JP2005046743A - 窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、クラックや膨れなどの欠陥のない大型の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法を提供する。
【解決手段】金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を窒素雰囲気下で熱処理して金属ケイ素を窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法であって、前記熱処理が保持温度1100℃以上1400℃未満の前段処理と、保持温度1600℃以上1800℃未満の後段処理とに分けられ、前記前段処理が昇温・温度保持・降温の熱サイクルを2またはそれ以上の複数回繰り返すものであり、かつ該熱サイクルの降温が1000℃以下まで冷却する。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温排気ガス中に含まれる粉塵等を除去するために好適な窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法に関する。
窒化ケイ素は、耐熱性、耐食性、耐薬品性、機械的強度等に優れた特性を有しており、高温や腐食性環境下での集塵、脱塵用フィルタやディーゼルエンジンから排出される微粒子(以下、パティキュレートという)除去用フィルタ(以下、DPFという)として期待されている。このような窒化ケイ素質フィルタの製造法は、出発原料で大別すると窒化ケイ素粒子を出発原料とする製造法(特許文献1参照。)と金属ケイ素粒子を出発原料とする製造法(特許文献2、3参照。)とに分けられる。金属ケイ素粒子を出発原料とし、直接窒化により窒化ケイ素とする製造法は、一般に、窒化ケイ素粒子を出発原料とする製造法に比べて原料費用が安価であるため製造原価の点で優れる特徴がある。
一方、金属ケイ素粒子を出発原料とする方法は、熱処理過程で金属ケイ素を窒化ケイ素にする過程(以下、窒化という)を伴うため、熱処理制御がより重要となる。特許文献2には、水素ガスなどの可燃性ガス雰囲気下で室温から約1000℃まで1〜5時間かけて昇温し有機添加物を除去後、窒化段階として1000℃から昇温速度約5℃/h〜50℃/hで保持温度1350℃〜1450℃まで昇温し、前記保持温度で約2時間未満保持後冷却する。その後焼結段階として約1450℃〜約2100℃まで昇温し、そこで約0.3〜10時間保持して冷却する方法が提案されている。しかし、この方法でもハニカム成形体が大型形状になると窒化による発熱で内部が異常発熱し、内部にクラック等の欠陥が発生したり、表層に膨れなどの現象が発生するおそれがある。また、ハニカム成形体が大型になった場合、内部の特性が不均質にないやすいが、この対策についても具体的に提案されていない。
特許文献3には、ハニカム成形体を第1段の熱処理条件が窒素雰囲気下、1200〜1400℃で4〜12時間保持し、かつ第2段の熱処理条件が窒素雰囲気下、1450〜1800℃で1〜12時間保持することが提案されている。しかし、この方法でも大型のハニカム成形体内部の特性の均質性等をより向上させるような熱処理条件については具体的に提案されていない。
特開平8−59364号公報(第1〜7頁) 特許第332162号公報(6頁) 国際公開第01/47833号パンフレット(第3〜7頁)
本発明は、クラックや膨れなどの欠陥がなく、内部の特性の均質性が高く、しかも圧力損失の低い大型の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法の提供を目的とする。
本発明は、金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を窒素雰囲気下で熱処理して金属ケイ素を窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法であって、前記熱処理が保持温度1100℃以上1400℃未満の前段処理と、保持温度1600℃以上1800℃未満の後段処理とに分けられ、前記前段処理が昇温・温度保持・降温の熱サイクルを2またはそれ以上の複数回繰り返すものであり、かつ該熱サイクルの降温が1000℃以下まで冷却することを特徴とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法を提供する。
本製造法により、大型の窒化ケイ素質ハニカムフィルタであっても、クラックやふくれ等の欠陥がなく、しかもフィルタ内部の特性の均質性が高い、高品質の窒化ケイ素質ハニカムフィルタを提供できる。したがって、信頼性の高い、耐久性に優れた、大型のDPFを提供できる。
