JP2005054031A - 近赤外線吸収組成物及び近赤外線吸収フィルター - Google Patents

近赤外線吸収組成物及び近赤外線吸収フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】 可視光透過率及び近赤外線のカット効率が高く、加えて長期耐久性が優れているために、特にプラズマディスプレイパネル用の近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適な近赤外線吸収組成物を提供すること。
【解決手段】 透明樹脂に、式(1)で表されるジチオールニッケル化合物
【化1】
Figure 2005054031

(式中、R1 乃至R6 は、互いに同一又は異なって、水素原子又は炭素数が1から8のアルキル基を表す。)
の1種以上及び/又は式(2)で表されるジイモニウム化合物
【化2】
Figure 2005054031

(式中、R7 乃至R14は、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素数が1から8のアルキル基又は炭素数が6から24のアリール基を表す。)
の1種以上を配合してなる近赤外線吸収組成物。
の1種以上及び/又は式(2)で表されるジイモニウム化合物
の1種以上を配合してなる近赤外線吸収組成物。
【選択図】 図1





Description

本発明は、例えば各種のディスプレイ装置から放出される近赤外線、特に800〜1000nmの波長領域の光線を吸収して、周辺電子機器の誤動作を防止する近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適な近赤外線吸収組成物に関するものであり、更に詳しくは、可視光透過率が高く、且つ、近赤外線のカット効率が高いために、特にプラズマディスプレイパネル用の近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適であり、しかもアンチモンを含まないため環境に対する負荷の小さい、近赤外線吸収組成物に関するものである。
近年、大型ディスプレイとして様々な形式のディスプレイが開発、商品化されていて、プラズマディスプレイもそのひとつであるが、このプラズマディスプレイからは、原理的にも明らかなように、プラズマ放電の際に近赤外線が発生し、この近赤外線の波長が、家電用テレビ、クーラー、ビデオデッキ等の電子機器のリモートコントロールシステムが使用する近赤外線の波長と近似するため、プラズマディスプレイの近傍にこれらの電子機器がある場合に、その誤動作を誘発することが問題となっている。
そこで近赤外線、特に800nm〜1000nmの波長領域の光線を吸収して遮蔽するフィルターを利用することが提案されていて、このような近赤外線吸収フィルターとしては、(1) 2価の銅イオンを含むリン酸塩ガラス製フィルター、(2) ガラス等の表面に金属(例えば銀)の薄い層を蒸着法、スパッター法やイオンプレーティング法その他の方法により形成したフィルターや、(3) 近赤外線領域の波長を吸収する色素を樹脂中に配合したフィルター等を挙げることができる。
しかしながら、上記のような近赤外線吸収フィルターのうち、(1) には吸湿性や製造工程の煩雑さ等の問題が、又、(2) には近赤外領域と比較すれば少ないものの、可視光領域の光も反射してしまい、厚くしすぎると透過率が低下し、又、製造コストが高い等の問題があった。
これに対し、(3) の近赤外領域の波長を吸収する色素を樹脂中に配合したフィルターは、これらフィルターに比べ少ない工程で製造でき、又、色素の組合せにより好みの波長を選択的に吸収できる、というように利点が多い。
上記の近赤外線吸収色素としては、例えば、ジアゾ系色素が知られているが、ジアゾ系色素は、熱に対する耐性が低く、特に表面が60〜90℃まで発熱するプラズマディスプレイパネル用としては不適当である。
又、イモニウム系色素の使用も提案されている(例えば、特許文献1参照)が、イモニウム系色素としては、通常は陰イオンが6フッ化アンチモンアニオンのものが使用されており、アンチモンは劇物であり、近年叫ばれている環境に対する負荷が大きい。
これに対し、近赤外線吸収色素としてのジチオール金属化合物は、一般に可視光領域の吸収も他の色素に比べ少なく、ディスプレイ用として好都合であり、実際にもその使用が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
しかし、特許文献3や特許文献4に記載された構造のジチオール金属化合物は、400〜450nm付近の吸収が大きく(透過率が低く)、特にディスプレイで重要視されるBlue発光を妨げてしまう。(比較例1、図4参照。)
特開平8−27371号公報 特開平9−230134号公報 特開平10−62620号公報
本発明は、上述したような従来技術の難点を解消し、例えばディスプレイ装置から放出される近赤外線を吸収して、周辺電子機器の誤動作を防止する近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適で、更には、可視光透過率及び近赤外線のカット効率が高く、加えて長期対候性が優れているために、特にプラズマディスプレイパネル用の近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適であり、しかもアンチモンを含まないため環境に対する負荷の小さい、近赤外線吸収組成物を提供することを目的としてなされた。
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定のジチオールニッケル化合物及び/又は式(2)で表されるジイモニウム化合物を配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基いて完成したものである。
