JP2005092198A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】 本発明に係る感光性樹脂組成物は、以下の成分:(A)カルボキシル基を有する樹脂のカルボキシル基の一部に脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物のエポキシ基が付加している化合物;(B)以下の一般式(1):[CH2=C(R1)COO(R2O)nm3{式中、R1は水素原子またはメチル基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R2は炭素数1〜20のアルキレン基またはアリーレン基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R3は炭化水素残基であり、mは3〜10の整数であり、そしてm個存在する各nは互いに同じであっても異なってもよく、各々独立に0または正の整数を表す。ただし、全てのnが同時に0ではない。}で表されるエチレン性不飽和化合物;および(C)光重合開始剤;を含み、そしてそれにより高感度、高耐エッチング性であり、同時にタックや硬度が改善された塗膜を与える。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、当該組成物を用いたプリント配線板の製造方法およびその製造法により製造されたプリント配線板に関する。更に詳しくは、本発明は、タックおよび硬度が改善された塗膜を与えることができる感光性樹脂組成物および当該組成物への基板の浸漬によるプリント基板への感光性樹脂塗膜形成方法、およびプリント配線板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板を作製するには、銅箔の様な導電性の金属層を有する絶縁基板(以下、単に銅貼り基板ということがある)に感光性樹脂塗膜を形成し、この上に所望の回路パターンを有するフォトマスクを介して感光性樹脂の露光及び硬化を行ってレジストパターンを形成した後、未硬化の感光性樹脂を水またはアルカリ水で現像処理し、レジストパターンで保護されていない導電性金属層をエッチング液でエッチング処理し、その後レジストパターンを剥離することにより所望の配線回路を形成することが行われている。
プリント配線板の製造において、銅貼り基板上に感光性塗膜を形成するために多数の感光性樹脂組成物が提案されているが、この様にして形成された感光性樹脂塗膜の粘着性、すなわちタックについてはさらなる性能の向上が求められている。一般にタックがあると塗膜に埃などの異物が付着しやすくなり、この異物が露光の障害となったり塗膜の欠陥となったりすることで導電回路の断線などが発生し、所望の配線パターンを得ることが困難になり、不良率の増加をもたらすこととなる。また、タックがあると塗布後に基板を重ねて一時的に保管する場合に、基板同士が粘着することで、その後の工程に供することが困難となったりする。
タックを改善する方法として、例えば、樹脂組成物中の樹脂のガラス転移温度を一定の範囲にすることが提案されている(例えば、特許文献1および2を参照のこと)が、その効果は必ずしも十分とは言えず、またガラス転移温度を一定範囲とするためには樹脂を構成する成分などが制限されてしまう。
また、塗膜の硬度についてもさらなる改良が求められており、塗膜の硬度が低いと製造工程中に塗膜に傷が生じ、その結果、上記と同様の問題が発生する。
なお、プリント配線板の製造において、感光性塗膜を形成するためにはドライフィルム型の感光性樹脂組成物を銅貼り基板に貼り合わせる方式の他に、液状の感光性樹脂組成物を銅貼り基板上に塗布し、溶媒を乾燥して、基板上に感光性樹脂塗膜を形成する方法がある。溶状の感光性樹脂組成物の一種として水溶性あるいは水分散性感光性樹脂組成物を使用することは公知であるが、このような組成物においては特にタックが発生しやすく、また硬度が低下しやすいという問題がある。
特開平06−222557号公報 特開平06−258832号公報
本発明は、従来の液状感光性樹脂組成物がもつ高感度、高耐エッチング性などの性質を保持しつつ、タックや硬度が改善された塗膜を与えることのできる感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の現状に鑑み鋭意研究した結果、以下に示す特定の樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを発見し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]に関する。
〔1〕以下の成分:
(A)カルボキシル基を有する樹脂のカルボキシル基の一部に脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物のエポキシ基が付加している化合物;
(B)以下の一般式(1):
[CH2=C(R1)COO(R2O)nm3 (1)
{式中、R1は水素原子またはメチル基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R2は炭素数1〜20のアルキレン基またはアリーレン基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R3は炭化水素残基であり、そしてmは3〜10の整数であり、m個存在する各nは互いに同じであっても異なってもよく、各々独立に0または正の整数を表す。ただし、全てのnが同時に0ではない。}で表されるエチレン性不飽和化合物;および
(C)光重合開始剤;
を含む感光性樹脂組成物。
