JP2015037051A - 継電器、及び、継電器の製造方法 - Google Patents

継電器、及び、継電器の製造方法 Download PDF

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伸介 伊藤
Shinsuke Ito
伸介 伊藤
平野 卓
Taku Hirano
卓 平野
服部 洋一
Yoichi Hattori
洋一 服部
灘浪 紀彦
Norihiko Nadanami
紀彦 灘浪
石川 聡
Satoshi Ishikawa
聡 石川
小島 多喜男
Takio Kojima
多喜男 小島
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Abstract

【課題】気密空間を容易に形成しつつ、継電器の製造を容易にできる技術を提供する。
【解決手段】継電器は、2つの固定端子と、可動接触子と、可動接触子を移動させる駆動機構とを備える。継電器は、さらに、可動接触子の移動方向と交差する上底部と、上底部の周縁部から移動方向に沿って延び、固定端子が通る貫通孔が形成された側面部と、を有し、内側に形成された気密空間に可動接触子と固定接点とを収容する金属製の第1の容器と、各々の固定端子のうち第1の容器の外側に突出する方向に延びる外側部を、突出する方向を中心とする外側部の周囲において取り囲むように固定端子に気密に取り付けられた絶縁性の固定端子台と、外側部の周囲を取り囲み、固定端子台と第1の容器とにそれぞれ気密に接合された金属製の中間部材と、を備え、中間部材は、ろう接によって固定端子台に接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、継電器に関する。
従来、可動接触子が収容された容器の側面に固定端子を挿通させた継電器が知られている(例えば、特許文献1,2)。
特開2012−89485号公報 特許第4289770号公報
例えば、特許文献1の技術では、可動接触子を収容する容器としてセラミックが用いられている。容器にセラミックを用いることで機械的強度を向上させている。これにより、特許文献1の技術は、アーク放電によって生じたアークによって容器が損傷することや、振動によって容器が損傷することを防止している。しかしながら、容器の形状は複雑であるため、成形性の悪いセラミックを用いて容器を製造すると、製造工程が煩雑になる。これにより、継電器の製造コストが高くなる。よって、継電器の製造工程を簡略化することが望まれている。
また、特許文献2の技術では、固定接点部がボルト、絶縁スリーブ、絶縁ワッシャ、及び、O−リングを用いてハウジングに固定されている。しかしながら、この固定構造ではハウジング内の気密性を高めることができない場合がある。気密性が低いと、アーク消弧を促進するためのガスをハウジング内に充填できず、アークの消弧性が低下する。
また、特許文献1,2に開示のごとく、継電器は、2つの固定接点と、各固定接点に対応する2つの可動接点とを有する。一方の固定接点と、対応する可動接点との距離(接点間距離)を距離L1とし、他方の固定接点と、対応する可動接点との距離(接点間距離)を距離L2とする。距離L1と距離L2の差が大きいと、接点バウンスが生じる原因となる。「接点バウンス」とは、継電器の閉成動作時に発生する可動接触子の跳ね返り現象(接点間の異常な間欠的開閉現象)である。
また、距離L1,L2が設計された値から外れた状態で2つの固定端子が配置されると、可動接触子が各固定端子に加える圧力(接圧力)が設計された値から変動する。これにより、通電特性や短絡耐量などの継電器の性能が設計した範囲からずれる恐れがある。よって、距離L1,L2が設計された範囲内となるように継電器を製造する工夫が求められている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、継電器が提供される。この継電器は、固定接点をそれぞれ有する2つの固定端子と、前記各固定接点にそれぞれ対応する2つの可動接点を有する可動接触子と、前記固定接点に前記可動接点を接触させるために、前記可動接触子を移動させる駆動機構と、を備える継電器において、前記可動接触子の移動方向と交差する上底部と、前記上底部の周縁部から前記移動方向に沿って延び、前記固定端子が通る貫通孔が形成された側面部と、を有し、内側に形成された気密空間に前記可動接触子と前記固定接点とを収容する金属製の第1の容器と、各々の前記固定端子のうち前記第1の容器の外側に突出する方向に延びる外側部の周囲を取り囲むように前記固定端子に気密に取り付けられた絶縁性の固定端子台と、前記外側部の前記周囲を取り囲み、前記固定端子台と前記第1の容器とにそれぞれ気密に接合された金属製の中間部材と、を備え、前記中間部材は、ろう接によって前記固定端子台に接合されている、ことを特徴とする。
この形態の継電器によれば、第1の容器が金属製の部材なので、セラミックを用いる場合に比べて第1の容器の製造工程を簡略化できる。また、この形態の継電器によれば、絶縁性の固定端子台が固定端子に気密に取り付けられ、金属製の中間部材が固定端子台と第1の容器に気密に接合されているので、固定接点、及び、可動接触子が配置される気密空間の気密性を高めることができる。
(2)上記形態の継電器において、前記中間部材は、融接又は圧接によって前記第1の容器に接合されていても良い。
一般に、融接または圧接は、ろう接に比べて接合する部材間の位置決め精度が高い。この形態の継電器によれば、中間部材を融接又は圧接によって第1の容器に接合することで、固定端子と可動接触子との位置決め精度を向上できる。これにより、固定接点と対応する可動接点との距離が設計された範囲からずれる可能性を低減できる。
(3)上記形態の継電器において、前記中間部材は、前記固定端子台に接合される一端部と、前記一端部から前記側面部に沿って屈曲し、前記側面部に接合される他端部と、を有していても良い。
この形態の継電器によれば、他端部を側面部に沿った形状とすることで、融接又は圧接によって接合を行う部分の面積を大きくできる。これにより、中間部材の第1の容器への接合を容易にできる。
(4)上記形態の継電器において、前記移動方向と直交する方向について、前記2つの固定端子は対向して配置され、前記継電器は、さらに、前記固定接点と、対応する前記可動接点との間で生じるアークを消弧するための磁石を有し、前記第1の容器内における前記磁石の磁束の向きは、前記2つの固定端子が対向する対向方向の成分を有するように配置されていても良い。