すなわち、本発明は、
透明樹脂に、式(1)で表されるジチオールニッケル化合物
Figure 2005054031
(式中、R1 乃至R6 は、互いに同一又は異なって、水素原子又は炭素数が1から8のアルキル基を表す。)
の1種以上及び/又は式(2)で表されるジイモニウム化合物
Figure 2005054031
(式中、R7 乃至R14は、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素数が1から8のアルキル基又は炭素数が6から24のアリール基を表す。)
の1種以上を配合してなる近赤外線吸収組成物、及び、
透明基体の片面に上記近赤外線吸収組成物からなる層が形成されてなる近赤外線吸収フィルター
を提供するものである。
本発明の近赤外線吸収組成物は、可視光透過率、特に青(Blue光)透過率及び近赤外線の吸収効率が高く、加えて耐熱性、耐湿性等の長期耐久性が優れており、また環境負荷の大きいアンチモンを含まないものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
透明樹脂は、バインダー樹脂としての役割を持つ樹脂である。この樹脂としては、特に制限はないが、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリエステル系、ノルボルネン系及びメタクリル系の樹脂のいずれか1つ又はこれらのブレンド樹脂等が透明性に優れているので好ましい。
上記の式(1)で表されるジチオールニッケル化合物としては、R1 乃至R6 がいずれもメチル基である下記式(5)
Figure 2005054031
で表される化合物が、溶媒への溶解性、熱に対する安定性及びRGB光(特にBlue光)の透過性の点から好ましい。
上記の式(2)で表されるジイモニウム化合物としては、R7 乃至R14が、互いに同一又は異なって、炭素数が1から8のアルキル基であるものが、入手性の点から好ましく、特に下記の式(6)
Figure 2005054031
で表される化合物が、溶媒への溶解性、熱に対する安定性及びRGB光(特にBlue光)の透過性の点から好ましい。
これらの式(1)で表されるジチオールニッケル化合物及び/又は式(2)で表されるジイモニウム化合物を色素として使った近赤外線吸収層を有する近赤外線吸収フィルターは、最も吸収が困難な1000nm付近を最も効率良く遮蔽することができ、加えて900〜1000nmまでほぼ同じ吸収能を持つため、特にプラズマディスプレイパネル用として必要とされる850〜1000nmの近赤外領域を、これらの色素のみで、しかも効率良く遮蔽することができる。
特に、式(1)で表されるジチオールニッケル化合物と(2)で表されるジイモニウム化合物とを併用したものが、バランス良くRGB光を透過し、且つ、近赤外領域のほぼ全体の透過率低減の点で好ましい。
又、これらの式(1)で表されるジチオールニッケル化合物及び式(2)で表されるジイモニウム化合物は、単位重量当たりの近赤外線吸収能力が優れており、各種有機溶媒に対しての溶解性も良好である。
更に又、上記の式(5)及び(6)で表される化合物は、PDPで重要とされるBlue光の発光を多く透過し、ディスプレイのRGB発光バランスを調整しやすい。
本発明において、上記の式(1)で表されるジチオールニッケル化合物及び/又は式(2)で表されるジイモニウム化合物の上記樹脂に対する配合割合は、本発明の近赤外線吸収組成物を使って吸収フィルターを製造する際の、当該近赤外線吸収フィルターの厚さや要求される吸収能を勘案して決定されるものであり、吸収能を一定とすれば、薄い近赤外線吸収フィルターの場合には多く配合する必要があり、逆に厚い近赤外線吸収フィルターの場合には配合量は少なくてよいことになる。
具体的には、近赤外線吸収フィルターとした場合の、当該近赤外線吸収フィルターの単位面積、即ち、1m2 当たり0.05mg乃至800mg、好ましくは1m2 当たり0.08mg乃至500mg、更に好ましくは1m2 当たり0.1mg乃至300mgという範囲が適当である。
配合量が上記の範囲未満である場合は、所望の吸収能が得られない場合があり、上記の範囲を超えると可視光の透過率が低下する場合がある。
本発明の近赤外線吸収組成物においては、更に、下記の式(3)
Figure 2005054031
(式中、R15乃至R18は、互いに同一又は相異なって、炭素数が1から8のアルキル基、炭素数が6から24のアリール基、炭素数が7から28のアラルキル基、炭素数が1から8のアルキルアミノ基、炭素数が1から8のアルコキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。)
で表されるジチオールニッケル化合物の1種以上を配合して、800〜950nmの領域の吸収能を向上させてもよい。
上記の式(3)で表されるジチオールニッケル化合物としては、下記の式(7)
Figure 2005054031
で表される化合物や、下記の式(8)
Figure 2005054031
で表される化合物を例示することができる。
これら化合物は、可視光透過率を大幅に低下させることなく、800〜950nmの領域の吸収能を向上させることができる。
上記式(3)で表されるジチオールニッケル化合物の配合量は、近赤外線吸収組成物を使って近赤外線吸収フィルターとした場合の、当該近赤外線吸収フィルターの単位面積、即ち、1m2 当たり0.05mg乃至800mg、好ましくは1m2 当たり0.08mg乃至500mg、更に好ましくは1m2 当たり0.1mg乃至300mgという範囲が適当である。
配合量が上記の範囲未満である場合は、所望の吸収能が得られない場合があり、上記の範囲を超えると可視光の透過率が低下する場合がある。
本発明の近赤外線吸収組成物においては、更に又、下記の式(4)
Figure 2005054031