〔2〕前記カルボキシル基を有する樹脂が、(メタ)アクリル酸共重合体である、前記〔1〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔3〕前記脂環式エポキシ基が、エポキシシクロヘキシル基である、前記〔1〕または〔2〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔4〕前記脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物が、エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔5〕前記(B)成分の一般式(1)中のすべてのR2が、エチレン基またはプロピレン基である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔6〕(D)成分として、溶媒である水をさらに含む、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔7〕(E)成分として、水以外の溶媒である水酸基を有する化合物をさらに含む、前記〔6〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔8〕前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1に記載の感光性樹脂組成物を、その表面に導電性金属層を有する基板に塗布後、乾燥して感光性塗膜を形成し、この塗膜上に所望のパターンで感光性塗膜の露光及び硬化を行った後、水またはアルカリ水で現像処理し、硬化した感光性樹脂パターン部以外の導電性金属層をエッチング液でエッチング処理し、その後硬化した感光性樹脂パターンを剥離することにより所望の回路配線を形成することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
〔9〕前記〔8〕に記載の製造方法により製造されたプリント配線板。
〔10〕前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて製造されたプリント配線板。
本発明は、従来の液状感光性樹脂組成物がもつ感度、耐エッチング性などを保持しつつ、タックや硬度が改善された塗膜を与えることのできる感光性樹脂を提供することができる。
以下に、本発明の感光性樹脂組成物およびプリント配線板の製造方法について説明する。
1.感光性樹脂組成物
1−1 成分(A)
(A)カルボキシル基を有する樹脂のカルボキシル基の一部に脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物のエポキシ基が付加している化合物
本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分は、カルボキシル基を複数個有する樹脂のカルボキシル基の一部と脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物のエポキシ基を反応させて得られる化合物であり、これらは単独で使用してもよく、異なる種類の樹脂を併用してもよい。
ここで使用されるカルボキシル基を有する樹脂としては公知のものが使用できる。より具体的には、
(1)(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸とから得られた共重合体、
(2)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和ヒドロキシル化合物の(共)重合体、多価エポキシ化合物と多価カルボン酸化合物との反応物あるいはフェノール樹脂などのヒドロキシル基を有する樹脂を無水フタル酸や無水コハク酸などの環状酸無水物で変性しカルボキシル基を導入したもの、
(3)無水マレイン酸や無水イタコン酸等の酸無水物とスチレンやメチルビニルエーテル等の不飽和化合物との共重合体に含まれる酸無水物基に、アルコールやアミンを反応させてカルボキシル基を導入したもの、
などが例示される。
これらのうち好ましくは、(1)(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸から得られた共重合体である。なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
前記(1)の共重合体を構成するモノマーである(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類等を例示できる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記(1)を構成する構成するモノマーである不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和基とカルボン酸の間に鎖延長された変性不飽和モノカルボン酸、例えばβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性等のエステル結合を有する不飽和モノカルボン酸、エーテル結合を有する変性不飽和モノカルボン酸を例示できる。マレイン酸等のカルボキシル基を分子中に2個以上含むものであってもよい。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
前記(1)は、共重合モノマーとして(メタ)アクリル酸エステルおよび不飽和カルボン酸以外の構成成分を含んでいてもよい。例えばアクリルアミド、N−メチロルアクリルアミド、N,N−ジメチロルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸等の不飽和化合物が挙げられる。
前記(A)成分に使用される脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物は、1分子中に1個のラジカル重合性のエチレン性不飽和基と脂環式エポキシ基とを有する化合物であって、公知のものが使用可能である。本発明の脂環式エポキシ基はエポキシ環を構成する2個の炭素原子が炭化水素環の構成炭素原子を兼ねているものを意味する。
本発明において脂環式エポキシ基の変わりに鎖状エポキシ基を有する化合物のみを用いた場合、タックや硬度が不充分となるため、好ましくない。
前記脂環式エポキシ基としては、
2,3−エポキシシクロブチル基、
2,3−エポキシシクロペンチル基、
3,4−エポキシシクロヘキシル基、
5,6−エポキシ−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−8−イル基、
2,3−エポキシ−トリシクロ[4,2,1,02,5]ノナン−7−イル基、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−9−ヒドロキシ−1,5−ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン−8−イル基、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−9−ヒドロキシ−2,4−ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン−8−イル基、
などが例示される。
1分子中に1個のラジカル重合性の不飽和基と脂環式エポキシ基を有する化合物の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
