JP2008012485A - 窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハニカム成形体のサイズが大型化したり、また分割型ハニカム(セグメント)焼成においてセグメント密度が大型化した場合でも、クラックやハニカム成形体の変形が発生しない窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法の提供。
【解決手段】 金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を加熱炉に載置し、窒素を炉内に導入して金属ケイ素を窒化ケイ素とし、焼結して窒化ケイ素からなる窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法において、熱処理時のガス雰囲気が、(1)室温〜窒素ガス導入開始温度までは、真空又はAr等を大気圧以下に含む雰囲気として昇温する第1段階と、(2)炉内圧力を20〜90KPaの範囲の一定減圧圧力に調整し、窒素ガス導入量を特定量として加熱、窒化する第2段階と、(3)窒素ガス導入量制御終了温度からは窒素を大気圧以下に含む雰囲気として加熱、焼結する第3段階とを順次実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高温排気ガス中に含まれる粉塵等を除去するために好適な窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法に関する。
窒化ケイ素は、耐熱性、耐食性、耐薬品性、機械的強度等に優れた特性を有しており、高温や腐食性環境下での集塵、脱塵用フィルタやディーゼルエンジンから排出される微粒子(以下、パティキュレートという。)除去用フィルタ(以下、「DPF」)という。)として期待されている。
このような窒化ケイ素質フィルタの製造法としては、出発原料で大別すると、窒化ケイ素粒子を出発原料とする製造法(たとえば特許文献1参照。)と金属ケイ素粒子を出発原料とする製造法とに大別される。このうち、後者の金属ケイ素粒子を出発原料とし、直接窒化により窒化ケイ素とする製造法は、熱処理工程において、その加熱工程の熱制御を精密に行うことが重要であるが、窒化ケイ素粒子を出発原料とする製造法に比べて原料費用が安価であるため、工業的製造方法としては、より好ましいと考えられる。
従来、金属ケイ素粒子を出発原料とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法としては、たとえば以下の特許文献2〜5が知られている。
特許文献2には、金属ケイ素を含むハニカム成形体を酸化性雰囲気で有機質を焼成除去後、窒素または窒素と水素の混合ガスを含む還元性雰囲気中で、1400〜1450℃まで窒化処理、加熱焼成して窒化ケイ素を主成分とするハニカム構造体の製造法が記載されている。
特許文献3には、金属ケイ素を含む成形体を窒素ガス40〜95容量%、水素ガス60〜5容量%の雰囲気下で加熱窒化して網目状多孔質窒化ケイ素焼結体とする製造法が記載されている。
特許文献4には、20〜800℃まで不活性雰囲気(例えばアルゴン、窒素)または酸化性雰囲気とし、約1500℃まで窒素をベースに工業用窒素またはアンモニアで処理してダイカスト用多孔質窒化ケイ素金型とする製造法が記載されている。
特許文献5には、金属ケイ素を含む成形体を窒素雰囲気下で1100〜1400℃で4〜12時間保持し、第2段の熱処理条件が窒素雰囲気下で1450〜1800℃で1〜12時間保持して窒化ケイ素フィルタとする製造法が記載されている。
しかしながら、これら特許文献2〜5記載の従来の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法においては、基本的に、金属ケイ素を窒化ケイ素とする窒化が発熱反応であるため、成形体内部での窒化率などの特性が不均一になりやすく、さらに、窒化による異常発熱により窒化段階でハニカム成形体にクラックなどの欠陥が発生するおそれもあった。
本発明者らは、このように、金属ケイ素粒子を出発原料とする方法は、熱処理過程で金属ケイ素を窒化ケイ素にする過程(以下、窒化という。)を伴うため、熱処理の精密な制御が重要となること、熱処理の制御は、温度とともに雰囲気を充分に制御することが重要であること、金属ケイ素を含むハニカム成形体を種々の条件下で熱処理する際に、金属ケイ素の窒化による発熱とその放熱との熱バランスが悪いと、ハニカム成形体内部で異常な温度上昇(以下、異常発熱という。)が局所的に発生し、ハニカム成形体内部にクラックが発生したり、ハニカム成形体の外部に膨れ等の欠陥が発生することを見いだした。そのため、さきに、金属ケイ素を熱処理する際のガス雰囲気を、三段階にわけて、第1段階(窒化防止)、第2段階(窒化工程)、第3段階(焼結工程)として実施し、それぞれの段階のガス雰囲気、窒素ガス導入速度を特定の値の範囲に制御することより、きわめて、安定的に高品質の窒化ケイ素質ハニカムフィルタを製造する方法を提案した(特許文献6を参照。)。
