外の、乳酸水溶液現像、乳酸水溶液剥離タイプの
ドライフィルムレジストについても、同様に耐性を有す
ることを見出した。
【0033】即ち、このようなドライフィルムのエッチ
ング耐性を積層体に付与するためには、導電性無機物層
のパターニングが行われた積層体に対してドライフィル
ムレジストを真空プレスにより減圧下でラミネートし、
得られたドライフィルムレジストのラミネート体に対し
てウェットエッチングすることが望ましい。ドライフィ
ルムレジストを減圧下で積層体に対して面プレスを行う
ことにより、ラミネート後の反りの問題が解決される。
【0034】このドライフィルムレジストのラミネート
後の反りの発生は次のようにして起こる。通常用いられ
る3層構造の積層体は、高度の平坦性を追求し減圧下、
熱圧着により作製されているためロール状に巻き取った
長尺物ではなく枚葉毎のシート形態となっている。該積
層体における絶縁層のパターンを形成するのに、ロール
ラミネータにより、金属のパターニングが終わった基板
にドライフィルムレジストをラミネートすると、積層体
自体が薄く剛性に乏しいために、積層体が反ってしま
い、レジストに対する露光時のマスクとアライメントの
ずれが大きくなると言う問題が生じていた。絶縁層のウ
ェットエッチングは、現行のドライプロセスであるプラ
ズマエッチングに比べて、パターニングの寸法精度が良
好であることも特徴であるため、このようなアライメン
トのずれは大問題であり、この問題の解決はウェットエ
ッチングプロセスを確立する上で非常に重要である。
【0035】したがって、本発明はドライフィルムレジ
ストを減圧下で面プレスを行うことにより、ラミネート
後の反りの問題が解決される。しかし、通常のドライフ
ィルムレジストを用いると面プレスの場合は、絶縁層上
に導電性無機物層の配線が形成されているため、該導電
性無機物層の配線が凹凸となっているので、その凹部又
は凸の淵の箇所において、ドライフィルムレジストの間
に気泡が内包されてしまうことがあるという問題があ
る。
【0036】また、上記のような気泡の内包を防ぐため
には、ドライフィルムレジストの表面に、微細な凹凸が
形成されていることが望ましい。表面に凹凸が形成され
たドライフィルムレジストを、該凹凸が導電性無機物層
の凹凸側(即ち配線側)に向くようにラミネートするこ
とにより気泡の発生を抑制できる。即ち、凹凸により、
気泡の逃げ場が生まれ、気泡を抱き込むことを防げる。
【0037】また、上記のようなエッチング耐性を積層
体に付与するためには、ドライフィルムレジストのラミ
ネート体に露光、現像してパターニングした後、絶縁層
のエッチャントに対するドライフィルムレジストの耐性
を向上させる処理として、紫外線照射処理、加熱処理、
及び紫外線照射処理と加熱処理の組合せから選ばれた処
理を行うことが望ましい。
【0038】また、上記のような条件が効果を発現する
ためには、積層体の絶縁層の厚さが、3μm〜500μ
mであることが望ましい。絶縁層が500μmより厚い
とエッチングに要する時間が長くなり、ドライフィルム
レジストがエッチング液に侵され、ドライフィルムレジ
ストの形状保持ができなくなるからであり、また、3μ
m未満であると絶縁信頼性が低くなるからである。
【0039】また、無機物層の露出を防ぎエッチング形
状を良好にするためには、ドライフィルムレジストの厚
さが、原料とする積層体の1層の導電性無機物層の厚さ
の1.1〜5倍であることが望ましい。
【0040】また、上記のようなエッチング耐性を積層
体に付与するためには、絶縁層のウェットエッチングに
要する時間が10秒以上30分以内、好ましくは10秒
以上15分以内、さらに好ましくは10秒以上5分以内
であることが望ましい。
【0041】また、生産性及びエッチング形状の安定性
の観点から、絶縁層のウェットエッチング時の温度が1
0℃以上120℃以下であることか望ましい。
【0042】塩基性水溶液で現像と剥離が行えるドライ
フィルムレジストは、現在、最も汎用的であるため安価
であり、品種も多く選択の幅が広い、また、現像・剥離
の工程に用いる装置も数多く市販されているために、入
手が容易であり、価格も安価である。また、無機の塩基
性水溶液の場合は、廃液の処理も容易であることから、
溶剤現像・溶剤剥離タイプの液体レジストを用いる場合
に比べ、プロセス全体にかかるコストを大幅に低減でき
る。
【0043】本発明の積層体は、電子回路部品の製造方
法、ウェットエッチング後の積層体の断面形状が良好で
エッチング精度の良い積層体となるので、特に、ハード
ディスクドライブ用サスペンションに有用である。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に本発明の電子部品の製造方
法についてプロセス図を用いて好適な実施の形態の具体
例を概説する。しかしながら、本発明はこれに限定され
ない。図1は、ポリイミドの絶縁層1の片面に銅の導電
性無機物層3、他の片面にSUSの導電性無機物層2を
形成した積層体を出発原料とした、ウェットエッチング
による電子部品の製造方法を示すプロセス図である。
【0045】(a)で示す層構成は出発原料の積層体で
ある。該積層体の表裏面の各導電性無機物層2、3に対
して、ドライフィルムレジスト4を、ロールプレス又は
面プレスによりラミネートして、(b)で示す積層構造
のラミネート体を得る。該ラミネート体に対して、導電
性無機物層2、3が所望のパターンとなるようなマスク
を被せ露光し、次いで、Na2 CO3 水溶液で現像を行
い、(c)で示す状態のレジストパターンを形成する。
次いで、FeCl3 水溶液で導電性無機物層2、3のエ
ッチングを行うことにより、(d)で示す状態のレジス
トパターンに従った導電性無機物層2、3のエッチング
パターンを形成する。次いで、NaOH水溶液又はKO
H水溶液でレジストを溶解剥離し、(e)で示す状態の
導電性無機物層2、3のエッチングパターンを得る。次
いで、(e)の状態の導電性無機物層2、3の積層体の
表裏面に対してドライフィルムレジスト5を、ロールプ
レス又は面プレスによりラミネートして、(f)で示す
積層構造のラミネート体を得る。該ラミネート体に対し
て、絶縁層1が所望のパターンとなるようなマスクを被
せ露光し、次いで、Na2 CO3 水溶液で現像を行い、
(g)で示す状態のレジストパターンを形成する。次い
で、塩基性水溶液で絶縁層1のエッチングを行うことに
より、(h)で示す状態のレジストパターンに従った絶
縁層1のエッチングパターンを形成する。次いで、Na
OH水溶液又はKOH水溶液でレジストを溶解剥離し、
(i)で示す状態のエッチングパターンが形成された本
発明の電子部品を得る。
【0046】次に本発明の各構成要件を具体的に説明す
る。
【0047】積層体 本発明に用いる積層体は、導電性無機物層−絶縁層−導