5,6−エポキシ−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、
5,6−エポキシ−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−8−イルオキシメチル(メタ)アクリレート、
2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)シクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシカルボニル)−6−ヒドロキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
5,6−エポキシ−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、
5,6−エポキシ−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−8−イルオキシメチル(メタ)アクリレート、
2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)シクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシカルボニル)−6−ヒドロキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−5−(3,4−エポキシシクロヘキシルカルボニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−9−ヒドロキシ−1,5−ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン−8−イル(メタ)アクリレート、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−9−ヒドロキシ−2,4−ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン−8−イル(メタ)アクリレート、
などが挙げられる。これらは単独で用いることも可能であり、また2種以上を併用することも可能である。
これらのなかでは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物のカルボキシル基への付加量は、カルボキシル基含有樹脂中のカルボキシル基に対して5〜50モル%の範囲にあることが望ましい。付加量が5%を下回ると紫外線硬化性が悪く、硬化被膜の物性が低下する。一方、50%を越えると樹脂の保存安定性が悪くなることがある。
前記(A)成分の製造にあたっては、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物以外に、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、β−メチル(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の鎖状エポキシ基含有不飽和化合物を併用することもできる。ただし、本発明の効果を発揮するためには、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との総合計量に対して40質量%以下の範囲が好ましい。
カルボキシル基含有樹脂および脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物を用いて前記(A)成分を製造する方法は、例えばカルボキシル基含有樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物とを不活性有機溶剤溶液(例えばアルコール系、エステル系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系等が挙げられる。)で、約20〜150℃、約1〜5時間の条件で反応させることにより行なうことができる。また上記反応においては、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩など公知の触媒を使用することができる。
前記(A)成分の酸価(JIS K−1557準拠)は、50〜250mg−KOH/gの範囲にあることが好ましい。酸価が50mg−KOH/g未満の場合には希アルカリ水溶液での未硬化樹脂組成物の除去が難しく、250mg−KOH/gを越えると硬化皮膜の耐現像性が劣る場合がある。
前記(A)成分の重量平均分子量は、通常1,000〜100,000の範囲であり、良好な現像性とタックの兼ね合いから3,000〜50,000の範囲が好ましく、5,000〜30,000の範囲がさらに好ましい。重量平均分子量が1,000を下回るとタックが劣り、露光後の塗膜の耐湿性が悪く現像時に膜べりが生じ、解像度が劣る場合がある。一方、重量平均分子量が100,000を越えると、タックは良好となるものの現像性が悪くなったり、貯蔵安定性に劣ったりすることがある。なお、重量平均分子量はGPCにより測定されたポリスチレン換算の値である。
本発明の感光性組成物中における前記(A)成分の含有量は通常3〜50質量%の範囲であり、好ましくは6〜30質量%の範囲であり、特に好ましくは8〜20質量%の範囲である。3質量%未満であると絶縁基板へ塗布した場合の膜厚が薄くなり、膜強度が低下するなどの問題が生じることがある。また、50質量%を越えると膜厚が厚くなり、粘度が著しく高くなる、乾燥に時間がかかるなどの問題が生じることがある。
1−2 成分(B)
(B)一般式(1)で示される化合物
本発明の感光性樹脂組成物における(B)は、下記一般式(1):
[CH2=C(R1)COO(R2O)nm3 (1)
{式中、R1は水素原子またはメチル基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R2は炭素数1〜20のアルキレン基またはアリーレン基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R3は炭化水素残基でありそしてmは3〜10の整数であり、そしてm個存在する各nは互いに同じであっても異なってもよく、各々独立に0または正の整数を表す。ただし、全てのnが同時に0ではない。}で表されるエチレン性不飽和化合物であり、例えば3価以上の多価アルコールや多価アミノ化合物にアルキレンオキシド等を付加させた後、任意の方法により(メタ)アクリル酸のエステルとすることで得られるものである。これらは公知のものを単独あるいは複数を組み合わせて使用することができる。なお本発明において、式(1)で表される化合物以外のエチレン性不飽和化合物を単独で使用するとタックが発生し、場合によっては硬度も低下する。その結果、得られるプリント配線板の導電回路の断線などによる不良率が高くなる。
