JP2005056544A - 記録テープカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 不使用時にリールがケース内でガタつくことを防止または抑止することができる記録テープカートリッジを得る。
【解決手段】 記録テープカートリッジ10では、不使用時には、リールロック部材64がロック位置に位置し、該リールロック部材64のストッパ部74がリール28の上端とケース12の天板14Aとの間に形成されるリール軸線方向の隙間を埋めることで、リール28は上下方向の移動が規制される。ドライブ装置がクラッチ部材88を上方に押上操作すると、リールロック部材62は、ストッパ部74を上記隙間から抜け出させるロック解除位置に移動する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気テープ等の記録テープが巻装されたリールを回転可能に収容した記録テープカートリッジに関する。
コンピュータ等の外部記録媒体として磁気テープ等の記録テープが用いられている。この記録テープとして、保存時の収容スペースが小さく、大容量の情報が記録できる、記録テープが巻装された単一のリールをケース内に回転可能に収容した所謂1リールの記録テープカートリッジが採用されている。
このような記録テープカートリッジは、不使用時にはリールがケース内で回転しないようにブレーキ手段を備えている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、リールの軸心部を構成する有底円筒状のリールハブの底面に係合ギヤを環状に設けると共に、該係合ギヤに噛合い可能な制動ギヤが設けられた円板状のロック部材をリールハブ内に挿設した構成が記載されている。ロック部材は、ケースに対し回転不能かつリール軸線方向にスライド可能に支持されており、ケースとの間に設けられた圧縮コイルスプリングの付勢力によって制動ギヤをリールの係合ギヤに噛み合わせるようになっている。この状態で、リールは、圧縮コイルスプリングの付勢力によってケースの底板に押し付けらると共に、該付勢力によってロック部材の制動ギヤが係合ギヤ噛み合うことでケースに対する回転がロックされる。
そして、この構成では、リールハブの底部には貫通孔が形成されており、上記貫通孔からドライブ装置の解除部が進入してロック部材を圧縮コイルスプリングの付勢力に抗して押し上げると、制動ギヤと係合ギヤとの噛み合い状態が解除され、リールのケースに対する回転が許容されるようになっている。ドライブ装置の解除部は、リールハブの端面に形成されたリールギヤに噛み合う駆動ギヤと共に回転シャフトに設けられており、駆動ギヤをリールギヤに噛み合わせる動作に伴って、ロック部材を押し上げるようになっている。したがって、この構成では、回転シャフトがリールを回転駆動するときに、ケースに対し回転不能であるロック部材と回転シャフトと一体に回転する解除部とが、圧縮コイルスプリングの付勢力によって互いに押し付けられつつ摺接することとなる。そして、この摺接に伴い生じる回転抵抗を低減するために、ロック部材及び解除部が共に樹脂材にて構成されている。
また、上記特許文献1の構成と似たものとして、ロック部材とリールハブの底部との間にリールと一体に回転する解除部材を設けた構成が考えられている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、解除部材は、ドライブ装置の解除部に押圧されることでロック部材と共に圧縮コイルスプリングの付勢力に抗して押し上げられるようになっている。これによって、ロック部材は解除部材を介して解除部に押し上げられ、リールのロック状態を解除する。そして、この構成では、リールの回転駆動時には解除部材がリールと一体に回転することによって、解除部と解除部材とが摺接することがなく、解除部材とロック部材とが互いに摺接するようになっている。
さらに、リールの回転駆動時にロック部材が他の部分と摺接することがない構成が知られている(例えば、特許文献3参照)。この構成では、リールのフランジの外周部に係合ギヤが形成されており、それぞれケース内で回動可能に支持されると共に係合ギヤとの噛み合い方向に付勢された2つのロック部材が係合ギヤに噛み合うことでリールの回転をロックするようになっている。また、この記録テープカートリッジをドライブ装置に装填すると、各ロック部材がそれぞれドライブ装置の解除部に押圧されて上記付勢力に抗して回動することで、係合ギヤとの噛み合いが解除されてリールの回転が許容されるようになっている。これらの解除部は、それぞれ回転シャフトとは独立して設けられており、記録テープカートリッジ(ケース)のドライブ装置への装填または下降動作によってロック部材を押圧するようになっている。また、この構成では、リールをケースまたは回転シャフトに押し付けるための圧縮コイルスプリングが、ベアリングを介してリールに連結されており、圧縮コイルスプリングとリールとの相対回転がベアリングによって吸収されるようになっている。
特開昭63−251983号公報 特許第3187022号明細書 特開平11−25648号公報
しかしながら、上記各構成に係る記録テープカートリッジでは、記録テープの不使用時に、圧縮コイルスプリングの付勢力によってリールがケースの底板に押し付けられる構造であるため、圧縮コイルスプリングの付勢力に抗する力が作用したときにリールのケース内での上下動を阻止(ロック)することができなかった。このため、例えば、リールにおけるケースから露出したリールギヤ形成部位(リールハブの底部外面)が押圧されたり落下衝撃が作用したりすると、リールがケース内で大きくガタつき、一端部がリーダ部材を介してケースに保持されている記録テープに損傷を与える原因となる。
