JP2005052056A - 農作物収穫機 - Google Patents
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Abstract
【課題】生姜や玉ねぎなどの農作物を収穫する際に使用する農作物収穫機を、簡易且つコンパクトな構成とし、且つ、機体操縦性が良好なものとする。
【解決手段】歩行操縦型で四輪構成の走行装置1と、作物体Pの茎葉部PLを挟持して引抜き搬送する引抜き搬送装置15と、作物体Pの茎葉部PLを切断する切断装置16とを設けた農作物収穫機において、前記切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設け、該茎葉案内手段17の下側に前記ミッションケース5を配置するとともに、該ミッションケース5の下方に前記切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成した。
【選択図】図1
【解決手段】歩行操縦型で四輪構成の走行装置1と、作物体Pの茎葉部PLを挟持して引抜き搬送する引抜き搬送装置15と、作物体Pの茎葉部PLを切断する切断装置16とを設けた農作物収穫機において、前記切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設け、該茎葉案内手段17の下側に前記ミッションケース5を配置するとともに、該ミッションケース5の下方に前記切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、生姜や玉ねぎなどの農作物を収穫する際に使用する農作物収穫機に関するものである。
生姜や玉ねぎなどの農作物を収穫する場合、地上にのびる茎葉部をもって上方に引抜いて地中にある生姜や玉ねぎなどの最終収穫物を取り上げる。この引抜き作業は重労働である。特に、生姜を引き抜く場合には、30kg程度の引き上げ力を要する。この引抜き作業を機械で行うものとして、従来、下記特許文献1に記載されるような、生姜等の農作物を引抜く農作物収穫機がある。この農作物収穫機は、左右にそれぞれ複数の車輪を備え後部に歩行操縦用のハンドルを備えた走行装置と、作物体の茎葉部を挟持して引抜き搬送する後上がり傾斜に設けた引抜き搬送装置と、該引抜き搬送装置の挟持始端部上側に作物体の茎葉部を掻き込む掻き込みホイールを上下多数段に設けた掻き込み装置及と、該掻き込み装置で掻き込んだ作物体の茎葉部を切断するカッターを上下複数段に設けた切断装置と、該切断装置で切断された茎葉部を掻き込みホイールとガイド体によって掻き込み装置の一側方に放出する茎葉放出手段を設けた構成となっている。
従って、この農作物収穫機は、機体前部で、引抜き搬送装置の挟持始端部上側に、上記構成とした掻き込み装置と切断装置と茎葉放出手段を配置しているので、当該装置により機体前側上部が高くなって、このため、機体後方に立つ操縦者の前方視界を遮り、畝に生育する作物体の列に沿って機体を前進進行させる機体操縦が行い難い。また、機体前部が重くなって、このため、機体後部のハンドルを押し下げ前輪を浮上させて機体を旋回させる場合にハンドルの押し下げに力を要し、旋回が容易に行えない。なお、この農作物収穫機は、機体前部が重いため、機体を旋回させるときの前輪浮上を、機体後部のハンドルを押し下げによらず、前輪のみを機体に対して浮上させる装置を別途設けたものとなっている。よって、下記特許文献1記載の農作物収穫機は、簡易でコンパクトな構成ではなく、また、機体操縦性が悪いものであった。
特開2000−333522号公報
本発明が解決しようとする課題は、生姜や玉ねぎなどの農作物を収穫する際に使用する農作物収穫機を、簡易且つコンパクトな構成とし、且つ、機体操縦性が良好なものとすることである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の技術的手段を講じたものである。
即ち、請求項1記載の発明は、左右両側に自由回転する前輪2,2と駆動回転する後輪3,3を備えるとともに後側にエンジン4とミッションケース5と歩行操縦用の操縦ハンドル6を備えた歩行操縦型で四輪構成の走行装置1と、作物体Pの茎葉部PLを挟持して引抜き搬送する左右一対の引抜き搬送ベルト14,14を後上がり傾斜した姿勢に設けた引抜き搬送装置15と、作物体Pの茎葉部PLを切断する切断装置16とを設け、前記引抜き搬送装置15は左右の前輪2,2及び後輪3,3の間に配置するとともに機体側面視で前輪2,2近傍位置から後輪3,3近傍位置にかけて配置し、前記切断装置16は引抜き搬送装置15の後部下側に配置し、前記切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設け、該茎葉案内手段17の下側に前記ミッションケース5を配置するとともに、該ミッションケース5の下方に前記切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成したことを特徴とする農作物収穫機としたものである。
即ち、請求項1記載の発明は、左右両側に自由回転する前輪2,2と駆動回転する後輪3,3を備えるとともに後側にエンジン4とミッションケース5と歩行操縦用の操縦ハンドル6を備えた歩行操縦型で四輪構成の走行装置1と、作物体Pの茎葉部PLを挟持して引抜き搬送する左右一対の引抜き搬送ベルト14,14を後上がり傾斜した姿勢に設けた引抜き搬送装置15と、作物体Pの茎葉部PLを切断する切断装置16とを設け、前記引抜き搬送装置15は左右の前輪2,2及び後輪3,3の間に配置するとともに機体側面視で前輪2,2近傍位置から後輪3,3近傍位置にかけて配置し、前記切断装置16は引抜き搬送装置15の後部下側に配置し、前記切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設け、該茎葉案内手段17の下側に前記ミッションケース5を配置するとともに、該ミッションケース5の下方に前記切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成したことを特徴とする農作物収穫機としたものである。