この形態の継電器によれば、一方の固定接点と対応する可動接点との間で発生するアークと、他方の固定接点と対応する可動接点との間で発生するアークとを互いに逆向きであって遠ざかる方向に引き伸ばすことができる。これにより、アーク同士が衝突する可能性を低減し、2つの固定端子間がアークによって導通する可能性を低減できる。
(5)上記形態の継電器において、前記磁石は、前記固定端子の一部を受け入れる切り欠き部を有し、前記固定端子の一部は、前記切り欠き部内に配置されていても良い。
この形態の継電器によれば、磁石の厚みを増加させることなく、第1の容器の内側の領域のうち、固定接点と対応する可動接点とが位置する領域の磁束密度を高めることができる。
(6)上記形態の継電器において、前記固定端子台は、外表面に凸部を有し、前記凸部の表面と前記固定端子とがろう接されることによって、前記固定端子台は前記固定端子に接合されていても良い。
この形態の継電器によれば、外表面に凸部を有することで、ろう材やメタライズ層等のろう接工程に用いられる材料を容易に凸部に形成できる。これにより、ろう接工程の作業効率を向上でき、継電器の生産性を向上できる。
(7)上記形態の継電器において、前記固定端子台の外表面には凹部と凸部の少なくともいずれか一方が形成されていても良い。
この形態の継電器によれば、固定端子台の外表面を介して中間部材から固定端子に至る距離を長くできる。これにより、固定端子台のサイズを大きくすることなく、2つの固定端子が中間部材及び第1の容器を介して導通する可能性を低減できる。
(8)上記形態の継電器において、前記第1の容器は、さらに、前記側面部に接続され、前記上底部と対向する側に開口を規定する開口下端部と、を有し、前記継電器はさらに、前記開口下端部と気密に接合され、前記第1の容器と共に前記気密空間を形成するベース部材を有し、前記開口下端部と前記ベース部材とは、前記移動方向に沿ったそれぞれの側面において接合されていても良い。
この形態の継電器によれば、製造過程において、第1の容器とベース部材との移動方向における位置関係を調節できる。これにより、継電器の製造過程において、固定接点と対応する可動接点との距離を調整できる。
(9)上記形態の継電器において、前記駆動機構は、前記可動接触子に挿通されたロッドを有し、前記可動接触子は、前記ロッドを中心として回転した場合に、前記継電器を構成する他の部材に当たることによって前記可動接触子の回転を規制する回転規制部を有していても良い。
この形態の継電器によれば、規制部によって可動接触子の回転を所定範囲内に制限できる。これにより、固定接点に対する対応する可動接点の位置ずれを抑制できる。よって、継電器がON状態(閉成状態)の時に、固定接点と可動接点とが非接触状態となる可能性を低減できる。
(10)本発明の他の一形態によれば、継電器の製造方法が提供される。継電器は、固定接点をそれぞれ有する2つの固定端子と、前記各固定接点にそれぞれ対応する2つの可動接点を有する可動接触子であり、駆動機構によって移動することで前記2つの固定端子と接触する可動接触子と、を備える。この継電器の製造方法は、(a)前記固定端子と、絶縁性の固定端子台と、金属製の中間部材とを備える固定端子ユニットを準備する工程と、(b)前記可動接触子と前記固定接点とを内側に収容するための第1の容器であり、金属製の第1の容器を準備する工程と、を備え、前記第1の容器は、前記可動接触子の移動方向と交差する上底部と、前記上底部の周縁部から前記移動方向に沿って延び、前記固定端子が通る貫通孔が形成された側面部と、を有し、前記固定端子は、所定方向に延びる本体部であり、前記貫通孔に通された本体部を備え、前記固定端子台は、前記本体部の周囲を取り囲むように前記固定端子に気密に取り付けられ、前記中間部材は、前記本体部の前記周囲のうち前記固定端子台よりも前記固定接点側に位置する部分を取り囲み、前記固定端子台にろう接によって気密に接合され、前記製造方法は、さらに、(c)前記貫通孔に前記本体部を通して前記固定接点を前記第1の容器の内側に配置した後に、前記固定端子ユニットによって前記貫通孔を覆うように、前記中間部材を前記第1の容器に接合する工程、を有することを特徴とする。
この製造方法によれば、作製過程においてろう接による接合が必要な固定端子ユニットを第1の容器とは別に準備した後に、固定端子ユニットと第1の容器とを接合する。これにより、第1の容器に対する固定端子の位置ズレを抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、継電器、継電器の製造方法、継電器を装備した車両や船舶等の移動体等の態様で実現することができる。
第1実施例に継電器を備えた電気回路の説明図である。 継電器の断面図である。 図2に示す継電器の斜視図である。 固定端子ユニットの拡大図である。 継電器の製造フローである。 永久磁石について説明するための図である。 可動接触子の構成について説明するための図である。 第2変形例を説明するための図である。
A.第1実施形態:
A−1.継電器の構成および製造方法:
図1は、第1実施例に継電器5を備えた電気回路(「システム」ともいう。)1の説明図である。電気回路1は、例えば車両に搭載される。電気回路1は、直流電源としての蓄電池2と、継電器5と、電流変換装置3と、負荷としてのモータ4とを備える。電流変換装置3は、インバータとコンバータとしての機能を有する。蓄電池2からモータ4に電力が供給される電力供給時(蓄電池2の放電時)では、電流変換装置3により変換された交流電流がモータ4に供給されてモータ4を駆動する。また、モータ4で回生したエネルギーを蓄電池2に充電する充電時には、電流変換装置3により変換された直流電流が蓄電池2に蓄電される。継電器5は、ON状態とOFF状態とを切り換えることで、電気回路1の接続状態を切り換える。
図2は、継電器5の断面図である。図3は、図2に示す継電器5の斜視図である。図2及び図3には、方向を特定するためにXYZ軸を付している。他の図においても必要に応じてXYZ軸を付している。また、Z軸正方向側を上側、Z軸負方向側を下側とする。図2は、継電器5のOFF状態を示している。