本発明は、上記事実を考慮して、不使用時にリールがケース内でガタつくことを防止または抑止することができる記録テープカートリッジを得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る記録テープカートリッジは、ケース内に収容され、軸心部に設けられた円筒状のハブの外周部に記録テープを巻き回したリールと、前記ケース内に設けられ、前記ケースと前記リールとの間の該リールの軸線方向における隙間を埋めるロック位置と、前記隙間から抜け出すロック解除位置とを取り得るロック部材と、前記ケース内に設けられ、ドライブ装置によって所定の方向に操作されて前記ロック位置に位置する前記ロック部材を前記ロック解除位置に移動させる切替部材と、を備えている。
請求項1記載の記録テープカートリッジでは、記録テープの不使用時には、リールは、その軸線方向におけるケースとの間の隙間がロック位置に位置するロック部材によって埋められることで、該軸線方向の移動が規制される。これにより、不使用時にリールがケース内でガタつくことが防止または抑止される。一方、記録テープカートリッジがドライブ装置に装填され、切替部材が所定の方向に操作されると、ロック部材が上記隙間から抜け出すロック解除位置に移動し、リールのケースに対する浮上(軸線方向の移動)が可能となる。そして、リールは、ケースとは非接触状態でドライブ装置によって回転駆動される。
このように、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、不使用時にリールがケース内でガタつくことを防止または抑止することができる。
以上説明したように本発明に係る記録テープカートリッジは、不使用時にリールがケース内でガタつくことを防止または抑止することができるという優れた効果を有する。
本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジ10について、図1乃至図6に基づいて説明する。
(記録テープカートリッジの全体構成)
図1(A)には記録テープカートリッジ10を斜め上方から見た斜視図が示されており、図1(B)には記録テープカートリッジ10を斜め下方から見た斜視図が示されている。また、図2には、記録テープカートリッジ10の断面図が示されている。なお、各図に適宜示す矢印Aは、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を示しており、説明の便宜上、矢印Aにて示す側を前側とする。また、矢印Bにて示す方向を上側とする。
これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、ケース12を備えている。ケース12は、上ケース14と下ケース16とを接合して構成されている。具体的には、上ケース14は、平面視略矩形状の天板14Aの外縁に沿って略枠状の周壁14Bが立設されて構成されており、下ケース16は、天板14Aに略対応した形状の底板16Aの外縁に沿って周壁16Bが立設されて構成されている。そして、ケース12は、周壁14Bの開口端と周壁16Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース14と下ケース16とが接合されて、略箱状に形成されている。
このケース12には、そのドライブ装置への装填方向先頭側の角隅部において、天板14A、周壁14B、底板16A、周壁16Bがそれぞれ切り欠かれて、該装填方向に対し傾斜した開口18が形成されている。また、底板16Aの略中央部には、該底板16Aを貫通する円形状のギヤ開口20が設けられており、後述するリールギヤ42の露出用とされている。底板16Aにおけるギヤ開口20の縁部には、テーパ形状の環状リブ22がケース12の内方へ向けて突設されており、後述するリール28の位置決め用とされている。
さらに、ケース12の底板16Aの外面における前端近傍には、一対の位置決め孔24、26が開口している。一対の位置決め孔24、26は、底板16Aからケース12内方に立設された突部(図示省略)内に袋状に設けられ、上記装填方向に直交する仮想線上で互いに離間して配置されている。そして、開口18に近い側の位置決め孔24は、ドライブ装置の位置決めピンに外接する底面視略正方形状とされ、位置決め孔26は、上記仮想線に沿って長手でかつ幅が位置決めピンの直径に対応する長孔とされている。
これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されて位置決め孔24、26にそれぞれ位置決めピンが挿入されると、該記録テープカートリッジ10がドライブ装置内で水平方向(左右及び前後)に正確に位置決めされるようになっている。
さらに、底板16Aにおける位置決め孔24、26廻りの部分は、他の部分(意匠面)よりも平滑に仕上げられた位置決め面24A、26Aとされている。位置決め面24A、26Aは、位置決め孔24、26に位置決めピンが挿入されたときに該位置決めピン廻りに設けられたドライブ装置の位置決め面に当接するようになっている。これにより、記録テープカートリッジ10のドライブ装置内における鉛直方向の位置決めも為される構成である。
以上説明したケース12内には、図2に示される如く、後に詳述するリール28が回転可能に収容されている。リール28は、1つだけ設けられている。このリール28には、記録テープとしての磁気テープTが巻装されており、磁気テープTの先端には引出部材としてのリーダブロック30が取り付けられている。
