JP2005049696A - 表面処理剤及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

表面処理剤及びカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 撥水・撥油化する部分と親水化する部分のパターン形成を簡易に、かつ低コストで行うことを可能とする表面処理剤と、上記表面処理剤を用いたカラーフィルタの製造方法とを提供する。
【解決手段】 式(1)に記載の光分解性化合物を含む表面処理剤を使用する。
【化15】
Figure 2005049696


上式(1)中、R1は炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子、Xは−Cl、−Br、−I、−OR3、−NCO又は−NH2からなる群から選択されるいずれか、R3は炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子、nは0〜2のいずれかの整数、MはSi、Ti、Zrからなる群から選択されるいずれかの元素、R2は炭素数1〜15の2価の炭化水素基、Yは−COO−又は−O−のいずれか、Zは式(2)又は式(3)の置換基である。
【化16】
Figure 2005049696


【化17】
Figure 2005049696



式(2)、(3)中、R4は炭素数1〜15のアルキル基又は水素原子、Rfはフッ素を含む炭化水素基である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面処理剤及びカラーフィルタの製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイなどの平面ディスプレイ、電子回路の製造など、数μm〜100μmの精密なパターンを形成することが要求される製品の製造方法では、フォトレジストなどの感光性樹脂を用いるフォトリソグラフィー法が採用されている。
フォトリソグラフィー法は、基板上の膜形成、フォトレジストの塗布、露光、現像、上記形成膜のエッチング、フォトレジストの除去の工程を有するものである。
液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタとは、基板上に、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の三原色の着色層が並設されているフィルタをいう。
具体的には、例えば、透明基板上にブラックマトリックスが形成され、その透明基板の露出部にRGBの層が形成されたもの、さらにその上に必要に応じてオーバーコート層が設けられたもの、さらに、次いでその上に透明電極が形成されているもの、及びそれらの構成を基本としてさらに付加的な層を有するものをいう。
カラーフィルタの製造方法の具体例としては顔料分散法があり、これはフォトレジストに顔料を分散させ、着色数分フォトリソグラフィー法を繰り返し行うことによって、着色パターンを形成する工程を有する。顔料分散法はパターニング精度が良好であるため工業上利用価値が高いが、工程数が多く、高価なフォトレジストを大量に用いるため、製造工程に非常に多くのコストがかかる。
これに対して、コストダウンを図るために、印刷法やインクジェット法を用いて着色パターンを直接基板に形成することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、印刷法やインクジェット法を実施した場合、着色パターンの描画精度が10μm前後にとどまり、着色パターンの高精度化を行うことができない。そのため、印刷法やインクジェット法の事前処理として、着色層を仕切るためのブラックマトリックスを形成し、その上に撥水・撥油処理を行うか、又は基板の露出部分に親水処理を行うことが必要である。
具体的には、基板上に遮光性を有するブラックマトリックスを形成した後、基板のブラックマトリックスを形成した面全体にシリコーン系又はフッ素系の低表面エネルギーの界面活性剤や樹脂層を塗布して撥水・撥油化を行う第1工程、ブラックマトリックスの開口部に紫外線を照射して基板の露出部分に付着した上記界面活性剤や上記樹脂層を取り除く第2工程を有する事前処理を行う方法がある(特許文献2参照)。この方法では、精度良く使用するためには実際、基板の露出部分を別途、親水処理剤を用いて親水処理しなければならない。
また、基板にブラックマトリックスを形成した面側の基板の露出部分を酸素ガスプラズマ処理で親水化し、次いで同一面のブラックマトリックス上部をフッ素系ガスプラズマ処理で撥水・撥油化する方法もある(特許文献3参照)。
特開昭59-75205号公報 特開昭63-66501号公報 国際公開WO 99/48339号パンフレット
特許文献2に開示された方法では、撥水・撥油処理剤のほかに親水処理剤が必要であり、それぞれを塗布する工程を含むため煩わしさがある。また、特許文献3に開示された方法では、プラズマ処理を行うために、高価な真空機器を必要とされる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撥水・撥油化する部分と親水化する部分のパターン形成を簡易に、かつ低コストで行うことを可能とする表面処理剤と、上記表面処理剤を用いたカラーフィルタの製造方法とを提供することを目的とする。
本発明にかかる表面処理剤は、一般式(1)に記載の光分解性化合物を含む表面処理剤である。
Figure 2005049696