特開2002−121073号公報(第1〜5頁) 特公昭52−19207号公報(第1〜2頁) 特公平2−11555号公報(第1〜2頁) 特表昭64−500426号公報(6頁) 国際公開第01/47833号パンフレット(4、5、7頁) 特開2005−324138(特許請求の範囲(請求項1−7))
本発明の目的は、この方法をより発展させ、ハニカム成形体のサイズがより大型となったり、また分割型ハニカム(セグメントと称する。)焼成においてはセグメント密度が大型化した場合でも、さらには加熱炉内に載置する処理製品の密度が高くなった場合でも、ハニカム成形体内部にクラックが発生したり、ハニカム成形体の変形が発生することのない、寸法精度の良好な、内部の特性の均質性が高い窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法を提供することである。
本発明者らはかかる観点から鋭意検討した結果、窒化反応工程において、大気圧下の焼成に代えて加熱炉内を一定減圧下に保持し、窒素分圧をハニカム成形体全体に渡って均一とすることにより、より大型のハニカム成形体や加熱炉内に載置する処理成形体の密度が大きくなった場合でも、クラックや膨れなどの成形体の変形を有効に防止することができ、その歩留まりを大幅に向上させることができることを見いだし本発明を完成した。
本発明に従えば、以下の、窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法が提供される。
〔1〕
金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を加熱炉に載置し、窒素を炉内に導入して窒素雰囲気中で熱処理することにより当該金属ケイ素を窒化ケイ素とし、さらに焼結して窒化ケイ素を主体とする多孔質体とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法であって、当該熱処理時のガス雰囲気が、順に、
(1)室温〜窒素ガス導入開始温度までは、真空であるかまたはArおよび/またはHeを大気圧以下に含む雰囲気として昇温する窒化防止のための第1段階と、
(2)窒素ガス導入開始温度から窒素ガス導入量制御終了温度までは炉内圧力を20〜90KPaの範囲の一定減圧圧力に調整し、窒素ガス導入量をハニカム成形体中の金属ケイ素1kg当たり0.05〜6L/min.として加熱して窒化を行う第2段階と、および
(3)窒素ガス導入量制御終了温度からは雰囲気が真空であるかまたは窒素を大気圧以下に含む雰囲気として加熱し、窒化ケイ素の焼結を行う第3段階とからなることを特徴とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
〔2〕
前記窒素ガス導入開始温度が1000〜1380℃である〔1〕に記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
〔3〕
前記窒素ガス導入量制御終了温度が1380〜1550℃である〔1〕又は〔2〕に記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
〔4〕
前記第3段階における炉内の最高温度が1550〜1800℃である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
〔5〕
前記熱処理の温度条件が、第1段階において室温から窒素ガス導入開始温度までは、0.5〜10℃/min.で昇温し、第2段階において窒素ガス導入開始温度から窒素ガス導入量制御終了温度までは、0.01〜3℃/min.で昇温し、さらに第3段階において窒素ガス導入量制御終了温度以降は2〜5℃/min.で昇温する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
本発明の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法(以下、「本製造法」または「本発明方法」ということがある。)によれば、ハニカム成形体のサイズがより大型となったり、また分割型ハニカム(セグメントと称する。)焼成においては、セグメント密度が大型化した場合でも、さらには加熱炉内に載置する処理製品の密度が高くなった場合でも、ハニカム成形体内部にクラックが発生したり、ハニカム成形体の変形が発生することのない、寸法精度の良好な、内部の特性の均質性が高い窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法を提供することができる。
