JP2005057845A - 電動車の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクセルレバーのレバーが振動してもこれの悪影響を除去することができる電動車の制御装置を提供する。
【解決手段】前後に傾動させることにより電動車の前進又は後退を制御するとともに、運転者が手を離した場合には、前後に振動しながら中立位置に戻るようになっているアクセルレバーを有する場合において、アクセルレバーが傾動してリミットスイッチを動作させたことが検出された場合、同時にアクセルレバーの傾動角度を検出し、この傾動角度が所定値以上である場合に、電動機の駆動用のコンタクタを投入する一方、この傾動角度が所定値未満である場合には、アクセルレバーがリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRを動作させた状態が一定時間以上継続したことを条件としてコンタクタを投入するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】前後に傾動させることにより電動車の前進又は後退を制御するとともに、運転者が手を離した場合には、前後に振動しながら中立位置に戻るようになっているアクセルレバーを有する場合において、アクセルレバーが傾動してリミットスイッチを動作させたことが検出された場合、同時にアクセルレバーの傾動角度を検出し、この傾動角度が所定値以上である場合に、電動機の駆動用のコンタクタを投入する一方、この傾動角度が所定値未満である場合には、アクセルレバーがリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRを動作させた状態が一定時間以上継続したことを条件としてコンタクタを投入するようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電動車の制御装置に関し、特にリーチ型バッテリーフォークリフト車に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
図3はリーチ型バッテリーフォークリフト車を概念的に示す説明図である。同図に示すように、この種のバッテリーフォークリフト車は、これに搭載するバッテリーを電源とし、制御部を介して直流電動機を駆動することにより所定の荷役作業を行ようになっている。このときの運転は、アクセルレバー1を運転者が操作することにより行う。
【0003】
この場合のアクセルレバー1を図4に示す。同図に示すように、このアクセルレバー1は、その下部を回転軸2に支承されたロッド状のレバー3と、前記回転軸2に一体的に固着されているカム4とを有している。かくしてレバー3はその上部を運転者が把持して傾動操作することにより垂直面内を回動する。レバー3を後方(図中、時計方向)に傾動すれば当該バッテリーフォークリフト車は前進し、前方(図中、反時計方向)に傾動すれば後退する。このとき、図示はしないが、レバー3にはバネが取り付けられており、運転者がレバー3から手を離したとき等、このレバー3に外力が作用しないときには、垂直な状態である原点位置Oにレバー3が戻るように構成してある。このとき、アクセルの機能上、運転者がレバー3を離した場合、可及的速やかにレバー3を原点Oに戻す必要があるため、機械的な粘性摩擦抵抗等の摩擦力を極力減らした構造としている。
【0004】
回転軸2の端部には回転型のポテンショメータ5が連結してあり、このポテンショメータ5がレバー3の傾斜角度に対応する電気信号を出力する。当該バッテリーフォークリフト車の速度指令はポテンショメータ5の傾斜角度に比例させてある。また、カム4は円板状の部材であるが、レバー3(原点O)を中心とする両側の一定の範囲が切り欠かれおり、レバー3の原点Oの位置で、この原点Oの位置と切欠端4a、4bに対応する位置との間にリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRが配設してある。この結果、レバー3を原点Oから後方又は前方に少し傾動させた時点でカム4の切欠端4a又は切欠端4bがリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRに当接して何れかのリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRを動作させる。
【0005】
図5はポテンショメータ5及びその動作の状態を示す図で、(a)は回路図、(b)は出力特性図、(c),(d)はリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの動作タイミング図である。図5(a)に示すように、ポテンショメータ5は、レバー3の傾動量に比例して抵抗RF、RR上を摺動する摺動子5cを有しており、この摺動子5cが接触する抵抗RF、RRの位置でその出力端子5a、5b間にレバー3の傾動量に比例した電圧信号を出力する。このため、ポテンショメータ5には直流電源Eにより所定電圧(例えば5V)の電圧が印加されている。ここで、摺動子5c(レバー3)の原点Oの位置、すなわち図5(a)に示す位置の左右両側の一定範囲は不感帯5dとなっている。さらに詳言すると、図5(b)に示すように、ポテンショメータ5の出力電圧Vは原点Oの近傍の一定の範囲がゼロとなり、この不感帯5dに連続して直線的に出力電圧Vが上昇するような左右対称の特性を有している。ここで、レバー3を後方に傾動させた場合に摺動子5cは抵抗RF上を摺動する一方、前方に傾動させた場合に抵抗RR上を摺動する。また、図5(c)及び図5(d)に示すように、リミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRは出力電圧Vが不感帯5dを過ぎ若干直線領域に入った時点で動作するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如くアクセルレバーは、運転者がレバー3を離した場合等に、可及的速やかにレバー3を原点Oに戻すべく、機械的な粘性摩擦抵抗等の摩擦力を極力減らした構造としているため、傾動の途中でレバー3を離した場合、原点Oを行き過ぎ、さらにその位置から逆方向に戻り、この逆方向の移動でも原点Oを行き過ぎるという動作を繰り返して振動する。すなわち、図6(a)に示すように、レバー3が振動した場合、同図(b)に示すように、リミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの出力信号がそのパルス幅を漸減させながら振動し、レバー3が原点Oに位置した時点でゼロとなる。
【0007】
したがって、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの動作によりコンタクタを介して当該バッテリーフォークリフト車の直流電動機の駆動、停止を制御する場合には、作業者がレバー3から手を離した後のリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの出力信号のパルス幅によってはコンタクタの接点が動作するのに十分な時間となる。すなわち、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの出力信号のパルス幅が所定の時間(例えば40msec)以上になるとコンタクタもON/OFFの動作を繰り返し、接点の摩耗、振動音による不快感の発生等の問題を生起する。
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑み、アクセルレバーのレバーが振動してもこれの悪影響を除去することができる電動車の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成する本発明の構成は、
所定の不感帯を越えて前後に傾動させることにより電動車の前進又は後退を制御するとともに運転者が手を離した場合には、バネ力により中立位置である所定の原点に戻るように構成したアクセルレバーを有し、このアクセルレバーの傾動量により駆動源である電動機の回転数を制御して電動車の走行を制御するように構成した制御装置において、
アクセルレバーが不感帯を越えたことが検出された場合、同時にアクセルレバーの傾動角度を検出し、この傾動角度が所定値以上である場合に、上記電動機の駆動用のスイッチ手段を投入する一方、この傾動角度が所定値未満である場合には、アクセルレバーが不感帯を越えた状態が一定時間以上継続したことを条件として上記スイッチ手段を投入するようにしたことを特徴とする電動車の制御装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態に係る電動車の制御装置をその制御対象である直流電動機とともに示す回路図である。当該制御装置は、制御部11の構成、特にその情報の処理アルゴリズムが異なるだけで、他の構成は従来のバッテリーフォークリフト車の制御装置と何ら変わるところはない。同図に示すように、直流電動機IはバッテリーBを電源として回転駆動される直巻電動機である。すなわち、電機子1と界磁巻線2とはコンタクタの接点MF2又は接点MR2を介して直列に接続されており、トランジスタTr0で構成するチョッパを、制御装置IIの出力信号でPWM制御することによりその回転数を制御するようになっている。ここで接点MF2、MR2はコンタクタのコイルMF1、MR1の付勢、消勢により適宜切り替わって界磁巻線2に供給する界磁電流を供給するとともに、この界磁電流の方向を逆転する。
【0012】
なお、図中、DF1、DR1はフライホイールダイオード、SW1は制御装置制御装置IIにバッテリーBの電力を供給するためのスイッチである。
【0013】
制御装置IIは、制御部11、ベース駆動回路12、トランジスタTr1、トランジスタTr2をポテンショメータ5及びリミットスイッチLSF、LSRとともに有する。これらのうち、ベース駆動回路12は制御部11の出力信号に基づきトランジスタTr0をON/OFF制御する。トランジスタTr1及びトランジスタTr2は制御部11の出力信号に基づきON/OFF制御され、これに基づきコンタクタのコイルMF1、MR1の付勢・消勢を制御する。また、制御部11は、ポテンショメータ5の出力信号及びリミットスイッチLSF、LSRの状態を表す信号に基づき所定の各部の制御を行う。すなわち、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRが動作したことを条件としてトランジスタTr1又はトランジスタTr2がON状態となり、コイルMF1又はコイルMR1を付勢して接点MF2又はMR2を切替動作させる。このことにより、直流電動機Iの駆動を開始させる。その後、ポテンショメータ5で検出するレバー3(図4参照)の傾動角度に応じ、ベース駆動回路12を介してトランジスタTr0をPWM制御によりON/OFF制御して直流電動機Iの回転数がポテンショメータ5の傾動角度に対応するように制御する。ここで、コンタクタは、さらに詳細には、次のように制御される。この制御を図2のフローチャートに基づき詳説する。
【0014】
