JP3612979B2 - 昇降便器装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベッドに隣接して配置される昇降便器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高齢者とか、身体障害者のように寝室中心に暮らしている人にとっては、ベッドから起きてトイレまで歩いていくことはきわめて負担が大きいものであり、この場合、介護する人が自立できない人をベッドから起こしてトイレまで連れていくようにしているが、トイレが例えば部屋の外部にあるときには、介護人の負担が大きく、途中で倒れたりする危険もある。
【0003】
また、ポータブルトレイをベッドの近くに設置した場合は、介護人の負担が楽になる反面、トイレを使わないときにはいちいち部屋の外に出しておく必要があり、ポータブルトイレの出し入れに手間がかかり、特に、狭い住宅事情にあってはポータブルトイレの置き場所を確保するのが困難な場合もあり、人目が気になったり、非衛生的になったりするという問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来例に鑑みてなされたもので、自立できない人がベッドから便器装置への乗り移る動作を容易にして、介護する人の負担を軽減すると共に、便器装置を床下に収納して部屋内部を衛生的に保つことができ、使用の安全性と使い勝手の良さの両方を満足させることができるようにした昇降便器装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ベッド1の側方Aの床部に、床蓋18にて開閉自在な床開口部17を設け、便器装置2は床開口部17を通して上下方向Bに移動自在とされ、床下11から上昇してくる便器装置2によって床蓋18が上方に押し開かれて約90°開いた状態で保持され、且つ、便器装置2が下降したときは床蓋18は自重で下方に倒れて、便器装置2全体が床下11に収納された段階で床開口部17を塞いで、部屋13の床面14の一部を構成することを特徴としており、このように構成することで、ベッド1から便器装置2への乗り移り動作を楽に行うことができ、介護人の負担を軽減できる。また、便器装置2を使わないときに床下11に収納することで、人目が気にならず、床下空間を便器の収納スペースとして有効に活用できると共に、便器装置1をいちいち部屋13の外に出したりする必要もない。
【0006】
ここで、上記便器装置2の便座5のベッド1側の側部5aに便座5に隣接して、ベッド1から便座5に乗り移るための乗り移り部12を配設するのが好ましく、この場合、乗り移り部12によって便座5がベッド1から大きく離れた感じがなくなり、上昇した便座5に乗り移る際に不安感を与えることがなく、安心して用を足すことができるようになる。
【0007】
また、上記便器装置2の下部に足載せ台8が設けられ、足載せ台8は便器装置2の上昇時にベッド1が載置された部屋13の床面7よりも高い位置に移動できるように構成されているのが好ましく、この場合、足載せ台8を部屋13の床面7よりも上方に移動させることによって、高さによる不安感を取り除くことができると共に、足載せ台8に足を載せることによって、便座5に坐り易くなり、体のバランスを崩して便座5から落ちる心配もなくなる。
【0008】
また、上記便器装置2には、便器装置2から取り出し自在となった汚物容器4が設けられているのが好ましく、この場合、汚物容器4を便器装置2から取り出すことによって汚物処理を楽に行うことができる。
また、上記汚物容器4を支持する支持台9を設け、支持台9にキャスター10を取付けるのが好ましく、この場合、汚物容器4の便器装置2からの取出しをスムーズに行うことができる。
【0009】
また、上記支持台9に汚物容器4の蓋14を出し入れ自在に収納する蓋収納部15を設けるのが好ましく、この場合、汚物容器4の上に蓋14を被せないときの蓋14の置き場所を別途確保しなくて済む。
また、上記便器の上方に回動自在に配置される回動板50に便座5を一体に設けると共に、便座5の外周部分を幅広に形成するのが好ましく、この場合、便座5の外周部分を乗り移り部として利用できるようになる。
【0010】
また、上記便座5に設けられる開口部16の後部の開口幅L1 を前部の開口幅L2 よりも幅広に形成するのが好ましく、この場合、幅広となっている後側の開口部分16aから介護する人が手を入れて、便座5に坐っている人のおしりを容易に拭くことができるようになる。
また、上記便器装置2に温水洗浄装置6を設けるのが好ましく、この場合、快適に便器装置2を使用できるようになる。
【0011】
また、上記便器装置2を床下11に収納した時に汚物容器4内部を消臭する消臭手段を設けるのが好ましく、この場合、汚物容器4からの臭気の発生を防止できる。
また、上記便器装置2を床下11に収納した時に汚物容器4内部を殺菌する殺菌手段を設けるのが好ましく、この場合、汚物容器4を常に衛生的に保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例を説明する。
ベッド1の側方Aには、図1に示すように、ベッド1に隣接して便器装置2が配設されている。この便器装置2は、後述する昇降ユニット20によって上下移動自在とされると共に、床下11に収納可能となっている。
【0013】
ベッド1に隣接した床部には床開口部17が設けられ、この床開口部17に開閉自在な床蓋18が設けられている。便器装置2は床開口部17を通して上下方向Bに移動自在とされ、床下11への収納状態からベッド1の側方Aのベッド1に隣接した位置まで上昇した状態に移行できるようになっている。
床蓋18の一端部には連結レバー19の上端部が枢着されており、連結レバー19の下端部は床開口部17の内側に設けたレバースライド孔部(図示せず)に抜け止め状態でスライド自在に挿入されている。そして、床蓋18を約90°開いたときに連結レバー19の下端部がレバースライド孔部に引っ掛かって抜け止めされることによって、床蓋18がそれ以上後ろに倒れないようにしてある。図1に示す実施形態では、床蓋18は、床下11から上昇してくる便器装置2によって自動的に上方に押し開かれて、垂直姿勢より少し前傾姿勢で保持されるものであり、また、便器装置2が下降したときには、図2に示すように、床蓋18はその自重で下方に倒れて、便器装置2全体が床下11に収納された段階で床開口部17を完全に塞いで、部屋13の床面14の一部を構成するものである。