従って、この農作物収穫機は、機体後部に設けた操縦ハンドル6を機体後方に立つ操縦者が持って操縦されるものとなり、また、走行装置1の左右の前輪2,2及び後輪3,3が畝を跨いで回転して機体を前進走行させ、引抜き搬送装置15が、畝に生育する作物体Pの茎葉部PLを挟持して上方に引き上げながら搬送し、そして、切断装置16が、引抜き搬送装置2下側で作物体Pの茎葉部PLを切断し、そして、切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2は、引抜き搬送装置15の後端部から排出され、更に、茎葉案内手段17によって機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内される。また、切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1は、茎葉案内手段4の下側に配置されたミッションケース5の下方に形成した空間部Sを通って機体後方に通過していく。この根本側部分P1は、この農作物収穫機による作業後において、作業者により取り上げられて収集されるが、一度、引抜かれているので、容易且つ迅速に取り上げることができる。
請求項1記載の発明は、上記のように構成したので、生姜や玉ねぎなどの農作物を収穫する際に使用する農作物収穫機を機体操縦性が良好なもの、歩行操縦型の簡易且つコンパクトなものに構成でき、且つ、前方視界が良くて作物体の列に沿って機体を前進進行させる機体操縦が行い易く、更に、機体後部のハンドルを押し下げて行う機体旋回も行い易いものとなって、機体操縦性が良好となる。
生姜や玉ねぎなどの農作物を収穫する際に使用する農作物収穫機を、簡易且つコンパクトな構成とし、且つ、機体操縦性が良好なものとするという目的を、四輪構成で歩行操縦型の車体構成として簡易且つコンパクトなものとし、且つ、前方視界が良くて作物体の列に沿って機体を前進進行させる機体操縦が行い易く、更に、機体後部のハンドルを押し下げて行う機体旋回も行い易いものとして、機体操縦性が良好なものに実現した。
本発明の一実施例として、農作物である生姜や玉ねぎ等の作物体を圃場から引抜く作物体引抜き機を、以下に詳細に説明する。
この作物体引抜き機は、図に示すように、走行装置1と、作物体Pの引抜き作業を行う作業部Wとを設けたもので、走行装置1は機体を機体前方となる進行方向Dに向って前進走行させ、その走行中に作業部Wが作物体Pの引抜き作業を行っていく。これにより、この作物体引抜き機は、機体進行方向Dにそって列状に並ぶ作物体Pを機械的に且つ連続的に引抜いていくことになる。
この作物体引抜き機は、図に示すように、走行装置1と、作物体Pの引抜き作業を行う作業部Wとを設けたもので、走行装置1は機体を機体前方となる進行方向Dに向って前進走行させ、その走行中に作業部Wが作物体Pの引抜き作業を行っていく。これにより、この作物体引抜き機は、機体進行方向Dにそって列状に並ぶ作物体Pを機械的に且つ連続的に引抜いていくことになる。
走行装置1は、左右両側に、自由回転する前輪2,2と駆動回転する後輪3,3を備え、後側に、エンジン4と、該エンジン4の動力を受けて後輪3,3と作業部Wに動力を変速伝動する変速伝動機構を内装したミッションケース5と、歩行操縦用の操縦ハンドル6を備えた歩行操縦型で四輪構成の走行装置で、これにより機体が自走するよう構成している。左右の前輪2,2及び後輪3,3は、作業時に、圃場に形成された畝Uを跨いで畝両側の谷部分を走行する。後輪3,3は、機体後部に配置されたエンジン4から動力が伝動されて駆動回転する。具体的には、エンジン4の動力が、エンジン4の前側に配置されエンジン4に連結するミッションケース5内の変速伝動機構に伝動し、該変速伝動機構を経てミッションケース5の左右両側部に装着した車輪伝動ケース7,7内の伝動機構に伝動し、該車輪伝動ケース7,7の下部の左右方向外側方に突出する後輪車軸8,8に伝動して該車軸8,8に取り付けている前記後輪3,3が駆動回転する構成としている。
また、機体の操縦部として歩行型の操縦ハンドル6をその左右のグリップ部9,9が機体後端上側に位置するように機体後部に設けている。操縦ハンドル6のグリップ部9,9から前側に延びる左右のハンドルフレーム10,10は下方に傾斜して前方に延び基部がミッションケース5の左右両側部に固着している。また、操縦ハンドル6の近傍には、操縦者の握り操作により操作されるサイドクラッチレバー11,11を左右に設けていて、これにより左右の後輪3,3への伝動を個々に遮断するサイドクラッチSC,SCを操作することができて機体の旋回が容易に行える。更に、後輪3,3への伝動と作業部Wへの伝動を遮断する主クラッチMCを操作する主クラッチ操作レバー12と、ミッションケース5内の走行伝動部に設けた走行変速装置VCを、低速前進伝動状態、高速前進伝動状態、後進伝動状態、前後進中立状態に切り替え操作する変速レバー13も操縦ハンドル6の近傍に配置している。
次に、作業部Wについて説明する。
作業部Wには、作物体Pの茎葉部PLを挟持して引抜き搬送する左右一対の引抜き搬送ベルト14,14を緩やかに後上がり傾斜した姿勢に設けた引抜き搬送装置15と、作物体Pの茎葉部PLを切断する切断装置16を設けている。また、引抜き搬送装置15は、左右の前輪2,2及び後輪3,3の間に配置するとともに、機体側面視で前輪2,2近傍位置から後輪3,3近傍位置にかけて配置している。切断装置16は、引抜き搬送装置15の後部下側に配置している。更に、切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設け、該茎葉案内手段17の下側に前記ミッションケース5を配置するとともに、該ミッションケース5の下方に前記切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成している。
作業部Wには、作物体Pの茎葉部PLを挟持して引抜き搬送する左右一対の引抜き搬送ベルト14,14を緩やかに後上がり傾斜した姿勢に設けた引抜き搬送装置15と、作物体Pの茎葉部PLを切断する切断装置16を設けている。また、引抜き搬送装置15は、左右の前輪2,2及び後輪3,3の間に配置するとともに、機体側面視で前輪2,2近傍位置から後輪3,3近傍位置にかけて配置している。切断装置16は、引抜き搬送装置15の後部下側に配置している。更に、切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設け、該茎葉案内手段17の下側に前記ミッションケース5を配置するとともに、該ミッションケース5の下方に前記切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成している。