図2に示すフローチャートは、先ずリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRが開放されており、したがってコンタクタのコイルMF1及びコイルMR1が消勢されていることを前提とする。かかる状態で、先ず、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRがを動作しているか否かを判定する(ステップS1参照)。この結果、Yesの場合には、、レバー3がある程度傾動している状態であるので、次にポテンショメータ5の出力信号Vが設定値Vref以上であるか否かを判定する(ステップS2参照)。この結果、Yesの場合は、運転者がレバー3を操作してレバー3が十分傾動している状態であり、振動によるものではないと判断され、しかも可及的速やかに直流電動機Iを駆動して当該バッテリーフォークリフト車を走行させたい場合であると判断されるので、動作しているリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRに対応するコンタクタのコイルMF1又はコイルMR1を付勢して接点MF2又は接点MR2を動作させる(ステップS3参照)。
【0015】
一方、ステップS2の判定の結果、Noである場合には、レバー3の傾動の程度が小さく、運転者の操作に起因するものであるか、レバー3の振動に起因するものであるかが不明であるので、ひとまず前回の状態を保持する(ステップS4参照)。次に、待ち時間用カウンタをセットし、その内容をインクリメントしていく(ステップ5参照)。次に、待ち時間用カウンタで所定数のパルスをカウントしたか否かを判定する(ステップ6参照)。この結果、所定数のカウントアップが検出された場合には、運転者がレバー3を操作してレバー3を傾動させている状態であり、振動によるものではないと判断されるので、動作しているリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRに対応するコンタクタのコイルMF1又はコイルMR1を付勢して接点MF2又は接点MR2を動作させる(ステップS3参照)。
【0016】
一方、待ち時間用カウンタが所定数のパルスをカウントアップしていない場合にはステップ1の処理に戻る。このとき、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの投入が、レバー3の振動によるものである場合には、待ち時間用カウンタが所定数のパルスをカウントアップすることはないように、この場合の待ち時間を設定しておく。このように構成すれば、レバー3の振動でコンタクタのコイルMF1又はコイルMR1が付勢されることはなく、したがって接点MF2又は接点MR2が投入されることもない。
【0017】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに詳細に説明した通り、本発明によれば、アクセルレバーから手を離した場合、これがバネ力で原点位置に戻る際に生じるレバーの振動によりコンタクタの接点が開閉するという現象を未然に防止することができる。すなわちコンタクタのチャタリングを良好に防止することができる。この結果、このチャタリングに伴い発生する接点の開閉音の発生を未然に防止することができるばかりでなく、不必要な開閉による接点の摩耗を防止することができるので、その機械的寿命を延ばすこともできる。
【0018】
なお、レバーに取り付けるバネのバネ力を強くすれば、上述の如き振動を防止することはできるが、バネ力が強いと、その分レバーの操作力も過大となり、操作性が悪化するという問題を生起する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電動車の制御装置をその制御対象である直流電動機とともに示す回路図である。
【図2】図1の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】リーチ型バッテリーフォークリフト車を概念的に示す説明図である。
【図4】図3に示すリーチ型バッテリーフォークリフト車のアクセルレバー示す説明図である。
【図5】ポテンショメータ及びその動作の状態を示す図で、(a)は回路図、(b)は出力特性図、(c),(d)はリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの動作タイミング図である。
【図6】図4に示すレバーが振動した場合に関する図で、(a)はこの場合のレバーの様子を示す説明図、(b)はこのときのリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの出力信号の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
I 直流電動機
II 制御装置
1 アクセルレバー
2 回転軸
3 レバー
4 カム
5 ポテンショメータ
11 制御部
LSF、LSR リミットスイッチ
MF1、MR1 コイル
MF2、MR2 接点
【産業上の利用分野】
本発明は電動車の制御装置に関し、特にリーチ型バッテリーフォークリフト車に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
図3はリーチ型バッテリーフォークリフト車を概念的に示す説明図である。同図に示すように、この種のバッテリーフォークリフト車は、これに搭載するバッテリーを電源とし、制御部を介して直流電動機を駆動することにより所定の荷役作業を行ようになっている。このときの運転は、アクセルレバー1を運転者が操作することにより行う。
【0003】