で表されるジチオールニッケル化合物を配合して、上記の化合物のみでは比較的吸収の弱い、850〜950nm付近の吸収能を向上させてもよい。
式(4)で表されるジチオールニッケル化合物の配合量は、近赤外線吸収組成物を使って近赤外線吸収フィルターとした場合の、当該近赤外線吸収フィルターの単位面積、即ち、1m2 当たり0.001mg乃至800mg、好ましくは1m2 当たり0.008mg乃至500mg、更に好ましくは1m2 当たり0.01mg乃至300mgという範囲が適当である。
配合量が上記の範囲未満である場合は、所望の吸収能が得られない場合があり、上記の範囲を超えると可視光の透過率が低下する場合がある。
575±20nmの波長付近は黄緑〜オレンジ色の光で、特にプラズマディスプレイには、封入ガスのNeに起因する595nmをピークとするハンチ幅10nm程度の強い発光があるが、これらの光は、一般に赤の発光を妨げる不要光である。
本発明の近赤外線吸収組成物においては、上記の色素に加えて、更に、ポルフィリン系色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素等の、580〜600nmの領域に吸収を持つ色素を配合して、プラズマディスプレイのNeの発光を吸収し赤色の色純度を上昇させることもできる。
また、これらの色素は上記Ne発光だけでなく、580〜600nm近辺の他の余分な光もカットするため、反射が少なくなり、結果としてコントラストが上昇する。
上記ポルフィリン系としては、下記の式(9)
Figure 2005054031
(式中、R19乃至R22は、互いに同一又は相異なって、水素原子、炭素数が1から12のアルキル基、炭素数が6から12のアリール基、炭素数が2から18のアルケニル基、炭素数が7から14のアラルキル基又は炭素数が2から18のアルキニル基を、MはFe、Ni、Sn、Zn又はCuを、それぞれ表す。)
で表される化合物が例示でき、特に、下記の式(10)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005054031
これらの化合物は、可視光透過率を大幅に低下させることなく、特に、プラズマディスプレイにおいては、赤色発光を妨げることなく、575〜595nmの領域の不要光を吸収し、赤色の色純度を向上することができる。
ポルフィリン系色素の配合量は、近赤外線吸収組成物を使って近赤外線吸収フィルターとした場合の、当該近赤外線吸収フィルターの単位面積、即ち、1m2 当り0.001〜800mg、好ましくは1m2 当り0.005〜500mg、更に好ましくは1m2 当り0.008〜300mgが適当である。
配合量が上記の範囲未満である場合は、所望の吸収能が得られない場合があり、上記の範囲を超えると可視光の透過率が低下する場合がある。
本発明の近赤外線吸収組成物には、更に、紫外線吸収物質、架橋剤、酸化防止剤、重合遅延剤、色素、染料、顔料や色補正剤を、透明樹脂の種類等を勘案して、配合することができる。
本発明の近赤外線吸収組成物を製造するには、配合成分を樹脂に添加するだけでよく、その手段に特に制限はなく、本発明の近赤外線吸収組成物を溶液流延法等によりフィルム状の近赤外線吸収フィルターとする場合のために、適宜の溶媒による溶液として樹脂に添加する方法をとることもできる。
又、配合成分は必ずしも一度に添加する必要はなく、特定の配合成分を添加した樹脂溶液を作り、そこへ残りの配合成分を添加して、最終の近赤外線吸収組成物としてもよい。
上記の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒や水等を挙げることができる。
本発明の近赤外線吸収フィルターは、透明基体の片面に上記の本発明の近赤外線吸収組成物からなる近赤外線吸収層を設けたものである。
近赤外線吸収組成物からなる近赤外線吸収層を形成する方法としては、近赤外線吸収組成物またはその溶媒溶液を流延する方法が適当である。
透明基体として、ガラス基体や透明プラスチック基体が好ましく用いられる。ガラス基体としては、特に制限はないが、例えばソーダガラス、半強化ガラス、強化ガラスなどのガラス板が挙げられる。また、透明プラスチック基体としては、特に制限はないが、例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体などのプラスチックからなるフィルム、シート、板状体などが挙げられる。
上記のように、近赤外線吸収組成物に紫外線吸収剤を配合して、近赤外線吸収層に紫外線(UV)カット機能を付与することもできるが、透明基体として、UVカット機能を有するものを使用することもできる。
この透明基体の厚さとしては特に制限はないが、通常0.05〜5mmの範囲で選定される。
本発明の近赤外線吸収フィルターには、必要に応じて、さらに反射防止層を設けてもよく、その場合、反射防止層は、透明基体の近赤外線吸収層とは反対の面に設けられる。
また、上記のように、透明基体又は近赤外線吸収層にUVカット機能を付与するのではなく、透明基体の片面又は両面にUVカット層を設けても良い。その場合、当該面に近赤外線吸収層又は反射防止層を形成している場合は、それらの層と透明基体との間にUVカット層を設ける形となる。
即ち、本発明の近赤外線吸収フィルターには、次のような構造を採ることができる。
NIR層/透明基体
NIR層/UVカット機能付き透明基体
NIR層/UVカット層/透明基体
NIR層/UVカット機能付き透明基体/AR層
NIR層/UVカット層/透明基体/AR層
NIR層/透明基体/UVカット層
NIR層/UVカット層/透明基体/UVカット層
NIR層/透明基体/UVカット層/AR層
NIR層/UVカット層/透明基体/UVカット層/AR層
〔ただし、NIR層は近赤外線吸収層、AR層は反射防止層であり、各層間には必要により接着剤層が介挿されている。〕
反射防止機能及び/又はUVカット機能を付与する手段としては、特に限定
