JP2005050591A - 接点付き電極および接点付き電極用容器ならびに接点装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上面に凹部1aが設けられた金属体から成る電極1と、凹部1aの深さよりも長く、凹部1aの内寸法よりも小さい太さの脚部2aおよび凹部1aの開口よりも大きい頭部2bを有する接触子から成る接点2とを具備しており、接点2は、脚部2aが凹部1aに挿入されて凹部1aの内壁との間でロウ付けされるとともに、電極1の上面から脚部2aの側面および頭部2bの下面にかけてこれらの面にロウ材が沿うようにしてロウ付けされている
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワー負荷用リレーあるいは電磁開閉器等に適した主に封止された接点装置およびそれに用いられる接点付き電極および接点付き電極用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パワー負荷用リレー,電磁開閉器,20A以上の電流が流れるブレーカー,マグネットスイッチ等には図3に示すような接点付き電極が用いられていた。
【0003】
この接点付き電極において、接点102は銀(Ag)合金等の板状部材の接触子から成るものであり、金属体から成る電極101の上面にAgロウ等のロウ材103を介してロウ付け接合されることによって、接点付き電極が形成されていた。そして、このような接点付き電極は、封止された接点装置に用いられていた(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
また、図4に示すように金属体から成る電極101に貫通孔101aを設けるとともに、接触子から成る接点102を脚部102aと頭部102bとから成るリベット状とし、脚部102aを貫通孔101aに挿入し、頭部102bの下面と電極101の上面とをロウ材103を介してロウ付け接合することによって接点付き電極が形成されていた(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
図4の構成によって、接点102を取り付ける際、脚部102aが貫通孔101a内に係止されて接点102が位置決めされるので、電極101に対して位置ずれすることがなく、精度の高い接点付き電極が得られた。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−45208号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2003−100190号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平5−325702号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の接点付き電極において、電極101と接点102とをロウ材103を介してロウ付けする際、電極101の上面と接点102の下面の間にロウ材103が挟まれるため、溶融したロウ材103が接点102の側面にあふれ出し、さらに接点102の側面を伝わって、接点102の上面にまでロウ材103が流れる場合があった。
【0010】
その結果、接点102の上面にロウ材103の溜りが形成されてしまい、接点102を接続させる際に接触不良を起こすという問題点や、接点102の接続を切断させる際に生じるアーク放電が接点102の上面にロウ材103の溜りを起点にして大きくなるとともにこのアーク放電を消弧し難くなってしまい、接点102の電気的な接続を完全に切断するのが困難になるという問題点があった。
【0011】
また、電極101の上面とロウ材103との間の空気、および接点102の下面とロウ材103の間の空気は、電極101の上面と接点102の下面の間に挟まれるため、電極101と接点102とをロウ付けする際にロウ材103を溶融させても、空気が電極101の上面と接点102の下面との間から抜け出し難く、抜けきれなかった空気がロウ材103内部のボイドとして残留してしまい、電極101と接点102との接合強度を低下させ、接合信頼性を低下させてしまうという問題点があった。
【0012】
これらの問題点は、特に接点102をAg合金、ロウ材103をAgロウというように、接点102とロウ材103とをともに同じ材質とした場合に顕著なものとなっていた。