この場合のアクセルレバー1を図4に示す。同図に示すように、このアクセルレバー1は、その下部を回転軸2に支承されたロッド状のレバー3と、前記回転軸2に一体的に固着されているカム4とを有している。かくしてレバー3はその上部を運転者が把持して傾動操作することにより垂直面内を回動する。レバー3を後方(図中、時計方向)に傾動すれば当該バッテリーフォークリフト車は前進し、前方(図中、反時計方向)に傾動すれば後退する。このとき、図示はしないが、レバー3にはバネが取り付けられており、運転者がレバー3から手を離したとき等、このレバー3に外力が作用しないときには、垂直な状態である原点位置Oにレバー3が戻るように構成してある。このとき、アクセルの機能上、運転者がレバー3を離した場合、可及的速やかにレバー3を原点Oに戻す必要があるため、機械的な粘性摩擦抵抗等の摩擦力を極力減らした構造としている。
【0004】
回転軸2の端部には回転型のポテンショメータ5が連結してあり、このポテンショメータ5がレバー3の傾斜角度に対応する電気信号を出力する。当該バッテリーフォークリフト車の速度指令はポテンショメータ5の傾斜角度に比例させてある。また、カム4は円板状の部材であるが、レバー3(原点O)を中心とする両側の一定の範囲が切り欠かれおり、レバー3の原点Oの位置で、この原点Oの位置と切欠端4a、4bに対応する位置との間にリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRが配設してある。この結果、レバー3を原点Oから後方又は前方に少し傾動させた時点でカム4の切欠端4a又は切欠端4bがリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRに当接して何れかのリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRを動作させる。
【0005】
図5はポテンショメータ5及びその動作の状態を示す図で、(a)は回路図、(b)は出力特性図、(c),(d)はリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの動作タイミング図である。図5(a)に示すように、ポテンショメータ5は、レバー3の傾動量に比例して抵抗RF、RR上を摺動する摺動子5cを有しており、この摺動子5cが接触する抵抗RF、RRの位置でその出力端子5a、5b間にレバー3の傾動量に比例した電圧信号を出力する。このため、ポテンショメータ5には直流電源Eにより所定電圧(例えば5V)の電圧が印加されている。ここで、摺動子5c(レバー3)の原点Oの位置、すなわち図5(a)に示す位置の左右両側の一定範囲は不感帯5dとなっている。さらに詳言すると、図5(b)に示すように、ポテンショメータ5の出力電圧Vは原点Oの近傍の一定の範囲がゼロとなり、この不感帯5dに連続して直線的に出力電圧Vが上昇するような左右対称の特性を有している。ここで、レバー3を後方に傾動させた場合に摺動子5cは抵抗RF上を摺動する一方、前方に傾動させた場合に抵抗RR上を摺動する。また、図5(c)及び図5(d)に示すように、リミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRは出力電圧Vが不感帯5dを過ぎ若干直線領域に入った時点で動作するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如くアクセルレバーは、運転者がレバー3を離した場合等に、可及的速やかにレバー3を原点Oに戻すべく、機械的な粘性摩擦抵抗等の摩擦力を極力減らした構造としているため、傾動の途中でレバー3を離した場合、原点Oを行き過ぎ、さらにその位置から逆方向に戻り、この逆方向の移動でも原点Oを行き過ぎるという動作を繰り返して振動する。すなわち、図6(a)に示すように、レバー3が振動した場合、同図(b)に示すように、リミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの出力信号がそのパルス幅を漸減させながら振動し、レバー3が原点Oに位置した時点でゼロとなる。
【0007】
したがって、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの動作によりコンタクタを介して当該バッテリーフォークリフト車の直流電動機の駆動、停止を制御する場合には、作業者がレバー3から手を離した後のリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの出力信号のパルス幅によってはコンタクタの接点が動作するのに十分な時間となる。すなわち、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの出力信号のパルス幅が所定の時間(例えば40msec)以上になるとコンタクタもON/OFFの動作を繰り返し、接点の摩耗、振動音による不快感の発生等の問題を生起する。
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑み、アクセルレバーのレバーが振動してもこれの悪影響を除去することができる電動車の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成する本発明の構成は、
所定の不感帯を越えて前後に傾動させることにより電動車の前進又は後退を制御するとともに運転者が手を離した場合には、バネ力により中立位置である所定の原点に戻るように構成したアクセルレバーを有し、このアクセルレバーの傾動量により駆動源である電動機の回転数を制御して電動車の走行を制御するように構成した制御装置において、