更に具体的な構成を説明すると、作業部Wは、ミッションケース5の前部から斜め前側上方に延びる左右2本の伝動フレーム18,18と、ミッションケース5の前部から前方に延びる左右2本の支持フレーム19,19との各先端部に装着している。
引抜き搬送装置15は、左右一対の上側の駆動プーリー20,20と左右一対の下側の従動プーリー21,21、挟持搬送前半部において左右の引抜き搬送ベルト14,14の内側から支持する複数のローラー22,22…を左右に設け、これら左右のプーリー及びローラの周りに、それぞれ引抜き搬送装置15の搬送体となる引抜き搬送ベルト14,14を巻き掛け、左右の引抜き搬送ベルト14,14の外周面は機体の左右中央部において互いに接当する状態となるようにしている。そして、ミッションケース5内で主クラッチMCと走行変速装置VCとの間の伝動部から分岐し作業部変速装置WCを経て伝動された動力が伝動フレーム18,18内の伝動手段を経て、駆動プーリー20,20の駆動側回転軸23,23に伝動して、左右の引抜き搬送ベルト14,14がその左右中央部側で互いに接当する作物体挟持箇所において機体後方側に移動するように周回駆動される構成としている。前記駆動プーリー20,20は、前記伝動フレーム18,18の上部に固着した伝動ケース24,24に上方に突出させて支持した駆動側回転軸23,23に一体回転するように取付け、前記従動プーリー21,21は、前記支持フレーム19,19の前端部に上方に突出させて回転自在に支持した従動側回転軸25,25に一体回転するように取付け、前記複数のローラー22,22…は、前記駆動側回転軸23,23と従動側回転軸25,25とにわたって装着された支持部材26,26に取付けた複数の支持軸に回転自在に取付けている。
引抜き搬送装置15の挟持始端部は、左右の引抜き搬送ベルト14,14が左右中央側前部でベルト外周面を互いに接触させ始める個所となり、機体の前進走行中に、この挟持始端部に作物体Pの茎葉部PLが入り込んでくると、左右の引抜き搬送ベルト14,14が作物体Pの茎葉部PLを挟んで後側斜め上方に搬送する。しかし、引抜き搬送ベルト14,14の機体後方水平方向への移動速度は、作業時の機体前進速度(走行変速装置VCを低速前進伝動状態としたときの速度)と略同速度になるように設定しているので、機体が前進走行していても、引抜き搬送装置15に挟持搬送される作物体Pは畝Uに対して前後に倒れず略垂直姿勢のままで上方に引抜き作用を受けることになる。引抜き搬送装置15の挟持終端部は、引抜き搬送装置15の後端部にあって左右の引抜き搬送ベルト14,14が左右中央側後部でベルト外周面が互いに離れ始める個所となり、左右の引抜き搬送ベルト14,14が挟持搬送した作物体Pの茎葉部PLがこの箇所から放出される。
作物体Pの引抜き抵抗は、主として左右の引抜き搬送ベルト14,14の挟持搬送前半部において受ける。この引抜き抵抗による機体前部の下方に向けて作用する荷重は、主として左右一対の前輪2,2側で支持される。前輪2,2は、前記左右の支持フレーム19,19に横切るように固定された前輪支持部材(図示では筒状部材)27に回動可能に装着された前輪支持軸28の左右両端部に取付けた前輪支持アーム29,29の前端部に設けた前輪車軸30,30に回転自在に装着している。また、左右の前輪2,2は、前輪支持軸28が回動調節機構31によって回動調節されて上下調節されるように設けている。回動調節機構31は、本例では、前輪支持軸28に固着したアーム32と機体後部の取付け部33と、該アーム32と取付け部33とを連結するネジ孔を有する筒軸とその筒軸のネジ孔に螺合状態で挿入させたネジ軸からなる伸縮ロッド34と、該伸縮ロッド34を伸縮操作する操作ハンドル35を備えた伸縮操作部とで構成し、操作ハンドル35を回動操作すると伸縮操作部内のベベルギヤ対を介して伸縮ロッド34のネジ軸が回動して伸縮ロッド34が伸縮する。これにより、前記アーム32が回動して前輪支持軸28が回動し、よって、前輪支持アーム29,29が上下回動して前輪2,2が上下動する構成としている。なお、手動操作により上下動するのに代えて、油圧シリンダ等の駆動機構の駆動力によって前輪2,2を上下動する構成としてもよく、また、畝上面位置を検出する検出手段を設けて、その検出手段の検出値に基づいて引抜き搬送装置15の挟持始端部の高さを畝上面位置に対して設定高さに維持されるように自動的に前輪2,2を上下動する構成としても良い。以上のように、前輪2,2を上下動可能に構成することで、引抜き搬送装置15の作物体Pの挟持箇所を適当な高さに調節でき、これにより引抜き搬送装置2による作物体Pの挟持個所を引抜きに適確な位置に上下調節して作物体Pの引抜き作業が良好に行える。なお、左右の前輪2,2の各前方には分草体を配置し(図示省略)、左右に広がって前輪2,2の前方に位置する作物体Pの茎葉を掻き分けて、前輪2,2が作物体Pを巻き込んだり踏み付けたりしないようにしている。
切断装置16は、左右一対の円盤状カッターを左右中央部で一部上下に重なるようにして引抜き搬送装置15の後部下側に設けた構成としている。切断装置16の左右の円盤状カッターは、伝動ケース24,24内で駆動側回転軸23,23に設けたスプロケット36,36からチェン37,37を介して円盤状カッターの回転軸38,38に設けたスプロケット39,39に伝動して駆動回転している。左右の引抜き搬送ベルト14,14によって挟持搬送される作物体Pの茎葉部PLは、その挟持搬送終端部まで搬送される手前でその挟持搬送通路を遮るように配置された駆動回転する左右一対の円盤状カッターの左右中央側箇所で切断作用を受けて切断される。切断装置16の切断箇所は、作物体Pの地中部にある生姜等が地面上に引き上げられた状態となってから茎葉部PLを切断するよう引抜き搬送装置15の挟持搬送終端部の直前箇所に設定している。具体的には、図1に示すように、引抜き搬送装置15の挟持始端部から切断装置16が作物体Pの茎葉部PLを切断する時点の引抜き搬送装置15の挟持箇所までの高さ(切断時までの作物体Pの引上げ高さ)h1を、畝Uの地表面から作物体Pの地中部に生育する生姜等の最終収穫物Eの最大深さdよりも大きく設定する。これにより、引抜き搬送装置15が作物体Pの地中部にある生姜等の最終収穫物Eが地面上に引き上げられた状態となってから切断装置16が茎葉部PLを切断するようになる。