前記(1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、m個存在する各R1は互いに同じであっても異なってもよい。R1は好ましくは水素原子である。
前記一般式(1)中、R2は炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基であり、m×n個存在する各R2は互いに同じであっても異なってもよい。アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、トリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などであり、アリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基などである。これらのうち好ましくはエチレン基およびプロピレン基である。
3は炭化水素残基であり、具体的には、C(CH2−)4、CH(CH2−)3、CH3CH2C(CH2−)3、−CH2(CH−)CH2−、−CH2C(CH2−)2CH2−O−CH2C(CH2−)2CH2−などである。
前記一般式(1)中、nは互いに同じであっても異なってもよく、各々独立に0または正の整数を表す。ただし、全てのnが同時に0ではない。各nの合計は、通常1〜10の範囲にあり、好ましくは1〜5の範囲、より好ましくは1〜2の範囲である。またmは3〜10の整数を表し、好ましくは3〜6の整数であり、特に好ましくは3〜5の整数である。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、
エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(例えば新中村化学株式会社製NKエステルA−9300、一般式(1)において、nの合計=3、m=3)、
エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば新中村化学株式会社製NKエステルA−TMPT−3EO、一般式(1)において、nの合計=3、m=3)、
プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば新中村化学株式会社製NKエステルA−TMPT−3PO、一般式(1)において、nの合計=3、m=3)、
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(例えば新中村化学株式会社製NKエステルATM−4E、一般式(1)において、nの合計=4、m=4)、
プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(例えば新中村化学株式会社製NKエステルATM−4P、一般式(1)において、nの合計=4、m=4)、
これらアクリレートをメタクリレートとした化合物などが例示される。
本発明の(B)一般式(1)で表される化合物の含有量は、通常、本発明の感光性樹脂組成物中0.1〜30質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1.0〜15重量%、最も好ましくは1.5〜10質量%である。(B)の含有量が0.1質量%未満であると光硬化が十分行われず、また30質量%を越えるとタックおよび硬度の低下をもたらすこととなる。
本発明においては、その趣旨を逸脱しない範囲で、前記(B)一般式(1)で表される化合物以外のエチレン性不飽和化合物を少量使用することも可能である。この場合、その使用量は通常前記(B)一般式(1)で表される化合物の100質量部に対して50質量部以下であり、好ましくは20質量部以下である。
1−3 成分(C)光重合開始剤
本発明の(C)光重合開始剤としては、特に限定はなく、公知のものが使用できる。具体的には、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2一フェニルアセトフェノン、P−ジメチルアミノプロビオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t e r t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類;ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物;2,4,5−トリアリールイミダゾールニ量体、リボフラピンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2,4,6−トリス−S−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
さらに、上記光重合開始剤は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
前記(C)光重合開始剤の好ましい組合せは、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(例えばチバ・ガイギー社製、イルガキュアー907)と、2−クロロチオキサントン(例えば日本化薬(株)製カヤキュアーCTX)や2,4−ジエチルチオキサントン(例えば日本化薬(株)製カヤキュアーEFTX)、2−イソプロピルチオキサントン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等との組合せである。
光重合開始剤の使用量の好適な範囲は、本発明の感光性樹脂組成物中0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。光重合開始剤の配合割合が0.01質量%未満の場合には光硬化性が悪くなり、一方、20質量%より多い場合には硬化塗膜の特性が悪くなり、また組成物中での溶解性や分散性が低下したり、保存安定性が低下したりすることがあるので好ましくない。
1−4 溶媒
1−4−(1) (D)成分:水