また本発明方法によれば、大型の窒化ケイ素質ハニカムフィルタで特に問題となる窒化反応の制御が容易となるため、クラックや膨れ等の欠陥がなく、しかもフィルタ内部の特性の均質性が高い、高品質の大型の窒化ケイ素質ハニカムフィルタを提供できる。したがって、本製造法で得られた窒化ケイ素質フィルタをディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート除去用として採用することにより、信頼性の高い、耐久性に優れた、大型のDPFを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
金属ケイ素を含む成形体を熱処理する際には、窒化反応を暴走させないように熱処理の温度条件や窒素ガス供給量制御を中心とする雰囲気制御が重要である。本製造法は、窒素ガス供給量制御を主とするものである。
すなわち、本製造法は、金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を主に窒化および焼結のため熱処理して金属ケイ素粒子を窒化ケイ素粒子とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法であって、熱処理時の窒素ガス雰囲気を窒素ガス導入量で制御するとともに窒化工程を特定の減圧下に行うことを基本とする。なお、本製造法により得られる、窒化ケイ素を主体とする多孔質体は、実質的に窒化ケイ素からなる多孔質体であることが好ましい。
(ハニカム成形体)
本製造法において、加熱炉内に載置すべきハニカム成形体(「ハニカム成形体原体」ということもある。)とは、金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むものである。金属ケイ素粒子としては、特に限定するものではないが、平均粒子直径(以下、粒子直径を単に「粒径」という。)が、1〜200μmのものが好適に使用される。また、金属ケイ素の純度は、目的とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの種類や用途に応じ適宜選択される。
(気孔形成材)
気孔形成材は、ハニカムフィルタ中に、気孔を形成しうるものであれば特に制限はなくそれ自体公知のものが使用される。たとえば、熱処理時に分解などして飛散し気孔を形成するもの(以下、「飛散型気孔形成材」という。)や酸化物セラミックス中空粒子(以下、単に「中空粒子」と略する。)が好適なものとして挙げられる。
飛散型気孔形成材としては、熱分解性の有機高分子粒子などがある。また、中空粒子としては、熱処理時に気孔を形成し、しかも、熱処理過程で生成する窒化ケイ素粒子に対して焼結助剤的な働きをするものであれば結晶質や非晶質のいずれも好適に使用される。中空粒子は、Al、Si、Ca、Sr、Ba、MgおよびYからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物を主成分とするものが、気孔形成以外に、焼結助剤的な効果も得られフィルタの強度向上が図れるため好ましい。
ハニカム成形体中においては、金属ケイ素粒子、気孔形成材の量に特に制限はないが、金属ケイ素粒子が40〜90質量%、気孔形成材が10〜60質量%であることが好ましい。なお、当該ハニカム成形体は、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、中実の酸化物粒子(例えば、アルミナ粒子、イットリア粒子など)、メチルセルロース類などの有機バインダ、可塑剤、分散剤、粘性調整剤などの成形助剤を含んでいてもよい。
本発明方法において、上記ハニカム成形体(原体)の調製法については、特に制限はなく、それ自身公知の方法を採用することができる。たとえば、押出成形などが生産性その他の点で好適である。具体的には、金属ケイ素粒子と気孔形成材に有機バインダ、成形助剤、イオン交換水等を必要に応じて適宜添加してニーダなどの混練機で混練して坏土とし、該坏土をハニカムの断面形状を有する金型(ダイス)を使用して押出成形して製造する。なお金型、押出成形機などは、ハニカム成形体のサイズ、断面形状等に応じて適宜設計・選択される。
(熱処理工程の概要)
本製造法において、上記したようなハニカム成形体を、加熱炉内で熱処理するが、この熱処理は、概略的に以下の3段階に分けられる。すなわち、(1)室温から窒素ガス導入開始温度までの主に窒化防止を目的とする第1段階、(2)窒素ガス導入開始温度から窒素ガス導入量制御終了温度までの主に金属ケイ素粒子の窒化を目的とする第2段階、及び(3)窒素ガス導入量制御終了温度から以降の主に窒化で生成した窒化ケイ素粒子の焼結を目的とする第3段階である。
