JP2005047755A - 吹付け用セメント組成物およびそれを用いた吹付け工法 - Google Patents

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一行 水島
Akitoshi Araki
昭俊 荒木
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克一 宮口
Satoru Teramura
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Abstract

【課題】 吹付け直後のセメントモルタルの剥落やダレを防止でき、吹付けセメントモルタルの吹き厚を厚くすることが可能となり、強度発現性や圧送性が良好となり、リバウンドや粉塵量を大幅に低減でき、作業時間が短縮し、作業性の良好なコンクリートの表面仕上げや断面修復吹付け施工ができる吹付け用セメント組成物やそれを用いた吹付け工法を提供すること。
【解決手段】 セメント、骨材、粘調剤、ポリマーを主成分とするセメントモルタルと、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを含有してなる吹付け用セメント組成物、セメントモルタルが、超微粉末を、また、膨張材を含有してなる該吹付け用セメント組成物、該セメントモルタルと該エマルジョンとを吹付け直前に混合して吹付ける吹付け工法、並びに、該セメントモルタルと該エマルジョンとを吹付けノズル先端から0.1〜30m手前の位置で混合して、吹付ノズルから吹付ける吹付け工法を構成とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンクリートの補修に使用される吹付け用セメント組成物およびそれを用いた吹付け工法に関する。
従来、コンクリートの表面仕上げや断面修復には、主にセメントモルタルが使用されている。
セメントモルタルは、通常、モルタルミキサなどで、セメント、骨材、及び水を攪拌混合して製造される。
そして、その施工法としては、コテで塗付けて仕上げを行うことが多いが、熟練が必要な上、厚塗りが困難で、多大な労力が掛かるという課題があった。
そのため、セメントモルタルをポンプで圧送して吹付ける方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
しかしながら、この方法では、吹付けたセメントモルタルがリバウンドしたり、厚吹きにより剥落したり、ダレたれしたりして、目的とする施工ができがたいという課題があった。
さらに、セメントモルタルのセメント分のこわばりにより、ポンプ圧送性が悪化し、施工性を悪くするという課題もあった。
従来、これらの吹付け工法では、吹付け時のセメントモルタルの剥落やダレを防止するために、何層にも分けて吹付け、1層目の吹付け後、2層目の吹付けには、一層目のセメントモルタルが凝結した後(通常、セメントモルタルが締まるという)に行うため時間が掛かり、厚吹きの場合は何層にも分けて吹かなければならなく作業性が非常に悪いという課題もあった。
しかしながら、コンクリートの表面仕上げや断面修復は、仕上げ面の美観が求められるため、吹付け後に表面をコテなどで均していたが、吹付け時のセメントモルタルの厚吹きを可能とするために、凝結が早い急結剤を使用した場合、コテ均しができず、美観を損なうおそれがあり、人員を増して均し作業を行わざるを得ず、経済的に好ましくないという課題があった。
特開平09−012379号公報 特開平09−296453号公報 特開平10−216628号公報
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の吹付け用セメント組成物を使用することにより、上記課題が解決できるという知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明は、セメント、骨材、粘調剤、ポリマーを主成分とするセメントモルタルと、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを含有してなる吹付け用セメント組成物であり、セメントモルタルが、超微粉末を、また、さらに、膨張材を含有してなる該吹付け用セメント組成物であり、該セメントモルタルとアクリル酸エステル共重合体エマルジョンとを吹付け直前に混合して吹付ける吹付け工法であり、該セメントモルタルとアクリル酸エステル共重合体エマルジョンとを吹付けノズル先端から0.1〜30m手前の位置で混合して、吹付ノズルから吹付ける吹付け工法である。
本発明の吹付け用セメント組成物およびそれを用いた吹付け工法を使用することにより、吹付け直後のセメントモルタルの剥落、ダレを防止でき、吹付けセメントモルタルの吹き厚を厚くすることが可能となるばかりか、補修厚の厚い個所においては、一次吹付け後の二次吹付けまでの間隔が極端に短くすることが可能となる。また、強度発現性や圧送性が良好となり、さらに、リバウンド、粉塵量を大幅に低減でき、作業時間が短縮し、作業者の負担も減るので、作業性の良好なコンクリートの表面仕上げや断面修復吹付け施工ができる。
以下、本発明を説明する。
