JP2011138564A - リール及び記録テープカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】巻き締まりに起因する記録テープの変形を抑制できるようにする。
【解決手段】外周面に記録テープTが巻回される円筒部34と、円筒部34の下端部内周縁から径方向内側に向かって延設された延設部36と、延設部36に設けられた突当部36Eと、を有する樹脂製のハブ32と、円筒部34の上端部外周縁から径方向外側に向かって一体に延設された上フランジ38と、上フランジ38と対向するように円筒部34の下端部外周縁の径方向外側に設けられた樹脂製の下フランジ40と、下フランジ40の径方向内側に一体に設けられるとともに、突当部36Eの径方向の位置を径方向内側から規制する位置規制部54を有し、位置規制部54よりも径方向外側の部位が延設部36に溶着された底壁42と、を備えたリール30とする。
【選択図】図11

Description

本発明は、主にコンピューター等の記録再生媒体として使用される磁気テープ等の記録テープが巻装されるリールと、それを備えた記録テープカートリッジに関する。
従来から、コンピューター等のデータ記録再生媒体(データバックアップ)として使用される磁気テープ等の記録テープを合成樹脂製のリールに巻装し、そのリールをケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジが知られている。この記録テープカートリッジのリールは、例えば上フランジとハブとが一体成形され、そのハブの下端部に下フランジが溶着されて形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−305222号公報
一般に、記録テープカートリッジは長期保管されることが多い。そのため、記録テープの巻き締まりによる圧力でハブが径方向内側に変形し、それに起因して、ハブに巻回されている記録テープが変形してしまうという問題がある。この問題を解決する手段は、従来から種々提案されているが、巻き締まりに起因する記録テープの変形を抑制する手段には、未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、巻き締まりに起因する記録テープの変形を抑制できるリールと、それを備えた記録テープカートリッジを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のリールは、外周面に記録テープが巻回される円筒部と、前記円筒部の下端部内周縁から径方向内側に向かって延設された延設部と、前記延設部に設けられた突当部と、を有する樹脂製のハブと、前記円筒部の上端部外周縁から径方向外側に向かって一体に延設された上フランジと、前記上フランジと対向するように前記円筒部の下端部外周縁の径方向外側に設けられた樹脂製の下フランジと、前記下フランジの径方向内側に一体に設けられるとともに、前記突当部の径方向の位置を径方向内側から規制する位置規制部を有し、該位置規制部よりも径方向外側の部位が前記延設部に溶着された底壁と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、下フランジの底壁には位置規制部が設けられ、その底壁がハブに溶着されるときには、その位置規制部が、ハブの延設部に設けられた突当部の径方向の位置を径方向内側から規制する。そして、その位置規制部よりも径方向外側の部位が、ハブの延設部に溶着される。つまり、下フランジの底壁のハブに対する径方向の位置決めは、ハブに対する溶着部位よりも径方向内側で行われるようになっている。
したがって、ハブは、下フランジの底壁との溶着部位よりも径方向外側において、その径方向内側への変形が、下フランジの底壁によって規制されることがない。すなわち、ハブが記録テープの巻き締まりによる圧力で径方向内側に変形しても、その変形を下フランジの底壁が妨げることがない。よって、ハブは、その高さ方向(記録テープの幅方向)において、上下均等に変形されるため、長期保管時等において、ハブに巻回された状態の記録テープの変形を抑制することができ、記録テープの性能劣化を防止することができる。
また、請求項2に記載のリールは、請求項1に記載のリールにおいて、前記突当部が、前記延設部の径方向内側の端面であり、前記位置規制部が、前記端面で構成された貫通孔に挿通されることで、該端面の径方向の位置を径方向内側から規制することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、突当部の形状を簡略化できる。
また、請求項3に記載のリールは、請求項2に記載のリールにおいて、前記位置規制部の上部に、前記端面を案内する傾斜面が形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、ハブに対する下フランジの径方向における位置決めが容易にできる。
また、請求項4に記載のリールは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のリールにおいて、前記底壁の下面に回転駆動用ギアが形成され、前記底壁における溶着部位が、前記回転駆動用ギアよりも径方向内側とされていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、回転駆動用ギアよりも径方向外側のハブの変形を妨げることがない。したがって、ハブは、その高さ方向(記録テープの幅方向)において、上下均等に変形され、上下方向の剛性バランスが保たれる。
また、請求項5に記載のリールは、請求項4に記載のリールにおいて、前記回転駆動用ギアよりも径方向内側の前記底壁に金属製のリールプレートが固着され、前記底壁における溶着部位が、前記リールプレートの存在領域上とされていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、リールプレートよりも径方向外側のハブの変形を妨げることがない。したがって、ハブは、その高さ方向(記録テープの幅方向)において、上下均等に変形され、上下方向の剛性バランスが保たれる。
