JP2005045875A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータを利用する車両用操舵装置の操舵感を高める。
【解決手段】本車両用操舵装置1では、操舵用駆動源としての電動モータ12が、磁石20A,20BのN極のみを外周に配置する第1のロータ18と、磁石21A,21BのS極のみを外周に配置する第2のロータ19と、これらロータ18,19の各磁極20n,21sと径方向Rに対向する複数のコア25A〜25Dを含むステータ22とを有する。各コア25A〜25Dに対応するコイル26A〜26Dが巻かれて、軸方向Sの一方の端部に、磁極27A〜27Dが形成され、軸方向Sの他方の端部に磁極28A〜28Dが形成される。磁石20A,20Bの磁束Jはコイル26A〜26Dを一定の向きで鎖交し、電動モータ12は大トルクを得て、しかもトルクむらを小さくでき、急な操舵操作に追従できて、操舵感を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本車両用操舵装置1では、操舵用駆動源としての電動モータ12が、磁石20A,20BのN極のみを外周に配置する第1のロータ18と、磁石21A,21BのS極のみを外周に配置する第2のロータ19と、これらロータ18,19の各磁極20n,21sと径方向Rに対向する複数のコア25A〜25Dを含むステータ22とを有する。各コア25A〜25Dに対応するコイル26A〜26Dが巻かれて、軸方向Sの一方の端部に、磁極27A〜27Dが形成され、軸方向Sの他方の端部に磁極28A〜28Dが形成される。磁石20A,20Bの磁束Jはコイル26A〜26Dを一定の向きで鎖交し、電動モータ12は大トルクを得て、しかもトルクむらを小さくでき、急な操舵操作に追従できて、操舵感を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、自動車等の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【背景技術】
車両用操舵装置は、ステアリングホイール等の操舵部材が操舵軸等の伝動部材を介して舵取機構に機械的に連結されているリンク式と、上記操舵部材が舵取機構に機械的に連結されていないステアバイワイヤ式とに大別される。
前者のリンク式において、操舵部材の操作に応じて操舵補助力を発生させる電動モータを備える電動パワーステアリング装置がある。電動パワーステアリング装置の電動モータとしては、通例、直流モータが利用されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
後者のステアバイワイヤ式として、操舵軸を舵取機構から機械的に切り離して配し、舵取機構の中途に操舵用アクチュエータとして電動モータを設け、舵取機構の転舵角と操舵部材による目標舵角との偏差に応じてマイクロプロセッサを用いてなる舵取制御部が上記電動モータを駆動制御することにより、操舵用の車輪を目標舵角に調整する車両用操舵装置がある。この車両用操舵装置では、操舵部材に操作トルクに応じた操作反力を与えるための反力用アクチュエータとして電動モータを設けている。この電動モータとしては、通例、直流モータが利用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−137644号公報
【特許文献2】
特開2002−153019号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5を参照して、直流モータでは、通例、互いに対向して配置される一対の磁石91,92間に、ロータ93が回転可能に配置される。ロータ93は、一対の磁石91,92が対向する方向に直交して延びる回転中心軸線94の回りに回転する。ロータ93の外周に沿うようにコイル95(一部を図示)が設けられ、ロータ93の回転時には、コイル95が磁石91,92の磁束96(一部を図示)を切るように移動する。その結果、磁束96の方向がコイル95に対して変化し、トルクムラを生じていた。従って、何れのタイプであっても上述の車両用操舵装置の操舵感が低下している。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、操舵感を高めることができる車両用操舵装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の車両用操舵装置は、操作部材の操作に応じて駆動される電動モータを備える車両用操舵装置において、上記電動モータが、回転軸の周りに環状に配置される複数のコアを有し各コアにコイルが巻かれて磁極が形成されてなるステータと、複数の磁石を有し回転軸に一体回転できるように係止されるロータとを備え、ロータの各磁石の磁極は、ステータの複数のコアにそれぞれ形成される磁極に回転軸の回転に伴って順次に対向可能に配置され、ロータの各磁石による磁束は、互いの磁極同士が対向している対応するコアに導入され対応するコイルを一定の向きに鎖交して形成されることを特徴とする。この発明によれば、回転軸の回転に伴い、ロータの各磁石の磁極が、ステータのコアに形成される磁極を順次変遷しながら対向する。互いに対向しているロータの磁石の磁極と、コアに形成される磁極とに着目すると、ロータの磁石の磁束が、コア内において増減しながらコイルと一定の向きに鎖交する。従って、コイルに対する磁束の方向が変化する場合に比べて、その損失を抑制でき、その結果、電動モータのトルクムラを抑制できる。従って、電動モータからの操舵補助力の不自然な変動を抑制でき、操舵感をより高めることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、上記ステータは、各コアにコイルが巻かれて、回転軸の軸方向についての各コアの両端に、径方向内方または軸方向の両側に向けて、一対の磁極が形成されてなり、上記ロータは、複数の磁石を有し各磁石のN極の磁極を回転軸の径方向の外側または回転軸の軸方向の一方の側に向けて配置される第1のロータと、第1のロータの磁石と同数の磁石を有しこの各磁石のS極の磁極を回転軸の径方向の外側または回転軸の軸方向の他方の側に向けて配置される第2のロータとを含み、第1のロータの磁石のN極の磁極が、ステータのコアの対応する一方の磁極と、径方向または軸方向に対向するとともに、第2のロータの磁石のS極の磁極が、ステータのコアの対応する他方の磁極と、径方向または軸方向に対向するように、第1および第2のロータの磁極は回転軸に同角度位置に配置されることを特徴とする。この発明によれば、回転軸の回転に伴い、ロータの各磁石の磁束が、各コア内において一定の向きで増減を繰り返すようにしてコアを順次変遷しながらそれらのコイルと順次鎖交する。電動モータのステータの各磁極は、対応する第1または第2のロータの磁石の対応するN極またはS極とのみ対向するので、回転軸の回転時の磁束の変化が小さくて済み、トルクむらをより小さくでき、操舵感をより高めることができる。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記回転軸の回転に伴い、ロータの各磁石の磁極が、対向可能な一方のコアの一端に形成される磁極から遠ざかり、且つ一方のコアに周方向に隣接して配置される他方のコアの一端に形成される磁極に接近するときに、上記一方のコアの一端の磁極と上記磁石の磁極との間に斥力を発生させるように、一方のコアに巻かれたコイルに通電し、上記他方のコアの一端の磁極と上記磁石の磁極との間に吸引力を上記斥力と同時に発生させるように、他方のコアに巻かれたコイルに通電することにより、回転軸を回転駆動することを特徴とする。この発明によれば、回転軸の回転を促進するように、ロータの各磁極に斥力と吸引力とが同時に作用して、回転軸に大トルクを発生させることができるので、車輪の操向時の動作の立ち上がりを速めることができ、操舵感をより一層高めることができる。