されず公知の手段を用いることができる。
本発明の近赤外線吸収フィルターは、ブラウン管、液晶、エレクトロルミネッセンス(EL)、ライト・エミッティング・ダイオード(LED)、フィード・エミッション・ディスプレイ(FED)又はプラズマディスプレイ用として、特に好適に使用することができる。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1
1,3−ジオキソラン100重量部に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1250Z−100[商品名、帝人化成社製])21重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.85重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液を、隙間寸法100μmのバーコーター(ドクターブレードYDー2型[商品名、ヨシミツ精機製]、以下、実施例及び比較例において同じである。)を用いて、厚さ100μmのポリエステルフィルム上に溶液流延法にて成膜し、80℃×3分間乾燥させ、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムのBlue光(410〜460nm)透過率はY値(85%)と比較して70%以上と高く、PDP等のディスプレイ用フィルターに適している。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図1に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している。
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0006、yで0.0006と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例2
1,3−ジオキソラン100重量部に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1250Z−100[商品名、帝人化成社製])21重量部、式(5)で表されるジチオールニッケル化合物0.5重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムのBlue光(410〜460nm)透過率はY値(87.5%)と比較して85%以上と高く、PDP等のディスプレイ用フィルターに適している。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図2に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、リモコン等で誤動作を引起こす800nmの波長を効率良く吸収していることが分かる。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0004、yで0.0006と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例3
1,3−ジオキソラン100重量部に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1250Z−100[商品名、帝人化成社製])21重量部、式(5)で表されるジチオールニッケル化合物0.3重量部及び式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.4重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムのBlue光(410〜460nm)透過率はY値(70.00%)と比較して70%以上と高く、PDP等のディスプレイ用フィルターに適している。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図3に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、800乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0004、yで0.0009と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例4
式(5)で表されるジチオールニッケル化合物の使用量を0.5重量部から0.4重量部に変えた以外は実施例2と同様に実施して、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムの分光スぺクトルを図4に示す。
チャートから分かるように、このフィルムの400〜450nmの吸収は小さく、PDP等のディスプレイで重要視されるBlue光の透過は大きい。
比較例1
式(5)で表されるジチオールニッケル化合物0.4重量部を、同重量部の式(7)で表されるジチオールニッケル化合物(MIR−101[商品名、みどり化学社製])に変えた以外は実施例4と同様に実施して、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムの分光スぺクトルを図4に示す。
チャートから分かるように、このフィルムの400〜450nmの吸収は大きく、PDP等のディスプレイで重要視されるBlue光の透過は小さい。
実施例5
