JP2004231438A - セラミックと金属のロウ付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロウ付けの作業の工数や材料費を低減することができるセラミックと金属のロウ付け構造を提供する。
【解決手段】セラミック部材1と金属部材2との間に42アロイ又はコバールからなる接合用金属3を配置し、接合用金属3とセラミック部材1及び金属部材2をそれぞれロウ材4で溶着して、接合用金属3を介してセラミック部材1と金属部材2とをロウ付けする。この際に、セラミック部材1と金属部材2のうち一方に、その接合用金属3に対向する面にロウ材受け凹部5を形成する。そしてロウ材受け凹部5を形成した部材が接合用金属3の下側に、他方の部材が接合用金属3の上側になるように配置した状態で、接合用金属3の上端部に配置したロウ材4を溶融させ、接合用金属3と上側の上記部材とを溶着する共に、接合用金属3に沿って流下したロウ材4をロウ材受け凹部5で受けて、接合用金属3下側の部材とを溶着する。
【選択図】 図1
【解決手段】セラミック部材1と金属部材2との間に42アロイ又はコバールからなる接合用金属3を配置し、接合用金属3とセラミック部材1及び金属部材2をそれぞれロウ材4で溶着して、接合用金属3を介してセラミック部材1と金属部材2とをロウ付けする。この際に、セラミック部材1と金属部材2のうち一方に、その接合用金属3に対向する面にロウ材受け凹部5を形成する。そしてロウ材受け凹部5を形成した部材が接合用金属3の下側に、他方の部材が接合用金属3の上側になるように配置した状態で、接合用金属3の上端部に配置したロウ材4を溶融させ、接合用金属3と上側の上記部材とを溶着する共に、接合用金属3に沿って流下したロウ材4をロウ材受け凹部5で受けて、接合用金属3下側の部材とを溶着する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック部材と金属部材とをロウ材でロウ付け接合する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リレーや電磁開閉器などの封止接点装置において、セラミック製の封止容器に金属製の固定端子をロウ付けすることによって、封止容器に固定端子を気密接合することが行なわれている(例えば特許文献1、特許文献2等参照)。
【0003】
このようにセラミック製の封止容器に金属製の固定端子をロウ付けする場合、固定端子を形成している銅系などの金属と封止容器を形成しているセラミックとは、熱膨張率が大きく異なる。従って、ロウ材を加熱溶融させてロウ付けを行なった後、冷却する際のセラミックと金属の寸法変化の差による応力がロウ付け部分に作用し、ロウ付けの接合強度が低下するおそれがある。
【0004】
そこで、セラミック部材と金属部材とをロウ付けする場合、セラミック部材と金属部材の間の熱膨張率を有する42アロイ(Fe58%、Ni42%)やコバール(Fe54%、Ni29%、Co17%)のような鉄−ニッケル合金からなる接合用金属を用い、この接合用金属をセラミック部材と金属部材との間に配置して、接合用金属を介してセラミック部材と金属部材をロウ付け接合することによって、寸法変化による応力の作用を小さくし、ロウ付けの接合強度が低下することを防ぐことが行なわれている(例えば特許文献2、特許文献3等参照)。
【0005】
図5は、封止接点装置において、セラミック部材1からなる封止容器10に銅系などの金属部材2からなる固定端子11をロウ付けするにあたって、封止容器10と固定端子11の間に、42アロイやコバールのような鉄−ニッケル合金の接合用金属3からなる接合筒12を配置し、封止容器10と固定端子11を接合筒12を介してロウ付けするようにした例を示すものである。すなわち、図5(a)に示すように、固定端子11の先部の外周に張り出して設けた鍔部11aと封止容器10との間において、固定端子11の外周に接合筒12を配置すると共に、接合筒12と封止容器10との間及び接合筒12と鍔部11aとの間において、固定端子11の外周にそれぞれリング状のロウ材4,4を配置する。そして封止容器10に形成した貫通孔10aに固定端子11の基部を差し込むと共に、ロウ材4,4を加熱して溶融させ、ロウ材4を流動させることによって、図5(b)に示すように、接合筒12の外面から封止容器10の外面にかけてロウ材4のフィレット4aを形成させて溶着すると共に、接合筒12の外面から固定端子11の鍔部11aの外面にかけてロウ材4のフィレット4aを形成させて溶着し、接合筒12を介して封止容器10と固定端子11をロウ付けすることができるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−259728号公報
