JP2005058222A - 竹を原料とする家畜用基礎飼料、混合飼料、及びこれらの製造方法 - Google Patents

竹を原料とする家畜用基礎飼料、混合飼料、及びこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 竹の飼料化により、竹の有効利用を図る。
【解決手段】 竹の茎,稈,枝葉,皮,地下茎の1部又は全部を、スクリューの回転によって前方に圧送しながら破砕と擂り潰しを行って竹の繊維質を解繊しつつ粉砕し該粉砕物を前記スクリューの圧送力によって装置外に吐出して膨潤させるスクリュー式粉砕膨潤装置を用いて粉砕する事により竹の膨潤粉砕材を生成する。この竹の膨潤粉砕材を、家畜用基礎飼料として利用するもの。
【選択図】 図5

Description

本発明は、竹の有効利用に関するもので、特に、竹を用いた家畜用基礎飼料、混合飼料及びこれらの製造方法に関するものである。
竹は、昔から日本人の生活の中で、建築資材や家具や調度品等の材料として広く利用されてきたが、アルミニウムやプラスチック等の加工し易い安価な代替材料の出現により急速に利用価値を失っており、今や、竹細工等の民芸品の分野に細々とした用途があるに過ぎない。このため、日本中のいたる所に竹林が繁茂し、杉や檜の植林地或いは山間部の果樹園を侵食して農林業を大きく脅かす『竹害』にまで至っている。
そこで、この竹害の防止策に多くの自治体や農林関係者が取り組んでいるが、実用化されているものの中では、竹を乾留して竹炭や竹酢を生産し、この竹炭や竹酢の利用分野の拡大を図る方策が各地で盛んに行われている程度であり、大量利用には不向きである。
一方、未利用資源の有効活用の観点から、竹を家畜用の飼料とする方法も提案されている。その1つは、竹をそのまま粉末にして飼料とするもの(特許文献1)や、竹炭や竹酢を飼料添加剤として使用するもの(例えば特許文献2,3)がある。
更に、竹の飼料化については、竹を粉砕しただけでは反芻動物といえども殆ど消化できないので、これを蒸煮又は爆砕処理することによって細胞壁の構造を破壊し、消化性を向上させて飼料化する方法が提案されている。これは、蒸煮・爆砕処理は、木質構造における包埋構造を破壊して、即ち、木質系成分(セルロース,ヘミセルロース,リグニン)におけるセルロースを難分解性のリグニンで包み込んだ構造を破壊してセルロースを露出させ、酵素によるセルロースの糖化性を増大させるものである。具体的な蒸煮処理は、竹のチップを10〜20気圧,150〜200℃の高温高圧の飽和水蒸気で10〜20分間、圧力釜内で蒸煮し、この蒸煮竹チップを解繊機で解繊して綿状になし、これを基礎飼料とするものである。この蒸煮解繊材を、実際に牛に採食させて牛の体重変化等を測定したところ、熊本県畜産試験場阿蘇支部における結果では、乾草に50%の蒸煮竹を配合したものと乾草のみの場合とで有意差が認められないとの報告があり、一方、徳島県肉畜試験場では、稲わら代替として10%程度の蒸煮モウソウ竹を採食させたところ、まずまずの成績であったと報告されている(非特許文献1)。又、爆砕処理は、圧力釜内で210℃以上で20気圧以上の飽和水蒸気で数分間処理した後、急速に大気中に放出して爆砕(ポップコーンの原理)するものである(非特許文献1)。
又、一般的な技術として、剪定枝や廃材を含む木質材を、加圧しながら擂り潰して粉砕し、これを装置外に吐出する事によって膨潤粉砕材を製造する装置として、植繊機(神鋼造機株式会社の登録商標)の商品名で販売されているスクリュー式膨潤粉砕装置が知られている(例えば特許文献4)
特開2000−224960号公報(特許請求の範囲及び図面参照) 特開平11−18692号公報(要約参照) 特開平7−308156号公報(要約参照) 特開平8−253385号公報(図面参照) 中央畜産会発行「畜産コンサルタント(1989),No.291,3月号(P12〜17参照)
ところで、特許文献1に記載のものは、竹を微粉砕したものを飼料や食品添加物として使用するとのアイデアだけであり、具体的な内容はない。特に、前記非特許文献1に記載されている様に、竹を含めて木質材の細胞壁の構造は、骨格的役割を持つ結晶性のセルロースがリグニン層に包まれた包埋構造をしており、反芻動物の胃内の酵素が難分解性のリグニンに妨げられてセルロースやヘミセルロースと接触できず、セルロースの強固な結晶構造を壊す事ができないため、これらの単なる粉砕物は、反芻動物の胃内において殆ど消化される事はない。従って、特許文献1に記載の竹の単なる微粉砕物は、この包埋構造を破壊しない限り飼料としては不適当であり、特許文献1に記載の単なる破砕機では、係る包埋構造の破壊は不可能である。