切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2は、引抜き搬送装置15によってその挟持搬送終端部まで搬送されて放出される。また、切断装置16により切断されて葉先側部分P2から切り離された根本側部分P1は、畝U上のもともと生育していた箇所に落下する。畝U上に着地した根本側部分P1は、葉先側部分P2が切除されて残った根本側の茎葉部PLが起立した姿勢となるが、引抜き搬送装置15及び切断装置16の後方下側に配置されているミッションケース5の下方に空間部Sが形成されているので、大きく倒されたり引きずられたりせずに機体後方に通過していく。機体後方に抜け出た根本側部分P1は、後で、作業者により取り上げられて収集されるが、一度、この農作物収穫機によって畝Uから引抜かれているので、容易且つ迅速に取り上げることができ能率よく楽に農作物の収集作業が行える。
ところで、切断装置16が茎葉部PLを切断するとき、作物体Pの地中部が充分に地面上に引き上げられていない場合には、前輪2,2を上動させれば、引抜き搬送装置15の挟持搬送始端部の位置を挟持搬送終端部に対して下降させられて作物体Pの引上げ量を大きくでき、充分に作物体Pを引き上げられるように調節できる。また、作物体Pの地中部が必要以上に地面上に引き上げられている場合には、引抜き抵抗が大きくなって、引抜き時に引抜き搬送装置15で挟持した箇所の茎葉部PLがちぎれて引上げが適確に行われなかったり、走行抵抗が大きくなりすぎて駆動車輪である後輪3,3がスリップし、作業が能率よく行えなかったりするが、このときには、前輪2,2を下動させれば、引抜き搬送装置15の挟持搬送始端部の位置を挟持搬送終端部に対して上昇させられて作物体Pの引上げ量を小さくでき、作物体Pを適確な高さに引き上げられるように調節できる。
なお、左右の前輪2,2の各前方には分草体を配置し(図示省略)、左右に広がって前輪2,2の前方に位置する作物体Pの茎葉を掻き分けて、前輪2,2が作物体Pを巻き込んだり踏み付けたりしないようにしている。
この農作物収穫機は、前記切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設けている。本例においてこの茎葉案内手段17は、具体的には、引抜き搬送装置15の挟持搬送終端部の下方箇所から機体の左右両外側に向けて下り傾斜で左右後輪3,3の内側近傍まで広がる板面40,40を有する板体で形成した茎葉案内板41によって構成している。この茎葉案内板41は、引抜き搬送装置15の挟持搬送終端部から放出された葉先側部分P2を受けて、機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する。従って、切断装置16により切断されて葉先側部分P2から切り離された根本側部分P1は、畝U上のもともと生育していた箇所に落下し、一方、葉先側部分P2は、茎葉案内手段17によって案内されて、畝Uの側方箇所に落下し、根本側部分P1の上に被さってしまうことがなく、従って、引抜き作業後に根本側部分P1を収集する際、切断された葉先側部分P2によって根本側部分P1が隠れてしまうことがなく、収集漏れがなく適確に農作物の収集作業が行える。
また、茎葉案内手段17である茎葉案内板41は、ミッションケース5の上側に配置されて、機体がコンパクトに構成されるものとなり、しかも、ミッションケース5の上側のカバーも兼ねて、排出される葉先側部分P2がミッションケース5上に堆積することも生じ難い。そして、前記のように、ミッションケース5の下方に切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成しているので、機体がコンパクトに構成されるものでありながら、畝U上に着地した根本側部分P1を、大きく倒したり引きずったりせずに機体後方に通過させられる。機体後方に抜け出た根本側部分P1は、後で、作業者により取り上げられて収集されるが、一度、この農作物収穫機によって畝Uから引抜かれているので、容易且つ迅速に取り上げることができ能率よく楽に農作物の収集作業が行える。なお、本例では、茎葉案内板41の後部側41aを、ミッションケース5の後側に配置したエンジン4の前側部周りも覆うように形成して、ミッションケース5の上側とエンジン4の前側部周りのカバーも兼ねている。
ミッションケース5の下方に切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sは、具体的には、図1に示すように、切断装置16が作物体Pの茎葉部PLを切断するときの引抜き搬送装置15の茎葉部PLの挟持箇所から切断装置16による茎葉部PLの切断作用箇所までの上下間隔分、引抜き搬送装置15の挟持始端部から下方に位置する箇所の地上高(畝U上面からの高さ)h2よりも、左右の車輪2,2;3,3間の左右中央側部分における機体底部に位置するミッションケース5底部の最低部の地上高(畝U上面からの高さ)h3が高くなるようにして形成したミッションケース5下方の空間部Sに設定している。前記高さh2は、切断装置16により切断されて地面に落下しもともと成育していた箇所に着地して起立する根本側部分P1の上端部の高さに略相当する高さとなるので、この根本側部分P1の上端部よりもミッションケース5底部の最低部が高く位置することになって、畝U上に着地した根本側部分P1を、大きく倒したり引きずったりせずに機体後方に通過させられるものとなる。
前記前輪支持部材27は、前記のように、前記前輪支持軸28を支持する部材であると共に、前記左右の支持フレーム19,19を連結する部材である。前記左右の支持フレーム19,19は、引抜き搬送装置15を支持するフレームでミッションケース5から左右並行して前側にのびるフレームであり、この左右の支持フレーム19,19を前輪支持部材27で連結する部材を兼ねるので、簡易な構成で引抜き搬送装置15を支持構造を強固にできる。
また、左右の支持フレーム19,19の間を引抜き搬送装置15が挟持搬送する作物体Pの茎葉部PLが通過するので、この間を横切る部材があると作物体Pの挟持搬送が良好に行われなくなるが、前輪支持軸28は、この左右の支持フレーム19,19を横切るように設けていながらも、切断装置16の切断作用箇所よりも後側且つ下側に配置しているので、切断装置16により切断された葉先側部分P2の挟持搬送を妨げることがない。また、前輪支持軸28は、切断装置16により切断されて地面に着地して起立する根本側部分P1の上端部の高さに略相当する高さh2より高い位置に配置しているので、前輪支持部材27がこの根本側部分P1の上端部よりも高く位置することになって、畝U上に着地した根本側部分P1を、前輪支持部材27が大きく倒したり引きずったりすることもない。