上記一般式(1)中、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子であって、R1が複数のときは、R1が同一でも異なっていてもよい。Xは−Cl、−Br、−I、−OR3、−NCO又は−NH2からなる群から選択されるいずれかであって、Xが複数のときは、Xが同一でも異なっていてもよい。R3は置換基を有してもよい炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子、nは0〜2のいずれかの整数、MはSi、Ti、Zrからなる群から選択されるいずれかの元素、R2は置換基を有してもよい炭素数1〜15の2価の炭化水素基、Yは−COO−又は−O−のいずれかの連結基、Zは下記一般式(2)又は一般式(3)の置換基である。
Figure 2005049696
Figure 2005049696

上式一般式(2)、一般式(3)中、R4は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基又は水素原子であって、互いに同一でも異なってもよい。Rfはフッ素を含む炭化水素基である。
このような光分解性化合物を含む表面処理剤を親水性の基材表面に塗布した場合、上記表面処理剤に含まれる光分解性化合物中のXは加水分解反応によって水酸基に置換され、この水酸基と基材表面の水酸基との脱水縮合反応によって基材と光分解性化合物とが結合し、Rfが基材と離れた側に配置される。これによって基材表面にRfが露出した状態となる。Rfは撥水・撥油性を有するため、この状態での基材表面は撥水・撥油性となる。ここで上記表面処理剤を塗布した基材表面の領域Aに露光を行うと、光が照射された領域Aでの光分解性化合物が光分解反応を起こし、Y−Z間の結合が切れる。これによって、Zの部分が解離して除去されるとともに、Yの部分がカルボン酸又は水酸基となるため、領域Aではカルボン酸又は水酸基が並んだ状態になる。カルボン酸又は水酸基は親水基であるため、この状態での領域Aの基材表面は親水性となる。一方、基材表面の未照射の領域Bは撥水・撥油性のまま維持される。こうして、基材表面の光照射部(領域A)は親水性となり、基材表面の未照射部(領域B)は撥水・撥油性となる。これにより、光照射をコントロールすることによって、基材表面に撥水・撥油化された部分と親水化された部分のパターン形成を簡易に、かつ低コストで行うことができる。
また、上記表面処理剤は、MがSi、Yが−COO−又は−O−、Zが一般式(2)である光分解性化合物を含むことが好ましい。MがSiであると、基材表面と光分解性化合物との間に安定な結合が形成される。また、Zが一般式(2)であると、表面処理剤の光分解脱離の反応性が向上する。これらによって、より優れた上記パターン形成を行うことができる。
本発明にかかるカラーフィルタの製造方法は、透明な基板の一方の面上に、上記基板の一部を露出させると共に光を遮る遮光層を形成する工程と、上記遮光層及び上記基板の露出された部分に上記表面処理剤を塗布する工程と、上記基板の他方の面から光を照射して上記基板の露出された部分に塗布された表面処理剤を光反応させる工程と、上記基板の露出された部分に着色インクを充填する工程とを含むことを特徴とする。
これによれば、上記表面処理剤を透明基板の遮光層を有する面に全面塗布し、その背面から光照射することにより、遮光層によって表面処理剤に光照射されない領域は撥水・撥油性を維持し、遮光層がなく表面処理剤に光照射される領域のみ親水化する。そして、遮光層のない親水化された領域に着色インクを滴下すると、インクの広がりは遮光層の位置で遮断されるため、色ムラが生じにくい鮮明なカラーフィルタの画素を好適に形成することができる。
以上の工程は、真空のような特殊な環境を必要とせず、特殊な機器を必要としないため、カラーフィルタ製造工程の低コスト化を図ることができる。また、前記表面処理剤を用いれば、撥水・撥油化と親水化の両方を行うことができるため、撥水・撥油処理剤と親水処理剤を用いてそれぞれ処理する方法よりも簡易にカラーフィルタを製造することができる。
このように、本発明における表面処理剤を用いれば、基材表面に撥水・撥油部と親水面のパターンを簡易に形成することができるため、インク処理を好適に行うことができる。また、上記表面処理剤を用いてカラーフィルタを容易に、かつ低コストで製造することが可能である。
本実施形態にかかる表面処理剤は以下の一般式(1)で表される光分解性化合物を含む。
Figure 2005049696