【特許文献2】
特開平9−69329号公報
【特許文献3】
特開平11−12053号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように接合用金属3からなる接合筒12を介して、セラミック部材1からなる封止容器10と金属部材2からなる固定端子11をロウ付け接合するにあたっては、一対のロウ材4,4を用い、接合筒12と封止容器10は一方のロウ材4で、接合筒12と固定端子11は他方のロウ材4で溶着するようにしている。従って、二つのロウ材4,4を用いてロウ付けを行なうことが必要であり、ロウ付け作業の工数や材料費が増加するという問題を有するものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ロウ付けの作業の工数や材料費を低減することができるセラミックと金属のロウ付け構造を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るセラミックと金属のロウ付け構造は、セラミック部材1と金属部材2との間に42アロイ又はコバールのような鉄−ニッケル合金からなる接合用金属3を配置し、セラミック部材1と接合用金属3、金属部材2と接合用金属3をそれぞれロウ材4で溶着することによって、接合用金属3を介してセラミック部材1と金属部材2とをロウ付けするにあたって、セラミック部材1と金属部材2のうち一方に、その接合用金属3に対向する面にロウ材受け凹部5を形成し、セラミック部材1と金属部材2のうちロウ材受け凹部5を形成した部材1,2が接合用金属3の下側に、他方の部材1,2が接合用金属3の上側になるように配置して、ロウ材受け凹部5内に接合用金属3の下端部を差し込んだ状態で、接合用金属3の上端部に配置したロウ材4を溶融させて接合用金属3と上側の上記部材1,2とを溶着する共に、接合用金属3に沿って流下したロウ材4をロウ材受け凹部5で受けて、接合用金属3と接合用金属3の下側の上記部材1,2とをこのロウ材4で溶着して成ることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
セラミック部材1と金属部材2とを接合用金属3を介してロウ材4でロウ付けする実施の形態を、リレーや電磁開閉器などの封止接点装置について説明する。図4は封止接点装置の一例を示すものであり、セラミック部材1からなる封止容器10と、封止容器10にロウ付けにより気密接合される金属部材2からなる固定端子11と、固定端子11に設けた固定接点14に接離する可動接点15を設けた可動接触子16と、固定接点14に可動接点15が接離するよう可動する可動鉄芯17が底部側に収納される有底筒部18と、有底筒部18に気密接合される金属材料製の第1の接合部材19と、水素又は水素を主体とするガスあるいは電気絶縁性ガスが気密封止されるよう封止容器10及び第1の接合部材19に気密接合されることによって固定接点14及び可動接点15並びに可動鉄芯17を収容するための気密空間を形成する金属材料製の第2の接合部材20と、可動接触子16と可動鉄芯17を連結する可動軸21と、接点開離方向へ可動鉄芯17を付勢する復帰ばね22と、接点当接方向へ可動接触子16を付勢する接圧ばね23と、可動鉄芯17を駆動するよう励磁されるコイルブロック24とを備えて形成されるものである。図4において25は固定鉄芯、26はヨーク、27は上記の各部材が収容されるハウジングである。図4の実施の形態では、固定端子11としてねじ28が螺着される態様のものを用いているが、固定端子11としてはこの他に種々の態様のものを用いることができるものである。
【0012】
図1は、上記のような封止接点装置において、セラミック部材1からなる封止容器10に銅系などの金属部材2からなる固定端子11を、接合筒12を介してロウ付けして接合する実施の形態の一例を示すものである。接合筒12は42アロイやコバールのような鉄−ニッケル合金の接合用金属3から形成されるものである。この接合用金属3の鉄−ニッケル合金としては、熱膨張率が固定端子11を形成する金属部材2の熱膨張率より小さいものであればよく、特に限定されないが、42アロイやコバールは熱膨張率が特に小さく、封止容器10を形成するセラミック部材1の熱膨張率に近いので特に好ましい。接合筒12は円筒状に形成してある。またロウ材4としては、従来から周知の任意の材質のものを用いることができるが、リング状に形成して使用するようにしてある。