ところで、生姜を栽培する畑では、畝を横切るように排水溝を形成することがある。このため、畝に沿って引抜き作業走行している途中で、前輪2,2が排水溝に落ち込んで引抜き搬送装置15の挟持始端部が下降することがある。この下降量が大きすぎると、引抜き搬送装置15の前端部が畝上面に接地してしまい作物体の挟持が適確に行えなくなる。しかし、本例では、上記のように及び前輪支持軸28を切断装置16の切断作用箇所よりも後側且つ下側に配置して、切断装置16により切断された葉先側部分P2の挟持搬送を妨げることがないようにしながらも、前輪支持アーム29,29を前輪支持軸28から機体前方側にのびるように設けて、その前輪支持アーム29,29の前部に前輪2,2を装着し、機体側面視でその前輪2,2近傍位置から後輪3,3近傍位置にかけて引抜き搬送装置15を配置したので、引抜き搬送装置15の挟持始端部が前輪2,2よりも大きく前側に位置しない構成となり、その結果、前輪2,2が排水溝に落ち込んだときに引抜き搬送装置15の挟持始端部が大きく下降しないものとなっている。なお、前輪2,2の車軸30,30を引抜き搬送装置15の挟持始端部より前側に配置すれば、前輪2,2が排水溝に落ち込んだときの引抜き搬送装置15の挟持始端部の下降を更に小さく抑えることができて、引抜き作業が一層良好に行えるようになる。また、前輪2,2の前端部が引抜き搬送装置15の挟持始端部より前側に位置し且つ下記茎葉掻集め装置42の先端部より前側に位置するように設けると、前輪2,2が排水溝に落ち込んだときの引抜き搬送装置15の挟持始端部の下降を更に小さく抑えることができるとともに、機体のコンパクト化が図れる。引抜き搬送装置15の挟持始端部の前後方向の位置を、前輪2,2と後輪3,3の略前後中間位置に配置すると、前輪2,2が排水溝に落ち込んだときの引抜き搬送装置15の挟持始端部の下降と、後輪3,3が排水溝に落ち込んだときの引抜き搬送装置15の挟持始端部の下降とを、共に小さく抑えることができる。
本例の農作物収穫機は、引抜き搬送装置15の挟持始端部に作物体Pの茎葉部PLを掻集める茎葉掻集め装置42を引抜き搬送装置15の前側に設けている。この茎葉掻集め装置42は、引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21の回転軸25,25に一体回転するように取付けた後側プーリー43,43と、従動プーリー21,21の回転軸25,25に基部を取付けて前側にのびる支持部材44,44の前端部で回転自在に支持した前側プーリー45,45とに、外周側に突出するラグ46a…を多数有する掻集めベルト46,46を巻き掛けて、該ベルトの左右中央部側が引抜き搬送装置15の挟持始端部に向かって周回動するように設けている。掻集めベルト46,46は、前端側が左右に広がる姿勢で設けられて、左右に広がった作物体Pの茎葉部PLを引抜き搬送装置15の挟持始端部に向けて掻集めるように作用する。なお、掻集めベルト46,46の前端側の左右間隔は、支持部材44,44を後側プーリー43,43の回転軸25,25を中心に左右回動調節することで調節可能であり、また、前輪2,2より後側に位置するように回動させて機体の前後長を短くするように収納することもでき、更に、前輪2,2より左右内側に位置するように回動させて機体の左右幅も狭くするように収納することもでき、機体の格納時や運搬時に機体をコンパクトにすることができる。なお、掻集めベルト46,46の周回速度は、その機体後方の分速度が機体の前進速度と略同じ大きさの速度になるように設定して、掻集めベルト46,46のラグ46a…に引っ掛けられて引抜き搬送装置15の挟持搬送始端部への掻き集められる作物体Pが前後に倒れないように設けている。また、茎葉掻き集め装置42を駆動する後側プーリー43,43を引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21の下側に設けて、掻集めベルト46,46を引抜き搬送装置15の前端部下側に配置すると、作物体Pの茎葉部が短い場合であっても適確に引抜き搬送装置15の挟持搬送始端部へ掻き集められる利点がある。
また、茎葉掻き集め装置42を駆動する後側プーリー43,43は、引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21の上側に設けているので、作物体Pが生姜である場合に、引抜き搬送装置15が茎葉部PLを挟持するとき横側にのびて生育する生姜を割ってしまうことが生じにくくなる。すなわち、地中の生姜が左右に広がって生育していて複数本の茎葉部PLが左右に幅広く並んで生育しているとき、引抜き搬送装置15は左右に林立する複数の茎葉部PLの中間部付近を左右中央側一箇所に集めて挟持することになるが、このとき、茎葉掻き集め装置を駆動する後側プーリーが引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21の下側に設けられていて該後側プーリーが大きく下方に突出していると、その突出部に左右両端側の茎葉部PLが当たると左右に広がった生姜の左右両端部を左右内側に引っ張る状態となって、これにより左右に広がった生姜を大きく湾曲させて割ってしまうことがあり、或いはまた、後側プーリーの下側突出部との当たり箇所を通過して逆に左右両端側の茎葉部PLが大きくたるみ、このため、左右に広がった生姜の左右端側が引抜き搬送装置15で挟持された茎葉部で引っ張り上げられず、左右中央側箇所だけで引っ張り上げられる状態が生じ、このため左右に広がった生姜が前記とは逆に大きく湾曲して割れてしまうことがある。しかしながら、本例では、茎葉掻き集め装置42を駆動する後側プーリー43,43は、引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21の上側に設けているので、このような問題を回避できる。