1,3−ジオキソラン100重量部に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1250Z−100[商品名、帝人化成製])21重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.42重量部、式(5)で表される化合物0.2重量部、式(7)で表されるジチオールニッケル化合物(MIR−101[商品名、みどり化学社製])0.12重量部、式(10)で表されるポルフィリン化合物0.03重量部及び色補正用青系色素(カヤセットBLUE N[商品名、日本化薬社製])0.037重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムのBlue光(410〜460nm)透過率はY値(53.6%)と比較して60%以上と高く、PDP等のディスプレイ用フィルターに適している。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図5に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0007、yで0.0005と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例6
体積比トルエン/メチルエチルケトン=1/1の混合溶媒60重量部に、アクリル樹脂溶液(ハルスハイブリッドIR−G204[商品名、日本触媒製])61重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.4重量部、式(7)で表されるジチオールニッケル化合物(MIR−101[商品名、みどり化学社製])0.24重量部、式(4)で表されるジチオール化合物0.025重量部および式(10)で表されるポルフィリン化合物0.04重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図6に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0008、yで0.0004と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例7
ジクロロメタン90重量部に、ポリエチレンテレフタラート樹脂(バイロン270[商品名、東洋紡製])20重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.4重量部、式(7)で表されるジチオール化合物(MIR−101[商品名、みどり化学社製])0.24重量部、式(4)で表されるジチオール化合物0.025重量部および式(10)で表されるポルフィリン化合物0.04重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの近赤外線吸収層側に反射防止フィルム(クリアラスAR F210[商品名、住友大阪セメント社製])の反射防止層とは反対の側を、アクリル粘着剤を介してラミネートしAR/NIRフィルムを作成した。
更に、このラミネートフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図7に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0009、yで0.0008と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例8
1,3−ジオキソラン100重量部に、ノルボルネン樹脂(アートン[商品名、日本合成ゴム(JSR)製])20重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.4重量部、式(7)で表されるジチオール化合物(MIR−101[商品名、みどり化学社製])0.24重量部、式(4)で表されるジチオール化合物0.025重量部および式(10)で表されるポルフィリン化合物0.04重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図8に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している。
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0009、yで0.0008と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例9
重量比n−ブタノール/エタノール=9/1の混合溶媒100重量部に、ポリビニルブチラール樹脂(6000C[商品名、電気化学工業社製])21重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.42重量部、式(5)で表される化合物0.2重量部、式(7)で表されるジチオールニッケル化合物(MIR−101[商品名、みどり化学社製])0.12重量部、式(10)で表されるポルフィリン化合物0.03重量部及び色補正用青系色素(カヤセットBLUE N[商品名、日本化薬社製])0.037重量部を加え溶解した。
得られた溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムのBlue光(410〜460nm)透過率はY値(53.2%)と比較して60%以上と高く、PDP等のディスプレイ用フィルターに適している。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図9に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0009、yで0.0010と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例10
1,3−ジオキソラン100重量部に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1250Z−100[商品名、帝人化成製])21重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物(CIR−1085[商品名、日本カーリット社製])0.42重量部、式(5)で表される化合物0.2重量部、式(7)で表されるジチオールニッケル化合物(MIR−101[商品名、みどり化学社製])0.12重量部及び式(10)で表されるポルフィリン化合物0.03重量部を加え溶解した。