【0014】
便器装置2は、図3に示すように、部屋13の床面7よりも高い位置に移動可能な足載せ台8の中央側に載置される便器本体3と、便器本体3から取り出し自在となった汚物容器4(図5)とで主体が構成されている。便器本体3は、汚物容器4を左右及び背後から囲む平面視コ字形のケース部21と、ケース部21の後部上面にヒンジ結合された回動板50と、ケース部21に取付けられた温水洗浄装置6(図5)とを備えている。
【0015】
回動板50の横幅Dは、図3に示すように、便器装置2の上端部の横幅dよりも幅広に形成されている。この回動板50の中央部に開口部16が設けられており、この開口部16の周辺部分はおしりを乗せて支持する便座5となっている。この開口部16は、後部の開口幅L1 が前部の開口幅L2 よりも幅広に形成されており、この幅広となっている開口部分16a側から手を入れて便座5に坐っている人のおしりを拭くことができるようになっている。また、回動板50における便座5のベッド1側の側部5aは乗り移り部12となっている。この乗り移り部12は、ベッド1から便座5への乗り移り動作を容易にするためのものであって、必ずしも便座5に一体に設けられている必要はなく、例えばベッド1と便座5との間に乗り移り部を別に設けるようにしてもよいものである。
【0016】
また、回動板50の乗り移り部12が設けられる側部5aとは反対側の側部には、図3に示すように、温水洗浄装置6等のスイッチ部24が設けられている。またケース部21内には温水洗浄装置6に温水を自動供給するためのタンク、ポンプ等からなる自動給水装置(図示せず)が内蔵されている。さらに、スイッチ部24の近傍位置には、洗浄水を給水するための蓋付き給水口26と、消臭剤や殺菌剤を注入するための蓋付きの注入口27と、トイレットペーパー28用のホルダー29(図5)とがそれぞれ設けられている。給水口26からの水はケース部21内の温水タンク(図示せず)内に溜められる。この温水タンクは、ケース内に一体に内蔵されてもよいが、ケース部21から取外し自在となったカセット式タンクであってもよい。また注入口27から注入される消臭剤等はケース部21内の自動ケミカル剤注入装置(図示せず)に供給され、例えばスイッチ部24の操作によって一定量の消臭剤や殺菌剤を汚物容器4内に供給できるようになっている。
【0017】
上記回動板50の枢支部には、図4に示す便座5の上面を開閉する便座蓋23が回動レバー22により回動自在に取付けられている。この便座蓋23を起立させたときには、前記床蓋18を起立状態で保持した状態で、便座蓋23が背後から支持された状態(図1、図3の状態)となり、便座蓋23を背もたれ部として兼用できるものである。
【0018】
さらに、便座5の開口部16の下方には、図5に示すように、バケツ等の汚物容器4が配置されている。この汚物容器4は容器状の支持台9で支持されており、支持台9の底部にはキャスター10が取付けられており、足載せ台8上を走行させて便器本体3から容易に取り出せるようにしてある。
また、回動板50の両側の上方には、図3、図6に示すように、一対のアームレスト30がはね上げ自在に配置されている。一対のアームレスト30は、前記床蓋18の裏面の左右両側に凹設されたアームレスト収納凹所31にそれぞれ収納自在となっている。各アームレスト30の略中央部は支持バー32を介してアームレスト収納凹所31内部に回動自在に支持されている。アームレスト収納凹所31内の略下半部にはガイドレール33が設けられており、アームレスト30の基端部に設けたガイド軸34がガイドレール33に沿ってスライド自在に支持されている。そして、アームレスト30の先端部を図6の矢印方向イに手ではね上げると、アームレスト30の基端部がガイドレール33に沿って下方に移動すると同時に、支持バー32がアームレスト収納凹所31内に回動して、図6(a)のようにアームレスト30全体がアームレスト収納凹所31内に収納されるものであり、また、アームレスト30を前に倒すと、アームレスト30のガイド軸34がガイドレール33の上端部まで移動して、支持バー32を介してアームレスト30を水平方向に突出させて保持できるようになっている。
【0019】
一方、床下11には、図1に示すように、排気ファン(図示せず)によって便器装置2の臭いを屋外に排気するための排気ダクト34が設けられていると共に、便器装置2が設置された足載せ台8を上下移動させるための昇降ユニット20(図7)が設けられている。図1中の15は支柱部である。
この昇降ユニット20は、図7に示すように、電動モータ35で便器装置2を上下移動させる構造となっている。足載せ台8の下面側に固定される上部フレーム36と床下11の床スラブ上に固定される下部フレーム37とがX軸形に連結されたリンク片38,39を介して連結されている。一方のリンク片38の上端部38aは上部フレーム36の一端部に回動自在に支持され、下端部38bは下部フレーム37の他端部側に設けたガイド孔40に沿って水平方向にスライド支持されている。他方のリンク片39の上端部39aは上部フレーム36の一端部側に設けたガイド孔41に沿って水平方向にスライド支持され、下端部39bは下部フレーム37の他端部に回動自在に支持されている。また、一方のリンク片38の下端部38bは、床下11に収納した正逆回転可能な電動モータ35の回転軸42に連結されている。本実施形態では、回転軸42にネジ部を形成し、このネジ部に一方のリンク片38の下端部38bを螺合させることにより、回転軸42の正回転時に一方のリンク片38の下端部38bをガイド孔41の一端部側から他端部側にスライドさせて、両リンク片38,39が同時に起立して便器装置2が上昇するようになっており、また回転軸42の逆回転により一方のリンク片38の下端部38bがガイド孔40の他端部側から一端部側にスライドすることで、両リンク片38,39が同時に倒れて便器装置2が下降するようになっている。このようにX軸型に連結されたリンク片38,39を上下に伸縮させることによって、便座5を備えた回動板50を水平姿勢に保った状態で、便器装置2全体を上下移動できるものである。なお電動モータ35のスイッチ操作はベッド1に設置されたリモコン操作器25で行われる。
