JP3669049B2 - 直流電動機の駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は直流電動機の駆動制御装置に係り、詳しくは、回生制動に特長を有する直流電動機の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、バッテリフォークリフト等のバッテリ式電気車に用いられる直流電動機では、省電力のために回生制動が採用されている。バッテリ式電気車の走行用駆動輪の駆動に用いられる直流電動機の回生制動を行う駆動制御回路として図3に示すものが提案されている(例えば、特開平7−46707号公報)。
【0003】
バッテリ31の両端子間には、回生用コンタクタ32、直流電動機(以下、単に電動機と称す)33の電機子33a、前進用コンタクタ34、後進用コンタクタ35、電動機33の界磁コイル33b、メイントランジスタ36が直列に接続されている。また、前進及び後進用コンタクタ34,35とバッテリ31のプラス端子との間には、フライホイールダイオード37,38が接続されている。そして、バッテリ31のマイナス端子は接地され、そのマイナス端子と回生用コンタクタ32との間には回生用ダイオード39が接続されている。さらに、バッテリ31のプラス端子と前進及び後進用コンタクタ34,35との間には、予備励磁用トランジスタ40と予備励磁用抵抗41とが直列に接続されている。
【0004】
各トランジスタ36,40のベースは制御装置42内に設けられた各ドライブ回路42a,42bに接続されている。各ドライブ回路42a,42bは、同じく制御装置42内に設けられたCPU42cによって制御される。
【0005】
回生用コンタクタ32は励磁コイル32aと接点32bとから構成され、その投入(図示実線)・離落(図示鎖線)は、制御装置42による励磁コイル32aへの通電制御によりなされる。また、前進及び後進用コンタクタ34,35の投入・離落は、制御装置42によって各コンタクタ34,35の励磁コイル(図示略)への通電制御によりなされる。そして、前進及び後進用コンタクタ34,35の相補的な切り換え動作に基づいて、界磁コイル33bに流れる界磁電流の方向が変わって電動機33が正逆転することにより、電気車が前後進するようになっている。
【0006】
例えば、電気車が回生可能な所定速度以上で前進走行中にブレーキング動作が行われると、制御装置42は回生制動を行う。回生制動時には回生用コンタクタ32がオフ位置(図示鎖線)に、前進及び後進用コンタクタ34,35が後進位置(図示実線)にそれぞれ切り換えられる。即ち、界磁コイル33bの配線が力行時と逆に切り換えられる。そして、先ず予備励磁用トランジスタ40が一定時間オン状態に保持されて予備励磁が行われる。この状態では実線の矢印で示すように、バッテリ31のプラス端子から、予備励磁用トランジスタ40、予備励磁用抵抗41、後進用コンタクタ35、界磁コイル33b、前進用コンタクタ34、メイントランジスタ36を経由して、バッテリ31のマイナス端子へ予備励磁電流I1 が流れ、電機子33aに矢印VA 方向に起電力VA が発生する。
【0007】
起電力VA がある値以上になると、予備励磁電流I1 に加えて回生ダイオード39を通る回生電流I2 (鎖線で図示)が流れはじめる。この回生電流I2 によって界磁コイル33bに流れる界磁電流(予備励磁電流I1 及び回生電流I2 の和)が増加し、起電力VA が増加する。すると、起電力VA の増加に伴って回生電流I2 はさらに増加することになる。そして、回生電流I2 がある程度以上大きくなった時点で、制御装置42は予備励磁用トランジスタ40をオフさせる。すると、予備励磁電流I1 は流れなくなるが、回生電流I2 は流れ続けようとする。
【0008】
この状態で、制御装置42はメイントランジスタ36をオフさせる。すると、界磁コイル33bからメイントランジスタ36のコレクタへ流れ込んでいた予備励磁電流I2 は、フライホイールダイオード38へと流れだす。即ち、電機子33aの起電力VA と界磁コイル33bのインダクタンスで蓄えられた磁気エネルギーとにより、電機子33aの前進及び後進用コンタクタ34,35側から、後進用コンタクタ35、界磁コイル33b、前進用コンタクタ34、フライホイールダイオード38、バッテリ31、回生用ダイオード39を経由して、電機子33aの回生用コンタクタ32側へ回生電流I3 (破線で図示)が流れる。従って、電動機33によって発電された電力がバッテリ31に回生されるためバッテリ31は充電され、電動機33にはその電力分の制動(即ち、回生制動)がかかる。
【0009】
