JP4672572B2 - 吹付け用セメント組成物およびそれを用いてなる吹付け工法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメントコンクリートの補修および法面の補強などに使用される吹付け用セメント組成物およびそれを用いてなる吹付け工法に関する。
従来、既設のセメントコンクリートの表面仕上げや断面修復には、主にセメントモルタルが使用されている。セメントモルタルは、通常、モルタルミキサなどでセメント、骨材、および水などを攪拌混合して製造され、通常コテで塗付けて仕上げを行うことが多いが、この仕上げ方法は熟練が必要な上、厚塗りが困難で多大な労力がかかるという課題があった。そのため、モルタルをポンプで圧送して吹付ける方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開平09−012379号公報 特開平09−296453号公報 特開平10−216628号公報
しかしながら、従来の吹付け工法は、吹付けたモルタルのリバウンド率や粉塵量が多く、モルタルの締まりが悪く所定の強度が得られない、さらに、既設コンクリートとの付着が悪く剥落やダレが起こるなどの課題があった。
本発明者は、上記課題が解決できる、吹付け用セメント組成物およびそれを用いた吹き付け工法を提供する。
すなわち、本発明は、(1セメントモルタルと、セメント100質量部に対して、粘調剤を0.01〜1.0質量部と、セメント用ポリマーを1〜15質量部と、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを固形分換算で0.01〜1質量部と、消泡剤を0.01〜0.5質量部とを含有してなる吹付け用セメント組成物において、セメントモルタルと、粘調剤と、セメント用ポリマーとの混練物に、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンおよび消泡剤を混合した圧搾空気とを混合して吹付ける吹付け工法、(セメントモルタルと、セメント100質量部に対して、粘調剤を0.01〜1.0質量部と、セメント用ポリマーを1〜15質量部と、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを固形分換算で0.01〜1質量部と、消泡剤を0.01〜0.5質量部とを含有してなる吹付け用セメント組成物において、セメントモルタルと、粘調剤と、セメント用ポリマーとの混練物に、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと消泡剤を混合した圧搾空気とを吹付けノズルの先端から10m以内で混合して吹付ける吹付け工法、である。
本発明の吹付け用セメント組成物や吹付け工法を使用することにより、吹付けたセメントモルタルのリバウンド率や粉塵量が低く、さらに、強度発現性や既設コンクリートとの付着性が高いため、吹付け厚を大幅に厚くすることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明のセメントモルタルとは、モルタルや必要に応じて粗骨材を混合したコンクリートを総称したものをいう。
また、本発明で云う部や%は、特に規定のない限り質量基準である。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、および中庸熱などの各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグやフライアッシュなどを混合した各種混合セメント、ならびに、通常市販されている各種微粒子セメントやエコセメントなどが挙げられる。これらの中では、経済性や作業性が良く、スランプロスが少ない面で、普通ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
本発明で使用する骨材としては、通常の細骨材や粗骨材を使用できるが、既設コンクリートの補修用に使用でき、かつ、既設コンクリートへ吹付けた際にリバウンドし難い点で、細骨材率が70〜100%の骨材が好ましく、細骨材率が100%の骨材がより好ましい。また、密度が2.5g/cm以上の骨材が好ましい。細骨材には、川砂、山砂、石灰砂、および珪砂などが使用可能であり、粗骨材には、川砂利、山砂利、および石灰砂利などが使用可能である。骨材の最大骨材寸法は10mm下が好ましい。
本発明で使用するセメントモルタルの配合としては、C(セメント)/S(骨材)=1/1〜1/4が好ましく、1/1.5〜1/3がより好ましい。1/(1未満)では吹付けたセメントモルタルにクラックが入りやすくなる場合があり、1/(4を超える)と単位セメント量が少なくなり、W/C(水セメント比)が上がり、短期強度や長期強度が低下するばかりか、ポンプ圧送性が悪くなり、吹付け難くなる場合がある。
本発明で使用するアクリル酸エステル共重合体エマルジョンとは、セメントモルタルとの混合により、瞬時に凝結を起こし、吹付け時のセメントモルタルの剥落やダレを防止するため使用するものである。
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(以下、エマルジョンという)は、不飽和カルボン酸と、不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和化合物とを、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、または塊状重合などの方法を用いて共重合することにより得られるポリマーエマルジョンである。