又、特許文献2,3のものは、竹を乾留して得られた竹炭や竹酢を飼料に添加するものであって、竹自体を飼料化するものではない。又、これらを飼料に添加しても大量に使用されるものではなく、且つ、竹炭や竹酢の価格や製造方法から判断しても、飼料原料として使用するには、価格的に問題がある。
又、非特許文献1に記載のものは、蒸煮や爆砕により竹組織のリグニンによる包埋構造を破壊して、セルロースやヘミセルロースを露出させ、これを解繊して飼料とする試みであるが、その成果についての評価は分かれている。しかも、実際にこの方法で竹の飼料化を行うには、高温高圧の高価な特殊設備が必要であり、同時に膨大な蒸煮や爆砕エネルギを必要とするので、現在に至るも実用化されていない。
本発明は、係る現状に鑑みてなされたものであって、竹を乾留したり、蒸煮や爆砕処理することなく、伐採したままの青竹の、茎,稈,枝葉、皮,場合によっては地下茎も含めて、竹の全てを飼料として利用可能にする簡単で安価な方策を提供する事を第1の目的とし、同時に、竹の有効利用により竹林の異常な繁茂を防止して山林の健全な生育を図る事を第2の目的とするものである。尚、本発明において、家畜とは、牛,馬,羊,豚,鶏,山羊等の一般的に家畜と称されているものの他、動物園で飼育されている草食性及び雑食性の動物を含めて、単に家畜と称する。
上記目的達成のため、本発明においては、従来の蒸煮や爆砕処理に代えて、スクリュー式膨潤粉砕装置を用いて竹を粉砕膨潤処理するものであり、これによって、竹の細胞壁の包埋構造を破壊して飼料に適した消化可能な組織に変化させるものである。具体的には、竹の茎,稈,枝葉,皮,地下茎の1部若しくは全部を、スクリューの回転によって前方に圧送しながら破砕と擂り潰しを行って竹の繊維質を解繊しつつ粉砕し該粉砕物を前記スクリューの圧送力によって装置外に吐出して膨潤させるスクリュー式粉砕膨潤装置によって粉砕処理し、これによって従来のいかなる装置でも得られなかった消化可能な組織に変化した竹の膨潤粉砕材を製造し、この竹の膨潤粉砕材を家畜用基礎飼料或いは混合飼料とするものである。
尚、本発明では、単独で或いは幾つかの飼料材料と混合されて使用される場合の個々の飼料材料を「基礎飼料」と称し、複数の「基礎飼料」を適宜配合したものを「混合飼料」と称するが、特に区別をする必要がない場合には単に「飼料」と記載する。
又、使用する竹としては、乾燥した乾燥竹よりも、伐採して間のない水分を含んだ青竹が好ましく、又、この膨潤粉砕材をそのまま飼料として使用する事も可能であるが、これを基礎飼料として他の基礎飼料、例えば乾草に配合して混合飼料とするのが好ましく、更に、魚粉等の蛋白質源としての基礎飼料を配合して混合飼料とするのも好ましい態様である。更に、対象の家畜としては、牛や羊等の反芻動物が好ましい。
又、本発明の家畜用基礎飼料の製造方法は、未乾燥の竹の茎,稈,枝葉,皮,地下茎の1部若しくは全部をチッパーによって小片に破砕する工程と、該破砕された竹の小片をスクリュー式膨潤粉砕装置に供給してスクリューの回転によって前方に圧送しながら破砕と擂り潰しを行って竹の繊維質を解繊しつつ粉砕し該粉砕物を前記スクリューの圧送力によって装置外に吐出膨潤させる事により竹の膨潤粉砕材を形成する工程と、を有するものである。この膨潤粉砕材に他の任意の基礎飼料を添加混合する配合工程を設けて、混合飼料の製造方法となす事も可能である。
本発明によると、竹をスクリュー式膨潤粉砕装置で処理するのみで、竹の組織が家畜に消化し易い組織に変化するので、従来の蒸煮や爆砕といった手間の掛かる装置や工程が不要となり、安価に大量に且つ容易に竹の飼料化を実現する事が可能となる。
この竹の膨潤粉砕材を用いた飼料を家畜に採食させる事により、家畜の生育が促進される事が判明した。これにより、竹の飼料化が可能となり、飼料の国産化が促進され、飼料の安全性も向上する。
又、竹の飼料化が促進されると、竹林が換金材として注目され、竹林の管理も行われる様になるので、全国的な問題である竹林繁茂による山林の劣化の問題も解消され、健全な山林の育成と、これによる災害防止や水源としての山林の管理も容易となり、その波及的効果は計り知れないものがある。
