JPH11172179A - フォトレジストインク及びプリント配線板製造用インク - Google Patents

フォトレジストインク及びプリント配線板製造用インク

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JPH11172179A
JPH11172179A JP33743497A JP33743497A JPH11172179A JP H11172179 A JPH11172179 A JP H11172179A JP 33743497 A JP33743497 A JP 33743497A JP 33743497 A JP33743497 A JP 33743497A JP H11172179 A JPH11172179 A JP H11172179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチングレジスト、めっきレジスト、ソル
ダーレジスト等のプリント配線板製造用インク、並びに
銘板製造用レジスト等として有用であって、水性化が可
能であり、水又はアルカリ性溶液により現像可能であ
り、またフォトレジストインクの光重合反応により形成
される硬化皮膜は基材に対する密着性が良好であり、ま
たエッチング液、めっき液等に対する耐水性に優れるフ
ォトレジストインクを提供する。 【解決手段】 (A)ポリビニルアルコール系重合体に
スチリルピリジニウム基若くはスチリルキノリニウム基
を導入してなる水溶性の感光性樹脂、(B)分子中に少
なくとも1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する
化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)水を含んで成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性化可能なフォ
トレジストインクに関し、さらに詳しくは水又は希アル
カリ溶液で現像可能である水性化可能なフォトレジスト
インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】希アルカリ溶液で現像可能なフォトレジ
ストインクは、現像時に溶剤を用いる必要がないので、
溶剤にて現像するフォトレジストインクと比較して労働
安全衛生面、環境汚染防止性、火災防止性などに優れて
いることから、近年、特にプリント配線板製造用イン
ク、並びにグラビアロール蝕刻用インク等の分野に盛ん
に利用されていおり、このようなフォトレジストインク
として、例えば、特開平5−197145号、特開平6
−138659号に開示されているようなものが提案さ
れている。このようなフォトレジストインクを用い、現
像法にて基板上にインクパターンを形成するには、イン
クを基板上に塗布し、マスクパターンを介して紫外線等
を照射して露光部分に光重合反応により硬化皮膜を形成
させた後、非露光部分を希アルカリ溶液で洗浄除去して
いたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし希アルカリ溶液
で現像可能なフォトレジストインクは、一般的には、イ
ンク成分を基材表面に均一に塗布して、その後の露光現
像過程に供することができるように、その成分を各種有
機溶剤に溶解若くは分散させたものであるため、露光に
際しては、あらかじめ予備乾燥によりこれら有機溶剤を
揮散させておく必要がある。従って、塗布から予備乾燥
塗膜形成の過程においては、有機溶剤に起因する労働安
全衛生、環境汚染、火災防止など問題は未解決のままで
ある。
【0004】一方、従来の水性化可能なフォトレジスト
インクの多くは、カルボキシル基および重合性不飽和基
を有する樹脂の溶液を三級アミンなどで中和することを
水性化手段としている例えば特開平4−294354
号、特開平5−140251号に開示されているような
ものである。しかし、これらアミン中和型の光硬化性の
インクは、予備乾燥塗膜或いは光硬化後の皮膜中の残存
アミン量の制御が困難であり、また、その耐水性等のレ
ジスト硬化膜一般の物性が不十分であった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、基材ヘ塗布した後予備乾燥塗膜を形成する過程に
おける有機溶剤の揮発に起因する労働安全衛生、環境汚
染、火災防止等の問題を低減することができ、エッチン
グレジスト、めっきレジスト、ソルダーレジスト等のプ
リント配線板製造用インク、並びに銘板製造用レジスト
等として有用であって、水性化が可能であり、予備乾燥
皮膜の粘着性が小さくてフォトツールアートワーク等の
汚染の問題が無く、またフォトレジストインクの光重合
反応により形成される硬化皮膜は基材に対する密着性が
良好であり、またエッチング液、めっき液等に対する耐
水性に優れ、更にアルカリ溶液等で容易に剥離できる、
水又は希アルカリ溶液により現像可能なフォトレジスト
インクを提供することを目的とするものである
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のフォトレジストインクは、(A)ポリビニルアルコー
ル系重合体にスチリルピリジニウム基若くはスチリルキ
ノリニウム基を導入してなる水溶性の感光性樹脂、
(B)分子中に少なくとも1個の光反応性のエチレン性
不飽和基を有する化合物、(C)光重合開始剤及び
(D)水を含んで成り、水又は希アルカリ溶液で現像可
能であることを特徴とするものである。
【0007】また本発明の請求項2に記載のフォトレジ
ストインクは、請求項1の構成に加えて、化合物(B)
の一部又は全部が、(b)分子中に少なくとも1個のカ
ルボキシル基、及び少なくとも1個の光反応性のエチレ
ン性不飽和基を有する化合物であることを特徴とするも
のである。また本発明の請求項3に記載のフォトレジス
トインクは、請求項1又は2の構成に加えて、化合物
(b)が、分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の光
反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物と多価カル
ボン酸との部分エステル化物であることを特徴とするも
のである。
【0008】また本発明の請求項4に記載のプリント配
線板製造用インクは、請求項1乃至3のいずれかに記載
