JP2005058732A - 椅子 - Google Patents

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JP2005058732A
JP2005058732A JP2003400193A JP2003400193A JP2005058732A JP 2005058732 A JP2005058732 A JP 2005058732A JP 2003400193 A JP2003400193 A JP 2003400193A JP 2003400193 A JP2003400193 A JP 2003400193A JP 2005058732 A JP2005058732 A JP 2005058732A
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Abstract

【課題】 洋式便器に被せて排便に使用でき、被介護者の居室でも排便でき、被介護者が座板に着座している状態でも便容器を取り出すことができる椅子の提供。
【解決手段】 洋式便器を包囲するようにして使用する椅子であって、排便孔10が形成された座板1と、排便孔10を閉鎖し、座板1の下側に設けられた閉鎖板2と、脚部3a,3bにある車輪8とを備えた。また、閉鎖板2に凸部20を設けた。また、便容器5の係止部4を備えた。また、係止部4の導入口41を後側に設けた。また、座板1を脚部3a,3bに対して相対移動が可能に、かつ背当て部6と枢着した。また、車輪8の制動部材9と、制動部材9を車輪8に付勢する付勢部材90と、制動部材9を車輪8から離反させるレバー92とを備えた。また、回転軸71により前後方向へ回転可能に枢支されており、縦向きのとき、下端が車輪8よりも下側に位置する足置き板7を備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、介護を必要とする被介護者の排便に用いる椅子に関する。
身体が不自由なために介護を必要とする被介護者の排便に用い、外観が通常の椅子に近似した椅子型便器が従来からある。この椅子型便器は、略矩形をなす座板の下側に、略中央に開口部を有する便座を設けると共に、便を受けるための便容器と、この便容器を収容する箱状の収容部とを便座の下側に設けてあり、また、座板及び便座を、背当て部側の端部に取付けた蝶番にて開閉可能に構成してある(例えば、特許文献1参照。)。
このような椅子型便器を用いて介護者が被介護者を排便させるには、座板の前側を持ち上げて便座を露出させ、被介護者を便座に着座させる。被介護者が排便した後、被介護者を立ち上がらせ、お尻の拭き取り等の処置を行い、被介護者を、例えば、ベッドに移動させる。その後、便座の前側を持ち上げて便容器を取り出し、便を処分する。
実開平4−31596号公報
しかしながら、前述の椅子型便器は、被介護者の居室内にて介護者の介護の下での使用を前提にしており、便所内に設置された洋式便器を包囲するようにして使用するという使い方を想定していないため、被介護者が便所内にて椅子型便器を使用して自分一人で排便するということができず、被介護者は、排泄行為が自分一人でできないという精神的な苦痛を覚えるという問題があった。
また、便座に着座して排便を行うためには、座板の前側を持ち上げて便座を露出させる必要があるため、被介護者が座板に着座している場合には、介護者が被介護者を一旦、立ち上がらせる必要があり、介護者及び被介護者に体力的な負担を強いるという問題があった。
さらに、排便後、便容器内の便を処分するためには、便座に着座している被介護者を便座から離れさせなければ便容器を取り出せず、また、被介護者が便座に着座した状態のままでは、お尻の拭き取り等の処置ができないから、被介護者を一旦、立ち上がらせる必要があるため、便の処分が速やかにできず、被介護者の居室に便の臭気が立ちこめるという問題があった。また、被介護者を一旦、立ち上がらせるから、介護者及び被介護者に体力的な負担を強いるという問題もあった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、押して移動ができるように構成することにより、被介護者が座板に着座した状態でも便所まで簡単に移動でき、また、便所内に設置された洋式便器を包囲するようにして使用できるように構成することにより、被介護者が自分一人で便所内にて排便に使用でき、さらに、被介護者が座板に着座した状態でも座板の排便孔を開閉可能に構成することにより、着座した被介護者を一旦、立ち上がらせることがない椅子を提供することを目的とする。
また、便容器を着脱可能に構成することにより被介護者の居室内での排便にも使用できる椅子を提供することを目的とする。
また、被介護者が座板に着座した状態でも便容器を取り出し可能に構成することにより、排便後速やかに便を処分することができると共に、便容器の取り出し部から、座板に着座した被介護者のお尻の拭き取り等の処置ができる椅子を提供することを目的とする。
また、便容器を下方向に移動させることにより、排便後に便容器の取り出しを容易に行うことができると共に、便容器を取り出す場合に座板の排便孔から被介護者のお尻が突出しているときでも、被介護者のお尻と便容器とが干渉せず、お尻に付着した便により便容器が汚れない椅子を提供することを目的とする。
また、座板及び背当て部を可動とすることにより、座板に着座した被介護者のお尻の拭き取り等の処置が更に容易にできる椅子を提供することを目的とする。
また、移動を規制できる構成を備えることにより、不意の外力が作用しても移動しない椅子を提供することを目的とする。