また、請求項6に記載のリールは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のリールにおいて、前記底壁に、前記ハブの高さ方向の位置を規定する基準面が形成されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、ハブに対する下フランジの高さ方向における位置決めが精度よくできる。
また、本発明に係る請求項7に記載の記録テープカートリッジは、記録テープが巻装された請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のリールと、前記リールを単一で収容するケースと、前記記録テープの端部に取り付けられ、前記ケースに形成された開口から引出可能とされたリーダー部材と、を備えたことを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、長期保管時等において、ハブに巻回された状態の記録テープの変形を抑制することができ、記録テープの性能劣化を防止することができる。
以上のように、本発明によれば、巻き締まりに起因する記録テープの変形を抑制できるリールと、それを備えた記録テープカートリッジを提供することができる。
(A)記録テープカートリッジの上方から見た概略斜視図、(B)記録テープカートリッジの下方から見た概略斜視図 記録テープカートリッジのリールが回転ロック位置にあるときの概略断面図 記録テープカートリッジのリールが回転許容位置にあるときの概略断面図 リールの上方から見た概略分解斜視図 リールの下方から見た概略分解斜視図 上フランジとリールハブの概略底面図 下フランジの概略平面図 下フランジの概略底面図 リールの概略分解断面図 リールの概略断面図 リールの一部拡大概略断面図 下フランジの一部拡大概略断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。まず最初に、本実施形態に係るリール30を備えた記録テープカートリッジ10について説明する。なお、説明の便宜上、図1で示す矢印A方向を記録テープカートリッジ10の前方向(ドライブ装置への装填方向)とし、矢印B方向を記録テープカートリッジ10の右方向、矢印C方向を記録テープカートリッジ10及びリール30の上方向とする。
図1〜図3で示すように、記録テープカートリッジ10は、樹脂製のケース12を備えている。ケース12は、上ケース14と下ケース16とを接合して構成されている。具体的には、上ケース14は、平面視略矩形状の天板14Aの外縁に沿って略枠状の周壁14Bが立設されて構成されており、下ケース16は、天板14Aに略対応した形状の底板16Aの外縁に沿って略枠状の周壁16Bが立設されて構成されている。そして、ケース12は、周壁14Bの開口端と周壁16Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース14と下ケース16とが接合されて、略矩形箱状に形成されている。
このケース12には、ドライブ装置への装填方向先頭側の隅角部において、天板14A、周壁14B、底板16A、周壁16Bがそれぞれ切り欠かれて、その装填方向に対して傾斜した開口18が形成されている。また、底板16Aの略中央部には、底板16Aを貫通する円形状のギア開口20が設けられており、後述するリールギア44の露出用とされている。底板16Aにおけるギア開口20の縁部には、環状リブ22がケース12の内方へ向けて突設されており、後述するリール30の位置決め用及び防塵用とされている。
また、ケース12の底板16Aの外面における前端近傍には、一対の位置決め穴24、26が開口している。一対の位置決め穴24、26は、底板16Aからケース12内方に立設された突部(図示省略)内に袋状に設けられ、矢印B方向における仮想線上で互いに離隔して配置されている。
そして、開口18に近い側の位置決め穴24は、ドライブ装置の位置決めピン(図示省略)に外接する底面視略正方形状とされ、位置決め穴26は、上記仮想線に沿って長手で、かつ幅が位置決めピンの直径に対応する長穴とされている。したがって、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されて位置決め穴24、26にそれぞれ位置決めピンが挿入されると、ドライブ装置内で水平方向(左右及び前後)に正確に位置決めされる構成である。
更に、底板16Aにおける位置決め穴24、26周りは、他の部分(意匠面)よりも平滑に仕上げられた基準面24A、26Aとされている。基準面24A、26Aは、位置決め穴24、26に位置決めピンが挿入されたときに、位置決めピン周りに設けられたドライブ装置の基準面(図示省略)に当接するようになっている。これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置内において鉛直方向に正確に位置決めされる構成である。
また、ケース12内には、図2、図3で示すように、樹脂製のリール30(詳細は後述する)が単一で回転可能に収容されている。このリール30には、磁気テープ等の記録テープTが巻装されており、図1で示すように、記録テープTの先端には、リーダー部材としてのリーダーブロック28が取り付けられている。リーダーブロック28は、記録テープカートリッジ10の不使用時には、ケース12の開口18の内側に収容保持されている。そして、この状態で、リーダーブロック28は、開口18を閉塞し、ケース12内への塵埃等の侵入を阻止している。
また、リーダーブロック28は、その先端に係合凹部28Aが形成されており、ドライブ装置内で記録テープTを引き出す際には、係合凹部28Aに係合する引出手段(図示省略)によってケース12から引き出されてドライブ装置の巻取リール(図示省略)に誘導されるようになっている。更に、リーダーブロック28は、その係合凹部28Aとは反対側の端面が円弧面28Bとされており、巻取リールのリールハブに嵌入されることにより、記録テープTを巻き取る巻取面の一部を構成するようになっている。