【0010】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の一実施形態の車両用操舵装置を図面を参照しつつ説明する。図1は、上述の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
本車両用操舵装置1は、車輪2を操向するために操作部材としてのステアリングホイール3の動きを伝達するステアリングシャフト4と、このステアリングシャフト4を内部に通して回転自在に支持するステアリングコラム5とを有している。ステアリングシャフト4の一方の端部4aにステアリングホイール3が連結されている。ステアリングシャフト4の他方の端部4bには、一体回転可能な自在継手6、中間軸7等を介して、舵取機構8が連結されている。
【0011】
舵取機構8は、ステアリングシャフト4と連結されるピニオン9、およびピニオン9と噛み合うラック軸10を含む。ラック軸10の端部に車輪2が操向可能に連結される。ステアリングホイール3が回されると、その回転がステアリングシャフト4、自在継手6、中間軸7等を介して舵取機構8に伝達され、これにより車輪2を操向することができる。
また、車両用操舵装置1は、パワーステアリング装置として構成され、操舵操作に伴い生じる操舵抵抗に見合った操舵補助力を得られるようになっている。すなわち、ステアリングコラム5には、ステアリングシャフト4に関連して配置されて操作トルクを検知するためのトルクセンサ11と、トルクセンサ11からの出力信号、車速信号等に基づいて操舵補助力を発生させる電動モータ12と、電動モータ12の回転軸13と継手14を介して駆動可能に連結され回転軸13の回転を減速するための減速機15と、減速機15およびトルクセンサ11を収容しつつ支持し且つ電動モータ12を支持するハウジング16と、電動モータ12の駆動を制御するマイクロコンピュータ等を含む制御部17とが設けられる。
【0012】
ステアリングホイール3が操作されると、操作トルクがトルクセンサ11により検知され、制御部17の制御のもとで、操作トルクに応じて電動モータ12が操舵補助力を発生させる。操舵補助力は、減速機15を介してステアリングシャフト4に伝達され、ステアリングホイール3の動きとともに舵取機構8に伝わり、車輪2が操舵される。
本実施形態では、電動モータ12は、後述するいわゆる単一対向磁極誘導モータからなる。回転軸13の回転時に、第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20A,20B,21A,21B間の磁束は、ステータ22内で常に同じ方向となり、且つ切られることなく増減することにより変化し、極めてスムーズなトルクむらの無い回転が得られ、低速から非常に大トルクの出力を得ることができる。
【0013】
従って、本車両用操舵装置1では、電動モータ12の大トルクを利用して、車輪2の操向時の動作の立ち上がりを速めることができる。例えば、ドライバの急な操舵操作に追従して十分な操舵補助力を発生させて、切れのよい操舵を実現できる。従って、操舵感を高めることができる。
また、大トルクを得るので、減速機15の減速比を小さくしたり、または減速機15を省略したりでき、この点でも、車輪2の操向時の立ち上がり動作を速めることができる。
【0014】
また、大トルクを、電動モータ12の回転軸13の回転速度が低い時に得られるので、操舵補助力を電動モータ12の停止状態から短時間で得られ、操舵感をより高めることができる。
また、トルクむらを小さくできるので、電動モータ12からの操舵補助力の不自然な変動、ひいてはドライバが受ける操舵時の反力の変動を抑制できる。従って、操舵感をより高めることができる。
【0015】
図2A,図2Bを参照する。電動モータ12は、ハウジング16(図1参照)に支持されて筒状に形成される固定部材としてのケーシング23と、このケーシング23に複数の軸受24を介して回転自在に支持される回転軸13と、回転軸13を取り囲んで環状をなすステータ22と、回転軸13と一体回転できるように係止される第1および第2のロータ18,19を含むロータ13aとを有している。回転軸13の大部分と、ステータ22と、第1および第2のロータ18,19とは、ケーシング23内に収容される。
【0016】
回転軸13は、非磁性体からなり、一端がケーシング23の外部に延び出していて、延び出した端部が継手14を介してステアリングシャフト4に駆動可能に連結される。ケーシング23は、一対のフランジ23a,23bと、円筒形のカバー23cとを有する。
ステータ22は、回転軸13の周りに環状に配置される複数、例えば、4つのコア25A,25B,25C,25Dと、複数、例えば、4つのコイル26A,26B,26C,26Dとを有する。
【0017】
複数のコア25A,25B,25C,25Dは、ケーシング23に支持されて係止され、回転軸13を中心とする同一円周上に均等に並んで配置され、互いの間に若干の等しい隙間を介在させている。各コア25A,25B,25C,25Dは、回転軸13の軸方向Sに沿って長い長尺部材、例えば、単一の棒状金属部材からなる。これの長手方向の中間部にコイル26A,26B,26C,26Dがそれぞれ巻かれる。各コイル26A,26B,26C,26Dが巻かれた長尺部材の両端25aに対応して、径方向Rの内方に向けて配置されて断面円弧形状をなす一対の磁極27A,28A、一対の磁極27B,28B(図2Aに破線で図示)、一対の磁極27C,28Cおよび一対の磁極27D,28D(図2Aに一点鎖線で図示)がそれぞれ形成されてなる。複数の上述の長尺部材は同形状とされる。
【0018】
各コイル26A,26B,26C,26Dに通電することにより、対応する一対の磁極27A,28A、一対の磁極27B,28B、一対の磁極27C,28Cおよび一対の磁極27D,28Dは互いに逆極性にそれぞれ帯磁される。
回転軸13の周方向に沿って隣り同士となるコイル26A,26B,26C,26Dの巻き方向が互いに逆向きとなるようにされる。例えば、図2Bにおいて、2つのコイル26A,26Cは右巻きとされ、2つのコイル26B,26Dは左巻きとされる。
【0019】
第1のロータ18は、複数、例えば、2つの磁石20A,20Bと、介在部材29とを有する。複数の磁石20A,20Bは、介在部材29を介して回転軸13に固定され、回転軸13の周方向について均等に配置される。各磁石20A,20Bは、同形の円弧状磁石からなる。各磁石20A,20BのN極の磁極20nが回転軸13の径方向Rの外側に向けて配置される。
第2のロータ19は、複数、例えば、2つの磁石21A,21Bと、介在部材30とを有する。複数の磁石21A,21Bは、介在部材30を介して回転軸13に固定され、回転軸13の周方向について均等に配置される。各磁石21A,21Bは、同形の円弧状磁石からなる。各磁石21A,21BのS極の磁極21sが回転軸13の径方向Rの外側に向けて配置される。第2のロータ19の磁石数は、第1のロータ18の磁石数と同数とされる。
【0020】