さらに、安定に保つ部材を備えることにより、安全に被介護者を着座させることができる椅子を提供することを目的とする。
第1発明に係る椅子は、洋式便器を包囲するようにして使用する椅子であって、排便孔が形成された座板と、前記座板の下側に着脱可能に設けられ、前記排便孔を閉鎖する閉鎖板と、脚部の下部に設けられた車輪とを備えることを特徴とする。
第1発明においては、被介護者を座板に着座させ、本発明に係る椅子を押せば、脚部の下部に設けられた車輪の転動により、便所まで簡単に移動させることができる。便所に到着後、本発明に係る椅子を便所内の洋式便器を包囲するようにすれば、被介護者は、便所内にて自分一人で排便できる。なお、閉鎖板は、被介護者が座板に着座した状態でも下側から取り外せる。
第2発明に係る椅子は、第1発明おいて、前記閉鎖板は、前記排便孔に嵌合される凸部を一面に設けてあることを特徴とする。
第2発明においては、閉鎖板の一面に設けた凸部を座板の下側から排便孔に嵌め込むことにより排便孔を簡易に閉鎖する。凸部の突出高さを適切に設定すれば、着座面を略面一にできる。
第3発明に係る椅子は、第1発明又は第2発明において、前記座板の前側にて前記閉鎖板を支持する支持部と、前記座板の後側にて前記閉鎖板を前記座板に掛止する掛止部とを備えることを特徴とする。
第3発明においては、座板の後側から座板の下に閉鎖板を差し入れ、座板の前側にて支持部により閉鎖板を支持する。次いで、閉鎖板の後側を持ち上げ、座板の後側にて掛止部により閉鎖板を座板に掛止することにより閉鎖板が座板に取付けられる。
第4発明に係る椅子は、第1発明乃至第3発明の何れかにおいて、便容器を前記座板の下側に係止する係止部を更に備えることを特徴とする。
第4発明においては、座板の下側の係止部に便容器を係止すれば、被介護者の居室内での排便に用いることができる。排便後の便容器は、被介護者を立ち上がらせることなく、座板の下側の係止部から取り外して速やかに後始末が行え、また、便容器を取り外した空間を利用して、脚部の間から被介護者のお尻の拭き取り等の処置を施す。
第5発明に係る椅子は、第4発明において、前記係止部は、前記便容器を導入して係止するための導入口を前記座板の後側に備えることを特徴とする。
第5発明においては、座板の後側に設けた係止部の導入口を利用し、後側の脚部の間を通して便容器の着脱を行う。また、被介護者のお尻の拭き取り等の処置も、後側の脚部の間から行う。
第6発明に係る椅子は、第4発明又は第5発明において、前記係止部は、前記座板の下側で前記座板と略直交する面内にて揺動するアームに枢支され、前記座板に対して上下方向へ相対移動するように構成してあることを特徴とする。
第6発明においては、係止部を座板の下方向に下げるようにした場合、アームが揺動しつつ係止部が座板に対して下方向へ相対移動する。この下方向への相対移動は、係止部がアームに枢支されているため、座板に対する係止部の相対角度を略同一に保持したまま行うことができる。
第7発明に係る椅子は、第4発明又は第5発明において、前記係止部は、前記座板の下側で前記座板の後方向下向きに傾斜して設けられた傾斜板に支持され、該傾斜板に沿って前記座板の後方向に引き出すことが可能に構成してあることを特徴とする。
第7発明においては、係止部は傾斜板に沿って座板の後方向に引き出すことができる。傾斜板は、座板の後方向下向きに傾斜しているから、係止部は、座板の後方向へ引き出されることにより座板に対して下方向へ相対移動する。
第8発明に係る椅子は、第6発明又は第7発明において、前記係止部に係止される便容器が前記座板の下側に位置するように前記係止部を付勢する付勢手段を更に備えることを特徴とする。
第8発明においては、付勢手段は、係止部に係止される便容器が座板の下側に位置するように係止部を付勢する。従って、便容器の取り出しのために座板の下方向又は後方向に移動した係止部が、付勢手段の付勢力により何の操作も要さずに座板の上方向又は前方向に移動する。
第9発明に係る椅子は、第1発明乃至第8発明の何れかにおいて、前記座板の後側に設けられた背当て部を更に備え、前記座板及び背当て部は、前記脚部に対して前後方向への相対移動が可能に構成されており、前記座板の後部と前記背当て部の下部とを枢着してあることを特徴とする。
第9発明においては、座板の後部と背当て部の下部とが枢着されているから、座板を前側へ移動させれば、座板の移動に伴って背当て部の下部が前側へ移動し、しかも、枢着した部分を支点として座板と背当て部との角度が広がるから、背当て部の傾斜が緩くなる。被介護者を着座させた状態において座板を前側へ移動させれば、座板の移動に伴って被介護者の重心が本発明に係る椅子の中央部に移動し、背当て部にもたれた被介護者の上半身が前方上側を向く。また、座板の後部と背当て部の下部とが枢着されているから、この枢着部を支点として座板を回転させるように、座板の前部を上方に持ち上げることができる。
第10発明に係る椅子は、第1発明乃至第9発明の何れかにおいて、前記車輪に当接し、前記車輪の回動を制動する制動部材と、該制動部材を前記車輪に付勢する付勢部材と、前記制動部材を前記車輪から離反させるレバーとを更に備えることを特徴とする。
第10発明においては、制動部材が付勢部材により車輪に押し付けられ、車輪は制動部材との摩擦抵抗により制動される。レバーを操作すれば、制動部材は車輪から離反され、車輪は回動自在となる。
第11発明に係る椅子は、第10発明において、前記制動部材は、後側の車輪に当接しており、前記レバーは、前記座板の後側に横設された操作部と、該操作部の端部に上端部が連結された連結部とを備え、該連結部の下端部を支点として前後方向へ揺動可能となるように取付けられており、前記制動部材と前記連結部の下部とを連結しており、前記レバーの前方向又は後方向への揺動に応じて、付勢力に抗して前記制動部材を牽引する牽引部材を備えることを特徴とする。
