JP6063193B2 - 継電器、継電器の製造方法 - Google Patents

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本発明は、継電器に関する。
従来、一対の固定接点と、一対の可動接点を有する可動接触子と、可動接触子を移動させるための鉄心、電磁コイル、鉄心と繋がる可動軸を備えるとともに、内部に、固定接点や可動接触子、鉄心および可動軸が収容される気密空間を形成する容器を備える継電器が知られている。この種の継電器では、可動接点と固定接点の開閉時に接点間に生じるアーク発生に起因する発熱を抑制するために、気密空間に、例えば、水素ガスまたは水素を主体とする水素混合ガス(まとめて、ガスと呼ぶ)が大気圧以上で封入されている。
気密空間にガスを充填して封止する方式として、例えば、パイプ封止方式、ベース封止方式が利用されている。パイプ封止方式は、継電器のベース部に、気密空間と連通する給排気パイプを設け、給排気パイプを介して気密空間内をガスに置換した後に、給排気パイプを潰して封止する方式である。ベース封止方式は、ベース部に給排気孔が形成された継電器をチャンバー内に配置し、チャンバー内を空気からガスに置換し、その雰囲気下においてチャンバーに形成されているガラス窓から、ベース部に形成されている給排気孔をレーザ等の手段によって溶接・封止する方式である。
特開平9−320411号公報 特開2012−89486号公報
しかしながら、パイプ封止方式では、継電器の動作に不要な給排気パイプを設ける必要があり、部品コストの増加や取り付け作業の増加という問題があった。また、ベース封止方式では、ベース部に形成されている給排気孔が、ガス置換の後に封止されるので、ベース部の表面に凹凸が形成され、コイルボビンとベース部と接触面積が低下して、コイルボビンからベース部への熱伝導性が低下する。この結果、コイルの温度が上昇してコイルの抵抗値が増大し、ひいては、継電器の性能が低下するという問題があった。そのため、継電器において、放熱性能の向上、部品増加の抑制が望まれていた。そのほか、従来の継電器では、その小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、前記可動接触子と繋がる可動軸と電磁コイルを有し、前記可動接触子を前記複数の固定端子に接触させるために前記可動接触子を移動させる駆動機構と、前記複数の固定端子と接合される第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子、各前記固定接点および前記可動軸が収容される気密空間を前記第1の容器、前記複数の固定端子と共に形成し、かつ、前記鉄心を収容する鉄心用容器を有する第2の容器と、を備える継電器が提供される。この形態の継電器において、前記鉄心用容器は、前記気密空間と前記気密空間外とを連通する連通孔を封止する封止部を有する。この形態の継電器によれば、封止部は鉄心用容器に形成されており、パイプ封止方式のように新たに部材に封止部が設けられていないため、部品増加を抑制することができる。そのため、継電器における設計自由度を向上させることができる。
(2)上記形態の継電器において、前記鉄心用容器は、底面を有する筒状に形成されており、前記封止部は、前記底面に形成されていてもよい。この形態の継電器によれば、電磁コイルと接触する可能性の低い鉄心用容器の底面に封止部、すなわち、連通孔が形成される。従って、鉄心用容器の側面に封止部が形成される場合と比較して、電磁コイルと鉄心用容器との接触面積の低下を抑制でき、電磁コイルから他部材への熱伝導性の低下を抑制できる。
(3)上記形態の継電器において、前記封止部は、前記連通孔が加熱溶融されて封止されることにより形成される溶融部であってもよい。この形態の継電器によれば、簡易に、かつ、確実に連通孔が封止された封止部を形成でき、気密空間の気密性を確保できる。
(4)上記形態の継電器において、前記第2の容器は、前記可動軸が挿通される貫通孔が形成されているベース部を有し、前記電磁コイルは前記ベース部に当接しており、前記鉄心用容器は、前記ベース部に接合されていてもよい。この形態の継電器によれば、ガス置換に利用される連通孔(封止部)は、鉄心用容器に形成されているので、ベース部には、気密空間内のガス置換のための機構を設ける必要がない。従って、ベース部の表面に凹凸が形成されることがないので、コイルボビンからベース部への熱伝導性を向上できる。よって、コイルの温度上昇が抑制され、コイルへの通電電流の低下を抑制できる。
(5)本発明の一形態によれば、それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、鉄心と、前記鉄心に繋がる可動軸と、電磁コイルと、有し、前記可動接触子を前記複数の固定端子に接触させるために前記可動接触子を移動させる駆動機構と、前記複数の固定端子と接合される第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子、各前記固定接点、前記鉄心および前記可動軸が収容される気密空間を、前記第1の容器と、前記複数の固定端子と共に形成し、かつ、前記鉄心を収容する鉄心用容器を備える第2の容器と、を備える継電器の製造方法が提供される。この形態の継電器の製造方法によれば、前記鉄心用容器に、前記気密空間と連通する連通孔を形成する連通孔形成工程と、;前記第1の容器と前記第2の容器とを組み付ける組み付け工程と、;前記連通孔を介して、前記気密空間内のガスの給排を行う給排工程と、;前記連通孔を封止する封止工程と、を備える。この形態の継電器の製造方法によれば、気密空間内に充填されるガスの給排に利用される連通孔が鉄心用容器に形成され、気密空間内のガス給排(ガス置換)が行われた後に連通孔が封止される。従って、ガス置換のために新たな機構を設ける必要がないため、部品コストおよび製造コストを低減できる。