継電器5は、Y軸方向に沿って対向する2つの固定端子ユニット85と、固定端子ユニット85の下方に設けられた可動接触子50と、可動接触子50をZ軸方向に駆動させる駆動機構90と、容器92(「本体容器92」とも呼ぶ。)と、可動接触子50の両側の位置に設けられ対向する2つの永久磁石120と、を備える。可動接触子50の移動する方向(±Z軸方向)を移動方向D1とする。また、移動方向D1と直交する方向を水平方向とする。可動接触子50が移動することによって、2つの固定端子ユニット85が有する2つの固定端子10に可動接触子50が接触する。これにより、2つの固定端子10が電気的に接続される。2つの固定端子ユニット85をそれぞれ区別して用いる場合は、符号「85W」,「85X」を用いる。また、2つの固定端子10をそれぞれ区別して用いる場合は、符号「10W」,「10X」を用いる。また、2つの永久磁石120をそれぞれ区別して用いる場合は、符号「120W」,「120X」を用いる。
容器92は、2つの固定端子ユニット85と気密に接合される。これにより、容器92の内側には気密空間100が形成される。気密空間100には、水素や窒素、又は、水素や窒素を主体とするガスが大気圧よりも高い所定圧(例えば、2気圧)で封入されている。気密空間100内に所定圧のガス(例えば、水素)を封入することで、アークの消弧の促進や、アーク発生による固定端子10や可動接触子50の発熱を抑制できる。2つの永久磁石120は、固定端子10と可動接触子50との間で発生するアークを磁力によって引き伸ばすことにより、アークの消弧を促進する。2つの永久磁石120W,120Xは、第1の容器20の内側に配置されている。また、2つの永久磁石120W,120Xは、異極同士が対向するように配置されている。本実施形態では、図2に示すように、永久磁石120Wのうち、永久磁石120Xと対向する側がN極である。N極の裏側がS極である。また、図2に示すように、永久磁石120Xのうち、永久磁石120Wと対向する側の面がS極であり、S極の裏側の面がN極である。なお、永久磁石120の詳細な構成と、その効果については後述する。
容器92は、固定端子ユニット85が接合された第1の容器20と、第1の容器20の下側に接合されたベース部材32と、ベース部材32に接合された鉄心用容器80とを備える。第1の容器20は、ステンレス等の金属製の部材である。第1の容器20は、凹形状である。第1の容器20は、上底部21と、上底部21の周囲に接続された開口側面部23と、開口側面部23の下端に接続された開口下端部27と、を備える.第1の容器20は、上底部21を有する略円筒形状である。上底部21は、移動方向D1と交差する表面を有する板状部材である。本実施形態では、上底部21は、移動方向D1と直交する表面を有する部材である。上底部21には、通気パイプ69が挿通されている。通気パイプ69は気密空間100の内側と外側とを連通させる際に使用される。容器20と固定端子ユニット85とを接合した後に、通気パイプ69を介して第1の容器20内を真空引きする。そして、真空引きの後に通気パイプ69を介して第1の容器20内に水素等のガスを所定圧になるまで封入する。水素等のガスを所定圧封入した後に、通気パイプ69を加締め等により封止することによって気密空間100が形成される。これにより、水素等のガスが通気パイプを通って気密空間100から外側に漏れ出すことを防止できる。
開口側面部23は、上底部21の周縁部から移動方向D1に沿って延びる。開口側面部23には、固定端子10が通る2つの貫通孔22が形成されている。2つの貫通孔22は、第1の容器20の内側を挟んで互いに対向する位置に形成されている。2つの固定端子10が対向する方向は、移動方向D1と直交する水平方向である。開口下端部27は、開口側面部23に接続されている。開口下端部27は、上底部21と対向する開口を規定する。この開口は略円形である。開口下端部27は、開口側面部23から外方に延びる部分である。また、開口下端部27は、移動方向D1に沿って延びる側面部28を有する。開口下端部27にはベース部材32が接合されている。
ベース部材32は、磁性体である。ベース部材32は、鉄等の金属磁性材料により形成されている。ベース部材32は、移動方向D1と直交する表面を有する部材である。ベース部材32の外形は、略円形である。ベース部材32は、平板状の部材である。ベース部材32の中央付近には、後述する固定鉄心70が通る貫通孔34が形成されている。ベース部材32は移動方向D1に沿って延びるベース側面部33を有する。ベース側面部33は、ベース部材32の周縁部を形成する。第1の容器20とベース部材32とは、それぞれの側面部28,33において気密に接合されている。具体的には、側面部28,33同士が全周に亘ってレーザ溶接されることで、互いが気密に接合されている。レーザ溶接に代えて他の接合方法(例えば、抵抗溶接)を用いて側面部28,33同士を接合しても良い。
鉄心用容器80は、非磁性体である。鉄心用容器80は、下側に底面部80aを有する。鉄心用容器80は、円形状の底面部80aと、底面部80aの周縁部から上側に延びる円筒状の筒部80bと、筒部80bの上端から外方に延びるフランジ部80cとを有する。フランジ部80cは、ベース部材32のうち貫通孔34の周縁部と全周に亘ってレーザ溶接等により気密に接合されている。鉄心用容器80の底面部80a上には、ゴム86が配置されている。またゴム86上には底板87が配置されている。ゴム86と底板87とはそれぞれ円板状である。ゴム86によって、可動鉄心72の移動によって継電器5に加える衝撃を緩和できる。鉄心用容器80は、コイルボビン42の内側の貫通孔に配置されている。
可動接触子50は、導電性の金属材料により形成されている。例えば、可動接触子50は銅を含む金属材料により形成される。可動接触子50は、平板状の部材である。可動接触子50は、移動方向D1と直交する方向に沿って延びる。可動接触子50は、気密空間100のうち第1の容器20の内側に配置されている。可動接触子50は、2つの固定端子10W,10Xと接触する2つの可動接点58を有する。なお、可動接触子50は、固定端子10と対向する部分に、突出部材を有しても良い。この場合、突出部材が可動接点58を形成する。突出部材は、アークによる損傷をより抑制するために、耐熱性のより高い材料(例えば、タングステン)で形成しても良い。
継電器5は、さらに、第1の容器21の内側に配置された第2の容器78と、上底部21に配置された上蓋25と、弾性部材としての第1のばね62とを有する。第2の容器78は、絶縁性の部材である。第2の容器78は、例えば、合成樹脂やセラミックによって形成される。第2の容器78は、凹形状である。第2の容器78は、凹形状の底部がベース部材32上に配置されている。第2の容器78は、固定部材74によって位置が固定されている。凹形状である第2の容器78の内側に可動接触子50が配置されている。第2の容器78は、可動接触子50の外周部を取り囲む。これにより、可動接点58と固定接点18との間でアークが発生した場合でも、発生したアークが導電性の部材(例えば、第1の容器20)に当たる可能性を低減できる。第1のばね62は、可動接触子50に当接して配置されている。
