JP2005043878A - レジスト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プリント基板製造用新規レジスト組成物の提供。
【解決手段】 本発明に係る新規レジスト組成物は、(A)樹脂成分、(B)光重合開始剤、(C)水、並びに(D)有機溶剤を含むレジスト組成物であって、前記有機溶媒(D)が、以下の:(D−1)α−ヒドロカルボン酸エステル、β−アルコキシカルボン酸エステル、1,3−ジオール化合物、及び1,3−ジオール化合物誘導体の中から選ばれる少なくとも1種以上の有機溶剤、及び(D−2)前記(D−1)以外の、水酸基を有する有機溶剤、を含有することを特徴とする。本レジスト組成物は、特に浸漬塗布法において、感度を維持したまま、銅板より溶出した銅イオンによるイオン架橋の問題を抑制することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明はプリント基板などの製造に用いるレジスト組成物、特に水系の溶液型又は分散型レジスト組成物、及びそれを用いたレジスト塗布基板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板を作製するには、銅箔の様な導電性の金属層を有する絶縁基板(銅以外の金属を含んでもよいが、以下、単に「銅張り基板」ともいう。)上にレジスト塗膜を形成し、所望のパターンを有するフォトマスクを介して露光を行った後、水又はアルカリ水で現像処理して、レジストが残存していない部分の導電性金属層をエッチング液でエッチング処理し、その後レジストを剥離することにより所望の配線パターンを形成することによって行われている。
銅張り基板上にレジスト層を形成する方法にはドライフィルム法、液状レジスト塗布法などがある。液状レジスト塗布法では液状レジストをロールコートやスクリーン印刷により銅張り基板上に塗布する方法の他に浸漬塗布法(dip coating)が知られている。この方法は大量のレジスト組成物液(多くは溶液)中に銅張り基板を浸し、引き上げた後、乾燥して溶媒を揮発させ、レジスト塗膜を銅張り基板上に形成する。
浸漬塗布法に使用される液状のレジスト組成物には溶媒として揮発性の高い有機溶剤が使用されてきたが、近年、人体や環境への影響が懸念されることから、例えば特許文献1のような水を溶媒として含有するレジスト組成物が提案されている。
しかしながら、水を含有するレジスト組成物を浸漬塗布方法に適用すると、銅板より溶出した銅イオンがレジスト液中に蓄積し、イオン架橋を引き起こすという問題が発生する。すなわち浸漬塗布法では、大過剰のレジスト液中に銅張り基板を一定時間浸漬し、引き上げる操作を行うが、この浸漬中に銅イオンなどの金属イオンの溶出が起こる。このとき基板に接していた液のかなりの部分はレジスト液中に残留する。大量生産時にはこのレジスト液を繰り返し使用するため、銅イオンなどの金属イオンが次第にレジスト液中に蓄積してゆくことになる。その結果として銅イオンなどの金属イオンによるレジスト成分の架橋が発生し、レジスト液の粘度上昇や、はなはだしい場合には沈殿物や凝集物が生成したりする。これらはそれぞれ塗膜厚さの変化や、塗布基板上での異物形成といった問題を引き起こす。前者は塗布条件の調節により克服することも可能であるが、後者を回避することは極めて困難である。
レジスト液中への金属イオン蓄積の問題は、浸漬塗布法において顕著であるが、液状レジスト塗布法などの他のレジスト層形成方法においても問題となる場合がある。
このような銅張り基板から溶出した銅イオンなどの金属イオンによる架橋を抑制する方法として、水系の電着塗料においてキレート剤を添加することが特許文献2において提案されている。しかしここで開示されている化合物はその効果が不充分であったり、紫外線に対する感度を低下させてしまうなどの問題がある。
特開昭53−97416号公報 特公平6−44150号公報
本発明は、溶媒として水を含有する溶液型又は分散型レジスト組成物において、レジスト組成物の感度を維持したまま、特に繰り返し浸漬塗布時におけるレジスト組成物の保存安定性を向上させることを課題とするものである。
本発明者は、上記状況に鑑み鋭意検討した結果、特に水を含有する浸漬塗布用レジスト組成物において、特定の化合物と特定の有機溶剤を組み合わせることにより上記課題が解決可能なことを発見し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記[1]〜[8]に関する。
[1](A)樹脂成分、(B)光重合開始剤、(C)水並びに(D)有機溶剤を含むレジスト組成物において、前記有機溶剤(D)が、以下の:
(D−1)α−ヒドロキシカルボン酸エステル、β−アルコキシカルボン酸エステル、1,3−ジオール化合物、及び1,3−ジオール化合物誘導体の中から選ばれる少なくとも1種以上の有機溶剤、及び
(D−2)前記(D−1)以外の、水酸基を有する有機溶剤、
を含有することを特徴とする前記レジスト組成物。
[2]前記(D−1)がα−ヒドロキシカルボン酸エステルである、[1]に記載のレジスト組成物。
[3]前記α−ヒドロキシカルボン酸エステルが乳酸エステルである、[2]に記載のレジスト組成物。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレジスト組成物中に、導電性金属を有する絶縁基板を浸漬することを特徴とするレジスト塗布基板の製造方法。