なお、本発明のセメントモルタルとは、モルタルや必要に応じて粗骨材を混合したコンクリートを総称したものをいう。
また、本発明でいう部や%は特に規定のない限り質量基準である。
本発明は、特定のセメントモルタルとアクリル酸エステル共重合体エマルジョンとを吹付け直前に混合して吹付け、コンクリートの表面仕上げのために、また、断面修復のために吹付けたセメントモルタルの剥落やダレを防ぐことを目的とするものである。
さらに、本発明は、各層の吹付け時間の間隔を短縮し、施工性の向上を目的とするものである。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉スラグ又はフライアッシュなどを混合した各種混合セメント、並びに、通常市販されている各種微粒子セメントが挙げられる。これらの中では、経済性や作業性が良く、スランプロスが少ない面で、普通ポルトランドセメントの使用が好ましい。
本発明で使用する骨材としては、粗骨材や細骨材いずれも使用可能であるが、既設コンクリートの補修用に使用でき、かつ、既設コンクリートへ吹付けた際にリバウンドしにくい面で、細骨材率が70〜100%であることが好ましい。
また、使用する骨材としては、吸水率が低く、骨材強度が高く、気象条件の変化に対して安定で耐久性の高いものが好ましい。
細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が使用でき、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用できる。最大骨材寸法は15mmが好ましい。
本発明で骨材の使用量は、セメントをC、骨材をSとすると、C/S=1/1〜1/4が好ましく、1/1.5〜1/3がより好ましい。1/(1未満)では吹付けたセメントモルタルにクラックが入りやすくなる場合があり、1/(4を超える)と単位セメント量が少なくなり、W/Cが上がり、短・長期強度が低くなるばかりか、ポンプ圧送性が悪くなり、吹付けしにくくなる場合がある。
本発明で使用する粘調剤は、吹付けセメントモルタルの吹付け時の付着性の向上、リバウンド量の低減、及びセメントモルタル圧送性の向上等の目的に使用され、セメントモルタルの粘度を調整するもので、成分は特に限定されるものではなく、一般に水溶性高分子物質と呼ばれているものが使用可能である。具体的には、メチルセルロース(MC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、及びポリエチレンオキサイド(PEO)などが挙げられる。
粘調剤の使用量は、通常、セメント、超微粉末、及び膨張材からなる結合材100部に対して、0.01〜1部が好ましく、0.05〜0.5部がより好ましい。0.01部未満では、吹付けセメントモルタルの吹付け時の付着性の向上、リバウンド量の低減、及びセメントモルタル圧送性の向上等の効果が期待できない場合があり、1部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか経済的でない。
粘調剤の混合方法は特に限定されるものではないが、あらかじめセメントと混合するか、若しくは水に溶解して混合することなどが好ましい。
本発明で使用するポリマーは特に限定されるものではないが、セメントモルタルの耐久性の向上、既設コンクリートとの付着性の向上、及びリバウンド量の低減のため使用されるもので、具体的には、アクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、及びクロロプレンゴム(CR)などのゴムラテックスや、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリアクリル酸エステル(PAE)などの樹脂エマルジョンなどが挙げられる。
ポリマーの形態としては、再乳化型粉末タイプや液体タイプなどがある。
ポリマーの使用量は、結合材100部に対して、固形分概算で1〜15部が好ましく、3〜10部がより好ましい。1部未満では吹付けセメントモルタルの吹付け時の付着性向上、リバウンド低減、及びセメントモルタルの耐久性の向上等の効果が期待できない場合があり、10部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか経済的でない。
ポリマーの混合方法は特に限定されるものではないが、粉体の場合、あらかじめセメントと混合する、混練り時に他の材料と同時に投入して混合する、及び水に溶解して混合する方法等が好ましく、液体の場合は、混練り時に他の材料と同時投入するか、水に混合して使用する方法が好ましい。
本発明で使用するアクリル酸エステル共重合体エマルジョン(以下、エマルジョンという)は、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合により得られるポリマーエマルジョンである。
エマルジョンは、セメントモルタルとの混合により、瞬時に凝結を起こし、吹付け時のセメントモルタルの剥落やダレを防止する。