【0013】
従って、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、接触が良好で接続の切断を容易にでき、かつ電極と接点との接合信頼性の高い、長期にわたって正常に機能する接点付き電極を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の接点付き電極は、上面に凹部が設けられた金属体から成る電極と、前記凹部の深さよりも長く、前記凹部の内寸法よりも小さい太さの脚部および前記凹部の開口よりも大きい頭部を有する接触子から成る接点とを具備しており、前記接点は、前記脚部が前記凹部に挿入されて前記凹部の内壁との間でロウ付けされるとともに、前記電極の上面から前記脚部の側面および前記頭部の下面にかけてこれらの面にロウ材が沿うようにしてロウ付けされていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の接点付き電極は、脚部が凹部の深さより長く、凹部の内寸法よりも小さい太さであり、凹部に挿入されて凹部の内壁との間でロウ付けされるとともに、電極の上面から脚部の側面および頭部の下面にかけてこれらの面にロウ材が沿うようにしてロウ付けされていることから、電極と接点とをロウ材を介してロウ付けする際、電極の上面と接点の頭部の下面との間に空間を形成することができ、電極と接点とをロウ付けする際に、溶融したロウ材が接点の側面にあふれ出すのを防止できる。その結果、接点の上面にロウ材の溜りが形成されることがなく、接点を接続させる際の接触が良好で、かつ接点の接続を切断させる際に生じるアーク放電を小さいものとし、接点の電気的な接続を容易に切断できるようになる。
【0016】
また、電極の上面とロウ材との間の空気、および接点の下面とロウ材の間の空気は、電極と接点とをロウ付けするときにロウ材を溶融させた際に、空気が凹部と脚部との間から上方に抜け出易くなり、ロウ材内部にボイドが発生するのを防止することができる。その結果、電極と接点との接合を強固なものとして電極と接点との接合信頼性を向上させ、長期にわたって正常に機能する接点付き電極とすることができる。
【0017】
また、本発明の接点付き電極用容器は、上面に凹部が形成されるとともにこの凹部の底面に貫通孔が形成された絶縁体から成る基体と、この基体の上面の前記凹部の周囲に接合された金属製の枠体と、前記貫通孔に挿通固定された本発明の接点付き電極とを具備していることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の接点付き電極用容器は、上記本発明の接点付き電極を具備していることから、接点を接続させる際の接触が良好で、かつ接点の電気的な接続を容易に切断でき、電極と接点との接合信頼性を向上させた優れたものとできる。
【0019】
本発明の接点装置は、外周面にコイルを巻回した筒体と、該筒体の貫通孔に上下に移動可能に挿入された可動鉄芯と、この可動鉄芯の下端から延出して下端部が前記筒体の下面から突出するとともに前記下端部に可動接点が設けられた可動接触子を有する軸部と、前記筒体を内部に収容するとともに前記軸部を下面の貫通穴に挿通させて前記可動接触子を下面より下方に露出させるように設置した箱状の容器とを有しており、前記コイルに電流を流して前記可動鉄芯を磁化させることによって前記可動鉄芯を移動させる駆動部と、前記接点が前記可動接点に対向するようにして前記枠体が前記容器の下面の外周部に接合されている本発明の接点付き電極用容器とを具備していることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の接点装置は、上記本発明の接点付き電極用容器を具備していることから、接点を接続させる際の接触が良好で、かつ接点の電気的な接続を容易に切断でき、電極と接点との接合信頼性を向上させた優れたものとできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の接点付き電極および接点付き電極用容器ならびに接点装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明の接点付き電極について実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は本発明の接点装置について実施の形態の一例を示す断面図である。
【0022】