上記一般式(1)中のR1は置換基を有してもよい炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子であって、R1が複数のときは、R1が同一でも異なっていてもよい。nは0〜2のいずれかの整数である。
R1の炭化水素基としては、例えばアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などの有機基が挙げられる。具体的には、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などの炭素数1〜15の炭化水素基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基などの炭素数7〜15の炭化水素基が挙げられる。アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基などの炭素数2〜10の炭化水素基が挙げられる。
また、上記のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基はさらに置換基を有していてもよく、かかる置換基としては例えば水酸基、炭素数1〜15のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などが挙げられる。
Xは−Cl、−Br、−I、−OR3、−NCO又は−NH2からなる群から選択されるいずれかであって、Xが複数のときは、Xが同一でも異なっていてもよい。また、R3は置換基を有してもよい炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子である。具体的にはR1と同様のものが挙げられる。
MはSi、Ti、Zrからなる群から選択される元素である。中でも、とりわけSiが光照射前の安定性、及び、基材表面と表面処理剤との結合安定性が良好であるため好適である。
R2は置換基を有してもよい炭素数1〜15の2価の炭化水素基である。R2としては、例えば炭素数1〜15のアルキレン基が挙げられる。かかるアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
また、上記アルキレン基には以下の置換基が導入されていてもよい。すなわち、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アシルオキシ基などが挙げられる。また、上記置換基として水酸基又は−Cl、−Brなどのハロゲン原子を有していてもよい。
具体的には、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜10の置換基が挙げられる。水酸基で置換されている場合のアルキル基としては、例えばヒドロキシルエチル基、ヒドロキシルプロピル基などの炭素数1〜10の置換基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜10の置換基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜15の置換基が挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基などの炭素数7〜15の置換基が挙げられる。アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基などの炭素数2〜10の置換基が挙げられる。アシルオキシ基としては、例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜10の置換基が挙げられる。
Yは−O−、−COO−からなる群から選択される置換基である。−COO−では、炭素原子がR2側に結合している。
Zは下記一般式(2)又は一般式(3)の置換基である。
Figure 2005049696
Figure 2005049696