そして、電気車の走行速度が回生可能速度より小さくなると回生用コンタクタ32が投入されてオンになり、プラギング制動に移行される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回生制動を行う制御回路では、回生制動に移行する際に予備励磁が必要となり、予備励磁用トランジスタ40及び予備励磁用抵抗41が必要となる。また、予備励磁を行うためには前進及び後進用コンタクタ34,35の接続を、前進用の接続状態から後進用の接続状態あるいは後進用の接続状態から前進用の接続状態に切り換えた後、予備励磁を行う必要がある。さらに、予備励磁から回生制動に移行するためには電機子33aを流れる回生電流I2 がある値以上になったことを確認する等、所定の手順で予備励磁用トランジスタ40及びメイントランジスタ36をオン、オフ制御するため回生制動の制御が複雑になるという問題がある。
【0011】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は回生制動を行う場合に予備励磁を不要として、回路構成及び制御を簡単にすることができる直流電動機の駆動制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、直流電源からバッテリ式電気自動車の走行用電動機である直流電動機に供給される電流を制御する第1の制御手段と、前記直流電動機の界磁コイルを電機子と直列状態で直流電源に接続する第1の状態と、電機子と並列状態で直流電源に接続する第2の状態とに切り換える切換手段と、回生制動時に前記切換手段を第1の状態から第2の状態に作動させる第2の制御手段とを備えた直流電動機の駆動制御装置であって、前記界磁コイルはその励磁方向を切り換えるコンタクタを介して前記電機子に接続され、回生制動時に前記直流電動機の回転速度が回生可能な速度より低下した場合、前記第1の制御手段は前記界磁コイルの励磁方向を逆転させる状態に前記コンタクタを切り換え、前記第2の制御手段は前記切換手段を第1の状態に切り換えてプラギング制動に移行する。
【0013】
請求項2に記載の発明では、回生制動時に制動力を調整するため前記界磁コイルに流れる電流量を制御する回生時制御手段を設けた。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記回生時制御手段はスイッチング素子のチョッパ制御により前記電流量を制御する。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記スイッチング素子は前記界磁コイルと前記直流電源のマイナス端子との間に接続されるとともに第1の制御手段によっても制御可能に構成され、前記電機子と直流電源のマイナス端子との間には電機子側へのみ電流が流れるのを許容する回生用ダイオードが接続され、前記界磁コイルと直流電源のプラス端子との間には直流電源のプラス端子側へのみ電流が流れるのを許容するダイオードが接続されている。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記バッテリ式電気自動車はバッテリフォークリフトである。
【0016】
各請求項に記載の発明では、直流電源から直流電動機に供給される電流が第1の制御手段により制御される。直流電動機の界磁コイルは、第2の制御手段により作動される切換手段により、電機子と直列状態で直流電源に接続される第1の状態と、電機子と並列状態で直流電源に接続される第2の状態とに切り換えられる。力行時には界磁コイルと電機子とが直列状態に接続されて、直巻電動機として作動する。回生制動時には界磁コイルは電機子と並列状態で直流電源に接続され、分巻電動機のように作動する。分巻電動機は一定の低速で回転しようとし、それより高速で回転している電機子の起電力との差の分が回生電力となる。即ち、回生制動が可能な速度以上での力行状態において、界磁コイルの接続状態を第1の状態から第2の状態に切り換えるだけで、予備励磁なしに回生制動が行われる。また、コンタクタの切り換えで界磁コイルの励磁方向が切り換えられ、前記電機子の回転方向が逆転される。さらに、直流電動機はバッテリ式電気自動車の走行用電動機として使用される。
【0017】
請求項2に記載の発明では、回生時制御手段により回生制動時に界磁コイルに流れる電流量が制御され、その制動力が調整される。
請求項3に記載の発明では、回生時制御手段によりスイッチング素子がチョッパ制御され、界磁コイルに流れる電流量が制御される。