第1実施形態に係る継電器5を備えた電気回路1の説明図。 継電器5の外観図。 継電器5の外観図。 図3Bの継電器本体6の3−3断面図。 図4に示す継電器本体6の斜視図。 継電器本体6を説明する説明図。 第1実施形態における継電器5の製造工程を示す工程図。 連通孔形成工程について説明する説明図。 封止装置について説明する断面図。 遮断工程〜封止工程について説明する説明図。 変形例における封止装置600を説明する模式図。
A.第1実施形態:
A1.継電器の概略構成:
図1は、第1実施形態に係る継電器5を備えた電気回路1の説明図である。電気回路1は、例えば車両に搭載される。電気回路1は、直流電源2と、継電器5と、インバータ3と、モータ4とを備える。インバータ3は、直流電源2の直流電流を交流電流に変換する。インバータ3により変換された交流電流がモータ4に供給されることでモータ4が駆動する。モータ4の駆動により車両が走行する。継電器5は、直流電源2とインバータ3との間に設けられ、電気回路1の開閉を行う。
図2は、継電器5の外観図である。理解の容易のために、図2は、外側ケース8の内側に配置されている継電器本体6も実線で示している。また、図2には、方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。なお、他の図においても必要に応じてXYZ軸が図示されている。
継電器5は、継電器本体6と、継電器本体6を保護するための外側ケース8とを備える。継電器本体6は、一対の固定端子10を備える。一対の固定端子10は、第1の容器20に接合されている。固定端子10は、電気回路1の配線を接続するための接続口(図示せず)を有する。一対の固定端子10は、後述する可動接触子によって電気的に接続され、直流電源2からモータ4にインバータ3を介して電流(電力)が供給される。外側ケース8は、上側ケース7と下側ケース9とを有する。上側ケース7と下側ケース9によって内側に継電器本体6を収容するための空間が形成されている。上側ケース7と下側ケース9は共に樹脂材料により成形されている。なお、継電器5は、外側ケース8と継電器本体6との間に一対(2つ)の永久磁石(図示せず)と防振部材(図示せず)とを備える。永久磁石の磁束によりアークがローレンツ力を受けて引き伸ばされる。これにより、アークの消弧が促進される。防振部材は、例えばシリンコンゴム等の弾性部材を用いることができる。防振部材を備えることで継電器5の耐振動性を向上できる。なお、直流電源2からモータ4に電流(電力)が供給される場合において、一対の固定端子10のうち、電流が流入する側をプラス固定端子10Wとも呼び、電流が流出する側をマイナス固定端子10Xとも呼ぶ。また以下では、直流電源2からモータ4に電流が供給される場合の継電器5について説明する。
図3は、継電器5の概略構成を説明するための図である。図3(a)は、継電器本体6及び永久磁石800の斜視図である。図3(b)は、継電器本体6及び永久磁石800をZ軸正方向側(真上側)から見た図である。
継電器5は、アークを引き伸ばして消弧するための単一の永久磁石800を2つ備える。2つの永久磁石800は、一対の固定端子10が向かい合う方向(Y軸方向)に沿って配置されると共に、一対の固定端子10を挟むように配置されている。また、2つの永久磁石800は、一対の固定端子10を挟んで向かい合う面が互いに異極となるように配置されている。また、上述のごとく、固定端子10は配線を接続するための接続口12を有する。
A2.継電器の詳細構成:
次に図4〜図6を用いて継電器5の詳細構成について説明する。図4は、図3Bの継電器本体6の3−3断面図である。図5は、図4に示す継電器本体6の斜視図である。図6(a),図6(b)は、継電器5の構成の一部を説明するための図である。図6(a)は、図4に示す断面図のうち一部のみを示した図である。図6(b)は、鉄心用容器80の底面部80aを底面部80a側から示した図である。
図4及び図5に示すように、継電器本体6は、一対(2つ)の固定端子10と、可動接触子50と、駆動機構90と、第1の容器20と、第2の容器92(図6)とを備える。なお、図4〜図6において、Z軸方向を上下方向とし、Z軸正方向を上方向、Z軸負方向を下方向とする。また、Y軸方向を左右方向とする。
まず、主に図6を用いて、継電器本体6に形成される気密空間100、可動接触子50、および、封止部88の説明を行う。図6(a)に示すように、気密空間100は、一対の固定端子10と、第1の容器20と、第2の容器92によって形成される。固定端子10は、導電性を有する部材である。固定端子10は、例えば銅を含む金属材料により形成されている。固定端子10は、底部を有する円筒状である。固定端子10は、一端側(Z軸負方向側)である底部に固定接触部19を有する。固定接触部19は、固定端子10の他の部分と同様に銅を含む金属材料で形成しても良いし、アークによる損傷を抑制するために耐熱性のより高い材料(例えば、タングステン)で形成しても良い。固定接触部19のうち可動接触子50と対向する面は、可動接触子50と接触する固定接点18を形成する。固定端子10の他端側(Z軸正方向側)には、径方向外側に広がるフランジ部13が形成されている。フランジ部13は、第1の容器20の外側に位置する。