【0013】
一方、図2に示すように、固定端子11の先部の外周には全周に亘って鍔部11aが張り出して設けてあり、鍔部11aの外周縁に沿って全周に亘って固定端子11の基部側へリブ11bが突設してある。このように鍔部11aの外周縁にリブ11bを設けることによって、リブ11bの内側において鍔部11aの固定端子11の基部の側の表面に、ロウ材受け凹部5が形成されるようにしてある。このロウ受け凹部5は接合筒12の円筒形の外径より大きい寸法に形成してある。
【0014】
しかして、封止容器10と固定端子11とを接合筒12を介してロウ付けするにあたっては、まず図1(a)に示すように、固定端子11の鍔部11aよりも基部に、接合筒12とロウ材4とをこの順に被挿した状態で、封止容器10に形成した貫通孔10aに固定端子11の基部を差し込む。このとき、ロウ受け凹部5を設けた固定端子11の鍔部11aが接合筒12の下側に位置するように、固定端子11を下向きにするものであり、従って、接合筒12の上側に封止容器10が配置されると共に接合筒12の上端と封止容器10の間に一枚のロウ材4が配置されるものである。そして接合筒12の下端部をロウ受け凹部5に嵌め込みながら、ロウ材4を加熱して溶融させ、ロウ材4を流動させることによって、図1(b)に示すように、接合筒12の上部の外面から封止容器10の外面にかけてロウ材4のフィレット4aを形成させる。またこのとき、接合筒12の上部において溶融したロウ材4の一部はその自重で接合筒12の外面を下方へ流れるが、この流れたロウ材4は固定端子11の鍔部11aの上面のロウ受け凹部5によって受けられ、ロウ受け凹部5内に滞留する。そしてこのように接合筒12の上部から流れてロウ受け凹部5に滞留したロウ材4によって、接合筒12の下部の外面から固定端子の鍔部11aにかけてフィレット4aが形成されるものである。このようにして、接合筒12と封止容器10を、接合筒12と封止容器10の間に配置したロウ材4のフィレット4aで溶着することができると共に、接合筒12と固定端子11の鍔部11aはこのロウ材4の一部が流下して形成されるフィレット4aで溶着することができるものであり、一枚のロウ材4を用いるだけで、接合筒12を介した封止容器10と固定端子11のロウ付け接合をすることができるものである。
【0015】
図3は本発明の実施の形態の他の一例を示すもであり、固定端子11として先端部にネジ部11cを設けたものを用いるようにした他は、図1の実施の形態と同じである。
【0016】
また、上記の各実施の形態では、固定端子11を下向きにした状態でロウ付けの作業を行なうようにしているために、ロウ付けの作業の際に接合筒12の下側に配置される固定端子11の鍔部11aにロウ材受け凹部5を形成するようにしたが、これとは上下逆に、固定端子11を上向きにした状態でロウ付けの作業を行なう場合には、ロウ付けの作業の際に接合筒12の下側に配置される封止容器10の外面にロウ材受け凹部5を形成するものである。
【0017】
尚、本発明について上記の各実施の形態のように、封止接点装置における封止容器10と固定端子11のロウ付けについて説明したが、本発明はこれに限定されるものでないのはいうまでもなく、本発明はセラミックと金属のロウ付けの技術一般に適用されるものである。
【0018】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るセラミックと金属のロウ付け構造は、セラミック部材と金属部材との間に42アロイ又はコバールのような鉄−ニッケル合金からなる接合用金属を配置し、セラミック部材と接合用金属、金属部材と接合用金属をそれぞれロウ材で溶着することによって、接合用金属を介してセラミック部材と金属部材とをロウ付けするにあたって、セラミック部材と金属部材のうち一方に、その接合用金属に対向する面にロウ材受け凹部を形成し、セラミック部材と金属部材のうちロウ材受け凹部を形成した部材が接合用金属の下側に、他方の部材が接合用金属の上側になるように配置して、ロウ材受け凹部内に接合用金属の下端部を差し込んだ状態で、接合用金属の上端部に配置したロウ材を溶融させて接合用金属と上側の上記部材とを溶着する共に、接合用金属に沿って流下したロウ材をロウ材受け凹部で受けて、接合用金属と接合用金属の下側の上記部材とをこのロウ材で溶着するようにしたので、接合用金属の上側に配置したロウ材を溶融させてロウ付けを行なうにあたって、このロウ材の溶融したフィレットを接合用金属とその上側のセラミック部材あるいは金属部材の間に形成させて溶着することができると共に、このロウ材の溶融した一部が接合用金属に沿って流下してロウ受け凹部に滞留し、接合用金属とその下側のセラミック部材あるいは金属部材の間にフィレットを形成させて溶着することができるものであり、一つのロウ材を用いて接合用金属の上部と下部にそれぞれセラミック部材と金属部材の一方と他方をロウ付けすることができ、従来のように二つのロウ材を用いる場合に比べて、ロウ付けの作業の工数や材料費を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図2】同上に用いる固定端子を示すものであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図4】封止接点装置の一例を示す断面図である。
【図5】従来例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック部材
2 金属部材
3 接合用金属
4 ロウ材
5 ロウ受け凹部
10 封止容器
11 固定端子
12 接合筒
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック部材と金属部材とをロウ材でロウ付け接合する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リレーや電磁開閉器などの封止接点装置において、セラミック製の封止容器に金属製の固定端子をロウ付けすることによって、封止容器に固定端子を気密接合することが行なわれている(例えば特許文献1、特許文献2等参照)。
【0003】
このようにセラミック製の封止容器に金属製の固定端子をロウ付けする場合、固定端子を形成している銅系などの金属と封止容器を形成しているセラミックとは、熱膨張率が大きく異なる。従って、ロウ材を加熱溶融させてロウ付けを行なった後、冷却する際のセラミックと金属の寸法変化の差による応力がロウ付け部分に作用し、ロウ付けの接合強度が低下するおそれがある。
【0004】
そこで、セラミック部材と金属部材とをロウ付けする場合、セラミック部材と金属部材の間の熱膨張率を有する42アロイ(Fe58%、Ni42%)やコバール(Fe54%、Ni29%、Co17%)のような鉄−ニッケル合金からなる接合用金属を用い、この接合用金属をセラミック部材と金属部材との間に配置して、接合用金属を介してセラミック部材と金属部材をロウ付け接合することによって、寸法変化による応力の作用を小さくし、ロウ付けの接合強度が低下することを防ぐことが行なわれている(例えば特許文献2、特許文献3等参照)。
【0005】
図5は、封止接点装置において、セラミック部材1からなる封止容器10に銅系などの金属部材2からなる固定端子11をロウ付けするにあたって、封止容器10と固定端子11の間に、42アロイやコバールのような鉄−ニッケル合金の接合用金属3からなる接合筒12を配置し、封止容器10と固定端子11を接合筒12を介してロウ付けするようにした例を示すものである。すなわち、図5(a)に示すように、固定端子11の先部の外周に張り出して設けた鍔部11aと封止容器10との間において、固定端子11の外周に接合筒12を配置すると共に、接合筒12と封止容器10との間及び接合筒12と鍔部11aとの間において、固定端子11の外周にそれぞれリング状のロウ材4,4を配置する。そして封止容器10に形成した貫通孔10aに固定端子11の基部を差し込むと共に、ロウ材4,4を加熱して溶融させ、ロウ材4を流動させることによって、図5(b)に示すように、接合筒12の外面から封止容器10の外面にかけてロウ材4のフィレット4aを形成させて溶着すると共に、接合筒12の外面から固定端子11の鍔部11aの外面にかけてロウ材4のフィレット4aを形成させて溶着し、接合筒12を介して封止容器10と固定端子11をロウ付けすることができるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−259728号公報
【特許文献2】
特開平9−69329号公報
【特許文献3】