回転軸13の回転に伴って、第1のロータ18の2つの磁極20nは、ステータ22の一方の磁極27A,27B,27C,27Dに順次に対向可能にそれぞれ配置され、第2のロータ19の2つの磁極21sは、ステータ22の他方の磁極28A,28B,28C,28Dに順次に対向可能にそれぞれ配置される。
第1および第2のロータ18,19の磁極20n,21sは回転軸13に同角度位置に配置される。これにより、第1のロータ18の磁極20nが、ステータ22のコア25A,25B,25C,25Dの対応する一方の磁極27A,27B,27C,27Dと、若干の回転隙間を介して径方向Rに円弧状に対向するときに、第2のロータ19の磁極21sが、ステータ22のコア25A,25B,25C,25Dの対応する他方の磁極28A,28B,28C,28Dと、若干の回転隙間を介して径方向Rに円弧状に対向するようになっている。
【0021】
図1に戻って説明する。制御部17は、電動モータ12を駆動するための駆動手段として、制御中枢17aの制御のもとでステータ22の各コイル26A,26B,26C,26Dに適宜通電するための駆動回路31と、ステータ22に対する第1および第2のロータ18,19の回転角度位置を検出する一つの位置センサ32とを有している。なお、複数の位置センサ32を設けても良い。
駆動回路31は、図示しないが、各コイル26A,26B,26C,26Dに第1の向きに電流を流すことができる第1の通電回路と、各コイル26A,26B,26C,26Dに第1の向きとは逆向きとなる第2の向きに電流を流すことができる第2の通電回路と、位置センサ32の位置検出信号に基づいて第1および第2の通電回路を切り換えるための切り換え手段としての少なくとも一つのスイッチとを有する。例えば、第1の通電回路は、複数のコイル26A,26B,26C,26Dを直列に順に接続してなる。直列に接続された両端部が対応する直流電源に接続されると、電流が、図2Bでコア25A,25Cの回りの一方の回転方向にコイル26A,26Cを流れ、コア25B,25Dの回りの他方の回転方向にコイル26B,26Dを流れる。また、直列に接続された両端部と対応する電源とを、第1の通電回路とは逆に接続することにより、第2の通電回路が構成されるようになっている。
【0022】
制御部17の動作を、回転軸13が、図3A、図3Bおよび図3Cの状態へと、時計回りに回る場合に則して説明する。図3Bを参照する。回転軸13の回転に伴い第1のロータ18の磁石20Aの磁極20nが、一方のコア25Aの磁極27Aから遠ざかり、且つ上記一方のコア25Aに隣接して配置される他方のコア25Bの磁極27Bに接近する。これとともに、第1のロータ18の磁石20Bの磁極20nが、一方の25Cの磁極27Cから遠ざかり、且つ上記一方のコア25Cに隣接して配置される他方のコア25Dの磁極27Dに接近し、さらに、図示しないが、第2のロータ19の磁石21A,21Bの磁極21sが、一方のコア25A,25Cの磁極28A,28Cから遠ざかり、且つ上記一方のコア25A,25Cに隣接して配置される他方のコア25B,25Dの磁極28B,28Dに接近する。
【0023】
このとき、コア25Aの両端の磁極27A,28Aと、第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20A,21Aの対応する磁極20n,21sとの間に斥力F1を発生させるように、一方のコア25Aに対応するコイル26Aに通電し、コア25Bの両端の磁極27B,28Bと第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20A,21Aの対応する磁極20n,21sとの間に吸引力F2を、上記斥力F1と同時に発生させるように、他方のコア25Bに対応するコイル26Bに通電する。これとともに、コア25Cの両端の磁極27C,28Cと、第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20B,21Bの対応する磁極20n,21sとの間に斥力F3を発生させるように、一方のコア25Cのコイル26Cに通電し、コア25Dの両端の磁極27D,28Dと第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20B,21Bの対応する磁極20n,21sとの間に吸引力F4を、上記斥力F3と同時に発生させるように、他方のコア25Dのコイル26Dに通電する。
【0024】
具体的には、第1の通電回路が電源に接続され、各コイル26A,26B,26C,26Dに第1の方向へ電流を流す。各磁極27A,27C,28B,28DがN極に帯磁し、各磁極27B,27D,28A,28CはS極にそれぞれ帯磁し、上述の斥力F1,F3および吸引力F2,F4が同時に生じる。このようにして、回転軸13を回転駆動するようにしている。
そして、回転軸13が、図3Cに示す状態になると、第2の通電回路が電源に接続されて、回転軸13はさらに回転する。以後、各コイル26A,26B,26C,26Dへの通電を正逆交互に切り換えることにより、回転軸13は回転を続けることになる。
【0025】
一方で、回転軸13の回転に伴い、各磁石20A,20B,21A,21Bが回転軸13と一体に回転し、各コイル26A,26B,26C,26Dを鎖交する磁束が変動する結果、誘導逆起電力が生じる。以下、磁石20Aからの磁束の鎖交状態の変化を、回転軸13が一定回転速度で時計回りに回転する場合に則して説明する。なお、図4の横軸には、図3Aに示す状態に対応する時刻をt1とし、図3Aの状態からの回転軸13の回転角度が90度,180度,270度,360度となる状態に対応する時刻をt2,t3,t4,t5として示す。
【0026】
図3Aを参照して、磁石20Aおよびこれと対応する磁石21Aが、コア25Aの一対の磁極27A,28Aと全面にわたり対向する。この状態では、磁石20Aからコア25Aを通り磁石21Aへ至る磁路が形成され、磁石20Aからの磁束はすべてコイル26Aと鎖交する。
次いで、図3Bおよび図4を参照して、回転軸13が回転するのに伴い、磁石20Aは磁極27Aから遠ざかり、磁極27Bへ近づく。磁束のうちコイル26Aと鎖交する磁束数が減少することにより、コイル26Aは、減少する三角波状の逆起電力V1を生成する。また同時に、磁束のうちコイル26Bと鎖交する磁束数が増加することにより、コイル26Bは、増大する三角波状の逆起電力V2を生成する。これらの逆起電力V1,V2は、第1の通電回路による通電方向と逆向きとなる。第1の通電回路では、これらの2つの三角波を加算合成した逆起電力が発生するが、合成した逆起電力は、矩形波状の略一定の波形となるので、トルクむらは生じない。
【0027】
図3Cおよび図4を参照して、この状態では、磁束はすべてコイル26Bと鎖交する。時刻t2から時刻t3にかけては、コイル26Bと鎖交する磁束数が減少しつつ、隣接するコイル26Cと鎖交する磁束数が増大する。この間、第2の通電回路が機能し、各コイルの通電方向は時刻t1から時刻t2の間の各コイルの通電方向とは逆向きとなるが、各コイル26B,26Cには、上述の説明と同様に、その通電方向と逆向きに減少傾向および増大傾向の2つの三角波状の逆起電力V3,V4が生成され、合成逆起電力は一定となる。
【0028】
回転軸13がさらに回転するのに伴い、時刻t3〜t5の間、磁束は、コイル26C,26D,26Aを順次変遷させながら鎖交し、その鎖交する磁束数を増減させる。この間、鋸歯状の逆起電力が各コイル26C,26D,26Aに発生する。また、磁石20Bからの磁束により、上述した逆起電力と同様の逆起電力が発生する。ステータ22全体としての合成逆起電力Vは矩形波となり、トルクむらは生じない。