上蓋25は、気密空間100のうち第1の容器20の内側に配置されている。上蓋25は、絶縁性の部材である。上蓋25は、例えば、合成樹脂やセラミックによって形成される。上蓋25は、上底部21の下面上に配置されている。なお、上蓋25は第2の容器78に固定される構成であっても良い。
駆動機構90は、可動接触子50を固定端子10に接触させるために可動接触子50を移動させる。詳細には、駆動機構90は、各可動接点58を各固定接点18に接触させるために可動接触子50を可動接点58と固定接点18とが対向する方向(鉛直方向、Z軸方向)に移動させる。駆動機構90は、ロッド60と、ベース部材32と、固定鉄心70と、可動鉄心72と、鉄心用容器80と、コイル44と、コイルボビン42と、コイル用容器40と、弾性部材としての第2のばね64と、を有する。コイル44は、中空円筒状の樹脂製のコイルボビン42に巻き付けられている。
コイル用容器40は、磁性体であり、例えば鉄等の金属磁性材料により形成されている。コイル用容器40は凹状形状である。コイル用容器40は、コイル44を囲って磁束を通す。コイル用容器40は、ベース部材32、固定鉄心70、可動鉄心72、及び、後述するガイド部82と共に磁気回路を形成する。
固定鉄心70は、略円柱状である。固定鉄心70には、移動方向D1に沿った貫通孔70hが形成されている。固定鉄心70は、大部分が鉄心用容器80に収容されている。固定鉄心70の上端部は、ベース部材32とレーザ溶接等によって接合されている。
可動鉄心72は、略円柱状である。可動鉄心72には、移動方向D1に沿った貫通孔72hが形成されている。コイル44に通電することで、可動鉄心72は固定鉄心70に吸引されて上方向に移動する。
ロッド60は、非磁性体である。ロッド60は円柱状の軸部60aと、軸部60aの上端に設けられた規制部60bとを有する。軸部60aの下端部は、可動鉄心72に固定されている。また、軸部60aの上端部は、可動接触子50に挿通されている。規制部60bは、駆動機構90のOFF状態において、可動接触子50の上面と接触する。可動接触子50の上面とは、固定端子10と対向する面である。また、OFF状態とは、コイル44に電流が流れていない状態である。規制部60bは、OFF状態の場合に、第1のばね62の付勢力によって可動接触子50が固定端子10に向かって移動することを規制する。
軸部60aには、第1のばね62を配置するための取付機構110が配置されている。取付機構110は、軸部60aに固定されたE型止め輪104と、E型止め輪104上に配置された台座部102とを備える。E型止め輪104は、軸部60aの外周に形成された溝に嵌めこまれることで、軸部60aに固定されている。
第1のばね62は、コイルばねである。第1のばね62は、一端が取付機構110に当接し、他端が可動接触子50に当接している。第1のばね62は圧縮状態で配置されている。第1のばね62は、可動接点58と固定接点18とが近づく方向(Z軸正方向、上方向)に可動接触子50を付勢する。
第2のばね64は、コイルばねである。第2のばね64は、一端が可動鉄心72に当接するし、他端が固定鉄心70に当接している。第2のばね64は、可動鉄心72が固定鉄心70から離れる方向(Z軸負方向、下方向)に可動鉄心72を付勢する。
継電器5は、さらに、ガイド部82を有する。ガイド部82は、鉄心用容器80の下側部分と、コイル用容器40との間に配置されている。ガイド部82は、鉄心用容器80の下側部分の周囲を取り囲む。ガイド部82は、磁性体であり、例えば鉄等の金属磁性材料により形成されている。ガイド部82を有することで、コイル44に通電した際に発生する磁力を効率良く可動鉄心72に伝達することができる。
固定端子ユニット85は、固定端子10と、固定端子台30と、中間部材57とを有する。固定端子10は、導電性を有する部材である。固定端子10は、例えば銅を含む金属材料により形成されている。2つの固定端子10W,10Xは、移動方向D1と直交する方向について互いに対向する。固定端子10は、移動方向D1と直交する方向に沿って延びる部材である。固定端子10は、継電器5のON状態において、可動接点58と接触する固定接点18を有する。なお、2つの固定端子10W,10Xが移動方向D1と直交する方向について対向するとは、互いの固定端子10W,10Xの少なくとも一部が対向していれば良いという意味である。すなわち、X軸方向について、2つの固定端子10W,10Xが同じ位置に配置されても良いし、異なる位置にずれて配置されても良い。本実施形態では、2つの固定端子10W,10X(詳細には互いの中心線)はX軸方向について同じ位置にある。
固定端子ユニット85の詳細を説明する前に、継電器5の動作について説明する。コイル44に通電すると、可動鉄心72が固定鉄心70に吸引される。これにより、可動鉄心72が第2のばね64の付勢力に抗して固定鉄心70に近づき、固定鉄心70に当接する。可動鉄心72が上方向に移動することで、可動鉄心72に固定されたロッド60も上方向に移動する。これにより、可動接点58が対応する固定接点18と接触する。
両接点18,58の接触した状態において、第1のばね62は、継電器5のOFF状態の場合よりも所定量だけ圧縮される。所定量とは、以下の式(1)で表される。
所定量=DA−DB 式(1)
ここで、DAは、継電器5のOFF状態における固定鉄心70と可動鉄心72との移動方向D1に沿った間隔である。また、DBは、継電器5のOFF状態における可動接点58と固定接点18との移動方向D1に沿った間隔である。ここで、本実施形態では、距離DAは、距離DBよりも長い。
第1のばね62が所定量だけ圧縮されることで、第1のばね62の付勢力によって、可動接点58が固定接点18に加える圧力を増加させることができる。これにより、両接点18,58の接触を安定に維持できる。よって、2つの固定端子10W,10Xの可動接触子50を介した電気的な接続が安定して維持できる。可動接点58が固定接点18に接触することで、図2に示すように、可動接触子50を経由して一方の固定端子10W(固定端子10X)から他方の固定端子10X(固定端子10W)に電流Iが流れる。
一方、コイル44への通電が遮断されると、主に第2のばね64の付勢力により可動鉄心72が固定鉄心70から離れるように下方向に移動する。これにより、ロッド60の規制部60bに押されて可動接触子50も下方向(固定接点18から離れる方向)に移動する。これにより、各可動接点58が各固定接点18から引き離され、2つの固定端子10間の電気的な接続が遮断される。
