JP2000048510A - ハードディスクヘッド用サスペンションの製造方法 - Google Patents
ハードディスクヘッド用サスペンションの製造方法Info
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- JP2000048510A JP2000048510A JP10228600A JP22860098A JP2000048510A JP 2000048510 A JP2000048510 A JP 2000048510A JP 10228600 A JP10228600 A JP 10228600A JP 22860098 A JP22860098 A JP 22860098A JP 2000048510 A JP2000048510 A JP 2000048510A
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- film
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 従来困難であった高価な感光性ポリイミドワ
ニスを用いずに位置精度に優れためっき法で「ワイヤー
レス・サスペンション」の製造ができて、高速アクセス
性に優れたハードディスクヘッド用サスペンションの製
造方法を提供する。 【解決手段】 ステンレス箔表面にポリイミド樹脂膜を
形成してパターニングした後、この樹脂膜上に銅皮膜を
形成し、パターニングして回路を形成するサスペンショ
ンの製造方法で、箔表面にレジスト層をパターニングし
てその露出部にポリイミド樹脂膜を電着し、前記レジス
ト層を除去した後前記樹脂膜表面に銅皮膜を形成して該
銅皮膜をパターニングして回路を形成するもので、樹脂
膜表面に、Cr,Ni,Co,Ti,Wのうちの1種又
は2種以上からなる合金、または前記金属と銅の合金か
らなる金属層を形成後、前記銅皮膜を形成したハードデ
ィスクヘッド用サスペンションの製造方法。
ニスを用いずに位置精度に優れためっき法で「ワイヤー
レス・サスペンション」の製造ができて、高速アクセス
性に優れたハードディスクヘッド用サスペンションの製
造方法を提供する。 【解決手段】 ステンレス箔表面にポリイミド樹脂膜を
形成してパターニングした後、この樹脂膜上に銅皮膜を
形成し、パターニングして回路を形成するサスペンショ
ンの製造方法で、箔表面にレジスト層をパターニングし
てその露出部にポリイミド樹脂膜を電着し、前記レジス
ト層を除去した後前記樹脂膜表面に銅皮膜を形成して該
銅皮膜をパターニングして回路を形成するもので、樹脂
膜表面に、Cr,Ni,Co,Ti,Wのうちの1種又
は2種以上からなる合金、または前記金属と銅の合金か
らなる金属層を形成後、前記銅皮膜を形成したハードデ
ィスクヘッド用サスペンションの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクヘ
ッド用サスペンションの製造方法の改良に関するもので
ある。
ッド用サスペンションの製造方法の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピューターの記憶装置である
ハードディスクの磁気ヘッドとこれを懸架するサスペン
ションとは信号処理用アンプICとサスペンション先端
部に位置する磁気ヘッドの間を撚り対線で結線し、これ
を前記サスペンションに這わせる構造であった。一方ハ
ードディスクは記憶容量の急速な伸びとともに高速のア
クセス速度が要求され、これを実現するために前記サス
ペンションの小型化および磁気ヘッドの浮上量の縮小化
が必要となってきた。しかしながら上記した従来型のサ
スペンションや磁気ヘッド構造では、重量や大きさの減
少には限界があり、したがって上記の要求を満たすこと
は構造的に難しかった。これに対し近年サスペンション
上に配線を形成することによりワイヤーを省略して上記
の要求に応じようとする、いわゆる「ワイヤーレス・サ
スペンション」が開発され、既に一部で実用化されてい
る。
ハードディスクの磁気ヘッドとこれを懸架するサスペン
ションとは信号処理用アンプICとサスペンション先端
部に位置する磁気ヘッドの間を撚り対線で結線し、これ
を前記サスペンションに這わせる構造であった。一方ハ
ードディスクは記憶容量の急速な伸びとともに高速のア
クセス速度が要求され、これを実現するために前記サス
ペンションの小型化および磁気ヘッドの浮上量の縮小化
が必要となってきた。しかしながら上記した従来型のサ