次に、リール30及び不使用時にリール30の回転を阻止する制動手段について説明する。図4〜図6、図9〜図11で示すように、リール30は、その軸心部を構成する略円筒状のリールハブ32を備えている。リールハブ32は、外周面に記録テープTが巻回される板厚D1(図11参照)の円筒部34と、円筒部34の下端部における内周縁からリールハブ32の中心に(径方向内側に)向かって幅W(図6参照)で一体に環状に延設された環状延設部36(中心に貫通孔37を有する底壁)とを有している。
つまり、リールハブ32の底壁中央には、後述する下フランジ40の底壁42に形成されたクラッチ用ボス部54(位置規制部)を挿通させる貫通孔37が形成されており、環状延設部36の幅Wは、リールハブ32(円筒部34)の内径の1/2(半径)から、クラッチ用ボス部54の外径の1/2(半径)を減算した長さと略同一とされている。
具体的には、環状延設部36の径方向内側端面36E(突当部:図4、図11等参照)とクラッチ用ボス部54の下部54A側の外周面54E(図4、図11等参照)との間のクリアランスは、半径で例えば0.03mmとされている。したがって、この貫通孔37にクラッチ用ボス部54が挿通されることにより、リールハブ32に対する下フランジ40の径方向における位置が規定される(位置決めされる)構成である。
また、図4〜図6で示すように、その底壁である環状延設部36には、周方向に等間隔で複数(図示のものは6個)の貫通孔35が形成されている。この貫通孔35は、下フランジ40の底壁42に形成されている係合ギア48(後述)を挿通させるための孔部であり、環状延設部36の幅Wは、貫通孔35が形成できるような大きさとされている。そして、この貫通孔35に係合ギア48が挿通されることにより、リールハブ32が下フランジ40に対して回り止めされるようになっている。つまり、これにより、リールハブ32に対する下フランジ40の周方向における位置が規定される構成である。
また、その貫通孔35間の環状延設部36の一部(図示のものは3箇所)には、成形用樹脂材の注入口とされたゲート跡Gが形成されている。そして、環状延設部36の下面側において、貫通孔35よりも径方向外側で、かつ円筒部34の内周縁よりも径方向内側には、貫通孔35が穿設されている平板部分を上方に向かって階段状に盛り上げるような段差部36Aが環状に形成されている。なお、この段差部36Aを除く環状延設部36の板厚D2(図11参照)は、円筒部34の板厚D1よりも小さくされている。
また、この円筒部34の上端部における外周縁から径方向外側に向かって同軸的かつ一体に上フランジ38が延設されている。つまり、このリール30は、リールハブ32と上フランジ38とが成形用樹脂材によって一体成形され、リールハブ32の下端部(環状延設部36)に、下フランジ40(底壁42)が接合(溶着)されて構成されるようになっている。
図4、図5、図7〜図12で示すように、下フランジ40は、その外径が上フランジ38の外径と同径とされ、その軸心部(径方向内側)には、後述するリールプレート46が下面に固着される底壁42が一体に形成されている。すなわち、リール30において、円筒部34の下端部における外周縁の径方向外側が実質的な下フランジ40であり、その外周縁よりも径方向内側が下フランジ40の底壁42とされている。
そして、環状延設部36の段差部36Aと対応する底壁42の上面には、環状の段差部42Aが形成されている。この段差部42Aにおける上面42Bが高さ方向の基準面とされ、環状延設部36の段差部36Aにおける下面36Bに当接することにより、下フランジ40に対するリールハブ32(上フランジ38)の高さ方向(上下方向)の位置が規定される(位置決めされる)構成である。
なお、図11で示すように、段差部36Aの径方向外側における内周面36Cと段差部42Aの径方向外側における外周面42Cとの間、及び段差部36Aの径方向内側における内周面36Dと段差部42Aの径方向内側における外周面42Dとの間には、それぞれ所定のクリアランスJ1、J2が形成されるようになっている。このクリアランスJ1、J2の大きさは、例えば各0.2mm以上とされており、各クリアランスJ1、J2の値は同一とされてもよいし、同一とされなくてもよい。
また、図5〜図11で示すように、クラッチ用ボス部54よりも径方向外側の部位、詳細には、後述するリールギア44よりも径方向内側に設けられたリールプレート46の存在領域内(リールプレート46の外周縁部46Bと内周縁部46Cとの間)で、かつ後述する小孔56を除いた領域(平坦領域)に重なる、環状延設部36の下面の所定位置(径方向における貫通孔37と貫通孔35との間)には、超音波溶着用のリブであるエネルギーダイレクター(以下「ED」という)41が所定間隔を隔てて(等間隔に)複数個(図示のものは9個)環状に突設されている。
このED41が超音波によって溶融されることにより、リールハブ32の環状延設部36の下面に、下フランジ40の底壁42の上面が溶着され、上フランジ38と下フランジ40との対向面間におけるリールハブ32(円筒部34)の外周面に、記録テープTが巻回可能となる構成である。
また、その溶着時には、段差部36Aの下面36Bに段差部42Aの上面42Bが当接するが、リールハブ32(円筒部34)の下端部は、下フランジ40の上面に当接しないようになっている(円筒部34の下端部と下フランジ40の上面との間には微小なクリアランスK(図10参照)が形成されるようになっている)。
また、図8で詳細に示すように、下フランジ40の底壁42の下面(外面)には、リールハブ32に接合したときに、そのリールハブ32と同軸的な環状となる回転駆動用ギアとしてのリールギア44が形成されている。このリールギア44は、図2、図3で示すドライブ装置の回転シャフト100の先端に設けられた駆動ギア108と噛合可能とされている。