なお、茎葉掻き集め装置42を駆動する後側プーリー43,43を、図5に示すような構成で、引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21の下側に設ければ、上記のような生姜SSの割れをできるだけ回避しつつ、茎葉部の掻き集め作用を根本側に作用させて茎葉部が短い場合でも良好に茎葉部の掻き集めが行えるようにすることもできる。すなわち、図5に示す構成は、茎葉掻き集め装置42を駆動する後側プーリー43,43と引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21とを一体的に形成した二連プーリーとして、茎葉掻き集め装置42を駆動する後側プーリー43,43を引抜き搬送装置15の従動プーリー21,21の下側に設けた構成であり、後側プーリー43,43の下方への突出をできるだけ小さく構成したものである。これにより、後側プーリー43,43を従動プーリー21,21の下側に設けたものでありながら、上記のような後側プーリー43,43の突出部の当たりを回避或いは小さく抑えられ、上記のような生姜SSの割れををできるだけ回避しつつ、茎葉部の掻き集め作用を根本側に作用させて茎葉部が短い場合でも良好に茎葉部の掻き集めが良好に行えるようにできる。
従って、この農作物収穫機は、機体後部に設けた操縦ハンドル6を機体後方に立つ操縦者が持って操縦されるものとなり、また、走行装置1の左右の前輪2,2及び後輪3,3が畝を跨いで回転して機体を前進走行させ、引抜き搬送装置15が、畝に生育する作物体Pの茎葉部PLを挟持して上方に引き上げながら搬送し、そして、切断装置16が、引抜き搬送装置2下側で作物体Pの茎葉部PLを切断し、そして、切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2は、引抜き搬送装置15の後端部から排出され、更に、茎葉案内手段17によって機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内される。また、切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1は、茎葉案内手段4の下側に配置されたミッションケース5の下方に形成した空間部Sを通って機体後方に通過していく。この根本側部分P1は、この農作物収穫機による作業後において、作業者により取り上げられて収集されるが、一度、引抜かれているので、容易且つ迅速に取り上げることができる。
ところで、前記変速レバー13を、図6の(a)或いは(b)に示すようなレバーガイド溝13a,13bを形成したレバーガイド体13A,13Bで、走行変速装置VCを、低速前進伝動状態(引抜き作業時で低速前進走行するとき設定する変速状態で、図6において「作業速(低)」位置に変速レバー13を操作したときに設定される変速状態)、高速前進伝動状態(非作業時で高速前進走行する時に設定する変速状態で、図6において「路上速(高)」位置に変速レバー13を操作したときに設定される変速状態)、後進伝動状態(後進走行するとき設定する変速状態で、図6において「後進」位置に変速レバー13を操作したときに設定される変速状態)、前後進中立状態(走行停止するとき設定する変速状態で、図6において「中立」位置に変速レバー13を操作したときに設定される変速状態)に切り替え操作できるように構成すると、作業性が一層向上する。すなわち、引抜き作業を終了したとき、引抜き搬送装置15に作物が挟持されたままでいる場合があり、この場合は、走行を止めて作業部Wのみを駆動して作物体Pを取出す必要がある。そこで、従来は、一旦、主クラッチ操作レバー12を操作して、主クラッチMCを切り操作し、そして、変速レバー13を前後進中立位置に操作し、その後、再度、主クラッチ操作レバー12を操作して主クラッチMCを入り操作して、作業部Wのみを駆動していた。しかし、図6に示すレバーガイド体13A或いは13Bにそって変速操作が可能に構成されていると、主クラッチ操作レバー12を切り操作することなく、変速レバー13を「作業速(低)」から「中立」位置に他の変速位置を経由することなく操作できて、これにより、走行変速装置VCが低速前進伝動状態から前後進中立状態に直接切り替わり、走行が直ちに停止して且つ作業部Wのみが駆動される状態となって、引抜き搬送装置15に残った作物を迅速に取出すことができ、作業性が向上する。なお、これは、図4に示すように、走行変速装置VCの伝動上手側で作業部Wへ動力が分岐する構成となっていることが前提となる。
図7には、機体を前進走行させながら畝Uに生育する作物体Pを機体後方に挟持搬送し、その挟持搬送中に作物体Pの茎部を切断して作物体Pを収穫する農作物収穫機の構成を示している。図中(a)は、その農作物収穫機の構成を簡略に示した側面図、(b)は部分的な背面図である。
この農作物収穫機は、左右両側に自由回転する前輪51,51と駆動回転する後輪52,52を備え、後側にエンジン53とミッションケース54と歩行操縦用の操縦ハンドル55を備えた歩行操縦型で四輪構成の走行装置56と、作物体の茎部を挟持して機体後方に搬送する挟持搬送装置57と、該挟持搬送装置57の挟持箇所より下側で作物体の茎部を切断する切断装置58とを設けた構成である。
そして、前記後輪52,52は、エンジン53から受入れた動力を該後輪52,52へ伝動する伝動機構を内装した前記ミッションケース54の左右両側方に設けている。具体的には、ミッションケース54の左右両側部から下方にのびる第一後輪伝動ケース59,59をミッションケース54の左右両側部に固定して設け、該第一後輪伝動ケース59,59の各下端部側部から更に下方にのびる第二後輪伝動ケース60,60を第一後輪伝動ケース59,59に対して横軸芯59a,59a周りに回動可能に設け、該第二後輪伝動ケース60,60の各下端部側部から側方に突出させて後輪車軸61,61を設け、この後輪車軸61,61に後輪52,52を取付けている。第一後輪伝動ケース59,59と第二後輪伝動ケース60,60の内側には、ミッションケース54内の動力を後輪車軸61,61に伝動する伝動手段を内装する。
前記前輪51,51は、ミッションケース54から前側にのびるフレーム62,62に設けた前輪支持部材63,63に取付けた前輪支持アーム64,64の下端部側部に設けた前輪車軸65,65に取付けている。また、前輪支持アーム64,64は伸縮調節可能に設けている。