また、本製造法では、熱処理過程で気孔形成材がその形態を保持し孤立した気孔を生成しやすいものであっても、窒化を制御することにより孤立した気孔の生成を抑制できるため、圧損の低い窒化ケイ素質ハニカムフィルタを提供できる。したがって、本製造法により圧損の要求水準が厳しいDPFに好適な窒化ケイ素質ハニカムフィルタを提供できる。
本発明者らは、ハニカム成形体を種々の条件下で熱処理することにより、熱処理中の金属ケイ素の窒化による発熱とその放熱との熱バランスが悪いと、ハニカム成形体内部で異常な温度上昇が局所的に発生し、ハニカム成形体内部にクラックが発生したり、ハニカム成形体の外部に膨れ等の欠陥が発生すること、しかも、前記欠陥の発生はハニカム成形体のサイズが大きくなる程顕著となることを経験した。
原因の解明を進めていく過程で窒化による発熱を制御することにより、すなわち、窒化反応を反応途中で複数回休止させることにより、この異常な温度上昇を防止でき大型のハニカム成形体でも前記欠陥等を発生させることなく高品質な窒化ケイ素質ハニカムフィルタを製造できることを見出して本発明に至った。
本発明の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法(以下、本製造法という)は、金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を窒素雰囲気下で熱処理して金属ケイ素を窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法を基本とする。
本製造法において、前記熱処理は、保持温度1100℃以上1400℃未満の前段処理と、保持温度1600℃以上1800℃未満の後段処理とに分けられる。現象面から大雑把に分類すると、前段処理が初期および中期の窒化、後段処理が終期の窒化および焼結となる。
本製造法において、前段処理は昇温・温度保持・降温の熱サイクルを2またはそれ以上の複数回繰り返すものであり、該降温は1000℃以下まで冷却する。前記熱サイクル数が1回であるとハニカム成形体サイズなどにより窒化制御が不充分となるおそれがある。前記熱サイクル数は、多い程、窒化を精密に制御できるが、反面、生産性が低下することから、好ましくは熱サイクル数が2〜5回、さらに好ましくは熱サイクル数が2または3回、特に好ましくは熱サイクル数が2回である。
本製造法において、前段処理の保持温度は、前段処理の一つ前の熱サイクルの保持温度より高温にすると、窒化の制御が効率的にできるため好ましい。一つ前の熱サイクルの保持温度より高温にするとは、n(n:2以上の整数)サイクル目の保持温度をn−1サイクル目の保持温度より高くすることで、具体的には、1サイクル目の保持温度より2サイクル目の保持温度を高くし、2サイクル目の保持温度より3サイクル目の保持温度を高くするのが好ましい。該温度差としては、15〜100℃であると窒化の制御がしやすいため好ましい。前記温度差が15℃未満であると複数回の熱サイクルに分けて窒化処理効果が得られにくく、一方、前記温度差が100℃を超えると、窒化が一気に進行して制御しにくくなるためである。
本製造法において、前段処理の1サイクル目を保持温度1100℃以上1300℃未満、保持時間1〜10時間とするのが好ましい。1サイクル目の保持温度が1100℃未満であると窒化されないおそれがあり、一方、1サイクル目の保持温度が1300℃以上であると発熱量が大きくなりすぎて多段階制御する意味がなくなるおそれがある。1サイクル目の保持温度を1150〜1290℃とするのが好ましく、1200〜1280℃とするのがさらに好ましい。
前記1サイクル目の保持時間が、1時間未満であると1サイクル目の窒化として不充分となるおそれがあり、一方、1サイクル目の保持時間が10時間を超えると発熱量が大きくなりすぎるおそれがある。1サイクル目の保持時間が1〜5時間であると好ましく、2〜4時間であるとさらに好ましい。なお、本明細書において昇温過程、降温過程で1100〜1400℃の温度範囲にある場合は、その経過時間を保持時間に加えるものとする。
本製造法において、1サイクル目の温度保持が終了後、一度、1000℃以下まで冷却する。1000℃以下とした理由は、窒化反応が実質的に進行しないためである。前記冷却としては900℃以下(室温〜900℃)が好ましく、800℃以下(室温〜800℃)であるとさらに好ましい。本発明において、1サイクル目の温度保持後の冷却は、窒化による発熱の暴走防止に役立っているものと推測される。