また、このリールギア44は、その歯先が下フランジ40の下面よりも下方へ突出するとともに、歯底が下フランジ40の下面よりも上側に位置しており、各歯の径方向外側部分が歯の高さ方向中央部から歯底にかけて下フランジ40に連続するテーパー部43(図2、図3参照)とされている。なお、リールギア44上の所定位置には、成形用樹脂材の注入口とされたゲート跡Gが所定間隔を隔てて(等間隔に)複数個(図8で示すものは3個)形成されている。
また、図5、図8で詳細に示すように、リールギア44の径方向内側には、磁性材料でできた環状金属板であるリールプレート46が、インサート成形によって下フランジ40の底壁42に同軸的かつ一体的に固着されている。
リールプレート46には、固着部としての小孔56が、周方向に所定間隔を隔てて(等間隔に)複数個(図示のものは4個)形成されており、その小孔56の内周面には、下側の開口径が上側の開口径よりも大径となるような段差部57が形成されている(図9〜図12参照)。したがって、このリールプレート46は、図示しない金型内にセットされた後、成形用樹脂材が小孔56内に入り込み、その成形用樹脂材が段差部57の下面に回り込んで固化されることにより、底壁42に固着される構成である。
また、下フランジ40の底壁42の中央(軸心部)には、後述するクラッチ部材84を挿通させる貫通孔50が形成されており、その貫通孔50の縁部に沿って、位置規制部としての短円筒状のクラッチ用ボス部54が上方に向かって突設されている。このクラッチ用ボス部54については、後述するクラッチ部材84と共に説明する。なお、リールプレート46の軸心部は透孔46Aとされており、図9〜図12で示すように、透孔46Aの内径は貫通孔50の内径よりも僅かに小さく形成されている。
また、図4、図7で詳細に示すように、段差部42Aよりも径方向内側の底壁42には、リールハブ32と同軸的かつ部分的になるような係合ギア48が所定間隔を隔てて(等間隔に)複数(図示のものは6個)突設されており、リールハブ32の環状延設部36に形成された貫通孔35に挿通されて上方へ突出するようになっている。そして、この係合ギア48は、後述する制動部材60の制動ギア66と噛合可能とされている。
また、リールハブ32における円筒部34の内周面には、リール30の軸線方向に沿った立リブ52(図11参照)が、周方向に等間隔で複数個形成されている。この立リブ52は、回転ロック位置に位置する制動部材60の平板部64(後述)の外周縁に近接するように、その径方向の突出長さが決められており、回転許容位置に位置する制動部材60の外周縁との間隔が所定値以上となるように、その上部が切り欠かれている。
また、図2、図3で示すように、リール30はケース12に収容されており、不使用時には環状リブ22上に載置されるようになっている。具体的には、リール30は、底壁42におけるテーパー部43の外側部分が環状リブ22の上端面に当接するようになっており、環状リブ22の上端内縁部がテーパー部43に対応したテーパー面22Aとされることで、径方向の移動が規制されている。そして、そこからの塵埃等の侵入を防止する構成になっている。
また、この状態で、リール30は、全体としてケース12内に位置してリールギア44、リールプレート46をギア開口20から露出させている(図1(B)参照)。すなわち、リールギア44は、底板16Aの外面(下面)から突出することなく、ギア開口20からケース12外に臨んでいる。また、リールプレート46の透孔46Aを通じて貫通孔50がギア開口20に臨んでいる。
これにより、ケース12の外部からリール30の操作、即ちチャッキング(保持)及び回転駆動が可能とされている。また、この状態で、リールハブ32(円筒部34)の上端部側における径方向内側には、天板14Aから立設された環状の規制リブ58が入り込んでいる。規制リブ58は、その外周面をリールハブ32(円筒部34)の内周面に近接させており、これによって、ケース12内におけるリール30のガタつきを抑止する構成である。
また、記録テープカートリッジ10は、不使用時にリール30の回転を阻止する制動手段としての制動部材60を備えている。制動部材60は基部62を有しており、その基部62は、下方に開口した略有底円筒状に形成されている。基部62の外周部における軸線方向中間部からは、環状に形成された平板部64が全周に亘り径方向外側に延設されており、平板部64の下面には、全周に亘り制動ギア66が設けられている。すなわち、制動ギア66は、全体として環状に形成されており、リール30の係合ギア48と噛合可能に構成されている。
また、基部62の下面における軸心部には摺接突部68が突設されている。摺接突部68は、その先端部が略球面状に形成されており、後述するクラッチ部材84と略点接触するようになっている。一方、基部62の上面には、内部に平面視略十字状に溝が形成された十字突起70が立設されている。また、基部62の上面には環状のリブ72が立設されており、リブ72と十字突起70との間の上面が、後述する圧縮コイルスプリング76の一端部が当接するバネ受面74とされている。
このような構成とされた制動部材60は、リールハブ32の円筒部34内に、上下方向(リール30の軸線方向)に移動可能に、かつ略同軸的に挿設されている。すなわち、制動部材60は、上下方向に移動することで、その制動ギア66をリール30の係合ギア48と噛合する位置(回転ロック位置)と、その噛合を解除する位置(回転許容位置)とを取り得るようになっている。
また、制動部材60の十字突起70の溝内には、ケース12の天板14Aから下方へ突設された十字リブ80が入り込むようになっている。十字リブ80は、2つの薄板片を互いに直交するように交差させた回り止め形状とされ、十字突起70の溝壁と係合することで、制動部材60のケース12に対する回転を阻止するようになっている。したがって、制動部材60は、その制動ギア66をリール30の係合ギア48と噛合させることで、リール30の回転を阻止することができる。