特開平11−12053号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように接合用金属3からなる接合筒12を介して、セラミック部材1からなる封止容器10と金属部材2からなる固定端子11をロウ付け接合するにあたっては、一対のロウ材4,4を用い、接合筒12と封止容器10は一方のロウ材4で、接合筒12と固定端子11は他方のロウ材4で溶着するようにしている。従って、二つのロウ材4,4を用いてロウ付けを行なうことが必要であり、ロウ付け作業の工数や材料費が増加するという問題を有するものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ロウ付けの作業の工数や材料費を低減することができるセラミックと金属のロウ付け構造を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るセラミックと金属のロウ付け構造は、セラミック部材1と金属部材2との間に42アロイ又はコバールのような鉄−ニッケル合金からなる接合用金属3を配置し、セラミック部材1と接合用金属3、金属部材2と接合用金属3をそれぞれロウ材4で溶着することによって、接合用金属3を介してセラミック部材1と金属部材2とをロウ付けするにあたって、セラミック部材1と金属部材2のうち一方に、その接合用金属3に対向する面にロウ材受け凹部5を形成し、セラミック部材1と金属部材2のうちロウ材受け凹部5を形成した部材1,2が接合用金属3の下側に、他方の部材1,2が接合用金属3の上側になるように配置して、ロウ材受け凹部5内に接合用金属3の下端部を差し込んだ状態で、接合用金属3の上端部に配置したロウ材4を溶融させて接合用金属3と上側の上記部材1,2とを溶着する共に、接合用金属3に沿って流下したロウ材4をロウ材受け凹部5で受けて、接合用金属3と接合用金属3の下側の上記部材1,2とをこのロウ材4で溶着して成ることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
セラミック部材1と金属部材2とを接合用金属3を介してロウ材4でロウ付けする実施の形態を、リレーや電磁開閉器などの封止接点装置について説明する。図4は封止接点装置の一例を示すものであり、セラミック部材1からなる封止容器10と、封止容器10にロウ付けにより気密接合される金属部材2からなる固定端子11と、固定端子11に設けた固定接点14に接離する可動接点15を設けた可動接触子16と、固定接点14に可動接点15が接離するよう可動する可動鉄芯17が底部側に収納される有底筒部18と、有底筒部18に気密接合される金属材料製の第1の接合部材19と、水素又は水素を主体とするガスあるいは電気絶縁性ガスが気密封止されるよう封止容器10及び第1の接合部材19に気密接合されることによって固定接点14及び可動接点15並びに可動鉄芯17を収容するための気密空間を形成する金属材料製の第2の接合部材20と、可動接触子16と可動鉄芯17を連結する可動軸21と、接点開離方向へ可動鉄芯17を付勢する復帰ばね22と、接点当接方向へ可動接触子16を付勢する接圧ばね23と、可動鉄芯17を駆動するよう励磁されるコイルブロック24とを備えて形成されるものである。図4において25は固定鉄芯、26はヨーク、27は上記の各部材が収容されるハウジングである。図4の実施の形態では、固定端子11としてねじ28が螺着される態様のものを用いているが、固定端子11としてはこの他に種々の態様のものを用いることができるものである。
【0012】
図1は、上記のような封止接点装置において、セラミック部材1からなる封止容器10に銅系などの金属部材2からなる固定端子11を、接合筒12を介してロウ付けして接合する実施の形態の一例を示すものである。接合筒12は42アロイやコバールのような鉄−ニッケル合金の接合用金属3から形成されるものである。この接合用金属3の鉄−ニッケル合金としては、熱膨張率が固定端子11を形成する金属部材2の熱膨張率より小さいものであればよく、特に限定されないが、42アロイやコバールは熱膨張率が特に小さく、封止容器10を形成するセラミック部材1の熱膨張率に近いので特に好ましい。接合筒12は円筒状に形成してある。またロウ材4としては、従来から周知の任意の材質のものを用いることができるが、リング状に形成して使用するようにしてある。
【0013】
一方、図2に示すように、固定端子11の先部の外周には全周に亘って鍔部11aが張り出して設けてあり、鍔部11aの外周縁に沿って全周に亘って固定端子11の基部側へリブ11bが突設してある。このように鍔部11aの外周縁にリブ11bを設けることによって、リブ11bの内側において鍔部11aの固定端子11の基部の側の表面に、ロウ材受け凹部5が形成されるようにしてある。このロウ受け凹部5は接合筒12の円筒形の外径より大きい寸法に形成してある。