スペンションや磁気ヘッド構造では、重量や大きさの減
少には限界があり、したがって上記の要求を満たすこと
は構造的に難しかった。これに対し近年サスペンション
上に配線を形成することによりワイヤーを省略して上記
の要求に応じようとする、いわゆる「ワイヤーレス・サ
スペンション」が開発され、既に一部で実用化されてい
る。
【0003】現在この種の「ワイヤーレス・サスペンシ
ョン」の製造方法としては、フレキシブルプリント配線
板(FPC)をサスペンションに接着するFPC法、銅
箔、ポリイミド樹脂膜およびステンレス箔がラミネート
された基板を用いてエッチング法によって所望の形状に
パターニングするエッチング法、あるいはステンレス箔
表面にポリイミド樹脂膜を形成して所望の形状にパター
ニングした後、導電層およびめっきレジスト層を形成
し、銅めっきによって所望の回路を形成した後、前記レ
ジスト層および回路間に残留する導電層を除去するめっ
き法などが知られている。
ョン」の製造方法としては、フレキシブルプリント配線
板(FPC)をサスペンションに接着するFPC法、銅
箔、ポリイミド樹脂膜およびステンレス箔がラミネート
された基板を用いてエッチング法によって所望の形状に
パターニングするエッチング法、あるいはステンレス箔
表面にポリイミド樹脂膜を形成して所望の形状にパター
ニングした後、導電層およびめっきレジスト層を形成
し、銅めっきによって所望の回路を形成した後、前記レ
ジスト層および回路間に残留する導電層を除去するめっ
き法などが知られている。
【0004】このめっき法による「ワイヤーレス・サス
ペンション」の製造方法についてさらに詳細に述べる
と、ステンレス箔表面に感光性ポリイミドワニスを塗
布、硬化した後、所望の形状にパターニングされた露光
用マスクを載置し、紫外線照射、現像処理を行うことに
よってポリイミド樹脂膜をパターニングする。その後ポ
リイミド樹脂膜およびステンレス箔表面に導電層をスパ
ッタリング法や蒸着法などで形成してその表面にめっき
レジスト層を形成し、ついで前記導電層の露出部分に銅
めっきによって回路層を形成し、前記レジスト層および
回路間に露出した導電層を除去することによって回路を
形成する。その後該回路表面の所望の箇所をポリイミド
樹脂膜などの絶縁膜で被覆し、露出部分に金あるいはハ
ンダなどのめっき処理を施すものである。この方法は他
の「ワイヤーレス・サスペンション」の製造方法に比べ
て、回路やポリイミド樹脂膜の寸法精度および位置精度
が優れ、配線のインピーダンス制御などが容易であり、
前述のサスペンションに対する要求に対し最も適した対
応策である。
ペンション」の製造方法についてさらに詳細に述べる
と、ステンレス箔表面に感光性ポリイミドワニスを塗
布、硬化した後、所望の形状にパターニングされた露光
用マスクを載置し、紫外線照射、現像処理を行うことに
よってポリイミド樹脂膜をパターニングする。その後ポ
リイミド樹脂膜およびステンレス箔表面に導電層をスパ
ッタリング法や蒸着法などで形成してその表面にめっき
レジスト層を形成し、ついで前記導電層の露出部分に銅
めっきによって回路層を形成し、前記レジスト層および
回路間に露出した導電層を除去することによって回路を
形成する。その後該回路表面の所望の箇所をポリイミド
樹脂膜などの絶縁膜で被覆し、露出部分に金あるいはハ
ンダなどのめっき処理を施すものである。この方法は他
の「ワイヤーレス・サスペンション」の製造方法に比べ
て、回路やポリイミド樹脂膜の寸法精度および位置精度
が優れ、配線のインピーダンス制御などが容易であり、
前述のサスペンションに対する要求に対し最も適した対
応策である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら他の方法
に比べてこのめっき法によるサスペンションの製造方法
の欠点としては、ステンレス箔表面にポリイミド樹脂膜
を形成するに際して、高価な感光性ポリイミドワニスを
用いること、さらにフォトリソグラフィー手法によるポ
リイミド樹脂膜のパターニング後、完全にイミド化させ
るために300℃以上の無酸素雰囲気下で長時間硬化す
る必要があることから、経済性、生産性に劣るばかりで
なく、硬化の際にポリイミド樹脂膜が体積収縮すること
によってソリなどの問題が生じることが挙げられる。
に比べてこのめっき法によるサスペンションの製造方法
の欠点としては、ステンレス箔表面にポリイミド樹脂膜
を形成するに際して、高価な感光性ポリイミドワニスを
用いること、さらにフォトリソグラフィー手法によるポ
リイミド樹脂膜のパターニング後、完全にイミド化させ