【0018】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、回生制動時に直流電源のマイナス端子から回生用ダイオード、電機子、切換手段、界磁コイル、ダイオードを介して直流電源のプラス端子側へ回生電流が流れる。そして、界磁コイルと直流電源のマイナス端子との間に接続されたスイッチング素子がチョッパ制御され、制動力が調整される。スイッチング素子は力行時には第1の制御手段によってチョッパ制御され、直流電動機に供給される電流が制御される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をバッテリ式電気自動車の走行用モータに用いられる直流電動機の駆動制御回路に具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0021】
直流電源としてのバッテリ1の両端子間には、直流電動機(以下、単に電動機と称す)2の電機子2a、切換手段としてのコンタクタ3、前進用(正転用)コンタクタ4、後進用(逆転用)コンタクタ5、電動機2の界磁コイル2b、メイントランジスタ6が直列に接続されている。メイントランジスタ6にはMOSトランジスタ(MOSFET)が使用され、そのドレインが前進及び後進用コンタクタ4,5と、ソースがバッテリ1のマイナス端子とそれぞれ接続されている。
【0022】
コンタクタ3は電機子2aと界磁コイル2bとを直列状態でバッテリ1に接続する第1の状態(図1の状態)と、界磁コイル2bを電機子2aと並列状態でバッテリ1に接続する第2の状態(図2の状態)とに切り換え可能となっている。前進及び後進用コンタクタ4,5とメイントランジスタ6との中間点と、バッテリ1のプラス端子との間にはフライホイールダイオード7が接続されている。また、電機子2aと並列にフライホイールダイオード8が接続されている。バッテリ1のマイナス端子は接地され、そのマイナス端子と電機子2aとの間には回生用ダイオード9が接続されている。
【0023】
メイントランジスタ6のゲートは第1の制御手段、第2の制御手段及び回生時制御手段としての制御装置10内に設けられたドライブ回路10aに接続されている。ドライブ回路10aは制御装置10内に設けられたCPU(中央処理装置)10bによって制御される。メイントランジスタ6は電動機2に供給される電流量を制御するスイッチング素子と、回生制動時に界磁コイル2bに流れる電流量を制御するスイッチング素子の役割を果たす。
【0024】
コンタクタ3は図示しない励磁コイルを備え、制御装置10によるその励磁コイルへの通電制御により、第1の状態と第2の状態とに切り換え作動される。前進及び後進用コンタクタ4,5もそれぞれ図示しない励磁コイルを備え、制御装置10による各励磁コイルへの通電制御により、その接続状態が図1及び図2に実線で示す前進状態と、鎖線で示す後進状態とに切り換えられるようになっている。そして、前進及び後進用コンタクタ4,5の相補的な切り換え動作に基づいて、界磁コイル2bに流れる界磁電流の方向が変更されて電動機2の回転方向が変更されるようになっている。
【0025】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。電気車の走行時(電動機2の力行時)、即ち走行用レバー(図示せず)が走行位置に操作されると、コンタクタ3が図1に示す第1の状態に配置され、電機子2aと界磁コイル2bとが直列に接続された状態となる。また、走行用レバーの前進操作あるいは後進操作に基づいて、前進及び後進用コンタクタ4,5が実線で示す前進位置あるいは鎖線で示す後進位置に配置される。そして、制御装置10によりメイントランジスタ6が目標速度に対応する所定のデューティ比でチョッパ制御され、メイントランジスタ6のスイッチング動作に従ってバッテリ1から電動機2に電流が供給されて電動機2の回転速度即ち電気車の車速が制御される。
【0026】
電気車が回生可能な速度以上で前進走行中にブレーキング動作が行われると、回生制動が行われる。回生制動時には図2に示すように、コンタクタ3が第2の状態即ち界磁コイル2bを電気子2aと並列にバッテリ1に接続する状態に切り換えられる。コンタクタ3が第1の状態から第2の状態に切り換えられると、バッテリ1から電機子2aへの電流の供給が停止され、界磁コイル2bにはバッテリ1のプラス端子から直接電流が供給可能な状態となる。この状態でメイントランジスタ6がオンになると、コンタクタ3から界磁コイル2bを経てメイントランジスタ6に電流が流れる状態となる。
【0027】