なお、ここで「窒素ガス導入開始温度」とは、窒素ガスの導入を開始する温度であり、「窒素ガス導入量制御終了温度」とは、窒素ガス導入量の制御を終了する温度をいう。そして、当該窒素ガス導入開始温度は、概略的に窒化の始まる温度付近であり、窒素ガス導入量制御終了温度とは、窒化の終了する温度付近をいう。ただし、この区分は、あくまで定性的な目安であり、これに厳密に限定されるものではない。
なお、図1は、この第1段階、第2段階、第3段階における加熱炉内の典型的な昇温パターン(温度プログラム)を示す。
(発明の基本構成)
本製造法においては、熱処理時のガス雰囲気を、順に、以下のようにして制御する三つの工程(段階)からなる。すなわち、
(1)室温〜窒素ガス導入開始温度までは、真空であるかまたはArおよび/またはHeを大気圧以下に含む雰囲気として昇温する窒化防止のための第1段階と、
(2)窒素ガス導入開始温度から窒素ガス導入量制御終了温度までは炉内圧力を20〜90KPaの範囲の一定減圧圧力に調整し、窒素ガス導入量をハニカム成形体中の金属ケイ素1kg当たり0.05〜6L/min.として加熱して窒化を行う第2段階と、および
(3)窒素ガス導入量制御終了温度からは雰囲気が真空であるかまたは窒素を大気圧以下に含む雰囲気として加熱し、窒化ケイ素の焼結を行う第3段階である。
(第1段階の条件)
第1段階の雰囲気としては、窒化を防止するため、真空(減圧)であるかまたはArおよび/またはHeを大気圧以下に含む雰囲気とする。取扱い性、入手性、経済性などの点からArを含むものがより好ましい。
また、第1段階の温度範囲では、昇温の途中まで真空(減圧)雰囲気としてもよい。ハニカム形成体中に含有されるバインダ成分等の有機物及び無機物の分解ガスなどは、炉外に排出する方が好ましいので、例えば1000℃までは真空(減圧)雰囲気とし、その後、当該1000℃にて温度を保持しながら、Arを大気圧になるまで導入してもよい。
なお、窒素ガス導入開始温度は、窒素が存在するとしたら実際に窒化が始まる温度(以下、「窒化開始温度」という。)と、必ずしも一致させる必要はなく、むしろ、気孔率の大きいハニカムフィルタや平均細孔直径の大きいハニカムフィルタを製造する場合には、当該窒素ガス導入開始温度を、当該窒化開始温度より100〜200℃程度、高い温度に設定するのが好ましい。
窒素ガス導入開始温度を窒化開始温度より高い温度に設定すると、何故ハニカムフィルタの気孔率や平均細孔直径の大きいハニカムフィルタになるのか、その詳細なメカニズムはもちろん不明であるが、窒素導入開始温度を、窒化開始温度より高い温度に設定すると、無機物の分解がより急激かつ広範囲に生じるためと推測している。
一方、窒素ガス導入開始温度を、窒化開始温度と同程度とすると、ハニカムフィルタ内での細孔特性の場所による差が少ない均質性の高いハニカムフィルタや機械的強度の高いハニカムフィルタを製造できるため好ましい。したがって、本製造法によれば、窒素ガス導入開始温度を、上記のごとく適宜選択することにより、目的に応じた所望の特性のハニカムフィルタを製造できる。
このように、第1段階では、図1に示されているように昇温が主として行われるが、室温から窒素ガス導入開始温度までの温度条件としては、昇温速度が2〜10℃/minであると好ましく、3〜6℃/min.であるとさらに好ましい。たとえば、800℃までは3〜6℃/min.とし、800℃以上を2〜4℃/min.とするとより好ましい。
具体的にたとえば図1に示されている条件は、室温〜1200℃を5℃/min.とし、1200〜1325℃を2℃/min.とした昇温パターンである。
なお、次の第2段階に進む前に、1000〜1350℃の特定温度で保持してもよい。保持時間としては1〜10時間が好ましい。
(第2段階の条件)
第2段階においては、窒素ガス導入開始温度から窒素ガス導入量制御終了温度までは炉内圧力を20〜90KPa、好ましくは25〜80KPa、更に好ましくは40〜70KPaの範囲の一定減圧圧力に調整し、窒素ガス導入量を、ハニカム成形体中の金属ケイ素1kg当たり0.05〜6L/min.として加熱して窒化を行う。
炉内圧力を大気圧、たとえば100〜105KPaとして第2工程を行った場合、特に、製品処理密度が大きい場合は、後記比較例1に示すように、得られた窒化ケイ素質ハニカムフィルタにはストークス漏れ、クラック発生、凹変形等が発生しうるので好ましくない。
特に、金属ケイ素粒子が窒化を開始する1000℃以上の領域においては、通常金属ケイ素粒子の外表面に存在し金属ケイ素の不動態化に寄与しているSiO2が、Si+SiO2→2SiOという反応により、分解してガス化、消失するため、当該窒化時には、金属ケイ素の表面が本来のきわめて高い化学的活性状態を有している。このとき、第2段階の雰囲気中にN2以外の活性種が存在すると、窒化が著しく阻害され、窒化ケイ素以外の生成物が混入するおそれがある。本発明者らは、かかる点に関し鋭意検討を行った結果、第2段階の雰囲気を、上記規定の特定の条件に設定することにより、N2以外の活性種の分圧を低減した結果、その内部の特性の均質性が高く、かつ、焼成収縮率の低いハニカム成形体が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