不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸や無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物、ならびに、マレイン酸モノエチルなどの不飽和カルボン酸半エステルなどが挙げられる。これらの中では、凝結性状が大きい面で、不飽和カルボン酸が好ましく、アクリル酸および/またはメタクリル酸がより好ましい。
不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、エチレン、アクリルニトリルなどのシアノビニルモノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステルモノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルモノマーや脂肪族カルボン酸ビニルエステル、ビニルエーテルモノマー、などの多官能性ビニルモノマーなどが挙げられる。これらの中では、より優れた効果を示す点で、アクリル酸エステルモノマーおよび/またはメタクリル酸エステルモノマーが好ましい。
エマルジョン中の不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の共重合比(質量比)は、より優れた効果を示す面で、不飽和カルボン酸類:エチレン性不飽和化合物が20:1〜1:20が好ましく、5:1〜1:5がより好ましい。この範囲外では凝結効果が悪くなる場合がある。
エマルジョンの使用量は、通常、セメント100部に対して、固形分換算で0.01〜1部が好ましく、0.05〜0.5部がより好ましい。0.01部未満では吹付けセメントモルタルの吹付け時の凝結が弱く、付着力が低下したり、リバウンド低減、吹付け後のセメントモルタルの凝結促進の効果が期待できない場合があり、1部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか、短・長期強度が悪くなる場合がある。
エマルジョンの混合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、吹付けのための圧送空気にエマルジョンを圧入混合してY字管またはシャワーリングへ圧送し、ポンプにより送られたセメントモルタルと混合する方法が好ましい。
本発明では、消泡剤を使用することにより、吹付けエアー量が変動しても、吹付けセメントモルタルの単位容積質量が一定となり、均一な吹付けセメントモルタルを吹付けることが可能となる。また、消泡剤を使用することにより、吹付けエアー量を抑えることが可能となるためエアー圧を下げることができ、粉塵量が低下する。
本発明で使用する消泡剤とは、シリコーン系、ノニオン系、アルコール系、脂肪酸、エーテル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、ポリエーテル系、およびフッ素系などが挙げられる。具体的には、シリコーン系は、オイル型もしくはそのオイル型をトルエンなどの溶剤で溶かした溶液型、シリコーンオイルに無機質の微粉末を添加したコンパウンド型、ならびに、各種の乳化剤を用いたエマルジョン型などが挙げられ、ノニオン系は、ノニオン系(非イオン系)界面活性剤などが挙げられる。消泡効果やセメントモルタル物性面からシリコーン系やノニオン系が好ましい。
消泡剤の使用量は、通常、セメント100部に対して、0.01〜0.5部が好ましく、0.05〜0.3部がより好ましい。0.01部未満では吹付けセメントモルタル中の空気量の低減効果が弱く、吹付け後の吹付けセメントモルタルの効果が期待できない場合があり、0.5部を超えるとその効果の向上が期待できないばかりか、短期強度や長期強度が低下する場合がある。
消泡剤の混合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、吹付けのための圧搾空気に消泡剤を圧入混合してY字管またはシャワーリングへ圧送し、ポンプにより送られたセメントモルタルと混合する方法が好ましい。
また、消泡剤の使用量が少なくて、吹付けエアーやセメントモルタルと混合が不充分となる場合は、消泡剤を水と混合して使用することが好ましい。
本発明で使用する粘調剤とは、既設コンクリートなどへの吹付けセメントモルタルの吹付け時の付着性の向上、リバウンド量の低減、およびセメントモルタル圧送性の向上を目的とするもので、特に限定されるものではないが、一般に水溶性高分子物質と呼ばれているものが使用可能である。具体的には、メチルセルロース(MC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル酸、およびポリエチレンオキサイド(PEO)などが挙げられ、既設コンクリートなどへの吹付けセメントモルタルの吹付け時の付着性向上、リバウンド量低減、およびセメントモルタル圧送性の向上を目的に使用される。
粘調剤の使用量は、通常、セメント100部に対して、1部以下が好ましく、0.05〜0.5部がより好ましい。1部を超えると、その効果の向上が期待できないばかりか経済的でない。
粘調剤の混合方法は、特に限定されるものではないが、あらかじめセメントと混合するか、水に溶解して使用することが好ましい。