[5]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレジスト組成物を用いることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
[6](A)樹脂成分、(B)光重合開始剤、(C)水、並びに(D)有機溶剤を含むレジスト組成物において、前記有機溶剤(D)が、以下の:
(D−1)α−ヒドロキシカルボン酸エステル、β−アルコキシカルボン酸エステル、1,3−ジオール化合物、及び1,3−ジオール化合物誘導体の中から選ばれる少なくとも1種以上の有機溶剤を含有することを特徴とする浸漬塗布用レジスト組成物。
[7]前記[6]に記載の浸漬塗布用レジスト組成物中に、導電性金属を有する絶縁基板を浸漬することを特徴とするレジスト塗布基板の製造方法。
[8]前記[6]に記載の浸漬塗布用レジスト組成物を用いることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
本発明のレジスト組成物は、特に浸漬塗布法において、感度を維持したまま、銅板より溶出した銅イオンによるイオン架橋の問題を抑制することが可能であり、プリント配線基盤の品質の安定、生産性の向上に寄与する。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)樹脂成分
本発明のレジスト組成物に使用される(A)樹脂成分は、現像液に可溶で、エッチング液に難溶となる性質を有するものであり、好ましくは、分子中にカルボキシル基又はその無水物基を有する樹脂を含む成分である。分子中にカルボキシル基又はその無水物基を有する樹脂としては、モノマーとして(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体であるアクリル樹脂、(メタ)アクリル酸とエチレンとの共重合体、無水マレイン酸とエチレン又はスチレンとの共重合体などが例示され、密着性やタックなどの観点からアクリル樹脂が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸とはメタクリル酸及び/又はアクリル酸を意味する。
前記(A)樹脂成分は光重合開始剤の存在下又は不存在下、紫外線、X線、電子線等の照射により光重合を引き起こすことが可能な光重合性樹脂が好ましく、分子中にエチレン性不飽和結合のような重合性基を複数個有するものが例示される。
前記光重合性樹脂としては、公知のものを単独で又は複数組み合わせて使用することが可能であり、例えば、下記(1)〜(5)の群から選ぶことができる。
(1)不飽和ヒドロキシル化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、イソシアナート基、及びエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂との反応物;
(2)不飽和エポキシ化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、イソシアナート基、アミノ基、及びヒドロキシル基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂との反応物;
(3)不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物と、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアナート基、及びエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂との反応物;
(4)不飽和アミノ化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、ホルミル基、ケト基、イソシアナート基、及びエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂との反応物;
(5)不飽和イソシアナート化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基及びエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂との反応物。
これら光重合性樹脂の重量平均分子量や酸価(mgKOH/g)は任意であるが、重量平均分子量は、好ましくは、500〜100,000の範囲、特に好ましくは、1,000〜50,000の範囲、そして最も好ましくは、2,000〜20,000の範囲にあり、酸価は、好ましくは、20〜350の範囲、特に好ましくは、50〜250の範囲、そして最も好ましくは、80〜200の範囲にある。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、そして酸価は、JIS K5601により測定する。
不飽和ヒドロキシル化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、メタアリルアルコール、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、アリルフェノールなどが使用できる。
不飽和エポキシ化合物の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