リーダブロック30は、記録テープカートリッジ10の不使用時には、ケース12の開口18の内側に収容保持されるようになっている。この状態で、リーダブロック30は、開口18を閉塞し、ケース12内への塵芥等の侵入を阻止している。また、リーダブロック30は、その先端に係合凹部30Aが形成されており、ドライブ装置内で磁気テープTを引き出す際には、係合凹部30Aに係合する引出手段によってケース12から抜き出されてドライブ装置の巻取リールに誘導されるようになっている。さらに、リーダブロック30は、その係合凹部30Aとは反対側の端面が円弧面30Bとされており、上記巻取リールに嵌入されて磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成するようになっている。
(リール等の構成)
次いでリール28について説明する。図2及び図3に示される如く、リール28は、その軸心部を構成するハブとしてのリールハブ32を備えている。リールハブ32は、外周面に磁気テープTが巻装される円筒部34と、該円筒部34の下部を閉塞する底部36とを有し上方に開口する略有底円筒状に形成されている。リールハブ32の底部36側端部(下端部)の近傍からは、下フランジ38がその径方向外側に同軸的かつ一体に延設されている。一方、リールハブ32の上端部には、上フランジ40が接合されている。これにより、リール28は、下フランジ38と上フランジ40との対向面間において、リールハブ32の円筒部34の外周面に磁気テープTが巻き回されるようになっており、円筒部34は上方に開口している。
また、リールハブ32の底部36の下端面(下フランジ38よりも下方に位置する外面)には、全体としてリール28と同軸的な環状に形成されたリールギヤ42が設けられている。リールギヤ42は、ドライブ装置の回転シャフト100の先端外周部に環状に設けられた駆動ギヤ102(図2参照)と噛み合い可能とされている。リールギヤ42は、歯先が下向きとされると共にリール28の径方向における内端がリブ44によって連結されて外歯ギヤ状に形成されている。
このリールギヤ42と底部36の外周部(下フランジ38の内縁近傍部分)との間には、内歯ギヤ状に形成された駆動ギヤ102の噛み合いを可能とするために、環状溝46が形成されている。環状溝46の外側開口端部は、ケース12の環状リブ22に対応してテーパ形状とされたテーパ面46Aとされている。また、底部36の軸心部には透孔48が設けられている。底部36の下面側には、透孔48の縁部を規定するリブ48Aが突設されている。
上フランジ40は、その外径が下フランジ38の外径と同径とされると共に、軸心部にリールハブ32の円筒部34の内径に対応する外径の短筒部40Aが設けられており、短筒部40Aが円筒部34の上端近傍に内嵌した状態で超音波溶着によってリールハブ32に同軸的に固着されている。
そして、図4に示される如く、この上フランジ40の短筒部40Aの内周部には、係合部または内歯ギヤとしての係合ギヤ50が一体に形成されている。係合ギヤ50は、各歯の歯先がリール28の軸心を向く内歯ギヤであり、かつ各歯の上部(歯幅方向の端部)が歯先から歯底にかけてリール28の軸線に対し傾斜した傾斜部50Aとされている。
以上説明したリール28は、リールギヤ42等を有するリールハブ32と下フランジ38とが樹脂成形によって一体に形成されており、また係合ギヤ50が形成された短筒部40Aを有する上フランジ40が樹脂成形によって形成されている。そして、リールハブ32の底部36の下面におけるリブ44とリブ48Aとの間には、磁性材料より成り環状に形成されたリールプレート52がインサート成形により同軸的かつ一体に設けられている。リールプレート52は、回転シャフト100における駆動ギヤ102の径方向内側に設けられたマグネット108による吸着保持(チャッキング)用とされている。
このリール28は、ケース12に収容されて不使用時には底板16A上に載置されるようになっている。具体的には、図2に示される如く、リール28は、主に下フランジ38が底板16Aの内面に当接するようになっており、この状態で環状リブ22を環状溝46に入り込ませてテーパ面46Aに当接させる(嵌合する)ことで、径方向の移動が規制されている。
この状態で、リール28は、全体としてケース12内に位置してリールギヤ42、リールプレート52をギヤ開口20から露出させている(図1(B)参照)。すなわち、リールギヤ42は、底板16Aの外面(下面)から突出することなく、ギヤ開口20からケース12外に臨んでいる。これにより、ケース12の外部からのリール28の操作、すなわちチャッキング(保持)及び回転駆動が可能とされている。
(ロック機構の構成)
また、図2及び図3に示される如く、記録テープカートリッジ10は、磁気テープTの不使用時にリール28の軸線方向の移動を規制すると共にケース12に対する回転を阻止し、ドライブ装置に装填された状態でリール28のケース12に対する浮上及び回転を許容するロック機構60を備えている。以下、ロック機構60の構成を詳細に説明する。
図5に示される如く、ロック機構60はロック部材としてのリールロック部材62を備えている。リールロック部材62は、複数(本実施の形態では2つ)設けられ、リール28の軸心に対し対称に配置されて該リール28の径方向に移動することで係合ギヤ50に噛み合い可能とされている。
具体的には、リールロック部材62は、上フランジ40の短筒部40Aに対応した円弧ブロック状の本体部64を備えており、この本体部64の外周側の凸面に制動ギヤ66が形成されている。制動ギヤ66は、係合ギヤ50に噛み合い可能な外歯ギヤとされており、かつ図6(B)に一部切欠いて示される如く、各歯の上部(歯幅方向の端部)が歯先から歯底に亘り係合ギヤ50の傾斜部50Aに対応して傾斜した傾斜部66Aによって連結されている。この制動ギヤ66の各歯及び係合ギヤ50の各歯は、リールロック部材62がリール28の径方向に移動することで確実に噛み合うように、それぞれ平面視で歯先を頂部とする略鋭角三角形状(両テーパ形状)に形成されている。