アクセルレバーが不感帯を越えたことが検出された場合、同時にアクセルレバーの傾動角度を検出し、この傾動角度が所定値以上である場合に、上記電動機の駆動用のスイッチ手段を投入する一方、この傾動角度が所定値未満である場合には、アクセルレバーが不感帯を越えた状態が一定時間以上継続したことを条件として上記スイッチ手段を投入するようにしたことを特徴とする電動車の制御装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態に係る電動車の制御装置をその制御対象である直流電動機とともに示す回路図である。当該制御装置は、制御部11の構成、特にその情報の処理アルゴリズムが異なるだけで、他の構成は従来のバッテリーフォークリフト車の制御装置と何ら変わるところはない。同図に示すように、直流電動機IはバッテリーBを電源として回転駆動される直巻電動機である。すなわち、電機子1と界磁巻線2とはコンタクタの接点MF2又は接点MR2を介して直列に接続されており、トランジスタTr0で構成するチョッパを、制御装置IIの出力信号でPWM制御することによりその回転数を制御するようになっている。ここで接点MF2、MR2はコンタクタのコイルMF1、MR1の付勢、消勢により適宜切り替わって界磁巻線2に供給する界磁電流を供給するとともに、この界磁電流の方向を逆転する。
【0012】
なお、図中、DF1、DR1はフライホイールダイオード、SW1は制御装置制御装置IIにバッテリーBの電力を供給するためのスイッチである。
【0013】
制御装置IIは、制御部11、ベース駆動回路12、トランジスタTr1、トランジスタTr2をポテンショメータ5及びリミットスイッチLSF、LSRとともに有する。これらのうち、ベース駆動回路12は制御部11の出力信号に基づきトランジスタTr0をON/OFF制御する。トランジスタTr1及びトランジスタTr2は制御部11の出力信号に基づきON/OFF制御され、これに基づきコンタクタのコイルMF1、MR1の付勢・消勢を制御する。また、制御部11は、ポテンショメータ5の出力信号及びリミットスイッチLSF、LSRの状態を表す信号に基づき所定の各部の制御を行う。すなわち、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRが動作したことを条件としてトランジスタTr1又はトランジスタTr2がON状態となり、コイルMF1又はコイルMR1を付勢して接点MF2又はMR2を切替動作させる。このことにより、直流電動機Iの駆動を開始させる。その後、ポテンショメータ5で検出するレバー3(図4参照)の傾動角度に応じ、ベース駆動回路12を介してトランジスタTr0をPWM制御によりON/OFF制御して直流電動機Iの回転数がポテンショメータ5の傾動角度に対応するように制御する。ここで、コンタクタは、さらに詳細には、次のように制御される。この制御を図2のフローチャートに基づき詳説する。
【0014】
図2に示すフローチャートは、先ずリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRが開放されており、したがってコンタクタのコイルMF1及びコイルMR1が消勢されていることを前提とする。かかる状態で、先ず、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRがを動作しているか否かを判定する(ステップS1参照)。この結果、Yesの場合には、、レバー3がある程度傾動している状態であるので、次にポテンショメータ5の出力信号Vが設定値Vref以上であるか否かを判定する(ステップS2参照)。この結果、Yesの場合は、運転者がレバー3を操作してレバー3が十分傾動している状態であり、振動によるものではないと判断され、しかも可及的速やかに直流電動機Iを駆動して当該バッテリーフォークリフト車を走行させたい場合であると判断されるので、動作しているリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRに対応するコンタクタのコイルMF1又はコイルMR1を付勢して接点MF2又は接点MR2を動作させる(ステップS3参照)。
【0015】
一方、ステップS2の判定の結果、Noである場合には、レバー3の傾動の程度が小さく、運転者の操作に起因するものであるか、レバー3の振動に起因するものであるかが不明であるので、ひとまず前回の状態を保持する(ステップS4参照)。次に、待ち時間用カウンタをセットし、その内容をインクリメントしていく(ステップ5参照)。次に、待ち時間用カウンタで所定数のパルスをカウントしたか否かを判定する(ステップ6参照)。この結果、所定数のカウントアップが検出された場合には、運転者がレバー3を操作してレバー3を傾動させている状態であり、振動によるものではないと判断されるので、動作しているリミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRに対応するコンタクタのコイルMF1又はコイルMR1を付勢して接点MF2又は接点MR2を動作させる(ステップS3参照)。
【0016】
一方、待ち時間用カウンタが所定数のパルスをカウントアップしていない場合にはステップ1の処理に戻る。このとき、リミットスイッチLSF又はリミットスイッチLSRの投入が、レバー3の振動によるものである場合には、待ち時間用カウンタが所定数のパルスをカウントアップすることはないように、この場合の待ち時間を設定しておく。このように構成すれば、レバー3の振動でコンタクタのコイルMF1又はコイルMR1が付勢されることはなく、したがって接点MF2又は接点MR2が投入されることもない。