不飽和カルボン酸及びその無水物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸、桂皮酸、ナジック酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、リカン酸、リシノール酸、アラキドン酸及びこれらの無水物などが使用可能である。
不飽和アミノ化合物としては、アリルアミン、ジアリルアミン、アミノスチレン、アミノメチルスチレン、アクリルアミドや不飽和カルボン酸又はその誘導体とエチレンジアミン等のポリアミンとの反応物などが例示される。
不飽和イソシアナート化合物としては、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、アリルイソシアナートや、不飽和ヒドロキシル化合物とトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のポリイソシアナートとの反応物などが使用できる。
前記(1)〜(5)において使用される1種以上の官能基を有する樹脂としては、前記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、不飽和イソシアナート化合物、不飽和エポキシ化合物、不飽和ヒドロキシ化合物及び不飽和アミノ化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上の単独重合体又は共重合体などである。
カルボキシル基を官能基として有する樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、末端カルボキシル化ポリブタジエン、末端カルボキシル化ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、フェノール樹脂の(無水)多価カルボン酸付加物などが例示される。
ヒドロキシル基を有する樹脂としては、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−メチルメタクリレート共重合体、ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリグリセリン、ポリビニルフェノール、エポキシ樹脂のカルボン酸付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、末端ヒドロキシル化(水添)ポリブタジエン、末端ヒドロキシル化(水添)石油樹脂、及び多価アルコールと多価イソシアナートとの反応物などが例示される。
エポキシ基を有する樹脂としては、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート−メチルメタクリレート共重合体、ノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとの反応物、多価フェノールとエピクロロヒドリンの反応物、及び多価アルコールとエピクロロヒドリンとの反応物などが例示される。
アミノ基を有する樹脂としては、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリビニルホルムアミド鹸化物、ポリビニルアセトアミド鹸化物、ポリアミノスチレン、アミノスチレン−スチレン共重合体、カルボキシル基含有樹脂と多価アミンの反応物、尿素樹脂、及びメラミン樹脂などが例示される。
イソシアナート基を有する樹脂としては、ポリ−2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート共重合体、多価イソシアナート化合物と多価ヒドロキシル化合物との反応物などを挙げることができる。
前記(1)〜(5)のうち好ましいものをより具体的に示すと、
(1−1)不飽和ヒドロキシル化合物と、カルボン酸無水物基を有する樹脂との反応物、例えばヒドロキシエチルアクリレートとスチレン−無水マレイン酸共重合体との反応物、及び当該反応物にさらに塩基を反応させたもの;
(1−2)不飽和ヒドロキシル化合物と、イソシアナート基を有する樹脂との反応物(2−1)不飽和エポキシ化合物と、カルボキシル基を有する樹脂との反応物であり、例えば、グリシジルアクリレートとメタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との反応物、3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチルアクリレートとメタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との反応物、及びこれら反応物にさらに塩基を反応させたもの;
(3−1)不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物と、エポキシ基を有する樹脂との反応物であり、例えば、アクリル酸とポリグリシジルメタクリレートとの反応物、及びアクリル酸とグリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体との反応物など;
である。
これらの中で特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸とそのエステルとの共重合又はその変性物からなるアクリル樹脂であり、具体的には、グリシジルアクリレートとメタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との反応物、3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチルアクリレートとメタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との反応物、及びこれら反応物にさらに塩基を反応させたものである。