上記一般式(2)、一般式(3)中のR4は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基又は水素原子であって、互いに同一でも異なってもよい。R4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。また、上記アルキル基には、水酸基、アミノ基、アルコキシ基等の置換基が導入されていてもよい。
上記一般式(2)、一般式(3)中のRfはフッ素を含む炭化水素基である。かかるRfは、炭素数1から50を有する構造が好ましく、例えば、フッ素を含有するアルキル基、アルキレン基、アリール基がある。
また、上記一般式(2)、一般式(3)中のRfは、例えば−CnF2n+1(n=1〜50)のパーフルオロアルキル基、−CnF2n−(n=1〜50)のパーフルオロアルキレン基、また、この中の1つ又は複数のフッ素原子をCnF2n+1鎖で置換した枝分かれの第1のタイプのパーフルオロアルキル基、芳香環の水素原子のうち一部または全部をF又はCnF2n+1で置換した第2のタイプのパーフルオロアルキル基、−CF=CF2のフッ素原子のうち一部又は全部をCF3で置換した第3のタイプのパーフルオロアルキル基などが挙げられる。その炭素鎖長は、好ましくはn<20、より好ましくは3<n<15である。
上記第2のタイプとしては、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、パーフルオロベンゼン、フルオロフェノール、及びその誘導体が好ましい。ここでZとしては、表面処理剤の光分解脱離の反応性向上の観点から一般式(2)を有することが好ましい。
上記の光分解性化合物を、一般溶剤のNMP(N−メチル-ピロリドン)溶液やPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液に溶解させることによって表面処理剤を作製することができる。
このような表面処理剤を親水性の基材表面に塗布した場合、表面処理剤に含まれる一般式(1)の光分解性化合物中のXは加水分解反応によって水酸基に置換され、この水酸基と基材表面の水酸基との脱水縮合反応によって基材と光分解性化合物とが結合し、Rf(図1(a)では、−CH2CF2CF3)が基材と離れた側に配置される。これによって基材表面にRfが露出した状態となる。Rfは撥水・撥油性を有するため、この状態での基材表面は撥水・撥油性となる。ここで上記表面処理剤を塗布した基材表面の領域Aに露光を行うと、光が照射された領域Aに結合した光分解性化合物が光分解反応を起こし、Y−Z間の結合(図1(a)では、o−ニトロベンジル−酸素結合)が切れる。これによって、Zの部分が解離して除去されるとともに、Yの部分がカルボン酸又は水酸基となるため、領域Aではカルボン酸又は水酸基が並んだ状態になる。カルボン酸又は水酸基は親水基であるため、この状態での領域Aの基材表面は親水性となる。すなわち、領域Aは親水性の表面処理剤によって表面上が親水化された状態となる(図1(b)参照)。一方、基材表面の未照射の領域Bは撥水・撥油性のまま維持される。こうして、基材表面の光照射部(領域A)は親水性となり、基材表面の未照射部(領域B)は撥水・撥油性となる。これにより、光照射をコントロールすることによって、基材表面に撥水・撥油化された部分と親水化された部分のパターン形成を簡易に、かつ低コストで行うことができる。
次に、上記表面処理剤を用いたカラーフィルタの製造方法について簡単に説明する。
上記表面処理剤を用いたカラーフィルタの製造工程は、添付図面(図2)を参照しながら説明する。
はじめに、透明なガラス基板1上にフォトリソグラフィー法等を用いて遮光性のブラックマトリックス2を形成する(図2(a))。次に、ガラス基板1をアルコールやエーテルなどの溶液に浸漬した後、ブラックマトリックス2を形成した面上に表面処理剤3を全面塗布する(図2(b))。これにより、ブラックマトリックス2上及びガラス基板1の露出部1bに表面処理剤3が付着し、これらの領域が撥水・撥油性となる。ここで図中の表面処理剤3の丸印は撥水・撥油性のRfを示す。
その後、背面側全体に露光を行う(図2(c))。露光に際しては、例えば超高圧水銀ランプ等を用いた場合、ガラスで吸収や反射のロスがあること見込み、直接露光より多めの500〜4000mJ/cm2の紫外線照射を行うことが好ましい。このとき、ブラックマトリックス2上の表面処理剤3は、ブラックマトリックスによって遮光されて光が当たらず、光分解反応は起こらない。一方、基板の露出部1bに直接塗布された表面処理剤3は、光照射によって光分解反応をして親水性の表面処理剤13となる。これにより、ブラックマトリックス2上は撥水・撥油性が維持される一方、基板の露出部1bは親水性となる。
続いて親水性となった基盤の露出部1bに透明インク4を充填する(図2(d))。なお、充填された透明インクは撥水・撥油性を残したブラックマトリックス2上には浸透が及ばない。つづいて、基板を加熱することにより充填した透明インク層の溶媒を除去するとともに、樹脂を硬化し、固化インク15とする(図2(e))。さらに基材表面のブラックマトリックス2を有する面からUV照射し、ブラックマトリックス表面に残存する表面処理剤3を分解し親水化した後、ブラックマトリックス及び固化インク15を有する面上に透明な樹脂性の保護膜5を全面塗布する(図2(f))。以上の工程を行うことにより、カラーフィルタ100を得る。
本実施形態のカラーフィルタの製造方法によれば、プラズマ処理等の特殊な環境を必要とせず、撥水・撥油処理剤と親水処理剤との2液を必要としないため、簡易に、かつ低コストでカラーフィルタを製造することが可能である。
また、本工程では、撥水・撥油処理剤と親水処理剤とを用いて別々に処理することをしないため、インクを着色した際、撥水・撥油化部分と親水化部分の境界で色ムラが生じにくい。
さらに、カラーフィルタは、色の再現性の良さとあわせて透過率が高いことも要求されるのであるが、本実施形態の塗布物は0.5〜5μm程度の厚みであり、着色樹脂層と遮光膜層との重なりに起因する突起がなく、平坦性に優れたカラーフィルタを製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(合成実施例1)
光分解性化合物の形態の1つである下記一般式(4)の5−(トリクロロシリル)ペンタン酸−4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジルの合成例を説明する。
Figure 2005049696