第11発明においては、操作部に前向き又は後向きの外力を付加すれば、レバーが揺動し、連結部の下部に連結された牽引部材を介して制動部材が牽引され、制動部材が後側の車輪から離反して車輪が回動自在となり、本発明に係る椅子を滑らかに移動させることができる。
第12発明に係る椅子は、第1発明乃至第11発明の何れかにおいて、回転軸により前後方向へ回動可能に枢支されており、縦向きのとき、回転軸から下端までの高さの寸法が前記回転軸から前記車輪の下端までの高さの寸法より長い足置き板を更に備えることを特徴とする。
第12発明においては、足置き板を縦向きにすることにより、足置き板の下端が車輪の下端よりも下側に位置する。これにより、足置き板の下端が接地し、一部の車輪が持ち上げられて床面から離反し、本発明に係る椅子が安定する。
第1発明に係る椅子は、閉鎖板を座板の下側に取付けた状態では、通常の椅子として使用できる。また、脚部の下部に車輪が設けられているから、被介護者を座板に着座させた状態でも、押せば車輪が転動し、便所まで簡単に移動できる。また、便所内に設置された洋式便器を包囲するようにして使用することができるから、被介護者を着座させたまま洋式便器を包囲するようにすれば、被介護者が便所内にて自分一人で排便でき、排泄行為が一人でできないという被介護者の精神的な負担を取り除くことができる。さらに、閉鎖板の取り外しが座板の下側からできるから、閉鎖板を取り外すために、座板に着座している被介護者を一旦、立ち上がらせることがなく、介護者及び被介護者に体力的な負担をかけない。
第2発明に係る椅子は、閉鎖板の凸部が座板の排便孔に嵌合されるから、座板の着座面を略面一にすることができ、着座感が良好になる。
第3発明に係る椅子は、座板の前側にて支持部により閉鎖板を支持し、座板の後側にて閉鎖板の後側を持ち上げるようにして閉鎖板を座板に掛止するから、被介護者が座板に着座している場合でも、被介護者の足に妨げられることなく容易に閉鎖板を取付けることができる。また、被介護者のお尻が座板の排便孔から下側に突出している場合でも、閉鎖板の後側を持ち上げるようにすれば、掛止部により閉鎖板を座板に掛止できるから、座板への閉鎖板の取付けが容易に行える。
第4発明に係る椅子は、座板の下側に便容器を係止できるから、便容器を取付ければ、被介護者の居室内での排便に用いることもできる。また、便容器を座板の下側に係止してあるから、係止部から外した便容器を脚部の間を通して取り出すことができる。従って、排便後、被介護者を座板に着座させたままでも便容器を取り出すことができるから、便を速やかに処分することができ、便の臭気が居室内に立ちこめることを抑制できる。また、便容器を取り外せば、座板の下側に空間ができるから、被介護者を座板に着座させたまま、脚部の間からお尻の拭き取り等の処置を施すことができる。従って、拭き取り等の処置を施すために被介護者を立ち上がらせる必要がないから、介護者及び被介護者に体力的な負担をかけない。
第5発明に係る椅子は、後側から便容器を着脱することができるから、便容器の取り外し及びお尻の拭き取り等の処置が後側からできる。この取り外し及び拭き取り等の処置は、座板に着座した被介護者の足に妨げられることなく容易に行える。
第6発明に係る椅子は、係止部を座板の下方向へ下げるようにした場合、アームが揺動しつつ係止部が座板に対して下方向へ移動する。この下方向への移動は、座板と係止部との相対角度を略同一に保持したまま行うことができるから、排便後の便容器を傾けることなく座板に対して下方向へ相対移動できる。この係止部の下方向への相対移動により便容器と座板との間の上下方向における相対距離が広がるから、便容器の取り外しが容易となり、また便容器を取外す場合に座板の排便孔から被介護者のお尻が突出しているときでも、被介護者のお尻と便容器とが干渉することがなく、お尻に付着した便により便容器が汚れることもない。
第7発明に係る椅子は、座板の後方向下向きに傾斜する傾斜板に沿って係止部を座板の後方向に引き出すことができるから、係止部を座板の後方向に引き出すことにより座板と係止部との間の上下方向における相対距離が広がり、座板の排便孔から突出する被介護者のお尻に干渉することなく便容器の取り外しが容易に行え、お尻に付着した便により便容器が汚れることもない。
第8発明に係る椅子は、係止部に係止される便容器が座板の下側に位置するように係止部を付勢手段により付勢するから、便容器の取り外しのために座板の下方向又は後方向に移動させた係止部が付勢手段の付勢力により何の操作も要さずに座板の上方向又は前方向に移動する。また、便の重みにより便容器が座板の下方向又は後方向に移動し、便が便容器の外側に漏出することも防止できる。
第9発明に係る椅子は、座板を前側へ移動させることができる。座板の後部と背当て部の下部とが枢着されているから、座板の移動に伴って背当て部の下部が前側へ移動し、しかも、枢着した部分を支点として座板と背当て部との角度が広がるから、背当て部の傾斜を緩くすることができる。従って、座板に着座し、背当て部にもたれた被介護者の上半身は、座板の移動に伴って前方上側を向く。便座の前側を持ち上げることにより、被介護者のお尻が前側から視認できるから、拭き取り等の処置が更に容易になる。なお、座板の移動に伴って被介護者の重心が本発明に係る椅子の中央部に移動するから、便座の前側を持ち上げても被介護者が本発明に係る椅子ごと後ろに転倒することはない。