第1の容器20は、絶縁性を有する部材である。第1の容器20は、例えば、アルミナやジルコニア等のセラミックにより形成され、耐熱性に優れる。本実施形態では、第1の容器20にはアルミナを用いている。第1の容器20は、側面を形成する側面部22と、固定端子10の一部が上部に突出する底部24と、底部24と対向する一端側(言い換えれば、第2の容器92が配置された側)に形成された開口28とを有する。底部24には、2つの固定端子10が通るための2つの貫通孔26が形成されている。ここで、各固定端子10のフランジ部13は、第1の容器20の底部24の外表面(外側に露出した面)に気密に接合されている。詳細には、以下の構成により固定端子10が第1の容器20に接合されている。フランジ部13の外表面のうち、第1の容器20の底部24と対向する面には、固定端子10と第1の容器20との接合部分の破損を抑制するためのダイヤフラム部17が形成されている。ダイヤフラム部17は、材質が異なる固定端子10と第1の容器20との熱膨張差によって生じる接合部分の発生応力を緩和するために形成されている。ダイヤフラム部17は、貫通孔26よりも内径が大きい円筒状である。ダイヤフラム部17は、例えばコバール等の合金により形成され、第1の容器20の底部24外表面にろう付けにより接合されている。ろう付けには、例えば銀ろう等を用いる。固定端子10とダイヤフラム部17とが別体である場合には、固定端子10のフランジ部13とダイヤフラム部17をろう付けする。なお、ダイヤフラム部17と固定端子10とは一体としても構わない。
第2の容器92は、底部を有する円筒状の鉄心用容器80と、矩形状のベース部32と、略直方体形状の接合部材30とを備える。
接合部材30は、例えば第1の容器20の熱膨張率と比較的近い低熱膨張の金属材料などで形成され、磁性体(例えば、42アロイやコバール)や非磁性体(例えば、Ni−28Mo−2Fe)で形成されている。本実施形態の接合部材30は磁性体である。接合部材30の一面(下面、ベース部32と対向する面)には矩形状の開口30hが形成されている。また、接合部材30の一面と対向する上面にも開口30jが形成されている。また、接合部材30は、開口30jの周縁部と開口30hの周縁部とを接続する側面部30cを有する。開口30j周縁部と、第1の容器20の開口28を規定する端面28pは銀ろう等を用いたろう付けにより気密に接合されている。また、開口30hを形成する下端周縁部とベース部32とはレーザ溶接や抵抗溶接等により気密に接合されている。
ベース部32は、磁性体であり、例えば鉄、ステンレス430等の金属磁性材料により形成されている。ベース部32の中央付近には後述する固定鉄心70およびロッド60(図4)を挿通させるための貫通孔32hが形成されている。
鉄心用容器80は、非磁性体である。鉄心用容器80は有底筒状である。鉄心用容器80は、円形状の底面部80aと、底面部80aの外縁から上方に延びる円筒状の筒部80bと、筒部80bの上端から外方に延びるフランジ部80cとを有する。フランジ部80cは全周に亘ってベース部32の貫通孔32hの周縁部とレーザ溶接等により気密に接合されている。
上記のように、固定端子10、第1の容器20、接合部材30、ベース部32、鉄心用容器80の各部材が気密に接合されることで、内側に気密空間100が形成されている。気密空間100には、アーク発生によって生じる固定接点18や可動接点58の発熱を抑制するために、水素又は水素を主体とするガスが大気圧以上(例えば、2気圧)で封入されている。具体的には、各部材固定端子10、第1の容器20、接合部材30、ベース部32、鉄心用容器80を接合した後に、図4に示す気密空間100の内側と外側とを連通する連通孔を介して気密空間100内を真空引きする。当該連通孔は、底面部80aに形成される。そして、真空引きの後に連通孔を介して気密空間100内に水素等のガスを所定圧になるまで封入する。水素等のガスを所定圧封入した後に、連通孔を加熱溶融して封止し、水素等のガスが気密空間100から外側に漏れ出さないようにする。気密空間100内のガス置換については、後述する継電器5の製造方法において詳述する。
第1実施形態では、図6(b)に示されるように、鉄心用容器80の底面部80aには、気密空間100と気密空間100外とを連通する連通孔が封止された封止部88が形成されている。封止部88は、上述した連通孔を介した気密空間100内のガス給排の後に、加熱溶融によって封止されることにより形成される溶融部である。連通孔については、後述する継電器5の製造方法において説明する。
次に、可動接触子50について説明する。図6に示すように、可動接触子50は気密空間100内に収容されている。可動接触子50は、後述する駆動機構の作用により各固定接点18に接離(接触および引き離し)するように移動する。すなわち、可動接触子50は、後述する駆動機構によって上下方向に移動可能であり、一対の固定端子10に接触することで一対の固定端子10を電気的に接続させる。可動接触子50は、2つの固定端子10に対向して配置されている。可動接触子50は、導電性を有する平板状の部材であり、例えば銅を含む金属材料により形成されている。本実施形態では、直流電源2からモータ4に電流が供給される場合(図1)、接点18,19同士は接触し(図6(a)は、接点18,19が非接触の状態を示している。)、プラス固定端子10Wからマイナス固定端子10Xに向かう方向に可動接触子50に電流が流れる。なお、各固定接点18と各固定接点18に接触する各可動接点58は気密空間100のうち第1の容器20の内側に収容されている。
可動接触子50は、中央部52と、延伸部54と、可動接触部56とを備える。可動接触部56は固定接触部19と対向する部分である。可動接触部56の外表面には可動接点58が形成されている。中央部52は一対の可動接触部56の間に位置する。中央部52は、水平方向(Y軸方向)に延びる。本実施形態では、水平方向は、可動接触子50の移動の方向(単に「移動方向」とも呼ぶ。)に直交する方向であって、一の固定端子10W(10X)が他の固定端子10X(10W)に向かう方向である。なお、中央部52の形状は特に限定されず、例えば、平板状や棒状とすることができる。また、中央部52には、貫通孔53が形成されている。延伸部54は中央部52と一対の可動接触部56の間に位置すると共に、可動接触子50の移動方向(上下方向)に延びる。本実施形態では、延伸部54は、可動接触部56と中央部52に接続されている。また、延伸部54は、可動接触子50の厚み以上の長さを有する。すなわち、延伸部54は、可動接触子50の厚み以上に上下に延びる。上記のように、可動接触子50は延伸部54を有することで、移動方向について中央部52は可動接触部56よりも固定接点18から離れて配置されている。一対の可動接触部56はそれぞれ一対の延伸部54から継電器5の外側に向かって延びている。なお、延伸部54が無く、中央部52と可動接触部56とが直接つながり、平板状の構成を有していてもよい。