図1において、1は金属体から成る電極、2は接触子から成る接点、3はロウ材である。これら電極1および接点2ならびにロウ材3で接点付き電極5が構成される。また、図2において、5は接点付き電極、11は接点付き電極用容器の基体、12は接点付き電極用容器の枠体、20は駆動部である。これら接点付き電極5および基体11ならびに枠体12で接点付き電極用容器10が構成され、接点付き電極用容器10および駆動部20が、接点2が可動接点22に対向するようにして枠体12が容器27の下面の外周部に接合されて接点装置となる。
【0023】
本発明の接点付き電極5は、上面に凹部1aが設けられた金属体から成る電極1と、凹部1aの深さよりも長く、凹部1aの内寸法よりも小さい太さの脚部2aおよび凹部1aの開口よりも大きい頭部2bを有するリベット状の接触子から成る接点2とを具備しており、接点2は、脚部2aが凹部1aに挿入されて凹部1aの内壁との間でロウ付けされるとともに、電極1の上面から脚部2aの側面および頭部2bの下面にかけてこれらの面にロウ材3が沿うようにしてロウ付けされている構成である。
【0024】
電極1は、上面の中央部に凹部1aが設けられた金属体から成る円柱状や直方体状等の柱状であり、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金やFe−Ni合金等の金属のインゴットに圧延加工や切削加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。凹部1aの内面には、Agロウ,Ag−銅(Cu)ロウ等のロウ材3のプリフォームが挿入され、その上に接点2に設けられた脚部2aが挿入され、ロウ材3を溶融させることによってロウ付けされる。ロウ付けの際に脚部2aの下面で溶融したロウ材3は、毛細管現象によって脚部2aの側面を上昇し、電極1と接点2との接合面積を拡大させる。
【0025】
接点2は、凹部1aの深さよりも長く、凹部1aの内寸法よりも小さい太さの脚部2aおよび凹部1aの開口よりも大きい頭部2bを有するリベット状であり、脚部2aは電極1の凹部1aに接合される接合部とされ、頭部2bは外部の接点と接続される接点部となる。接点2は、Ag,Ag合金,CuやCu合金等の電気抵抗の低い良導体である金属のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。
【0026】
ここで、脚部2aは、凹部1aの深さより長く、凹部1aの内寸法よりも小さい太さにされている。この構成により、脚部2aが凹部1aに挿入されて凹部1aの内壁との間でロウ付けされるとともに、電極1の上面から脚部2aの側面および頭部2bの下面にかけてこれらの面にロウ材3が沿うようにしてロウ付けされたときに、電極1の上面と接点2の頭部2bの下面との間に空間4を形成することができ、電極1と接点2とをロウ付けする際に、溶融したロウ材3が接点2の側面にあふれ出すのを防止できる。その結果、接点2の上面にロウ材3の溜りが形成されるのを防止でき、接点2を接続させる際の接触が良好で、接点2の接続を切断させる際にアーク放電を小さいものとし、接点2の接続を容易に切断できるようにできる。
【0027】
また、電極1の上面とロウ材3との間の空気、および接点2の下面とロウ材3の間の空気は、電極1と接点2とをロウ付けするときにロウ材3を溶融させた際に、空気が凹部1aと脚部2aとの間から上方に抜け出易くなり、ロウ材3内部にボイドが発生するのを防止することができる。その結果、電極1と接点2との接合を強固なものとして電極1と接点2との接合信頼性を向上させることができる。
【0028】
本発明において、好ましくは、脚部2aの長さは凹部1aの深さより0.5〜10mm長くするのがよく、この構成により、電極1の上面と接点2の頭部2bの下面との間に高さ0.5〜10mmの空間4を設けることができ、空間4において、溶融したロウ材3の毛細管現象が生じ難くなるので、ロウ付けの際に脚部2aの下面で溶融したロウ材3が接点2の頭部2bの上面にはい上がるのを有効に防止するとともに、ロウ材3内部の空気が凹部1aと脚部2aとの間から上方に抜け出易くさせ、ロウ材3内部にボイドが発生するのを有効に防止することができる。脚部2aの長さが凹部1aの深さに比べて0.5mm未満長いときは、電極1の上面と接点2の頭部2bの下面との間において、溶融したロウ材3が毛細管現象によって接点2の側面にあふれ出し、そのロウ材3が接点2の上面にはい上がって、その結果、接点2の上面にロウ材3の溜りが形成され易くなる。一方、脚部2aの長さが凹部1aの深さに比べて10mmを超えて長くなると、凹部1aより上側に突出した脚部2aが長くなりすぎて、頭部2bに外部の接点を接続させる際に外力が加わると脚部2aに変形を生じさせ易くなる。