そして、第二後輪伝動ケース60,60を第一後輪伝動ケース59,59に対して横軸芯59a,59a周りに上下回動させる上下回動操作機構66,66を備えて後輪52,52を上下動できる構成としている。第二後輪伝動ケース60,60の上下回動操作機構66,66は、適宜の機構に設けることができるが、図示例では、第一後輪伝動ケース59,59に対して回動可能に取付けている第二後輪伝動ケース60,60の回動取付部60a,60aに固着したアーム67,67と機体後部の取付け部68,68と、該アーム67,67と取付け部68,68とを連結するネジ孔を有する筒軸とその筒軸のネジ孔に螺合状態で挿入させたネジ軸からなる伸縮ロッド69,69と、該伸縮ロッド69,69を伸縮操作する操作ハンドル70,70を備えた伸縮操作部とで構成し、操作ハンドル70,70を回動操作すると伸縮ロッド69,69のネジ軸が回動して伸縮ロッド69,69が伸縮する。これにより、前記アーム67,67が回動して第二後輪伝動ケース60,60が上下回動し後輪52,52が上下動する構成としている。更に、本例では、第二後輪伝動ケース60,60の上下回動と連動して前輪支持アーム64,64を第二後輪伝動ケース60,60の回動方向と同方向に上下回動させる連動機構71,71を備えている。この連動機構71,71は、図示例では、第二後輪伝動ケース60,60の回動取付部60a,60aに固着したアーム72,72と前輪支持アーム64,64を取付けている前輪支持軸73,73に固着したアーム74,74とを連結ロッド75,75で連結して連動させる構成としている。また、前輪51,51と後輪52,52とが連動して上下動するとき機体が前後に傾かないように、前輪51,51と後輪52,52とが略同高さで上下動する構成とする必要がある。このため、前輪51,51の回動軸心となる前輪支持軸73,73の回動軸芯と、後輪52,52の回動軸心となる第二後輪伝動ケース60,60の回動軸心59a,59aとが略同高さに配置し、且つ、回動軸心から車軸までの長さを前後輪ともに略同長さに設定する必要がある。
更に、この農作物収穫機では、前記切断装置58を、その切断作用部が前記ミッションケース54の底部の最低部よりも低く位置するように配置している。
従って、この農作物収穫機は、走行装置56によって機体を前進走行させながら畝Uに生育する作物体Pを挟持搬送装置57が機体後方に挟持搬送し、その挟持搬送中に切断装置58が作物体Pの茎部を切断して根本側部分P1と切り離して作物体Pを収穫する。切断装置58によって上側部分と切り離された根本側部分P1は、機体底部下方を通過して機体後方に抜けていく。このとき、ミッションケース54の底部の最低部が根本側部分P1の上端部より低いと機体走行の妨げとなる。しかし、単にミッションケース54を高く配置するだけでは、ミッションケースの左右両側部に上下回動調節可能に取付けられる後輪伝動ケースの回動取付部の位置が高く配置され、これにともない、前輪と後輪とが連動して上下動するとき機体が前後に傾かないように前輪支持軸の位置も高く配置され、更に、挟持搬送装置も高く配置されることになって、結局、機体の高さが高くなって機体が大型化してしまう。しかし、上記のように、ミッションケース54の左右両側部から下方にのびる第一後輪伝動ケース59,59をミッションケース54の左右両側部に固定して設け、該第一後輪伝動ケース59,59の各下端部側部から更に下方にのびる第二後輪伝動ケース60,60を第一後輪伝動ケース59,59に対して横軸芯59a,59a周りに回動可能に設け、該第二後輪伝動ケース60,60の各下端部側部から側方に突出させて後輪車軸61,61を設け、この後輪車軸61,61に後輪52,52を取付けた構成とし、第二後輪伝動ケース60,60の上下回動に連動して、機体前部で挟持搬送装置57より下側に設けた前輪支持軸73,73に取付けた前輪支持アーム64,64を上下回動する構成とし、前記切断装置58を、その切断作用部が前記ミッションケース54の底部の最低部よりも低く位置するように配置した構成としたので、機体をコンパクトに構成し、且つ、挟持搬送装置57及び切断装置58を畝高さに応じて上下高さ調節可能となるよう前輪51,51と後輪52,52とを連動して上下動可能に構成したものでありながら、ミッションケース54の底部下方の空間を、切断装置58によって上側部分と切り離された根本側部分P1が通り抜けるに十分な高さで確保でき、良好に作業走行できるものとなる。なお、更に、切断装置58の動力の伝動部を上側から下側に向けて伝動する伝動部を介して取り付けることで、切断装置58への伝動部が切断後の根本側部分P1の機体後方への通過を妨げることがなく、一層、良好に作業走行できるものとなる。また、左右の前輪51,51及び後輪52,52を、左右個別に上下連動する構成とすることで、左右に傾いた傾斜地でも切断後の根本側部分P1がミッションケース54の底部下方の空間を確実に通過させて作業走行できるように機体の左右傾斜を調節できるものとなる。更にまた、前輪支持アーム64,64を伸縮調節可能に可能に設け、更に、後輪車軸61,61より前側に切断装置58を配置したことにより、前輪支持アーム64,64の伸縮調節で切断位置を適宜上下調節でき、一層、適確な作業走行が行える。
従って、この農作物収穫機は、走行装置56によって機体を前進走行させながら畝Uに生育する作物体Pを挟持搬送装置57が機体後方に挟持搬送し、その挟持搬送中に切断装置58が作物体Pの茎部を切断して根本側部分P1と切り離して作物体Pを収穫する。切断装置58によって上側部分と切り離された根本側部分P1は、機体底部下方を通過して機体後方に抜けていく。このとき、ミッションケース54の底部の最低部が根本側部分P1の上端部より低いと機体走行の妨げとなる。しかし、単にミッションケース54を高く配置するだけでは、ミッションケースの左右両側部に上下回動調節可能に取付けられる後輪伝動ケースの回動取付部の位置が高く配置され、これにともない、前輪と後輪とが連動して上下動するとき機体が前後に傾かないように前輪支持軸の位置も高く配置され、更に、挟持搬送装置も高く配置されることになって、結局、機体の高さが高くなって機体が大型化してしまう。しかし、上記のように、ミッションケース54の左右両側部から下方にのびる第一後輪伝動ケース59,59をミッションケース54の左右両側部に固定して設け、該第一後輪伝動ケース59,59の各下端部側部から更に下方にのびる第二後輪伝動ケース60,60を第一後輪伝動ケース59,59に対して横軸芯59a,59a周りに回動可能に設け、該第二後輪伝動ケース60,60の各下端部側部から側方に突出させて後輪車軸61,61を設け、この後輪車軸61,61に後輪52,52を取付けた構成とし、第二後輪伝動ケース60,60の上下回動に連動して、機体前部で挟持搬送装置57より下側に設けた前輪支持軸73,73に取付けた前輪支持アーム64,64を上下回動する構成とし、前記切断装置58を、その切断作用部が前記ミッションケース54の底部の最低部よりも低く位置するように配置した構成としたので、機体をコンパクトに構成し、且つ、挟持搬送装置57及び切断装置58を畝高さに応じて上下高さ調節可能となるよう前輪51,51と後輪52,52とを連動して上下動可能に構成したものでありながら、ミッションケース54の底部下方の空間を、切断装置58によって上側部分と切り離された根本側部分P1が通り抜けるに十分な高さで確保でき、良好に作業走行できるものとなる。