なお、十字リブ80は、制動部材60の上下方向の全移動ストロークに亘って溝内に入り込んだ状態が維持されるようになっており、制動部材60の移動方向を上下方向にガイドする機能も果たす構成である。また、制動部材60のバネ受面74と天板14Aとの間には、広義には付勢手段として把握される圧縮コイルスプリング76が配設されている。圧縮コイルスプリング76は、その一端部がバネ受面74に当接するとともに、他端部が天板14Aに当接しており、この他端部は天板14Aにおける十字リブ80の外側に突設された環状壁部78の内側に位置して、径方向に位置ずれしないようになっている。
この圧縮コイルスプリング76の付勢力によって、制動部材60が下方に付勢され、ドライブ装置に装填されない不使用時には、制動ギア66を係合ギア48に噛合させてリール30の不用意な回転を防止する構成である(制動部材60を回転ロック位置に位置させる構成である)。また、この付勢力により、係合ギア48において制動部材60と噛合しているリール30も下方に付勢され、環状リブ22に当接されてケース12内でガタつかないようになっている。
また、記録テープカートリッジ10は、制動部材60によるリール30のロック状態を解除するときに外部から操作される解除部材としてのクラッチ部材84を備えている。クラッチ部材84は、リールギア44がドライブ装置の駆動ギア108に噛合する動作に伴って、後述するドライブ装置の解除突部110に押圧されて上方へ移動するようになっており、リール30の底壁42と制動部材60との間に配設されている。
すなわち、このクラッチ部材84は、透孔46A及び貫通孔50に挿通される略円柱状に形成され、その外径がリールプレート46の透孔46Aの内径とほぼ同一に、即ちクラッチ用ボス部54の内径と一致する貫通孔50の内径よりも若干小さく形成されている。
また、このクラッチ部材84は、その平坦な軸心部上端面が、制動部材60の摺接突部68と常に当接する摺接面86とされ、下方に開口して設けられた肉抜き穴周りの平坦な下端面が、押圧操作面88とされている。したがって、クラッチ部材84は、その押圧操作面88が押圧されると、圧縮コイルスプリング76の付勢力に抗して上方へ移動し、制動部材60を回転許容位置へ移動させる構成である。
また、このクラッチ部材84は、その外周面よりも径方向外側に張り出した回転規制リブ90を備えている。回転規制リブ90は、クラッチ部材84の周方向に等間隔で複数(図示のものは6個)設けられ、各回転規制リブ90は平面視で放射状に配置されている。そして、各回転規制リブ90は、クラッチ部材84の摺接面86周りの上端面と、その上端面近傍の外周面とに跨る(それぞれに連続する)ように、摺接面86よりも上方に突出している。
また、各回転規制リブ90は、それぞれクラッチ用ボス部54の内縁部に凹設された回転規制溝82(図4、図7、図9〜図12参照)に入り込むようになっている。すなわち、各回転規制溝82は、クラッチ用ボス部54の周方向に等間隔で複数(図示のものは6個)設けられており、クラッチ用ボス部54の上端で上方に開口している。これにより、クラッチ部材84は、その回転規制リブ90において、クラッチ用ボス部54の回転規制溝82にガイドされつつ、上下方向の移動が可能とされている。
また、各回転規制リブ90は、クラッチ部材84が上方に移動して制動部材60を回転許容位置に位置させるときにも、クラッチ用ボス部54の回転規制溝82に入り込んだ状態を維持するようになっている。これにより、クラッチ部材84は、リール30に対する相対回転不能、即ち常にリール30と一体に回転する構成とされている。また、各回転規制溝82がクラッチ用ボス部54の下端部において閉塞されていることから、回転規制リブ90と回転規制溝82とによって、クラッチ部材84のリールハブ32からの脱落が防止されている。
また、クラッチ用ボス部54は、図12で詳細に示すように、その下部54A(外周面54E)が底壁42の上面に垂直に突設された実質的な位置規制部とされており、それに連続する上部54B側の外周面が、上方に行くに従って外径が小さくなる傾斜面54Cとされている。なお、図12で示すクラッチ用ボス部54は、傾斜面54Cの傾斜角度よりも傾斜角度の大きい傾斜面54Dが、上部54B外周面に傾斜面54Cと連続して形成されているが、これに限定されず、例えば上部54Bから下部54Aに架けて所定角度で傾斜する傾斜面とされた外周面を備える構成とされてもよい。
また、図2、図3で示すように、ドライブ装置の回転シャフト100は、回転軸102を備えており、回転軸102の上端には、円板状の回転テーブル104が一体的かつ同軸的に設けられている。回転テーブル104の上面で、かつ外周縁部には、記録テープカートリッジ10のリールギア44と噛合可能な駆動ギア108が環状に形成されている。また、回転テーブル104の上面で、駆動ギア108の径方向内側には、略円板状に形成されたマグネット106が同軸的に配設されており、回転テーブル104の軸心部には、クラッチ部材84の押圧操作面88に当接する解除突部110が形成されている。
次に、本実施形態に係るリール30及び記録テープカートリッジ10の作用について説明する。記録テープカートリッジ10では、不使用時には、圧縮コイルスプリング76の付勢力によって、制動部材60が回転ロック位置に位置して制動ギア66を係合ギア48に噛合させている。このため、リール30は、ケース12に対する回転が阻止されている。このとき、リール30のリールギア44がギア開口20から露出するとともに、クラッチ部材84が貫通孔50、透孔46Aに挿通されてギア開口20に臨んでいる。
一方、記録テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケット(図示省略)へ装填する。そして、記録テープカートリッジ10がバケットに所定深さまで装填されると、バケットは下降し、ドライブ装置の回転シャフト100がケース12のギア開口20に向って相対的に接近(上方へ移動)してリール30を保持する。具体的には、回転シャフト100は、マグネット106によって非接触でリールプレート46を吸着保持しつつ、その駆動ギア108をリールギア44と噛合させる。