本発明で使用するセメント用ポリマー(以下、本ポリマーという)とは、既設コンクリートと、吹付けセメントモルタルとの吹付け時の付着性の向上、リバウンド量の低減、および吹付けセメントモルタルの耐久性の向上を目的として使用される。本ポリマーとしては、水性ポリマーディスバージョン、再乳化形粉末樹脂、水溶性ポリマー、および液状ポリマーなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。水性ポリマーディスバージョンとしては、天然ゴムラテックス、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムラテックス、ならびに、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、およびポリアクリル酸エステル(PAE)などの樹脂エマルジョンなどが挙げられる。
本ポリマーの使用量は、セメント100部に対して、固形分換算で15部以下が好ましくは、3〜10部がより好ましい。15部を超えると、既設コンクリートと吹付けセメントモルタルとの吹付け時の付着性の向上、リバウンド量の低減、および吹付けセメントモルタルの耐久性の向上などの効果の向上が期待できないばかりか経済的でない。
本ポリマーの混合方法は、特に限定されるものではないが、粉体の場合、あらかじめセメントと混合するか、混練り時に他の材料と同時に投入するか、水に懸濁させるか溶解して投入するなどが挙げられ、液体の場合は、混練り時に他の材料と同時投入するか、あらかじめ水と混合して投入する方法などが挙げられる。
本発明では、吹付けセメントモルタルの凍結融解性などの耐久性の向上、曲げ靭性の向上、および亀裂防止などの性状を改善する目的で、セメント減水剤やAE剤などの各種混和剤や繊維を併用することが可能である。
また、セメントモルタルをポンプ圧送したときの材料分離防止、吹付けセメントモルタルのリバウンド量の低減、および剥落防止のために、シリカフュームなどの超微粉末や、吹付けセメントモルタルのクラック防止のための収縮低減を図るため膨張材を使用することは好ましい。
本発明で使用する水の量は、水と、セメントとの割合である水セメント比(W/C)で35〜55%が好ましい。35%未満ではセメントモルタルの粘性が高くなり、流動性が悪く、ポンプ圧送性に支障をきたす場合があり、55%を超えると強度発現性が低下する場合がある。
本発明において、セメントモルタル、エマルジョン、および消泡剤の混合方法としては、特に限定されるものではないが、エマルジョンと消泡剤を別々に、または、エマルジョンと消泡剤を混合した混合液をセメントモルタルと混合する。強制的に混合させる添加機としては、例えば、ダイヤフラムポンプ、スクイズポンプ、ピストンポンプ、およびスネークポンプなどが挙げられ、これらのポンプによりエマルジョン、消泡剤またはこれらの混合液を圧送する。通常、10MPa以下の圧力で圧送し、吹付けノズル先端から手前の位置、好ましくは吹付けノズル先端から10m以内、より好ましくは5m手前の位置で、セメントモルタルと混合して吹付けセメントモルタルを調製し、補修個所に吹付ける。セメントモルタルと、エマルジョンと消泡剤またはこれらの混合液とを混合する位置が、吹付けノズル先端から10mを超えると圧送管内での圧送性が低下する場合がある。
さらに、エマルジョンと消泡剤またはこれらの混合液は、ポンプにより送り、途中で圧搾空気と混合し、ホースを経由してY字管またはシャワーリングへ圧送し、Y字管またはシャワーリングから吐出させてセメントモルタルと混合し、吹付けセメントモルタルとしてコンクリートの表面仕上げや断面修復に吹付けられるものが最も好ましい方法である。また、エマルジョンと消泡剤は、別々に圧送した場合、別々に圧搾空気と混合するか、圧搾空気との混合前にY字管などで混合した後、圧搾空気との混合することもある。
圧搾空気は、1MPa以下、好ましくは0.4〜0.7MPaの圧力、エアー量としては0.2〜1m/minでホースを経由してY字管またャワーリングへ圧送され、Y字管またはシャワーリングから吐出させてセメントモルタルと混合し、吹付けセメントモルタルとしてコンクリートの表面仕上げや断面修復に吹付けられるものである。
本発明の吹付け用セメント組成物は、コンクリートの表面仕上げや断面修復材料として好ましく使用できるが、これを使用した吹付け工法では、補修個所への吹付けは、一回での吹付け厚さが天井部で約30mm以下程度、側壁部で20〜50mm程度とすることが好ましい。
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
「実験例1」
セメント100部、細骨材200部、粘調剤0.1部、本ポリマー5部(固形分換算)、W/C=45%からなるセメントモルタルを、容量50リットルの岡三機工製商品名「ダマカットミキサ」で混練りして調製した。調製したセメントモルタルをスクイズポンプで圧送し、先端10mmφの吹付けノズルの先端から15cm手前で、吹付けノズルシャワーリングからセメント100部に対して表1に示す量のエマルジョン(固形分換算)と消泡剤を強制的に圧搾空気中に投入し、エマルジョンと消泡剤を混合した0.7MPaの圧搾空気を、0.4m/minの割合でセメントモルタルに吹込み、吹付けセメントモルタルを調製し、0.3m/hの割合で吹付けセメントモルタルをコンクリート壁の上面に吹付けた。
なお、セメントモルタルを搬送する圧送ホースは1.5インチφの耐圧ホースを使用し、圧搾空気を送るエアーホースは1/2インチφのホースを使用した。吹付けセメントモルタル中の空気量、吹付けセメントモルタルのリバウンド率、付着性、および粉塵量を測定した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、密度3.16g/cm
細骨材:新潟県糸魚川市青海産石灰砂、密度2.67g/cm、最大骨材寸法2.5mm
粘調剤:メチルセルロース、市販品