先ず、本発明の大きな特徴であるスクリュー式膨潤粉砕装置について説明する。本装置は、前記特許文献4に記載の装置であって、図1にその要部断面図を、図2に本装置による擂り潰し粉砕作用の概念図を示している。先ず、図1に示す様に、スクリュー式膨潤粉砕装置は、ケーシング2と、該ケーシング2内に回転自在に挿入されたスクリュー3と、該ケーシング先端部にボルト23aによって固定されたトップカバー7と、該トップカバー7の中央部に配置され前記スクリュー3の先端軸12を回転自在に軸支する支持部材11と、前記トップカバー7の内面に摺接するカッター9とを有しており、前記ケーシング2の後端側には、ロート状の被処理物投入用のホッパ10が、その下部開口である投入口13として前記ケーシング内に開口する様に設けられている。更に、前記トップカバー7には粉砕材を吐出するための多数の吐出孔6が設けられた構成となっている。
前記カッター9は、前記トップカバー7の内側表面に接触若しくは近接する様に配置されており、前記スクリュー3の回転軸20の先端に取り付けられて該回転軸20と共に回転する様になっている。又、前記トップカバー7の中心には、前記スクリュー支持部材11が設けられており、スクリュー3の先端軸12は、スクリュー支持部材11に回転自在に支持されている。更に、スクリュー3の回転軸20は、前記ケーシング2にボルト23bで固着されたリアカバー8に回転自在に保持され、その後端は、コネクタを介して適宜の駆動源22に取り付けられて該回転軸20をケーシング2内で回転自在に支持する構造となっている。又、前記ケーシング2の内側前方側には、該ケーシング2の長手方向に沿って複数の剪断刃部材4がボルト5によって固着されている。
係る構成の装置1により、スクリューの回転力によって被処理物をスクリュー3とケーシング2の内面の前記剪断刃部材4とによって粉砕しつつ擂り潰して解繊し、更に、該スクリュー3の羽根3aの間隔が先端に行くに従って狭くなる様に形成されているので、これにより、被処理体をスクリュー3の回転力によって前方に圧送し、前記トップカバー7の内面側では、被処理物は粉砕されて高圧力で押し潰された状態となっており、これを、吐出孔6から内圧によって押し出す様になっている。この押し出しの直前で、前記ケーシング2内の吐出孔6の手前に設けられたカッター9により、被処理物の繊維質を切断し、これにより吐出孔6の目詰まりを防止する様になっている。又、この吐出孔6から押し出された瞬間に、圧力は常圧に急速に開放されるので、押し出された被処理物は、内部の水分が減圧により気化,膨張して、いわゆる爆砕と同様な作用を受けて膨潤され、膨潤粉砕材となる。
尚、ケーシング2の内側には、該ケーシング2の長手方向に沿って複数の剪断刃部材4が形成されており、図2に概念的に示している要領で、被処理物の剪断による破砕と粉砕及び擂り潰しによる解繊が行われる。即ち、先ず、同図(a)に示している様に、スクリュー3の回転によって圧送されてきた被処理物30は、スクリュー羽根3aの外周縁と前記剪断刃部材4とに挟まれる状態となる。次に、同図(b)に示している様に、被処理物30は、スクリュー3の回転(図中矢印方向)によって、スクリュー羽根3aの外周縁と前記剪断刃部材4のテーパ状剪断刃面4aとの間で剪断力を受け、続いて同図(c)に示している様に、スクリュー羽根3aの外周縁と前記テーパ状剪断刃面4aとの間に存在する被処理物30は、両部材の相対運動によって擂り潰し作用を受け、これによって被処理物中の繊維質はほぐされつつ剪断され粉砕されていく事になる。
以上の様にして、ケーシング2内に投入された被処理物30は、次第に小片30a,30bへと剪断により破砕されつつ擂り潰され、同時により小さな粒子へと粉砕されてゆく事になる。特に、スクリュー3の羽根ピッチは前方ほど狭くなっているので、スクリューの前方に行くほどスクリューの回転力によって被処理物は圧縮されて圧密化され、先端部の圧縮部25b,25cから加圧部25a(図1参照)に圧送される過程では、スクリューの回転による混練作用によって粉砕物同士が擂り合わされて解繊され、同時に粉砕作用を受けて、一層細かな粒子へと粉砕されて、小さな解繊粉砕物へと変化してゆく。この粉砕物同士の擂り合わせによる解繊粉砕作用は、スクリューの先端部にいくほど圧密化されているので、効果が大きくなっている。