さらに、光重合性樹脂としては前記(1)〜(5)以外に下記のようなものも使用することができる:
(6)ポリブタジエン等の、共役ジエン化合物の単独又は共重合体及びその変性物;
(7)エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸とのエステル化物における脂肪酸鎖中の不飽和結合に不飽和ジカルボン酸又はその無水物を付加させてなる重合性不飽和樹脂;
(8)不飽和性脂肪酸変性高酸価アルキド樹脂からなる重合性不飽和樹脂;及び
(9)マレイン化油からなる重合性不飽和樹脂と一分子中に重合性不飽和結合を1個以上有するエチレン性不飽和化合物との混合物。
(B)光重合開始剤
(B)光重合開始剤としては公知のものが使用可能である。具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオシン、チオニン、ミヒラーケトン、アントラキノン、クロルアントラキノン、メチルアントラキノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルベンゾイルホルメート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ペンチル、及びトリエタノールアミンなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいが、複数を併用することが好ましい。
これら光重合開始剤の含有量は、本発明のレジスト組成物全重量(溶媒含む)中、0.01〜20質量%、好ましくは、0.1〜15質量%、最も好ましくは、0.5〜10質量%の範囲にある。(B)光重合開始剤の含有量が0.01質量%未満では光重合が十分進行せず、レジストとしての性能を維持することが困難となる。また、含有量が20質量%を超えると保存安定性が低下したり、前記塗膜の性状が低下することがある。
(C)水
本発明のレジスト組成物は溶媒として(C)水を含有する。(C)水を含有することにより揮発性の高い有機溶剤の使用量を低減することが可能であり、またレジスト組成物の引火点を高くし、保管、輸送時の安全性を高める。本発明のレジスト組成物中における(C)水の含有量は、レジスト組成物の5〜80質量%の範囲であり、好ましくは、10〜75質量%、より好ましくは、20〜70質量%、さらに好ましくは、25〜65質量%、最も好ましくは30〜60質量%の範囲である。
(D)有機溶剤
本発明の(D)有機溶剤は、(D−1)α−ヒドロキシカルボン酸エステル、β−アルコキシカルボン酸エステル、1,3−ジオール化合物、及び1,3−ジオール化合物誘導体の中から選ばれる1以上の有機溶剤、並びに(D−2)前記(D−1)以外の水酸基含有有機溶剤を含む。
(D−1)
前記(D−1)は、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、β−アルコキシカルボン酸エステル、1,3−ジオール化合物、及び1,3−ジオール化合物誘導体から成る群から選ばれ、単独で使用してもよく又は複数を併用しても構わない。これら(D−1)の含有量は、本発明のレジスト組成物中0.1〜40質量%の範囲であり、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1.0〜20質量%、最も好ましくは1.0〜15質量%の範囲である。(D−1)の含有量が0.1質量%未満では、本発明の効果が認められず、40質量%を超えて添加しても、さらなる効果の向上は期待できない。
本発明における(D−1)のうち、α―ヒドロキシカルボン酸エステルとしては、特に制限は無く公知のものが使用可能である。これらα―ヒドロキシカルボン酸エステルの具体例としては、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸n−プロピル、グリコール酸イソプロピル、グリコール酸n−ブチル、グリコール酸イソブチル、グリコール酸n−ペンチル、グリコール酸n−ヘキシル、グリコール酸シクロヘキシルなどのグリコール酸エステル、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル、乳酸n−へキシル、乳酸シクロヘキシル、乳酸ベンジル等の乳酸エステル、
α―ヒドロキシ酪酸メチル、α―ヒドロキシ酪酸エチル、α―ヒドロキシ酪酸n−プロピル、α―ヒドロキシ酪酸イソプロピル、α―ヒドロキシ酪酸n−ブチル、α―ヒドロキシ酪酸イソブチル、α―ヒドロキシ酪酸n−ペンチル、α―ヒドロキシ酪酸n−ヘキシル、α―ヒドロキシ酪酸シクロヘキシルなどのα―ヒドロキシ酪酸エステル、
α―ヒドロキシ吉草酸メチル、α―ヒドロキシ吉草酸エチル、α―ヒドロキシ吉草酸n−プロピル、α―ヒドロキシ吉草酸イソプロピル、α―ヒドロキシ吉草酸n−ブチル、α―ヒドロキシ吉草酸イソブチル、α―ヒドロキシ吉草酸アミル、α―ヒドロキシ吉草酸n−ヘキシル、α―ヒドロキシ吉草酸シクロヘキシルなどのα―ヒドロキシ吉草酸エステルなどが挙げられる。