また第2段階の雰囲気としては、窒素ガス導入量をハニカム成形体中の金属ケイ素1kg当たり(以下、特に断りのない場合は、窒素ガス導入量はハニカム成形体中の金属ケイ素1kg当たりで表記する)0.05〜6L/min.とする。窒素ガス導入量が0.05L/min.未満であると、窒化の進行が遅すぎ窒化に時間がかかりすぎるおそれがある。一方、窒素ガス導入量が6L/min.を超えると窒化反応が途中で暴走して異常発熱しやすくなる。窒素ガス導入量は、0.2〜6L/min.であることがより好ましく、0.3〜6L/min.であるとさらに好ましい。
上記熱処理の温度は、窒素ガス導入開始温度は、1000〜1380℃であることが好ましく、1150〜1350℃であるとさらに好ましい。また、窒素ガス導入量制御終了温度は1350〜1550℃であることが好ましく、1400〜1520℃であるとさらに好ましい。
窒化反応も一定速度で進行するわけではなく、約1200〜1450℃の温度では急速に反応が進行する。そこで、約1200〜1450℃の温度範囲までは窒化反応が暴走しないように窒素ガス導入量を少なくして反応を抑制させると異常発熱の防止および成形体中での場所による最終窒化率、細孔特性などの特性のばらつきを少なくでき均質性が向上するため好ましい。
したがって第2段階の雰囲気としては、約1200℃までは、窒素ガス導入量を1L/min.以下とするのが好ましく、約1200〜1450℃の温度範囲では窒素ガス導入量を2L/min.以下とするのが好ましく、1L/min.以下とするとより好ましい。また約1450〜1550℃の温度範囲では2〜5L/min.とすることが好ましい。
当該第2段階での窒化率平均変化速度については、これが0.05〜0.7%/min.であると窒化反応がより制御された形で進行するので好ましい。
ここで窒化率平均変化速度とは、第2段階の開始温度をT1(℃)、第2段階の終了温度をT2(>T1)(℃)とすると、(T2での窒化率−T1での窒化率)/(T1からT2までの所要時間(min.))で定義されるものである。
第2段階の終了温度での窒化率は80%以上が好ましく、第2段階の終了温度での窒化率が90%以上であることがより好ましく、第2段階の終了温度での窒化率が95%以上であると特に好ましい。
第2段階の温度条件としては、昇温速度が0.1〜3℃/minであると好ましい。また、さらに昇温パターンを細かく規定し、図1に示されているように、1300℃までが1〜3℃/min.、1300〜1450℃が0.2〜1℃/min.、さらに1450〜1550℃が1〜3℃/min.とするとより好ましい。
(第3段階の条件)
第3段階において、窒素ガス導入量制御終了温度からは、雰囲気が真空であるかまたは窒素を大気圧以下に含む雰囲気として加熱し、窒化ケイ素の焼結を行う。なお、第3段階の雰囲気としては、実質的に窒素からなる雰囲気とすることが好ましい。
第3段階の雰囲気としては、実質的に窒素からなる雰囲気とした場合、窒素の圧力は大気圧未満であってもよいが、丁度大気圧(100〜105KPa)であってもよい。窒素の圧力が大気圧であると、熱処理炉の構成も単純で、生産性、原価などの点で好ましい。 この場合、第2段階終了時点で温度保持しながら減圧から大気圧まで窒素を導入してもよく、また温度保持せずに昇温しながら大気圧まで窒素を導入してもよい。
本明細書においては、窒化ケイ素の窒化率は、質量変化から算出する。すなわち窒化ケイ素の生成反応は、式(1)で示されるように3モルの金属ケイ素が2モルの窒素と反応して1モルの窒化ケイ素となる。
3Si+2N2→Si34・・・(1)
式(1)から、金属ケイ素が全て窒化ケイ素となるとその質量は、1.67倍となる((3×Si+4×N)/(3×Si)=(3×28+4×14)/(3×28)=1.67)。仮に質量変化がα倍であれば、窒化率は(α−1)/(1.67−1)=(α−1)/0.67で計算される。例えば、金属ケイ素の質量変化が1.37倍であれば窒化率は55%(0.37/0.67×100=55%)となる。
前記第3段階の温度条件としては、昇温速度が2〜5℃/minであると好ましく、2〜3℃/min.であるとさらに好ましい。
第3段階における炉内の最高温度は1550〜1800℃であると窒化ケイ素粒子が充分に焼結されるため好ましく、1650〜1780℃であるとさらに好ましく、1680〜1760℃であるとより一層好ましい。
図1に示すように、この最高温度で一定時間、たとえば1〜5時間、より好ましくは2〜4時間保持する。
(ハニカム成形体保持容器)