バッテリ1から電機子2aへの電流の供給が停止されても電機子2aは回生可能な速度で回転しており、電機子2aには逆起電力VA が図2の矢印VA 方向に発生する。また、コンタクタ3が第2の状態に配置された状態では界磁コイル2bは電機子2aに対して分巻電動機と同様な接続状態となり、メイントランジスタ6がオンの状態では回生可能な速度より低速の一定速度で電機子2aを回転させようとする。そして、その差の分がバッテリ1に回生され、電動機2にはその電力分の制動(即ち回生制動)がかかる。電機子2aの起電力VA により生じる回生電流I3 はメイントランジスタ6がオフの状態では図2に鎖線の矢印で示すように、バッテリ1のマイナス端子→回生用ダイオード9→電機子2a→バッテリ1のプラスス端子と流れる。一方、界磁コイル2bを流れていた電流は後進用コンタクタ5→フライホイールダイオード7→コンタクタ3→前進用コンタクタ4→界磁コイル2bと流れる。また、メイントランジスタ6がONの状態では破線で示すように、電機子2aのバッテリ1のプラス端子側から、コンタクタ3→前進用コンタクタ4→界磁コイル2b→後進用コンタクタ5→メイントランジスタ6→回生用ダイオード9→電機子2aへと流れる。
【0028】
メイントランジスタ6が制御装置10によりスイッチング制御され、そのデューティ比を変更することにより制動力が調整される。電動機2の回転速度が低くなると電機子2aの起電力VA が低下し、バッテリ1への回生電流(回生電力)が小さくなり、回生制動の制動トルクが小さくなる。そして、電機子2aの起電力VA がバッテリ1の電圧より低くなると回生電流は流れなくなり、回生制動作用がなくなる。そこで、電動機2の回転速度が所定の速度まで低下すると、回生制動からプラギング制動に切り換えられる。
【0029】
即ち、電動機2の回転速度が回生可能な速度より低速の所定の速度まで低下すると、制御装置10はメイントランジスタ6をオフとし、前進及び後進用コンタクタ4,5を実線で示す前進位置から鎖線で示す後進位置に切り換える。その状態でメイントランジスタ6がオンになると、バッテリ1のプラス端子から電機子2a、コンタクタ3、後進用コンタクタ5、界磁コイル2b、前進用コンタクタ4及びメイントランジスタ6を経てバッテリ1のマイナス端子へ電流が流れる。即ち、界磁コイル2bには電動機2を逆転させる方向の界磁電流が流れるため、電動機2は逆転しようとし、電動機2にはその分だけ制動(プラギング制動)がかかる。
【0030】
この実施の形態では次の効果を有する。
(イ) 回生制動に移行する場合に予備励磁が不要となり、従来装置で必要だった予備励磁用トランジスタ及び予備励磁用抵抗が不要となって制御回路の構成が簡単となる。
【0031】
(ロ) 回生制動に移行する場合に予備励磁が不要となり、コンタクタ3を力行状態(第1の状態)から回生状態(第2の状態)に切り換えることにより界磁コイルの配線を切り換えることなく直ちに回生制動に移行できる。また、予備励磁のための制御や予備励磁状態から回生状態への移行のための制御が不要となり、回生制動を行うための制御が簡単となる。
【0032】
(ハ) 回生制動時に制御装置10(回生時制御手段)により界磁コイル2bに流れる電流量の制御が可能なため、回生制動の制動力を調整できる。
(ニ) 制御装置10(回生時制御手)はメイントランジスタ6(スイッチング素子)のチョッパ制御により前記電流量を制御するため、アナログ制御に比較して制御が容易となる。
【0033】
(ホ) 力行時に電動機2に流れる電流の制御に使用されるメイントランジスタ6が、回生制動時に界磁コイル2bに流れる電流量の制御を行うスイッチング素子として使用されるため、回生制動時用のスイッチング素子を新たに設ける必要がない。
【0034】
(ヘ) 界磁コイル2bはその励磁方向を切り換える前進用コンタクタ4及び後進用コンタクタ5を介して電機子2aに接続されているため、回生制動による制動力が不十分になったとき、両コンタクタ4、5の接続状態を切り換えることによりプラギング制動に移行できる。
【0035】
(ト) バッテリ式電気自動車に適用した場合、ブレーキング操作が行われると直ちに回生制動に移行できるため、制動フィーリングが良くなる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば次のように具体化してもよい。
【0036】
(1) バッテリ電気自動車の走行用モータに限らず、回生制動を行う直流電動機を使用する機器に適用する。
(2) 逆転が不要な機器に適用する場合は、界磁コイル2bの励磁方向を切り換える切換手段としての前進用及び後進用コンタクタ4、5は不要となる。この場合、プラギング制動ができなくなるため、機械的な制動装置(摩擦ブレーキ)を設け、回生制動の作用が低下した段階で摩擦ブレーキを作動させて電動機2を完全停止させる。