本発明における(D−1)のうちβ−アルコキシカルボン酸エステルとしては、特に制限は無く公知のものが使用可能である。これらβ−アルコキシカルボン酸エステルとしては、3−メトキシ−プロピオン酸メチル、3−メトキシ−プロピオン酸エチル、3−メトキシ−酪酸メチル、3−メトキシ−酪酸エチル、3−メチル−3−メトキシ−酪酸メチル、3−メチル−3−メトキシ−酪酸エチル、2−メトキシ−シクロヘキサンカルボン酸メチルおよびこれらのメトキシ基をエトキシ基など他のアルコキシ基に替えたもの等が例示される。
本発明における(D−1)のうち1,3−ジオール化合物は、1,3−ジオール構造を有する化合物であって、公知のものを制限無く使用することができる。また前記ジオール構造以外の水酸基など他の官能基を含有していてもよい。このような1,3−ジオール化合物の具体例としては、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが例示される。
本発明における(D−1)のうち1,3−ジオール化合物誘導体は、1,3−ジオール構造が有する二つの水酸基のうち、その少なくとも1つの水酸基がエーテル化又はエステル化された構造を有する化合物であり、これらは公知のものを特に制限無く使用することができる。このような1,3−ジオール化合物誘導体の具体例としては、3−メトキシ−1−プロパノール、2−メチル−3−メトキシ−1−プロパノール、2,2−ジメチル−3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、これらのメトキシ基をエトキシ基やその他のアルコキシ基に替えたもの、
3−アセトキシ−1−プロパノール、2−メチル−3−アセトキシ−1−プロパノール、2,2−ジメチル−3−アセトキシ−1−プロパノール、3−アセトキシ−1−ブタノール、3−アセトキシ−3−メチル−1−ブタノール、これらのアセトキシ基をその他のアシルオキシ基に替えたもの、
3−メトキシ−1−プロピルアセテート、2−メチル−3−メトキシ−1−プロピルアセテート、2,2−ジメチル−3−メトキシ−1−プロピルアセテート、3−メトキシ−1−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、これらのメトキシ基をエトキシ基やその他のアルコキシ基に替えたもの、これらのアセトキシ基をその他のアシルオキシ基に替えたものなどが例示される。
本発明のレジスト組成物の引火点を高くし、保管、輸送時の安全性を高めるという観点から、これら(D−1)の引火点は、通常40℃以上であり、好ましくは45〜120℃の範囲であり、さらに好ましくは、50〜110℃の範囲である。
本発明の(D−2)、すなわち前記(D−1)以外の、水酸基含有有機溶媒は、分子中に1以上の水酸基を有する化合物であり、これらは公知のものを制限無く使用することが可能である。またこれらは単独で使用することも可能であり、又は複数を併用することも可能である。(D−2)の含有量は本発明のレジスト組成物中、1.0〜40質量%の範囲であり、好ましくは3.0〜30質量%、より好ましくは5.0〜20質量%、最も好ましくは7.0〜15質量%の範囲である。前記範囲においては(D−1)含有量が低い場合にも本発明の効果が顕著となることから好ましい。(D−2)の含有量が1.0質量%未満では、(D−1)含有量が低い場合にレジスト組成物の分散状態が不安定となることがあり、40質量%を越えてもさらなる効果は期待できず、有機溶剤量が多くなり水を含有することの長所を損なうことがある。
(D−2)
前記(D−2)の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテートなどが挙げられる。
本発明のレジスト組成物には、必要に応じて他の公知の有機溶剤を添加することも可能であり、その例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤などが挙げられる。
(E)重合性単量体
本発明のレジスト組成物は、前記(A)〜(D)に加え、さらに(E)重合性単量体を含有することが好ましい。(E)重合性単量体は、前記(B)光重合開始剤により重合を行う化合物であれば特に制限は無く、公知のものを単独で、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。
(E)重合性単量体としては、前記不飽和ヒドロキシル化合物、不飽和エポキシ化合物、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物、不飽和アミノ化合物、不飽和イソシアナート化合物や、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキル若しくはアリールエステル、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、及び多価アルコールのアリルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが例示される。また、多価アルコールのアリルエーテルとしては、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルなどが例示される。
(F)チクソトロピー剤
本発明のレジスト組成物に、(F)チクソトロピー剤をさらに含有させることもできる。チクソトロピー剤は、レジスト組成物にチクソトロピー性を付与することができる化合物であり、公知のものを単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。チクソトロピー剤の含有量は、レジスト組成物中通常、0.01〜10.0質量%の範囲、好ましくは、0.1〜5.0質量%の範囲、さらに好ましくは、0.2〜2.0質量%の範囲である。使用量が0.01質量%未満では添加の効果が認められず、10質量%を超えるとその分散が不良となり、塗膜の性状が悪化することがある。