るために300℃以上の無酸素雰囲気下で長時間硬化す
る必要があることから、経済性、生産性に劣るばかりで
なく、硬化の際にポリイミド樹脂膜が体積収縮すること
によってソリなどの問題が生じることが挙げられる。
【0006】本発明の目的は、従来困難であった高価な
感光性ポリイミドワニスを用いずに位置精度に優れため
っき法によって「ワイヤーレス・サスペンション」を製
造することが可能となり、高速アクセス性に優れ、かつ
安価に供給することができるハードディスクヘッド用サ
スペンションの製造方法を提供することである。
感光性ポリイミドワニスを用いずに位置精度に優れため
っき法によって「ワイヤーレス・サスペンション」を製
造することが可能となり、高速アクセス性に優れ、かつ
安価に供給することができるハードディスクヘッド用サ
スペンションの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ステンレ
ス箔表面へのポリイミド樹脂膜の形成法および所望の形
状へのパターニング法として、ポリイミド樹脂膜を所望
の部分に電着することによって上記課題を解決できるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。すなわち本発明
は、ステンレス箔表面にポリイミド樹脂膜を形成してパ
ターニングした後、前記ポリイミド樹脂膜上に銅皮膜を
形成し、ついでパターニングすることによって回路を形
成するサスペンションの製造方法において、前記ステン
レス箔表面にレジスト層をパターニングしてその露出部
にポリイミド樹脂膜を電着し、ついで前記レジスト層を
除去した後前記ポリイミド樹脂膜表面に銅皮膜を形成し
て該銅皮膜をパターニングすることによって回路を形成
することを特徴とするもので、また前記ポリイミド樹脂
膜表面に、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、タン
グステンのうちの1種の金属、あるいは該金属のうち少
くとも2種からなる合金、または前記金属のうち少くと
も1種と銅の合金からなる金属層を形成した後、前記銅
皮膜を形成せしめたハードディスクヘッド用サスペンシ
ョンの製造方法を特徴とするものである。
ス箔表面へのポリイミド樹脂膜の形成法および所望の形
状へのパターニング法として、ポリイミド樹脂膜を所望
の部分に電着することによって上記課題を解決できるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。すなわち本発明
は、ステンレス箔表面にポリイミド樹脂膜を形成してパ
ターニングした後、前記ポリイミド樹脂膜上に銅皮膜を
形成し、ついでパターニングすることによって回路を形
成するサスペンションの製造方法において、前記ステン
レス箔表面にレジスト層をパターニングしてその露出部
にポリイミド樹脂膜を電着し、ついで前記レジスト層を
除去した後前記ポリイミド樹脂膜表面に銅皮膜を形成し
て該銅皮膜をパターニングすることによって回路を形成
することを特徴とするもので、また前記ポリイミド樹脂
膜表面に、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、タン
グステンのうちの1種の金属、あるいは該金属のうち少
くとも2種からなる合金、または前記金属のうち少くと
も1種と銅の合金からなる金属層を形成した後、前記銅
皮膜を形成せしめたハードディスクヘッド用サスペンシ
ョンの製造方法を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、ステンレス箔表面に
ポリイミド樹脂膜を形成してパターニングした後、前記
ポリイミド樹脂膜上に銅皮膜を形成し、ついでパターニ
ングすることによって回路を形成するに際して、前記ス
テンレス箔表面にレジスト層をパターニングして該ステ
ンレス箔の露出部にポリイミド樹脂膜を電着し、ついで
前記レジスト層を除去した後前記ポリイミド樹脂膜表面
に銅めっき皮膜を形成し、この銅めっき皮膜をパターニ
ングすることによって回路を形成するものである。
ポリイミド樹脂膜を形成してパターニングした後、前記
ポリイミド樹脂膜上に銅皮膜を形成し、ついでパターニ
ングすることによって回路を形成するに際して、前記ス
テンレス箔表面にレジスト層をパターニングして該ステ
ンレス箔の露出部にポリイミド樹脂膜を電着し、ついで
前記レジスト層を除去した後前記ポリイミド樹脂膜表面
に銅めっき皮膜を形成し、この銅めっき皮膜をパターニ