【0017】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに詳細に説明した通り、本発明によれば、アクセルレバーから手を離した場合、これがバネ力で原点位置に戻る際に生じるレバーの振動によりコンタクタの接点が開閉するという現象を未然に防止することができる。すなわちコンタクタのチャタリングを良好に防止することができる。この結果、このチャタリングに伴い発生する接点の開閉音の発生を未然に防止することができるばかりでなく、不必要な開閉による接点の摩耗を防止することができるので、その機械的寿命を延ばすこともできる。
【0018】
なお、レバーに取り付けるバネのバネ力を強くすれば、上述の如き振動を防止することはできるが、バネ力が強いと、その分レバーの操作力も過大となり、操作性が悪化するという問題を生起する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電動車の制御装置をその制御対象である直流電動機とともに示す回路図である。
【図2】図1の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】リーチ型バッテリーフォークリフト車を概念的に示す説明図である。
【図4】図3に示すリーチ型バッテリーフォークリフト車のアクセルレバー示す説明図である。
【図5】ポテンショメータ及びその動作の状態を示す図で、(a)は回路図、(b)は出力特性図、(c),(d)はリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの動作タイミング図である。
【図6】図4に示すレバーが振動した場合に関する図で、(a)はこの場合のレバーの様子を示す説明図、(b)はこのときのリミットスイッチLSF及びリミットスイッチLSRの出力信号の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
I 直流電動機
II 制御装置
1 アクセルレバー
2 回転軸
3 レバー
4 カム
5 ポテンショメータ
11 制御部
LSF、LSR リミットスイッチ
MF1、MR1 コイル
MF2、MR2 接点
Claims (1)
- 所定の不感帯を越えて前後に傾動させることにより電動車の前進又は後退を制御するとともに運転者が手を離した場合には、バネ力により中立位置である所定の原点に戻るように構成したアクセルレバーを有し、このアクセルレバーの傾動量により駆動源である電動機の回転数を制御して電動車の走行を制御するように構成した制御装置において、
アクセルレバーが不感帯を越えたことが検出された場合、同時にアクセルレバーの傾動角度を検出し、この傾動角度が所定値以上である場合に、上記電動機の駆動用のスイッチ手段を投入する一方、この傾動角度が所定値未満である場合には、アクセルレバーが不感帯を越えた状態が一定時間以上継続したことを条件として上記スイッチ手段を投入するようにしたことを特徴とする電動車の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003206428A JP2005057845A (ja) | 2003-08-07 | 2003-08-07 | 電動車の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003206428A JP2005057845A (ja) | 2003-08-07 | 2003-08-07 | 電動車の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005057845A true JP2005057845A (ja) | 2005-03-03 |
Family
ID=34363294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003206428A Withdrawn JP2005057845A (ja) | 2003-08-07 | 2003-08-07 | 電動車の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005057845A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5641549B1 (ja) * | 2013-12-25 | 2014-12-17 | ニチユ三菱フォークリフト株式会社 | 走行制御装置および当該走行制御装置を備えたフォークリフト |
US11472355B2 (en) * | 2017-02-10 | 2022-10-18 | Alps Alpine Co., Ltd. | Vehicle falling-over detection device |
-
2003
- 2003-08-07 JP JP2003206428A patent/JP2005057845A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5641549B1 (ja) * | 2013-12-25 | 2014-12-17 | ニチユ三菱フォークリフト株式会社 | 走行制御装置および当該走行制御装置を備えたフォークリフト |
US11472355B2 (en) * | 2017-02-10 | 2022-10-18 | Alps Alpine Co., Ltd. | Vehicle falling-over detection device |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061107 |