等モルの4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジルアルコールと4−ペンテン酸クロリドを、無水THFに溶解し、ジメチルアミノピペリジンの共存下、室温で反応させた。得られた反応物をエバポレータで濃縮し、濃縮物を希塩酸で溶解したのちCH2Cl2で抽出した。さらに、抽出相を硫酸マグネシウム乾燥した後、シリカゲルカラムで精製し、4−ペンテン酸− 4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジルを合成した。
乾燥窒素気流下、得られた4−ペンテン酸−4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジルと、大過剰のトリクロロシランとを混合させた。これに、微量の塩化白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を添加した後、乾燥窒素気流下、室温で2時間反応させた。反応後、減圧乾燥でトリクロロシランを留去し、目的物を得た。
(合成実施例2)
光分解性化合物の形態の1つである下記一般式(5)の4−(トリクロロシリル)ペンチル=4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジル=エーテルの合成例を説明する。
Figure 2005049696


十分乾燥した反応容器に、乾燥窒素気流下、水素化ナトリウムを仕込み、氷浴中で4−ペンテン−1−オールを滴下し、ついで大過剰の4−ペンテン−1−オールに溶解した4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジルブロマイドを滴下し、室温で24時間反応させた。反応物をエバポレータで濃縮し、2倍量の塩酸で洗浄後、トルエンで抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、シリカゲルカラムで精製し、3−ペンテニル=4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジル=エーテルを合成した。
乾燥窒素気流下、得られた3−ペンテニル=4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジル=エーテルと、大過剰のトリクロロシランとを混合し、微量の塩化白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を触媒として添加後、乾燥窒素流通下、室温にて2時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留でトリクロロシランを留去し、目的物を得た。
(合成実施例3)
光分解性化合物の形態の1つである下記一般式(6)の5−(トリクロロシリル)ペンタン酸−1−[4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロフェニル]エチルの合成例を説明する。
Figure 2005049696

等モルの1−[4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロフェニル]エタノールと、4−ペンテン酸クロリドを、無水THFに溶解し、窒素気流下、ジメチルアミノピペリジンの共存下、室温で反応させた。得られた反応物をエバポレータで濃縮したのち、塩化メチレンで反応物を抽出した。抽出相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、シリカゲルカラムで精製し、4−ペンテン酸−1−[4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロフェニル]エチルを合成した。
乾燥窒素気流下、得られた4−ペンテン酸−1−[4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロフェニル]エチルと、大過剰のトリクロロシランとを混合し、これに微量の塩化白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を添加したのち、乾燥窒素気流下、室温で2時間反応させた。反応後、減圧乾燥で過剰のトリクロロシランを留去し、目的物を得た。
(カラーフィルタの製造)
洗浄したガラス基板(コーニング1737)に、黒色感光性樹脂(新日鐵化学製 BK−165)を塗布し、フォトマスクを用いて露光し、現像、ベークすることで、ブラックマトリックス(膜厚2.2μm、OD値=4、画素形状150×450μm、開口部130×420μm)を形成した。
作成したブラックマトリックス付基板上に、下記一般式(4)の5−(トリクロロシリル)ペンタン酸−4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−2−ニトロ−ベンジルの0.5%PGMEA溶液を塗布し、20分間の静置後、スピン乾燥を行った。
Figure 2005049696