以上の第1段階〜第3段階を加熱炉内で行うに際し、ハニカム成形体原体を、カーボン製や窒化ケイ素などの保持容器に入れて処理することが好ましい。カーボン製の容器の場合には、内表面に窒化ケイ素粒子、金属ケイ素粒子、及び炭化ケイ素粒子からなる群から選ばれる1種以上を含む被覆層が形成されていることが好ましく、カーボン製容器を使用する場合はその内表面には、少なくとも窒化ケイ素粒子を含む被複層が形成されていることが好ましい。
(焼成変形率)
なお、本発明の方法により得られるハニカムフィルタの焼成変形率は、5%以内に抑えられていることが好ましい。本発明において、焼成変形率とは、下記式(2)により計算される。この焼成変形率は、3%以内に抑えられていることがより好ましい。
焼成変形率〔%〕=〔(焼成前ハニカム長さ−焼成後ハニカム長さ)/焼成前ハニカム長さ〕×100・・・(2)
以下、本発明を実施例により説明する。ただし、これらはあくまで例示であり、本発明の技術的範囲がこれら実施例により限定的に解釈されるものではない。
〔成形体作製法〕
平均粒径22μmの金属ケイ素粒子(ELKEM社製、Si純度99.5質量%)100質量部に対して、気孔形成材として、Al23成分65質量%、SiO2成分35質量%からなるガラス質の中空粒子(平均粒径75μm、太平洋セメント社製、商品名:SL75)30質量部を添加し、これにメチルセルロース15質量部、イオン交換水70質量部を添加し、ニーダで混練して坏土とした。
これを、真空押出成形機で押出成形して、矩形断面55〜59mm、長さ6〜12インチ(150〜300mm)、セルピッチ1.8mm、壁厚0.35mmの金属ケイ素粒子及び気孔形成材を含むハニカム成形体(以下「ハニカム成形体原体」ということがある。)を得た。
〔評価方法〕
得られた窒化ケイ素質ハニカムフィルタの特性評価は、以下の測定方法によった。
1)気孔率(%):アルキメデス法で算出した。
2)平均細孔直径(μm):水銀ポロシメータ(ユアサアイオニクス株式会社製、AUTOSCAN−33)で測定した。
3)結晶相:X線回折装置(リガク社製、商品名:ガイガーフレックスRAD−IIA)により同定した。
4)圧縮強度(MPa):試料より10mm×10mm×10mmサイズの試験片を切り出し、同試験片を押出方向に圧縮したときの破壊強度で測定。荷重印加速度は1mm/分とした。
5)スート漏れチェック:排気量3.6Lのディーゼルエンジン排気管内に両端を市松模様状に目封じしたハニカムフィルタをセットし、ハニカムフィルタ通過後のスモーク濃度をスモークメーター(AVL社製)にて測定。エンジン運転モードにかかわらず、スモーク濃度(FSN)が0.1以下であれば、スート漏れなしとした。
6)クラック発生、凹変形:目視によった。
7)焼成変形率:式(2)により求めた。
〔実施例1〕
(1)外寸基準で1辺の長さが895mm×550mmであり、高さが970mmの四角柱形状の加熱炉の内部を8段に仕切り、各段に上記ハニカム成形体原体を12本ずつ、合計96本載置した。室温から1200℃までは真空雰囲気(約100Pa)下で、5℃/min.で昇温し、続いて同じ真空雰囲気下で1200℃から1325℃までを2℃/min.で昇温して第1段階とした。
(2)第2段階は、窒素ガス導入量を88L/min.(Si単位質量当たり5.1L/min.Kg)とし、以下の昇温パターンによった。
(i)圧力25〜30KPaにおいて、1325℃で230min.保持。
(ii)圧力25〜30KPaにおいて、昇温速度0.5℃/min.で1325℃から1400℃まで昇温。
(iii)圧力25〜30KPaにおいて、昇温速度0.5℃/min.で1400℃から1450℃まで昇温。
(iv)圧力25〜30KPaにおいて、昇温速度2℃/min.で1450℃から1500℃まで昇温。
(3)第3段階は、窒素を大気圧(100〜105KPa)まで導入後、1500℃から1730℃まで2℃/min.で昇温し、1730℃で2時間保持後、加熱をやめ室温近くまで自然放冷した。
(4)得られたハニカムフィルタの特性は、気孔率65(%)、平均細孔直径20〜24μm、結晶相はβ型Si34、圧縮強度2.5〜3.5MPa、スート漏れ、クラック発生、凹変形はいずれも認められなかった。また、当該ハニカムフィルタ焼成変形率を調べたところ、いずれのフィルタにおいても0〜2%の範囲内であった。
〔実施例2〕
(1)外寸基準で1辺の長さが895mm×550mmであり、高さが970mmの四角柱形状の加熱炉の内部を8段に仕切り、各段に上記ハニカム成形体原体を12本ずつ、合計96本載置した。室温から1200℃までは真空雰囲気(約100Pa)下で、5℃/min.で昇温し、続いて同じ真空雰囲気下で1200℃から1360℃までを2℃/min.で昇温して第1段階とした。
(2)第2段階は、窒素ガス導入量を88L/min.(Si単位質量当たり2.5L/min.Kg)とし、以下の昇温パターンによった。
(i)圧力25〜30KPaにおいて、1360℃で230min.保持。