また、図6(A)にも示される如く、本体部64の内周側の凹面からは、その上端面に沿って矩形平板状の上側ガイド部68が延設されている。本体部64及び上側ガイド部68の互いに面一とされた上端面は、リール28の軸線と直交する面に沿った平坦面とされている。上側ガイド部68の本体部64と反対側の端部からは、矩形平板状の従動カム部70が延設されている。従動カム部70は、リール28の軸芯側に向けて下向きに傾斜している。上側ガイド部68の従動カム部70との境界部における上部には、当接部としての段部72が形成されている。
一方、本体部64の上側には、ストッパ部74が突設されている。ストッパ部74は、本体部64に似た円弧ブロック状に形成されており、その外周側の凸面が制動ギヤ66の歯先よりも若干外方(リール28の径方向外側)に突出している。また、ストッパ部74の内周側の凹面は、下端(本体部64側)で円弧径が小さくなるようなテーパ面とされている。さらに、ストッパ部74の上面は、本体部64、上側ガイド部68の上面と平行とされている。
このリールロック部材62は、本体部64、上側ガイド部68、従動カム部70がそれぞれ同幅とされてそれぞれの幅方向両端面が面一とされている。また、ストッパ部74は、本体部64の幅方向両端面よりも該幅方向に突出しない寸法とされている。そして、リールロック部材62は、本体部64(制動ギヤ66)、上側ガイド部68、従動カム部70、及びストッパ部74が樹脂成形によって一体に形成されている。
以上説明したリールロック部材62は、支持部材76によってケース12に対しリール28の径方向に移動可能に支持されるようになっている。支持部材76は、略円板状に形成された円板部78を備えており、この円板部78は上面が天板14Aの内面に当接した状態で該天板14Aに溶着または接着されるようになっている。これにより、支持部材76がケース12にリール28と略同軸となるように固着される構成である。
円板部78の中央部には矩形状の貫通孔78Aが設けられており、後述するクラッチ部材88の移動を許容するようになっている。また、円板部78の下面からは、内縁が貫通孔78Aの内縁に対応すると共に外縁が円形状とされたガイド凸部80が突設されている。ガイド凸部80の円板部78下面からの突出高は、リールロック部材62のストッパ部74の高さに対応している。ガイド凸部80の外周面は、リールロック部材62のストッパ部74の内周側凹面に対応したテーパ面とされている。
また、円板部78の下面からは、一対のガイド壁82が立設されている。各ガイド壁82は、互いに対向する矩形平板状に形成されており、該対向間隔がリールロック部材62(本体部64及び上側ガイド部68)の幅に対応している。各ガイド壁82は、互いの対向面が貫通孔78Aの互いに平行な2つの内縁と面一とされており、それぞれガイド凸部80を跨ぐように設けられている。また、各ガイド壁82は、それぞれガイド凸部80よりも下方に突出しており、その下端からガイド凸部80の下面までの高さがリールロック部材62の上側ガイド部68の高さ(厚み)に対応している。
さらに、各ガイド壁82の長手方向両端部からは、それぞれ下方に向けて脚部84が突設されており、各脚部84の下端には係合凸部86が設けられている。各係合凸部86は、それぞれの設けられたガイド壁80とは異なるガイド壁80側に向けて突出している。各係合凸部86の上面から円板部78の下面までの高さは、リールロック部材62の本体部64の下面からストッパ部74上面までの高さに対応している。また、各係合凸部86の上面からガイド凸部80の下面までの高さは、リールロック部材62の本体部64の高さ(本体部64の下面から上側ガイド部68上面までの高さ)に対応している。
この支持部材76は、各部が樹脂材にて構成されており、樹脂成形によって全体として一体に形成されるか、または別部材として形成されたガイド壁82をガイド凸部80が一体に形成された円板部78に取り付けて構成されている。
以上説明した支持部材76は、ストッパ部74がガイド凸部80の径方向外側に位置して制動ギヤ66が径方向外側を向くように、一対のガイド壁82間に各リールロック部材62(本体部64の上部、上側ガイド部68、及びストッパ部74)を摺動可能に入り込ませるようになっている。この状態では、各係合凸部86が各本体部64の幅方向両側から下面に摺動可能に当接して、リールロック部材62の支持部材76からの脱落が防止されている。またこの状態で、リールロック部材62の上側ガイド部68、ストッパ部74の各上面が、それぞれ支持部材76のガイド凸部80、円板部78の各下面に摺動可能に略接している。
これにより、各リールロック部材62は、一対のガイド壁82によって幅方向の移動が規制されると共に、ガイド凸部80及び円板部78と各係合凸部86とによって上下方向の移動及び回転(クラッチ部材88の操作に伴う姿勢変化)が防止されている。すなわち、各リールロック部材62は、一対のガイド壁82の長手方向に沿って案内されてリール28の共通する直径方向の往復移動のみ許容される構成である。
そして、各リールロック部材62は、それぞれ上記リール28の径方向の往復移動によって、制動ギヤ66をリール28の係合ギヤ50に噛み合わせる回転ロック位置(図2参照)と、該噛み合いを解除する解除位置である回転許容位置(図3参照)とを取り得るようになっている。回転ロック位置に位置するリールロック部材62は、それぞれ制動ギヤ66の傾斜部66Aを係合ギヤ50の傾斜部50Aに当接させるか、極近接させるようになっている。