可動接点58は、固定接点18と最も離れた状態において気密空間100のうち第1の容器20の内側に収容されている。すなわち、可動接点58は、可動接触子50の移動(変位)に拘わらず、常に第1の容器20の内側に位置する。
次に、図4を用いて駆動機構90について説明する。駆動機構90は、ロッド60と、ベース部32と、固定鉄心70と、可動鉄心72と、鉄心用容器80と、コイル44と、コイルボビン42と、コイル用容器40と、弾性部材としての第1のばね62と、弾性部材としての第2のばね64と、を有する。駆動機構90は、各可動接点58を各固定接点18に接触させるために可動接触子50を可動接点58と固定接点18とが対向する方向(上下方向、Z軸方向)に移動させる。詳細には、駆動機構90は、各可動接点58を各固定接点18に接触させたり、各可動接点58を各固定接点18から引き離させたりするために可動接触子50を移動させる。すなわち、駆動機構90は、継電器5を導通状態と非導通状態のいずれかに設定する。
コイル44は、中空円筒状の樹脂製のコイルボビン42に巻き付けられている。コイルボビン42は、上下方向に延びる円筒状のボビン本体部42aと、ボビン本体部42aの上端から外方に向かって延びる上面部42bと、ボビン本体部42aの下端から外方に向かって延びる下面部42cとを備える。
コイル用容器40は、磁性体であり、例えば鉄等の金属磁性材料により形成されている。コイル用容器40は凹状形状である。詳細には、コイル用容器40は、矩形状の底面部40aと、底面部40aの外周端から上方(鉛直方向)に延びる一対の側面部40bによって形成されている。また、底面部40aの中央には貫通孔40hが形成されている。コイル用容器40は、コイルボビン42を内側に収容する。また、コイル用容器40は、コイル44を囲って磁束を通し、後述するようにベース部32と固定鉄心70と可動鉄心72と共に磁気回路を形成する。
鉄心用容器80は、底面部80a上に円板状のゴム86と円板状の底板84を収容している。鉄心用容器80は、ボビン本体部42aの内側とコイル用容器40の貫通孔40hに挿通されている。なお、筒部80bの下端側と、コイル用容器40及びコイルボビン42との間には円筒状のガイド部82が配置されている。ガイド部82は、磁性体であり、例えば鉄等の金属磁性材料により形成されている。ガイド部82を有することで、コイル44に通電した際に発生する磁力を効率良く可動鉄心72に伝達することができる。
固定鉄心70は、円柱状であり、円柱状の本体部70aと、本体部70aの上端から外方に延びる円板状の上端部70bとを有する。固定鉄心70には、上端から下端に亘って貫通孔70hが形成されている。貫通孔70hは、本体部70aと上端部70bの円形状の断面の中心付近に形成されている。固定鉄心70は、本体部70aの下端を含む一部が鉄心用容器80の内側に収容されている。また、上端部70bはベース部32上に突出するように配置されている。なお、上端部70bの外表面上にはゴム66が配置されている。さらに、上端部70bの上面にはゴム66を介して鉄心キャップ68が配置されている。鉄心キャップ68は、中央にはロッド60を挿通するための貫通孔68hが形成されている。鉄心キャップ68は、外周縁近傍がベース部32に溶接等により接合されている。鉄心キャップ68により固定鉄心70が上方へ移動することを防止している。
可動鉄心72は、円柱状であり、貫通孔72hが上端から下端近傍に亘って形成されている。また、下端には貫通孔72hの内径よりも大きい内径を有する凹部72aが形成されている。貫通孔72hと凹部72aは連通している。可動鉄心72は、鉄心用容器80の底面部80a上にゴム86と底板84を介して収容されている。また、可動鉄心72の上端面は、固定鉄心70の下端面と対向するように配置されている。コイル44に通電することで、可動鉄心72は固定鉄心70に吸引され上方向に移動する。
第2のばね64は、固定鉄心70の貫通孔70hに挿通されている。第2のばね64の一端は鉄心キャップ68に当接し、他端は可動鉄心72の上端面に当接している。第2のばね64は、可動鉄心72が固定鉄心70から離れる方向(Z軸負方向、下方向)に可動鉄心72を付勢する。
第1のばね62は、可動接触子50と固定鉄心70の間に配置されている。第1のばね62は、可動接点58と固定接点18とが近づく方向(Z軸正方向、上方向)に可動接触子50を付勢する。ここで、気密空間100のうち(図6(a)参照)、接合部材30の内側には第3の容器34が収容されている。第3の容器34は、例えば合成樹脂やセラミックにより形成され、固定接点18と可動接点58との間で発生したアークが導電性の部材(例えば、後述する接合部材30等)に当たることを防止している。第3の容器34は直方体形状であり、長方形状の底面部31と、底面部31の外周端から上方に延びる側面部37とを有する。底面部31上には溝状の保持部33を有する。また、底面部31には、ロッド60を挿通するための貫通孔34hが形成されている。第1のばね62の一端は中央部52に当接し、他端は底面部31に弾性材(例えば、ゴム)95を介して当接している。また、弾性材95は、ロッド60の軸部60aの一部分を囲むように配置され、アークにより固定接触部19や可動接触子50の構成部材が飛散して、微粉末が第2のばね64に侵入すること抑制する。これにより、第2のばね64の特性に影響を及ぼす可能性を低減できる。