【0029】
また好ましくは、電極1の凹部1aの側面と接点2の脚部2aの側面との間には0.05〜0.25mmのわずかな隙間が設けられるのがよく、ロウ材3を毛細管現象で凹部1aの側面と脚部2aの側面との間を完全に埋め込んで、電極1と接点2とを極めて強固にロウ付け接合することができる。隙間が0.05mm未満であると、凹部1aの側面と脚部2aの側面との間が狭くなりすぎて、ロウ材3を毛細管現象で良好に流すことが困難となる。隙間が0.25mmを超えると、凹部1aの側面と脚部2aの側面との間が広くなりすぎて、ロウ材3を毛細管現象で流すことが困難となる。
【0030】
ロウ材3はAgロウ,Ag−Cuロウ等をプリフォームしたものを使用するのが好ましい。ロウ材3をプリフォームしたものは、幅が凹部1aの内寸法よりも0.02mm程度小さく、厚さが0.12mm程度の板状とするのが好ましい。このプリフォームされたロウ材3を、凹部1aに挿入し、次に接点2の脚部2aを挿入し、ロウ材3の溶融温度まで加熱するとロウ材3が溶融して毛細管現象で凹部1aと脚部2aとの隙間を埋めて流れ、電極1の上面まで達して、電極1の上面から脚部2aの側面および頭部2bの下面にかけてこれらの面にロウ材3が沿うようにして流れる。そして接点2は毛細管現象により流れ出たロウ材3の量に応じてロウ材3の中に沈みこみ、電極1と接点2とが所望の状態にロウ付けされる。
【0031】
次に、本発明の接点付き電極用容器10について詳細に説明する。本発明の接点付き電極用容器10は、上面に凹部が形成されるとともにこの凹部の底面に貫通孔11aが形成された絶縁体から成る基体11と、この基体11の上面の凹部の周囲に接合された金属製の枠体12と、貫通孔11aに挿通固定された上記本発明の構成の接点付き電極5とを具備するものである。
【0032】
基体11は、アルミナ(Al2O3)質焼結体等の耐熱性を有する絶縁体からなる凹状の容器であり、図2に示すように底面に2箇所の貫通孔11aが形成されている。
【0033】
基体11の上面の凹部の周囲には、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作された枠体12がAgロウ,Ag−Cuロウ等のロウ材を介して接合されている。そして、貫通孔11aには接点2が基体11の内側になるようにして接点付き電極5が挿通され、Agロウ,Ag−Cuロウ等のロウ材によってロウ付けされている。接点付き電極5において好ましくは、図2に示すように、電極1の下端部には鍔部1bが形成されており、鍔部1bの上面が貫通孔11bの周囲の基体11下面に接合されているのがよく、この構成により、電極1の先端に接合された接点2の上下方向の位置を正確に位置合わせすることができる。なお、鍔部1bとともに、または鍔部1bに代わって貫通孔11aの内壁と電極1の側面とがロウ付けされてもよいことは言うまでもない。
【0034】
電極1および枠体12は、上記したように基体11とロウ付け接合するため、基体11と熱膨張係数が近似した材料であるのがよい。これによって、ロウ付けするときの収縮量の違いによる熱応力が基体11に大きく作用するのを防止し、基体11にクラック等の破損が生ずるのを有効に防止することができる。例えば、基体11がAl2O3質焼結体から成る場合、電極1および枠体12はAl2O3質焼結体とロウ付けするときの熱膨張係数が近似したFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金から成るのがよい。
【0035】
なお、接点付き電極用容器10は枠体12の上側で気密に封止されることによって、内部が気密に封止された容器となる。接点付き電極用容器10内部には、例えば水素やヘリウム,アルゴン,窒素等を主体としたガスが2気圧程度で封入され気密に封止される。
【0036】