【0029】
このように本実施形態では、図2A,図2Bを参照して、回転軸13の回転に伴い、第1のロータ18の磁石20A,20BのN極の磁極20nが、ステータ22のコア25A〜25Dに形成される磁極27A〜27Dを順次変遷しながら対向し、これとともに、第2のロータ19の磁石21A,21BのS極の磁極21sが、ステータ22のコア25A〜25Dに形成される磁極28A〜28Dを順次変遷しながら対向する。互いに対向している第1のロータ18の磁石20Aの磁極20nと、コア25Aに形成される磁極27Aとに着目すると、回転軸13の回転に伴い、磁極20nと磁極27Aとが互いに対向しながらも互いに相対移動するときに、第1のロータ18の磁石20Aによる磁束Jは、互いの磁極20n,27A同士が対向している対応するコア25Aに導入され、コア25A内において増減しながら回転軸13の回転に関わらずコイル26Aと一定の向きに鎖交して形成される。従って、コイルに対する磁束の方向が変化する場合に比べて、損失を抑制でき、その結果、電動モータ12に生じるトルクムラを抑制できる。
【0030】
また、電動モータ12のステータ22の各磁極27A〜27D,28A〜28Dは、対応する第1および第2のロータ18,19の磁石20A,20B,21A,21BのN極またはS極とのみ対向するので、N極およびS極と交互に対向する場合と比べて、回転軸13の回転時の磁束の変化が小さくて済み、電動モータ12に生じるトルクむらをより一層小さくできる。従って、操舵感をより高めることができる。
【0031】
また、本実施形態では、例えば、図3Bに示すように、回転軸13の回転を促進するように、第1および第2のロータ18,19の各磁極20n,21sに斥力F1,F3と吸引力F2,F4とが同時に作用して、大トルクを効率よく発生させることができる。また、第1および第2のロータ18,19の各磁極20n,21sは一方の極性のみとされるので、各ロータ18,19の各磁極20n,21sの間の磁束漏れを抑制でき、大トルクの発生に寄与する。従って、大トルクを得て、上述のように操舵感をより一層高めることができる。
【0032】
ステータ22の磁極数は、対応するロータ18,19の磁極数の2倍に相当する数が設けられることが好ましい。これにより、ステータ22の各磁極27A〜27D,28A〜28Dは、対応する各ロータ18,19の各磁極20n,21sに斥力F1,F3または吸引力F2,F4を継続して作用させることができる。従って、大トルクを得るのに好ましい。
図2Bを参照して、各ロータ18,19とステータ22との間で、互いに対向する磁極同士の円弧長をほぼ等しくした。この場合、回転軸13が回転すると、第1および第2のロータ18,19の磁石20A,20B,21A,21Bの位置に応じて、ステータ22のコア25A,25B,25C,25Dに順次励起される回転磁界が生成され、これにより、例えば、一のコイル26Aに鎖交する磁束数が増加すると同時に、該一のコイル26Aと相隣となる他のコイル26Bに鎖交する磁束数が減少することを繰り返すようにできる。その結果、図4に示すように、磁束数の変化による誘起逆起電力をステータ22全体としてほぼ一定にできるので、回転軸13に生じるトルクむらをより一層小さくできる。従って、操舵感をより一層高めることができる。さらに、回転軸13の回転に伴い各コア25A,25B,25C,25Dに生じる磁束数は鋸歯状に変化し、磁束数の変化の度合いが各コイル26A〜26Dにおいてほぼ等しくなり、トルクむらをより一層小さくすることができる。
【0033】
また、本実施形態では、電動モータ12に単一対向磁極誘導モータを採用することにより、一般的なDCモータを使用する従来の電動パワーステアリングの問題点を解決できる。すなわち、本実施形態では、低速度で大トルクを得られるので、電動モータ12を駆動する際の電流値を小さくできて、安価な部品を利用して、駆動回路31を安価にすることもできる。また減速機15の減速比を小さくして小形化することもできる。トルクむらが小さいので、トルクむらを抑制するための制御をせずに済み、制御部17の構造を簡素化でき、また、電動モータ12の極数を少なくして構造を簡素化することもできる。また、各コア25A,25B,25C,25Dを単一の棒状の長尺部材により構成し、例えば、ステータ22に多数の積層鉄板を用いずに済み、電動モータ12の部品点数を少なくすることもできる。また長尺部材により構成される各コア25A,25B,25C,25Dの長手方向の回りに各コイル26A,26B,26C,26Dを巻くことにより、その巻き方を簡素化できる。また、電動モータ12の銅損、鉄損、回路損を格段に低減でき、効率を高くできる。
【0034】
次に、本発明の実施形態の変形例を説明する。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については説明を省略して同じ符号を付しておく。
例えば、上述の実施形態の構成に代えて、第1のロータ18の磁極20nがステータ22のコア25A〜25Dの対応する一方の磁極27A〜27Dと軸方向Sに対向することと、第2のロータ19の磁極21sがステータ22のコア25A〜25Dの対応する他方の磁極28A〜28Dと軸方向Sに対向することとの少なくとも一方を採用してもよい。
【0035】
また、各ロータ18,19の磁極数を3個,4個と増すことも可能であり、この場合は、ステータ22のコア数は磁極数の2倍に設定するのが好ましい。
また、本発明を、コラムタイプの電動パワーステアリング装置の他、例えば、電動モータ12をラック軸10を軸方向に駆動するためにラック軸10と同心またはその近傍に配置するタイプの電動パワーステアリング装置や、電動モータ12を用いるステアバイワイヤ式のステアリング装置に適用してもよい。その他、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用操舵装置の概略構成の模式図である。
【図2】図1に示す電動モータの断面図であり、図2Aに縦断面を、図2Bに図2Aの2B断面を示す。
【図3】図1の電動モータの動作を説明するための模式図であり、図3A,図3B,図3Cの順に回転軸の回転に伴う変化を図示してある。
【図4】逆起電力の時間変化のグラフであり、逆起電力を縦軸に時間を横軸に示す。
【図5】従来の車両用操舵装置の直流モータの模式図である。
【符号の説明】
1 車両用操舵装置
3 ステアリングホイール(操作部材)
4 ステアリングシャフト(伝達軸)
12 電動モータ
13 電動モータの回転軸
13a ロータ
18 第1のロータ
19 第2のロータ
20A,20B 第1のロータの磁石
20n 第1のロータの磁石のN極の磁極
21A,21B 第2のロータの磁石
21s 第2のロータの磁石のS極の磁極
22 ステータ
25A,25B,25C,25D コア
25a コアの両端
26A,26B,26C,26D コイル
27A,27B,27C,27D ステータのコアの一方の磁極
28A,28B,28C,28D ステータのコアの他方の磁極
F1,F3 斥力
F2,F4 吸引力
J 磁束
S 回転軸の軸方向
R 回転軸の径方向
【技術分野】
本発明は、自動車等の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【背景技術】