1サイクル目の昇温速度としては、速すぎると温度保持開始時に温度が設定以上に上昇して窒化による発熱の暴走を招き、遅すぎると必要以上に熱処理に時間がかかることから、0.5℃/分〜5℃/分とするのが好ましく、1サイクル目の昇温速度が1℃/分〜4℃/分であるとさらに好ましい。1サイクル目の昇温速度が2℃/分〜3℃/分とすると特に好ましい。1サイクル目の降温速度としては、速すぎると冷却時の応力により被熱処理体中に歪を生じ、また降温速度が遅すぎると冷却による発熱の抑制効果がなくなることから、0.5℃/分〜5℃/分とするのが好ましく、1サイクル目の降温速度が1℃/分〜4℃/分であるとさらに好ましい。1サイクル目の降温速度が2℃/分〜3℃/分とすると特に好ましい。
本製造法において、2サイクル目の保持温度は、1サイクル目の保持温度より15〜100℃高い温度とする。2サイクル目の保持温度と1サイクル目の保持温度との温度差(以下、1〜2サイクル保持温度差と略す)が15℃未満であると、多段階熱処理の効果が得られないおそれがあり、一方、1〜2サイクル保持温度差が100℃を超えると急激な窒化が起こり同時に焼結が始まるおそれがある。1〜2サイクル保持温度差が20〜80℃であるとさらに好ましい。1〜2サイクル保持温度差が25〜70℃であると特に好ましい。
前記2サイクル目の保持時間が、1時間未満であると2サイクル目の窒化として不充分となるおそれがあり、一方、2サイクル目の保持時間が10時間を超えると発熱量が大きくなりすぎるおそれがある。2サイクル目の保持時間が1〜5時間であると好ましく、2〜4時間であるとさらに好ましい。
本製造法において、前述した1サイクル目の熱処理と同様に、2サイクル目の温度保持が終了後、一度、1000℃以下まで冷却する。2サイクル目の冷却も1サイクル目の冷却と同様にすることが好ましい。
2サイクル目の昇温速度としては、0.5℃/分〜5℃/分とするのが好ましく、2サイクル目の昇温速度が1℃/分〜4℃/分であるとさらに好ましい。2サイクル目の昇温速度が2℃/分〜3℃/分とすると特に好ましい。2サイクル目の降温速度としては、0.5℃/分〜5℃/分とするのが好ましく、2サイクル目の降温速度が1℃/分〜4℃/分であるとさらに好ましい。2サイクル目の降温速度が2℃/分〜3℃/分とすると特に好ましい。
本製造法において、前段処理の3サイクル目以降も1サイクル目、2サイクル目と同様に昇温、降温すると好ましい。保持温度についても1つ前のサイクルの保持温度より15〜100℃高い温度とするのが好ましい。また、1000℃以下まで冷却することは、1サイクル目、2サイクル目と同様である。
本製造法において、後段処理の保持温度は、1600℃以上1800℃未満とする。後段処理の保持温度が1600℃未満であると窒化で生成した窒化ケイ素の焼結が不充分となり窒化ケイ素質ハニカムフィルタの機械的強度が不充分となるおそれがあり、一方、後段処理の保持温度が1800℃以上であると窒化で生成した窒化ケイ素が分解するおそれがある。後段処理の保持温度が1700℃以上であると好ましく、1730℃以上であるとさらに好ましい。
前記後段処理の保持時間は、1〜10時間であると好ましい。後段処理の保持時間が、1時間未満であると最終的な窒化および焼結が完了するため不充分となるおそれがあり、一方、後段処理の保持時間が10時間を超えると金属ケイ素の分解が進行するばかりでなく生産性が低下し、製造原価が高くなる。後段処理の保持時間が2〜8時間であると好ましく、3〜5時間であるとさらに好ましい。なお、昇温過程、降温過程でも1600℃以上1800℃未満の温度範囲にある場合は、その経過時間は後段処理の保持時間に加えるものとする。
本製造法において、後段処理の昇温速度としては、0.5℃/分〜5℃/分とするのが好ましく、後段処理の昇温速度が1℃/分〜4℃/分であるとさらに好ましい。後段処理の昇温速度が2℃/分〜3℃/分とすると特に好ましい。後段処理の降温速度としては、0.5℃/分〜5℃/分とするのが好ましく、後段処理の降温速度が1℃/分〜4℃/分であるとさらに好ましい。後段処理の降温速度が2℃/分〜3℃/分とすると特に好ましい。
なお、本製造法において、後段処理の昇温途中で温度保持したり、一度温度を下げるなどしてもよい。
本製造法において、1サイクル目の熱処理後のハニカム成形体の窒化率が10〜18%で、かつ、2サイクル目の熱処理後のハニカム成形体の窒化率が20〜50%であると、窒化時の発熱量とそれがハニカム成形体から放熱される放熱量とがバランスし、ハニカム成形体内部で異常な温度上昇を防止でき、大型のハニカム成形体でもクラックや膨れ等の欠陥がなく、しかもハニカム内部での機械的、熱的特性の均質性が高い窒化ケイ素質ハニカムフィルタを製造できるため好ましい。
1サイクル目の窒化率が12〜16%であるとより好ましく、1サイクル目の窒化率が13〜15%であるとさらに好ましい。2サイクル目の窒化率が34〜44%であるとより好ましく、2サイクル目の窒化率が36〜42%であるとさらに好ましい。