ングすることによって回路を形成するものである。
【0009】そして本発明において、ステンレス箔表面
に電着によってポリイミド樹脂膜を形成するに際し、前
記ステンレス箔表面のポリイミド樹脂膜が不要な部分
に、予めレジスト層を形成することによって所望の箇所
のみにポリイミド樹脂膜を形成する。これによって、感
光性を付与した高価なポリイミドワニスを使用する必要
がなくなり、またポリイミド樹脂膜の寸法精度はレジス
ト層の寸法精度によって決定されるため、該レジスト層
として一般的に使用されているドライフィルムレジスト
を用いれば、従来の感光性ポリイミド樹脂膜をフォトエ
ッチング処理する場合と比較して、寸法精度に優れたも
のとなる。また感光性ポリイミドワニスを使用する場合
は、当然のことながら現像処理によって不要な部分のポ
リイミド樹脂膜を除去するため、最終的に必要とする量
以上のポリイミドワニスが必要であるが、本発明に係る
製造方法によれば必要な量だけのポリイミド樹脂を使用
すればよい。以上述べたように経済性、生産性、品質の
点で本発明の製造方法によれば従来のめっき法に比べて
極めて有利である。
に電着によってポリイミド樹脂膜を形成するに際し、前
記ステンレス箔表面のポリイミド樹脂膜が不要な部分
に、予めレジスト層を形成することによって所望の箇所
のみにポリイミド樹脂膜を形成する。これによって、感
光性を付与した高価なポリイミドワニスを使用する必要
がなくなり、またポリイミド樹脂膜の寸法精度はレジス
ト層の寸法精度によって決定されるため、該レジスト層
として一般的に使用されているドライフィルムレジスト
を用いれば、従来の感光性ポリイミド樹脂膜をフォトエ
ッチング処理する場合と比較して、寸法精度に優れたも
のとなる。また感光性ポリイミドワニスを使用する場合
は、当然のことながら現像処理によって不要な部分のポ
リイミド樹脂膜を除去するため、最終的に必要とする量
以上のポリイミドワニスが必要であるが、本発明に係る
製造方法によれば必要な量だけのポリイミド樹脂を使用
すればよい。以上述べたように経済性、生産性、品質の
点で本発明の製造方法によれば従来のめっき法に比べて
極めて有利である。
【0010】本発明でステンレス箔表面に電着によって
形成するポリイミド樹脂膜の構造は特に限定されないが
溶媒に可溶であり、また分子構造に導電性を付与するた
めの官能基を有するものが適している。一方前記溶媒可
溶性のポリイミド樹脂を用いることによって、電着後に
行う熱処理はポリイミド樹脂膜中に残留する溶媒が除去
できる条件で行えばよく、例えば高沸点溶媒であるN−
メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた場合でも2
00℃程度の熱処理で十分であり、かつ熱処理を大気雰
囲気中で行うことも可能である。
形成するポリイミド樹脂膜の構造は特に限定されないが
溶媒に可溶であり、また分子構造に導電性を付与するた
めの官能基を有するものが適している。一方前記溶媒可
溶性のポリイミド樹脂を用いることによって、電着後に
行う熱処理はポリイミド樹脂膜中に残留する溶媒が除去
できる条件で行えばよく、例えば高沸点溶媒であるN−
メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた場合でも2
00℃程度の熱処理で十分であり、かつ熱処理を大気雰
囲気中で行うことも可能である。
【0011】また本発明においてポリイミド樹脂膜表面
へ銅皮膜などの金属皮膜を形成する方法は特に限定され
ないが、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
蒸着法、無電解めっき法などの手法を用い、導電層を形
成した後、電気めっき法によって所望の厚みまで金属皮
膜を厚付けする手法が一般的である。なおポリイミド樹
脂膜表面に形成する金属皮膜としては、導電性、経済性
などの観点から銅が一般的である。
へ銅皮膜などの金属皮膜を形成する方法は特に限定され
ないが、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
蒸着法、無電解めっき法などの手法を用い、導電層を形
成した後、電気めっき法によって所望の厚みまで金属皮
膜を厚付けする手法が一般的である。なおポリイミド樹
脂膜表面に形成する金属皮膜としては、導電性、経済性
などの観点から銅が一般的である。
【0012】一方さらに高い信頼性、例えば磁気ディス
クが10000rpm以上を回転するハードディスクの
ように常時高温環境下で使用されるような場合には、ポ