車両用操舵装置は、ステアリングホイール等の操舵部材が操舵軸等の伝動部材を介して舵取機構に機械的に連結されているリンク式と、上記操舵部材が舵取機構に機械的に連結されていないステアバイワイヤ式とに大別される。
前者のリンク式において、操舵部材の操作に応じて操舵補助力を発生させる電動モータを備える電動パワーステアリング装置がある。電動パワーステアリング装置の電動モータとしては、通例、直流モータが利用されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
後者のステアバイワイヤ式として、操舵軸を舵取機構から機械的に切り離して配し、舵取機構の中途に操舵用アクチュエータとして電動モータを設け、舵取機構の転舵角と操舵部材による目標舵角との偏差に応じてマイクロプロセッサを用いてなる舵取制御部が上記電動モータを駆動制御することにより、操舵用の車輪を目標舵角に調整する車両用操舵装置がある。この車両用操舵装置では、操舵部材に操作トルクに応じた操作反力を与えるための反力用アクチュエータとして電動モータを設けている。この電動モータとしては、通例、直流モータが利用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−137644号公報
【特許文献2】
特開2002−153019号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5を参照して、直流モータでは、通例、互いに対向して配置される一対の磁石91,92間に、ロータ93が回転可能に配置される。ロータ93は、一対の磁石91,92が対向する方向に直交して延びる回転中心軸線94の回りに回転する。ロータ93の外周に沿うようにコイル95(一部を図示)が設けられ、ロータ93の回転時には、コイル95が磁石91,92の磁束96(一部を図示)を切るように移動する。その結果、磁束96の方向がコイル95に対して変化し、トルクムラを生じていた。従って、何れのタイプであっても上述の車両用操舵装置の操舵感が低下している。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、操舵感を高めることができる車両用操舵装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の車両用操舵装置は、操作部材の操作に応じて駆動される電動モータを備える車両用操舵装置において、上記電動モータが、回転軸の周りに環状に配置される複数のコアを有し各コアにコイルが巻かれて磁極が形成されてなるステータと、複数の磁石を有し回転軸に一体回転できるように係止されるロータとを備え、ロータの各磁石の磁極は、ステータの複数のコアにそれぞれ形成される磁極に回転軸の回転に伴って順次に対向可能に配置され、ロータの各磁石による磁束は、互いの磁極同士が対向している対応するコアに導入され対応するコイルを一定の向きに鎖交して形成されることを特徴とする。この発明によれば、回転軸の回転に伴い、ロータの各磁石の磁極が、ステータのコアに形成される磁極を順次変遷しながら対向する。互いに対向しているロータの磁石の磁極と、コアに形成される磁極とに着目すると、ロータの磁石の磁束が、コア内において増減しながらコイルと一定の向きに鎖交する。従って、コイルに対する磁束の方向が変化する場合に比べて、その損失を抑制でき、その結果、電動モータのトルクムラを抑制できる。従って、電動モータからの操舵補助力の不自然な変動を抑制でき、操舵感をより高めることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、上記ステータは、各コアにコイルが巻かれて、回転軸の軸方向についての各コアの両端に、径方向内方または軸方向の両側に向けて、一対の磁極が形成されてなり、上記ロータは、複数の磁石を有し各磁石のN極の磁極を回転軸の径方向の外側または回転軸の軸方向の一方の側に向けて配置される第1のロータと、第1のロータの磁石と同数の磁石を有しこの各磁石のS極の磁極を回転軸の径方向の外側または回転軸の軸方向の他方の側に向けて配置される第2のロータとを含み、第1のロータの磁石のN極の磁極が、ステータのコアの対応する一方の磁極と、径方向または軸方向に対向するとともに、第2のロータの磁石のS極の磁極が、ステータのコアの対応する他方の磁極と、径方向または軸方向に対向するように、第1および第2のロータの磁極は回転軸に同角度位置に配置されることを特徴とする。この発明によれば、回転軸の回転に伴い、ロータの各磁石の磁束が、各コア内において一定の向きで増減を繰り返すようにしてコアを順次変遷しながらそれらのコイルと順次鎖交する。電動モータのステータの各磁極は、対応する第1または第2のロータの磁石の対応するN極またはS極とのみ対向するので、回転軸の回転時の磁束の変化が小さくて済み、トルクむらをより小さくでき、操舵感をより高めることができる。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記回転軸の回転に伴い、ロータの各磁石の磁極が、対向可能な一方のコアの一端に形成される磁極から遠ざかり、且つ一方のコアに周方向に隣接して配置される他方のコアの一端に形成される磁極に接近するときに、上記一方のコアの一端の磁極と上記磁石の磁極との間に斥力を発生させるように、一方のコアに巻かれたコイルに通電し、上記他方のコアの一端の磁極と上記磁石の磁極との間に吸引力を上記斥力と同時に発生させるように、他方のコアに巻かれたコイルに通電することにより、回転軸を回転駆動することを特徴とする。この発明によれば、回転軸の回転を促進するように、ロータの各磁極に斥力と吸引力とが同時に作用して、回転軸に大トルクを発生させることができるので、車輪の操向時の動作の立ち上がりを速めることができ、操舵感をより一層高めることができる。
【0010】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の一実施形態の車両用操舵装置を図面を参照しつつ説明する。図1は、上述の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
本車両用操舵装置1は、車輪2を操向するために操作部材としてのステアリングホイール3の動きを伝達するステアリングシャフト4と、このステアリングシャフト4を内部に通して回転自在に支持するステアリングコラム5とを有している。ステアリングシャフト4の一方の端部4aにステアリングホイール3が連結されている。ステアリングシャフト4の他方の端部4bには、一体回転可能な自在継手6、中間軸7等を介して、舵取機構8が連結されている。
【0011】
舵取機構8は、ステアリングシャフト4と連結されるピニオン9、およびピニオン9と噛み合うラック軸10を含む。ラック軸10の端部に車輪2が操向可能に連結される。ステアリングホイール3が回されると、その回転がステアリングシャフト4、自在継手6、中間軸7等を介して舵取機構8に伝達され、これにより車輪2を操向することができる。
また、車両用操舵装置1は、パワーステアリング装置として構成され、操舵操作に伴い生じる操舵抵抗に見合った操舵補助力を得られるようになっている。すなわち、ステアリングコラム5には、ステアリングシャフト4に関連して配置されて操作トルクを検知するためのトルクセンサ11と、トルクセンサ11からの出力信号、車速信号等に基づいて操舵補助力を発生させる電動モータ12と、電動モータ12の回転軸13と継手14を介して駆動可能に連結され回転軸13の回転を減速するための減速機15と、減速機15およびトルクセンサ11を収容しつつ支持し且つ電動モータ12を支持するハウジング16と、電動モータ12の駆動を制御するマイクロコンピュータ等を含む制御部17とが設けられる。