第10発明に係る椅子は、レバーが操作された場合のみ車輪の制動が解除され、レバーが操作されない場合には、常に車輪が制動されている。従って、被介護者が座板に着座した状態において介護者がレバーから手を離した場合には、車輪が制動部材により制動されるから、床面が傾斜していても動き出すことがなく、安全性が高い。
第11発明に係る椅子は、レバーの操作部に前向き又は後向きの外力を付加することにより車輪の制動を解除して移動できるから、容易に移動できる。また、停止するためにレバーに付加した外力を除けば、車輪が確実に制動される。さらに、レバーを、本発明に係る椅子を押すための手押し部と兼用すれば、移動、停止操作が更に容易になる。
第12発明に係る椅子は、足置き板を縦向きにすれば、下端が車輪の下端よりも下側になり、足置き板の下端が接地して一部の車輪が床面から離反するから、安定性が高まり、被介護者を座板に安全に着座させることができる。また、足置き板を横向きにすれば、接地していた下端が床面から離反し、床面との接触が車輪のみになるから、滑らかに移動できると共に、着座した被介護者は、足置き板に足を置くことができるから、楽な姿勢にて移動できる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る椅子の側面図、図2は本発明に係る椅子の背面図、図3は、本発明に係る椅子の分解斜視図である。
図において38は、1枚の前板30と、2枚の側板31,31とによりコの字形に枠組みされた座枠である。この座枠38は、側板31,31の前板30側の端部に夫々固着された前脚3a,3aと、側板31,31の他側端部に夫々固着された後脚3b,3bとにより支持されている。後脚3b,3bは、座枠38よりも上方に延長されており、これらの上部間には、上側に支持桟62、下側に矩形の背板66が横設されている。また、後脚3b,3bの上部には、前方へ向けて、肘乗せ板33,33が延設されている。これらの肘乗せ板33,33の前部は、下方に延びる支持板34,34により側板31,31に連絡されている。支持板34,34には、肘乗せ板33,33から下方へ適宜の寸法だけ離れた位置に係止ピン36,36が設けられている。これらの係止ピン36,36は、支持板34,34の外側から内側へ貫通しており、外側から押し込めば内側に突出し、内側から押し込めば外側に突出する。
座枠38を構成する側板31,31の内側面には、夫々段差37,37が設けられている。これらの段差37,37の上には、略矩形をなし、座枠38の大きさに対応した板状の係止部4が、前板30及び側板31,31の上縁部と略面一となるように、着脱可能に載置されている。この係止部4には、後縁部に開口する導入口41を有し、前縁部の近傍にまで達する切欠き40が設けられている。この切欠き40には、後脚3b,3b間、換言すれば、便容器5を導入して係止するための導入口を通過した便容器5が導入され、この便容器5は、係止部4に着脱可能に係止される。便容器5の開口部50の周縁部には、外側に張り出すように形成されたフランジ51が設けられており、便容器5の係止部4との係止は、このフランジ51が係止部4の上面に当接することによりなされている。なお、係止部4の上面は、フランジ51の厚みに対応して切欠き40の近傍を一段低くしてある。
係止部4及び座枠38の上には、座板1が取付けられている。座板1は、座枠38の大きさに対応した矩形板の略中央に排便孔10を形成し、この排便孔10の周縁部の上面をクッションに覆われた着座面11として構成されている。なお、排便孔10の大きさは、便容器5の開口部50の大きさに対応している。
このような座板1と係止部4との間には、閉鎖板2が挟持されている。この閉鎖板2の上面には、排便孔10の形状及び大きさに対応し、上面がクッションに覆われた凸部20が設けられており、この凸部20は、排便孔10に嵌合され、着座面11を略面一にする。
座板1の後側には、背当て部6が連結されている。この背当て部6は、矩形の板状をなして長手方向を横方向として配され、座板1側の面がクッションに覆われた背当て板63と、この背当て板63の長手方向の両端部夫々に沿うように設けられ下方へ延長された連結体60,60とを備えてなり、連結体60,60の中途部を支持桟62に寄り掛かるように当接させてある。背当て板63の上部には、倒立U字状をなし、横設された部分の座板1側の面にクッションが設けられた枕65が連設されている。
背当て部6の連結体60,60の下部と座板1の後部とは、夫々連結ピン64,64により枢着されている。座板1と背当て部6とは、連結ピン64,64を支点として、座板1の前部が背当て部6の上部の方へ向かうように回転することができる。また、座板1は、前後方向への摺動自在とされており、座板1と連結体60,60とを枢着した部分の外側には、連結ピン64,64を回転軸として夫々ローラ61,61が回動自在に取付けられている。これらのローラ61,61は、側板31,31の後脚3b,3b側の上縁部に沿うように、しかも、開口部を上側にして固着された断面コの字状をなすガイド32,32に遊嵌されている。これにより、座板1は、ガイド32,32内にて転動するローラ61,61の動作範囲において前後方向への摺動自在とされている。
以上のような構成により、本発明に係る椅子は、閉鎖板2が座板1の排便孔10を閉鎖している状態のときは、通常の椅子として使用できる。なお、本発明に係る椅子を構成する各部品を、例えば、木製とすることにより、本発明に係る椅子は、介護を必要とする被介護者の居室内に置かれても、他の家具と調和して違和感を与えない。