リイミド樹脂膜表面に直接銅皮膜を形成した場合に生じ
る密着強度の低下を抑制するために、ポリイミド樹脂膜
と銅皮膜の間にシールド層を形成することが好ましい。
前記シールド層としては、主にポリイミド樹脂膜側から
進入する酸素から銅をシールドする効果を有するものが
好都合であり、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、
タングステンのうちの1種の金属、あるいは該金属のう
ち少くとも2種からなる合金、または前記金属のうち少
くとも1種と銅の合金からなる金属層が有効である。ま
た前記シールド層の形成方法も特に限定されず、前述の
一般的な形成法を用いることができ、その厚みはシール
ド性、パターニング性などを考慮して数百〜数千オング
ストロームが適当である。さらに形成されたシールド層
表面へ銅皮膜を形成する方法も特に限定されないが、該
シールド層が良導電性を有する場合は直接電気銅めっき
を行うことが可能であり、一方導電性に乏しい場合、あ
るいは通常の電気銅めっき処理で良好な密着性が得られ
難い場合は、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、および蒸着法などの手法によって数百〜数千オング
ストロームの銅皮膜を形成した後、電気銅めっきを行え
ばよい。
クが10000rpm以上を回転するハードディスクの
ように常時高温環境下で使用されるような場合には、ポ
リイミド樹脂膜表面に直接銅皮膜を形成した場合に生じ
る密着強度の低下を抑制するために、ポリイミド樹脂膜
と銅皮膜の間にシールド層を形成することが好ましい。
前記シールド層としては、主にポリイミド樹脂膜側から
進入する酸素から銅をシールドする効果を有するものが
好都合であり、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、
タングステンのうちの1種の金属、あるいは該金属のう
ち少くとも2種からなる合金、または前記金属のうち少
くとも1種と銅の合金からなる金属層が有効である。ま
た前記シールド層の形成方法も特に限定されず、前述の
一般的な形成法を用いることができ、その厚みはシール
ド性、パターニング性などを考慮して数百〜数千オング
ストロームが適当である。さらに形成されたシールド層
表面へ銅皮膜を形成する方法も特に限定されないが、該
シールド層が良導電性を有する場合は直接電気銅めっき
を行うことが可能であり、一方導電性に乏しい場合、あ
るいは通常の電気銅めっき処理で良好な密着性が得られ
難い場合は、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、および蒸着法などの手法によって数百〜数千オング
ストロームの銅皮膜を形成した後、電気銅めっきを行え
ばよい。
【0013】その後本発明ではポリイミド樹脂膜表面に
形成された銅皮膜のような金属皮膜をパターニングして
回路を形成するが、この手法は特に限定されず、いわゆ
るセミアディティブ法やサブトラクティブ法などによっ
て行うことができる。さらに回路表面の所望の箇所の被
覆は、フォトレジストを用いフォトリソグラフィー技法
によって行えばよい。
形成された銅皮膜のような金属皮膜をパターニングして
回路を形成するが、この手法は特に限定されず、いわゆ
るセミアディティブ法やサブトラクティブ法などによっ
て行うことができる。さらに回路表面の所望の箇所の被
覆は、フォトレジストを用いフォトリソグラフィー技法
によって行えばよい。
【0014】
【実施例】つぎに実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。 [実施例]縦50mm、横10mm、厚さ20μmのス
テンレス箔を2−プロパノールで洗浄し、10重量%硫
酸に25℃で2分間浸漬し、水洗後乾燥した。その後厚
さ30μmのドライフィルムレジスト『AQ3058』
(旭化成社製:商品名)をラミネートし、露光用マスク
を載置した後露光、現像処理を行い、水洗した後80℃
で10分間乾燥した。その後平均分子量83000、電
着成分としてカルボキシル基を含有するブロック共重合
ポリイミド『キュービロン』(ピーアイ技術研究所製:
商品名)を3重量%含有するN−メチル−2−ピロリド
ンおよび水を主成分とする溶液中で、前記ステンレス箔
を陽極とし、チタンと白金のクラッド材を陰極とし、両
電極間に80Vの電圧を5分間印加することによってス
テンレス箔の露出部分にポリイミド樹脂膜を析出させ
た。
説明する。 [実施例]縦50mm、横10mm、厚さ20μmのス