なお、本明細書では窒化ケイ素の窒化率は質量変化から算出する。すなわち窒化ケイ素の生成反応は、式1で示されるように3モルの金属ケイ素が2モルの窒素と反応して1モルの窒化ケイ素となる。
3Si+2N→Si・・・式1
式1から、金属ケイ素が全て窒化ケイ素となるとその質量は、1.67倍となる((3×Si+4×N)/(3×Si)=(3×28+4×14)/(3×28)=1.67)。仮に質量変化がα倍であれば、窒化率は(α−1)/(1.67−1)=(α−1)/0.67で計算される。例えば、金属ケイ素の質量変化が1.37倍であれば窒化率は55%(0.37/0.67×100=55%)となる。
本製造法において、前記熱処理は窒素雰囲気下で行われる。ここで窒素雰囲気下とは、実質的に窒素のみを含み酸素を含まない雰囲気をいうが、他の不活性気体を含んでいてもよい。なお、実質的に酸素を含まないとは、不可避的な酸素が不純物として入っていてもよい。窒素分圧は50kPa以上が好ましい。また、熱処理の際には、ハニカム成形体をカーボン製や窒化ケイ素などの容器に入れて処理することが好ましい。カーボン製の容器の場合には、内表面に窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む被覆層が形成されていることが好ましい。
本製造法において、ハニカム成形体は、金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含む。金属ケイ素粒子としては、特に制限されないが平均粒子直径(以下、粒子直径を粒径という)が1〜200μmのものが好適に使用される。金属ケイ素の純度としては、目的、用途に応じ適宜選択される。
気孔形成材は気孔を形成するものであれば特に制限はないが、熱処理時に分解などして飛散し気孔を形成するもの(以下、飛散型気孔形成材という)や酸化物セラミックス中空粒子(以下、単に中空粒子と略す)が好適なものとして挙げられる。飛散型気孔形成材としては、熱分解性の有機高分子粒子などがある。中空粒子としては、熱処理時に気孔を形成し、しかも熱処理過程で生成する窒化ケイ素粒子に対して焼結助剤的な働きをするものであれば結晶質や非晶質のいずれも好適に使用される。中空粒子は、Al、Si、Ca、Sr、Ba、Mg、Y、Sc、Ce、およびYbからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物を主成分とすると焼結助剤的な効果が高いため好ましい。
ハニカム成形体中、金属ケイ素粒子、気孔形成材の量に特に制限はないが、金属ケイ素粒子が40〜90質量%、気孔形成材が10〜60質量%であると好ましい。また、前記ハニカム成形体は、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、中実のアルミナ粒子、イットリア粒子などの酸化物粒子、メチルセルロース類などの有機バインダ、可塑剤、分散剤、粘性調整剤などの成形助剤、を含んでいてもよい。
本製造法において、ハニカム成形体の製造法については特に制限がないが、押出成形などが生産性その他の点で好適である。具体的には、金属ケイ素粒子と気孔形成材に有機バインダ、成形助剤、イオン交換水等を必要に応じて適宜添加してニーダなどの混練機で混練して坏土とし、該坏土をハニカムの断面形状を有する金型を使用して押出成形して製造する。金型、押出成形機などはハニカム成形体のサイズ、断面形状等に応じて適宜設計・選択される。
以下に本発明の実施例を示す。
[成形体作製法]
平均粒径22μmの金属ケイ素粒子100質量部に対して、平均粒径50μmのAl成分35質量%、SiO成分65質量%からなるガラス質の中空粒子30質量部を添加し、これにメチルセルロース20質量部、イオン交換水80質量部を添加し、ニーダで混練して坏土とし、真空押出成形機で押出成形して直径150mm、長さ180mm、セルピッチ1.8mm、壁厚0.35mmのハニカム成形体を得た。
[評価方法]
気孔率:アルキメデス法で算出した。
平均細孔径:水銀ポロシメータ(ユアサアイオニクス株式会社製、AUTOSCAN−33)で測定した。
結晶相:X線回折装置(リガク社製、商品名:ガイガーフレックスRAD−IIA)により同定した。
圧縮強度:試料より10mm×10mm×10mmサイズの試験片を切り出し、強度測定機(東洋ボールドウィン社製、商品名:テンシロンUTM−5T)によりロードセル(最大荷重4900N)で測定した。クロスヘッド移動速度は0.5mm/分とした。
圧損測定:実形状のハニカム焼結体を圧損試験装置にセットし、ガス流量を200Nm/hとして測定した。
[例1(実施例)]