ロッド60は、非磁性体である。ロッド60は円柱状の軸部60aと、軸部60aの一端に設けられた円板状の一端部60bと、軸部60aの他端に設けられた円弧状の他端部60cとを有する。軸部60aは、上下方向(可動接触子50の移動方向)に移動自在となるように可動接触子50の貫通孔53に挿通されている。一端部60bは、コイル44に電流を流していない状態において、中央部52のうち第1のばね62が配置された面とは反対側の面上に配置されている。一端部60bは、駆動機構90が駆動していない状態(非通電状態)において、第2のばね64によって可動接触子50が固定端子10に向かって移動することを規制する。他端部60cが、凹部72a内に配置され、凹部72aの底面と接合されているため、駆動機構90が駆動した状態において、可動鉄心72の動きに対しロッド60を連動させることができる。ロッド60は、特許請求の範囲における「可動軸」にあたる。
次に、継電器5の動作について図4を用いて説明する。コイル44に通電すると、可動鉄心72が固定鉄心70に吸引される。すなわち、可動鉄心72が第2のばね64の付勢力に抗して固定鉄心70に近づき、固定鉄心70に当接する。可動鉄心72が上方向に移動すると、ロッド60も上方向に移動する。これによりロッド60の一端部60bも上方向に移動する。これにより、可動接触子50の動きの規制が解除され、第1のばね62の付勢力により、可動接触子50が上方向(固定接点18に近づく方向)に移動する。これにより、各固定接点18と対応する各可動接点58とが接触し、2つの固定端子10が可動接触子50を介して導通する(継電器5の導通状態)。
一方、コイル44への通電が遮断されると、主に第2のばね64の付勢力により可動鉄心72が固定鉄心70から離れるように下方向に移動する。これにより、ロッド60の一端部60bに押されて可動接触子50も下方向(固定接点18から離れる方向)に移動する。よって、各可動接点58が各固定接点18から引き離され、2つの固定端子10間の導通が遮断される(継電器5の非導通状態)。
以上のように、コイル44に通電すると、可動接触子50は移動して2つの固定端子10間が導通し、コイル44の通電が遮断されると可動接触子50が元の位置に戻ることで2つの固定端子10間が非導通となる。
A3.継電器の製造方法:
図7〜図10を参照して、継電器5の製造方法について説明する。図7は、第1実施形態における継電器5の製造工程を示す工程図である。図8は、連通孔形成工程について説明する説明図である。図9は、封止装置について説明する断面図である。図10は、遮断工程〜封止工程について説明する説明図である。
ステップS10では、図8に示すように、鉄心用容器80の底面部80aの形成位置88bに連通孔88aが形成される。連通孔88aは、例えば、打ち抜き加工、レーザ加工、ドリル加工など種々の加工方法によって形成可能である。なお、連通孔88aは、鉄心用容器80の成形加工時に合わせて形成されてもよいし、後述する給排工程の直前に行われても良い。ステップS10を連通孔形成工程と呼ぶ。図8では、説明の便宜上、連通孔88aは実際の大きさよりも大きめに記載されているが、孔あけ、および、封止の加工性に鑑みて、直径0.2mm〜0.7mm程度であることが好ましい。
次いで、ステップS12では、第1の容器20と第2の容器92(連通孔88aが形成された鉄心用容器80を含む)が組み付けられる。ステップS12を組み付け工程と呼ぶ。
ステップS14では、鉄心用容器80に封止装置200が取り付けられ、形成位置88b(連通孔88a)が外気から遮断される。図9を参照して封止装置200について説明する。図9(a)は、封止装置200の外観図を示している。図9(b)は、図9(a)のA−A断面において切断し、矢印方向に見た断面図を示している。封止装置200は、図9(a)および図9(b)に示すように、収容室240と、ガラス窓204と、ガラス窓押さえ206と、シールシリンダ208と、シール部材210と、を備える。収容室240は、装置ボディ202とシール材押さえ212とからなる。なお、封止装置200は、ガラス窓押さえ206およびシールシリンダ208を備えていなくてもよい。また、封止装置200の装置ボディ202は、例えば、四角柱形状や円筒形状など、どのような形状でもよい。
収容室240は、第2の容器92の連通孔が形成されている部材(第1実施形態では鉄心用容器80)に装着され、第2の容器92との装着部位を封止するとともに、装着されている部材(第1実施形態では鉄心用容器80)の所定の位置に対向する部位に開口部242aを有する。第1実施例では、開口部242aは、収容室240(装置ボディ202)の上面242に形成されている。また、収容室240は、上面242から下面244まで貫通する貫通部246を有している。ガラス窓204は、開口部242aを覆うように配置されてガラス窓押さえ206によって装置ボディ202に固定されている。ガラス窓204は、ガラス窓押さえ206によって固定されることにより開口部242aを封止して装置ボディ202とガラス窓押さえ206との間の気密を確保するとともに、ガラス窓押さえ206に形成されている開口部206aを介して収容室240外から所定の位置に対して照射されるレーザ光250を透過する。第1実施形態では、所定の位置とは、気密空間100のガス置換に利用される連通孔88aが形成される形成位置を含んでおり、鉄心用容器80の底面部80aを示す。なお、本明細書において、「連通孔の形成位置」とは、連通孔が形成される予定の位置、および、連通孔が形成されている位置のいずれをも含む。