のフォトレジストインクから成ることを特徴とするもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 〈(A)ポリビニルアルコール系重合体にスチリルピリ
ジニウム基若くはスチリルキノリニウム基を導入してな
る水溶性の感光性樹脂について〉本発明に係るフォトレ
ジストインクは、ポリビニルアルコール系重合体にスチ
リルピリジニウム基若くはスチリルキノリニウム基を導
入してなる水溶性の感光性樹脂(A)を含むものであ
る。
【0010】この感光性樹脂(A)の製造に用いられる
ポリビニルアルコール系重合体としては、例えばポリ酢
酸ビニルを完全ケン化又は部分ケン化して得られるポリ
ビニルアルコール、完全ケン化又は部分ケン化して得ら
れるポリビニルアルコール中の−OH基や−OCOCH
3 基に酸無水物含有化合物、カルボキシ含有化合物、エ
ポキシ基含有化合物若しくはアルデヒド基含有化合物等
の種々の化合物を反応させて得られる水溶性ポリビニル
アルコール誘導体、及びポリ酢酸ビニルを部分ケン化又
は完全ケン化して成るビニルアルコール単位を有するポ
リビニルアルコール系共重合体であって、酢酸ビニルの
共重合体成分として、例えば(メタ)アクリル酸、メタ
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、スチレン、エチレン、プロピレン、無水マレイン
酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エ
ステル等を用いたもの等が挙げられる。
【0011】ここで、このポリビニルアルコール系重合
体中には、その重合単位の内、ビニルアルコール単位を
60モル%以上含有することが望ましいものであり、8
0モル%乃至完全ケン化物の場合は特に水溶性に優れ、
水性可能なフォトレジストインクを得るのに最適な結果
が得られる。ここでビニルアルコール単位が60モル%
に満たないとポリビニルアルコール系重合体は水に溶け
難くなり、本発明のプリント基板製造用インクを良好な
水性インクとし難い。
【0012】上記の感光性樹脂(A)の製造方法は公知
であり、例えば特開昭55−23163号、特開昭55
−62905号、特開昭56−11906号等に開示さ
れる方法により合成可能である。具体的には、例えばポ
リビニルアルコール系重合体に、これ含まれるアルコー
ル性−OH基を利用して、アセタール化反応によりホル
ミルスチリルピリジニウム塩若くはホルミルスチリルキ
ノリニウム塩を付加させることにより得られる。
【0013】このような感光性樹脂(A)のスチリルピ
リジニウム基の導入された部分の代表的な構造式の例を
下記の一般式(1)に、スチリルキノリニウム基の導入
された部分の代表的な構造式の例を下記一般式(2)に
それぞれ示す。
【0014】
【化1】
【0015】ここで一般式(1)及び(2)においてR
1 、R2 はそれぞれ水素原子、アルキル基又はアラルキ
ル基を示し、X- は酸の共役塩基を示し、mは1〜6の
整数、nは0又は1を示すものである。この感光性樹脂
(A)中におけるスチリルピリジニウム基及びスチリル
キノリニウム基(共役塩基X- を含む。)の導入率は、
感光性樹脂(A)を構成するビニルアルコール重合単位
当たり0.3〜20モル%の割合が好ましいものであ
り、更に好ましくは、0.5〜10モル%とするもので
ある。導入率が0.3モル%未満では感光性樹脂(A)
に所望の光架橋能を付与することができず、一方、20
モル%を超えて導入すると感光性樹脂(A)の水溶性が
著しく低下し、他のインク成分を良好に分散することが
困難となるため、本発明のフォトレジストインクを良好
な水性インクとし難い。
【0016】このようにして得られる感光性樹脂(A)
を他のインク成分と共に水(D)若しくは水(D)と水
性有機溶剤等の混合溶媒中に溶解、乳化、又は分散する
ことにより、本発明のフォトレジストインクを調製でき
る。このように本発明のフォトレジストインクは水性化
可能であり、基材からの洗浄除去を水により容易にでき
るものである。またフォトレジストインクを基材ヘ塗布
した後予備乾燥塗膜を形成する過程において、インク成
分を各種有機溶剤に溶解若くは分散させたものと比較し
て、有機溶剤の揮発を抑制し、有機溶剤に起因する労働
安全衛生、環境汚染、火災防止等の問題を低減すること
ができるものである。なお、溶解、乳化、分散の方法は
特に限定するものではなく、例えば他のインク成分中
に、感光性樹脂(A)の水溶液を加えることによって溶
解、乳化、分散させても良いし、感光性樹脂(A)の水
溶液に他のインク成分を加えることによって溶解、乳
化、分散させても良い。また溶解、乳化、分散に際して
は、ホモミキサー、パイプラインホモミキサー、ビーズ
ミル、ロールミル、ボールミル等の各種の攪拌機、混練
機を用いることができる。
【0017】またこの感光性樹脂(A)では、光二量化
反応によって光架橋反応が起こるので、感光速度が速
く、熱安定性が良い。また、その硬化物は耐熱性及び耐
水性に優れ、高い強度を有する。このため、カルボキシ
ル基を中和して水性化するタイプの従来のフォトレジス
トインクと比べた場合、本発明のフォトレジストインク
の光重合反応により生成する硬化皮膜を、より耐水性に
優れ、硬度が高く、また基材に対する密着性の高いもの
とすることができる。
【0018】また感光性樹脂(A)自体が成膜性を有
し、この感光性樹脂(A)から形成される皮膜の粘着性
が低いため、感光性樹脂(A)を含む本発明のフォトレ
ジストインクを基材上に塗布した後予備乾燥させて形成
した予備乾燥皮膜の粘着性が小さくなり、本発明のフォ
トレジストインクの現像の際のフォトツールアートワー
ク等の汚染の問題が無いものである。
【0019】また感光性樹脂(A)の配合割合は、本発
明の水又は希アルカリ溶液で現像可能なフォトレジスト
インクに用いる水(D)を除いた全成分に対して0.1
〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは1
〜30重量%である。配合割合が0.1重量%に満たな
い場合は、水性化が困難となり、また50重量%を越え
る場合、光重合反応による硬化後の硬化皮膜の耐水性が
不足し易く、硬化皮膜の形成時に硬化皮膜の剥がれを生
じ易い。また0.5重量%以上配合した場合には、特に
水現像が容易となるので、この場合には、希アルカリ溶
液による現像を可能とする目的のために、後述する任意