【0020】
しかして、ベッド1側のリモコン操作器25を操作して、昇降ユニット20の電動モータ35を駆動させると、床下11に収納されている便器装置2が上昇して、ベッド1の側方Aにベッド1に隣接して配置されるようになる。従って、従来のようにベッド1からいちいち降りてトイレまで歩く必要がなくなり、介護する人の負担を軽減できる。もちろん、自立できない人が介護人なしで、昇降ユニット20を電動で動かして、自力で便器の使用が可能となる。
【0021】
また便座5に乗り移る際に、回動板50のベッド1側の側部5aには乗り移り部12が設けられているので、ベッド1から便座5への乗り移り動作に不安感を与えることがなくなる。つまり、回動板50を汚物容器4よりも幅広にして、そのベッド1側の側部5aを乗り移り部12とすることで、ベッド1から便座5への乗り移り動作をスムーズに行えるようになり、介護人の負担を軽減できる。また介護される人にとっても、乗り移り部12によって便座5がベッド1から大きく離れた感じがなくなり、上昇した便座5に乗り移る際に不安感を与えることがなく、安心して用を足すことができるようになる。また、便座5に乗り移る際に、アームレスト30は床蓋18のアームレスト収納凹所31内に収納されているので、乗り移り動作の途中でアームレスト30が邪魔にならず、しかもアームレスト30の2箇所が支持バー32とガイドレール33とでそれぞれ支持されているので、アームレスト30を手で降ろさない限り、急に降りてくる心配がなく、安心して便座5に乗り移ることができ、その後、アームレスト30を手で降ろしてその上に腕を乗せることによって、用便時の体の安定感が良くなり、そのうえ便座蓋23を背もたれ部として兼用できるので、用便を快適且つ安全に行えるようになる。さらに、便座5に乗り移る際に、便器装置2の下部に設けた足載せ台8を、部屋13の床面7よりも高い位置に移動させることによって、便座5に坐り易くなる。ちなみに、足載せ台8を設けない場合は、部屋13の床面7から便座5までの高さが目立ち易く、高さによる不安感を与えてしまうが、足載せ台8を床面7よりも上方に移動させる構造とすることによって、高さによる不安を取り除くことができると共に、足載せ台8に足を載せることによって、体のバランスを崩して落ちる心配もなくなり、より安全に使用できるようになり、また、通常のトイレを使用する場合のような中腰姿勢をとらなくて済むので、特に高齢者や身体障害者のように足腰の弱った人にとって使い易くなる。
【0022】
そして、用を足した後で、ケース部21上面のスイッチ部24を操作して温水洗浄装置6のポンプを作動させると、温水タンク内の温水(洗浄水)が洗浄ノズルから吐出して、おしりの洗浄が開始され、快適に便器装置2を使用することができる。また、介護人が便座5の幅広となっている後部の開口部分16aから手を入れることで、便座5に坐っている人のおしりを容易に拭くことができ、介護がし易くなる。
【0023】
用便後にはベッド1に戻り、便器装置2を下降させて、床下11に収納する。このとき、床蓋18を閉じることで、図2のように床蓋18が部屋13の床面7と面一となり、便器を外観上違和感なく床下11に収納できるようになる。また床蓋18が部屋13の床の一部を構成することで、ベッド1の回りの床面7がすっきりしたものとなる。このように、便器装置2を床下11に収納することによって、便器装置2の収まりがよく、人目が気にならなくなると共に、従来のポータブルトイレのように部屋から出し入れしたり、別に置き場所を確保したりする必要もなくなる。また、床下空間を便器の収納スペースとして有効に活用できるので、部屋内部を衛生的に保つことができる。さらに、便器装置2を床下11に収納する前に、スイッチ部24を操作して一定量の消臭剤及び/又は殺菌剤を汚物容器4内部に注入することにより、汚物容器4内からの臭気の漏れを防止できると共に、汚物容器4内も衛生的に保てるようになる。
【0024】
なお便器装置2を昇降させる手段として、本実施例では電動モータ35を用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば油圧シリンダ、或いは歯車機構などの駆動装置を用いてもよいものである。
図8は汚物容器4の支持台9の他の実施形態を示している。この支持台9は、その後部に汚物容器4の蓋50を出し入れ自在に収納する蓋収納部51が設けられており、蓋50を立てて蓋収納部51内に落とし込んで収納できると共に、蓋50を上方に引き出して前に倒すことにより汚物容器4の上に被せることができるようになっている。蓋50によって、汚物容器4からの臭気の漏れを防止できると共に、汚物容器4の使用時又は清掃時には蓋の置き場所を別途確保する必要がなくなり、使い勝手を更に良くすることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、ベッドの側方の床部に、床蓋にて開閉自在な床開口部を設け、便器装置は床開口部を通して上下方向に移動自在とされ、床下から上昇してくる便器装置によって床蓋が上方に押し開かれて約90°開いた状態で保持され、且つ、便器装置が下降したときは床蓋は自重で下方に倒れて、便器装置全体が床下に収納された段階で床開口部を塞いで、部屋の床面の一部を構成したから、便器装置を上昇させてベッドの側方にベッドに隣接して便器装置を配設することによって、ベッドから便器装置への乗り移り動作を楽に行うことができる。従って、従来のように自立できない人を介護人がベッドから起こして、トイレまで連れていく必要がなく、一人でも楽に用便が足せるようになるので、介護する人の負担を軽減することができる。また、便器装置を使わないときは床下に収納できるので、人目が気にならず、床下空間を便器の収納スペースとして有効に活用することで、便器をいちいち部屋の外に出したりする必要がなくなり、特に、狭い住宅事情においても部屋内部を衛生的に保つことができる結果、便器の使用の安全性と使い勝手の良さの両方を満足させることができるものである。