シール部材210は、鉄心用容器80またはベース部32のうち、連通孔88aが形成されている一方(すなわち、第1実施形態では鉄心用容器80)と収容室240との間に配置される。シール部材210は、シール材押さえ212の内部に配置されている環状の弾性部材である。シールシリンダ208は、収容室240の貫通部246周囲に配置されている環状の部材であり、上下に摺動することにより、シール部材210を押圧して変形させる。シール部材210は、シールシリンダ208の摺動によって変形し、内径が小さくなることで、鉄心用容器80と封止装置200の外部との気密を確保する。また、シール部材224,226は、それぞれ、部材間の気密を確保するために配置されている。
収容室240には、収容室240内外におけるガスの給排に利用される給排気孔220と、シールシリンダ208を動作させる媒体(例えば、圧縮空気、窒素等)を導入する導入孔222が形成されている。また、後述するようにストッパ214は、封止装置200の位置決めに利用される部材である。
図10に示すように、封止装置200は形成位置88b(連通孔88a)の周囲を覆うように配置される。具体的には、鉄心用容器80の底面部80aが貫通部246内に収容されるように、貫通部246の下面244側の開口部244aから鉄心用容器80に嵌め込まれる。収容室240は、鉄心用容器80がストッパ214に当接する位置まで嵌め込まれ、鉄心用容器80がストッパ214に当接した位置で封止装置200は鉄心用容器80に固定される。更に、導入孔222からシールシリンダ208を動作させる媒体が導入され、シールシリンダ208が摺動されることにより、シール部材210は、内径が小さくなるように変形し、鉄心用容器80と封止装置200の外部との気密性が向上される。この結果、収容室240、ガラス窓204および鉄心用容器80によって、収容室240内に、収容室240外から遮断された遮断空間230が形成され、形成位置88b(連通孔88a)およびその周囲が外気から遮断される。ステップS14を遮断工程と呼ぶ。なお、封止装置200には、シール部材210およびこれに関連する部材が含まれていても含まれていなくても良く、遮断工程には、シール部材210による遮断空間230の気密性向上が含まれていても含まれていなくても良い。
ステップS16では、給排気孔220および連通孔88aを介して、気密空間100内のガスの給排が行われる。具体的には、図10に示されるように、給排気孔220および連通孔88aを介して気密空間100内を真空引きし、真空引きの後に給排気孔220および連通孔88aを介して気密空間100内に水素等のガスを所定圧になるまで封入する。気密空間100へのガス供給時、給排気孔220の、遮断空間230と接続する側と反対側の端部230aには、ガス貯蔵容器が接続されている。なお、水素に加えて窒素ガスやヘリウムガスを混合してもよい。窒素ガスを混合すれば、耐電圧性を向上でき、また、ヘリウムガスを混合すれば、製造工程におけるリークの検出が容易となる。ステップS16を給排工程と呼ぶ。
ステップS18では、ステップS16における給排工程の後に、連通孔88aが封止される。具体的には、水素等のガスを所定圧封入した後に、遮断空間230の遮断状態を維持したまま、連通孔88aの周囲を加熱溶融して封止し、水素等のガスが気密空間100から外側に漏れ出さないようにする。第1実施形態では、図10に示すように、封止装置200に設けられている開口部206aからレーザ光250を入射する。レーザ光250は、ガラス窓204を透過して、連通孔88aの周囲に当たって底面部80aを溶融し、連通孔88aが閉塞され、図6に示す封止部88が形成される。ステップS18を封止工程と呼ぶ。
ステップS20では、封止装置200が鉄心用容器80から取り外される。ステップS22では、電磁コイルが継電器本体6に取り付けられる。具体的には、コイル44が巻き付けられているコイルボビン42を内部に収容したコイル用容器40がベース部32に取り付けられる。この際、コイル用容器40の貫通孔40hが鉄心用容器80に挿通されるように、コイル用容器40が配置される。コイル用容器40をベース部32へのコイル用容器40の取り付けは、コイル用容器40の一部をかしめ変形させることにより行われても良い。以上説明したように継電器5は製造される。
以上説明した第1実施形態の継電器5の製造方法によれば、気密空間100を形成する鉄心用容器80またはベース部32のいずれか一方に、気密空間100内に充填されるガスの給排に利用される連通孔88aが形成される形成位置88bがあり、当該連通孔88aの形成位置88bの周囲のみを収容室240で覆い、ガス給排(ガス置換)が行われた後に連通孔88aが封止される。従って、収容室240は連通孔88aの形成位置88bの周囲のみを覆い、継電器5全体を覆う必要がないため、ベース封止方式に比して、気密空間100のガス置換に使用されるガス量を低減でき、ガス置換の処理時間を短縮できる。また、気密空間100を形成する鉄心用容器80またはベース部32のいずれか一方に連通孔が形成されるため、給排気パイプを設ける必要がなく、パイプ封止方式に比して、部品コストおよび製造コストを低減できる。
また、第1実施形態の継電器5の製造方法によれば、収容室240は連通孔88aの形成位置88bを含む鉄心用容器80の一部のみを覆うので、ベース封止方式に比して、気密空間100のガス置換に使用されるガス量を低減でき、ガス置換の処理時間を短縮できる。一般的に、ベース部32の厚みよりも鉄心用容器80の厚みの方が薄いので、鉄心用容器80に連通孔88aを形成する方が、ベース部32に連通孔を形成するよりも容易となる。また、別途、給排気パイプを設ける必要がないため、パイプ封止方式に比して、部品コストおよび製造コストを低減できる。また、この形態の製造方法によって製造された継電器5は、鉄心用容器80に連通孔88aが形成されて封止されるので、コイルボビン42とベース部32との接触部分に凹凸が生じることを抑制でき、コイル44からベース部32への熱伝導性を向上できる。また、鉄心用容器80の底面に封止部が形成されている場合と側面に封止部が形成される場合とを比較すると、底面に封止部が形成されている方が電磁コイルと鉄心用容器80との接触面積の低下を抑制でき、電磁コイルから他部材への熱伝導性の低下を抑制できる。