【0012】
ステアリングホイール3が操作されると、操作トルクがトルクセンサ11により検知され、制御部17の制御のもとで、操作トルクに応じて電動モータ12が操舵補助力を発生させる。操舵補助力は、減速機15を介してステアリングシャフト4に伝達され、ステアリングホイール3の動きとともに舵取機構8に伝わり、車輪2が操舵される。
本実施形態では、電動モータ12は、後述するいわゆる単一対向磁極誘導モータからなる。回転軸13の回転時に、第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20A,20B,21A,21B間の磁束は、ステータ22内で常に同じ方向となり、且つ切られることなく増減することにより変化し、極めてスムーズなトルクむらの無い回転が得られ、低速から非常に大トルクの出力を得ることができる。
【0013】
従って、本車両用操舵装置1では、電動モータ12の大トルクを利用して、車輪2の操向時の動作の立ち上がりを速めることができる。例えば、ドライバの急な操舵操作に追従して十分な操舵補助力を発生させて、切れのよい操舵を実現できる。従って、操舵感を高めることができる。
また、大トルクを得るので、減速機15の減速比を小さくしたり、または減速機15を省略したりでき、この点でも、車輪2の操向時の立ち上がり動作を速めることができる。
【0014】
また、大トルクを、電動モータ12の回転軸13の回転速度が低い時に得られるので、操舵補助力を電動モータ12の停止状態から短時間で得られ、操舵感をより高めることができる。
また、トルクむらを小さくできるので、電動モータ12からの操舵補助力の不自然な変動、ひいてはドライバが受ける操舵時の反力の変動を抑制できる。従って、操舵感をより高めることができる。
【0015】
図2A,図2Bを参照する。電動モータ12は、ハウジング16(図1参照)に支持されて筒状に形成される固定部材としてのケーシング23と、このケーシング23に複数の軸受24を介して回転自在に支持される回転軸13と、回転軸13を取り囲んで環状をなすステータ22と、回転軸13と一体回転できるように係止される第1および第2のロータ18,19を含むロータ13aとを有している。回転軸13の大部分と、ステータ22と、第1および第2のロータ18,19とは、ケーシング23内に収容される。
【0016】
回転軸13は、非磁性体からなり、一端がケーシング23の外部に延び出していて、延び出した端部が継手14を介してステアリングシャフト4に駆動可能に連結される。ケーシング23は、一対のフランジ23a,23bと、円筒形のカバー23cとを有する。
ステータ22は、回転軸13の周りに環状に配置される複数、例えば、4つのコア25A,25B,25C,25Dと、複数、例えば、4つのコイル26A,26B,26C,26Dとを有する。
【0017】
複数のコア25A,25B,25C,25Dは、ケーシング23に支持されて係止され、回転軸13を中心とする同一円周上に均等に並んで配置され、互いの間に若干の等しい隙間を介在させている。各コア25A,25B,25C,25Dは、回転軸13の軸方向Sに沿って長い長尺部材、例えば、単一の棒状金属部材からなる。これの長手方向の中間部にコイル26A,26B,26C,26Dがそれぞれ巻かれる。各コイル26A,26B,26C,26Dが巻かれた長尺部材の両端25aに対応して、径方向Rの内方に向けて配置されて断面円弧形状をなす一対の磁極27A,28A、一対の磁極27B,28B(図2Aに破線で図示)、一対の磁極27C,28Cおよび一対の磁極27D,28D(図2Aに一点鎖線で図示)がそれぞれ形成されてなる。複数の上述の長尺部材は同形状とされる。
【0018】
各コイル26A,26B,26C,26Dに通電することにより、対応する一対の磁極27A,28A、一対の磁極27B,28B、一対の磁極27C,28Cおよび一対の磁極27D,28Dは互いに逆極性にそれぞれ帯磁される。
回転軸13の周方向に沿って隣り同士となるコイル26A,26B,26C,26Dの巻き方向が互いに逆向きとなるようにされる。例えば、図2Bにおいて、2つのコイル26A,26Cは右巻きとされ、2つのコイル26B,26Dは左巻きとされる。
【0019】
第1のロータ18は、複数、例えば、2つの磁石20A,20Bと、介在部材29とを有する。複数の磁石20A,20Bは、介在部材29を介して回転軸13に固定され、回転軸13の周方向について均等に配置される。各磁石20A,20Bは、同形の円弧状磁石からなる。各磁石20A,20BのN極の磁極20nが回転軸13の径方向Rの外側に向けて配置される。
第2のロータ19は、複数、例えば、2つの磁石21A,21Bと、介在部材30とを有する。複数の磁石21A,21Bは、介在部材30を介して回転軸13に固定され、回転軸13の周方向について均等に配置される。各磁石21A,21Bは、同形の円弧状磁石からなる。各磁石21A,21BのS極の磁極21sが回転軸13の径方向Rの外側に向けて配置される。第2のロータ19の磁石数は、第1のロータ18の磁石数と同数とされる。
【0020】
回転軸13の回転に伴って、第1のロータ18の2つの磁極20nは、ステータ22の一方の磁極27A,27B,27C,27Dに順次に対向可能にそれぞれ配置され、第2のロータ19の2つの磁極21sは、ステータ22の他方の磁極28A,28B,28C,28Dに順次に対向可能にそれぞれ配置される。
第1および第2のロータ18,19の磁極20n,21sは回転軸13に同角度位置に配置される。これにより、第1のロータ18の磁極20nが、ステータ22のコア25A,25B,25C,25Dの対応する一方の磁極27A,27B,27C,27Dと、若干の回転隙間を介して径方向Rに円弧状に対向するときに、第2のロータ19の磁極21sが、ステータ22のコア25A,25B,25C,25Dの対応する他方の磁極28A,28B,28C,28Dと、若干の回転隙間を介して径方向Rに円弧状に対向するようになっている。
【0021】
図1に戻って説明する。制御部17は、電動モータ12を駆動するための駆動手段として、制御中枢17aの制御のもとでステータ22の各コイル26A,26B,26C,26Dに適宜通電するための駆動回路31と、ステータ22に対する第1および第2のロータ18,19の回転角度位置を検出する一つの位置センサ32とを有している。なお、複数の位置センサ32を設けても良い。
駆動回路31は、図示しないが、各コイル26A,26B,26C,26Dに第1の向きに電流を流すことができる第1の通電回路と、各コイル26A,26B,26C,26Dに第1の向きとは逆向きとなる第2の向きに電流を流すことができる第2の通電回路と、位置センサ32の位置検出信号に基づいて第1および第2の通電回路を切り換えるための切り換え手段としての少なくとも一つのスイッチとを有する。例えば、第1の通電回路は、複数のコイル26A,26B,26C,26Dを直列に順に接続してなる。直列に接続された両端部が対応する直流電源に接続されると、電流が、図2Bでコア25A,25Cの回りの一方の回転方向にコイル26A,26Cを流れ、コア25B,25Dの回りの他方の回転方向にコイル26B,26Dを流れる。また、直列に接続された両端部と対応する電源とを、第1の通電回路とは逆に接続することにより、第2の通電回路が構成されるようになっている。