【0026】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置の便座のベッド側の側部に便座に隣接して、ベッドから便座に乗り移るための乗り移り部を配設したから、乗り移り部によって便座がベッドから大きく離れた感じがなくなり、上昇した便座に乗り移る際に不安感を与えることがなく、安心して用を足すことができるようになり、昇降式の便器装置を楽にしかも違和感なく使用できるようになる。
【0027】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置の下部に足載せ台が設けられ、足載せ台は便器装置の上昇時にベッドが載置された部屋の床面よりも高い位置に移動できるように構成されているから、足載せ台を部屋の床面よりも上方に移動させることによって、高さによる不安感を取り除くことができると共に、足載せ台に足を載せることによって、便座に坐り易くなり、体のバランスを崩して便座から落ちる心配もなくなり、より安全に使用できるようになる。
【0028】
また請求項4記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置には、便器装置から取り出し自在となった汚物容器が設けられているから、汚物容器を便器装置から取り出すことによって汚物処理を楽に行うことができる。
また請求項5記載の発明は、請求項4記載の効果に加えて、汚物容器を支持する支持台を設け、支持台にキャスターを取付けたから、汚物容器の便器装置からの取出しをスムーズに行うことができ、清掃性が一層向上する。
【0029】
また請求項6記載の発明は、請求項5記載の効果に加えて、支持台に汚物容器の蓋を出し入れ自在に収納する蓋収納部を設けたから、汚物容器の上に蓋を被せないときの蓋の置場を別途確保する必要がなくなる。
また請求項7記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、便器の上方に回動自在に配置される回動板に便座を一体に設けると共に、この便座の外周部分を幅広に形成したから、便座の外周部分を乗り移り部として使用でき、乗り移り部を利用しての乗り移り動作をよりスムーズに行うことができ、使い勝手が更に良くなる。
【0030】
また請求項8記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便座に設けられる開口部の後部の開口幅を前部の開口幅よりも幅広に形成したから、幅広の開口部から介護する人が手を入れて、便座に坐っている人のおしりを容易に拭くことができ、介護がし易くなる。
また請求項9記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置に温水洗浄装置を設けたから、温水洗浄装置によって快適に便器装置を使用できるようになる。
【0031】
また請求項10記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置を床下に収納した時に汚物容器内部を消臭する消臭手段を設けたから、汚物容器からの臭気の発生を防止できる。
また請求項11記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置を床下に収納した時に汚物容器内部を殺菌する殺菌手段を設けたから、汚物容器を常に衛生的に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】同上の床蓋を閉じた状態の斜視図である。
【図3】同上の便器装置の斜視図である。
【図4】(a)は便座蓋付き便座の斜視図、(b)〜(d)は便座蓋の開閉動作の説明図である。
【図5】同上の汚物容器を取り出した状態の斜視図である。
【図6】(a)はアームレストの使用状態の断面図、(b)はアームレストの収納状態の断面図である。
【図7】(a)は昇降ユニットによる便器装置の上昇時の説明図、(b)は床下収納時の説明図である。
【図8】他の実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
1 ベッド
2 便器装置
4 汚物容器
5 便座
5a 側部
6 温水洗浄装置
7 床面
8 足載せ台
9 支持台
10 キャスター
11 床下
12 乗り移り部
14 蓋
15 蓋収納部
A ベッドの側方
D 便座の横幅
d 便器装置の横幅
L1 後部の開口幅
L2 前部の開口幅
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベッドに隣接して配置される昇降便器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高齢者とか、身体障害者のように寝室中心に暮らしている人にとっては、ベッドから起きてトイレまで歩いていくことはきわめて負担が大きいものであり、この場合、介護する人が自立できない人をベッドから起こしてトイレまで連れていくようにしているが、トイレが例えば部屋の外部にあるときには、介護人の負担が大きく、途中で倒れたりする危険もある。
【0003】