本発明に係る椅子を用いて排便を行うには、座板1の下側から閉鎖板2を取り外し、座板1の上に被介護者を着座させる。なお、閉鎖板2の取り外しは、例えば、座板1の前側を持ち上げ、係止部4との間から前方に引き出すことにより行える。被介護者の排便後、便容器5を係止部4に沿って滑らせるように後ろに引き、後脚3b,3b間を通して後側に取り出し、便容器5内の便を処分する。このような便容器5の取り外しは、被介護者を座板1に着座させた状態のまま行えるから、速やかに便を処分でき、被介護者の居室内に便の臭気が立ちこめるのを抑制できる。また、便容器5の取り外しにより確保された座板1の下側の空間を利用して被介護者のお尻の拭き取り等の処置を容易に施すことができる。このような処置もまた、被介護者を座板1に着座させた状態のまま行えるから、被介護者を立ち上がらせる必要がなく、介護者及び被介護者に体力的な負担をかけない。なお、係止部4も後脚3b,3b間を通して取り外すことができる。係止部4を取り外すことにより、拭き取り等の処置が更に容易にできる。
また、本発明に係る椅子においては、閉鎖板2が座板1の下側に取付けられており、通常の椅子として被介護者が座板1に着座している状態から排便させる場合でも、被介護者を座板1に着座させたまま閉鎖板2を取り外すことができる。
図4は、閉鎖板2の取り外しの手順の説明図である。
まず、図4(a)に示したように、座板1を前側へ引き出す。このとき、ローラ61,61は、ガイド32,32に沿って転動した後、ガイド32,32の前側の端部に当接するから、座板1の引き出しは、所定の範囲内に規制されると共に、滑らかに行われる。また、座板1の引き出しに応じて連結体60,60の下部が前側へ移動し、しかも、連結ピン64,64を支点として座板1と背当て部6との角度が広がるから、背当て部6の傾斜が緩くなる。このとき、連結体60,60は、後述するレバー92の揺動軸67(図3参照)に当接して支持され、枕65は、レバー92の操作部95(図3参照)に当接し、レバー92は、枕65の当接により後方向へ揺動する。
次ぎに、連結ピン64,64を支点として座板1の前部を背当て部6の上部の方へ向かうように、座板1の前側を持ち上げれば、座板1と共に前側に引き出されていた閉鎖板2が容易に取り外せる。なお、座板1を、係止ピン36,36を越えた位置まで持ち上げれば、係止ピン36,36を内側に突出させることにより座板1と背当て部6とは、図4(b)に示すように支持される。この操作は、被介護者が座板1に着座したままでも容易に行える。
前述したように、座板1と背当て部6とを、図4(b)に示すように支持することができるから、排便後、被介護者を着座させたまま、座板1及び背当て部6を図4(b)に示すように支持すれば、被介護者のお尻が前側から視認できるようになり、拭き取り等の処置が更に容易になる。なお、座板1の前側への引き出しに伴い、被介護者の重心が本発明に係る椅子の中央部に移動するから、座板1及び背当て部6を図4(b)に示すように支持するために座板1の前側を持ち上げても、被介護者が本発明に係る椅子ごと後ろに転倒することはない。
以上のように、本発明に係る椅子は、例えば、被介護者の居室内での排便に用いることができる。
また、本発明に係る椅子は、被介護者の居室内だけでなく、便所まで移動し、便所内に設置された洋式便器55(図5参照)を包囲するようにして使用できるように以下の構成も備えている。
前脚3a,3a及び後脚3b,3bは、前脚3a,3aの下端と後脚3b,3bの下端とを連結し、各2つの車輪8,8,…を回動自在に支持する杆状の車輪支持体80,80を備えている。車輪8,8,…は、車輪支持体80,80の両端部夫々の外側に設けられており、本発明に係る椅子を、比較的弱い外力の付加でも滑らかに移動させることができる。
後脚3b,3bには、後脚3b,3bの側面に沿うように上下方向に延設された杆状をなす支持部93,93と、これらの支持部93,93の下端部に連設され、例えば、合成ゴムにより形成された当接部94,94とを備える制動部材9,9が夫々固定されている。当接部94,94は、夫々後脚3b,3b側の車輪8,8に当接しており、支持部93,93には、当接部94,94を車輪8,8に向けて付勢するコイルスプリング(付勢部材)90,90が夫々外嵌している。また、支持部93,93の上端部には、ワイヤ等の牽引部材91,91の一端部が夫々連結されている。牽引部材91,91の他端部は、座板1の後側に前後方向への揺動自在に取付けられた倒立U字状をなすレバー92の連結部96,96の下部に夫々連結されている。連結部96,96は、上下方向に延設されて杆状をなしており、下端部が、支持桟62の上側に横設された揺動軸67に枢着されている。また、連結部96,96の上端部間には、杆状をなした操作部95が横設されている。
このような構成により、本発明に係る椅子は、レバー92の操作部95を前方に押せば、牽引部材91,91を介して制動部材9,9が牽引され、後側の車輪8,8から制動部材9,9の当接部94,94が離反する。これにより、後側の車輪8,8は回動自在となり、本発明に係る椅子を滑らかに移動させることができる。レバー92の操作部95から手を離せば、制動部材9,9の当接部94,94は、付勢部材90,90により後側の車輪8,8に押し付けられ、後側の車輪8,8は、当接部94,94との摩擦抵抗により回動を制動される。従って、座板1に被介護者が着座した状態のとき、介護者がレバー92から手を離しても、後側の車輪8,8が制動部材9,9により制動されるから、床面が傾斜していても、本発明に係る椅子が動き出すことはなく、安全性が高い。