得られた樹脂溶液を、隙間寸法100μmのバーコーター(ドクターブレードYDー2型[商品名、ヨシミツ精機製])を用いて、UVカット機能付ポリエチレンテレフタレートフィルム(HB 100μm[商品名、帝人デュポンフィルム社製])上にキャスト法にて成膜し、80℃×3分間乾燥させ、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムのBlue光(410〜460nm)透過率はY値(50.0%)と比較して48.9%以上と高く、PDP等のディスプレイ用フィルターに適している。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図10に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0004、yで0.0004と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例11
1,3−ジオキソラン100重量部に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1250Z−100[商品名、帝人化成社製])21重量部、式(6)で表されるイモニウム化合物0.42重量部、式(5)で表されるジチオールニッケル化合物0.2重量部、式(7)で表されるジチオールニッケル化合物0.12重量部、式(10)で表されるポルフィリン化合物0.03重量部、色補正用青系色素(カヤセットBLUE N[商品名、日本化薬社製])0.037重量部及び色補正用黒系色素(カヤセットBlack AN[商品名、日本化薬社製])0.07重量部を加え溶解した。
得られた溶液から、実施例1と同様の方法で、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの近赤外線吸収層側に反射防止フィルム(クリアラスAR F200[商品名、住友大阪セメント社製])の反射防止層とは反対の側を、UVカット機能が380nm:5%で酸化防止剤(EST5[商品名、住友精化社製])を0.1%含有する粘着剤を介してラミネートし、AR/NIRフィルムを形成した。
このフィルムのBlue光(410〜460nm)透過率はY値(53.6%)と比較して53%以上と高く、PDP等のディスプレイ用フィルターに適している。
更に、このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図11に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、1000時間の耐熱試験後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している 加えて、色目に関しても、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0009、yで0.0011と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
実施例12
実施例10で作成した近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムに、下記条件でPETフィルム側からUV照射を行った。
条件:キセノンランプ(100W/m2
温度:25℃
湿度:60%
照射時間:12時間
このフィルムのUV照射前及びUV照射後の分光スぺクトルを図12に示す。(図中、実線はUV照射前、点線はUV照射後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。又、UV照射後でも透過率の変動が殆ど無く、スぺクトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
加えて、色目に関しても、UV照射前後の色変化が、xで0.0011、yで0.0015と非常に小さく、色目の変化は少なかった。
比較例2
ポリカーボネート樹脂をトリアセチルセルロース樹脂(TACフィルム[商品名、コニカ社製])に変更した以外は、実施例11と同様にして、AR/NIRフィルムを形成した。
このフィルムについて90℃、1000時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図13に示す。(図中、実線は耐熱試験前、点線は90℃1000時間後の分光スぺクトルである。)
チャートから分かるように、1000時間の耐熱試験後では透過率の変動が大きく、スぺクトルは大きく変化した。
加えて、色目に関しても変化が著しく、90℃×1000時間前後の色変化が、xで0.0066、yで0.0111と非常に大きかった。
比較例3
UVカット機能付ポリエチレンテレフタレートフィルムを厚さ100μm の易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム(A4300[商品名、東洋紡社製])に変更した以外は実施例10と同様に作成したNIRフィルムに、ポリエチレンテレフタレートPETフィルム側から実施例12と同様の条件でUV照射を行った。
このフィルムのUV照射前及びUV照射後の分光スぺクトルを図14に示す。(図中、実線はUV照射前、点線はUV照射後の分光スぺクトルである。)
チャートから、UV照射による可視光領域での変動が著しく、NIR性能も悪化している事が確認できる。
加えて、色目に関しても、xで0.0021、yで0.0040と非常に大きく、色目の変化が著しかった。