図4は、固定端子ユニット85の拡大図である。なお、図4には理解の容易のために、第1の容器20の一部も図示している。固定端子10は、略円柱形状である。固定端子10は、フランジ部13と、本体部14と、固定接触部19とを有する。
フランジ部13は、第1の容器20の外側に配置されている。フランジ部13には、電気回路1の配線を接続するための接続口12が形成されている。フランジ部13は、固定端子台30に気密に接合されるダイヤフラム部17を有する。ダイヤフラム部17は、本体部14を取り囲むように形成されている。なお、ダイヤフラム部17は、固定端子10の他の部位と同じ部材で形成しても良いし、他の部材で形成しても良い。本体部14は、フランジ部13から水平方向に沿って延びる。本体部14は、開口側面部23の貫通孔22を通る。本体部14のうち、第1の容器20の内側に位置する部分を内側部14bと呼び、第1の容器20の外側に位置する部分を外側部14aと呼ぶ。内側部14bは、第1の容器20の内側に突出する方向(Y軸正方向)に延び、外側部14aは、第1の容器20の外側に突出する方向(Y軸負方向)に延びる。固定接触部19は、本体部14のうちフランジ部13が配置された側とは反対側の端部に接続されている。固定接触部19は、気密空間100のうち第1の容器20の内側に配置されている。固定接触部19は、可動接触子50と移動方向D1について対向する。固定接触部19は、可動接触子50と接触するための固定接点18を形成する。固定接触部19は、固定端子10の他の部分と同様に銅を含む金属材料で形成しても良いし、アークによる損傷をより抑制するために耐熱性のより高い材料(例えば、タングステン)で形成しても良い。
固定端子台30は、絶縁性の部材である。固定端子台30は、例えば、アルミナやジルコニア等により形成されたセラミックを用いることができる。固定端子台30は、第1の容器20と固定端子10との絶縁を図る。固定端子台30は、平板状である。固定端子台30には、貫通孔31が形成されている。貫通孔31には、本体部14の外側部14aが通る。すなわち、固定端子台30は、外側部14aの周囲を取り囲むように配置されている。固定端子台30は、第1の容器20と対向する第1面38と、第1面38とは反対側の第2面39とを有する。第2面39は、他の部分よりもフランジ部13側に突出した凸部39aを有する。固定端子台30の第2面39は、ダイヤフラム部17と気密に接合されている。この接合は、ろう付けによって行われている。本実施形態では、凸部39aの表面とダイヤフラム部17とがろう付けによって接合されている。ろう材としては、銀ろう等が用いられる。ろう付け等のろう接は、固定端子台30の外表面にメタライズを施し、このメタライズの表面に、メッキや金属ペースト層を介して行うことができる。具体的には、固定端子台30の外表面のうち、ろう接を行う部分にスクリーン印刷や筆塗り等によってモリブデンやタングステン等の高融点金属粉のペーストを塗布した後に、加湿した還元雰囲気にてメタライズ焼成を行う。次に、ろう付けや半田付け等のろう接による接合を容易にするために、焼成したメタライズ上に電解メッキ又は無電解メッキを施すことでニッケル等のメッキ層を形成する。そして、上記工程によって金属濡れ性が向上したメッキ層上に、ろう付けや半田付け等のろう接によって金属部材(この場合、ダイヤフラム部17)を接合する。固定端子台30の外表面には複数の溝33pが形成されている。溝33pは、課題を解決するための手段に記載の「凹部」に相当する。
中間部材57は、コバールや42−アロイ等の低熱膨張材料から構成される金属製の部材である。中間部材57は、円筒形状の部材である。中間部材57は、固定端子台30と第1の容器20との間に配置されている。中間部材57は、本体部14の周囲のうち固定端子台30よりも固定接点18側に位置する部分を取り囲む。中間部材57は、固定端子台30側に位置する一端部54と、第1の容器20側に位置する他端部52とを有する。一端部54は、水平方向に沿って延びる。他端部52は一端部54から開口側面部23に沿って屈曲する。他端部52は、一端部54から径方向外側に拡径した部分である。一端部54の端は、固定端子台30の第1面38にろう付けによって気密に接合される。ろう材としては、銀ろう等が用いられる。ろう付け等のろう接の具体的方法は、固定端子台30とダイヤフラム部17との接合方法と同様である。他端部52は、開口側面部23のうち貫通孔22の周辺部と気密に接合される。他端部52は、第1の容器20(詳細には、開口側面部23)と気密に接合されている。中間部材57と第1の容器20とは、ろう接以外の接合方法によって接合される。中間部材57と第1の容器20とは、融接又は圧接によって接合される。また、中間部材57と第1の容器20とは、レーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接、アーク溶接、超音波金属接合、圧入接合、又は、かしめ接合によって接合しても良い。
図5は、継電器5の製造フローである。第1の容器20に中間部材57を接合する前に、固定端子ユニット85を準備する(ステップS10)。また、第1の容器20を準備する(ステップS20)。次に、固定端子ユニット85を、第1の容器20に接合する(ステップS30)。詳細には、貫通孔22(図4)に本体部14を通して固定接点18を第1の容器20の内側に配置する。そして、固定端子ユニット85によって貫通孔22を覆うように、中間部材57を第1の容器20に気密に接合する。なお、ステップS10,S20の順番は任意である。上記のごとく、固定端子ユニット85が第1の容器20に気密に接合されることで、気密空間100内の気体(例えば、水素)が外部に漏れ出すことを防止できる。
図6は、永久磁石120について説明するための図である。ここで、図6は、継電器5の一部を破断した図であり、継電器5の上側部分を示している。図2と図6を用いて永久磁石120について説明する。図6に示すように、永久磁石120は、板状の部材である。2つの永久磁石120W,120Xは、2つの固定端子10W,10Xに対応して設けられている。2つの永久磁石120W,120Xは、第1の容器20の内側に配置されている。また、永久磁石120は、固定端子10のうち本体部14の真下に配置されている。また、第1の容器20内における2つの永久磁石120W,120Xによって形成される磁束Btの向きは、2つの固定端子10W,10Xが対向する対向方向(Y軸方向)の成分を有する。本実施形態では、可動接触子50を挟んで永久磁石120WのN極と永久磁石120XのS極とが対向する。すなわち、2つの永久磁石120W,120Xは、可動接触子50を挟んで対向方向(Y軸方向)について異極同士が対向するように配置されている。