また、ポータブルトレイをベッドの近くに設置した場合は、介護人の負担が楽になる反面、トイレを使わないときにはいちいち部屋の外に出しておく必要があり、ポータブルトイレの出し入れに手間がかかり、特に、狭い住宅事情にあってはポータブルトイレの置き場所を確保するのが困難な場合もあり、人目が気になったり、非衛生的になったりするという問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来例に鑑みてなされたもので、自立できない人がベッドから便器装置への乗り移る動作を容易にして、介護する人の負担を軽減すると共に、便器装置を床下に収納して部屋内部を衛生的に保つことができ、使用の安全性と使い勝手の良さの両方を満足させることができるようにした昇降便器装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ベッド1の側方Aの床部に、床蓋18にて開閉自在な床開口部17を設け、便器装置2は床開口部17を通して上下方向Bに移動自在とされ、床下11から上昇してくる便器装置2によって床蓋18が上方に押し開かれて約90°開いた状態で保持され、且つ、便器装置2が下降したときは床蓋18は自重で下方に倒れて、便器装置2全体が床下11に収納された段階で床開口部17を塞いで、部屋13の床面14の一部を構成することを特徴としており、このように構成することで、ベッド1から便器装置2への乗り移り動作を楽に行うことができ、介護人の負担を軽減できる。また、便器装置2を使わないときに床下11に収納することで、人目が気にならず、床下空間を便器の収納スペースとして有効に活用できると共に、便器装置1をいちいち部屋13の外に出したりする必要もない。
【0006】
ここで、上記便器装置2の便座5のベッド1側の側部5aに便座5に隣接して、ベッド1から便座5に乗り移るための乗り移り部12を配設するのが好ましく、この場合、乗り移り部12によって便座5がベッド1から大きく離れた感じがなくなり、上昇した便座5に乗り移る際に不安感を与えることがなく、安心して用を足すことができるようになる。
【0007】
また、上記便器装置2の下部に足載せ台8が設けられ、足載せ台8は便器装置2の上昇時にベッド1が載置された部屋13の床面7よりも高い位置に移動できるように構成されているのが好ましく、この場合、足載せ台8を部屋13の床面7よりも上方に移動させることによって、高さによる不安感を取り除くことができると共に、足載せ台8に足を載せることによって、便座5に坐り易くなり、体のバランスを崩して便座5から落ちる心配もなくなる。
【0008】
また、上記便器装置2には、便器装置2から取り出し自在となった汚物容器4が設けられているのが好ましく、この場合、汚物容器4を便器装置2から取り出すことによって汚物処理を楽に行うことができる。
また、上記汚物容器4を支持する支持台9を設け、支持台9にキャスター10を取付けるのが好ましく、この場合、汚物容器4の便器装置2からの取出しをスムーズに行うことができる。
【0009】
また、上記支持台9に汚物容器4の蓋14を出し入れ自在に収納する蓋収納部15を設けるのが好ましく、この場合、汚物容器4の上に蓋14を被せないときの蓋14の置き場所を別途確保しなくて済む。
また、上記便器の上方に回動自在に配置される回動板50に便座5を一体に設けると共に、便座5の外周部分を幅広に形成するのが好ましく、この場合、便座5の外周部分を乗り移り部として利用できるようになる。
【0010】
また、上記便座5に設けられる開口部16の後部の開口幅L1 を前部の開口幅L2 よりも幅広に形成するのが好ましく、この場合、幅広となっている後側の開口部分16aから介護する人が手を入れて、便座5に坐っている人のおしりを容易に拭くことができるようになる。
また、上記便器装置2に温水洗浄装置6を設けるのが好ましく、この場合、快適に便器装置2を使用できるようになる。
【0011】
また、上記便器装置2を床下11に収納した時に汚物容器4内部を消臭する消臭手段を設けるのが好ましく、この場合、汚物容器4からの臭気の発生を防止できる。
また、上記便器装置2を床下11に収納した時に汚物容器4内部を殺菌する殺菌手段を設けるのが好ましく、この場合、汚物容器4を常に衛生的に保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例を説明する。
ベッド1の側方Aには、図1に示すように、ベッド1に隣接して便器装置2が配設されている。この便器装置2は、後述する昇降ユニット20によって上下移動自在とされると共に、床下11に収納可能となっている。
【0013】
ベッド1に隣接した床部には床開口部17が設けられ、この床開口部17に開閉自在な床蓋18が設けられている。便器装置2は床開口部17を通して上下方向Bに移動自在とされ、床下11への収納状態からベッド1の側方Aのベッド1に隣接した位置まで上昇した状態に移行できるようになっている。
床蓋18の一端部には連結レバー19の上端部が枢着されており、連結レバー19の下端部は床開口部17の内側に設けたレバースライド孔部(図示せず)に抜け止め状態でスライド自在に挿入されている。そして、床蓋18を約90°開いたときに連結レバー19の下端部がレバースライド孔部に引っ掛かって抜け止めされることによって、床蓋18がそれ以上後ろに倒れないようにしてある。図1に示す実施形態では、床蓋18は、床下11から上昇してくる便器装置2によって自動的に上方に押し開かれて、垂直姿勢より少し前傾姿勢で保持されるものであり、また、便器装置2が下降したときには、図2に示すように、床蓋18はその自重で下方に倒れて、便器装置2全体が床下11に収納された段階で床開口部17を完全に塞いで、部屋13の床面14の一部を構成するものである。
【0014】
便器装置2は、図3に示すように、部屋13の床面7よりも高い位置に移動可能な足載せ台8の中央側に載置される便器本体3と、便器本体3から取り出し自在となった汚物容器4(図5)とで主体が構成されている。便器本体3は、汚物容器4を左右及び背後から囲む平面視コ字形のケース部21と、ケース部21の後部上面にヒンジ結合された回動板50と、ケース部21に取付けられた温水洗浄装置6(図5)とを備えている。
【0015】
回動板50の横幅Dは、図3に示すように、便器装置2の上端部の横幅dよりも幅広に形成されている。この回動板50の中央部に開口部16が設けられており、この開口部16の周辺部分はおしりを乗せて支持する便座5となっている。この開口部16は、後部の開口幅L1 が前部の開口幅L2 よりも幅広に形成されており、この幅広となっている開口部分16a側から手を入れて便座5に坐っている人のおしりを拭くことができるようになっている。また、回動板50における便座5のベッド1側の側部5aは乗り移り部12となっている。この乗り移り部12は、ベッド1から便座5への乗り移り動作を容易にするためのものであって、必ずしも便座5に一体に設けられている必要はなく、例えばベッド1と便座5との間に乗り移り部を別に設けるようにしてもよいものである。