本発明の感光性樹脂組成物は、溶媒として(D)水を含むことが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物における(D)水の含有量は、通常10〜90質量%であり、好ましくは20質量%〜80質量、さらに好ましくは25〜70重量%、最も好ましくは25〜60質量%である。水の含有量が10質量%未満であると引火点が低くなり、90質量%を越えると分散不良を起こす場合がある。
1−4−(2) (E)成分:その他の溶媒
なお本発明においては、水性感光性樹脂組成物の分散性、溶解性を改善するために水以外の溶媒を適宜添加することができる。これらに特に限定はなく公知のものが使用可能であり、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼンなど芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートなどの酢酸エステル類;オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられる。
これら水以外の溶媒としては、少なくとも1個以上の水酸基を有する化合物を含有していることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールアセテート、ジエチレングリコールアセテート、トリエチレングリコールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールアセテート、ジプロピレングリコールアセテート、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチルなどが使用できる。
これら水以外の溶媒の含有量は、5質量%〜40質量%であることが好ましい。40質量%以上であると引火点が低くなり、5質量%以下であると溶液、あるいは分散状態が不安定になる場合がある。
1−5 その他成分
1−5−(1)アミン類
本発明の感光性樹脂組成物は、アミンをさらに含有することができる。アミンは前記(A)カルボキシル基を有する樹脂を、組成物中に安定に分散あるいは溶解させるために添加する。
アミンとしては、公知のものが使用できる。例えばアンモニア、ジエチルアミン、モノエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−フェニルモルホリン、シクロヘキシルアミンなどが挙げられるが、保存安定性などから3級アミンであり、かつ環状構造を有することが好ましく、例えばN−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−フェニルモルホリンなどが特に好ましい。
アミンの添加量としては特に制限はないが、前記(A)成分が分散できる量が好ましく、該樹脂中のカルボキシル基に対して0.2〜1.5当量、好ましくは0.4〜1.0当量の範囲である。
1−5−(2)その他の樹脂成分
本発明の感光性樹脂組成物には、前記(A)成分のほかに、エポキシ基と反応させていないカルボキシル基含有樹脂(1−I項に例示のもの)やカルボキシル基を有さない樹脂を添加することも可能である。また当該カルボキシル基を有さない樹脂は重合性不飽和結合を有するものであることが好ましく、これにより耐水性、耐エッチングが改善される。
前記カルボキシル基を有さない樹脂としては任意ものが使用できるが、エポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加させたもの、(メタ)アクリロイル基等の重合性基をするウレタンポリマーもしくはオリゴマーなどが好適に使用できる。
前記カルボキシル基を有さない樹脂の含有量は、感光性組成物中0.1〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜5.0質量%、特に好ましくは、0.5〜3.0質量%である。
1−5−(3)チキソトロピー剤
本発明の感光性樹脂組成物には、均一な厚みの塗膜を得る目的で、チキソトロピー剤を添加することもできる。チキソトロピー剤とは本発明の樹脂組成物にチキソトロピー性を付与することが可能なものをいう。
チキソトロピー剤については、特に制限はなく、公知のものが使用できる。例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ガラス、けいそう土、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、タルク、雲母、長石、カオリナイト(カオリンクレー)、パイロフィライト(ろう石クレー)、セリサイト(絹雲母)、ベントナイト、スメクタイト・バーミキュライト類(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイトなど)、有機ベントナイト、有機スメクタイトなどの無機化合物、さらには脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレン、アクリル樹脂、高分子ポリエステルのアミン塩、直鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリカルポン酸のアミド溶液、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを粉砕した有機化合物などが挙げられる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中で好ましい例としては、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライトなどの膨潤性層状粘土鉱物であり、特に好ましい例としては、これらをアミンまたはアンモニウム変性したもの(層状粘土化合物に含まれるナトリウムなどの層間陽イオンを有機アミン化合物で交換したもの)が好適に使用でる。
チキソトロピー剤の含有量は、本発明の水性感光性樹脂組成物中、0.1質量%〜5質量%であることが望ましい。0.1質量%以下であると、チキソトロピー性が発現しにくく、5質%以上であると粘度が高く、膜厚が厚すぎてしまう。更に好ましい範囲としては0.3質量%〜2質量%である。
1−5−(4)界面活性剤
本発明においては、表面張力を改善させる目的で界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤としては特に制限はなく、公知のものを使用できる。例えば、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)及びアセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。本発明では、これらの界面活性剤の1種又は2種以上を用いることができる。