電性無機物層、または、絶縁層−導電性無機物層からな
る層構成である。ここで、用いられる導電性無機物層と
は有機物ではない導電性物質層のことを言い、たとえ
ば、銅や鉄などの純金属層、ステンレスなどの合金層、
それら金属層の表面に処理を施された物質層、単結晶シ
リコン層、無機半導体層、金属酸化物層等が挙げられ、
導電性無機物層が絶縁層の両面に形成されている場合に
は、それぞれの導電性無機物層が同じでも良いし、異な
ってもよい。特に、電子部品として用いる場合には、
銅、銅合金、鉄、ニッケル、ステンレス等が好適に用い
られる。これら、導電性無機物層は、厚さが0.1μm
〜1mmの範囲であることが好ましく、特に導電性無機
物層が金属の場合は0.1μm〜200μmの範囲がよ
り好ましい。
【0048】本発明の電子部品の製造方法により得られ
る電子部品が、ハードディスクドライブ用サスペンショ
ン用途である場合には、出発原料としての積層体におけ
る導電性無機物層の一方が、ステンレスでさえあれば特
に制限されるものではないが、サスペンションに必要な
ばね特性や寸法安定性の観点から、SUS304が好ま
しく、より好ましくは300℃以上の温度でテンション
アニール処理がなされたものである。ステンレス箔の好
ましい厚さ範囲は10〜70μm、より好ましくは15
〜30μmである。
【0049】出発原料としての積層体のもう一方の導電
性無機物層は、厚さ3〜20μmの銅箔、銅合金箔など
が挙げられる。銅合金箔とは、銅とニッケル、シリコ
ン、亜鉛、すず、ベリリウム等の異種の元素からなる合
金箔で、銅含有率80%以上のものをいう。
【0050】これらステンレス箔及び銅合金箔について
は接着力等の改良を目的として、化学的あるいは機械的
な表面処理を施してもよい。
【0051】上記積層体における絶縁層は、絶縁性を有
する物質であれば、特に限定されないが、薄膜での絶縁
性と耐熱性の観点からポリイミド樹脂を少なくとも1層
以上含むことが好ましい。また、導電性無機物層との接
着性を向上させる目的から絶縁層を構成する複数層の絶
縁ユニット層が積層されていても差し支えない。たとえ
ば、接着性絶縁層を含んでも良い。その場合、耐熱性・
絶縁性の観点から全ての層がポリイミドであることが好
ましい。また、それら各層は、求められる特性に応じ全
て異なる組成のものでも良いし、同じ組成のものが複数
層用いられても良い。そのような例として、ステンレス
−接着性ポリイミドA−低膨張性ポリイミド−接着性ポ
リイミドB−銅からなる積層体が挙げられ、接着性ポリ
イミドAとBは、それぞれ被着体である導電性無機物層
が、ステンレスと銅と異なるため、それぞれ各被着体と
良好に接着する組成に調整する必要性から異なった組成
となっている。
【0052】また、基板の反り防止の観点から、絶縁層
のうち少なくとも1層は、導電性無機物層との熱膨張率
(線熱膨張係数)が、比較的似通ったものを用いるのが
好ましく(特開昭60−157286号公報参照)、そ
の熱膨張率の差の許容範囲は、±15ppmである。さ
らに、一般に導電性無機物は30ppm以下の熱膨張率
であることから、より好ましくは30ppm以下の熱膨
張率を有する絶縁層を用いると良い。また、より厳しく
反りの発生を抑えたい場合は、30ppm以下の絶縁層
の総厚が、全絶縁層の総厚の1/2以上であることが好
ましい。
【0053】積層体における絶縁層が、特に、複数層あ
るポリイミド層のエッチング特性は重要である。本発明
の積層体における絶縁層が、二層以上の絶縁ユニット層
からなるものは、ウェットエッチング時の各層のエッチ
ングレートの大きいものと小さいものの比が6:1〜
1:1、好ましくは4:1〜1:1の範囲内にあるもの
が望ましい。この範囲内のエッチングレートを持つ各絶
縁ユニット層を選択すれば、絶縁層が良好なエッチング
形状となる。したがって、従来、厳しいスペックが求め
られているワイヤレスサスペンション用の積層体でもウ
ェットエッチングが精度良く行えるので、ドライエッチ
ングに比べて短時間のエッチングが可能で生産性が良
い。
【0054】また、絶縁層の総厚みは、3μm〜500
μmの範囲が好ましい。さらに、生産性の観点から、ま
たドライフィルムレジストのエッチング液に対する耐性
の観点から10秒以上30分以内のウェットエッチング
加工時間であることが好ましく、15分以内で加工でき
ることがさらに好ましい。一方、30分間を超えること
は生産性が悪くなることにつながる。ウェットエッチン
グ加工を行う条件でのエッチングレートが、大きく30
分で500μm以上の絶縁層のエッチングができる場合
は、絶縁層の厚みは500μmでも良く、逆にエッチン
グレートが小さく30分かけても500μmをエッチン
グできない場合は、30分かけて絶縁層をエッチングで
きる厚さまでが許容範囲である。具体的に例示すると、
絶縁層のエッチングレートが20μm/minである場
合は600μmまでが絶縁層の厚さの許容範囲であり、
エッチングレートが2μm/minである場合には60
μm までが許容範囲である。
【0055】絶縁層のウェットエッチングとは、塩基性
水溶液での絶縁層としてのポリイミドのエッチングを例
に取ると、イミド結合が溶液中の水酸化物イオンと反応
して開環し、ポリアミック酸になる。この状態でも、ポ
リイミドの時よりは塩基性水溶液に溶解しやすくなる
が、さらに、アミック酸のアミド基が水酸化物イオンに
加水分解されポリマーの分子量が下がることで溶解性が
向上する。また分子鎖中に加水分解されやすい基を有し
ている場合はそこが加水分解される時もある。一般に同
一の構造、同一の製造条件で作製された絶縁層の場合、
近似的にその速さは、水酸化物イオンがポリイミドのイ
ミド結合に衝突する回数に比例し、これは熱力学的に温
度と共に指数関数的に増大する。
【0056】このメカニズムにより、エッチングレート
は直鎖上のポリマーである場合は、実用的な分子量の範
囲であれば、それほど分子量の影響が出てこないと思わ
れ、実際、発明者らの行なった実験でも上記の仮説を補
強するデータが出ている。
【0057】本発明に用いられる出発原料としての積層
体において、絶縁層を構成する接着性絶縁層とは、主に
ポリイミドやそれに類する樹脂であるが、特に限定され
ず、耐熱性や絶縁性を有する樹脂であればよい(イミド
結合の有無によらない)。本発明で接着性ポリイミドと
は被着体との90°剥離試験における密着力100g/
cm以上であるポリイミドの事で、主に熱可塑性ポリイ
ミドが用いられるが特に限定されない。
【0058】本発明に用いられる出発原料としての積層
体は、導電性無機物層に直接絶縁層の溶液を1 層以上塗
布・積層することにより絶縁層を形成し、それと、もう
一方の導電性無機物層を積層後、熱圧着することで作製
したもの(キャスト法)でも、予め用意された絶縁層と