【0022】
制御部17の動作を、回転軸13が、図3A、図3Bおよび図3Cの状態へと、時計回りに回る場合に則して説明する。図3Bを参照する。回転軸13の回転に伴い第1のロータ18の磁石20Aの磁極20nが、一方のコア25Aの磁極27Aから遠ざかり、且つ上記一方のコア25Aに隣接して配置される他方のコア25Bの磁極27Bに接近する。これとともに、第1のロータ18の磁石20Bの磁極20nが、一方の25Cの磁極27Cから遠ざかり、且つ上記一方のコア25Cに隣接して配置される他方のコア25Dの磁極27Dに接近し、さらに、図示しないが、第2のロータ19の磁石21A,21Bの磁極21sが、一方のコア25A,25Cの磁極28A,28Cから遠ざかり、且つ上記一方のコア25A,25Cに隣接して配置される他方のコア25B,25Dの磁極28B,28Dに接近する。
【0023】
このとき、コア25Aの両端の磁極27A,28Aと、第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20A,21Aの対応する磁極20n,21sとの間に斥力F1を発生させるように、一方のコア25Aに対応するコイル26Aに通電し、コア25Bの両端の磁極27B,28Bと第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20A,21Aの対応する磁極20n,21sとの間に吸引力F2を、上記斥力F1と同時に発生させるように、他方のコア25Bに対応するコイル26Bに通電する。これとともに、コア25Cの両端の磁極27C,28Cと、第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20B,21Bの対応する磁極20n,21sとの間に斥力F3を発生させるように、一方のコア25Cのコイル26Cに通電し、コア25Dの両端の磁極27D,28Dと第1および第2のロータ18,19の対応する磁石20B,21Bの対応する磁極20n,21sとの間に吸引力F4を、上記斥力F3と同時に発生させるように、他方のコア25Dのコイル26Dに通電する。
【0024】
具体的には、第1の通電回路が電源に接続され、各コイル26A,26B,26C,26Dに第1の方向へ電流を流す。各磁極27A,27C,28B,28DがN極に帯磁し、各磁極27B,27D,28A,28CはS極にそれぞれ帯磁し、上述の斥力F1,F3および吸引力F2,F4が同時に生じる。このようにして、回転軸13を回転駆動するようにしている。
そして、回転軸13が、図3Cに示す状態になると、第2の通電回路が電源に接続されて、回転軸13はさらに回転する。以後、各コイル26A,26B,26C,26Dへの通電を正逆交互に切り換えることにより、回転軸13は回転を続けることになる。
【0025】
一方で、回転軸13の回転に伴い、各磁石20A,20B,21A,21Bが回転軸13と一体に回転し、各コイル26A,26B,26C,26Dを鎖交する磁束が変動する結果、誘導逆起電力が生じる。以下、磁石20Aからの磁束の鎖交状態の変化を、回転軸13が一定回転速度で時計回りに回転する場合に則して説明する。なお、図4の横軸には、図3Aに示す状態に対応する時刻をt1とし、図3Aの状態からの回転軸13の回転角度が90度,180度,270度,360度となる状態に対応する時刻をt2,t3,t4,t5として示す。
【0026】
図3Aを参照して、磁石20Aおよびこれと対応する磁石21Aが、コア25Aの一対の磁極27A,28Aと全面にわたり対向する。この状態では、磁石20Aからコア25Aを通り磁石21Aへ至る磁路が形成され、磁石20Aからの磁束はすべてコイル26Aと鎖交する。
次いで、図3Bおよび図4を参照して、回転軸13が回転するのに伴い、磁石20Aは磁極27Aから遠ざかり、磁極27Bへ近づく。磁束のうちコイル26Aと鎖交する磁束数が減少することにより、コイル26Aは、減少する三角波状の逆起電力V1を生成する。また同時に、磁束のうちコイル26Bと鎖交する磁束数が増加することにより、コイル26Bは、増大する三角波状の逆起電力V2を生成する。これらの逆起電力V1,V2は、第1の通電回路による通電方向と逆向きとなる。第1の通電回路では、これらの2つの三角波を加算合成した逆起電力が発生するが、合成した逆起電力は、矩形波状の略一定の波形となるので、トルクむらは生じない。
【0027】
図3Cおよび図4を参照して、この状態では、磁束はすべてコイル26Bと鎖交する。時刻t2から時刻t3にかけては、コイル26Bと鎖交する磁束数が減少しつつ、隣接するコイル26Cと鎖交する磁束数が増大する。この間、第2の通電回路が機能し、各コイルの通電方向は時刻t1から時刻t2の間の各コイルの通電方向とは逆向きとなるが、各コイル26B,26Cには、上述の説明と同様に、その通電方向と逆向きに減少傾向および増大傾向の2つの三角波状の逆起電力V3,V4が生成され、合成逆起電力は一定となる。
【0028】
回転軸13がさらに回転するのに伴い、時刻t3〜t5の間、磁束は、コイル26C,26D,26Aを順次変遷させながら鎖交し、その鎖交する磁束数を増減させる。この間、鋸歯状の逆起電力が各コイル26C,26D,26Aに発生する。また、磁石20Bからの磁束により、上述した逆起電力と同様の逆起電力が発生する。ステータ22全体としての合成逆起電力Vは矩形波となり、トルクむらは生じない。
【0029】
このように本実施形態では、図2A,図2Bを参照して、回転軸13の回転に伴い、第1のロータ18の磁石20A,20BのN極の磁極20nが、ステータ22のコア25A〜25Dに形成される磁極27A〜27Dを順次変遷しながら対向し、これとともに、第2のロータ19の磁石21A,21BのS極の磁極21sが、ステータ22のコア25A〜25Dに形成される磁極28A〜28Dを順次変遷しながら対向する。互いに対向している第1のロータ18の磁石20Aの磁極20nと、コア25Aに形成される磁極27Aとに着目すると、回転軸13の回転に伴い、磁極20nと磁極27Aとが互いに対向しながらも互いに相対移動するときに、第1のロータ18の磁石20Aによる磁束Jは、互いの磁極20n,27A同士が対向している対応するコア25Aに導入され、コア25A内において増減しながら回転軸13の回転に関わらずコイル26Aと一定の向きに鎖交して形成される。従って、コイルに対する磁束の方向が変化する場合に比べて、損失を抑制でき、その結果、電動モータ12に生じるトルクムラを抑制できる。
【0030】
また、電動モータ12のステータ22の各磁極27A〜27D,28A〜28Dは、対応する第1および第2のロータ18,19の磁石20A,20B,21A,21BのN極またはS極とのみ対向するので、N極およびS極と交互に対向する場合と比べて、回転軸13の回転時の磁束の変化が小さくて済み、電動モータ12に生じるトルクむらをより一層小さくできる。従って、操舵感をより高めることができる。
【0031】
また、本実施形態では、例えば、図3Bに示すように、回転軸13の回転を促進するように、第1および第2のロータ18,19の各磁極20n,21sに斥力F1,F3と吸引力F2,F4とが同時に作用して、大トルクを効率よく発生させることができる。また、第1および第2のロータ18,19の各磁極20n,21sは一方の極性のみとされるので、各ロータ18,19の各磁極20n,21sの間の磁束漏れを抑制でき、大トルクの発生に寄与する。従って、大トルクを得て、上述のように操舵感をより一層高めることができる。