エマルジョンは、不飽和カルボン酸と、不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和化合物とを、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合等の方法を用いて共重合することにより得られる。
不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸や無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、並びに、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、及びマレイン酸モノエチルなどの不飽和カルボン酸半エステルなどが挙げられる。これらの中では、凝結性状が大きい面で、不飽和カルボン酸が好ましく、アクリル酸及び/又はメタクリル酸がより好ましい。
不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、エチレン、アクリルニトリルやメタクリロニチリルなどのシアノビニルモノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステルモノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルモノマー、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、及びネオデカン酸ビニルエステル(シェルジャパン製商品名「ベオバ10」)などのCが3〜18の脂肪族カルボン酸ビニルエステル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、及びフェニルビニルエーテルなどのビニルエーテルモノマー、アクリルアミドやメタクリルアミドなどのアミド系モノマー、アリルメタクリレートなどの多官能性ビニルモノマーなどが挙げられる。これらの中では、より優れた効果を示す点で、アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーが好ましい。
エマルジョン中、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合比(質量比)は、より優れた効果を示す面で、不飽和カルボン酸類:エチレン性不飽和化合物が20:1〜1:20が好ましく、5:1〜1:5がより好ましい。この範囲外では凝結効果が悪くなる場合がある。
エマルジョンの使用量は、通常、セメント100部に対して、固形分概算で0.01〜1部が好ましく、0.05〜0.5部がより好ましい。0.01部未満では吹付けセメントモルタルの吹付け時の凝結が弱く、付着力が低下したり、リバウンド低減、吹付け後のセメントモルタルの凝結促進の効果が期待できない場合があり、1部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか、短・長期強度が悪くなる場合がある。
エマルジョンの混合方法は、吹付けのための圧送空気にエマルジョンを圧入混合し、Y字管又はシャワーリングへ圧送し、ポンプにより送られたセメントモルタルと混合する方法が好ましい。
本発明では、セメントモルタルをポンプ圧送したときの材料分離防止、吹付けたセメントモルタルのリバウンド低減、及び剥落防止のために、超微粉末を使用することは好ましい。
本発明で使用する超微粉末(以下、超微粉という)は特に制限されるものではないが、例えば、金属シリコンやフェロシリコン合金等を製造する際に副生するシリカフューム、溶融シリカを製造する際に副生するシリカダスト、超微粉砕したスラグやベントナイトなどが挙げられる。
超微粉の平均粒径は、10μm以下が好ましく、材料分離防止やリバウンド低減の面から1μm以下がより好ましい。
超微粉の使用量は、セメント100部に対して、通常、1〜10部が好ましく、2〜7部がより好ましい。1部未満ではセメントモルタルの材料分離防止やリバウンド低減の効果が期待ができず、10部を超えるとその効果の向上が期待できない。
超微粉の混合方法は特に限定されるものではないが、あらかじめセメントと混合することが好ましく、水と混合してスラリーとして使用することも可能である。
さらに、本発明では、セメントモルタルの収縮低減のために膨張材を使用することが可能である。
本発明で使用する膨張材は、市販のいずれも使用可能であるが、アウイン系膨張材や石灰系膨張材等が通常使用される。
膨張材の使用量は、通常、セメント100部に対して、1〜10部が好ましく、3〜7部がより好ましい。1部未満ではセメントモルタルのひび割れ防止の効果が期待できなく、10部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか異常膨張の原因となる場合がある。
膨張材の混合方法は特に限定されるものではないが、あらかじめセメントと混合しておくことが好ましい。
本発明で使用するセメントモルタルに、必要に応じて減水剤を使用することが可能である。
減水剤は、セメントモルタルの流動性を改善し、吹付け時の付着性を向上し、粉塵量やリバウンド率を小さくする性能を有するものが好ましく、液状や粉状のものいずれも使用可能である。