【0016】
また、回動板50の乗り移り部12が設けられる側部5aとは反対側の側部には、図3に示すように、温水洗浄装置6等のスイッチ部24が設けられている。またケース部21内には温水洗浄装置6に温水を自動供給するためのタンク、ポンプ等からなる自動給水装置(図示せず)が内蔵されている。さらに、スイッチ部24の近傍位置には、洗浄水を給水するための蓋付き給水口26と、消臭剤や殺菌剤を注入するための蓋付きの注入口27と、トイレットペーパー28用のホルダー29(図5)とがそれぞれ設けられている。給水口26からの水はケース部21内の温水タンク(図示せず)内に溜められる。この温水タンクは、ケース内に一体に内蔵されてもよいが、ケース部21から取外し自在となったカセット式タンクであってもよい。また注入口27から注入される消臭剤等はケース部21内の自動ケミカル剤注入装置(図示せず)に供給され、例えばスイッチ部24の操作によって一定量の消臭剤や殺菌剤を汚物容器4内に供給できるようになっている。
【0017】
上記回動板50の枢支部には、図4に示す便座5の上面を開閉する便座蓋23が回動レバー22により回動自在に取付けられている。この便座蓋23を起立させたときには、前記床蓋18を起立状態で保持した状態で、便座蓋23が背後から支持された状態(図1、図3の状態)となり、便座蓋23を背もたれ部として兼用できるものである。
【0018】
さらに、便座5の開口部16の下方には、図5に示すように、バケツ等の汚物容器4が配置されている。この汚物容器4は容器状の支持台9で支持されており、支持台9の底部にはキャスター10が取付けられており、足載せ台8上を走行させて便器本体3から容易に取り出せるようにしてある。
また、回動板50の両側の上方には、図3、図6に示すように、一対のアームレスト30がはね上げ自在に配置されている。一対のアームレスト30は、前記床蓋18の裏面の左右両側に凹設されたアームレスト収納凹所31にそれぞれ収納自在となっている。各アームレスト30の略中央部は支持バー32を介してアームレスト収納凹所31内部に回動自在に支持されている。アームレスト収納凹所31内の略下半部にはガイドレール33が設けられており、アームレスト30の基端部に設けたガイド軸34がガイドレール33に沿ってスライド自在に支持されている。そして、アームレスト30の先端部を図6の矢印方向イに手ではね上げると、アームレスト30の基端部がガイドレール33に沿って下方に移動すると同時に、支持バー32がアームレスト収納凹所31内に回動して、図6(a)のようにアームレスト30全体がアームレスト収納凹所31内に収納されるものであり、また、アームレスト30を前に倒すと、アームレスト30のガイド軸34がガイドレール33の上端部まで移動して、支持バー32を介してアームレスト30を水平方向に突出させて保持できるようになっている。
【0019】
一方、床下11には、図1に示すように、排気ファン(図示せず)によって便器装置2の臭いを屋外に排気するための排気ダクト34が設けられていると共に、便器装置2が設置された足載せ台8を上下移動させるための昇降ユニット20(図7)が設けられている。図1中の15は支柱部である。
この昇降ユニット20は、図7に示すように、電動モータ35で便器装置2を上下移動させる構造となっている。足載せ台8の下面側に固定される上部フレーム36と床下11の床スラブ上に固定される下部フレーム37とがX軸形に連結されたリンク片38,39を介して連結されている。一方のリンク片38の上端部38aは上部フレーム36の一端部に回動自在に支持され、下端部38bは下部フレーム37の他端部側に設けたガイド孔40に沿って水平方向にスライド支持されている。他方のリンク片39の上端部39aは上部フレーム36の一端部側に設けたガイド孔41に沿って水平方向にスライド支持され、下端部39bは下部フレーム37の他端部に回動自在に支持されている。また、一方のリンク片38の下端部38bは、床下11に収納した正逆回転可能な電動モータ35の回転軸42に連結されている。本実施形態では、回転軸42にネジ部を形成し、このネジ部に一方のリンク片38の下端部38bを螺合させることにより、回転軸42の正回転時に一方のリンク片38の下端部38bをガイド孔41の一端部側から他端部側にスライドさせて、両リンク片38,39が同時に起立して便器装置2が上昇するようになっており、また回転軸42の逆回転により一方のリンク片38の下端部38bがガイド孔40の他端部側から一端部側にスライドすることで、両リンク片38,39が同時に倒れて便器装置2が下降するようになっている。このようにX軸型に連結されたリンク片38,39を上下に伸縮させることによって、便座5を備えた回動板50を水平姿勢に保った状態で、便器装置2全体を上下移動できるものである。なお電動モータ35のスイッチ操作はベッド1に設置されたリモコン操作器25で行われる。
【0020】
しかして、ベッド1側のリモコン操作器25を操作して、昇降ユニット20の電動モータ35を駆動させると、床下11に収納されている便器装置2が上昇して、ベッド1の側方Aにベッド1に隣接して配置されるようになる。従って、従来のようにベッド1からいちいち降りてトイレまで歩く必要がなくなり、介護する人の負担を軽減できる。もちろん、自立できない人が介護人なしで、昇降ユニット20を電動で動かして、自力で便器の使用が可能となる。
【0021】