本ポリマー:スチレンブタジエンゴム(SBR)、固形分45%、市販品
消泡剤:主成分非イオン界面活性剤、東邦化学工業社製、商品名プロナール502
エマルジョン:エチルアクリレート/メタクリル酸を共重合したポリマーエマルジョン、固形分30%、サンノプコ社製、商品名シックナー326
<測定方法>
モルタル空気量:セメントモルタル混練り直後に測定したセメントモルタル中の空気量を吹付け前とし、エアー流量計を介してセメントモルタルを吹付け、壁面に吹付けたセメントモルタル中の空気量を吹付け後とした。なお、空気量の%は体積割合を示す。
リバウンド率:コンクリート板(30cm×60cm)を2mの高さの所に横に設置して、そのコンクリート板の下面に対し下から吹付けを行った。その時のコンクリート板に吹付けたセメントモルタルの質量と、リバウンドして落下したセメントモルタルの質量とを測定し、落下したセメントモルタル量(kg)/吹付けセメントモルタル量(kg)×100(%)とした。
付着性:上記コンクリート板の下面におおよそ10cmの円形状に吹付けセメントモルタルを吹付け、剥落するまでの吹付け厚さを測定した。
粉塵量:柴田科学器械工業社製デジタル粉塵計を使用し、幅5.5m、高さ5.5m、および長さ5.5mの馬蹄形模擬トンネル(鉄板の表面にコンクリートを吹付けたもの)の入り口をシートで覆い、トンネル中央で壁面(垂直)に向かって吹付けし、吹付開始から1分後の粉塵量を測定し、1m当りの粉塵量を算出した。
Figure 0004672572
表1より、本発明の吹付け用セメント組成物を使用することにより、吹付けたセメントモルタルの空気量やリバウンド率は低く、コンクリートとの付着性が高いことが判る。
「実験例2」
エマルジョン(固形分換算)0.3部、表2に示すように吹付けエアー量を変化させ、消泡剤をセメント100部に対して0.1部用いた場合(有)と消泡剤を用いない場合(無)とし、モルタル空気量、圧縮強度、リバウンド率、付着性、および粉塵量を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
<測定方法>
圧縮強度:JIS R 5201に準拠
Figure 0004672572
表2より、本発明の吹付け用セメント組成物を使用することにより、吹付けたセメントモルタルの空気量、リバウンド率は低く、コンクリートとの付着性が高いことが判る。また、吹付けエアー量が少なくても強度発現性は良好であることが判る。
「実験例3」
エマルジョン(固形分換算)0.3部、消泡剤0.1部、表3に示す量の粘調剤を使用し、モルタルフロー、リバウンド率、および付着性を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
<測定方法>
モルタルフロー:JIS R 5201に準拠し、セメントモルタル混練り直後に測定したモルタルフローを吹付け前とし、吹付けたセメントモルタルのモルタルフローを吹付け後とした。
Figure 0004672572
表3より、本発明の吹付け用セメント組成物を使用することにより、吹付けたセメントモルタルのフローは低く、リバウンド率は低く、付着性が高くなっていることが判る。
「実験例4」
エマルジョン(固形分換算)0.3部、消泡剤0.1部、表4に示す量の本ポリマー(固形分換算)を使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
Figure 0004672572
表4より、本発明の吹付け用セメント組成物を使用することにより、吹付けたセメントモルタルのフローは低く、リバウンド率は低く、付着性が高く、強度発現に優れていることが判る。
本発明の吹付け用セメント組成物や吹付け工法を使用することにより、吹付けたセメントモルタルのリバウンド率や粉塵量が低く、さらに、強度発現性や既設コンクリートとの付着性が高く、吹付け厚を大幅に厚くすることが可能となるため、橋の下面や橋脚、道路、鉄道、および導水路などのトンネル、建築物、ならびに、海洋・港湾構造物の補修や予防保全などのコンクリート構造物の補修に極めて有用である。

Claims (2)

  1. セメントモルタルと、セメント100質量部に対して、粘調剤を0.01〜1.0質量部と、セメント用ポリマーを1〜15質量部と、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを固形分換算で0.01〜1質量部と、消泡剤を0.01〜0.5質量部とを含有してなる吹付け用セメント組成物において、セメントモルタルと、粘調剤と、セメント用ポリマーとの混練物に、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンおよび消泡剤を混合した圧搾空気とを混合して吹付ける吹付け工法。
  2. セメントモルタルと、セメント100質量部に対して、粘調剤を0.01〜1.0質量部と、セメント用ポリマーを1〜15質量部と、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを固形分換算で0.01〜1質量部と、消泡剤を0.01〜0.5質量部とを含有してなる吹付け用セメント組成物において、セメントモルタルと、粘調剤と、セメント用ポリマーとの混練物に、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンと消泡剤を混合した圧搾空気とを吹付けノズルの先端から10m以内で混合して吹付ける吹付け工法。
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