次に、本発明の接点装置について詳細に説明する。本発明の接点装置は、外周面にコイル26を巻回した筒体23と、この筒体23の貫通孔23aに上下に移動可能に挿入された可動鉄芯21bと、この可動鉄芯21bの下端から延出して下端部が筒体23の下面から突出するとともに下端部に可動接点22が設けられた可動接触子21aを有する軸部21と、筒体23を内部に収容するとともに軸部21を下面の貫通穴27aに挿通させて可動接触子21aを下面より下方に露出させるように設置した箱状の容器27とを有しており、コイル26に電流を流して可動鉄芯21bを磁化させることによって可動鉄芯21bを移動させる駆動部20と、接点2が可動接点22に対向するようにして枠体12が容器27の下面の外周部に接合されている上記本発明の構成の接点付き電極用容器10とを具備している。
【0037】
なお、前記したように、接点付き電極用容器10内部には、例えば水素やヘリウム,アルゴン,窒素等を主体としたガスが2気圧程度でもって封入され気密に封止される。
【0038】
この構成において、接点装置が作動していない場合、コイル26に電圧が印加されず、軸部21が上方側に押し上げられており、可動接触子21aが上方側に引き上げられ、可動接点22が接点2から離れており、可動接点22と接点2とが電気的に接続されない状態とされている。接点装置が作動すると、コイル26に電流が流れてコイル26が励磁され、可動鉄芯21bが磁化されて磁気的にバランスが取れる位置に移動するようにコイル26の中へ引き込まれ、軸部21が下方に移動する。そして、可動接点22が接点2に接触し、可動接点22と接点2とが接続された状態とされる。
【0039】
ここで、好ましくは、軸部21の上端部には復帰用のバネ24を介して可動鉄芯21bが固定されており、軸部21の下端部には圧接用のバネ25によって下方に付勢されて可動接触子21aが配置されているのがよい。接点装置は、この構成からなることによって、コイル26に電流が流れていない場合には、復帰用のバネ24の弾性力で可動鉄芯21bが上方側に押し上げられ、軸部21が上方側に押し上げられる。一方、圧接用のバネ25の弾性力で可動接触子21aが下方に付勢されているが、復帰用のバネ24の弾性力が圧接用のバネ25の弾性力よりも大きい。このため、軸部21が上方側に押し上げられることにより、可動接触子21aが上方側に引き上げられ、可動接点22が接点2から離れている。
【0040】
そして、コイル26に電流を流してコイル26を励磁すると、可動鉄芯21bが磁化されて下方に引き込まれるように移動し、軸部21が復帰用のバネ24の弾性力に抗して下方に移動する。そして、可動接点22が接点2に接触する。
【0041】
そして、コイル26の電流を遮断して励磁を解くと、圧接用のバネ25の弾性力よりも大きい復帰用のバネ24の弾性力により、可動鉄芯21bが上方側に押し上げられ、軸部21が上方側に移動する。そして、可動接点22が接点2から離れる。
【0042】
このようにして、可動接点22と接点2とが接続される状態と、接続されない状態とにすることができる。
【0043】
可動接点22は、接点2と同様のAg,Ag合金,CuやCu合金等の電気抵抗の低い良導体である金属のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作され、予め可動接触子21aにAgロウ,Ag−Cuロウ等のロウ材によって接合固定されている。
【0044】
好ましくは、図2に示すように、可動接触子21aには電極1と同様に凹部を設け、可動接点22を接点2と同様に、可動接触子21aの凹部の深さより長く、可動接触子21aの凹部の内寸法よりも小さい太さの脚部および可動接触子21aの凹部の開口よりも大きい頭部を有するリベット状として、可動接点22の脚部が可動接触子21aの凹部に挿入されて可動接触子21aにロウ付けされる構成とするのがよい。
【0045】
可動接触子21aと可動接点22とをロウ付け接合する際に、溶融したロウ材が可動接点22の側面にあふれ出すのを防止できる。その結果、可動接点22の上面にロウ材の溜りが形成されるのを防止できる。また、可動接触子21aとロウ材3との間の空気、および可動接点22とロウ材との間の空気は、可動接触子21aと可動接点22とをロウ付けするときにロウ材を溶融させた際に、空気が凹部と脚部との間から抜け出易くなり、ロウ材内部にボイドが発生するのを防止することができる。その結果、可動接触子21aと可動接点22との接合を強固なものとして可動接触子21aと可動接点22との接合信頼性を向上させることができる。
【0046】