減水剤としては、リグニンスルホン酸塩やその誘導体のリグニン系減水剤、ポリオール誘導体のポリオール系減水剤、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の芳香族スルホン酸系高性能減水剤、ポリカルボン酸系高性能減水剤、メラミン系高性能減水剤、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中では、初期凝結性状や強度発現性に影響しにくい面で、ポリオール系減水剤及び/又はメラミン系高性能減水剤が好ましい。
芳香族スルホン酸系高性能減水剤としては、芳香族スルホン酸及び/又は芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。
芳香族スルホン酸としては、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ビスフェノールAスルホン酸、フェノールスルホン酸、トリスフェノールスルホン酸、4-フェノキシベンゼン-4'-スルホン酸、メチルジフェニルエーテルスルホン酸、及びアントラセンスルホン酸又はこれらのナトリウム塩やカリウム塩等が挙げられる。
また、芳香族環が、メチル基、エチル基、及びプロピル基等のアルキル基を含有したものも使用可能である。
芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物としては、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はそのナトリウム塩やカリウム塩等が挙げられる。これらの中では、初期凝結性状や強度発現性に影響しにくい面で、芳香族スルホン酸塩ホルマリン縮合物が好ましく、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、及びビスフェノールAスルホン酸塩ホルマリン縮合物がより好ましく、β−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物が最も好ましい。
減水剤の使用量は、セメント100部に対して、固形分換算で2部以下が好ましく、1部以下がより好ましい。2部を超えると強度発現性を阻害する場合がある。
本発明で使用する水の量は、水と、セメント、超微粉、及び膨張材からなる結合材との割合である水結合材比(W/B)で35〜60%が好ましく、40〜50%がより好ましい。35%未満だとセメントモルタルの流動性が悪く、ポンプ圧送性に支障をきたす場合があり、60%を超えると強度発現性が低下する場合がある。
なお、本発明において、ポリマ中の水は水結合材比の水の一部となる。
本発明のセメントモルタルは、モルタル、コンクリートいずれでも使用できるが、吹付けた際にリバウンドが少ない面で、モルタルが好ましい。
本発明では、セメントモルタルの凍結融解性等の耐久性の向上、曲げ靭性の向上、及び亀裂防止等の性状を改善する目的で、AE剤等の各種混和剤や、繊維を併用することが可能である。
ここで、繊維としては、無機質や有機質いずれも使用可能である。無機質の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、石綿、セラミック繊維、及び金属繊維等が挙げられ、有機質の繊維としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維、パルプ、麻、木毛、及び木片等が挙げられる。これらの中では、混合性、作業性、耐久性、耐衝撃性、及び経済性の面で、金属繊維やビニロン繊維が好ましい。
繊維の長さは圧送性や混合性等の面から、20mm以下が好ましく、3〜12mmがより好ましい。20mmを超えると圧送中にセメントモルタルにより、圧送管等が閉塞する場合がある。
繊維の使用量は、セメントモルタル100容量部に対して、3容量部以下が好ましく、1.5容量部以下がより好ましい。3容量部を超えると、圧送性が低下し、経済的でないおそれがある。
本発明で使用する吹付け用セメント組成物は、コンクリートの表面仕上げや断面修復材料として好ましく使用可能である。
本発明の吹付け用セメント組成物を補修吹付け材料として使用したコンクリートの表面仕上げや断面修復等の補修吹付け工法としては、補修吹付け材料を直接、補修個所へ吹付ける。一回での吹付け厚さは、天井部で約30mm以下程度、側壁部で20〜50mm程度が好ましい。
本発明で使用する補修吹付け材料におけるモルタルとエマルジョンの混合方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
セメントモルタルとエマルジョンを強制的に混合させる添加機、例えば、ダイヤフラムポンプ、スクイズポンプ、ピストンポンプ、及びスネークポンプなどのエマルジョンを圧送するポンプにより、10MPa以下の圧力でエマルジョンを圧送し、吹付ノズル先端から手前の位置、好ましくは吹付ノズル先端から0.1〜30m、より好ましくは0.2〜10m手前の位置で、セメントモルタルとエマルジョンを混合して吹付けセメントモルタルを調製し、この吹付けセメントモルタルを補修吹付け材料として、補修個所に吹付ける方法が挙げられる。0.1m未満だとセメントモルタルとエマルジョンが充分混合しないので吹付け直後の吹付けセメントモルタルのダレを防止できず、吹付けセメントモルタルが天井部から剥がれ落ちるおそれがあり、30mを超えると圧送管内でセメントモルタルとエマルジョンが反応して圧送管が閉塞し、圧送性が低下するおそれがある。