このリールギア44と駆動ギア108との噛合、即ちケース12に対する回転シャフト100の軸方向近接側の相対移動に伴って、回転シャフト100の解除突部110がクラッチ部材84の押圧操作面88に当接し、圧縮コイルスプリング76の付勢力に抗してクラッチ部材84を上方に押し上げる。これにより、摺接突部68においてクラッチ部材84に当接している制動部材60も上方に移動し、制動ギア66と係合ギア48との噛合が解除されるとともに、リール30に対する相対的な回転許容位置へ移動する。
すなわち、回転シャフト100が上方へ相対移動すると、圧縮コイルスプリング76の付勢力に抗して、リール30がクラッチ部材84、制動部材60と共に(相対位置を変化させないまま)上方に持ち上げられ、制動部材60が(ケース12に対する)回転許容位置へ達するとともに、下フランジ40が環状リブ22(テーパー面22A)から離隔する。これにより、リール30は、ケース12内で浮上して、ケース12の内面と非接触状態で回転可能となる。
また、このとき、バケット、即ち記録テープカートリッジ10のドライブ装置内での下降によって、ケース12の各位置決め穴24、26にそれぞれドライブ装置の位置決めピンが入り込むとともに、ケース12の各基準面24A、26Aにドライブ装置の基準面が当接する。これにより、記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置に対する水平方向及び鉛直方向が位置決めされる。すると、ドライブ装置の引出手段が、リーダーブロック28の係合凹部28Aに係合しつつ、そのリーダーブロック28をケース12から抜き出してドライブ装置の巻取リールに誘導する。
そして、リーダーブロック28は、巻取リールのリールハブに嵌入されて、その円弧面28Bが記録テープTを巻き取る巻取面の一部を構成する。この状態で、リーダーブロック28が巻取リールと一体に回転すると、記録テープTが巻取リールのリールハブに巻き取られつつ、開口18を通じてケース12から引き出される。なお、このとき、記録テープカートリッジ10のリール30は、リールギア44に噛合する駆動ギア108によって伝達される回転シャフト100の回転力によって、巻取リールと同期して回転する。
そして、ドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド(図示省略)により、記録テープTへの情報の記録、又は記録テープTに記録された情報の再生がなされる。なお、このとき、ケース12に対して回転不能である制動部材60の摺接突部68は、リール30と共にケース12に対して回転するクラッチ部材84の摺接面86と摺接している。つまり、クラッチ部材84は、リールギア44が駆動ギア108と噛合している状態では、その押圧操作面88における解除突部110との当接状態が維持されて、制動部材60を回転許容位置に保持する構成である。
そして、リール30の回転時には、リール30と一体に回転するクラッチ部材84とリール30を駆動する回転シャフト100との間には相対回転がなく、押圧操作面88と解除突部110とは互いに摺接することがない構成であり、クラッチ部材84の摺接面86と、ケース12に対して回転不能な制動部材60の摺接突部68とが互いに摺接する構成になっている。このように、回転軸102とクラッチ部材84との間には相対回転がないため、解除突部110や押圧操作面88が摩耗されるような不具合はない。
一方、記録テープTへの情報の記録、又は記録テープTに記録された情報の再生が終了すると、記録テープTがリール30に巻き戻されて、リーダーブロック28がケース12の開口18近傍に保持される。そして、記録テープカートリッジ10が装填されたバケットが上昇する。すると、リールギア44と駆動ギア108との噛合が解除されるとともに、解除突部110とクラッチ部材84の押圧操作面88との当接が解除され、クラッチ部材84が圧縮コイルスプリング76の付勢力によって制動部材60と共に(当接状態を維持しつつ)下方へ移動する。
これにより、制動部材60の制動ギア66が係合ギア48と噛合し、制動部材60がケース12に対してリール30の回転を阻止する回転ロック位置へ復帰する。また、制動部材60とクラッチ部材84が圧縮コイルスプリング76の付勢力によって移動する動作に伴って、リール30も下方へ移動して、その下フランジ40を環状リブ22に当接させつつ、リールギア44をギア開口20から露出させる初期状態に復帰する。この状態で、記録テープカートリッジ10がドライブ装置(バケット)から排出される。
ここで、本実施形態に係るリール30の作用について更に詳細に説明する。リール30は、上フランジ38とリールハブ32とが一体成形され、その上フランジ38が一体成形されたリールハブ32に、底壁42を有する下フランジ40が溶着されて構成されている。そして、下フランジ40の底壁42の下面(外面)側には、予めリールプレート46がインサート成形によって一体的に固着されており、その底壁42の強度(剛性)は確保されている。
下フランジ40をリールハブ32に溶着する際には、底壁42の上面中央に突設されているクラッチ用ボス部54を、リールハブ32の底壁中央に形成されている貫通孔37に挿通し、かつ環状延設部36に形成された貫通孔35に係合ギア48を挿通しつつ、段差部42Aの上面42Bに段差部36Aの下面36Bを当接させ、リールハブ32の環状延設部36の溶着面に突設されているED41を、下フランジ40の底壁42の被溶着面に接触させる。すなわち、貫通孔35よりも径方向内側の環状延設部36の下面を、クラッチ用ボス部54よりも径方向外側の底壁42の上面に当接させる。