更に、前記吐出孔6からの吐出は、粉砕物の圧縮圧密状態からの急速な減圧を意味し、これにより粉砕物は内部の水分を気化して膨潤し、膨潤粉砕材となる。この圧縮圧密状態からの急激な減圧は、前述の爆砕処理に類似するものと考えられる。又、スクリューの回転による破砕と擂り潰し過程においては、スクリューの回転エネルギは、被処理物と前記スクリュー羽根3aとの摩擦、及び被処理物と前記剪断刃部材4のテーパ状剪断刃面4aとの摩擦、並びに被処理物の粉砕物同士の摩擦等によって熱エネルギに変換されて粉砕物の温度を上昇させる事になる。この温度は、籾殻,枯れ草或いは古紙等の水分の少ない材料を処理した場合には一部が炭化してしまう現象が生じている事実、及び水分を含んだ生木(剪定枝や刈り取った直後の雑草及び伐採直後の青竹等)を被処理物とした場合には前記トップカバー7の吐出口6から吐出された直後の膨潤粉砕材の温度が80〜90℃に達している事実から、装置内部の加圧部25aにおける温度は100℃以上に達しているものと考えられる。この温度と圧力は、前述の蒸煮処理に類似するものと考えられる。
尚、被処理物が長期間放置されて乾燥している場合には、被処理物は、前述したスクリュー羽根3aと剪断刃部材4との剪断作用やスクリュー2による圧縮を受けている状態でのケーシング内壁やスクリュー面との摩擦或いは粉砕された被処理物同士の摩擦によって被処理物の温度が高くなり、場合によっては内部で炭化する現象も生じ、同時に、摩擦抵抗の増大により、スクリューによる円滑な送りが行えなくなる場合があるので、これを防止する目的で、前記ケーシング2の先端の加圧部25aやその近傍の圧縮部25b,25c等のケーシング前部に、該ケーシング2の機壁を貫通して導水管14を配置し、必要に応じてバルブ14aの開閉によってケーシング内に水分の供給を行う様にしたり、或いは前記ホッパ10から給水可能な様に導水管(図示せず)を配置して、ホッパ10から水分の供給をし、被処理物の水分調整が行える様になっている。
上記装置を用いて竹の膨潤粉砕材を製造する場合には、モウソウ竹等の太い竹の茎の場合には、予めチッパーで5cm角程度に破砕した竹チップを前記ホッパ10から投入して粉砕処理を行い、笹やマダケ等の細径のものはそのまま前記ホッパ10から投入して粉砕処理を行うと、前記トップカバー7の吐出口6から80℃前後の竹の膨潤粉砕材となって吐出される事になる。
この膨潤粉砕材の例として、モウソウ竹の膨潤粉砕材の外観写真を図3,4に示す。図3の写真は、モウソウ竹の茎をチッパーで5cm程度の大きさのチップに破砕したものを、その枝葉と共に前記スクリュー式膨潤粉砕装置によって1回処理した膨潤粉砕材であり、図4の写真は、この膨潤粉砕材を更に前記スクリュー式膨潤粉砕装置によって再処理した2回処理材である。これら写真から明らかな様に、これら膨潤粉砕材には、最早竹のイメージはなく、繊維質が解繊され切断されて綿状になっている事が分かる。更に、この膨潤粉砕材の詳細な解繊状態を調査するため電子顕微鏡によって観察した。図5は、図3の1回処理材の50倍の電子顕微鏡写真である。この写真からも竹の繊維が見事に解繊されている事が分かる。
次に、膨潤粉砕処理する前のモウソウ竹の断面を、同じく電子顕微鏡で観察した。図6は、その500倍の顕微鏡写真であり、図7は、その2000倍の顕微鏡写真である。この写真から判明した事は、竹の軸方向に多数存在する師管内部には、直径が20μm前後の大きさの多数の球状物が詰まっていた。この球状物は、竹の炭酸同化作用によって合成された水溶性の炭水化物(ぶどう糖)が、電子顕微鏡で観察のために真空脱気された結果として析出したものと考えられる。即ち、竹の粉砕物には多量のぶどう糖が存在する事が窺える。実際にモウソウ竹の膨潤粉砕材を舐めてみると僅かながら甘味が感じられた。
又、前記スクリュー式膨潤粉砕装置によって得られたモウソウ竹の膨潤粉砕材を、大気中で山積みして放置しておくと、この膨潤粉砕材の嵩密度は小さく通気性に富んでいるので直ちに好気性醗酵が始まり、甘酸っぱい匂いがしてきた。竹は、本来腐食し難い材料として太古より建築資材として利用されていたものであるので、この様に直ちに好気性醗酵が進行する事は、竹の組織が微生物によって分解され易い状態に変質しているものと推定される。即ち、スクリュー式膨潤粉砕装置の内部における破砕,擂り潰し,圧縮,粉砕の過程で、摩擦熱のよる昇温とスクリューの回転及び擂り潰し時の加圧によって、竹の組織が前述の蒸煮と同様の作用を受け、又、装置内部の高温高圧の状態から大気中に吐出される吐出時の圧力変化によって前述の爆砕と同様の作用を受け、リグニンの芳香環の部分的な解裂による包埋構造の破壊やヘミセルロースの加水分解による低分子化が生じているものと推定される。
そこで、本発明者等は、竹の蒸煮物や爆砕物が家畜の飼料として利用可能である事に着目し、スクリュー式膨潤粉砕装置によって得られた竹の膨潤粉砕材も家畜の飼料として有用ではないかと考え、本発明に至った。そこで、実際に家畜に竹の膨潤粉砕材を採食させて、その有効性を確認するための試験を行ったので、以下に、その実施例について説明する。
