JP2005056837A - 熱伝導性ホルダー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この熱伝導性ホルダー11は、熱伝導性組成物から成形される。熱伝導性組成物は、シリコーンゴム原料に熱伝導性充填剤が配合されたものである。熱伝導性充填剤は、シリコーンゴム原料及び熱伝導性充填剤の合計体積に対して40〜70体積%の割合で含有される。さらに、熱伝導性充填剤は平均粒径5μm以下の酸化マグネシウムが熱伝導性充填剤の全体積に対して35〜100体積%の割合で含有されている。加えて、熱伝導性組成物を硬化して得られる熱伝導性ホルダー11の硬度(タイプAデュロメータ)は、20〜70の範囲になっている。熱伝導性ホルダー11の内部には取付凹部13が凹設され、この取付凹部13がバッテリー12の端部に被嵌されることにより、熱伝導性ホルダー11はバッテリー12に取着される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、優れた熱伝導性を付与することができるとともに、容易に取り付けることができる熱伝導性ホルダーを提供することにある。
請求項5に記載の発明の熱伝導性ホルダーでは、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、導電コネクタが設けられていることを特徴とする。
図1及び図4に示すように、本実施形態における熱伝導性ホルダー11は発熱体としてのバッテリー12の両端部に一対取着され、バッテリー12を保持するとともにバッテリー12を振動等から保護するものである。この熱伝導性ホルダー11は、熱伝導性組成物から成形される。熱伝導性組成物には、シリコーンゴム原料及び熱伝導性充填剤が含有されている。これらのシリコーンゴム原料及び熱伝導性充填剤の合計体積中に対する熱伝導性充填剤の割合は40〜70体積%である。さらに、その熱伝導性充填剤の全体積中には平均粒径5μm以下の酸化マグネシウムが35〜100体積%含有されている。熱伝導性ホルダー11は、熱伝導性組成物を硬化することによって得られ、熱伝導性ホルダー11の硬度(タイプAデュロメータ)は20〜70の範囲になっている。この熱伝導性ホルダー11は、図示しない各種電子機器における筐体の内部に固定されて使用される。
熱伝導性ホルダー11は、熱伝導性組成物を硬化することによって得られる。熱伝導性ホルダー11の硬度は20〜70、好ましくは25〜65、より好ましくは30〜60である。この硬度は、JIS K 6253に準拠してタイプAデュロメータにて測定した値をいう。この硬度が20未満であると、取付凹部13によるバッテリー12の保持力が十分に得られない。また、バッテリー12の端部に取付凹部13を被嵌させる際、熱伝導性ホルダー11が破損するおそれがある。一方、70を超えると、取付凹部13のゴム弾性が不足し、バッテリー12に取り付けることが困難である。また、熱伝導性ホルダー11の緩衝作用が低下し、バッテリー12を振動、衝撃等から十分に保護することができないおそれがある。
この熱伝導性ホルダー11の製造方法は、熱伝導性組成物を製造する混練工程と、熱伝導性組成物を成形する成形工程とを備えている。
・ この実施形態の熱伝導性ホルダー11においては、熱伝導性組成物から成形されている。この熱伝導性組成物には、シリコーンゴム原料及び熱伝導性充填剤の合計体積中に対し熱伝導性充填剤が40〜70体積%含有されている。また、この熱伝導性組成物には、熱伝導性充填剤の全体積中に対し平均粒径5μm以下の酸化マグネシウムが35〜100体積%含有されている。さらに、熱伝導性組成物を硬化して得られる熱伝導性ホルダー11の硬度は20〜70である。このように構成した場合、熱伝導率が向上されるとともに、ゴム弾性が確保される。従って、優れた熱伝導性を付与することができるとともに、発熱体に容易に取り付けることができる。また、バッテリー12の保持力を十分に得ることができる。さらに、外部からの振動、衝撃等に対する緩衝作用が十分に得られ、バッテリー12を十分に保護することができる。
・ 前記実施形態における取付凹部13は円筒状であるが、発熱体の形状に合わせて、四角柱状等の他の形状に変更してもよい。この他に、発熱体取着部としてコ字状等の切り欠き部を形成し、この切り欠き部で発熱体を挟持するように構成してもよい。
・ 前記実施形態における固定板15は、筐体の内部に設けられ、熱伝導性ホルダー11はこれらの固定板15に固定されている。この他に、筐体の内壁を固定板15として、熱伝導面14を筐体の内壁に当接させることにより、熱伝導性ホルダー11を筐体の内部に固定してもよい。