してのコアフィルムに接着性絶縁層を形成し、その上下
に導電性無機物層を積層し熱圧着して作製したもの(フ
ィルム法)または、接着性絶縁層を絶縁フィルム上に形
成後、蒸着やスパッタ・めっき等で導電性無機物層を形
成したもの等、最終的な積層体の層構成さえ同じであれ
ば、その作製方法によらず、目的となる製品の要求性能
に合わせて、適宜選択できる。
【0059】目的とする電子部品が、圧延銅箔やステン
レスなど、めっきにより形成できない導電性無機物層が
必須の成分である場合は熱圧着により導電性無機物層を
形成する方法により作成された積層体を用いるのが好ま
しく、配線幅が1μm 以下の非常に微細な導電性無機物
層のパターニングが必要となる場合には、スパッタやめ
っきにより導電性無機物層が薄く形成された積層体を用
いるのが好ましい。
【0060】導電性無機物層を含めた積層体全体の厚さ
は、用いる用途により多様であるが、5μm 〜2000
μm までの範囲が好ましい。特に、積層体における導電
性無機物全てが金属である場合は、5μm から1000
μm の範囲が好ましく、5〜500μm の範囲が特に好
ましい。
【0061】ドライフィルムレジスト 本発明におけるドライフィルムレジストには、紫外線
(電磁波)を照射することで、現像液に対する溶解性が
変化する物質が用いられる。ドライフィルムレジストと
は、所望のパターンの露光マスクを通して紫外線(電磁
波)を照射することで露光部と未露光部でのパターニン
グが可能である感光性樹脂組成物が、固体でありフィル
ム状に成形されたものを言う。露光部が現像液に溶出す
るポジ型と未露光部が現像液に溶出するネガ型があり、
本発明には以下に述べる要求物性を満たしていれば、ど
ちらを用いても良い。
【0062】本発明におけるドライフィルムレジストに
は、水溶液、特に、塩基性水溶液により現像と剥離が行
えるものが好ましいが、エッチング液に耐性を持ち絶縁
層をウェットエッチングしている間、パターン形状を保
持することができるものであれば、特に限定されない。
たとえば、塩基性水溶液により現像・剥離が行えるの
は、旭化成工業株式会社製サンフォートシリーズ(商品
名)、ニチゴーモ−トン社製ALPHOシリーズ(商品
名)、LAMINARシリーズ(商品名)などが挙げら
れる。また、市販の乳酸溶液現像・乳酸溶液剥離タイプ
のドライフィルムレジスト SFP−00GI−25A
R(商品名:新日鐵化学株式会社製)なども使用可能で
ある。
【0063】本発明における絶縁層のウェットエッチン
グは、絶縁層表面に導電性無機物層の配線等の凹凸が形
成されている場合が多く、その場合、用いるドライフィ
ルムレジストの膜厚は、導電性無機物層の厚みの1.1
〜5倍であることが望ましい。1.1倍未満だと、ドラ
イフィルムレジストのラミネート後に基板の凸部がドラ
イフィルムレジストを突き破って露出する恐れがあり、
エッチング形状不良の原因となる。また、パターン形状
を安定化させる目的と、微細パターンを解像する目的か
ら、膜厚の上限は絶縁層上の導電性無機物層の厚みの5
倍までが好ましい。簡便に表記すると、ドライフィルム
レジストの膜厚は、ドライフィルムレジストによりパタ
ーンを形成する側の導電性無機物層の厚さの1.1倍〜
5倍の範囲であれば良好なパターン形状が得られる。
【0064】通常、市販のドライフィルムレジストのア
スペクト比は、2〜1程度であり、細線をパターニング
するには、薄ければ薄いほど有利であるが、上記のよう
な問題があるため、積層体に設けられた導電性無機物層
より厚いことが必要である。
【0065】ドライフィルムレジストのラミネート手法
は、通常ロールプレス、面プレス等公知のラミネート方
法を用いることができるが、本発明に用いる積層体は、
絶縁層の厚さが最大で500μmであり、好ましくは、
300μm以下であるため、導電性無機物層を所望の形
状にパターニングした状態では基板の剛性が低い。した
がって、積層体をロールプレスによりラミネートを行う
と、シート毎に加工した場合、基板が反ってしまう。基
板が反ると、その後、露光を行うときにアライメントに
大きなずれが生じる。このずれは、導電性無機物層のパ
ターンと絶縁層のパターンのずれの原因になるため、で
きうる限り小さいものにしなければならない。そのた
め、シート上の基板にドライフィルムレジストをラミネ
ートする場合には、面プレスを用いるのが精度良く設計
どおりの製品を作製するのに必須の要件である。
【0066】また、ドライフィルムレジストをエッチン
グされた導電性無機物層上にラミネートする際に、気泡
の混入があると、例えば、エッチングにより導電性無機
物層の凹凸の淵の箇所において、ドライフィルムレジス
トの間に気泡が内包されると、その部分が密着不良とな
り、エッチング形状に不良が出る。ウェットエッチング
は、ドライプロセスであるプラズマエッチングよりも数
十倍エッチング速度が大きいため、このような密着不良
があると通常エッチングされない部位までエッチングさ
れやすく、パターン不良がドライプロセス以上に広範囲
にわたる。このため、本発明では、このラミネート工程
を減圧状態乃至真空状態、好ましくは、80KPa(≒
600mmHg)以下、さらに好ましくは40KPa
(≒300mmHg)以下、最も好ましくは、6.7K
Pa(≒50mmHg) 以下の蒸気圧で行うことが気泡
除去に望ましい。
【0067】ところで、表面が平滑なドライフィルムレ
ジストを用いる場合には、減圧の面プレスを行っても、
基板表面の約20%以上が気泡となることがある。この
ような場合には、表面に微細な凹凸が施されているよう
なドライフィルムレジストを用い、基板側に凹凸を向け
るようにしてラミネートすると、微細な凹凸が気泡の逃
げる通路となり、この現象が発生せず、気泡の除去に非
常に有効である。
【0068】つまり、シート毎の処理でドライフィルム
レジストをラミネートする場合に、寸法精度の良い製品
を作製するには、減圧下における面プレスを実施するこ
と、及び表面に凹凸が施されているドライフィルムレジ
ストを用いることが好ましい態様となる。
【0069】ドライフィルムレジスト表面に施された凹
凸は、その表面粗さRzが0.5μm〜50μmの範囲
であることが好ましく、その凹凸を形成する手法は、感
光性樹脂組成物を塗布又は成形によりドライフィルムレ
ジストにした後に、エンボス加工を施すことによりなさ
れてもよく、或いは予め凹凸のついたフィルムに感光性
樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥させることによって、
凹凸が形成されたドライフィルムレジストを得てもよい
が、その手法に関しては特に限定されない。
【0070】ドライフィルムレジストをラミネートする
条件は、20〜100℃の範囲の温度、0.05〜0.