また、本発明に係る椅子の前脚3a,3a間には、略矩形の板状をなす足置き板7が、足置き面70を上向きにして取付けられている。この足置き板7は、足置き面70の後側の一辺から所定距離だけ前側の他辺の方へ離れた位置に回転軸71が設けられており、前記所定距離は、前側の車輪8,8の下端から前記回転軸71の位置までの高さの寸法より長くしてある。足置き板7は、回転軸71により前後方向への回転可能に枢支されている。この足置き板7の回転は、前記他辺が前板30に当接するまで可能とされており、前記他辺が前板30に当接している縦向きのとき、足置き板7は、前記他辺が前記一辺よりも後側となるように傾斜している。足置き面70の前記一辺は、前記他辺が前板30に当接しているとき、前側の車輪8,8の下端よりも更に下側に位置する。
このような構成により、本発明に係る椅子は、足置き板7を、前記他辺が前板30に当接するように縦向きにすれば(図4参照)、足置き面70の一辺が前側の車輪8,8の下端よりも下側に位置するから、前記一辺が床面に接地して前側の車輪8,8が床面から離反し、本発明に係る椅子の安定性が増す。従って、被介護者を本発明に係る椅子に着座させるとき、足置き板7を縦向きにしておけば、本発明に係る椅子は、不意の外力にて移動することがなく、被介護者を座板1に安全に着座させることができる。
図5は、本発明に係る椅子を、便所内の洋式便器55を包囲するように被せる手順の説明図である。
本発明に係る椅子を便所内にて使用するときは、座板1の前側を持ち上げて閉鎖板2を取り外し、便容器5及び係止部4を取り外した後、被介護者を座板1に着座させ、レバー92の操作部95を押して便所まで移動する。便所に到着後、図5(a)に示すように、レバー92を前方に倒した状態にして本発明に係る椅子を後退させるように移動させ、便所内の洋式便器55が後脚3b,3b間を通過して座板1の下側に位置するようにすれば、本発明に係る椅子は、洋式便器55を包囲するようにして使用することができる(図5(b))。なお、本発明に係る椅子は、洋式便器55を包囲するようにして使用するために、座板1の高さを洋式便器55の高さよりも高くしてあり、しかも、後脚3b,3b間及び前脚3a,3a間の間隔を洋式便器55が通過できる寸法としてある。このようにすれば、本発明に係る椅子を、洋式便器55を包囲するようにして使用することができるから、被介護者は、便所内にて一人で排便することができる。
本発明に係る椅子を用いれば、介護者及び被介護者は体力的な負担がなく、被介護者が便所内にて一人で排便することができる。本発明に係る椅子は、背当て部6及び肘掛け部35,35を備えるから、体力が衰えた被介護者であっても、楽な姿勢にて排便することができ、排便に時間を要しても、被介護者に体力的な負担がかからない。
また、被介護者が便所内にて自分一人で排便できるから、排泄行為が一人で出来ないという被介護者の精神的な負担を取り除くことができ、被介護者の生活が快適なものとなる。
さらに、近年の洋式便器55は、温水シャワーによる洗浄機能及び温風による乾燥機能を備えるものも多いから、このような洗浄・乾燥機能を備える洋式便器55に本発明に係る椅子を用いれば、排便から排便後の処置までは、被介護者一人でも可能となり、排便後の処置を他人に依存するという被介護者の精神的な負担も取り除くことができる。
実施の形態2
図6は実施の形態2の椅子の分解斜視図であり、図7は実施の形態2の椅子の断面図である。
コの字形をなす座枠38の上側には、座板1が固着されており、座板1の略中央には、便容器5の開口部50よりも小さい排便孔10が貫通形成されている。座板1の下側には、後縁部に開口する導入口41を有する切欠き40が設けられた矩形の板状をなす係止部4が、便容器5のフランジ51の厚さ寸法と略同一の隙間をあけて一面を上側にして配され、係止部4は、左右方向の両側夫々2箇所ずつを、アーム42,42,…により支持されている。
アーム42,42,…は、下側となる一端部が上側の他端部よりも後側に位置するように配されている。アーム42,42,…の一端部は、座枠38を構成する側板31,31の内側面に夫々枢着され、アーム42,42,…は、一端部を支点として座板1に略直交する面内にて揺動するように構成されている。アーム42,42,…の他端部は、係止部4の左右方向の端面に枢着され、係止部4を後方向へ引き出しつつ下方向へ移動させるようにした場合には、アーム42,42,…の揺動を伴いつつ係止部4が座板1との相対角度を略同一に保持したまま座板1に対して下方向へ相対移動するように構成してある。なお、側板31,31の内側面には、アーム42,42,…の揺動範囲を所定の範囲内に規制するストッパ43,43,…が凸設されている。
係止部4の前側の端面と、座枠38を構成する前板30の内側面との間には、スプリング(付勢手段)44が張設され、スプリング44のばね力により係止部4を前方向上向きに引張り付勢、つまり、係止部4に係止される便容器5が座板1の下側に位置するように係止部4を付勢する構成としてある。
このような構成により、スプリング44の付勢力に抗して係止部4を後方向へ引き出しつつ下方向へ移動させるようにした場合には、アーム42,42,…の揺動を伴いつつ係止部4が座板1との相対角度を略同一に保持したまま座板1に対して下方向へ相対移動する。従って、係止部4に便容器5が係止され、座板1に着座した被介護者が排便した場合に、係止部4を後方向へ引き出しつつ下方向へ移動させることにより、係止部4に係止された便容器5を傾けることなく下方向へ移動させ、座板1と便容器5との間の上下方向における相対距離を広げることができるから、被介護者のお尻が座板1の排便孔10から突出しているときでも、便容器5を被介護者のお尻に干渉させずに容易に取り外しでき、便容器5の取り外し時に、お尻に付着した便で便容器5を汚すこともない。