上記の処理を行なったのち、基板のブラックマトリックスを形成していない面から、高圧水銀ランプを用いて2000mJ/cm2(i線)の照射を行い、ブラックマトリックスが形成されていない面の表面処理剤を光分解し、親水化した。
そして、親水化パターンを形成した基板に対し、赤色、緑色、青色の水性透明インクをインクジェット印刷機を用いて開口部に充填した。
インクを焼き付けた後、該基板のブラックマトリックスを有する面から、高圧水銀ランプを用いて1000mJ/cm2(i線)の照射を行うことにより、ブラックマトリックス表面に残存する表面処理剤を分解した。かかる工程の後、保護膜としてジェイエスアール株式会社製透明保護膜SS5808を1.5μmの膜厚で塗布、220℃で40分間熱処理し実施例1のカラーフィルタを作製した。また、一般式(5)及び一般式(6)の表面処理剤でも、それぞれ実施例2、実施例3のカラーフィルタを作製した。
(比較例)
表面処理剤として、下記一般式(7)の5−(トリクロロシリル)ペンタン酸 1−(2−ニトロフェニル)エチルを用いて実施例と同じ処理を行い、比較例のカラーフィルタを得た。
Figure 2005049696

赤色、緑色、青色の水性透明インクをインクジェット印刷機を用いて開口部に充填した際、実施例1,2,3では、充填されたインクは親水性の開口部に広がるが、撥水・撥油性を残したブラックマトリックス上には及ばなかった。しかし、比較例では、親水性の開口部に広がるのみならず、ブラックマトリックスを越え、隣接する画素との混色が見られた。
本発明に係る表面処理剤に含まれる光分解性化合物の光分解反応例を示す図である。 カラーフィルタの製造方法図である。
符号の説明
1…ガラス基板、2…ブラックマトリックス、3…表面処理剤、4…インク(赤又は緑、若しくは青)、5…保護膜。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される光分解性化合物を含む表面処理剤。
    Figure 2005049696

    [上記一般式(1)中、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子であって、R1が複数のときは、R1が同一でも異なっていてもよい。Xは−Cl、−Br、−I、−OR3、−NCO又は−NH2からなる群から選択されるいずれかであって、Xが複数のときは、Xが同一でも異なっていてもよい。R3は置換基を有してもよい炭素数1〜15の炭化水素基又は水素原子、nは0〜2のいずれかの整数、MはSi、Ti、Zrからなる群から選択されるいずれかの元素、R2は置換基を有してもよい炭素数1〜15の2価の炭化水素基、Yは−COO−又は−O−のいずれかの連結基、Zは下記一般式(2)又は一般式(3)の置換基である。
    Figure 2005049696

    Figure 2005049696

    上式一般式(2)、一般式(3)中、R4は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基又は水素原子であって、互いに同一でも異なってもよい。Rfはフッ素を含む炭化水素基である。]
  2. MがSi、Yが−COO−、Zが一般式(2)である、請求項1記載の光分解性化合物を含む表面処理剤。
  3. MがSi、Yが−O−、Zが一般式(2)である、請求項1記載の光分解性化合物を含む表面処理剤。
  4. 透明な基板の一方の面上に、前記基板の一部を露出させると共に光を遮る遮光層を形成する工程と、
    前記遮光層及び前記基板の露出された部分に請求項1〜3のいずれかの表面処理剤を塗布する工程と、
    前記基板の他方の面から光を照射して前記基板の露出された部分に塗布された表面処理剤を光反応させる工程と、
    前記基板の露出された部分に着色インクを充填する工程と、
    を含むカラーフィルタの製造方法。
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