(ii)圧力25〜30KPaにおいて、昇温速度0.5℃/min.で1360℃から1400℃まで昇温。
(iii)圧力25〜30KPaにおいて、昇温速度0.5℃/min.で1400℃から1450℃まで昇温。
(iv)圧力25〜30KPaにおいて、昇温速度2℃/min.で1450℃から1500℃まで昇温。
(3)第3段階は、窒素を大気圧(100〜105KPa)まで導入後、1500℃から1730℃まで3℃/min.で昇温し、1730℃で2時間保持後、加熱をやめ室温近くまで自然放冷した。
(4)得られたハニカムフィルタの特性は、気孔率64(%)、平均細孔直径21〜27μm、結晶相はβ型Si34、圧縮強度2.5〜4.0MPa、スート漏れ、クラック発生、凹変形はいずれも認められなかった。また、当該ハニカムフィルタの焼成変形率を調べたところ、いずれのフィルタにおいても0〜2%の範囲内であった。
〔実施例3〕
(1)外寸基準で1辺の長さが895mm×550mmであり、高さが970mmの四角柱形状の加熱炉の内部を8段に仕切り、各段に上記ハニカム成形体原体を12本ずつ、合計96本載置した。室温から1200℃までは真空雰囲気(約100Pa)下で、5℃/min.で昇温し、続いて同じ真空雰囲気下で1200℃から1325℃までを2℃/min.で昇温して第1段階とした。
(2)第2段階は、窒素ガス導入量を88L/min.(Si単位質量当たり5.1L/min.Kg)とし、以下の昇温パターンによった。
(i)圧力55〜60KPaにおいて、1325℃で230min.保持。
(ii)圧力55〜60KPaにおいて、昇温速度0.5℃/min.で1325℃から1400℃まで昇温。
(iii)圧力55〜60KPaにおいて、昇温速度0.5℃/min.で1400℃から1450℃まで昇温。
(iv)圧力55〜60KPaにおいて、昇温速度2℃/min.で1450℃から1500℃まで昇温。
(3)第3段階は、窒素を大気圧(100〜105KPa)まで導入後、1500℃から1730℃まで3℃/min.で昇温し、1730℃で2時間保持後、加熱をやめ室温近くまで自然放冷した。
(4)得られたハニカムフィルタの特性は、気孔率66(%)、平均細孔直径14.5〜23.3μm、結晶相はβ型Si34、圧縮強度1.8〜3.7MPa、スート漏れ、クラック発生、凹変形はいずれも認められなかった。また、当該ハニカムフィルタ焼成変形率を調べたところ、いずれのフィルタにおいても0〜2%の範囲内であった。
〔実施例4〕
(1)外寸基準で1辺の長さが895mm×550mmであり、高さが970mmの四角柱形状の加熱炉の内部を4段に仕切り、各段に上記ハニカム成形体原体を12本ずつ、合計48本載置した。室温から1200℃までは真空雰囲気(約100Pa)下で、5℃/min.で昇温し、続いて同じ真空雰囲気下で1200℃から1325℃までを2℃/min.で昇温して第1段階とした。
(2)第2段階は、窒素ガス導入量を88L/min.(Si単位質量当たり5.1L/min.Kg)とし、以下の昇温パターンによった。
(i)大気圧(100〜105KPa)において、1325℃で230min.保持。
(ii)大気圧(100〜105KPa)において、昇温速度0.5℃/min.で1325℃から1400℃まで昇温。
(iii)大気圧(100〜105KPa)において、昇温速度0.5℃/min.で1400℃から1450℃まで昇温。
(iv)大気圧(100〜105KPa)において、昇温速度2℃/min.で1450℃から1500℃まで昇温。
(3)第3段階は、窒素を大気圧(100〜105KPa)に維持したまま、1500℃から1730℃まで3℃/min.で昇温し、1730℃で2時間保持後、加熱をやめ室温近くまで自然放冷した。
(4)得られたハニカムフィルタの特性は、気孔率64(%)、平均細孔直径16〜26μm、圧縮強度1.4〜6.0MPaであり、結晶相はβ型Si34を主相とし、さらにSi22O及びα型Si34をわずかに含有する混合相を呈していた。なお、スート漏れ、クラック発生、凹変形はいずれも認められなかった。また、当該ハニカムフィルタの焼成変形率を調べたところ、いずれのフィルタにおいても0.5〜2%の範囲内であった。
〔比較例1〕
(1)外寸基準で1辺の長さが895mm×550mmであり、高さが970mmの四角柱形状の加熱炉の内部を8段に仕切り、各段に上記ハニカム成形体原体を12本ずつ、合計96本載置した。室温から1200℃までは真空雰囲気(約100Pa)下で、5℃/min.で昇温し、続いて同じ真空雰囲気下で1200℃から1325℃までを2℃/min.で昇温して第1段階とした。
(2)第2段階は、窒素ガス導入量を88L/min.(Si単位質量当たり5.1L/min.Kg)とし、以下の昇温パターンによった。
(i)大気圧(100〜105KPa)において、1325℃で230min.保持。