チクソトロピー剤については、特に限定はなく、公知のものが使用できる。例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ガラス、けいそう土、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、タルク、雲母、長石、カオリナイト(カオリンクレー)、パイロフィライト(ろう石クレー)、セリサイト(絹雲母)、ベントナイト、スメクタイト・バーミキュライト類(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイトなど)、有機ベントナイト、有機スメクタイトなどの無機化合物、さらには脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレン、アクリル樹脂、高分子ポリエステルのアミン塩、直鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリカルポン酸のアミド溶液、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、コロイダル系エステル、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを粉砕した有機化合物などが挙げられる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
市販されている無機系チクソトロピー剤としては、クラウンクレー、バーゲスクレー#60、バーゲスクレーKF、オプチホワイト(以上、白石カルシウム(株)製)、カオリンJP−100、NNカオリンクレー、STカオリンクレー、ハードシル(以上、土屋カオリン工業(株)製)、ASP−072、サテントンプラス、トランスリンク37、ハイドラスデラミNCD(以上、エンジェルハード(株)製)、SYカオリン、OSクレー、HAクレー、MCハードクレー(以上、丸尾カルシウム(株)製)、ルーセンタイトSWN、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSPN(以上コープケミカル社製)、スメクトン(クニミネ工業社製)、ベンゲル、ベンゲルFW、エスベン、エスベン74、オルガナイト、オルガナイトT(以上、ホージュン(株)製)、穂高印、オルベン、250M、ベントン34、ベントン38(以上、ウイルバー・エリス社製)、ラポナイト、ラポナイトRD、ラポナイトRDS(以上、日本シリカ工業(株)製)などが挙げられる。
市販されている有機系チクソトロピー剤としてはディスパロン#6900−20X、ディスパロン#4200、デイスパロンKS−873N、ディスパロン#1850(以上、楠本化成(株)製)、BYK−405、BYK−410(ピック・ケミー・ジャパン社製)、プライマルRW−12W(ローム・アンド・ハース社製)、A−S−AT−20S、A−S−AT−350F、A−S−AD−10A、A−S−AD−160(以上、伊藤製油(株)製)などが挙げられる。当該化合物は溶媒に分散されていてもかまわない。
これらの中で好ましいものは、xM(I)2O・ySiO2で表される珪酸塩化合物(酸化数が2,3であるM(II)O、M(III)23に相当するものもある、x、yは正の整数を表す。)であり、更に好ましい例はヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライトなどの膨潤性層状粘度鉱物である。
そして特に好ましい例としては、アミン変性珪酸塩鉱物(有機スメクタイト;ナトリウムなどの層間陽イオンを有機アミン化合物で交換したもの)が好適に使用でき、珪酸ナトリウム・マグネシウム(ヘクトライト)のナトリウムイオンを次のようなアンモニウムイオンで交換したものが挙げられる。アンモニウムイオンの例としては、炭素数6〜18のアルキル鎖を有するモノアルキルトリメチルアンモニウムイオン、ジアルキルジメチルアンモニウムイオン、トリアルキルメチルアンモニウムイオン、オキシエチレン鎖が4〜18であるジポリオキシエチレンヤシ油アルキルメチルアンモニウムイオン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ヤシ油アルキルメチルアンモニウムイオン、オキソプロピレン鎖が4〜25であるポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムイオンなどが挙げられる。これらアンモニウムイオンは単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの市販品としては、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSPN(以上コープケミカル社製)などが挙げられる。
本発明の感光性組成物には、適宜、重合禁止剤を併用することもできる。これらの重合禁止剤としては、従来公知の禁止剤を使用することができ、その例としてはフェノール類(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンなど)、ハイドロキノン類(ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなど)、カテコール類(カテコール、tert−ブチルカテコール、ピロガロール)などが挙げられる。