3MPa(0.5〜3kgf/cm2 )の範囲のプレス
圧力で実施するのが好ましい。また、その時の雰囲気は
減圧状態乃至真空状態、好ましくは、80KPa(≒6
00mmHg)以下、さらに好ましくは40KPa(≒
300mmHg)以下、最も好ましくは、6.7KPa
(≒50mmHg) 以下の蒸気圧であることが望まし
い。加工する積層体のシートサイズにより真空吸引時間
を調整するが、圧着時にドライフィルムレジストと積層
体のシート間に気泡が残らないように、時間を設定す
る。また、ラミネート条件は、使用するドライフィルム
レジストのTgにより異なり、導電性無機物層のパター
ン間を十分に被覆できる温度でラミネートを行う。この
とき、温度を高くしすぎると露光時の感度が不安定にな
るので注意する。
【0071】ドライフィルムレジストの現像と剥離は、
用いるドライフィルムレジストに対応した現像液または
剥離液を用い、その推奨条件で行うのが好ましいが、特
に限定されない。先に述べたように、廃棄物処理の観点
から、水溶液、好ましくは塩基性水溶液、特に好ましく
は無機塩基性水溶液による現像が望ましい。本発明にお
ける水溶液とは、水が主成分である液体であれば良く、
現像や剥離の条件に合わせ脂肪族アルコール、芳香族ア
ルコール、有機極性溶媒、等の有機溶媒を50重量%未
満で含んでもよい。現像方法は、ディップ法でも気中ス
プレー法でも、液中スプレー法でも良く、特に限定され
ない。
【0072】ドライフィルムレジストをポリイミドのウ
ェットエッチングに用いる場合には、エッチング液の成
分が非常に反応性の高い成分を高濃度で含有しているた
め、ドライフィルムレジストがパターンを保持するのが
他の場合に比べて困難である。そのような場合、ドライ
フィルムレジストをラミネートし、露光現像後、パター
ンが形成された状態で、加熱するか、ネガ型のドライフ
ィルムレジストの場合には、再び、電離放射線、好まし
くは、紫外線を照射すると、ドライフィルムレジストの
パターンが強固になり、エッチング液に接触しても形状
を保持する時間が長くなる。
【0073】加熱する条件としては、30℃〜200
℃、好ましくは70℃〜150℃の範囲であり、処理時
間は、10秒〜20分の間が適当である。手法として
は、ホットプレート上に静置する方法、オーブンに投入
する方法、熱風で処理する方法、赤外線ヒーターを用い
る方法等が挙げられるが特に限定されない。
【0074】また、レジストパターンの形成後に紫外線
(電磁波)を照射することで、パターン保持性を向上さ
せる場合には、パターン露光時と同様の波長で、5mJ
以上のエネルギーの照射を行うと良い。
【0075】エッチング液 本発明で使用するエッチング液には、従来技術の欄で述
べたような種々のエッチング液が使用できる。しかし、
本発明の電子部品の製造方法は、高い生産性でかつ、低
いプロセスコスト(装置コスト・維持管理コスト・廃棄
物処理コスト)、低毒性であることを目的とするもので
あるので、エッチング液は低毒性で、且つ高寿命である
ことが望ましい。毒性の高いヒドラジンは含まないもの
であることが好ましいが、エッチング液に対して、重量
で10wt%以下であれば添加剤と言う観点で含んでも
良い。ヒドラジンが10%を超えると、エッチングを行
ったときの形状が不安定になりやすく、工程の管理が難
しくなる。これは、特開平5−301981号公報に述
べられているようにヒドラジンは、エッチングの挙動が
不安定であるためであり、ヒドラジン含有量が少ない方
が工程管理上・作業環境上も好ましい。
【0076】本発明で用いるエッチング液は、用いるド
ライフィルムレジストが形状を保持可能な時間内に、ポ
リイミドがエッチングできるだけの充分なエッチング速
度を有していなければならない。具体的には、特開平1
0−97081号公報と特開平10−195214号公
報に開示されている無機アルカリを主成分とした塩基性
水溶液が、もっとも好ましい。本発明で使用できるエッ
チング液は、基本的には無機アルカリ・脂肪族アミン
(ジアミン)・脂肪族アルコール・脂肪族アミノアルコ
ールの単独、またはそれらの混合の水溶液に、尿素や有
機極性溶媒が添加してあるものが挙げられ、pHが9よ
り大きいことが望ましい。
【0077】エッチングにおける処理温度は、用いるエ
ッチング液の凝固点、または、沈殿が生じる温度より高
く、沸点よりも低い温度の範囲であればよいが、生産性
や工程管理上の関係から、10℃〜120℃、好ましく
は30℃〜95℃、より好ましくは50℃〜90℃であ
る。処理を行う温度で揮発する成分が含まれているエッ
チング液の場合は、長時間処理を継続すると、エッチン
グ液の組成が変化してしまうことがあるため、処理温度
はできるだけエッチング液の内容成分が揮発しない温度
で行うのが好ましいが、必ずしもその温度で行う必要は
ない。
【0078】エッチング浴内の温度分布は小さければ小
さいほど良いが、±1℃の範囲で維持されているのが好
ましく、±0.5℃の範囲で維持されているのがより好
ましい。
【0079】これまでの知見から温度が高くなればなる
ほど、ポリイミドのウェットエッチングのメカニズムか
ら、指数関数的にエッチングレートが大きくなることが
確認されている。エッチングレートが大きい条件で処理
を行えば行うほど、温度に対するエッチングレートの違
いが大きくなるため、エッチング浴内で温度分布がある
と基板面内でのパターン精度のばらつきが大きくなる。
絶縁層のエッチングレートが大きい場合に特に顕著であ
り、極力温度分布を小さくすることが均一な加工を行う
上で効果がある。
【0080】エッチングを行う方法は、ディップ法、気
中スプレー法、液中スプレー法、ディップ+超音波照射
法等が挙げられるが、気中スプレー法の場合、エッチン
グ液からの内容成分の揮発が多く、液の管理が困難にな
る。好ましくはディップ法、または液中スプレー法であ
り、エッチング形状のテーパー角をより小さくするため
には、液中スプレー法が好ましい。
【0081】エッチング液中において超音波を照射する
場合には、超音波照射により、ドライフィルムレジスト
が部分的に剥離し、エッチング形状が不良とならないよ
うに超音波条件を考慮する必要がある。
【0082】積層体のエッチング処理中は、積層体を垂
直に立てた状態で処理を行っても良いし、水平にした状
態で処理を行っても良い。垂直に立てて処理を行うとエ
ッチング終了後にエッチング浴から取り出したときに、
エッチング液の切れが良く、エッチング液のロスが少な
い。水平にして処理を行うと、水平連続搬送が可能とな
り量産性により適しているし、また、エッチング液の温
度分布が小さくなる利点がある。
【0083】必要に応じて、エッチング処理前に界面活
性剤で積層体表面を処理し、エッチング液との親和性を
高める処理を施すと良い。エッチング液が、無機塩基性
水溶液を主成分とするものの場合、絶縁層の表面との親
和性が良くないことがあり、そのような場合には積層体
全体が均一にエッチングされるために、界面活性剤によ
る処理は親和性向上の効果がある。該目的のための界面
活性剤の種類は、特に限定されないが、大量に処理を継
続していく場合、界面活性剤が徐々にエッチング液中に
含まれる状態となっていく。このような場合、イオン性
の界面活性剤を用いると、バッファとしての作用が働い