また、回転ロック位置に位置するリールロック部材62は、ストッパ部74における制動ギヤ66の歯先よりも突出した先端部分を、リール28の上フランジ40上面に当接させるか、極近接させるようになっている。これにより、底板16Aに載置されたリール28と、天板14Aに固着された円板部78との間の隙間がストッパ部74によって埋められる(リールロック部材62がロック位置に位置する)構成である。一方、回転許容位置に位置するリールロック部材62は、ストッパ部74における制動ギヤ66の歯先よりも突出した先端部分を上記隙間から抜け出させ(ロック解除位置に移動し)、リール28のケース12内で浮上を許容するようになっている。
なお、係合凸部86は、リールロック部材62の回転ロック位置と回転許容位置との間の往復移動の全行程で、本体部64の下面に接触してリールロック部材62を支持するように配置されている。
さらに、ロック機構60は、リールロック部材62を回転ロック位置と回転許容位置との合いで往復移動させるための切替部材または被操作部材としてのクラッチ部材88を備えており、クラッチ部材88はカム部90を備えている。カム部90は、一直線上に配置される2つのリールロック部材62の各従動カム部70に対応して「V」字状に形成された押上部90Aと、同様に「V」字状に形成され押上部90Aの上側に略平行に配置された押下部90Bと、押上部90Aの頂部内側と押下部90Bの頂部とを連結する連結片90Cとで構成されている。
これにより、カム部90には、それぞれリール28の軸線に対し傾斜すると共に互いに上記軸線に対し軸対称となる2つのカム溝92が形成されている。各カム溝92の溝幅は、リールロック部材62の段部72の上端から従動カム部70の下面までの距離に対応している。また、カム部90は、平面視でリールロック部材62と略同幅で支持部材76の貫通孔78Aを通過可能な矩形状に形成されている。
そして、上面がカム溝92を規定する押上部90Aは、両先端が上下方向に沿う面で切り落とされており、幅方向に直交する長さ寸法が抑えられている。一方、下面がカム溝92を規定する押下部90Bは、両先端が主に水平面に沿って切り落とされており、上下方向の寸法が抑えられて上下方向の移動ストロークを確保するようになっている。なお、押上部90A及び押下部90Bの各先端のエッジ部は、それぞれ適宜丸められるか、面取りが施されている。
また、押上部90Aの頂部(カム部90の下端部)からは、解除操作部94が下方に向けて突設されている。解除操作部94は、短円柱状に形成されている。押上部90Aにおける解除操作部94が突設された頂部近傍は、リール28の透孔48の孔縁に干渉しないように幅方向に絞られて形成されている。一方、押下部90Bの頂部内側からは、ロック操作部96が上方に向けて突設されている。ロック操作部96は、円柱状に形成されている。
以上説明したクラッチ部材88は、樹脂成形によって全体として一体に形成されている。そして、このクラッチ部材88は、各カム溝92に異なるリールロック部材62の従動カム部70を入り込ませた状態で、リール28の軸心部に配設されている。これにより、クラッチ部材88は、ケース12に対し回転不能かつ脱落不能に支持されている。
図2に示される如く、各リールロック部材62が回転ロック位置に位置している状態では、カム部90の押下部90Bの両先端がそれぞれ異なるリールロック部材62の段部72に係合するようになっている。これにより、ロック機構60では、各リールロック部材62は、リール28軸心側(回転許容位置側)への移動が阻止されて回転ロック位置に保持される構成である。この状態では、各リールロック部材62の従動カム部70は、カム溝92の下縁(押上部90Aの上面)から若干離間している。またこの状態で、図1にも示される如く、解除操作部94がリール28の透孔48からケース12外(ギヤ開口20)に露出すると共に、ロック操作部96が天板14Aに設けられた透孔98を貫通してケース12外に僅かに突出している。
そして、この回転ロック状態では、リールロック部材62のストッパ部74が上フランジ40と円板部78(天板14A)との間の隙間を埋めるため、リール28の底部36を押圧してもリール28の軸線方向上側への移動が規制される構成とされている。
また、ロック機構60では、この回転ロック状態から解除操作部94を上方に押圧すると、各リールロック部材62が回転許容位置に移動する構成である。具体的には、カム溝92の下縁が各従動カム部70に当接するまでクラッチ部材88が押し上げられると、押下部90Bの各先端が段部72間から抜け出すことで、各リールロック部材62の保持状態が解除されるようになっている。さらにクラッチ部材88をリール28の軸線方向に押し上げると、該軸線に対し傾斜したカム溝92の下縁が各従動カム部70と摺動しつつクラッチ部材88の押上力をリールロック部材62のリール28径方向の移動力に変換し、各リールロック部材62が回転許容位置に移動する構成である。
図3に示される如く、各リールロック部材62が回転ロック位置に位置している状態では、各従動カム部70がカム溝92に深く入り込み、各上側ガイド部68の段部72とのエッジ部68Aまでカム溝92内に位置している。なお、この状態で各ストッパ部74のテーパ面がガイド凸部80外周のテーパ面に当接して、それ以上のリールロック部材62のリール28軸心側への移動を阻止する構成としても良い。