前記ハニカム成形体を脱脂炉で窒素雰囲気下800℃で脱バインダ後、内面に窒化ケイ素粒子を含むスラリを塗布乾燥させたカーボン製容器内に脱脂したハニカム成形体をセットし、窒素雰囲気下で室温から1240℃まで2℃/分で昇温し、1240℃で3時間保持後、2℃/分で室温まで冷却して第1段の熱処理をした。質量変化から第1段の窒化率は10%であった。次に、第2段の熱処理として、室温から1300℃まで2℃/分で昇温し、1300℃で3時間保持後、2℃/分で室温まで冷却した。質量変化から第2段の窒化率は30%であった。第3段の熱処理として、室温から1750℃まで2℃/分で昇温し、1750℃で3時間保持後、2℃/分で室温まで冷却してハニカム焼成体とした。
得られたハニカム焼成体をX線回折で同定したところ金属ケイ素のピークは観察されなかった。また、細孔特性は、気孔率が61%、中央部の平均細孔直径(以下、細孔直径を細孔径という)は12μm、外周部の平均細孔径は9μmであった。中央部の圧縮強度は12MPa、外周部の圧縮強度は12MPaであった。圧損は4kPaで、外観の膨れやクラックなどの欠陥は観察されなかった。
[例2(実施例)]
例1において第1段の保持温度を1240℃から1260℃に変更するほかは例1と同様にした。第1段の窒化率は14%、第2段の窒化率は39%であった。得られたハニカム焼成体をX線回折で同定したところ金属ケイ素のピークは観察されなかった。また、細孔特性は、気孔率が60%、中央部の平均細孔直径(以下、細孔直径を細孔径という)は11μm、外周部の平均細孔径は9μmであった。中央部の圧縮強度は13MPa、外周部の圧縮強度は14MPaであった。圧損は4kPaで、外観の膨れやクラックなどの欠陥は観察されなかった。
[例3(比較例)]
例1において第1段の保持温度を1240℃から1320℃に変更して、第1段の温度処理を実施したところ、外観に膨れが観察されたので以後の熱処理を中止した。第1段の窒化率は79%であった。
[例4(比較例)]
窒素雰囲気下、室温から1270℃まで2℃/分で昇温し、1270℃で3時間保持後、冷却せずに1270℃〜1750℃まで2℃/分で昇温し、1750℃で3時間保持後室温まで2℃/分で降温した。冷却後、ハニカム焼結体を目視観察したところ膨れが発見された。なお、ハニカム焼結体の窒化率はほぼ100%であった。
本製造法により得られる窒化ケイ素質ハニカムフィルタは、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性に優れる大型サイズのディーゼルパティキュレート除去用フィルタとして好適に使用される。

Claims (5)

  1. 金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を窒素雰囲気下で熱処理して金属ケイ素を窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法であって、前記熱処理が保持温度1100℃以上1400℃未満の前段処理と、保持温度1600℃以上1800℃未満の後段処理とに分けられ、前記前段処理が昇温・温度保持・降温の熱サイクルを2またはそれ以上の複数回繰り返すものであり、かつ該熱サイクルの降温が1000℃以下まで冷却することを特徴とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
  2. 前記前段処理において、保持温度は、前段処理の一つ前の熱サイクルの保持温度より高温にする請求項1記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
  3. 前記前段処理が昇温・温度保持・降温の熱サイクルを2回繰り返すものであり、1サイクル目の温度保持が保持温度1100℃以上1300℃未満、保持時間1〜10時間、2サイクル目の温度保持が1サイクル目の保持温度より15〜100℃高い温度で保持時間1〜10時間とする請求項1または2記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
  4. 前記後段処理が保持温度1600℃以上1800℃未満、保持時間1〜10時間である請求項1、2または3記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
  5. 前記ハニカム成形体の窒化率が、前段処理の1サイクル終了後が10〜18%で、かつ、前段処理の2サイクル終了後が20〜50%である請求項1、2、3または4記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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