テンレス箔を2−プロパノールで洗浄し、10重量%硫
酸に25℃で2分間浸漬し、水洗後乾燥した。その後厚
さ30μmのドライフィルムレジスト『AQ3058』
(旭化成社製:商品名)をラミネートし、露光用マスク
を載置した後露光、現像処理を行い、水洗した後80℃
で10分間乾燥した。その後平均分子量83000、電
着成分としてカルボキシル基を含有するブロック共重合
ポリイミド『キュービロン』(ピーアイ技術研究所製:
商品名)を3重量%含有するN−メチル−2−ピロリド
ンおよび水を主成分とする溶液中で、前記ステンレス箔
を陽極とし、チタンと白金のクラッド材を陰極とし、両
電極間に80Vの電圧を5分間印加することによってス
テンレス箔の露出部分にポリイミド樹脂膜を析出させ
た。
【0015】その後ポリイミド樹脂膜をN−メチル−2
−ピロリドンを50体積%含有する水溶液に25℃で1
分間浸漬した後、さらにN−メチル−2−ピロリドンを
30体積%含有する水溶液に25℃で1分間浸漬して水
洗した。ついで90℃で30分間乾燥してドライフィル
ムレジスト層を除去した後、さらに200℃で30分間
熱処理を行うことによって、ポリイミド樹脂膜に残留す
る溶媒を完全に除去した。
−ピロリドンを50体積%含有する水溶液に25℃で1
分間浸漬した後、さらにN−メチル−2−ピロリドンを
30体積%含有する水溶液に25℃で1分間浸漬して水
洗した。ついで90℃で30分間乾燥してドライフィル
ムレジスト層を除去した後、さらに200℃で30分間
熱処理を行うことによって、ポリイミド樹脂膜に残留す
る溶媒を完全に除去した。
【0016】以上の処理によってステンレス箔表面の所
望の箇所に厚さ10μmのポリイミド樹脂膜が形成さ
れ、その後このポリイミド樹脂膜および該ポリイミド樹
脂膜が形成されたステンレス箔表面にスパッタリング法
により厚さ500オングストロームのクロム皮膜を形成
し、さらに厚さ1000オングストロームの銅皮膜を形
成した後、該銅皮膜表面に電気めっき法によって厚さ1
8μmの銅めっき皮膜を形成した。
望の箇所に厚さ10μmのポリイミド樹脂膜が形成さ
れ、その後このポリイミド樹脂膜および該ポリイミド樹
脂膜が形成されたステンレス箔表面にスパッタリング法
により厚さ500オングストロームのクロム皮膜を形成
し、さらに厚さ1000オングストロームの銅皮膜を形
成した後、該銅皮膜表面に電気めっき法によって厚さ1
8μmの銅めっき皮膜を形成した。
【0017】その後ステンレス箔の裏面に析出した銅め
っき皮膜を剥離し、該銅めっき皮膜表面およびステンレ
ス箔表面にドライフィルムレジスト層をラミネートして
露光用マスクを載置した後、露光、現像処理を行って露
出した銅めっき皮膜およびステンレス箔を塩化第2鉄溶
液で溶解し、レジスト層を除去した。そして回路間に露
出したクロム皮膜をエッチング処理によって除去した。
得られた基板の銅回路表面およびポリイミド樹脂膜表面
に日本ポリテック社製のネガ型フォトレジスト層を厚さ
5μmに塗布し、露光、現像処理によって銅回路表面を
所望の形状に露出させた。その後この露出部に電気めっ
き法によってニッケルを厚さ2μm、引続き金を厚さ1
μm析出させた。
っき皮膜を剥離し、該銅めっき皮膜表面およびステンレ
ス箔表面にドライフィルムレジスト層をラミネートして
露光用マスクを載置した後、露光、現像処理を行って露
出した銅めっき皮膜およびステンレス箔を塩化第2鉄溶
液で溶解し、レジスト層を除去した。そして回路間に露
出したクロム皮膜をエッチング処理によって除去した。
得られた基板の銅回路表面およびポリイミド樹脂膜表面
に日本ポリテック社製のネガ型フォトレジスト層を厚さ
5μmに塗布し、露光、現像処理によって銅回路表面を
所望の形状に露出させた。その後この露出部に電気めっ
き法によってニッケルを厚さ2μm、引続き金を厚さ1
μm析出させた。
【0018】得られたサスペンションのステンレス箔外
周部からのポリイミド樹脂膜外周部および回路の所定部
分との位置精度は±50μmの範囲であった。またポリ
イミド樹脂膜の設計値に対する寸法精度は±10μmの
範囲であった。これらの結果は、得られたサスペンショ
ンの重心位置精度、即ち浮上したサスペンションのディ
スクからの位置精度および走行安定性が十分得られるこ
とを示す。以上の処理で得られた基板をロードビームに
溶接することによって「ワイヤーレス・サスペンショ
ン」が得られた。 *(本発明の実施例による寸法精度、位置精度などの測
定結果などをここに記載する必要があると思います。)