また、本発明の感光性組成物には、硬度などの特性を向上させるため、必要に応じて硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、無定型シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭素繊維などの公知の無機充填剤が添加できる。
更に必要に応じて、アシッドブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知の着色剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤などの密着性付与剤を添加することができる。
本発明のレジスト組成物には、表面張力の調節等のため、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては特に制限はなく、公知のものを使用できる。例えば、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)、及びアセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。本発明では、これらの界面活性剤の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のレジスト組成物の粘度は25℃において5〜500mPa・sの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜300mPa・sの範囲、さらに好ましくは15〜200mPa・sの範囲、最も好ましくは20〜150mPa・sである。粘度が低いとチキソトロピー性が発現しにくく、また高すぎると浸漬塗布時の膜厚調節が困難となる。粘度の測定方法とては、市販のB型回転粘度計などが使用できる。
保管、輸送時の安全性を高めるという観点から、本発明のレジスト組成物の引火点は、通常40℃以上であり、好ましくは55℃以上であり、さらに好ましくは、60℃以上であり、最も好ましくは70℃以上である。
本発明のレジスト組成物は、前記成分を任意の方法により混合することで製造することが可能であり、例えば、攪拌羽根を有する容器に攪拌しながら各成分を添加する方法が例示できる。各成分は、混合を行う容器に同時に添加してもよく、また逐次に添加してもよい。また各成分はその全量を一括で添加してもよく、複数回に分割して添加してもよい。混合時の温度は任意であり、通常5〜50℃の範囲であり、好ましくは10〜40℃の範囲である。また混合は一定温度で行ってもよく、温度を変化させて行ってもよい。
本発明のレジスト組成物は、任意の塗布方法に適用することができるが、特に浸漬塗布法に有用である。すなわち本発明のレジスト組成物により、感度を維持したまま、銅板等より溶出した銅イオンを含む金属イオンによるイオン架橋の問題を抑制することが可能となる。
浸漬塗布方法は公知の方法であり、容器にレジスト組成物を入れ、その中に銅張積層板等の導電性金属層を有する絶縁基板を浸漬し、任意の速度て引き上げることにより塗布基板が製造される。この際、容器内のレジスト組成物は任意の温度に設定することができるが、10〜50℃の温度範囲であることが好ましい。
この時に使用される装置は特に限定はなく、公知のものが使用できるが、均一な膜を形成するために引き上げ中に上昇速度を変えることが可能な装置が望ましく、市販の浸漬塗布装置として、全自動ディップコーターAD−7200、セミオートディップコーターSD−6200、ファイブコーターSZC−720(以上、サツマ通信工業社製)などが例示される。
前記浸漬塗布法により得られた銅張り基板からは、通常、乾燥、露光、現像、エッチング、及びレジスト膜剥離の工程、さらには必要に応じてその他任意の工程を経て、所定の配線パターンを有するプリント配線板が製造される。
実施例1
1)レジスト組成物の調製
下記の(A)〜(F)の各成分の均一な混合物を激しく攪拌しながら、この混合物に(C)水41.8質量部を15分かけて滴下し、さらに15時間攪拌した。得られた溶液に(D−1)乳酸エチル3.0質量部及び10質量%のポリビニルアルコール水溶液を0.3質量部添加して1時間攪拌し、レジスト組成物を調製した。
(A)樹脂成分
メタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体の3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチルアクリレート変性樹脂(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーACA−200M、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量17、000)、13.8質量部
(B)光重合開始剤
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2.4質量部
(D−2)
エチレングリコールモノブチルエーテル、14.0質量部、及び
プロピレングリコールモノメチルエーテル、13.8質量部
(E)重合性単量体
ビスフェノールFジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(日本化薬製、商品名PNA−142)、1.4質量部、及び