また、係止部4をスプリング44にて前方向上向きに付勢しているから、便容器5の取り外しのために下方向へ移動させた係止部4を、何の操作も要せずにスプリング44の付勢力にて移動前の位置に戻すことができる。また、スプリング44による付勢と共に、アーム42,42,…の一端部を他端部よりも後側に配したから、被介護者が排便した場合に、便の重みにより便容器5が下方向へ移動し、移動に伴う加速度の作用で便容器5から便が漏出することもない。
さらに、座板1と係止部4との隙間が便容器5のフランジ51の厚さ寸法と略同一にしてあるから、係止部4に便容器5を係止した場合、便容器5のフランジ51が座板1の下側面に当接し、座板1に着座した被介護者が放尿したときに座板1と便容器5との間から便容器5の外側に尿が漏出することを防止できる。
前述した係止部4に便容器5を係止しない場合には、座板1に閉鎖板2を取付けることができる。閉鎖板2は、座板1の排便孔10に嵌合する板状の閉鎖部21を備えており、座板1の前側に対応する部分に、座板1の前側にて閉鎖板2を支持する板状の支持部22が閉鎖部21と略平行に設けられ、座板1の後側に対応する部分に、座板1の後側にて閉鎖板2を座板1に掛止するための環状の金具を有する掛止部23が設けられている。また、座板1の後側には、フック状の金具であり、掛止部23に掛止される被掛止部24が設けられている(図8参照)。
図8は、閉鎖板2が取付けられた座板1の近傍の一部を示す斜視図である。
このような閉鎖板2の座板1への取付けは、以下のようにして行われる。先ず、座板1の後側から、支持部22を前側とした閉鎖板2を係止部4の下側に差し入れ、支持部22を係止部4の切欠き40を通して座板1と係止部4との間に差し込む。次に、閉鎖板2の後側を持ち上げ、閉鎖部21を係止部4の切欠き40を通過させて排便孔10に嵌合する。次いで、掛止部23を被掛止部24に掛止することにより閉鎖板2が座板1に取付けられる。
このようにして閉鎖板2を座板1に取付けるから、閉鎖板2の座板1への取付けは、座板1に着座した被介護者の足に妨げられることなく容易に行える。また、被介護者のお尻が座板1の排便孔10から下側に突出している場合でも、閉鎖板2の後側を持ち上げるようにすれば、掛止部23を被掛止部24に掛止できるから容易に閉鎖板2を座板1に取付けることができる。
なお、実施の形態2の椅子の後脚3b,3bの上部間には、実施の形態1における支持桟62及び揺動軸67の代りに、矩形の板状をなす手押し部68が横設されている。手押し部68の両端部夫々には、長手方向を横方向にした略小判形をなす把持孔69,69が貫通形成され、実施の形態2の椅子は、把持孔69,69を利用して手押し部68の一部を把持し、手押し部68を押すことにより移動させるように構成してある。
また、実施の形態1における前側の車輪8,8は、進行方向の変更が可能なキャスター82,82とされている。その他の構成及び作用は、前述した実施の形態1と同様のため、対応する構成部材に同一の参照符号を付し、その構成及び作用の説明を省略する。
実施の形態3
図9は、実施の形態3の椅子の分解斜視図であり、図10は実施の形態3の椅子の断面図である。
座板1の下側には、係止部4が配され、係止部4は、後縁部に開口する導入口41を有する切欠き40が設けられた矩形の板状をなす係止板46を備えている。係止板46は、座板1の下側面から便容器5のフランジ51の厚さ寸法と略同一の隙間をあけて一面を上側にして配されている。係止板46の他面には、左右方向の周縁部夫々に摺動板47,47が連設され、摺動板47,47の下側の端面は、座板1の後方向下向きに傾斜している。摺動板47,47夫々の前側には、断面が略L字形をなす支持金具48,48が固定してある。支持金具48,48は、夫々上側の一片が摺動板47,47の内側面に沿うように、しかも下側の他片が、摺動板47,47の下側の端面から下方向へ所定の隙間を設けて左右方向外向きに突出するように配してある。
座枠38を構成する側板31,31の内側面には、座板1の後方向下向きに傾斜するように延設された傾斜板52,52が夫々固着されている。傾斜板52,52は、摺動板47,47の下側の端面が当接している当接部53,53を備え、この当接部53,53にて係止部4を支持しており、摺動板47,47の前側に固定された支持金具48,48の他片は、当接部53,53の下側に位置している。座枠38を構成する前板30と係止板46との間には、スプリング44が張設され、スプリング44は、係止部4に係止される便容器5が座板1の下側に位置するように係止部4を付勢している。
このような構成により、係止部4をスプリング44の付勢力に抗して座板1の後方向へ引き出すようにした場合には、係止部4は、座板1との相対角度を略同一に保持したまま傾斜板52,52に沿って摺動し、座板1に対して下方向へ相対移動する。係止部4は、座板1の後方向へ摺動することにより後側が傾斜板52,52の上から外れ、自重の作用により前側を持ち上げるモーメント力が働いても、支持金具48,48の他片が傾斜板52,52の当接部53,53の下側面に当接して支持するから、傾斜板52,52から脱落することがない。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態2と同様のため、対応する構成部材に同一の参照符号を付し、その構成及び作用の説明を省略する。
以上の実施の形態では、本発明に係る椅子を構成する各部品を、例えば、木製としたが、本発明に係る椅子を構成する各部品の材料は木材に限らない。また、閉鎖板2の取り外しを、座板1の前側を持ち上げて下側からするとしたが、閉鎖板2の取り外しは、便容器5及び係止部4を取り外した後、後脚3b,3b間から行ってもよい。さらに、便容器5の着脱及び座板1の下側へ位置させるための洋式便器55の導入は、後脚3b,3b間から行ったが、便容器5の着脱及び座板1の下側へ位置させるための洋式便器55の導入は、後脚3b,3b間に限らず、例えば、前脚3a及び後脚3b間から行ってもよい。