永久磁石120は、切り欠き部124を有する。切り欠き部124の形状は、本体部14の外形形状に対応している。本実施形態では、切り欠き部124の形状は、半円状である。切り欠き部124は、永久磁石120のうち固定端子10と対向する上面部に形成されている。切り欠き部124は、固定端子10の一部(詳細には本体部14の一部)を受け入れている。図2に示すように、永久磁石120は、継電器5のOFF状態において、少なくとも可動接触子50よりも上側まで位置する。
固定端子10Wから固定端子10Xに電流Iが流れる第1の場合において、永久磁石120の作用を以下に述べる。図2に示すように、接点18,58の開閉時にアークが発生した場合、発生したアークがX軸方向に沿って引き伸ばされる。詳細には、固定端子10W側の接点18,58間で発生するアーク(「第1のアーク」とも呼ぶ。)と、固定端子10X側の接点18,58間で発生するアーク(「第2のアーク」とも呼ぶ。)とは、互いに逆向き、かつ、平行なローレンツ力を永久磁石120から受ける。詳細には、第1のアークが受けるローレンツ力は、X軸正方向に沿った力である。第2のアークが受けるローレンツ力は、X軸負方向に沿った力である。これにより、第1のアークはX軸正方向側に引き伸ばされ、第2のアークはX軸負方向側に引き伸ばされる。次に、固定端子10Xから固定端子10Wに電流Iが流れる第2の場合において、永久磁石120の作用を以下に述べる。この場合、第1のアークはX軸負方向に沿ったローレンツ力を受け、第2のアークはX軸正方向に沿ったローレンツ力を受ける。これにより、第1のアークはX軸負方向側に引き伸ばされ、第2のアークはX軸正方向側に引き伸ばされる。
図7は、可動接触子50の構成について説明するための図である。図7には、継電器5のうち、固定端子10,可動接触子50,ロッド60,及び,第2の容器78を示している。可動接触子50は、移動方向D1に沿った方向から見た場合に、略矩形状である。可動接触子50は、4つの回転規制部55を有する。回転規制部55は、略矩形状の4隅の位置に配置され、外方に突出する。可動接触子50は、外部からの衝撃などによってロッド60を中心軸として矢印Rの向きに回転する場合がある。この場合、回転規制部55は、第2の容器78に当たる。これにより、可動接触子50の回転を所定範囲内に制限できる。
A−2.効果:
上記のごとく、継電器5の第1の容器20は、金属製の部材である。これにより、曲げ加工やプレス加工などの金属加工によって第1の容器20の製造工程を、セラミックを用いる場合に比べ簡略化できる。また、絶縁性の固定端子台30が固定端子10に気密に取り付けられ、金属製の中間部材57が固定端子台30と第1の容器20に気密に接合されている。これにより、固定接点18および可動接触子50が配置される気密空間100を容易に形成できる。気密空間100を形成することで、水素などのガスを所定圧(例えば、2気圧)に維持できる。
また、固定端子ユニット85を準備した後に、固定端子ユニット85の中間部材57を第1の容器20に接合している(図5のステップS30)。ここで、固定端子ユニット85の中間部材57と、第1の容器20とはそれぞれ金属製である。よって、ろう接以外の接合方法で両部材20,57を接合できる。一方、固定端子ユニットのうち、固定端子台30と固定端子10との接合、及び、固定端子台30と中間部材57との接合は、ろう接の一種であるろう付けによって行われる。一般に、ろう付け、又は、半田付けのようにろう接を用いた部材同士の接合よりも、融接や圧接を用いた部材同士の接合の方が、部材間の位置決めを精度良くできる。ろう接では、部材間にろう材を配置した後に、炉内でろう材を溶かして部材間を接合する。ろう接の際の炉内の温度は、高温(例えば、600℃〜950℃)になる。これにより部材全体が加熱される。よって、部材間の熱膨張差が大きくなるため、部材間が設計された位置からずれる可能性がある。これに比べ、ろう接以外の接合方法である融接又は圧接では、接合部分周辺の加熱は行われるが、部材全体が加熱されることを防止できる。よって、部材間の熱膨張差は小さい。これにより、融接又は圧接は、ろう接に比べ、接合の際に部材間が設計された位置からずれる可能性を低減できる。よって、第1の容器20に対する固定端子10の位置ズレを抑制できるため、接点間距離が設計された値からずれる可能性を低減できる。
固定端子ユニット85を第1の容器20に接合することで、第1の容器20の内側における固定接点18の位置が決定される。すなわち、固定端子ユニット85を第1の容器20に接合する工程(ユニット接合工程,図5のステップS30)は、固定接点18と対応する可動接点58との距離(接点間距離)を決定する工程である。本実施形態では、ろう付けを経て作製される固定端子ユニット85を準備した後に、固定端子ユニット85を第1の容器20にろう接以外の接合方法で接合している。これにより、接点間距離が設計された値からずれる可能性を低減できるため、継電器5の2つの接点間距離のばらつきの発生を低減できる。これにより、接点バウンスを抑制できる。例えば、接点バウンスが生じている時間(「バウンス時間」ともいう。)を短縮又はゼロにできる。
また、上記実施形態では、中間部材57の他端部52が、一端部54から開口側面部23に沿って屈曲している(図4)。これにより、融接又は圧接によって接合を行う部分の面積を大きくできる。これにより、中間部材57の第1の容器20への接合を容易にできる。また、中間部材57のうち一端部54の端が固定端子台30にろう付けによって接合されている(図4)。これにより、中間部材57のうち、ろう付け部分によって接合される部分の面積を小さくできる。ろう付け部分の面積を小さくすることで、ろう付けをより確実に行うことができる。
また、上記実施形態では、第1の容器20内における磁束Btの向きが対向方向(Y軸方向)成分を有する。これにより、磁束Btのうち対向方向成分の磁束によって一方の接点18,55間で発生するアークと、他方の接点18,55間で発生するアークとを、常に互いに逆向きであって遠ざかる方向に引き伸ばすことができる。よって、アーク同士が衝突する可能性を低減できるため、2つの固定端子10W,10X間がアークによって導通する可能性を低減できる。