また、第1実施形態の継電器5の製造方法によれば、連通孔88aが鉄心用容器80の底面部80aに形成されているので、底面部80aを覆うように収容室240を配置することができる。鉄心用容器80の側面に連通孔を形成する場合、当該側面は曲面を含むため、連通孔周囲のみに収容室240を設けることが容易ではなく、例えば、鉄心用容器80全体を覆うとともにベース部32との間で気密をとるように収容室240を構成する必要があり、収容室240の大型化、製造負荷の増加を招くおそれがある。また、ベース部32に連通孔を形成する場合も、鉄心用容器80の側面に連通孔を形成する場合と同様に、連通孔の形成位置によっては、鉄心用容器80全体を覆うとともにベース部32との間で気密をとるように収容室240を構成する必要が生じ、製造負荷の増加を招くおそれがある。第1実施形態の継電器5の製造方法によれば、収容室240の容積を小さくすることができ、気密空間100のガス置換に使用されるガス量を低減でき、ガス置換の処理時間を短縮できる。
また、第1実施形態の継電器5の製造方法によれば、収容室240と、連通孔88aが形成されている部材(第1実施例では鉄心用容器80)との間にシール部材210が配置される。従って、収容室240と連通孔88aが形成されている部材との間の気密性、換言すれば、収容室240の遮断性能を向上でき、ガス置換の効率を向上できる。
また、第1実施形態の継電器5の製造方法によれば、連通孔88aは加熱溶融(レーザ溶接)によって封止される。従って、簡易に、かつ、確実に連通孔を封止できる。
また、第1実施形態の継電器5の製造方法によれば、連通孔が予め形成されている鉄心用容器80に封止装置200が設置される。封止装置200を設置した上で、レーザ装置を用いて連通孔を形成し、ガス給排を行った後に、連通孔の形成で利用したレーザ装置を用いてレーザで封止する場合、連通孔の形成時のレーザのパワーや位置決め、および、連通孔の封止時のレーザのパワーや位置決めをそれぞれ調整する必要があるが、鉄心用容器80に連通孔が予め形成されていれば、連通孔の封止時のレーザのパワーや位置決めのみを行えばよいので、製造効率を向上できる。
また、第1実施形態の封止装置200によれば、気密空間100を形成する鉄心用容器80の底面部80aのみを収容室240で覆い、底面部80aに対して、気密空間100内のガス給排(ガス置換)が行われる連通孔88aの形成および封止の少なくとも一方に利用されるレーザ光を照射することができる。従って、封止装置200の収容室240は連通孔88aが形成される形成位置の周囲のみを覆い、継電器5全体を覆う必要がないため、ベース封止方式に比して、気密空間100のガス置換に使用されるガス量を低減でき、ガス置換の処理時間を短縮できる。また、気密空間100を形成する鉄心用容器80に連通孔88aが形成されるため、別途、給排気パイプを準備し、設ける工程が不要であるため、パイプ封止方式に比して、部品コストおよび製造コストを低減できる。また、第1実施形態の200によれば、第2の容器92の所定の位置(第1実施例では、底面部80a)の周囲と外気とを遮断するとともに、遮断状態を維持したまま、所定の位置に対してレーザ光を照射することができる。従って、遮断状態を維持したまま、第2の容器92の所定の位置に対して連通孔88aを形成し、給排気孔220と連通孔88aを介して気密空間100内のガス置換を行い、当該連通孔88aを封止することができる。
B.変形例:
(1)第1実施形態では、連通孔形成工程(ステップS10)は、遮断工程(ステップS14)の前に行われているが、連通孔形成工程は、遮断工程の後に、収容室240(封止装置200)が配置されている状態で行われてもよい。この形態の継電器の製造方法によれば、収容室が配置されている状態で連通孔が形成されるので、連通孔の形成、ガス給排、および封止までの工程を連続的に行うことができ、製造効率を向上できる。また、この変形例において、連通孔の形成は、連通孔の封止に用いるレーザ装置と同一のレーザ装置を用いて行われても良い。こうすれば、製造コストを抑制できるとともに、作業コストを低減できる。
(2)また、連通孔形成工程(ステップS10)は、組み付け工程(ステップS12)と遮断工程(ステップS14)との間に行われてもよい。すなわち、第1の容器20と第2の容器92との組み付けが行われた後に、連通孔が形成されてもよい。
(3)上記各実施形態では、シール部材210は、鉄心用容器80またはベース部32のうち、連通孔が形成されている一方(すなわち、第1実施形態では鉄心用容器80)と収容室240との間に配置されているが、以下に説明するように、この態様に限られない。
図11は、変形例における封止装置600を説明する模式図である。封止装置600は、第1実施形態における封止装置200と同様に、収容室640、ガラス窓604およびガラス窓押さえ606を備える。また、収容室640には、給排気孔620が形成されている。本変形例では、第1実施形態と同様に鉄心用容器80の底面部80aに連通孔88aが形成されている。ただし、封止装置600は、底面部80aを含む鉄心用容器80の全体を覆うとともにベース部32に接するように配置、固定される。この際、シール部材610は、ベース部32と封止装置600との間に配置される。この態様によっても、封止装置600内の遮断空間630の気密性が向上される。また、この態様によっても、ベース封止方式に比して、ガス給排に必要とされる収容室の容積を小さくできるので、気密空間のガス置換に使用されるガス量を低減でき、ガス置換の処理時間を短縮できる。