また、実施の形態2では、閉鎖板2に設けられた掛止部23を環状の金具を有するようにし、座板1に設けられた被掛止部24をフック状の金具としたが、掛止部23及び被掛止部24の構成は、前述の構成に限らず、互いに掛止できるように構成されていればよい。
また、実施の形態2では、係止部4を付勢する付勢手段にスプリング44を用いたが、付勢手段は、スプリング44に限らず、例えばゴム紐でもよく、係止部4に係止される便容器5が座板1の下側に位置するように係止部4を付勢するものであればよい。
以上、本発明に係る椅子の実施の形態について説明したが、本発明に係る椅子の構成は、前述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲にて変更することも可能である。また、本発明に係る椅子は、前述した構成を全て備える必要はなく、一部の構成を削除したものでもよい。
本発明に係る椅子の側面図である。 本発明に係る椅子の背面図である。 本発明に係る椅子の分解斜視図である。 閉鎖板の取り外しの手順の説明図である。 便所内の洋式便器を包囲するように被せる手順の説明図である。 実施の形態の椅子の分解斜視図である。 実施の形態の椅子の断面図である。 閉鎖板が取付けられた座板の近傍の一部を示す斜視図である。 実施の形態の椅子の分解斜視図である。 実施の形態の椅子の断面図である。
符号の説明
1 座板
2 閉鎖板
3a 前脚(脚部)
3b 後脚(脚部)
4 係止部
5 便容器
6 背当て部
7 足置き板
8 車輪
9 制動部材
10 排便孔
20 凸部
22 支持部
23 掛止部
41 導入口
42 アーム
44 スプリング(付勢手段)
52 傾斜板
55 洋式便器
71 回転軸
90 コイルスプリング(付勢部材)
91 牽引部材
92 レバー
95 操作部
96 連結部

Claims (12)

  1. 洋式便器を包囲するようにして使用する椅子であって、
    排便孔が形成された座板と、
    前記座板の下側に着脱可能に設けられ、前記排便孔を閉鎖する閉鎖板と、
    脚部の下部に設けられた車輪と
    を備えることを特徴とする椅子。
  2. 前記閉鎖板は、前記排便孔に嵌合される凸部を一面に設けてあることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
  3. 前記座板の前側にて前記閉鎖板を支持する支持部と、前記座板の後側にて前記閉鎖板を前記座板に掛止する掛止部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
  4. 便容器を前記座板の下側に係止する係止部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の椅子。
  5. 前記係止部は、前記便容器を導入して係止するための導入口を前記座板の後側に備えることを特徴とする請求項4に記載の椅子。
  6. 前記係止部は、前記座板の下側で前記座板と略直交する面内にて揺動するアームに枢支され、前記座板に対して上下方向へ相対移動するように構成してあることを特徴とする請求項4又は5に記載の椅子。
  7. 前記係止部は、前記座板の下側で前記座板の後方向下向きに傾斜して設けられた傾斜板に支持され、該傾斜板に沿って前記座板の後方向に引き出すことが可能に構成してあることを特徴とする請求項4又は5に記載の椅子。
  8. 前記係止部に係止される便容器が前記座板の下側に位置するように前記係止部を付勢する付勢手段を更に備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の椅子。
  9. 前記座板の後側に設けられた背当て部を更に備え、
    前記座板及び背当て部は、前記脚部に対して前後方向への相対移動が可能に構成されており、
    前記座板の後部と前記背当て部の下部とを枢着してある
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の椅子。
  10. 前記車輪に当接し、前記車輪の回動を制動する制動部材と、
    該制動部材を前記車輪に付勢する付勢部材と、
    前記制動部材を前記車輪から離反させるレバーと
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の椅子。
  11. 前記制動部材は、後側の車輪に当接しており、
    前記レバーは、前記座板の後側に横設された操作部と、該操作部の端部に上端部が連結された連結部とを備え、該連結部の下端部を支点として前後方向へ揺動可能となるように取付けられており、
    前記制動部材と前記連結部の下部とを連結しており、前記レバーの前方向又は後方向への揺動に応じて、付勢力に抗して前記制動部材を牽引する牽引部材を備える
    ことを特徴とする請求項10に記載の椅子。
  12. 回転軸により前後方向へ回動可能に枢支されており、縦向きのとき、回転軸から下端までの高さの寸法が前記回転軸から前記車輪の下端までの高さの寸法より長い足置き板を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の椅子。

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