接点2と可動接点22とを接触させる際に、接点2に外力が加わるが、電極1と接点2との接合が強固なものとされているので電極1と接点2との接合信頼性を向上させ、接点2が電極1から取れてしまうのを防止できる。また、可動接触子21aに電極1と同様に凹部を設け、可動接点22を接点2と同様に、可動接触子21aの凹部の深さより長く、可動接触子21aの凹部の内寸法よりも小さい太さの脚部および可動接触子21aの凹部の開口よりも大きい頭部を有するリベット状として、可動接点22の脚部が可動接触子21aの凹部に挿入されて可動接触子21aにロウ付けされる構成とした場合、可動接点22に外力が加わっても、可動接触子21aと可動接点22との接合が強固なものとされているので可動接触子21aと可動接点22との接合信頼性を向上させ、可動接点22が可動接触子21aから取れてしまうのを防止できる。その結果、接点装置を長期にわたって正常に機能し得るものとすることができる。
【0047】
また、接点装置が作動されなくなると、軸部21が上方側に移動する。そして、可動接点22が接点2から離れるが、その際に接点2と可動接点22との間にアーク放電が発生する。このアーク放電を接点装置の外側の磁気手段(図示せず)により引き伸ばし消弧させることによって、接点2と可動接点22との電気的接続が切断されることとなる。好ましくは、接点2および可動接点22の表面は凸の曲面状であるのがよく、この構成によって、接点2,可動接点22間で発生するアーク放電を抑制できる。
【0048】
なお、接点2の上面にロウ材3の溜りが形成されるのを防止できることから、接点2と可動接点22とを接続させる際の両者の接触が良好で、かつ接点の接続を切断させる際に接点2と可動接点22との間で生じるアーク放電を小さいものとし、接点2の電気的接続を容易に切断できる。また、可動接触子21aに電極1と同様に凹部を設け、可動接点22を接点2と同様に、可動接触子21aの凹部の深さより長く、可動接触子21aの凹部の内寸法よりも小さい断面の脚部および可動接触子21aの凹部の開口よりも大きい頭部を有するリベット状として、可動接点22の脚部が可動接触子21aの凹部に挿入されて可動接触子21aにロウ付けされる構成とした場合、可動接点22の上面にロウ材の溜りが形成されるのを防止できることから、接点2と可動接点22とを接続させる際の両者の接触をより良好なものとし、かつ接点の接続を切断させる際に接点2,可動接点22間で生じるアーク放電を極めて小さいものとし、接点の電気的接続を極めて容易に切断できるようになる。
【0049】
上記の構成により、接点2を接続させる際の接触が良好で、かつ接点2の接続を容易に切断でき、電極1と接点2との接合信頼性を向上させた優れた接点装置とできる。
【0050】
尚、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明の接点付き電極は、上面に凹部が設けられた金属体から成る電極と、凹部の深さよりも長く、凹部の内寸法よりも小さい太さの脚部および凹部の開口よりも大きい頭部を有する接触子から成る接点とを具備しており、接点は、脚部が凹部に挿入されて凹部の内壁との間でロウ付けされるとともに、電極の上面から脚部の側面および頭部の下面にかけてこれらの面にロウ材が沿うようにしてロウ付けされていることから、電極と接点とをロウ材を介してロウ付けする際、電極の上面と接点の頭部の下面との間に空間を形成することができ、電極と接点とをロウ付けする際に、溶融したロウ材が接点の側面にあふれ出すのを防止できる。その結果、接点の上面にロウ材の溜りが形成されることがなく、接点を接続させる際の接触が良好で、かつ接点の接続を切断させる際に生じるアーク放電を小さいものとし、接点の接続を容易に切断できるようになる。
【0052】
また、電極の上面とロウ材との間の空気、および接点の下面とロウ材の間の空気は、電極と接点とをロウ付けするときにロウ材を溶融させた際に、空気が凹部と脚部との間から上方に抜け出易くなり、ロウ材内部にボイドが発生するのを防止することができる。その結果、電極と接点との接合を強固なものとして電極と接点との接合信頼性を向上させ、長期にわたって正常に機能する接点付き電極とすることができる。
【0053】
また、本発明の接点付き電極用容器は、上面に奥部が形成されるとともにこの凹部の底面に貫通孔が形成された絶縁体から成る基体と、この基体の上面の凹部の周囲に接合された金属製の枠体と、貫通孔に挿通固定された上記本発明の接点付き電極とを具備していることから、本発明の接点付き電極を用いた、接点を接続させる際の接触が良好で、かつ接点の接続を容易に切断でき、電極と接点との接合信頼性を向上させた優れたものとできる。