試験材料と試験方法は、次の通りである。
(1)試験に供した動物:16ケ月齢のサフォーク種去勢緬羊2頭(緬羊267号:初期 体重44.5kg,緬羊274号:初期体重39.9kg)
(2)飼料:
(a)乾草:約5cmに細断したオーツ乾草
(b)竹の膨潤粉砕材:伐採後間もない青竹状態の枝葉付きモウソウ竹を枝打ちして太い茎の部分と枝葉に分離し、茎の部分はチッパーにて約5cm角程度に破砕し、この竹チップと前記分離した枝葉の全てを、前記スクリュー式膨潤粉砕装置に投入して1回処理した1回処理材(前記図3の写真のもの)と、これをもう一度スクリュー式膨潤粉砕装置で処理した2回処理材(前記図4の写真のもの)を、夫々自然醗酵防止のために1日間天日乾燥したものを用いた。
(3)試験期間:平成15年6月9日〜6月30日
(4)試験方法:緬羊を表1に示した3期に分け、各期7日間(予備期5日,本期2日) の試験期に割り当てて飼料を自由採食させ採食量と体重を測定した。その結果を、各 緬羊毎に表2,3に示す。
(5)その他:水は自由飲水とし、鉱塩を自由に舐食させた。
上記表1及び表2に示した結果に基づき、竹の膨潤粉砕材の供与が緬羊の体重増加と飼料摂取量に及ぼす影響について、表4に纏めた。
上記表1〜4から、次の事項が理解される。即ち、竹の膨潤粉砕材供与時の全飼料採食量は、1回処理材の供与時で1.758kg,2回処理材の供与時で1.667kgであり、乾草単独供与時の1.307kgに比べて高い傾向が認められた。又、全飼料採食量中の1回処理材の採食割合は24.7%で、2回処理材の19.8%に比して高く、1回処理材供与の場合には、供与割合(30%)に近い値を示している(表4参照)。この事から、竹の膨潤粉砕処理は1回でよく、微粉砕処理のための2回処理は必要ではなく、膨潤粉砕コストを低くできる事が分かる。
次に、体重当たりの全採食量は、1回処理材の供与時で3.93%,2回処理材の供与時で3.66%であり、乾草単独供与時の2.98%に比べて高い傾向が認められた(表4参照)。この事から、竹の膨潤粉砕材を飼料として用いれば、緬羊の飼料採食量を従来の乾草単独供与に比べて20%〜30%以上に増加させる事が可能である事が分かる。これは、前記図6,7に示した顕微鏡写真に示されている竹に含まれているぶどう糖による甘味が緬羊に好まれたものと推定される。
次に、試験期間中の日増体重は、1回処理材の供与時で0.136kg,2回処理材の供与時で0.207kgであり、乾草単独供与時の0.142kgに比べて、2回処理材の供与時の方が高い傾向が認められた(表4参照)。しかしながら、緬羊267号の場合(表2参照)には2回処理材の供与時(第3期)で0.314kg,1回処理材の供与時(第2期)で0.071kgと2回処理材供与時の方が高い値を示しているのに対し、緬羊274号の場合(表3参照)には、2回処理材の供与時(第2期)で0.100kg,1回処理材の供与時(第3期)で0.200kgと1回処理材供与時の方が高い値を示している。これは、神経質な緬羊の固体差によるものか期間中の体調によるものか等々の理由は定かではないが、表4の1回処理材供与時の日増体重(0.136kg)と2回処理材供与時の日増体重(0.207kg)の単純平均値(0.172kg)は、乾草単独供与時の値(0.142kg)に比べて高い値を示しているので、総じて竹の膨潤粉砕材を供与した場合には、乾草単独供与時よりも高い日増体重が得られる事が窺える。
この事実について検討するに、表4において摂取乾草1kg当たりの平均日増体重は、乾草のみ供与の場合は0.109kgであり、竹の1回処理材供与の場合は0.103kgであり、竹の2回処理材供与の場合は0.158kgであり、1回処理材供与と2回処理材供与の単純平均は、0.131である。この単純平均値と乾草のみ供与の場合とを比較すると、竹の膨潤粉砕材を供与した場合には、乾草のみの場合に比べて、摂取乾草1kg当たりの日増体重は、約20%高くなっている。この理由として、大きく分けて次の2つの理由が想定される。
(1)併食された竹の膨潤粉砕材が消化吸収されて体重増加に寄与した。
(2)竹の膨潤粉砕材が、乾草の消化吸収を助け、乾草の消化吸収量が増加した。
この内、2の理由が正当ならば、竹には乾草分解酵素を活性化させる補助酵素が存在するか、該補助酵素が竹の粉砕膨潤工程で生成したかのいずれかとなるが、係る論理の展開には無理があり、妥当性を欠く。従って、1の理由が妥当性のある理由として想定される事になる。即ち、スクリュー式粉砕膨潤装置における処理過程において、竹は単に粉砕されるだけではなく、前述の蒸煮や爆砕と同様の作用を受けて竹の細胞壁の包埋構造が破壊され、飼料に適した消化可能な組織に変化しているものと考えられる。この理由により、竹の膨潤粉砕材を供与した場合には、乾草のみを供与した場合に比して、日増体重が高くなったものと考えられる。