なお、更に、切断装置58の動力の伝動部を上側から下側に向けて伝動する伝動部を介して取り付けることで、切断装置58への伝動部が切断後の根本側部分P1の機体後方への通過を妨げることがなく、一層、良好に作業走行できるものとなる。また、左右の前輪51,51及び後輪52,52を、左右個別に上下連動する構成とすることで、左右に傾いた傾斜地でも切断後の根本側部分P1がミッションケース54の底部下方の空間を確実に通過させて作業走行できるように機体の左右傾斜を調節できるものとなる。更にまた、前輪支持アーム64,64を伸縮調節可能に可能に設け、更に、後輪車軸61,61より前側に切断装置58を配置したことにより、前輪支持アーム64,64の伸縮調節で切断位置を適宜上下調節でき、一層、適確な作業走行が行える。
図8、図9には、機体を前進走行させながら畝Uに生育する作物体Pを左右二列の挟持搬送装置81,81に分けて搬送し、その挟持搬送中において作物体Pの茎部を切断して作物体Pを収穫する農作物収穫機の構成を示している。
この図面に示した農作物収穫機は、図1及び図2に示したものと同じ符号を付した部分は同様の構成となっているので、重ねての説明は省略する。異なる部分は、図1及び図2に示したものにおける引抜き搬送部と切断装置を備えた作業部Wの構成である。以下、この農作物収穫機の作業部W’について説明する。
この農作物収穫機は、左右一対で上下2段の挟持搬送ベルト82…;82…を備えた挟持搬送装置81,81を左右に二列状態で、機体平面視で左右の前後輪2,2;3,3の間に、機体側面視で前輪2,2近傍位置から後輪3,3近傍位置にかけて配置している。そして、左右の挟持搬送装置81,81の前側左右中央部に各挟持搬送装置81,81の挟持搬送始端部に作物体を導く分草体83を設け、左右の挟持搬送装置81,81の前側左右両外側に、前側ほど左右外側に広がるように設けた掻集め装置84,84を設けている。掻集め装置84,84の具体構成は、図1及び図2に示したものにおける茎葉部掻集め装置と同様な構成としているが、挟持搬送ベルト82…;82…を上下2段に構成しているのに対応して掻集めベルト85…;85…も上下2段に構成している。また、左右の挟持搬送装置81,81で搬送される作物体の根本側の茎部を切断する切断部が横長のバリカン状の第一切断装置86を前側に設け、更に、その後側上側で、第一切断装置86によって切断されて挟持搬送される作物体の下側の茎部を更に短く切断する円盤状カッターで構成した第二切断装置87,87を左右の挟持搬送装置81,81による挟持搬送部の後半部下側に設けている。そして、左右の挟持搬送装置81,81の各挟持搬送終端部から排出される作物体を、それぞれ機体後部側の左右両外側方に分かれるようにして搬出する左右の搬出装置88,88を設けている。
従って、この農作物収穫機は、挟持搬送装置81,81を左右二列に設けているので、畝Uにたくさんの作物体が繁って生育している場合に、能率よく取り込んで挟持搬送し刈り取っていくことができ、しかも、歩行操縦型で四輪構成で機体が軽量コンパクトで機体の取りまわしが容易に行え、更に、左右二列で挟持搬送して刈り取った作物体は、左右に設けた搬出装置88,88で機体後部側の左右両外側方に搬出されるので、畝Uの左右両側の谷部を歩行して機体の後側からら追いかけて行く作業者が容易に作物体を受け取っていくことができて、能率よく作業を進めることができ、
ことで、例えば、ができ、にも適用できる。
1:走行装置
2,2:前輪
3,3:後輪
4:エンジン
5:ミッションケース
6:操縦ハンドル
14,14:引抜き搬送ベルト
15:引抜き搬送装置
16:切断装置
17:茎葉案内手段
P:作物体
PL:茎葉部
P1:作物体の根本側部分
P2:作物体の葉先側部分
S:空間部
2,2:前輪
3,3:後輪
4:エンジン
5:ミッションケース
6:操縦ハンドル
14,14:引抜き搬送ベルト
15:引抜き搬送装置
16:切断装置
17:茎葉案内手段
P:作物体
PL:茎葉部
P1:作物体の根本側部分
P2:作物体の葉先側部分
S:空間部
Claims (1)
- 左右両側に自由回転する前輪2,2と駆動回転する後輪3,3を備えるとともに後側にエンジン4とミッションケース5と歩行操縦用の操縦ハンドル6を備えた歩行操縦型で四輪構成の走行装置1と、作物体Pの茎葉部PLを挟持して引抜き搬送する左右一対の引抜き搬送ベルト14,14を後上がり傾斜した姿勢に設けた引抜き搬送装置15と、作物体Pの茎葉部PLを切断する切断装置16とを設け、前記引抜き搬送装置15は左右の前輪2,2及び後輪3,3の間に配置するとともに機体側面視で前輪2,2近傍位置から後輪3,3近傍位置にかけて配置し、前記切断装置16は引抜き搬送装置15の後部下側に配置し、前記切断装置16により切断されて根本側部分P1から切り離された葉先側部分P2を引抜き搬送装置15の後端部から機体側方側で左右後輪3,3の内側の地面に落下案内する茎葉案内手段17を設け、該茎葉案内手段17の下側に前記ミッションケース5を配置するとともに、該ミッションケース5の下方に前記切断装置16により切断されて地面に落下した根本側部分P1を機体後方に通過可能とする空間部Sを有するように構成したことを特徴とする農作物収穫機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008029289A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Iseki & Co Ltd | 苗移植機 |
-
2003
- 2003-08-04 JP JP2003285573A patent/JP2005052056A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008029289A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Iseki & Co Ltd | 苗移植機 |
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