1−5−(5)重合禁止剤
本発明の感光性組成物には、保存安定性を高めるため、適宜、重合禁止剤を併用することが望ましい。これらの重合禁止剤としては、従来公知の禁止剤を使用することができ、その例としてはフェノール類(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンなど)、ハイドロキノン類(ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなど)、カテコール類(カテコール、tert−ブチルカテコール、ピロガロール)などが挙げられる。
1−5−(6)無機充填剤
また、本発明の感光性組成物には、硬度などの特性を向上させるため、必要に応じて硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、無定型シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭素繊維などの公知の無機充填剤が添加できる。
1−5−(7)その他
更に本発明では必要に応じて、アシッドブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知の着色剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤および/またはレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤などの密着性付与剤を添加することができる。
2.プリント配線板の製造方法
導電性の金属層を有する絶縁基板は通常プリント基板、プリント配線基板などと呼ばれ、絶縁基板としてはガラス繊維を含むエポキシ樹脂を硬化させたものや、紙/フェノール樹脂、またはノボラック樹脂で固めたものが使用でき、また導電性の金属層は銅などが使用でき、公知のもの、市販品が使用できる。
導電性の金属層を有する絶縁基板(銅貼り基板)に感光性樹脂塗膜を形成する方法としては、スプレー法やロールコーター法、カーテンコーター法など公知の方法を使用することができる。なかでも容器に感光性樹脂組成物を入れ、その中に銅貼り基板を漬けて引き上げる、いわゆる浸漬(ディップ)法が好ましい。この時に使用される装置は特に制限はなく、公知のものが使用できる。次いで、この表面に感光性樹脂組成物が塗布された基板を乾燥し、溶媒分を揮発させる。
レジスト画像形成は以下の工程で行うことができる。乾燥後、光硬化性塗膜が形成された銅貼り基板の上に所望の回路パターンが描かれたフォトマスクを重ねる。この時、フォトマスクと、銅貼り基板を透明樹脂の間に挟んで脱気し、酸素による硬化障害を除いてもよい。次にフォトマスクを介し、感光性組成物を200〜600nmの波長の光で露光する。好ましい光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯、レーザー光、エキシマレーザー光などが挙げられる。
露光後の現像は、水又はアルカリ水溶液を用いて行うことができる。現像の方法としては特に制限はないが、スプレー法が好ましい。アルカリとしては、特に限定はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機アルカリ化合物、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類などが使用できる。アルカリ水の濃度は特に制限はなく、光硬化した塗膜と硬化していない塗膜の溶解速度の差によって濃度を決定するが、好ましくは0.1質量%から5質量%が好ましい。
回路形成のための導電層のエッチングは、通常の酸性エッチング液、例えば塩化第2銅の塩酸水溶液を用いて行うことができる。エッチング後のレジスト膜の剥離は、上記現像時に例示したアルカリの水溶液が使用でき、例えば3%水酸化ナトリウム水で容易に行うことができる。
以下、実施例・比較例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1)感光性樹脂組成物の製造
メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体の3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート変性樹脂(ダイセル化学工業(株)製、商品名サイクロマーP ACA200M、重量平均分子量約15、000、酸価=110)27.6質量部、
アクリレート変性ビスフェノールF樹脂(重量平均分子量約1000、酸価=0、
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート65%溶液)2.2質量部、
ペンタエリスリトール テトラキス(2−アクリロイロキシエチル)エーテル(エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:新中村化学株式会社製NKエステルATM−4E、一般式(1)において、nの合計=4、m=4)5.2質量部、
N−メチルモルホリン2.8質量部、
エチレングリコールモノブチルエーテル17.0質量部、
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン2.4質量部、
ヘクトライトのポリオキシプロピレン(オキシプロピレン=25)メチルジエチルアミン変性物0.7質量部、
C.Iアシッドブルー9 0.2質量部、および
水41.9質量部
を激しく撹拌しながら混合し、感光性樹脂組成物Aとした。
2)感光性樹脂組成物の塗布
10cm×20cm、厚さ1mmガラスエポキシ樹脂製の銅貼り基板上に感光性樹脂組成物Aをサツマ通信社製ディップコーター(商品名ファイブコーターFC−7500)を用いて浸漬塗布した(基板引き上げ速度3mm/秒、温度25℃)。この基板を80℃で15分乾燥し、厚さ約8μmの感光性樹脂組成物塗膜を有する塗布基板を得た。
3)プリント配線板の製造
前記塗布基板にラインアンドスペースが50μm/50μmのフォトマスクを通して紫外線で露光(超高圧水銀ランプ、主波長365nm、レジスト上で50mJ/cm2)したのち、1%炭酸ナトリウム水溶液で未硬化の部分を溶解させて現像した。次いで、水による洗浄、塩化第二鉄水溶液による導電層のエッチング、3%水酸化ナトリウム水溶液によるレジスト層の剥離を経てプリント配線板を製造した。
4)タックの測定
上記2)で得た乾燥後の塗布基板2枚を塗布面が合わさるように重ね、この上に1kgの荷重を乗せて40℃で1時間静置したのち、2枚の基板を剥離させた。このときの重ね合わせた塗布面の剥離状態を以下に従って判定した。結果を以下の表1に示す。