(ii)大気圧(100〜105KPa)において、昇温速度0.5℃/min.で1325℃から1400℃まで昇温。
(iii)大気圧(100〜105KPa)において、昇温速度0.5℃/min.で1400℃から1450℃まで昇温。
(iv)大気圧(100〜105KPa)において、昇温速度2℃/min.で1450℃から1500℃まで昇温。
(3)第3段階は、窒素を大気圧(100〜105KPa)に維持したまま、1500℃から1730℃まで3℃/min.で昇温し、1730℃で2時間保持後、加熱をやめ室温近くまで自然放冷した。
(4)得られたハニカムフィルタの特性は、気孔率69(%)、平均細孔直径16〜26μm、結晶相はβ型Si34、圧縮強度1.4〜6.0MPa、スート漏れ、クラック発生、凹変形がいずれも認められた。また、当該ハニカムフィルタ焼成変形率を調べたところ、いずれのフィルタにおいても5%を超えていた。
以上のように、第2段階の窒化反応を実施例1〜4において、請求項で規定しているように、炉内圧力を大気圧以下の20〜90KPaで実施した場合は、得られたハニカムフィルタは、スート漏れ、クラック発生、凹変形がいずれも認められなかった。なかでも、加熱炉中にハニカム成形体原体を高密度で載置した実施例1〜3においては、スート漏れ、クラック発生、凹変形はいずれも発生せず、かつ、焼成変形率がきわめて低い、β型Si34単相のハニカムフィルタが得られるため好ましい。これに対し、比較例1のように、炉内圧力を大気圧(100〜105KPa)で実施した場合は、スート漏れ、クラック発生、凹変形のすべてについて問題が生じた。
本発明の製造方法によれば、大型サイズのハニカムフィルタ原体またはセグメント原体を加熱炉内に高密度で載置し、焼成する場合であっても、クラックや膨れなどの欠陥がなく、寸法精度の良好な、内部の特性の均質性が高く、しかも低圧損な窒化ケイ素質ハニカムフィルタを高い歩留まりで得ることができる。
本発明の製造方法により得られる窒化ケイ素質ハニカムフィルタは、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性に優れた、成形体内部の組織、特性等の均質性が高い、大型のDPFとして好適に使用される。
本発明における第1段階、第2段階、第3段階における加熱炉内の典型的な昇温パターンを示すグラフである。

Claims (5)

  1. 金属ケイ素粒子と気孔形成材とを含むハニカム成形体を加熱炉に載置し、窒素を炉内に導入して窒素雰囲気中で熱処理することにより当該金属ケイ素を窒化ケイ素とし、さらに焼結して窒化ケイ素を主体とする多孔質体とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法であって、当該熱処理時のガス雰囲気が、順に、
    (1)室温〜窒素ガス導入開始温度までは、真空であるかまたはArおよび/またはHeを大気圧以下に含む雰囲気として昇温する窒化防止のための第1段階と、
    (2)窒素ガス導入開始温度から窒素ガス導入量制御終了温度までは炉内圧力を20〜90KPaの範囲の一定減圧圧力に調整し、窒素ガス導入量をハニカム成形体中の金属ケイ素1kg当たり0.05〜6L/min.として加熱して窒化を行う第2段階と、および
    (3)窒素ガス導入量制御終了温度からは雰囲気が真空であるかまたは窒素を大気圧以下に含む雰囲気として加熱し、窒化ケイ素の焼結を行う第3段階とからなることを特徴とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記窒素ガス導入開始温度が1000〜1380℃である請求項1に記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記窒素ガス導入量制御終了温度が1380〜1550℃である請求項1又は2に記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
  4. 前記第3段階における炉内の最高温度が1550〜1800℃である請求項1〜3のいずれかに記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
  5. 前記熱処理の温度条件が、第1段階において室温から窒素ガス導入開始温度までは、0.5〜10℃/min.で昇温し、第2段階において窒素ガス導入開始温度から窒素ガス導入量制御終了温度までは、0.01〜3℃/min.で昇温し、さらに第3段階において窒素ガス導入量制御終了温度以降は2〜5℃/min.で昇温する請求項1〜4のいずれかに記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造方法。
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