【0014】
しかして、封止容器10と固定端子11とを接合筒12を介してロウ付けするにあたっては、まず図1(a)に示すように、固定端子11の鍔部11aよりも基部に、接合筒12とロウ材4とをこの順に被挿した状態で、封止容器10に形成した貫通孔10aに固定端子11の基部を差し込む。このとき、ロウ受け凹部5を設けた固定端子11の鍔部11aが接合筒12の下側に位置するように、固定端子11を下向きにするものであり、従って、接合筒12の上側に封止容器10が配置されると共に接合筒12の上端と封止容器10の間に一枚のロウ材4が配置されるものである。そして接合筒12の下端部をロウ受け凹部5に嵌め込みながら、ロウ材4を加熱して溶融させ、ロウ材4を流動させることによって、図1(b)に示すように、接合筒12の上部の外面から封止容器10の外面にかけてロウ材4のフィレット4aを形成させる。またこのとき、接合筒12の上部において溶融したロウ材4の一部はその自重で接合筒12の外面を下方へ流れるが、この流れたロウ材4は固定端子11の鍔部11aの上面のロウ受け凹部5によって受けられ、ロウ受け凹部5内に滞留する。そしてこのように接合筒12の上部から流れてロウ受け凹部5に滞留したロウ材4によって、接合筒12の下部の外面から固定端子の鍔部11aにかけてフィレット4aが形成されるものである。このようにして、接合筒12と封止容器10を、接合筒12と封止容器10の間に配置したロウ材4のフィレット4aで溶着することができると共に、接合筒12と固定端子11の鍔部11aはこのロウ材4の一部が流下して形成されるフィレット4aで溶着することができるものであり、一枚のロウ材4を用いるだけで、接合筒12を介した封止容器10と固定端子11のロウ付け接合をすることができるものである。
【0015】
図3は本発明の実施の形態の他の一例を示すもであり、固定端子11として先端部にネジ部11cを設けたものを用いるようにした他は、図1の実施の形態と同じである。
【0016】
また、上記の各実施の形態では、固定端子11を下向きにした状態でロウ付けの作業を行なうようにしているために、ロウ付けの作業の際に接合筒12の下側に配置される固定端子11の鍔部11aにロウ材受け凹部5を形成するようにしたが、これとは上下逆に、固定端子11を上向きにした状態でロウ付けの作業を行なう場合には、ロウ付けの作業の際に接合筒12の下側に配置される封止容器10の外面にロウ材受け凹部5を形成するものである。
【0017】
尚、本発明について上記の各実施の形態のように、封止接点装置における封止容器10と固定端子11のロウ付けについて説明したが、本発明はこれに限定されるものでないのはいうまでもなく、本発明はセラミックと金属のロウ付けの技術一般に適用されるものである。
【0018】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るセラミックと金属のロウ付け構造は、セラミック部材と金属部材との間に42アロイ又はコバールのような鉄−ニッケル合金からなる接合用金属を配置し、セラミック部材と接合用金属、金属部材と接合用金属をそれぞれロウ材で溶着することによって、接合用金属を介してセラミック部材と金属部材とをロウ付けするにあたって、セラミック部材と金属部材のうち一方に、その接合用金属に対向する面にロウ材受け凹部を形成し、セラミック部材と金属部材のうちロウ材受け凹部を形成した部材が接合用金属の下側に、他方の部材が接合用金属の上側になるように配置して、ロウ材受け凹部内に接合用金属の下端部を差し込んだ状態で、接合用金属の上端部に配置したロウ材を溶融させて接合用金属と上側の上記部材とを溶着する共に、接合用金属に沿って流下したロウ材をロウ材受け凹部で受けて、接合用金属と接合用金属の下側の上記部材とをこのロウ材で溶着するようにしたので、接合用金属の上側に配置したロウ材を溶融させてロウ付けを行なうにあたって、このロウ材の溶融したフィレットを接合用金属とその上側のセラミック部材あるいは金属部材の間に形成させて溶着することができると共に、このロウ材の溶融した一部が接合用金属に沿って流下してロウ受け凹部に滞留し、接合用金属とその下側のセラミック部材あるいは金属部材の間にフィレットを形成させて溶着することができるものであり、一つのロウ材を用いて接合用金属の上部と下部にそれぞれセラミック部材と金属部材の一方と他方をロウ付けすることができ、従来のように二つのロウ材を用いる場合に比べて、ロウ付けの作業の工数や材料費を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図2】同上に用いる固定端子を示すものであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図4】封止接点装置の一例を示す断面図である。