また、上記実施形態では、固定端子台30と固定端子10とのろう付け部分は、固定端子台30の第2面39に形成されている(図4)。第2面39は、第1の容器20の内側を向いた第1面38とは反対側の面である。これにより、第1の容器20の内側で発生したアークが、両部材30,10のろう付け部分に到達する可能性を低減できる。よって、ろう付け部分がアークに当たって破損する可能性を低減できるため、継電器5の耐久性を向上できる。
また、上記実施形態では、永久磁石120が固定端子10の一部を受け入れる切り欠き部124を有する(図6)。そして、固定端子10の一部が切り欠き部124内に配置されている(図6)。永久磁石120が切り欠き部124を有することで、第1の容器20の内側の空間を有効に利用して、可動接点58と対向する永久磁石120の面積を増大できる。これにより、永久磁石120の厚みを増加させることなく、所定領域における磁束密度を高めることができる。ここで、所定領域とは、第1の容器20の内側のうち、固定接点18と対応する可動接点58とが位置する領域である。
また、上記実施形態によれば、固定端子台30は、外表面に凸部39aを有する(図4)。これにより、凸部39aにろう材やメタライズ層等のろう接工程に用いられる材料を容易に凸部39aに形成できる。これにより、ろう接工程の作業効率を向上でき、継電器5の生産性を向上できる。
また、上記実施形態によれば、固定端子台30の外表面には複数の溝33pが形成されている(図4)。これにより、固定端子台30の外表面を通って中間部材57から固定端子10に至る距離を長くできる。よって、固定端子台30のサイズを大きくすることなく、2つの固定端子10W,10Xが中間部材57及び第1の容器20を介して導通する可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、ベース部材32と、第1の容器20の開口下端部27とは、それぞれの側面(開口側面部28、ベース側面部33)によって互いに接合されている。これにより、継電器5の製造過程において、接点間距離を調整できる。具体的には、固定端子ユニット85が接合された第1の容器20と、可動接触子50及びロッド60が固定されたベース部材32とを接合する場合を想定する。この場合、両部材20,32を接合する際に、開口側面部28とベース側面部33との移動方向D1における位置関係をずらすことで、接点間距離を微調整できる。よって、接点間距離を設計された値からずれる可能性を更に低減できる。
また、上記実施形態によれば、可動接触子50は第2の容器78に当たる回転規制部55を有する(図7)。これにより、ロッド60を中心軸とした可動接触子50の回転を所定範囲内に制限できる。これにより、固定接点18に対する可動接点58の位置ずれを抑制できる。両接点18,58の位置ずれを抑制することで、継電器5が閉成状態(ON状態)の時に、両接点18,58が非接触状態となる可能性を低減できる。
B.変形例:
B−1.第1変形例:
2つの永久磁石120W,120Xを磁性体の金属部材で囲っても良い。これにより、第1の容器20内の磁束密度を更に高めることができ、アークの消弧をより一層促進できる。例えば、第1実施形態の継電器5において、第1の容器20を磁性体で形成することで、磁束密度を高めることができる。
B−2.第2変形例:
図8は、第2変形例を説明するための図である。図8に示すように、可動接触子50のうち、固定端子10と対向する側に磁性体79を配置しても良い。以下に磁性体79の効果を説明する。図8に示すように、継電器5のON状態では、可動接触子50の奥側から手前側に向かう方向(+Y軸方向)に電流が流れている。この電流を中心に反時計回りの磁束Baが発生する。ここで、可動接触子50の上側に磁性体79が配置されることで、磁束Baが磁性体79側に引き寄せられる。これにより、可動接触子50の上側が下側よりも磁束密度が高くなる。上側の磁束密度が高くなることで、可動接触子50を流れる電流に対し上向きのローレンツ力Fp(「吸引力Fp」ともいう。)が発生する。このローレンツ力Fpは、可動接触子50を固定接点18に近づける方向に作用するため、固定端子10と可動接触子50との接触をより安定に維持できる。特に、可動接触子50に大電流(例えば、5000A以上)が流れた場合、いわゆる電磁反発力が大きくなり固定端子10と可動接触子50との接触を維持することが困難となる場合がある。しかしながら、磁性体79によって、吸引力Fpを生じさせることで第1のばね62の付勢力を大きくすることなく,固定端子10と可動接触子50との接触をさらに安定に維持できる。なお、磁性体79は、コイル44の通電によって移動する部材(可動接触子50,第1のばね62,ロッド60,可動鉄心72)に固定されていないことが好ましい。例えば、磁性体79は、第1の容器20に固定される。
B−3.第3変形例:
継電器5は、第1の容器20及びコイル用容器40を覆うケースを備えても良い。ケースは樹脂製であっても良い。これにより、ケースに収容された継電器5の構成部材が破損する可能性を低減できる。また、ケースに収容された構成部材と、ケースとの間に、シリコンゴムなどの防振部材を配置しても良い。これにより、継電器5が振動によって破損する可能性を低減できる。
B−4.第4変形例:
上記実施形態では、固定端子台30の外表面には、凹部としての溝33pが形成されていたが(図4)、溝33pに代えて凸部を形成しても良い。また、溝33pと凸部の両方を外表面に形成しても良い。このようにしても、固定端子台30の外表面を通って中間部材57から固定端子10に至る距離を長くできる。
B−5.第5変形例:
上記実施形態において、ろう付けによって接合されていた部材間の接合は、ろう付けに代えて半田付けを用いても良い。すなわち、中間部材57と固定端子台30との接合、および、固定端子10と固定端子台30との接合にはろう接を用いることができる。このようにしても上記実施形態と同様の効果を奏する。例えば、第1の容器20に対する固定端子10の位置ズレを抑制できるため、接点間距離が設計された値からずれる可能性を低減できる。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…電気回路
2…蓄電池
3…電流変換装置
4…モータ
5…継電器
10(10W,10X)…固定端子
12…接続口
13…フランジ部
14…本体部
14a…外側部
14b…内側部
17…ダイヤフラム部
18…固定接点
19…固定接触部
20…第1の容器
21…上底部
22…貫通孔