てしまいエッチング液を劣化させてしまう恐れがあるた
め、ノニオン系の界面活性剤が好ましい。
【0084】また、エッチング液による処理後に必要に
応じてリンス処理を行っても良い。リンス処理を行わな
いと、エッチング液の成分やエッチングされた絶縁層の
残さが、基板表面に残存することがあり、好ましくな
い。該リンス処理に用いられるリンス液には、塩基性水
溶液、有機極性溶媒と水の混合溶液、有機極性溶媒とア
ルコールの混合溶液、水、等が挙げられるが、特に限定
されない。リンス処理の温度は、用いるリンス液の凝固
点、または、沈殿が生じる温度より高く、沸点よりも低
い温度の範囲であればよい。このとき、エッチング後の
工程であるドライフィルムレジストの剥離の工程の剥離
液をそのままリンス液として用いて、リンス処理とドラ
イフィルムレジスト剥離の工程を同時に行ってもよい。
【0085】リンス液に用いられる前記有機極性溶媒に
は、n−メチル‐2‐ピロリドン(NMP)やジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、等が挙げられる
が特に限定されない。また、リンス液に用いられる前記
アルコールとは、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、等脂肪族のアルコールのほか、フェノール、クレゾ
ールのような芳香族のアルコールでも良く、ジオール等
1分子中に複数の水酸基を有する物質でも良い。
【0086】ドライフィルムレジストの剥離 ドライフィルムレジストの剥離は、用いるドライフィル
ムレジストの剥離の推奨条件を用いるが、使用する絶縁
層であるポリイミド等がアルカリ耐性に乏しい場合は、
エタノールアミン等の有機塩基性水溶液を使用すると良
い。ドライフィルムレジストの剥離の手法は、通常、塩
基性水溶液の薬液のスプレー剥離が用いられることが多
いが、ディップ法でも超音波照射によるものでもよい。
【0087】また、熱プレスにより作製された積層体に
多く見うけられるが、積層体を形成する導電性無機物層
表面に密着力向上のために粗化処理が行われており、そ
の粗化面が絶縁層に転写されている場合は、その粗化面
にドライフィルムレジストが埋め込まれているので、通
常よりも条件を激しくする必要がある。また、前記のエ
ッチング液耐性向上処理を行った場合も同様である。
【0088】
【実施例】ウェットエッチング可能な積層体 [エッチング性試験]絶縁層を形成するためのサンプル
を製造するために、接着性樹脂として三井化学株式会社
製ポリアミック酸ワニス:PAA−A(商品名)、新日
本理化株式会社製ポリイミドワニス:EN−20(商品
名)を用意した。コアとなる低膨張性ポリイミドとして
は、鐘淵化学株式会社製ポリイミドフィルム APIK
ALNPI(商品名、厚さ12.5μm )を用意した。
エッチング試験に用いるエッチング液は、東レエンジニ
アリング株式会社製アルカリ−アミン系ポリイミドエッ
チング液TPE−3000(商品名)を用意した。
【0089】前記接着性樹脂ワニスEN−20(商品
名)を15cm×15cmの大きさの膜厚100μm の
SUS304板上にスピンコートで膜厚20μm〜40
μmとなるようにコーティングし、180℃30分間オ
ーブンで乾燥した。PAA−A(商品名)は、アミック
酸ワニスであるので120℃15分間の乾燥工程におい
て溶媒を除去した後、所定の操作をして熱イミド化して
ポリイミドとした。各乾燥物を長さ約1.5cm、幅約
2cmに切り出し、中心部にカッターナイフで傷をつけ
た後に、膜厚を触針式膜厚計Dektak16000(商品
名、Sloan Technology社製)にて測定し、初期の膜厚と
した。その後、70℃に調節され、マグネチックスター
ラーにて渦ができる程度に攪拌されたポリイミドエッチ
ング液TPE−3000(商品名、東レエンジニアリン
グ株式会社製)に浸積し、時間ごとに初期膜厚を測定し
た場所とほぼ同じ場所の膜厚を触針式膜厚計Dektak16
000(商品名、Sloan Technology社製)にて測定し、
初期の膜厚から浸積後の膜厚を引いたものを、膜減り量
とした。その1分間当たりの膜減り量をエッチングレー
ト(単位:μm/min)とした。その値を下記の表1
に示す。
【0090】
【表1】
【0091】[エッチング性評価]厚み12.5μmの
ポリイミドフィルムであるAPIKAL NPIフィル
ム(商品名、鐘淵化学株式会社製)に、乾燥後の膜厚が
1.5μm±0.3μmになるようにEN−20(商品
名、新日本理化株式会社製ポリイミドワニス)を両面に
塗布し、前述の乾燥条件で乾燥した。得られたフィルム
を接着層付きフィルムAとした。
【0092】同様に、厚み12.5μmのAPIKAL
NPIフィルム(商品名、鐘淵化学株式会社製)の両
面にPAA−A(商品名、三井化学株式会社製)を塗
布、成膜したものを接着層付きフィルムBとした。下記
の表2に接着層付きフィルムA及びBのエッチングレー
トの比を示す。
【0093】
【表2】
【0094】前記各接着層付きフィルムA及びBを、厚
み20μmのSUS304HTA箔(商品名、新日本製
鉄製)と、厚み18μm(Rz=1.5μm)のオーリ
ン社製銅合金箔C7025(商品名)の間に挟み、20
Kg/cm2 圧力、270℃で10分間、真空圧着し、
SUS:絶縁層:銅からなる3層材を2種類作製した。
得られた積層体を積層体A、積層体Bとした。
【0095】[絶縁層のエッチング評価]前記工程で得
られた各積層体A及びBを、SUS側をマスクして、塩
化第二鉄溶液に浸積し、銅箔をエッチングした。その
後、乾燥し、適当な大きさに裁断した後、70℃でマグ
ネチックスターラーで渦ができるほど攪拌した東レエン
ジニアリング社製エッチング液TPE−3000(商品
名)に浸積した。きれいにポリイミド膜が除去され、S
US面が露出した時点で取り出した。このような方法で
絶縁層をウェットエッチングした。
【0096】また、同様にして、圧力25〜30Pa、
プロセスガスNF3 /O2 =10/90%、周波数40
kHzにてプラズマ処理を行い、絶縁層をプラズマエッ
チングした。
【0097】SUS上にポリイミド層が目視で残存して
ないことが確認できるまでエッチングし、このエッチン
グに要した時間で、絶縁層の膜厚を割った値(エッチン
グレート)を下記表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】表3によれば、ウェットエッチングはプラ
ズマエッチングに比べエッチングレートが大きく。非常
に短時間で、絶縁層のエッチングが可能であることが確
認された。
【0100】製版性評価 [導電性無機物層のパターニング]300mm×300
mmの大きさの前記エッチング性評価の試験で調製した
積層体Aのステンレス層上、及び銅合金箔層上の両方の
面に厚み50μmの塩基性水溶液現像型ドライフィルム
レジストを加熱したロールラミネーターにて0.5m/
minの速さで、ロールの表面の温度105℃で、2〜
4Kg/cmの線圧でラミネート後、15分間室温で放
置した。このとき、積層体の両面にステンレス層と銅合
金箔層があるため、ドライフィルムレジストのラミネー
ト後も積層体は平坦であり、反りは確認されなかった。