また便座5に乗り移る際に、回動板50のベッド1側の側部5aには乗り移り部12が設けられているので、ベッド1から便座5への乗り移り動作に不安感を与えることがなくなる。つまり、回動板50を汚物容器4よりも幅広にして、そのベッド1側の側部5aを乗り移り部12とすることで、ベッド1から便座5への乗り移り動作をスムーズに行えるようになり、介護人の負担を軽減できる。また介護される人にとっても、乗り移り部12によって便座5がベッド1から大きく離れた感じがなくなり、上昇した便座5に乗り移る際に不安感を与えることがなく、安心して用を足すことができるようになる。また、便座5に乗り移る際に、アームレスト30は床蓋18のアームレスト収納凹所31内に収納されているので、乗り移り動作の途中でアームレスト30が邪魔にならず、しかもアームレスト30の2箇所が支持バー32とガイドレール33とでそれぞれ支持されているので、アームレスト30を手で降ろさない限り、急に降りてくる心配がなく、安心して便座5に乗り移ることができ、その後、アームレスト30を手で降ろしてその上に腕を乗せることによって、用便時の体の安定感が良くなり、そのうえ便座蓋23を背もたれ部として兼用できるので、用便を快適且つ安全に行えるようになる。さらに、便座5に乗り移る際に、便器装置2の下部に設けた足載せ台8を、部屋13の床面7よりも高い位置に移動させることによって、便座5に坐り易くなる。ちなみに、足載せ台8を設けない場合は、部屋13の床面7から便座5までの高さが目立ち易く、高さによる不安感を与えてしまうが、足載せ台8を床面7よりも上方に移動させる構造とすることによって、高さによる不安を取り除くことができると共に、足載せ台8に足を載せることによって、体のバランスを崩して落ちる心配もなくなり、より安全に使用できるようになり、また、通常のトイレを使用する場合のような中腰姿勢をとらなくて済むので、特に高齢者や身体障害者のように足腰の弱った人にとって使い易くなる。
【0022】
そして、用を足した後で、ケース部21上面のスイッチ部24を操作して温水洗浄装置6のポンプを作動させると、温水タンク内の温水(洗浄水)が洗浄ノズルから吐出して、おしりの洗浄が開始され、快適に便器装置2を使用することができる。また、介護人が便座5の幅広となっている後部の開口部分16aから手を入れることで、便座5に坐っている人のおしりを容易に拭くことができ、介護がし易くなる。
【0023】
用便後にはベッド1に戻り、便器装置2を下降させて、床下11に収納する。このとき、床蓋18を閉じることで、図2のように床蓋18が部屋13の床面7と面一となり、便器を外観上違和感なく床下11に収納できるようになる。また床蓋18が部屋13の床の一部を構成することで、ベッド1の回りの床面7がすっきりしたものとなる。このように、便器装置2を床下11に収納することによって、便器装置2の収まりがよく、人目が気にならなくなると共に、従来のポータブルトイレのように部屋から出し入れしたり、別に置き場所を確保したりする必要もなくなる。また、床下空間を便器の収納スペースとして有効に活用できるので、部屋内部を衛生的に保つことができる。さらに、便器装置2を床下11に収納する前に、スイッチ部24を操作して一定量の消臭剤及び/又は殺菌剤を汚物容器4内部に注入することにより、汚物容器4内からの臭気の漏れを防止できると共に、汚物容器4内も衛生的に保てるようになる。
【0024】
なお便器装置2を昇降させる手段として、本実施例では電動モータ35を用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば油圧シリンダ、或いは歯車機構などの駆動装置を用いてもよいものである。
図8は汚物容器4の支持台9の他の実施形態を示している。この支持台9は、その後部に汚物容器4の蓋50を出し入れ自在に収納する蓋収納部51が設けられており、蓋50を立てて蓋収納部51内に落とし込んで収納できると共に、蓋50を上方に引き出して前に倒すことにより汚物容器4の上に被せることができるようになっている。蓋50によって、汚物容器4からの臭気の漏れを防止できると共に、汚物容器4の使用時又は清掃時には蓋の置き場所を別途確保する必要がなくなり、使い勝手を更に良くすることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、ベッドの側方の床部に、床蓋にて開閉自在な床開口部を設け、便器装置は床開口部を通して上下方向に移動自在とされ、床下から上昇してくる便器装置によって床蓋が上方に押し開かれて約90°開いた状態で保持され、且つ、便器装置が下降したときは床蓋は自重で下方に倒れて、便器装置全体が床下に収納された段階で床開口部を塞いで、部屋の床面の一部を構成したから、便器装置を上昇させてベッドの側方にベッドに隣接して便器装置を配設することによって、ベッドから便器装置への乗り移り動作を楽に行うことができる。従って、従来のように自立できない人を介護人がベッドから起こして、トイレまで連れていく必要がなく、一人でも楽に用便が足せるようになるので、介護する人の負担を軽減することができる。また、便器装置を使わないときは床下に収納できるので、人目が気にならず、床下空間を便器の収納スペースとして有効に活用することで、便器をいちいち部屋の外に出したりする必要がなくなり、特に、狭い住宅事情においても部屋内部を衛生的に保つことができる結果、便器の使用の安全性と使い勝手の良さの両方を満足させることができるものである。
【0026】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置の便座のベッド側の側部に便座に隣接して、ベッドから便座に乗り移るための乗り移り部を配設したから、乗り移り部によって便座がベッドから大きく離れた感じがなくなり、上昇した便座に乗り移る際に不安感を与えることがなく、安心して用を足すことができるようになり、昇降式の便器装置を楽にしかも違和感なく使用できるようになる。
【0027】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置の下部に足載せ台が設けられ、足載せ台は便器装置の上昇時にベッドが載置された部屋の床面よりも高い位置に移動できるように構成されているから、足載せ台を部屋の床面よりも上方に移動させることによって、高さによる不安感を取り除くことができると共に、足載せ台に足を載せることによって、便座に坐り易くなり、体のバランスを崩して便座から落ちる心配もなくなり、より安全に使用できるようになる。