次いで、図示しないホーンをリールハブ32(円筒部34)内に挿通し、貫通孔35よりも径方向内側(リール30の中心側)の環状延設部36の上面に当接させ、そのホーンから発生される超音波によって、ED41を溶融する。これにより、リールハブ32に下フランジ40が溶着され、リール30が製造されるが、リールハブ32の溶着面において、ED41が設けられる領域は、リールハブ32の溶着面を下フランジ40の被溶着面に重ねたときに、リールプレート46の存在領域内で、かつリールプレート46を底壁42に固着するための小孔56部分を除く領域(平坦領域)とされる。
すなわち、ED41が設けられる領域は、例えば図6〜図8で示すように、平面視又は底面視で、リールプレート46の外周縁部46Bと内周縁部46Cとの間、更には貫通孔35(係合ギア48)と貫通孔37との間で、かつ小孔56部分よりも径方向外側の領域とされる。これは、リールプレート46がインサート成形によって底壁42の下面(外面)に固着される場合、段差部57の下面に回り込んで固化した樹脂材が、小孔56から下方に向かって凸状に突出するためである。
つまり、ED41が設けられる領域が、下フランジ40(底壁42)に固着されたリールプレート46の存在領域内で、かつ小孔56部分を除く領域とされていると、図示しない受け台をその小孔56部分の直下に存在させないように構成することができ(受け台がリールプレート46の平坦領域のみを支持できるように構成することができ)、下フランジ40(底壁42)の受け台に対するフラット性を確保することができるからである。
したがって、リールプレート46の表面に凸部(小孔56部分など)があっても、下フランジ40(底壁42)を受け台にセットしたときには、下フランジ40が、その受け台に対して傾くような不具合が起きず、リールハブ32の溶着面を下フランジ40の被溶着面に重ねて溶着するときの溶着精度(リールハブ32に対する下フランジ40の溶着精度)を向上させることができる。
また、リールハブ32の環状延設部36の上面に係合ギア48が設けられ、かつ、その環状延設部36の下面に下フランジ40の底壁42が溶着される場合、その溶着部位の反りや溶着量のばらつきによって係合ギア48の精度、特にリールギア44からの高さを一定にし難い。
しかし、本実施形態に係るリール30では、係合ギア48が環状延設部36ではなく、下フランジ40の底壁42に形成されているので、溶着部位の反りや溶着量のばらつきが係合ギア48に影響せず、係合ギア48の精度(リールギア44からの高さ)を一定にすることができる。
つまり、本実施形態に係るリール30では、係合ギア48を溶着部位(溶着面)と分離したので、寸法精度が求められる係合ギア48の溶着時のばらつきを無くすことができ、その係合ギア48を制動部材60に対して精度よく係合させることができる。なお、環状延設部36は、係合ギア48を挿通させる貫通孔35を有しているが、リールハブ32の下端部に環状に形成されているので、その強度が低下するような不具合は起きない。
また、リールハブ32と下フランジ40とを溶着する際、リールハブ32の環状延設部36に形成された段差部36Aの下面36Bが、下フランジ40の底壁42に形成された段差部42Aの上面42B(基準面)に当接する。したがって、リールハブ32(上フランジ38)に対して、高さ方向(上下方向)を精度よく位置決め(位置規定)しつつ、下フランジ40(リールギア44を含む底壁42)を溶着することができ、リールギア44とリールハブ32の同軸度を良好に確保することができる。
そして、このとき、図10で示すように、リールハブ32(円筒部34)の下端部は、下フランジ40の上面に当接しない構成とされている(円筒部34の下端部と下フランジ40の上面との間には微小なクリアランスKが形成されている)。したがって、溶着後の上フランジ38と下フランジ40の平行度を確保することができ、リール30の回転時において、リールハブ32から下フランジ40へ直接振動が伝達されないようにできる(振動伝達を遮断できる)ため、下フランジ40の面振れ幅(変形)を抑制することができる。
また、段差部36Aを除く環状延設部36の板厚D2が円筒部34の板厚D1よりも小さくされているため、リールハブ32(円筒部34)は、記録テープTの巻き締まりによる圧力で径方向内側へ弾性(撓み)変形可能となっている。そして、リールハブ32に対する下フランジ40(底壁42)の径方向における位置決めは、ED41による溶着部位よりも径方向内側で行われ、その溶着部位よりも径方向外側において、径方向の位置決め(位置規制)が行われないようになっている。
具体的には、リールハブ32に対する下フランジ40(底壁42)の径方向における位置決めは、底壁42の上面中央に突設されたクラッチ用ボス部54が、リールハブ32の底壁中央に穿設された貫通孔37に挿通されることによって行われ、環状延設部36における段差部36Aの内周面36C、36Dと、底壁42における段差部42Aの外周面42C、42Dとの間には、それぞれ所定のクリアランスJ1、J2が形成されるようになっている。
したがって、底壁42との溶着部位よりも径方向外側において、リールハブ32(円筒部34)の径方向内側に向かう弾性変形が、その底壁42によって規制されることがない。換言すれば、リールハブ32(円筒部34)が記録テープTの巻き締まりによる圧力で径方向内側へ弾性変形しても、上記クリアランスJ1、J2により、段差部36Aの内周面36C、36Dが、底壁42の外周面42C、42Dにそれぞれ接触することはない。
よって、リールハブ32(円筒部34)は、その弾性変形が底壁42に妨げられることがなく、その高さ方向(記録テープTの幅方向)において、上下均等に(上下対称形状となるように)弾性変形される。これにより、記録テープカートリッジ10を保管する環境によらず、リール30に巻回された状態の記録テープTの変形を抑制することができ、記録テープカートリッジ10の長期保管時等において、記録テープTの性能劣化を防止することができる。
特に、本実施形態では、リールハブ32の環状延設部36に対する下フランジ40の底壁42の溶着部位が、リールギア44よりも径方向内側、即ちリールプレート46の存在領域上とされているので、リールプレート46(リールギア44)よりも径方向外側におけるリールハブ32(円筒部34)の弾性変形を妨げることがない。したがって、リールハブ32は、その高さ方向(記録テープTの幅方向)において、上下均等に弾性変形され、上下方向の剛性バランスが保たれる。