その後、所定のマスクを用いて真空密着露光機で100
mJ/cm2 露光した。室温で15分間放置後、Na2
CO31重量%水溶液で、30℃、スプレー圧2Kg/
cm2 で60秒間ドライフィルムレジストを現像し、レ
ジストパターンを形成した。
【0101】その後、塩化第二鉄水溶液にてステンレス
層、銅箔層を同時に、エッチングした。その後、50℃
の3重量%NaOH水溶液で、スプレー圧1Kg/cm
2 でドライフィルムレジストを剥離し、積層体Aの導電
性無機物層をパターニングした。このようにして、ステ
ンレス層及び銅合金層がパターニングされ部分的に絶縁
層が露出した積層体Aが得られた。
【0102】[ドライフィルムレジストの選定]上記工
程で得られた絶縁層が露出した積層体Aを用いて以下の
作業を行った。積層体Aを、SUS側をマスクして、塩
化第二鉄溶液に浸積し、銅箔をエッチングした。その様
にして露出させた接着層面に上記の塩基性水溶液現像型
ドライフィルムレジストを、加熱したロールラミネータ
ーで0.5m/minの速さでロールの表面の温度10
5℃で、2〜4Kg/cmの線圧で、ラミネートした
後、15分間室温で放置した。その後、ORC製作所製
平行光密着露光機にて、ライン&スペースが、500μ
m/500μmと80μm/80μmのストライプマス
クをサンプルに密着させ、ドライフィルムの推奨の露光
量を30〜200mJの範囲で片面露光後、サンプルを
裏返し、同様のマスクを密着させて露光した。室温で1
5分間放置後、Na2 CO3 1重量%水溶液で、30
℃、スプレー圧2Kg/cm2 で60秒間ドライフィル
ムレジストを現像した。その後、乾燥し、70℃でマグ
ネチックスターラーで渦ができるほど攪拌した東レエン
ジニアリング社製エッチング液TPE−3000(商品
名)に浸積した。種々、浸漬時間を変化させたサンプル
を、50℃の3重量%NaOH水溶液で、スプレー圧1
Kg/cm2 でドライフィルムレジストを剥離した。そ
の様にして、所望の形状に絶縁層をウェットエッチング
した。ドライフィルムレジストには、旭化成工業社製サ
ンフォートAQ−1558(商品名)、AQ−2058
(商品名)、AQ−2538(商品名)、AQ−303
8(商品名)、AQ−4038(商品名)、AQ−50
38(商品名)、並びにニチゴーモートン社製NPE5
38(商品名)、NPE342(商品名)、新日鉄化学
株式会社製SFP−00GI−25−AR(商品名)を
使用した。ただし、SFP−00GI−25−AR(商
品名)の現像に関しては指定の乳酸水溶液を用いた。
【0103】各サンプルにつき、ストライプパターンの
上部の寸法を計測し、その変化が急激な点を便宜的にド
ライフィルムレジストパターンが剥離、または溶解した
時間とみなし、その時間までをドライフィルムレジスト
がパターン形状を保持している時間とした。
【0104】各サンプルについてパターン保持時間を下
記の表4に示す。
【0105】
【表4】
【0106】表4によれば、旭化成工業社製サンフォー
トAQ5038(商品名)とニチゴーモートン社製NP
E342(商品名)がエッチング液耐性に比較的優れて
いることがわかった。また、旭化成工業社製サンフォー
トAQ2538〜AQ5038(商品名)は、同一組成
のドライフィルムレジストで厚さが違うだけであり、サ
ンプル番号の大きくなるにつれてドライフィルムレジス
トの厚みが増えたものである。表4によれば、厚みが増
えるにつれて、パターン保持時間が増えており、このこ
とからエッチング液耐性も向上していると判断される。
【0107】パターン補強処理 ドライフィルムレジストをパターニングした後に、ドラ
イフィルムレジストのエッチング液に対する耐性をさら
に与えるため、以下のような後処理を行った。用いたサ
ンプルは、上記の工程で銅合金箔を前面除去した積層体
Aを用い、旭化成工業社製サンフォートAQ5038
(商品名)をL/S=500μm/500μmと80μ
m/80μmのストライプにパターニングして用いた。
評価手法も前記ドライフィルムレジスト選定のときと同
じ手法で評価した [熱処理]120℃に熱したホットプレート上に、アル
ミホイルを敷き、その上にサンプルAを静置し、パター
ン保持時間を求めた。このとき以下の表の様に時間を変
化させた。処理時間に対するパターン保持率の結果を下
記表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】[後露光処理]ネガ型のドライフィルムレ
ジストを用いているため、現像後に、さらにレジストパ
ターンを強化する必要があるので、以下のような条件で
後露光を行い、パターン保持時間を求めた。露光量に対
するパターン保持率を下記表6に示す。
【0110】
【表6】
【0111】表5及び表6によれば、パターン補強処理
において加熱によるものの方が効果が大きかったが、後
露光によるものでも熱処理ほどではないが効果があっ
た。これらは、求める電子部品やプロセスにより適宜選
択すると良い。またこれらの組み合わせでも、効果が確
認されたが熱処理の効果の寄与が大きく、露光による効
果はそれほど目立たなかった。
【0112】絶縁層のパターニング用ドライフィルムレ
ジストの製版 [ドライフィルムレジスト]塩基性水溶液現像・塩基性
水溶液剥離タイプのネガ型ドライフィルムレジストとし
て、以下の物を用意した。旭化成工業株式会社製サンフ
ォートAQ‐1558(商品名、厚み15μm)、同A
Q‐2058(商品名、厚み20μm)、同AQ‐25
38(商品名、厚み25μm)、同AQ‐3038(商
品名、厚み30μm)、同AQ‐4038(商品名、厚
み40μm)、同AQ‐5038(商品名、厚み50μ
m)、及びニチゴーモートン株式会社製ALPHO N
PE538(商品名、厚み38μm、エンボス処理あ
り)、同NPE342(厚み42μm、商品名、エンボ
ス処理あり)。
【0113】上記のサンプルを以下の手法で、面プレス
(減圧下、及び常圧下)とロールプレス(減圧下、及び
常圧下)を行って、ドライフィルムレジストラミネート
後の積層体Aの外観を検討した。
【0114】[面プレス]積層体Aを、ドライフィルム
レジスト(DFR)により挟み、名機製作所製真空ラミ
ネーターMVLP−500を用い、設定温度75℃の熱
板上にドライフィルム−積層体−ドライフィルムからな
る順番で積層し、セットした後、チャンバー内気圧を3
0mmHg(≒4KPa:大気圧の約1/25)まで減
圧後、プレス圧10Paで80秒プレスした。また同様
にして、プレスする際の内部気圧を常圧にしたものも行
った。
【0115】このようにしてラミネートを行った積層体
は、常圧下では全てのサンプルにおいて、銅合金箔やス
テンレス箔がパターニングされている端部に所々に気泡
が混入していた。また、減圧下でプレスを行ったとき
は、エンボスにより表面に微細な凹凸が施されているド
ライフィルムレジストは、気泡が混入していなかった
が、エンボス加工がなされていないものは銅合金箔やス
テンレス箔がパターニングされている端部に所々に気泡
が混入していた。しかし、全てのサンプルが平坦であ
り、反りは見うけられなかった。
【0116】[ロールプレス]積層体Aを、ドライフィ
ルムレジストで挟み加熱したロールラミネーターで0.