さらに、ロック機構60では、この回転許容状態からロック操作部96を下方に押圧してクラッチ部材88をリール28の軸線方向に押し下げると、該軸線に対し傾斜したカム溝92の上縁がエッジ部68Aと摺動しつつクラッチ部材88の押下力を各リールロック部材62のリール28径方向の移動力に変換し、各リールロック部材62が回転ロック位置に移動する構成である。さらにクラッチ部材88を押し下げると、押下部90Bが各リールロック部材62の段部72間に入り込んで各リールロック部材62を回転ロック位置に保持する構成である。
そして、ギヤ開口20から露出する解除操作部94は、リール28のリールギヤ42に回転シャフト100の駆動ギヤ102を噛み合わせる動作に伴って、該回転シャフト100の軸心部から突設された解除突起104によって上方に押圧されるようになっている。また、天板14Aの透孔98から突出したロック操作部96は、例えば、ドライブ装置における記録テープカートリッジ装填スペースに対し回転シャフト100とは反対側に設けられ、リールギヤ42と駆動ギヤ102との噛み合いを解除する動作に同期してケース12に相対的に近接するロック突起106によって下方に押圧されるようになっている。
以上説明したように、リールロック部材62では、従動カム部70と上側ガイド部68の一部(エッジ部68A)とで接触子を構成しており、さらに、これらの従動カム部70と上側ガイド部68の一部がクラッチ部材88のカム部90(カム溝92)とで確動カム機構を構成している。
なお、上記の如く本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10は、従来の如くリール28を下方に付勢する圧縮コイルスプリングを備えないため、換言すれば、圧縮コイルスプリングの付勢力がリールギヤと駆動ギヤとの噛み合い部に作用しないため、回転シャフト100にリール28を確実にチャッキングした状態でリールギヤ42と該回転シャフト100の駆動ギヤ102とを噛み合わせるために、該回転シャフト100に設けたマグネット108によるリールプレート52の吸着力を大きく設定することが望ましい。また、リールギヤ42と駆動ギヤ102との互いの噛み合い面をリール28の回転軸線と略平行とすることで、リール28の回転駆動に伴って該リール28と回転シャフト100とを互いに離間させる方向のスラスト力が作用しないようにすることが望ましい。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
上記構成の記録テープカートリッジ10では、磁気テープTの不使用時には、各リールロック部材62の段部72間にクラッチ部材88の押下部90Bが入り込むことで、各リールロック部材62はリール28の軸心側への移動が阻止されて回転ロック位置に保持されている。それぞれ回転ロック位置に位置する各リールロック部材62は、その制動ギヤ66を係合ギヤ50に噛み合わせると共に、底板16A上に載置されたリール28の上フランジ40と円板部78との間の隙間にストッパ部74を入り込ませている。このため、リール28は、ケース12に対する回転が阻止されると共に、軸線方向の移動が規制されてケース12内で殆どガタつくことがない。
このとき、リール28のリールギヤ42がギヤ開口20から露出すると共に、クラッチ部材88の解除操作部94が透孔48から露出している。また、クラッチ部材88のロック操作部96は透孔98を貫通して天板14A上に僅かに突出している。さらに、開口18はリーダブロック30によって閉塞されている。
一方、磁気テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケット(図示省略)へ装填する。そして、記録テープカートリッジ10がバケットに所定深さまで装填されると、天板14Aから突出したロック操作部96上にはドライブ装置のロック突起106が接触する。この状態からバケットは下降し、ドライブ装置の回転シャフト100がケース12のギヤ開口20に向って相対的に接近(上方へ移動)してリール28を保持する。具体的には、回転シャフト100は、マグネット108によって非接触でリールプレート52を吸着保持しつつ、その駆動ギヤ102をリールギヤ42と噛み合わせる。
このリールギヤ42と駆動ギヤ102との噛合い、すなわちケース12に対する回転シャフト100の軸方向近接側の相対移動に伴って、回転シャフト100の解除突起104がクラッチ部材88の解除操作部94に当接し、クラッチ部材88を上方に押し上げる。これにより、クラッチ部材88の押下部90Bが一対のリールロック部材62の段部72間から抜け出し、リールロック部材62の回転ロック位置への保持状態が解除される。
さらにクラッチ部材88が上方に押し上げられると、カム溝92の下縁を規定する押上部90Aの上面が各リールロック部材62の従動カム部70とそれぞれ摺動しつつ、各リールロック部材62をリール28の軸心側に移動させる。そして、各ストッパ部74が上フランジ40と円板部78との間から抜け出し、リールギヤ42に駆動ギヤ102を噛み合わせた回転シャフト100がリール28を底板16Aから所定量だけ浮上させる位置でバケットが停止すると、各リールロック部材62が制動ギヤ66の係合ギヤ50との噛み合いを解除する回転許容位置に至る。これにより、リール28は、ケース12に対し非接触で回転可能となる。
この状態でクラッチ部材88の解除操作部94と解除突起104との当接状態が維持されており、各リールロック部材62は回転許容位置に保持されている。またこの状態では、クラッチ部材88の押上量に応じて、ロック操作部96の天板14Aからの突出量が大きくなっている。
また、上記バケットすなわち記録テープカートリッジ10のドライブ装置内での下降によって、ケース12の各位置決め孔24、26にそれぞれドライブ装置の位置決めピンが入り込むと共に、ケース12の各位置決め面24A、26Aにドライブ装置の位置決め面が当接する。これにより、記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置に対し、水平方向及び鉛直方向に位置決めされる。