また、クラッチ用ボス部54の上部54Bには、傾斜面54D及び傾斜面54Cが形成されているので、クラッチ用ボス部54を貫通孔37に挿入する際には、その貫通孔37を構成する環状延設部36の径方向内側端面36Eが良好に案内される。したがって、リールハブ32に対する下フランジ40の組み付けがし易く、リールハブ32に対する下フランジ40の径方向における位置決めが容易にできる。
なお、本実施形態では、クラッチ用ボス部54(下部54A)を位置規制部としたが、位置規制部は、これに限定されるものではなく、例えばクラッチ用ボス部54とは別に、底壁42の上面に凸部(図示省略)を突設して、環状延設部36の径方向内側端面36Eの位置を規制するようにしてもよい。
また、底壁42に設けられた位置規制部(クラッチ用ボス部54)に径方向外側から突き当てる突当部は、環状延設部36の径方向内側端面36Eでなくてもよい。例えば、環状延設部36に段状の部位を形成しておき、その部位を、底壁42に設けられた位置規制部に突き当てるようにしてもよい。
この場合、位置規制部は、環状延設部36の段状の部位に対応した段形状に形成してもよい。なお、ここで言う「突き当てる」とは、径方向内側へ向かう移動が規制されるように接触させることを意味するが、僅かに隙間が空いている状態であり、実質的に径方向内側へ向かう移動が規制されている状態も含まれることとする。
つまり、リールハブ32(環状延設部36)と下フランジ40(底壁42)との溶着部位よりも径方向内側において、両者のクリアランスが最小となる部位が、リールハブ32(環状延設部36)に対する下フランジ40(底壁42)の径方向における位置規制部(位置決め部位)となる。
また、上記実施形態では、ED41をリールハブ32の環状延設部36に突設する構成としたが、ED41は下フランジ40の底壁42に突設する構成としてもよい。更に、図示のED41は小孔56よりも径方向外側に配置されているが、小孔56が設けられる位置によっては、小孔56よりも径方向内側に配置されてもよい。つまり、小孔56の位置は適宜設計変更されてもよい。
また、上記実施形態では、リーダー部材をリーダーブロック28としたが、リーダー部材は、これに限定されるものではなく、例えば略円柱状とされたリーダーピン(図示省略)としてもよい。そして、その場合、ケース12に、開口18を開閉する遮蔽部材(所定の直線又は円弧に沿って移動するスライドドア等:図示省略)を備える構成としてもよい。
また、記録テープTは、情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本実施形態に係る記録テープカートリッジ10(リール30)が如何なる記録再生方式の記録テープTにも適用可能であることは言うまでもない。
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
28 リーダーブロック(リーダー部材)
30 リール
32 リールハブ(ハブ)
34 円筒部
36 環状延設部(延設部)
36B 下面
36E 端面(突当部)
37 貫通孔
38 上フランジ
40 下フランジ
42 底壁
42B 上面(基準面)
44 リールギア(回転駆動用ギア)
46 リールプレート
54 クラッチ用ボス部(位置規制部)
54C 傾斜面
54D 傾斜面
54E 外周面
T 記録テープ

Claims (7)

  1. 外周面に記録テープが巻回される円筒部と、前記円筒部の下端部内周縁から径方向内側に向かって延設された延設部と、前記延設部に設けられた突当部と、を有する樹脂製のハブと、
    前記円筒部の上端部外周縁から径方向外側に向かって一体に延設された上フランジと、
    前記上フランジと対向するように前記円筒部の下端部外周縁の径方向外側に設けられた樹脂製の下フランジと、
    前記下フランジの径方向内側に一体に設けられるとともに、前記突当部の径方向の位置を径方向内側から規制する位置規制部を有し、該位置規制部よりも径方向外側の部位が前記延設部に溶着された底壁と、
    を備えたことを特徴とするリール。
  2. 前記突当部が、前記延設部の径方向内側の端面であり、
    前記位置規制部が、前記端面で構成された貫通孔に挿通されることで、該端面の径方向の位置を径方向内側から規制することを特徴とする請求項1に記載のリール。
  3. 前記位置規制部の上部に、前記端面を案内する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のリール。
  4. 前記底壁の下面に回転駆動用ギアが形成され、前記底壁における溶着部位が、前記回転駆動用ギアよりも径方向内側とされていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のリール。
  5. 前記回転駆動用ギアよりも径方向内側の前記底壁に金属製のリールプレートが固着され、前記底壁における溶着部位が、前記リールプレートの存在領域上とされていることを特徴とする請求項4に記載のリール。
  6. 前記底壁に、前記ハブの高さ方向の位置を規定する基準面が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のリール。
  7. 記録テープが巻装された請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のリールと、
    前記リールを単一で収容するケースと、
    前記記録テープの端部に取り付けられ、前記ケースに形成された開口から引出可能とされたリーダー部材と、
    を備えたことを特徴とする記録テープカートリッジ。
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