【0054】
また、本発明の接点装置は、外周面にコイルを巻回した筒体と、筒体の貫通孔に上下に移動可能に挿入された可動鉄芯と、この可動鉄芯の下端から延出して下端部が筒体の下面から突出するとともに下端部に可動接点が設けられた可動接触子を有する軸部と、筒体を内部に収容するとともに軸部を下面の貫通穴に挿通させて可動接触子を下面より下方に露出させるように設置した箱状の容器とを有しており、コイルに電流を流して可動鉄芯を磁化させることによって可動鉄芯を移動させる駆動部と、接点が可動接点に対向するようにして枠体が容器の下面の外周部に接合されている本発明の接点付き電極用容器とを具備していることから、上記本発明の接点付き電極用容器を用いた、接点を接続させる際の接触が良好で、かつ接点の接続を容易に切断でき、電極と接点との接合信頼性を向上させた優れたものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接点付き電極の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の接点装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】従来の接点付き電極の例を示す断面図である。
【図4】従来の接点付き電極の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:電極
1a:凹部
2:接点
2a:脚部
2b:頭部
3:ロウ材
5:接点付き電極
10:接点付き電極用容器
11:基体
11a:貫通孔
12:枠体
21:軸部
21a:可動接触子
21b:可動鉄芯
22:可動接点
23:筒体
23a:貫通孔
26:コイル
27:容器
27a:貫通穴
Claims (3)
- 上面に凹部が設けられた金属体から成る電極と、前記凹部の深さよりも長く、前記凹部の内寸法よりも小さい太さの脚部および前記凹部の開口よりも大きい頭部を有する接触子から成る接点とを具備しており、前記接点は、前記脚部が前記凹部に挿入されて前記凹部の内壁との間でロウ付けされるとともに、前記電極の上面から前記脚部の側面および前記頭部の下面にかけてこれらの面にロウ材が沿うようにしてロウ付けされていることを特徴とする接点付き電極。
- 上面に凹部が形成されるとともに該凹部の底面に貫通孔が形成された絶縁体から成る基体と、該基体の上面の前記凹部の周囲に接合された金属製の枠体と、前記貫通孔に挿通固定された請求項1記載の接点付き電極とを具備していることを特徴とする接点付き電極用容器。
- 外周面にコイルを巻回した筒体と、該筒体の貫通孔に上下に移動可能に挿入された可動鉄芯と、該可動鉄芯の下端から延出して下端部が前記筒体の下面から突出するとともに前記下端部に可動接点が設けられた可動接触子を有する軸部と、前記筒体を内部に収容するとともに前記軸部を下面の貫通穴に挿通させて前記可動接触子を下面より下方に露出させるように設置した箱状の容器とを有しており、前記コイルに電流を流して前記可動鉄芯を磁化させることによって前記可動鉄芯を移動させる駆動部と、前記接点が前記可動接点に対向するようにして前記枠体が前記容器の下面の外周部に接合されている請求項2記載の接点付き電極用容器とを具備していることを特徴とする接点装置。
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---|---|---|---|
JP2003204173A JP2005050591A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 接点付き電極および接点付き電極用容器ならびに接点装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5532169B1 (ja) * | 2013-04-19 | 2014-06-25 | 三菱電機株式会社 | スタータ用電磁スイッチ |
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-
2003
- 2003-07-30 JP JP2003204173A patent/JP2005050591A/ja active Pending
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