本発明の近赤外線吸収組成物は、可視光透過率、特に青(Blue光)透過率及び近赤外線の吸収効率が高く、加えて耐熱性、耐湿性等の長期耐久性が優れているために、特にプラズマディスプレイパネル用の近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適なものである。又、ジイモニウム化合物としては、アンチモンを含まない化合物を使用するので、環境への悪影響もない。
実施例1で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例2で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例3で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例4で得た近赤外線吸収フィルム及び比較例1で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例5で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例6で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例7で得たラミネートフィルム(AR/NIRフィルム)の分光スペクトルである。 実施例8で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例9で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例10で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 実施例11で得たラミネートフィルム(AR/NIRフィルム)の分光スペクトルである。 実施例12で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。 比較例2で得たラミネートフィルム(AR/NIRフィルム)の分光スペクトルである。 比較例3で得た近赤外線吸収フィルムの分光スペクトルである。

Claims (12)

  1. 透明樹脂に、式(1)で表されるジチオールニッケル化合物
    Figure 2005054031
    (式中、R1 乃至R6 は、互いに同一又は異なって、水素原子又は炭素数が1から8のアルキル基を表す。)
    の1種以上及び/又は式(2)で表されるジイモニウム化合物
    Figure 2005054031
    (式中、R7 乃至R14は、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素数が1から8のアルキル基又は炭素数が6から24のアリール基を表す。)
    の1種以上を配合してなる近赤外線吸収組成物。
  2. 更に、式(3)
    Figure 2005054031
    (式中、R15乃至R18は、互いに同一又は相異なって、炭素数が1から8のアルキル基、炭素数が6から24のアリール基、炭素数が7から28のアラルキル基、炭素数が1から8のアルキルアミノ基、炭素数が1から8のアルコキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。)
    で表されるジチオールニッケル化合物の1種以上を配合してなる請求項1に記載の近赤外線吸収組成物。
  3. 更に、式(4)
    Figure 2005054031
    で表されるジチオールニッケル化合物を配合してなる請求項1又は2に記載の近赤外線吸収組成物。
  4. 更に、580〜600nmに吸収ピークを持つ色素化合物を配合してなる請求項1乃至3のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物。
  5. 透明樹脂が、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリエステル系、ノルボルネン系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルブチラール系及びメタクリル系の樹脂のいずれか1つ又はこれらのブレンド樹脂である請求項1乃至4のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物。
  6. 透明基体の片面に請求項1乃至5のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物からなる近赤外線吸収層が形成されてなる近赤外線吸収フィルター。
  7. 透明基体の近赤外線吸収層とは反対の面に反射防止層が形成されてなる請求項6に記載の近赤外線吸収フィルター。
  8. 透明基体がUVカット機能を有するものである請求項6又は7に記載の近赤外線吸収フィルター。
  9. 近赤外線吸収層がUVカット機能を有するものである請求項6又は7に記載の近赤外線吸収フィルター。
  10. 近赤外線吸収層上に酸化防止剤を0.001〜20重量%含有する接着剤からなる接着剤層が形成されてなる請求項7乃至9のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
  11. 近赤外線吸収層が溶液流延法により形成されたものである請求項6乃至10のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
  12. ブラウン管、液晶、エレクトロルミネッセンス(EL)、ライト・エミッティング・ダイオード(LED)、フィード・エミッション・ディスプレイ(FED)又はプラズマディスプレイ用である請求項6乃至11のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
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