23…開口側面部
25…上蓋
27…開口下端部
28…開口側面部
30…固定端子台
31…貫通孔
32…ベース部材
33…ベース側面部
33p…溝
34…貫通孔
38…第1面
39…第2面
39a…凸部
40…コイル用容器
42…コイルボビン
44…コイル
50…可動接触子
52…他端部
54…一端部
55…回転規制部
57…中間部材
58…可動接点
60…ロッド
60a…軸部
60b…規制部
62…第1のばね
64…第2のばね
69…通気パイプ
70…固定鉄心
70h…貫通孔
72…可動鉄心
72h…貫通孔
74…固定部材
78…第2の容器
79…磁性体
80…鉄心用容器
80a…底面部
80b…筒部
80c…フランジ部
82…ガイド部
85…固定端子ユニット
86…ゴム
87…底板
90…駆動機構
92…容器
100…気密空間
102…台座部
104…E型止め輪
110…取付機構
120(120W,120X)…永久磁石
124…切り欠き部
I…電流
D1…移動方向
DA…距離
DB…距離
Ba…磁束
Fp…ローレンツ力(吸引力)
Bt…磁束

Claims (10)

  1. 固定接点をそれぞれ有する2つの固定端子と、
    前記各固定接点にそれぞれ対応する2つの可動接点を有する可動接触子と、
    前記固定接点に前記可動接点を接触させるために、前記可動接触子を移動させる駆動機構と、を備える継電器において、
    前記可動接触子の移動方向と交差する上底部と、前記上底部の周縁部から前記移動方向に沿って延び、前記固定端子が通る貫通孔が形成された側面部と、を有し、内側に形成された気密空間に前記可動接触子と前記固定接点とを収容する金属製の第1の容器と、
    各々の前記固定端子のうち前記第1の容器の外側に突出する方向に延びる外側部の周囲を取り囲むように前記固定端子に気密に取り付けられた絶縁性の固定端子台と、
    前記外側部の前記周囲を取り囲み、前記固定端子台と前記第1の容器とにそれぞれ気密に接合された金属製の中間部材と、を備え、
    前記中間部材は、ろう接によって前記固定端子台に接合されている、ことを特徴とする継電器。
  2. 請求項1に記載の継電器において、
    前記中間部材は、融接又は圧接によって前記第1の容器に接合されている、ことを特徴とする継電器。
  3. 請求項2に記載の継電器において、
    前記中間部材は、
    前記固定端子台に接合される一端部と、
    前記一端部から前記側面部に沿って屈曲し、前記側面部に接合される他端部と、を有する、ことを特徴とする継電器。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の継電器において、
    前記移動方向と直交する方向について、前記2つの固定端子は対向して配置され、
    前記継電器は、さらに、
    前記固定接点と、対応する前記可動接点との間で生じるアークを消弧するための磁石を有し、
    前記第1の容器内における前記磁石の磁束の向きは、前記2つの固定端子が対向する対向方向の成分を有する、ことを特徴とする継電器。
  5. 請求項4に記載の継電器において、
    前記磁石は、前記固定端子の一部を受け入れる切り欠き部を有し、
    前記固定端子の一部は、前記切り欠き部内に配置されている、ことを特徴とする継電器。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の継電器において、
    前記固定端子台は、外表面に凸部を有し、
    前記凸部の表面と前記固定端子とがろう接されることによって、前記固定端子台が前記固定端子に接合されている、ことを特徴とする継電器。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の継電器において、
    前記固定端子台の外表面には凹部と凸部の少なくともいずれか一方が形成されている、ことを特徴とする継電器。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の継電器において、
    前記第1の容器は、さらに、
    前記側面部に接続され、前記上底部と対向する側に開口を規定する開口下端部を有し、
    前記継電器はさらに、
    前記開口下端部と気密に接合され、前記第1の容器と共に前記気密空間を形成するベース部材を有し、
    前記開口下端部と前記ベース部材とは、前記移動方向に沿ったそれぞれの側面において接合されている、ことを特徴とする継電器。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の継電器において、
    前記駆動機構は、
    前記可動接触子に挿通されたロッドを有し、
    前記可動接触子は、前記ロッドを中心として回転した場合に、前記継電器を構成する他の部材に当たることによって前記可動接触子の回転を規制する回転規制部を有する、ことを特徴とする継電器。
  10. 固定接点をそれぞれ有する2つの固定端子と、
    前記各固定接点にそれぞれ対応する2つの可動接点を有する可動接触子であり、駆動機構によって移動することで前記2つの固定端子と接触する可動接触子と、を備える継電器の製造方法において、
    (a)前記固定端子と、絶縁性の固定端子台と、金属製の中間部材とを備える固定端子ユニットを準備する工程と、
    (b)前記可動接触子と前記固定接点とを内側に収容するための第1の容器であり、金属製の第1の容器を準備する工程と、を備え、
    前記第1の容器は、前記可動接触子の移動方向と交差する上底部と、前記上底部の周縁部から前記移動方向に沿って延び、前記固定端子が通る貫通孔が形成された側面部と、を有し、
    前記固定端子は、所定方向に延びる本体部であり、前記貫通孔に通された本体部を備え、
    前記固定端子台は、前記本体部の周囲を取り囲むように前記固定端子に気密に取り付けられ、
    前記中間部材は、前記本体部の前記周囲のうち前記固定端子台よりも前記固定接点側に位置する部分を取り囲み、前記固定端子台にろう接によって気密に接合され、
    前記製造方法は、さらに、
    (c)前記貫通孔に前記本体部を通して前記固定接点を前記第1の容器の内側に配置した後に、前記固定端子ユニットによって前記貫通孔を覆うように、前記中間部材を前記第1の容器に接合する工程、を有する、ことを特徴とする製造方法。
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