なお、エマルジョンは、ポンプにより送り、途中で圧送空気と混合し、ホースを経由してY字管又はシャワーリングへ圧送し、Y字管又はシャワーリングから吐出してセメントモルタルと混合し、吹付けセメントモルタルとしてコンクリートの表面仕上げや断面修復に吹付けられるものである。
セメント100部、細骨材250部、粘調剤0.1部、及び固形分換算で5部のポリマーを配合し、W/Bが45%のモルタルを調製し、ポンプで吹付けノズルに圧送した。
同時に、固形分換算でセメント100部に対して、0.1部のエマルジョンをダイヤフラムポンプで圧送し、途中で圧搾空気と合流し、吹付けノズルシャワーリングから強制的にモルタルに吹き込み吹付けモルタルとし、その吹付けモルタルをコンクリート壁に吹付けて物性を測定した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメント :普通ポルトランドセメント、比重3.16
細骨材 :新潟県青海町産石灰砂、比重2.70
粘調剤 :メチルセルロース、市販品
ポリマー :スチレン・ブタジエンゴム(SBR)
エマルジョン:エチルアクリレート/メタクリル酸をモル比45/55で共重合したポリマーエマルジョン、固形分3%
<測定方法>
モルタルフロー:JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じ、モルタル混練り直後のモルタルフローを吹付け前とし、容器内に吹付けたモルタルのモルタルフローを吹付け後とした
リバウンド率:上面コンクリートに吹付けた重量を一定とし、リバウンドした重量を測定
圧縮強度 :JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じ、4×4×16cmの供試体作製し耐圧機で測定
付着性 :上面コンクリートに直径10cmでモルタルを吹付け、剥落時の吹付け厚さを測定
Figure 2005047755
セメント100部、細骨材250部、粘調剤0.1部、超微粉3部、膨張材5部、及び固形分換算で5部のポリマーを配合し、W/Bが45%のモルタルを調製し、ポンプで吹付けノズルに圧送した。
同時に、固形分換算で表2に示す量のエマルジョンをダイヤフラムポンプで圧送し、途中で圧搾空気と合流し吹付けノズルシャワーリングから強制的にモルタルに吹き込み吹付けモルタルとし、その吹付けモルタルをコンクリート壁に吹付け物性を測定した。結果を表2に併記する。
<使用材料>
超微粉 :シリカフューム、市販品
膨張材 :アウイン系膨張材、市販品
Figure 2005047755
エマルジョンを固形分換算で0.1部とし、表3に示す量の粘調剤を配合したこと以外は実施例2と同様に行った。結果を表3に併記する。
Figure 2005047755
表4に示す固形分換算の量のポリマーをセメントモルタルに配合したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
Figure 2005047755
表5に示す量の超微粉をセメントモルタルに配合したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
Figure 2005047755
表6に示す量の膨張材をセメントモルタルに配合したこと以外は実施例1と同様に行った。この吹付けモルタルの表面状態等の結果を表6に示す。
<測定方法>
表面状態 :30×30cmの平版コンクリートに吹付けモルタルを厚さ2cmに吹付け、表面を均した後20℃、湿度60%の室内に1週間放置し、表面の亀裂発生状態を観察、○は亀裂無し、△は亀裂が1本以下、×は亀裂が1本以上
Figure 2005047755

Claims (5)

  1. セメント、骨材、粘調剤、及びポリマーを主成分とするセメントモルタルと、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを含有してなる吹付け用セメント組成物。
  2. セメントモルタルが、さらに、超微粉末を含有してなる請求項1に記載の吹付け用セメント組成物。
  3. セメントモルタルが、さらに、膨張材を含有してなる請求項1又は2項に記載の吹付け用セメント組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のうちの一項に記載のセメントモルタルと、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンとを吹付け直前に混合して吹付けることを特徴とする吹付け工法。
  5. 請求項1〜請求項3のうちの一項に記載のセメントモルタルとアクリル酸エステル共重合体エマルジョンとを吹付けノズル先端から0.1〜30m手前の位置で混合して、吹付ノズルから吹付けることを特徴とする吹付け工法。
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