(4)連通孔の外周部に突出リブを設けるように構成してもよい。こうすれば、連通孔の溶接封止時において、突出リブが溶融して連通孔を封止するので、突出リブが設けられていない場合に比して、封止部(溶接部)の薄肉化を抑制できる。
(5)第1実施例では、封止装置200を利用して連通孔の形成位置の周囲のみを外気から遮断しているが、例えば、継電器本体を収容可能な容積を有するチャンバーに継電器本体を収容し、チャンバー内のガスを置換することにより、気密空間内のガス置換を行うチャンバー封止方式により気密空間内のガス置換が行われても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施形態、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…電気回路
2…直流電源
3…インバータ
4…モータ
5…継電器
6…継電器本体
7…上側ケース
8…外側ケース
9…下側ケース
10…固定端子
12…接続口
13…フランジ部
17…ダイヤフラム部
18…固定接点
19…固定接触部
20…第1の容器
22…側面部
24…底部
26…貫通孔
28…開口
28p…端面
30…接合部材
30c…側面部
30h…開口
30j…開口
31…底面部
32…ベース部
32h…貫通孔
33…保持部
34…第3の容器
34h…貫通孔
37…側面部
40…コイル用容器
40a…底面部
40b…側面部
40h…貫通孔
42…コイルボビン
42a…ボビン本体部
42b…上面部
42c…下面部
44…コイル
50…可動接触子
52…中央部
53…貫通孔
54…延伸部
56…可動接触部
58…可動接点
60…ロッド
60a…軸部
60b…一端部
60c…他端部
62…第1のばね
64…第2のばね
66…ゴム
68…鉄心キャップ
68h…貫通孔
70…固定鉄心
70a…本体部
70b…上端部
70h…貫通孔
72…可動鉄心
72a…凹部
72h…貫通孔
80…鉄心用容器
80a…底面部
80b…筒部
80c…フランジ部
82…ガイド部
84…底板
86…ゴム
88…封止部
88a…連通孔
88b…形成位置
90…駆動機構
92…第2の容器
95…弾性材
100…気密空間
200…封止装置
202…装置ボディ
204…ガラス窓
206…ガラス窓押さえ
206a…開口部
208…シールシリンダ
210…シール部材
212…シール材押さえ
214…ストッパ
220…給排気孔
222…導入孔
224…シール部材
230…遮断空間
240…収容室
242…上面
242a…開口部
244…下面
244a…開口部
246…貫通部
250…レーザ光
430…ステンレス
600…封止装置
604…ガラス窓
606…ガラス窓押さえ
610…シール部材
630…遮断空間
640…収容室
620…給排気孔
800…永久磁石

Claims (5)

  1. それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、可動鉄心と、前記可動鉄心と繋がる可動軸と、電磁コイルを有し、前記可動接触子を前記複数の固定端子に接触させるために前記可動接触子を移動させる駆動機構と、前記複数の固定端子と接合される第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子、各前記固定接点、前記可動鉄心および前記可動軸が収容される気密空間を前記第1の容器、前記複数の固定端子と共に形成し、かつ、前記可動鉄心を収容する鉄心用容器を有する第2の容器と、を備える継電器であって、
    前記鉄心用容器は、前記気密空間と前記気密空間外とを連通する連通孔を封止する封止部を有することを特徴とする、継電器。
  2. 請求項1記載の継電器であって、
    前記鉄心用容器は、底面を有する筒状に形成されており、
    前記封止部は、前記底面に形成されていることを特徴とする、継電器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の継電器であって、
    前記封止部は、前記連通孔が加熱溶融されて封止されることにより形成される溶融部であることを特徴とする、継電器。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の継電器であって、
    前記第2の容器は、前記可動軸が挿通される貫通孔が形成されているベース部を有し、
    前記電磁コイルは前記ベース部に当接しており、
    前記鉄心用容器は、前記ベース部に接合されていることを特徴とする、継電器。
  5. それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、可動鉄心と、前記可動鉄心に繋がる可動軸と、電磁コイルと、有し、前記可動接触子を前記複数の固定端子に接触させるために前記可動接触子を移動させる駆動機構と、前記複数の固定端子と接合される第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子、各前記固定接点、前記可動鉄心および前記可動軸が収容される気密空間を前記第1の容器と、前記複数の固定端子と共に形成し、かつ、前記可動鉄心を収容する鉄心用容器を有する第2の容器と、を備える継電器の製造方法であって、
    前記鉄心用容器に、前記気密空間と連通する連通孔を形成する連通孔形成工程と、
    前記第1の容器と前記第2の容器とを組み付ける組み付け工程と、
    前記連通孔を介して、前記気密空間内のガスの給排を行う給排工程と、
    前記連通孔を封止する封止工程と、を備える継電器の製造方法。
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