以上の試験の結果、30%の併給割合で竹の膨潤粉砕材をオーツ乾草に混合した場合には、オーツ乾草単独供与に比べて高い採食性を示し、同時に、日増体重も高くなる傾向が認められた。この事実から、竹の膨潤粉砕材は、単なる竹の粉砕物ではなく、元の竹の組織とは異なる消化性を有する組織に変化しており、この変化は、前述のスクリュー式膨潤粉砕装置による粉砕膨潤過程で、蒸煮や爆砕と同様の作用を受けて、竹の細胞壁の包埋構造が破壊されて飼料に適した消化可能な組織に変化しているものと考えられる。
実施例1と同様に緬羊を用いて竹の膨潤粉砕材を乾草に併給して、その採食性と消化性を試験した。試験条件は次の通りである。
(1)試験に供した動物:20ケ月齢のサファーク種去勢緬羊4頭(平均体重51.5±2.0kg)
(2)飼料:
(a)乾草:約10cm長に細断したオーツ乾草
(b)竹の膨潤粉砕材:モウソウ竹を実施例1と同様にスクリュー式膨潤粉砕装置で1回処理した1回処理材と2回処理した2回処理材
(3)試験期間:平成15年10月25日から12月20日
(4)試験方法:オーツ乾草給与区(対照区:C区)、竹の1回膨潤粉砕材15%給与区(オ−ツ乾草給与時の乾物自由採食量の15%を竹の1回膨潤粉砕材で置換した試験区:B1−15%区)、竹の1回膨潤粉砕材30%給与区(オ−ツ乾草給与時の乾物自由採食量の30%を竹の1回膨潤粉砕材で置換した試験区:B1−30%区)、竹の2回膨潤粉砕材30%給与区(オ−ツ乾草給与時の乾物自由採食量の30%を竹の2回膨潤粉砕材で置換した試験区:B2−30%区)の4区を設定し、4×4のラテン方格法による試験を行った。各試験期14日間(予備期9日、本期5日)として飼料を自由採食させ、採食量と全糞採取法による消化率を測定した。各期の最終日の朝の給餌前に体重を測定した。各測定結果を表5に示す。
(5)その他:水は自由飲水とし、鉱塩を自由に舐食させた。
〔試験結果の評価〕
表5に記載した試験結果から、次の事項が分かる。
(1)いずれの試験区においても、竹の膨潤粉砕材の摂取によって乾草の摂取量が抑制されることはない。B1−15%区とB2−35%区とは、乾草のみのC区(対照区)よりも総乾物摂取量は高い傾向にあるが、特に有意差は認められなかった。B1−30%区の竹の膨潤粉砕材摂取量はB1−15%区の3倍以上で有意に高く、全乾物摂取量に占める竹の膨潤粉砕材摂取割合は14%であった。B1−30%区の竹の膨潤粉砕材摂取量はB2−30%区よりも高い傾向にあったが、有意差は認められなかった。
(2)代謝重量当たりの飼料摂取量の評価においても、上記(1)と同様である。
(3)各試験区の体重及び日増体重の差は認められなかった。
(4)B1−15%区及びB2−30%区とC区の乾物消化率に有意な差は認められなかったが、B1−30%区の乾物消化率はC区に比して有意に低かった。
〔採食試験結果の考察〕
上記試験結果に基づき、次の事項が窺える。
(1)今回使用したオーツ乾草の代謝重量当たりの乾物摂取量と乾物消化率は、夫々68g/kgと64%であり、維持の栄養レベルを上回るものと考えられる。本試験は、この様に良好な条件を対照区に設定した場合であっても、30%の併給割合による竹の膨潤粉砕材の給与は、オーツ乾草単独給与に比べて採食量を抑制することはなく、体重も変化することはないと考えられる。特に、1回処理材の場合、併給割合を15%から30%に増加することにより、代償的に竹の膨潤粉砕材を多く採食させる事が可能と考えられる。しかしながら2回処理の場合の採食性は、1回処理材ほどには高くなかった。これは、2回処理のものは1回処理のものに比して微粉化しており、採食し難くなっているものと考えられる。
(2)乾物消化率の点では、併給割合が1回処理材15%では抑制されないが、30%では、1回処理材は2回処理材に比して抑制の度合いが大きいと考えられる。一方、2回処理材30%の場合には、1回処理材30%の場合に比して抑制の度合いは小さくなっており、1回処理材15%の場合と同程度になっている。このことは、膨潤粉砕処理過程において、竹組織の前述のリグニンによる包埋構造が破壊されて竹の膨潤粉砕材が消化され易い構造に変化していることを示していると共に、2回処理材は1回処理材に比べて前記包埋構造の破壊の度合いが進んでおり、一層消化され易い構造に変化しているものと考えられる。