ポリエチレングリコールジアクリレート、5.2質量部
(F)チクソトロピー剤
ヘクトライトのポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムカチオン変性物、0.7質量部
(その他成分)
N−メチルモルフォリン、2.8質量部、及び
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、0.8質量部
2)保存安定性の評価
上記に従って製造したレジスト組成物40gを密栓可能な容器に採取した後、この容器に5cm×10cmの大きさの銅張積層板(松下電工(株)製、両面に銅箔を有するもの)を投入して、40℃で7日間保存した。その後、レジスト液中に沈殿物の有無、及び保存前後における粘度の変化を測定し、繰り返し浸漬塗布時における保存安定性の目安とした。
3)粘度測定
東機産業株式会社製のB型粘度計(BL型、No.1ローター)を用い、25℃においてローター回転数6rpmで測定した。
4)レジスト組成物の浸漬塗布
前記1)で調製したレジスト組成物を25℃の温度に保ち、サツマ通信工業社製ディップコーター(商品名ファイブコーターFC−7500)を用いて塗布した。次にこの基板を80℃で15分乾燥して、厚さ約8μmのレジスト組成物塗膜を有する塗布基板を得た。また、前記2)の保存安定性評価後のレジスト組成物についても同様の浸漬塗布を行った。
5)感度の測定
前記4)で得た塗布基板(保存安定性評価前及び後)にフォトマスク(21ステップ(段)デンシティータブレット、日立化成(株)製)を通して紫外線で露光(超高圧水銀ランプ、主波長365nm、80mJ/cm2)したのち、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に50秒間浸漬させで現像した。
以上の結果を以下の表1に示す。
Figure 2005043878
実施例2〜19
(D−1)、(D−2)として表1記載のものを、表1記載の量使用した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1
乳酸エチルを使用せず、(D−2)のEGBを、表1記載の量使用した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例2〜4
実施例1において、(D−1)の乳酸エチルの代わりに、特許文献2(特公平6−44150号公報)に記載のアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、及びサリチル酸メチルをそれぞれ使用した以外は同様に行った。結果を表1に示す。
実施例20
実施例1において、(D−1)乳酸エチル、(D−2)エチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを、全て乳酸ブチルとした以外は同様に行った。結果を表1に示す。
実施例21
実施例1において、(D−2)エチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの全量を水に替えた以外は同様に行った。結果を表1に示す。
表1から本発明のレジスト組成物は、従来技術のレジスト組成物に比較して、銅板より溶出した銅イオンによる感度低下、粘度上昇や沈殿物の生成もないことが分かる。

Claims (8)

  1. (A)樹脂成分、(B)光重合開始剤、(C)水並びに(D)有機溶剤を含むレジスト組成物において、前記有機溶剤(D)が、以下の:
    (D−1)α−ヒドロキシカルボン酸エステル、β−アルコキシカルボン酸エステル、1,3−ジオール化合物、及び1,3−ジオール化合物誘導体の中から選ばれる少なくとも1種以上の有機溶剤、及び
    (D−2)前記(D−1)以外の、水酸基を有する有機溶剤、
    を含有することを特徴とする前記レジスト組成物。
  2. 前記(D−1)がα−ヒドロキシカルボン酸エステルである、請求項1に記載のレジスト組成物。
  3. 前記α−ヒドロキシカルボン酸エステルが乳酸エステルである、請求項2に記載のレジスト組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト組成物中に、導電性金属を有する絶縁基板を浸漬することを特徴とするレジスト塗布基板の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト組成物を用いることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. (A)樹脂成分、(B)光重合開始剤、(C)水、並びに(D)有機溶剤を含むレジスト組成物において、前記有機溶剤(D)が、以下の:
    (D−1)α−ヒドロキシカルボン酸エステル、β−アルコキシカルボン酸エステル、1,3−ジオール化合物、及び1,3−ジオール化合物誘導体の中から選ばれる少なくとも1種以上の有機溶剤を含有することを特徴とする浸漬塗布用レジスト組成物。
  7. 請求項6に記載の浸漬塗布用レジスト組成物中に、導電性金属を有する絶縁基板を浸漬することを特徴とするレジスト塗布基板の製造方法。
  8. 請求項6に記載の浸漬塗布用レジスト組成物を用いることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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