【0032】
ステータ22の磁極数は、対応するロータ18,19の磁極数の2倍に相当する数が設けられることが好ましい。これにより、ステータ22の各磁極27A〜27D,28A〜28Dは、対応する各ロータ18,19の各磁極20n,21sに斥力F1,F3または吸引力F2,F4を継続して作用させることができる。従って、大トルクを得るのに好ましい。
図2Bを参照して、各ロータ18,19とステータ22との間で、互いに対向する磁極同士の円弧長をほぼ等しくした。この場合、回転軸13が回転すると、第1および第2のロータ18,19の磁石20A,20B,21A,21Bの位置に応じて、ステータ22のコア25A,25B,25C,25Dに順次励起される回転磁界が生成され、これにより、例えば、一のコイル26Aに鎖交する磁束数が増加すると同時に、該一のコイル26Aと相隣となる他のコイル26Bに鎖交する磁束数が減少することを繰り返すようにできる。その結果、図4に示すように、磁束数の変化による誘起逆起電力をステータ22全体としてほぼ一定にできるので、回転軸13に生じるトルクむらをより一層小さくできる。従って、操舵感をより一層高めることができる。さらに、回転軸13の回転に伴い各コア25A,25B,25C,25Dに生じる磁束数は鋸歯状に変化し、磁束数の変化の度合いが各コイル26A〜26Dにおいてほぼ等しくなり、トルクむらをより一層小さくすることができる。
【0033】
また、本実施形態では、電動モータ12に単一対向磁極誘導モータを採用することにより、一般的なDCモータを使用する従来の電動パワーステアリングの問題点を解決できる。すなわち、本実施形態では、低速度で大トルクを得られるので、電動モータ12を駆動する際の電流値を小さくできて、安価な部品を利用して、駆動回路31を安価にすることもできる。また減速機15の減速比を小さくして小形化することもできる。トルクむらが小さいので、トルクむらを抑制するための制御をせずに済み、制御部17の構造を簡素化でき、また、電動モータ12の極数を少なくして構造を簡素化することもできる。また、各コア25A,25B,25C,25Dを単一の棒状の長尺部材により構成し、例えば、ステータ22に多数の積層鉄板を用いずに済み、電動モータ12の部品点数を少なくすることもできる。また長尺部材により構成される各コア25A,25B,25C,25Dの長手方向の回りに各コイル26A,26B,26C,26Dを巻くことにより、その巻き方を簡素化できる。また、電動モータ12の銅損、鉄損、回路損を格段に低減でき、効率を高くできる。
【0034】
次に、本発明の実施形態の変形例を説明する。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については説明を省略して同じ符号を付しておく。
例えば、上述の実施形態の構成に代えて、第1のロータ18の磁極20nがステータ22のコア25A〜25Dの対応する一方の磁極27A〜27Dと軸方向Sに対向することと、第2のロータ19の磁極21sがステータ22のコア25A〜25Dの対応する他方の磁極28A〜28Dと軸方向Sに対向することとの少なくとも一方を採用してもよい。
【0035】
また、各ロータ18,19の磁極数を3個,4個と増すことも可能であり、この場合は、ステータ22のコア数は磁極数の2倍に設定するのが好ましい。
また、本発明を、コラムタイプの電動パワーステアリング装置の他、例えば、電動モータ12をラック軸10を軸方向に駆動するためにラック軸10と同心またはその近傍に配置するタイプの電動パワーステアリング装置や、電動モータ12を用いるステアバイワイヤ式のステアリング装置に適用してもよい。その他、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用操舵装置の概略構成の模式図である。
【図2】図1に示す電動モータの断面図であり、図2Aに縦断面を、図2Bに図2Aの2B断面を示す。
【図3】図1の電動モータの動作を説明するための模式図であり、図3A,図3B,図3Cの順に回転軸の回転に伴う変化を図示してある。
【図4】逆起電力の時間変化のグラフであり、逆起電力を縦軸に時間を横軸に示す。
【図5】従来の車両用操舵装置の直流モータの模式図である。
【符号の説明】
1 車両用操舵装置
3 ステアリングホイール(操作部材)
4 ステアリングシャフト(伝達軸)
12 電動モータ
13 電動モータの回転軸
13a ロータ
18 第1のロータ
19 第2のロータ
20A,20B 第1のロータの磁石
20n 第1のロータの磁石のN極の磁極
21A,21B 第2のロータの磁石
21s 第2のロータの磁石のS極の磁極
22 ステータ
25A,25B,25C,25D コア
25a コアの両端
26A,26B,26C,26D コイル
27A,27B,27C,27D ステータのコアの一方の磁極
28A,28B,28C,28D ステータのコアの他方の磁極
F1,F3 斥力
F2,F4 吸引力
J 磁束
S 回転軸の軸方向
R 回転軸の径方向
Claims (3)
- 操作部材の操作に応じて駆動される電動モータを備える車両用操舵装置において、
上記電動モータが、回転軸の周りに環状に配置される複数のコアを有し各コアにコイルが巻かれて磁極が形成されてなるステータと、複数の磁石を有し回転軸に一体回転できるように係止されるロータとを備え、
ロータの各磁石の磁極は、ステータの複数のコアにそれぞれ形成される磁極に回転軸の回転に伴って順次に対向可能に配置され、
ロータの各磁石による磁束は、互いの磁極同士が対向している対応するコアに導入され対応するコイルを一定の向きに鎖交して形成されることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
上記ステータは、各コアにコイルが巻かれて、回転軸の軸方向についての各コアの両端に、径方向内方または軸方向の両側に向けて、一対の磁極が形成されてなり、
上記ロータは、複数の磁石を有し各磁石のN極の磁極を回転軸の径方向の外側または回転軸の軸方向の一方の側に向けて配置される第1のロータと、第1のロータの磁石と同数の磁石を有しこの各磁石のS極の磁極を回転軸の径方向の外側または回転軸の軸方向の他方の側に向けて配置される第2のロータとを含み、
第1のロータの磁石のN極の磁極が、ステータのコアの対応する一方の磁極と、径方向または軸方向に対向するとともに、第2のロータの磁石のS極の磁極が、ステータのコアの対応する他方の磁極と、径方向または軸方向に対向するように、第1および第2のロータの磁極は回転軸に同角度位置に配置されることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1または2に記載の車両用操舵装置において、
上記回転軸の回転に伴い、ロータの各磁石の磁極が、対向可能な一方のコアの一端に形成される磁極から遠ざかり、且つ一方のコアに周方向に隣接して配置される他方のコアの一端に形成される磁極に接近するときに、
上記一方のコアの一端の磁極と上記磁石の磁極との間に斥力を発生させるように、一方のコアに巻かれたコイルに通電し、上記他方のコアの一端の磁極と上記磁石の磁極との間に吸引力を上記斥力と同時に発生させるように、他方のコアに巻かれたコイルに通電することにより、回転軸を回転駆動することを特徴とする車両用操舵装置。
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