(3)オーツ乾草のみ給与による対照区では、軟便の緬羊が1頭いたが、この緬羊が竹の膨潤粉砕材を混合した飼料の採食区に移ると軟便が治った事例がある。このことから、竹膨潤粉砕材は、その吸湿性の高さから、未消化の繊維質が水分を吸収して軟便化を防止したものと考えられる。
次に、上記実施例2に用いた竹の1回膨潤粉砕材と2回膨潤粉砕材及び対照材としてのオーツ乾草の成分分析を行ったので、その分析結果を表6に示す。
〔試料分析結果からの考察〕
(1)表6から明らかな様に、竹の膨潤粉砕材中の灰分はオーツ乾草に比して30%以下の含有量であり、これはオーツ乾草よりも飼料の消化性を高める効果がある事を意味している。
(2)竹の膨潤粉砕材中の粗繊維の含有量は顕著に高く、反芻動物に不可欠な繊維源として極めて有効な飼料である事が分かる。
(3)竹の膨潤粉砕材中の粗蛋白の含有量は、オーツ乾草に比して40%以下の含有量であり、蛋白源にはならないので、竹の膨潤粉砕材と共に蛋白源としての他の基礎飼料との配合が好ましいことが分かる。
(4)竹の膨潤粉砕材中の可溶無窒素、即ち、糖分やデンプン等は、オーツ乾草と同等或いはそれ以上の値である。特に、2回処理材は1回処理材のものに比べて可溶無窒素の値が高くなり、粗繊維の値が下がっている。この事実は、膨潤粉砕処理を2回受けた2回処理材は、前述のリグニン包埋構造の破壊やリグニンの変質或いは繊維質の分解等によって可溶無窒素成分、即ち、糖分やデンプン等の可溶物に変化したものと考えられる。この事は、表5における2回処理材30%のものが1回処理材30%のものよりも消化性が高くなっている事実とも合致する。
上記実施例1,2は緬羊による試験であるが、次に15ケ月月齢の肥育牛を用いた実施例について説明する。対照試験区の肥育牛の飼料摂取量は、穀類(トウモロコシ,大麦等の混合物)摂取量:8.94±0.79kg/日,乾草(イタリアンストローの乾草)摂取量:0.74±0.18kg/日、総粗飼料(乾草)摂取量:0.74±0.18kg/日,総乾物(穀類+乾草)摂取量:9.68±0.89kg/日である。一方、比較区として竹の1回膨潤粉砕材を配合した場合の飼料摂取量は、穀類摂取量:8.17±0.97kg/日,乾草(イタリアンストローの乾草):0.47±0.10kg/日,竹の1回膨潤粉砕材:0.22±0.03kg/日,総粗飼料(乾草+竹膨潤粉砕材)摂取量:0.69±0.10kg/日,総乾物(穀類+乾草+竹膨潤粉砕材)摂取量:8.85±0.98kg/日であった。
この試験結果から、竹の膨潤粉砕材の供与により、総粗飼料の摂取量は殆ど変わらないが、穀類や乾草の摂取が減っていることから、竹膨潤粉砕材の供与は、高価な穀類や乾草の摂取を抑えて新たな基礎飼料とすることができる事が分かる。
以上の説明において、実施例で使用した竹はモウソウ竹であるが、本発明で使用し得る竹は、このモウソウ竹に限らず、通常「竹」と呼ばれている全ての竹類(笹を含む)を意味しており、又、竹の枝葉及び竹の皮並びに地下茎を含めて、竹の全ての部分を使用する事が可能である。尚、前記スクリュー式膨潤粉砕装置にて粉砕膨潤化するに当たり、太い茎の部分は予めチッパーにて小片にチップ化して該スクリュー式膨潤粉砕装置に供給する必要があるが、枝葉や細い竹(例えば笹)の場合には、長尺のままで該スクリュー式膨潤粉砕装置のホッパ内に投入する事も可能である。
又、上記実施例では、モウソウ竹の伐採間もない青竹を使用しており、未乾燥の状態の竹が最も好ましいが、伐採後のある程度自然乾燥し、枝葉の枯れ掛けた又は枯れた状態の竹であっても使用可能である。但し、日本家屋の土壁の補強材として使用されていた乾燥した廃竹材や、長期間放置されて乾燥し切ったり、虫食い状態の竹は好ましくない。
又、上記の説明においては、竹の膨潤粉砕材を基礎飼料の1種として、他の基礎飼料である乾草と混合して使用しているが、この竹の膨潤粉砕材を単独で飼料として供与する事も可能である。この場合には、他の飼料供与との定期的な入れ替えを行いながら、竹の膨潤粉砕材を供与する事が考えられる。又、上記実施例では、いずれも竹の膨潤粉砕材を乾草に対して最大で30重量%程度を添加した例であるが、基本的にはこの配合比率は任意である。前記実施例1において1回処理材供与の場合には、供与割合に相当する量を採食している事から、これ以上の採食も可能であると考えられる。蒸煮竹の場合には50重量%の配合例もあるので、50%或いはこれ以上の70重量%程度の配合も可能と考えられる。但し、10%より少ないと、竹飼料供与の効果が小さいものと考えられる。