5m/minの速さでロールの表面の温度105℃で、
2〜4Kg/cmの線圧でラミネートした後、15分間
室温で放置した。このようにして、ラミネートを行った
積層体は、すべて平坦な金属板上に静置すると、両端が
約1cm〜2cmほど浮き上がり、銅合金箔がパターニ
ングされている側に反りかえっていた。また、減圧下で
ラミネートを行ったものは気泡の混入はなかった。しか
し、常圧で行ったものは、銅合金箔やステンレス箔がパ
ターニングされている端部に所々に気泡が混入してい
た。
【0117】それぞれのサンプルで、ドライフィルムレ
ジストの表面からパターニングされたステンレス箔(厚
さ20μm )や銅合金箔(厚さ18μm )が、露出して
いないかを確認したところ、それぞれ金属層の厚さとド
ライフィルムレジストの厚さが同じか、小さいときに部
分的に金属がドライフィルムレジストを突き破り、露出
していた。評価結果を下記の表7に示す。
【0118】
【表7】
【0119】[露光・現像]上記工程で得られたドライ
フィルムレジストを積層された積層体Aに対して、マス
クパターンを被せ露光をi線で露光量30〜150mJ
/cm2 で行い、30℃、1重量%Na2 CO3 でスプ
レー現像した。これにより、絶縁層加工レジストパター
ンは絶縁層上にパターニングされたステンレス層、及び
銅合金箔層にオーバーラップするように形成した。
【0120】もし、オーバーラップを行わないように絶
縁層を残す領域にのみ絶縁層加工パターンを形成する
と、ウェットエッチングによりレジストパターンもエッ
チングされ、当該パターンとステンレス層または銅合金
層との間に隙間が形成されて、エッチングが入ってしま
い、絶縁層の加工したくないところをエッチング加工し
てしまう可能性がある。これを防ぐために、絶縁層加工
レジストパターンは、絶縁層上にパターニングされたス
テンレス層または銅合金層とオーバーラップするように
形成した。特に、ステンレス層または銅合金層の線幅が
狭い場合は、線幅の狭い導電層上に絶縁層加工レジスト
パターンを形成することは、このような点でも効果があ
る。
【0121】このとき、反りのあったサンプルは露光時
にマスクに密着せず、吸引により強制的に密着させたと
ころ、その反りの程度によってアライメント精度が他の
サンプルの3〜5倍程度悪化した。
【0122】[ウェットエッチング]上記工程で得られ
たサンプルを、以下の条件でウェットエッチングを行っ
た。なお、ドライフィルムレジストのエッチング液耐性
向上処理は行なわなかった。ウェットエッチング条件と
しては、前処理として、ノニオン系界面活性剤である日
信化学工業製サーフィノール104E(商品名)の0.
5%水溶液に、30秒浸漬させた後に、液中スプレー方
式水平搬送型エッチング装置に投入した。エッチング液
は東レエンジニアリング社製エッチング液TPE−30
00を用い、処理温度は80℃とした。ポリイミド層の
エッチング液に対するエッチングレートや、エッチング
する温度にもよるが、この場合各サンプルの、エッチン
グに要する時間は70〜90秒程度であった。
【0123】その際に、レジストパターンに気泡が混入
していたサンプルとステンレス層および、銅合金箔層が
露出していたサンプルは、エッチングが目的の形状にな
っていない部位が多く見うけられた。このような不良の
原因は、ウェットエッチングはエッチングレートが非常
に大きいため、エッチング液にすこし触れただけでもエ
ッチングが行われるため、銅合金箔層のエッチングパタ
ーンを完全にドライフィルムレジストが被覆していない
場合は、不良となりやすいからである。
【0124】良好にエッチングが終了したサンプルの電
子顕微鏡写真を図2に、エッチング不良が発生したサン
プルの電子顕微鏡写真を図3に示す。図3によれば、銅
合金箔のエッチングパターンの基部における周辺のポリ
イミドの絶縁層が浸食されていることが分かる。このよ
うな不良は、図1(g)において、ドライフィルムレジ
スト5の厚みが導電性無機物層3又は2の厚さの1.1
倍未満の場合に導電性無機物層3又は2の基部における
絶縁層1の周辺に発生する。
【0125】[ウェットエッチング後処理]上記の積層
体Aに、旭化成工業社製サンフォートAQ5038(商
品名)をラミネートし、絶縁層のウェットエッチングを
行ったサンプルについて、エッチング浴から取り出した
後、以下のような組成のリンス浴の満たされたバットに
サンプルを30秒間浸漬し、そのバットを揺動するとい
う手法でリンス処理を行った。リンス処理を行わない
と、エッチングされたポリイミドの残渣やエッチング液
等が表面に残り外観を損ねる。このとき、ドライフィル
ムレジストの剥離の工程における剥離液をそのままリン
スとして用いて、リンスとドライフィルム剥離の工程を
同時に行ってもよい。下記の表8のリンス無しとは、エ
ッチング液から取り出した後、放置した場合である。
【0126】
【表8】
【0127】[剥離]絶縁層のパターニングに用いたド
ライフィルムレジストに対して、50℃、水酸化ナトリ
ウム3Wt% の高温塩基性水溶液をスプレーすること
により、ドライフィルムレジストを積層体から剥離し
た。絶縁層がポリイミド等のアルカリ耐性に乏しい場合
は、エタノールアミン等の有機塩基性水溶液を使用する
と良い。
【0128】[酸洗・防錆処理・金めっき・はんだ印
刷]上記の方法により形成されたHDD用のワイヤレス
サスペンションブランクのパターニングされた銅合金箔
層に、加工の仕上げとして金めっきを施した。該金めっ
きは、日本高純度化学製シアン金めっき浴:テンペレジ
ストEX(商品名)を用いて、65℃にて電流密度Dk
=0.4A/dm2 で約4分間通電して1μm厚の成膜
を行った。
【0129】上記のようにして作製した、サンプルにつ
いて各性能を評価したところ、ドライフィルムレジスト
をラミネートした状態で、反りが見うけられたサンプル
はアライメント精度が悪く、気泡の混入があったもの、
パターニングされたステンレス箔や銅合金箔がドライフ
ィルムレジストから露出していたものはエッチング形状
不良が見うけられた。その結果を下記の表9に示す。
【0130】
【表9】
【0131】
【発明の効果】本発明によれば、ウェットエッチングに
より導電性無機物層のパターニング、引き続き、ウェッ
トエッチングにより絶縁層のパターニングを行っている
ので、ドライエッチングに比べて短時間のエッチングが
可能で生産性がよい。特に、ハードディスクドライブ用
サスペンションのように、エッチングにより除去される
絶縁層の面積が広く、しかも微細なパターンが必要とさ
れている製品は、ウェットエッチングの適用における効
果が絶大であるため、これまで以上に作業性が良く、不
良の少ない製造方法となる。
【0132】しかも、ハードディスクドライブ用サスペ
ンション等の電子部品には高精度のパターニングが要求
されるが、ハードディスクドライブ用サスペンション等
を作製するための剛性の無い基板に対して液体レジスト
を塗布してレジスト膜を精度よい均一な厚みとすること
は困難であり、塗布・乾燥工程における非常に厳密な管
理を必要とし、微細なエッチングには不適であったが、
本発明では絶縁層のパターニングを、ドライフィルムレ
ジストを用いて行っているので、もともと一定の膜厚の
ドライフィルムを用いた方が、レジストを形成するのに
工程管理が容易であるという利点や、微細なエッチング
に適するという利点がある。
【0133】ウェットエッチングの際に表面に微細な凹
凸が形成されたドライフィルムレジストを使用して本発
明の電子部品を製造する場合には、該微細な凹凸によ
り、気泡の逃げ場が生まれ、ドライフィルムレジストを
ラミネートしても気泡を抱き込むことを防げ、したがっ
て、積層体のエッチング耐性が向上する。
【0134】本発明の電子部品の製造方法においては、
ドライフィルムレジストをラミネートしたものを塩基性
水溶液による現像、及び塩基性水溶液での剥離を行うこ
とができるので、製造設備が安価であり、また、廃棄に
問題のある有機溶剤を使用しない利点がある。
【0135】本発明の電子部品の製造方法において、導
電性無機物層のパターニングが行われた積層体に対して
真空プレスにより減圧下でドライフィルムをラミネート
する場合には、シート単位毎のラミネートでもラミネー
ト後の反りの防止、且つ気泡抱き込みを防止することが
できる。
【0136】本発明の電子部品の製造方法において、ド
ライフィルムレジストのラミネート体に露光、現像して
パターニングした後、紫外線照射処理、加熱処理、及び
紫外線照射処理と加熱処理の組合せた処理から選ばれた
処理をした場合には、絶縁層のエッチャントに対するド
ライフィルムレジストの耐性を向上させることができ
る。
【0137】絶縁層のウェットエッチングに要する時間
が10秒以上30分以内、好ましくは10秒以上15分
以内、さらに好ましくは10秒以上5分以内である場合
には、強塩基性水溶液のエッチング液でエッチングして
も、エッチング時にドライフィルムレジストが剥離する
ことがなく、精度の良いウェットエッチングが行える。
【0138】厚みが積層体表面の凹凸の1.1〜5倍の
厚さのあるドライフィルムレジストを用いた場合は、ド
ライフィルムレジストのラミネート後に積層体の凸部が
ドライフィルムレジストを突き破って露出することがな
く、良好なエッチングパターン形状が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドの絶縁層の片面に銅の導電性無機物
層、他の片面にSUSの導電性無機物層を形成した積層
体を出発原料とした、ウェットエッチングによる電子部
品の製造方法を示すプロセス図である。
【図2】良好にエッチングが終了したサンプルの電子顕
微鏡写真である。
【図3】銅合金箔が露出し、エッチング不良が発生した