すると、ドライブ装置の引出手段が、その引出ピン(図示省略)をリーダブロック30の係合凹部30Aに係合させつつ、該リーダブロック30をケース12から抜き出してドライブ装置の巻取リールに誘導する。さらに、リーダブロック30は、巻取リールに嵌入されて円弧面30Bが磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成する。
この状態で、リーダブロック30が巻取リールと一体に回転すると、磁気テープTが巻取リールのリールハブに巻き取られつつ開口18を通じてケース12から引き出される。このとき、記録テープカートリッジ10のリール28は、リールギヤ42に噛み合う駆動ギヤ102によって伝達される回転シャフト100の回転力によって、巻取リールと同期して回転する。そして、ドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッドによって、磁気テープTへの情報の記録、または磁気テープTに記録された情報の再生が為される。このとき、ケース12に対し回転不能であるクラッチ部材88の解除操作部94は、リール28を回転駆動する回転シャフト100の解除突起104と摺接している。
一方、磁気テープTがリール28に巻き戻されてリーダブロック30がケース12の開口18近傍に保持されると、記録テープカートリッジ10が装填されたバケットを上昇させる。すると、リールギヤ42と駆動ギヤ102との噛合が解除される。これにより、リール28は、リールギヤ42の駆動ギヤ102との噛み合いが解除され、底板16A上に載置される初期位置に復帰する。さらにバケットが上昇すると、クラッチ部材88のロック操作部96にロック突起106が当接し、該上昇に伴ってクラッチ部材88が押し下げられる。
すると、カム溝92の上縁を規定する押下部90Bの下面が各リールロック部材62のエッジ部68Aとそれぞれ摺動しつつ、各リールロック部材62をリール28の外周側に移動させる。そして、各リールロック部材62が制動ギヤ66を係合ギヤ50に噛み合わせて回転ロック位置に復帰すると、クラッチ部材88の押し下げ動作に伴って、押下部90Bが一対のリールロック部材62の段部72間に入り込む。これにより、記録テープカートリッジ10は初期状態に復帰する。
以上の動作が、バケットの所定量(下降量と同じ量)の上昇過程で行なわれ、バケットは所定量だけ上昇すると停止する。バケットが停止すると、記録テープカートリッジ10は該バケットから矢印Aとは反対向きに排出される。
ここで、リールロック部材62に、回転ロック位置に位置するときに上フランジ40と円板部78(天板14A)との間の隙間に入り込んで該隙間を埋め、回転許容位置に位置するときに該隙間から抜け出すストッパ部74を設けため、記録テープカートリッジ10では、不使用時にリール28がケース12内でガタつくことを防止または抑止することができる。
このように、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、不使用時にリール28がケース12内でガタつくことを防止または抑止することができる。
さらに、クラッチ部材88の押下部90Bが、回転ロック位置に位置するリールロック部材62の段部72に当接して該リールロック部材62を回転ロック位置に確実に保持するため、不使用時にリール28のケース12に対する回転及びケース12内でのガタつきを確実に防止することができる。しかも、クラッチ部材88に設けた押下部90Bは、リールロック部材62を回転許容位置に移動させる該クラッチ部材88の操作に連動して上記リールロック部材62の保持状態を解除するため、ロック機構60は全体として構造が簡単で信頼性が高く、ドライブ装置の構造も簡素化される。
さらにまた、記録テープカートリッジ10では、リールハブ32の内側に同軸的に設けられた内歯ギヤである係合ギヤ50にリール28の径方向に移動して噛み合いするリールロック部材62が複数(2つ)設けられているため、リール28が径方向に移動しようとしても該移動が規制される。このため、リール28の径方向のガタつきによって不用意にリール28の回転ロック状態が解除されることも防止される。
そして、これら複数のリールロック部材62が1つのクラッチ部材88の操作によって、それぞれ回転ロック位置と回転許容位置との間を移動するため、部品点数が少なくドライブ装置の構造を複雑化することもない。特に、本実施の形態では、リールロック部材62の数を2つとしているため、クラッチ部材88の構造(形状)が徒に複雑化することが防止されている。
なお、上記の実施の形態では、クラッチ部材88の解除操作部94がリール28の回転駆動に伴って回転シャフト100の解除突起104と摺接するようにしたが、本発明に係る記録テープカートリッジ10の運転方法はこれに限定されず、例えば、回転シャフト100が軸線方向に移動して駆動ギヤ102をリールギヤ42に噛み合わせるドライブ装置では、回転シャフト100を上昇してリールロック部材62を回転許容位置に移動させた後、該回転シャフト100を若干下降させて解除操作部94から解除突起104を離間させた状態でリール28を回転駆動しても良い。この場合、例えば、各リールロック部材62が回転許容位置に位置するときにロック操作部96の一部を透孔98に嵌合させて各リールロック部材62を確実に回転許容位置に保持するように構成することが望ましい。また、クラッチ部材88は、ロック操作部96がドライブ装置に固定されたロック突起106によって押圧操作されるに限られず、例えば、ロック操作部96がドライブ装置の可動部材によって押圧操作されても良く、ロック操作部96を設けず解除操作部94が下側から引張操作されても良い。