【0037】
(3) 回生制動中にメイントランジスタ6をチョッパ制御せずにオン状態あるいはオフ状態に保持してもよい。
(4) 回生制動時に界磁コイル2bに流れる電流量を制御するスイッチング素子を力行時に電動機2に流れる電流を制御するメイントランジスタ6と別に設けてもよい。
【0038】
(5) コンタクタ3を第1の状態と第2の状態とに励磁コイルの励消磁で切り換え作動される構成に代えて、制動レバー(制動操作部材)と連動して機械的に第1の状態と第2の状態とに切り換え作動される構成としてもよい。この場合、制動レバーが第2の制御手段を構成する。
【0039】
(6) メイントランジスタ6をMOSトランジスタ以外のトランジスタ、例えばSIT(静電誘導トランジスタ)やバイポーラトランジスタ、あるいはサイリスタ等の他のスイッチング素子に置き換える。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように各請求項に記載の発明によれば、回生制動を行う場合に予備励磁が不要となり、回路構成及び制御が簡単になる。また、界磁コイルはその励磁方向を切り換えるコンタクタを介して電機子に接続されているため、回生制動による制動力が不十分になったとき、コンタクタの接続状態を切り換えることによりプラギング制動に移行できる。また、機械的な制動装置がなくても電動機を早期に完全に停止させることができる。さらに、ブレーキング操作が行われると直ちに回生制動に移行できるため、制動フィーリングが良くなる。
【0042】
請求項2に記載の発明では、回生制動時の制動力を調整できる。
請求項3に記載の発明では、アナログ制御に比較して制御が容易となる。
請求項4に記載の発明では、力行時に電動機に流れる電流の制御に使用されるスイッチング素子が、回生制動時に界磁コイルに流れる電流量の制御を行うスイッチング素子として使用されるため、回生制動時用のスイッチング素子を新たに設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の直流電動機の制御回路図。
【図2】 同じく回生制動時の制御回路図。
【図3】 従来例の直流電動機の制御回路図。
【符号の説明】
1…直流電源としてのバッテリ、2…直流電動機、2a…電機子、2b…界磁コイル、3…切換手段としてのコンタクタ、4…前進用コンタクタ、5…後進用コンタクタ、6…スイッチング素子としてのメイントランジスタ、7、8…フライホイールダイオード、9…回生用ダイオード、10…第1の制御手段,第2の制御手段及び回生時制御手段としての制御装置。
Claims (5)
- 直流電源からバッテリ式電気自動車の走行用電動機である直流電動機に供給される電流を制御する第1の制御手段と、
前記直流電動機の界磁コイルを電機子と直列状態で直流電源に接続する第1の状態と、電機子と並列状態で直流電源に接続する第2の状態とに切り換える切換手段と、
回生制動時に前記切換手段を第1の状態から第2の状態に作動させる第2の制御手段とを備えた直流電動機の駆動制御装置であって、
前記界磁コイルはその励磁方向を切り換えるコンタクタを介して前記電機子に接続され、
回生制動時に前記直流電動機の回転速度が回生可能な速度より低下した場合、前記第1の制御手段は前記界磁コイルの励磁方向を逆転させる状態に前記コンタクタを切り換え、前記第2の制御手段は前記切換手段を第1の状態に切り換えてプラギング制動に移行する直流電動機の駆動制御装置。 - 回生制動時に制動力を調整するため前記界磁コイルに流れる電流量を制御する回生時制御手段を設けた請求項1に記載の直流電動機の駆動制御装置。
- 前記回生時制御手段はスイッチング素子のチョッパ制御により前記電流量を制御する請求項2に記載の直流電動機の駆動制御装置。
- 前記スイッチング素子は前記界磁コイルと前記直流電源のマイナス端子との間に接続されるとともに第1の制御手段によっても制御可能に構成され、前記電機子と直流電源のマイナス端子との間には電機子側へのみ電流が流れるのを許容する回生用ダイオードが接続され、前記界磁コイルと直流電源のプラス端子との間には直流電源のプラス端子側へのみ電流が流れるのを許容するダイオードが接続されている請求項3に記載の直流電動機の駆動制御装置。
- 前記バッテリ式電気自動車はバッテリフォークリフトである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の直流電動機の駆動制御装置。
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