サンプルの電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 絶縁層 2、3 導電性無機物層 4、5 ドライフィルムレジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富樫 智子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 河野 茂樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 甘崎 裕子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 内山 倫明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 八木 裕 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA04 AB11 AB17 AC01 AD01 AD03 EA08 FA17 FA48 5D059 AA01 BA01 DA26 DA31 EA01 EA03 5E339 AA02 AB02 AB07 AC05 AC06 AD01 AD03 AE01 BC01 BC02 BD06 BD11 BE13 DD04 FF03

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性無機物層―絶縁層−導電性無機物
    層からなる積層体、又は導電性無機物層−絶縁層からな
    る積層体をウェットエッチングにより導電性無機物層の
    パターニング、次いでウェットエッチングにより絶縁層
    のパターニングを行う電子部品の製造方法であって、 該積層体における絶縁層はウェットエッチング可能で、
    単層構造又は2層以上の絶縁ユニット層の積層構造であ
    り、 該ウェットエッチングにより絶縁層のパターニングを、
    ドライフィルムレジストを用いて行うことを特徴とする
    電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ドライフィルムレジストの表面に、
    微細な凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記微細な凹凸が、エンボス加工によっ
    て設けられていることを特徴とする請求項2記載の電子
    部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項記載の電子
    部品の製造方法において、前記ドライフィルムレジスト
    が水溶液により現像され、水溶液で剥離することが可能
    であることを特徴とする電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水溶液が塩基性水溶液である請求項
    4記載の電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項記載の電子
    部品の製造方法において、前記ウェットエッチングによ
    り絶縁層のパターニングを行う方法は、導電性無機物層
    のパターニングが行われた積層体に対してドライフィル
    ムレジストを減圧下でラミネートし、得られたドライフ
    ィルムレジストのラミネート体に対してウェットエッチ
    ングすることを特徴とする電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5の電子部品の製造方法におい
    て、前記ドライフィルムレジストのラミネート体にウェ
    ットエッチングする方法は、ドライフィルムレジストの
    ラミネート体に露光、現像してパターニングした後、絶
    縁層のエッチャントに対するドライフィルムレジストの
    耐性を向上させる処理として、紫外線照射処理、加熱処
    理、及び紫外線照射処理と加熱処理の組合せから選ばれ
    た処理を行うことを特徴とする電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の電子部品の製造方法にお
    いて、原料とする積層体の絶縁層の厚さが、3μm〜5
    00μmであることを特徴とする電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れか1項記載の電子
    部品の製造方法において、前記ドライフィルムレジスト
    の厚さが、原料とする積層体の1層の導電性無機物層の
    厚さの1.1〜5倍であることを特徴とする電子部品の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れか1項記載の電
    子部品の製造方法において、前記絶縁層のウェットエッ
    チングに要する時間が10秒以上30分以内であること
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか1項記載の
    電子部品の製造方法において、前記絶縁層のウェットエ
    ッチング時の温度が10℃以上120℃以下であること
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記絶縁層における単層構造又は2層
    以上の絶縁ユニット層の全てが有機物である請求項1乃
    至11の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記絶縁層における単層構造又は2層
    以上の絶縁ユニット層のうち少なくとも1層がポリイミ
    ド樹脂である請求項1乃至11の何れか1項記載の電子
    部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記絶縁層における単層構造又は2層
    以上の絶縁ユニット層のうち少なくとも1層が無機物で
    ある請求項1乃至11の何れか1項記載の電子部品の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記絶縁層における単層構造又は2層
    以上の絶縁ユニット層のうち少なくとも1層が有機物と
    無機物の複合体である請求項1乃至11の何れか1項記
    載の電子部品の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記絶縁層における単層構造又は2層
    以上の絶縁ユニット層の全てがポリイミド樹脂である請
    求項1乃至11の何れか1項記載の電子部品の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記絶縁層における単層構造又は2層
    以上の絶縁ユニット層のうち少なくとも1層が線熱膨張
    率30ppm以下の低膨張性ポリイミドである請求項1
    乃至11の何れか1項記載の電子部品の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記絶縁層が接着性ポリイミド−低膨
    張性ポリイミド−接着性ポリイミドからなる層構成であ
    る請求項17記載の電子部品の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記接着性ポリイミド−低膨張性ポリ
    イミド−接着性ポリイミドからなる層構成の絶縁層にお
    いて、2つの接着性ポリイミドは互いに異なる組成のポ
    リイミドである請求項18記載の電子部品の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記絶縁層のエッチングに用いられる
    エッチング液のpHが、9より大きいことを特徴とする
    請求項1乃至19の何れか1項記載の電子部品の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記積層体における1層又は2層の導
    電性無機物層は、全ての層が銅、又は銅に表面処理を施
    した物質である請求項1乃至20の何れか1項記載の電
    子部品の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記積層体における1層又は2層の導
    電性無機物層は、全ての層が銅合金、又は銅合金に表面
    処理を施した物質である請求項1乃至20の何れか1項
    記載の電子部品の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記積層体における1層又は2層の導
    電性無機物層は、全ての層がステンレス、又はステンレ
    スに表面処理を施した物質である請求項1乃至20の何
    れか1項記載の電子部品の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記積層体における2層の導電性無機
    物層は、1層がステンレス、又はステンレスに表面処理
    を施した物質であり、その他の層が銅合金、又は銅合金
    に表面処理を施した物質である請求項1乃至20の何れ
    か1項記載の電子部品の製造方法
  25. 【請求項25】 前記積層体における2層の導電性無機
    物層は、1層がステンレス、又はステンレスに表面処理
    を施した物質であり、その他の層が銅または、銅に表面
    処理を施した物質である請求項1乃至20の何れか1項
    記載の電子部品の製造方法
  26. 【請求項26】 請求項1乃至25の何れか1項記載の
    電子部品の製造方法により作製された電子部品。
  27. 【請求項27】 請求項1乃至25の何れか1項記載の
    電子部品の製造方法により作製されたハードディスクド
    ライブ用サスペンション。
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