◎:剥離が全く見られなかったもの
△:剥離がやや見られたもの
×:剥離が著しかったもの
5)エッチング耐性
上記3)におけるエッチング後に、基板のレジスト層の状態を以下に従って判定した。結果を以下の表1に示す。
◎:エッチング後にレジスト層の剥離が認められなかったもの;
○:エッチング後にレジスト層の剥離がほとんど認められなかったもの;
△:エッチング後にレジスト層の剥離が認められたもの;
×:エッチング後にレジスト層の著しい剥離が認められたもの;
6)鉛筆硬度
JIS K5400に従って上記3)の現像後のレジスト層の鉛筆硬度を測定した。結果を以下の表1に示す。
7)感度
上記2)で得た塗布基板にステップタブレットを密着させ、紫外線で露光(超高圧水銀ランプ、主波長365nm、レジスト上で50mJ/cm2)した後、1%炭酸ナトリウム水溶液で未硬化の部分を溶解させて現像した。完全に硬化したステップの段数を感度の目安とした。段数が多いほど感度が高いことを示す。結果を以下の表1に示す。
ペンタエリスリトール テトラキス(2−アクリロイロキシエチル)エーテルの代わりにトリメチロールプロパン トリス(2−アクリロイロキシエチル)エーテル(新中村化学株式会社製NKエステルA−TMPT−3EO、一般式(1)において、nの合計=3、m=3)を用いた以外は、実施例1と同様に操作をおこなった。結果を以下の表1に示す。
(比較例1)
ペンタエリスリトール テトラキス(2−アクリロイロキシエチル)エーテルの代わりにトリエチレングリコールジアクリレート、一般式(1)において、nの合計=2、m=2のものを用いた以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を以下の表1に示す。
(比較例2)
ペンタエリスリトール テトラキス(2−アクリロイロキシエチル)エーテルの代わりにトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学株式会社製NKエステルAT−30E、一般式(1)において、nの合計=30、m=3のものを用いた以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を以下の表1に示す。
(比較例3)
ペンタエリスリトール テトラキス(2−アクリロイロキシエチル)エーテルを用いなかった以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を以下の表1に示す。
(比較例4)
ペンタエリスリトール テトラキス(2−アクリロイロキシエチル)エーテルの代わりにペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いた以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を以下の表1に示す。
(比較例5)
メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体の3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート変性樹脂の代わりに、メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体のグリシジルアクリレート変性樹脂(重量平均分子量約3500、酸価=100、プロピレングリコールモノメチルエーテル50%溶液)を用いた以外は、実施例1と同様に操作をおこなった。結果を以下の表1に示す。
Figure 2005092198

Claims (10)

  1. 以下の成分:
    (A)カルボキシル基を有する樹脂のカルボキシル基の一部に脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物のエポキシ基が付加している化合物;
    (B)以下の一般式(1):
    [CH2=C(R1)COO(R2O)nm3 (1)
    {式中、R1は水素原子またはメチル基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R2は炭素数1〜20のアルキレン基またはアリーレン基であり、互いに同一でもよく異なってもよく、R3は炭化水素残基であり、mは3〜10の整数であり、そしてm個存在する各nは互いに同じであっても異なってもよく、各々独立に0または正の整数を表す。ただし、全てのnが同時に0ではない。}で表されるエチレン性不飽和化合物;および
    (C)光重合開始剤;
    を含む感光性樹脂組成物。
  2. 前記カルボキシル基を有する樹脂が、(メタ)アクリル酸共重合体である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記脂環式エポキシ基が、エポキシシクロヘキシル基である、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和基含有化合物が、エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(B)成分の一般式(1)中のすべてのR2が、エチレン基またはプロピレン基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. (D)成分として、溶媒である水をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. (E)成分として、水以外の溶媒である水酸基を有する化合物をさらに含む、請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を、その表面に導電性金属層を有する基板に塗布後、乾燥して感光性塗膜を形成し、この塗膜上に所望のパターンで感光性塗膜の露光及び硬化を行った後、水またはアルカリ水で現像処理し、硬化した感光性樹脂パターン部以外の導電性金属層をエッチング液でエッチング処理し、その後硬化した感光性樹脂パターンを剥離することにより所望の回路配線を形成することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法により製造されたプリント配線板。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製造されたプリント配線板。
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