図6に示すように、バッテリー12は、その一端面に電極12aが一対設けられている。熱伝導性ホルダー11の先端部には、前記一対の電極12aに対応する箇所に導電ゴムコネクタ20が一対設けられている。各導電ゴムコネクタ20は、熱伝導性ホルダー11の先端壁を貫通するとともに同熱伝導性ホルダー11と一体にそれぞれ形成されている。導電ゴムコネクタ20は、その両端縁が熱伝導性ホルダー11の先端壁からそれぞれ突出している。基板21には基板電極21aが一対設けられ、各基板電極21aに各導電ゴムコネクタ20がそれぞれ接触するように構成されている。よって、第2の具体例においても、バッテリー12を基板21に電気的に接続することができる。
図7に示すように、バッテリー12は、その一端面に電極12aが設けられている。熱伝導性ホルダー11の先端部には、前記電極12aに対応する箇所に柱状をなすコネクタ22が設けられている。コネクタ22は、樹脂ケース22aと、該樹脂ケース22a内に設けられた金属端子22bとを備えている。金属端子22bはバネ形状をなし、その両端が熱伝導性ホルダー11の先端壁からそれぞれ突出している。基板21には基板電極21aが設けられ、該基板電極21aにコネクタ22の金属端子22bが接触するように構成されている。よって、第3の具体例においても、バッテリー12を基板21に電気的に接続することができる。なお、前記第1から第3の具体例において、導電ゴムコネクタ20及びコネクタ22は、熱伝導性ホルダー11に嵌め込まれることにより熱伝導性ホルダー11と一体化されてもよいし、前記成形行程において、金型内に配置された後に熱伝導性組成物の充填及び硬化が行われることにより一体化されてもよい。
・ ゴム弾性を有するとともに、そのゴム弾性を利用して前記発熱体取付部は発熱体に密着される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱伝導性ホルダー。この場合、優れた熱伝導性を十分に発揮させることができる。
(製造例1〜5、比較例1〜5)
表1及び表2に示すように、シリコーンゴム原料としてのミラブル型のシリコーンゴム(比重1.00)に酸化マグネシウム(真比重3.58)を配合した。また、製造例2、製造例3及び比較例3以外では、さらに水酸化アルミニウム(真比重2.20、平均粒径1.1μm)を配合した。さらに、各例において架橋剤として過酸化物架橋剤を加え、各成分が均一に分散するまでロールにて混練することにより、熱伝導性組成物を得た。
離型性、表面状態及び寸法安定性のいずれか一項目が不良(△)。
離型性、表面状態及び寸法安定性のいずれも不良(×)。
熱伝導性ホルダー11に不具合が発生せず、優れたゴム弾性を示し取付作業性が良好(○)。
熱伝導性ホルダー11に亀裂等が生じ、取付作業が不可能のため不良(×)。
これらの評価結果を表1及び表2に示す。
Claims (5)
- シリコーンゴム原料に熱伝導性充填剤が配合された熱伝導性組成物から成形され、発熱体に取着するための発熱体取着部が設けられた熱伝導性ホルダーであって、前記熱伝導性組成物には、シリコーンゴム原料及び熱伝導性充填剤の合計体積に対し熱伝導性充填剤が40〜70体積%の割合、かつ前記熱伝導性充填剤の全体積中に対し平均粒径5μm以下の酸化マグネシウムが35〜100体積%の割合で含有され、該熱伝導性組成物を硬化した後の硬度(タイプAデュロメータ)が20〜70の範囲であることを特徴とする熱伝導性ホルダー。
- 前記発熱体取着部は、前記発熱体に被嵌可能な凹部であり、該凹部の内周形状は発熱体の被嵌部分における外周形状より小さく形成され、前記凹部はそのゴム弾性を利用して発熱体に被嵌される請求項1に記載の熱伝導性ホルダー。
- 筐体内に固定して使用され、その筐体の内壁又は筐体内の固定板と面接触する熱伝導面が形成されている請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性ホルダー。
- 熱伝導率が0.4W/(m・K)以上である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性ホルダー。
- 導電コネクタが設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱伝導性ホルダー。
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