周部からのポリイミド樹脂膜外周部および回路の所定部
分との位置精度は±50μmの範囲であった。またポリ
イミド樹脂膜の設計値に対する寸法精度は±10μmの
範囲であった。これらの結果は、得られたサスペンショ
ンの重心位置精度、即ち浮上したサスペンションのディ
スクからの位置精度および走行安定性が十分得られるこ
とを示す。以上の処理で得られた基板をロードビームに
溶接することによって「ワイヤーレス・サスペンショ
ン」が得られた。 *(本発明の実施例による寸法精度、位置精度などの測
定結果などをここに記載する必要があると思います。)
【0019】
【発明の効果】以上述べた通り本発明のハードディスク
ヘッド用サスペンションの製造方法によれば、従来困難
であった高価な感光性ポリイミドワニスを用いることな
く位置精度に優れためっき法によって「ワイヤーレス・
サスペンション」を製造することが可能となり、高速ア
クセス性に優れたハードディスクヘッド用サスペンショ
ンを安価に製造することが可能となった。
ヘッド用サスペンションの製造方法によれば、従来困難
であった高価な感光性ポリイミドワニスを用いることな
く位置精度に優れためっき法によって「ワイヤーレス・
サスペンション」を製造することが可能となり、高速ア
クセス性に優れたハードディスクヘッド用サスペンショ
ンを安価に製造することが可能となった。
Claims (2)
- 【請求項1】 ステンレス箔表面にポリイミド樹脂膜を
形成してパターニングした後、前記ポリイミド樹脂膜上
に銅皮膜を形成し、ついでパターニングすることによっ
て回路を形成するサスペンションの製造方法において、
前記ステンレス箔表面にレジスト層をパターニングして
その露出部にポリイミド樹脂膜を電着し、ついで前記レ
ジスト層を除去した後前記ポリイミド樹脂膜表面に銅皮
膜を形成して該銅皮膜をパターニングすることによって
回路を形成することを特徴とするハードディスクヘッド
用サスペンションの製造方法。 - 【請求項2】 前記ポリイミド樹脂膜表面に、クロム、
ニッケル、コバルト、チタン、タングステンのうちの1
種の金属、あるいは該金属のうち少くとも2種からなる
合金、または前記金属のうち少くとも1種と銅の合金か
らなる金属層を形成した後、前記銅皮膜を形成せしめた
ことを特徴とする請求項1記載のハードディスクヘッド
用サスペンションの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228600A JP2000048510A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | ハードディスクヘッド用サスペンションの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228600A JP2000048510A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | ハードディスクヘッド用サスペンションの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000048510A true JP2000048510A (ja) | 2000-02-18 |
Family
ID=16878905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10228600A Pending JP2000048510A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | ハードディスクヘッド用サスペンションの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000048510A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002246708A (ja) * | 2001-02-16 | 2002-08-30 | Dainippon Printing Co Ltd | ウェットエッチングされた絶縁体及び電子回路部品 |
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-
1998
- 1998-07-29 JP JP10228600A patent/JP2000048510A/ja active Pending
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