【0028】
また請求項4記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置には、便器装置から取り出し自在となった汚物容器が設けられているから、汚物容器を便器装置から取り出すことによって汚物処理を楽に行うことができる。
また請求項5記載の発明は、請求項4記載の効果に加えて、汚物容器を支持する支持台を設け、支持台にキャスターを取付けたから、汚物容器の便器装置からの取出しをスムーズに行うことができ、清掃性が一層向上する。
【0029】
また請求項6記載の発明は、請求項5記載の効果に加えて、支持台に汚物容器の蓋を出し入れ自在に収納する蓋収納部を設けたから、汚物容器の上に蓋を被せないときの蓋の置場を別途確保する必要がなくなる。
また請求項7記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、便器の上方に回動自在に配置される回動板に便座を一体に設けると共に、この便座の外周部分を幅広に形成したから、便座の外周部分を乗り移り部として使用でき、乗り移り部を利用しての乗り移り動作をよりスムーズに行うことができ、使い勝手が更に良くなる。
【0030】
また請求項8記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便座に設けられる開口部の後部の開口幅を前部の開口幅よりも幅広に形成したから、幅広の開口部から介護する人が手を入れて、便座に坐っている人のおしりを容易に拭くことができ、介護がし易くなる。
また請求項9記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置に温水洗浄装置を設けたから、温水洗浄装置によって快適に便器装置を使用できるようになる。
【0031】
また請求項10記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置を床下に収納した時に汚物容器内部を消臭する消臭手段を設けたから、汚物容器からの臭気の発生を防止できる。
また請求項11記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、便器装置を床下に収納した時に汚物容器内部を殺菌する殺菌手段を設けたから、汚物容器を常に衛生的に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】同上の床蓋を閉じた状態の斜視図である。
【図3】同上の便器装置の斜視図である。
【図4】(a)は便座蓋付き便座の斜視図、(b)〜(d)は便座蓋の開閉動作の説明図である。
【図5】同上の汚物容器を取り出した状態の斜視図である。
【図6】(a)はアームレストの使用状態の断面図、(b)はアームレストの収納状態の断面図である。
【図7】(a)は昇降ユニットによる便器装置の上昇時の説明図、(b)は床下収納時の説明図である。
【図8】他の実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
1 ベッド
2 便器装置
4 汚物容器
5 便座
5a 側部
6 温水洗浄装置
7 床面
8 足載せ台
9 支持台
10 キャスター
11 床下
12 乗り移り部
14 蓋
15 蓋収納部
A ベッドの側方
D 便座の横幅
d 便器装置の横幅
L1 後部の開口幅
L2 前部の開口幅
Claims (11)
- ベッドの側方の床部に、床蓋にて開閉自在な床開口部を設け、便器装置は床開口部を通して上下方向に移動自在とされ、床下から上昇してくる便器装置によって床蓋が上方に押し開かれて約90°開いた状態で保持され、且つ、便器装置が下降したときは床蓋は自重で下方に倒れて、便器装置全体が床下に収納された段階で床開口部を塞いで、部屋の床面の一部を構成することを特徴とする昇降便器装置。
- 便器装置の便座のベッド側の側部に便座に隣接して、ベッドから便座に乗り移るための乗り移り部を配設したことを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
- 便器装置の下部に足載せ台が設けられ、足載せ台は便器装置の上昇時にベッドが載置された部屋の床面よりも高い位置に移動できるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
- 便器装置には、便器装置から取り出し自在となった汚物容器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
- 汚物容器を支持する支持台を設け、支持台にキャスターを取付けたことを特徴とする請求項4記載の昇降便器装置。
- 支持台に汚物容器の蓋を出し入れ自在に収納する蓋収納部を設けたことを特徴とする請求項5記載の昇降便器装置。
- 便器の上方に回動自在に配置される回動板に便座を一体に設けると共に、便座の外周部分を幅広に形成したことを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
- 便座に設けられる開口部の後部の開口幅を前部の開口幅よりも幅広に形成したことを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
- 便器装置に温水洗浄装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
- 便器装置を床下に収納した時に汚物容器内部を消臭する消臭手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
- 便器装置を床下に収納した時に汚物容器内部を殺菌する殺菌手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の昇降便器装置。
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