また、上記の実施の形態では、クラッチ部材88のカム部90とリールロック部材62の従動カム部70及びエッジ部68A(上側ガイド部68)とで確動カム機構を構成した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、カム溝92を各リールロック部材62に設けると共に該カム溝92に入り込む接触子をクラッチ部材88に設けて確動カム機構を構成しても良い。また、カム溝92に代えて凸状のカムレールを設けてクラッチ部材88を構成すると共に、該カムレールに上下両側から接触する断面コ字状の接触子を設けてロック機構60を構成しても良い。また、確動カム機構としては、リール28の軸線に対し傾斜したカム溝92を有するものには限定されず、例えば、ドライブ装置に操作されて往復回動するクラッチ部材と、係合ギヤ50または底部36に歯先を上に向けて環状に設けられた係合ギヤに噛み合い可能なロック部材との間に、上記クラッチ部材の往復回動に伴ってロック部材をリール28の略径方向に往復移動させる平面視曲線状のカム部をリール軸線との直交面に沿って設けても良く、ロック部材が底部36に設けた係合部に接離するように、上記クラッチ部材の往復回動に伴ってロック部材をリール軸線方向に往復移動させるべく該軸線に対し傾斜したカム部を該軸線廻りの周面に沿って設けても良い。また、このクラッチ部材を往復回動させるための被操作部材は、ギヤ開口20から露出する構成に限られず、例えば、ケース12の周壁14B等に設けた窓部から露出させても良い。
さらに、上記の実施の形態では、クラッチ部材88の押下部90Bが各リールロック部材62の段部72にそれぞれ当接して各リールロック部材62を回転ロック位置に保持する好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、支持部材76またはクラッチ部材88との摩擦によってリールロック部材62を回転ロック位置に保持するようにしても良く、カム部90とは独立してクラッチ部材88に保持部を設けても良く、クラッチ部材88とは独立して他の保持手段を設けても良い。
また、上記の実施の形態では、リールロック部材62を2つ備えた好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、リールロック部材62を1つまたは3つ以上設けてロック機構60を構成しても良い。リールロック部材62を3つ以上設ける場合には、これらを等間隔に配置することが好ましい。また、リールロック部材62を3つ以上設ける場合には、リール28の径方向のガタつきを抑えるために、周方向における係合ギヤ50との噛み合い範囲を大きく設定することが好ましい。この場合、1つのカム溝92を有するクラッチ部材88をリール28の軸心からオフセットして配置しても良い。
さらに、上記の実施の形態では、記録テープカートリッジ10がケース12内に単一のリール28を収容する所謂1リールの記録テープカートリッジである構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、巻き出し用及び巻取り用の2つのリール28を収容する2リールの記録テープカートリッジを構成するリールの一方または双方に対してロック機構60を設けて構成しても良い。
さらにまた、上記の実施の形態では、記録テープとして磁気テープTを用いた構成としたが、本発明はこれに限定されず、記録テープは情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本発明に係る記録テープカートリッジが如何なる記録再生方式の記録テープにも適用可能であることは言うまでもない。
本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの外観を示す図であって、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック状態の断面図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転解除状態の断面図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールをカットして見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するロック機構の分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するロック機構のリールロック部材を示す図であって、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
28 リール
32 リールハブ(ハブ)
62 リールロック部材(ロック部材)
88 クラッチ部材(切替部材)
T 磁気テープ(記録テープ)

Claims (1)

  1. ケース内に収容され、軸心部に設けられた円筒状のハブの外周部に記録テープを巻き回したリールと、
    前記ケース内に設けられ、前記ケースと前記リールとの間の該リールの軸線方向における隙間を埋めるロック位置と、前記隙間から抜け出すロック解除位置とを取り得るロック部材と、
    前記ケース内に設けられ、ドライブ装置によって所定の方向に操作されて前記ロック位置に位置する前記ロック部材を前記ロック解除位置に移動させる切替部材と、
    を備えた記録テープカートリッジ。
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