又、本発明により、竹の膨潤粉砕材を用いる基礎飼料を製造する工程としては、前述の通り、少なくとも太径の茎の部分をチッパーにて破砕して竹チップを製造した後に、これを前記スクリュー式膨潤粉砕装置に供給して基礎飼料となし、これ自体を出荷する事も可能であるが、これに乾草や魚粉や骨粉等の他の基礎飼料を配合して混合飼料として出荷することも可能である。特に、竹の膨潤粉砕材は、蛋白源とはなり得ないので、魚粉や骨粉等の蛋白源としての基礎飼料を配合した混合飼料は好ましい態様と言える。
又、試験動物として緬羊と牛とを用いたが、本発明の飼料の給与対象となる家畜は、これらに限らず、馬,豚,山羊,鶏等の一般の家畜や動物園で飼育されている草食性及び雑食性の動物の飼料としても使用する事が可能である。
以上の通り、本発明によると、竹を飼料として有効に活用できるので、この実用化を通して、飼料の国産化による飼料の安全性の向上と、全国的に問題となっている竹林の繁茂を防止する事が可能となるので、健全な山林の育成と共に災害防止や環境問題等に間接的に寄与する事になるので、その社会的な影響は大なるものがある。
以上の通り、本発明によれば、スクリュー式膨潤粉砕装置によって処理する事により、得られた竹の膨潤粉砕材の組織は、消化性の向上された組織に変質していると考えられるので、各種家畜の飼料として、膨潤粉砕材を単独で又は他の基礎飼料と混合して混合飼料として使用する事も可能である。
本発明で使用するスクリュー式膨潤粉砕装置の要部横断面図である。 図1に示した装置による被処理物の粉砕工程を示す概念図である。 本発明に係るモウソウ竹の膨潤粉砕材の一例を示すもので、モウソウ竹をスクリュー式膨潤粉砕装置で1回処理した膨潤粉砕材の外観写真である。 本発明に係るモウソウ竹の膨潤粉砕材の一例を示すもので、図3に示した膨潤粉砕材を更にスクリュー式膨潤粉砕装置に供給して2回処理した膨潤粉砕材の外観写真である。 図3に示した膨潤粉砕材の電子顕微鏡写真(50倍)である。 モウソウ竹の断面の電子顕微鏡写真(500倍)である。 モウソウ竹の断面の電子顕微鏡写真(2000倍)である。
符号の説明
1 スクリュー式膨潤粉砕装置
2 ケーシング
3 スクリュー
4 剪断刃部材
6 排出孔
7 トップカバー
9 カッター
10 ホッパ

Claims (10)

  1. 竹を原料とする家畜用基礎飼料であって、
    竹の茎,稈,枝葉,皮,地下茎の1部又は全部を、スクリューの回転によって前方に圧送しながら破砕と擂り潰しを行って竹の繊維質を解繊しつつ粉砕し該粉砕物を前記スクリューの圧送力によって装置外に吐出して膨潤させるスクリュー式粉砕膨潤装置を用いて粉砕する事により竹の膨潤粉砕材を生成し、これを基礎飼料とする事を特徴とする竹を原料とする家畜用基礎飼料
  2. 前記竹が、未乾燥の青竹である請求項1に記載の竹を原料とする家畜用基礎飼料
  3. 前記家畜用基礎飼料が、反芻動物用の基礎飼料である請求項1又は2に記載の竹を原料とする家畜用基礎飼料
  4. 前記請求項1乃至3のいずれかに記載の竹の膨潤粉砕材からなる基礎飼料を、他の基礎飼料に混合してなる事を特徴とする竹の膨潤粉砕材を含む家畜用混合飼料
  5. 前記他の基礎飼料が、乾草である請求項4に記載の竹の膨潤粉砕材を含む家畜用混合飼料
  6. 前記他の基礎飼料が、乾草と魚粉等の蛋白質含有飼料である請求項4に記載の竹の膨潤粉砕材を含む家畜用混合飼原料
  7. 竹を原料とする家畜用基礎飼料の製造方法であって、
    未乾燥の竹の茎,稈,枝葉,皮,地下茎の1部又は全部を、チッパーによって小片に破砕する工程と、
    該破砕された竹の小片を、スクリュー式膨潤粉砕装置に供給してスクリューの回転によって前方に圧送しながら破砕と擂り潰しを行って竹の繊維質を解繊しつつ粉砕し該粉砕物を前記スクリューの圧送力によって装置外に吐出膨潤させる事により竹の膨潤粉砕材を生成する工程と、
    を有する事を特徴とする竹の膨潤粉砕材からなる家畜用基礎飼料の製造方法
  8. 前記請求項7に記載の方法で製造された竹の膨潤粉砕材からなる家畜用基礎飼料と、他の基礎飼料を配合する配合工程を有する事を特徴とする竹の膨潤粉砕材を含む家畜用混合飼料の製造方法
  9. 前記他の基礎飼料が、乾草である請求項8に記載の竹の膨潤粉砕材を含む家畜用混合飼料の製造方法
  10. 前記他の基礎飼料が、乾草と魚粉等の蛋白質含有飼料である請求項8に記載の竹の膨潤粉砕材を含む家畜用混合飼料の製造方法
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