【図5】従来例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック部材
2 金属部材
3 接合用金属
4 ロウ材
5 ロウ受け凹部
10 封止容器
11 固定端子
12 接合筒
Claims (1)
- セラミック部材と金属部材との間に42アロイ又はコバールのような鉄−ニッケル合金からなる接合用金属を配置し、セラミック部材と接合用金属、金属部材と接合用金属をそれぞれロウ材で溶着することによって、接合用金属を介してセラミック部材と金属部材とをロウ付けするにあたって、セラミック部材と金属部材のうち一方に、その接合用金属に対向する面にロウ材受け凹部を形成し、セラミック部材と金属部材のうちロウ材受け凹部を形成した部材が接合用金属の下側に、他方の部材が接合用金属の上側になるように配置して、ロウ材受け凹部内に接合用金属の下端部を差し込んだ状態で、接合用金属の上端部に配置したロウ材を溶融させて接合用金属と上側の上記部材とを溶着する共に、接合用金属に沿って流下したロウ材をロウ材受け凹部で受けて、接合用金属と接合用金属の下側の上記部材とをこのロウ材で溶着して成ることを特徴とするセラミックと金属のロウ付け構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003019458A JP2004231438A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | セラミックと金属のロウ付け構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003019458A JP2004231438A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | セラミックと金属のロウ付け構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004231438A true JP2004231438A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32949305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003019458A Withdrawn JP2004231438A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | セラミックと金属のロウ付け構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004231438A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9708085B2 (en) | 2010-11-04 | 2017-07-18 | Georgia-Pacific Consumer Products Lp | Systems, methods, and apparatus involving packaging |
-
2003
- 2003-01-28 JP JP2003019458A patent/JP2004231438A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9708085B2 (en) | 2010-11-04 | 2017-07-18 | Georgia-Pacific Consumer Products Lp | Systems, methods, and apparatus involving packaging |
US9821923B2 (en) | 2010-11-04 | 2017-11-21 | Georgia-Pacific Consumer Products Lp | Method of packaging product units and a package of product units |
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