成分たる分子中に少なくとも1個のカルボキシル基及び
少なくとも1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有す
る化合物(b)をあえて配合しなくとも、水により十分
に優れた現像性が得られる。 〈(B)分子中に少なくとも1個の光反応性のエチレン
性不飽和基を有する化合物について〉また本発明に係る
フォトレジストインクは、分子中に少なくとも1個の光
反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)を含
むものである。
【0020】この化合物(B)としては、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキ
シエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロ
パン、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキ
シプロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノ
キシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル
フリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチル(メタ)アクリレート、1−メトキシシクロド
デカジエニル(メタ)アクリレート、β−(メタ)アク
ロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−
(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシ
ネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物、
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−
ビス〔4−メタクリロイルオキシ・ポリエトキシフェニ
ル〕プロパン等を挙げることができる。これらの化合物
は単独又は二種以上を適宜組み合わせて用いることがで
きるものである。
【0021】この化合物(B)は、上記感光性樹脂
(A)と共に用いられることにより、本発明のインクの
光反応性を高めるために用いられる 化合物(B)の配合割合は、本発明のフォトレジストイ
ンクから水(D)を除外した全成分に対して、20〜9
8重量%であることが望ましい。ここで20重量%に満
たないと、フォトレジストインクの光重合反応により生
成する硬化皮膜の耐水性が低くなる。また98重量%を
越えると本発明のフォトレジストインクを良好に水性化
することが困難になる。 〈(b)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基及び
少なくとも1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有す
る化合物について〉化合物(B)の一部又は全部とし
て、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基及び少な
くとも1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する化
合物(b)を用いることができる。
【0022】この化合物(b)を用いることにより、本
発明のフォトレジストインクを、水ばかりでなく希アル
カリ溶液により容易に現像可能なものにすることができ
る。また併せて、本発明のフォトレジストインクの光重
合反応により生成する硬化皮膜の耐酸性を向上させ、ま
た、硬化皮膜を過ヨウ素酸ソーダ等による剥離だけでな
く、アルカリ金属水酸化物等のアルカリ性の水溶液にお
いても剥離可能なものとすることも可能である。これら
の性質は、本発明のインクを現像法によりエッチングレ
ジストインクや、画像形成可能なめっきレジストインク
等として使用する場合に好適なものである。ここで本発
明のフォトレジストインクの光重合反応により生成する
硬化皮膜をアルカリ溶液においても剥離可能なものとす
るには、化合物(b)を化合物(B)全量に対して50
〜100重量%となるように配合することが好ましいも
のである。
【0023】この化合物(b)としては特に限定はされ
ないが、例えば、分子中に1個のヒドロキシル基及び1
個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物と多
価カルボン酸との部分エステル化物(b1)や、エポキ
シ基及びエチレン性不飽和基を各1個のみ有する化合物
と多価カルボン酸との部分エステル化物(b2)を挙げ
ることができる。 〈(b1)分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の光
反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物と多価カル
ボン酸との部分エステル化物について〉化合物(b)と
して、部分エステル化物(b1)を用いる場合、その製
造方法は公知であり、例えば、二塩基酸、三塩基酸等の
無水物と分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の光反
応性のエチレン性不飽和基を有する化合物とを、必要に
応じて触媒を用い、加熱反応させることによって得られ
る。この反応の場合、モノエステル化で留めることが望
ましい。
【0024】この酸無水物としては、例えばコハク酸、
フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ナジック酸、メチルナジック酸、ドテシルコハク
酸、クロレンディック酸、ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメー
ト)、ポリアゼライン酸、テトラヒドロフタル酸、3−
メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロ
フタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチ
ルテトラヒドロフタル酸、3−プロピルテトラヒドロフ
タル酸、4−プロピルテトラヒドロフタル酸、3−ブチ
ルテトラヒドロフタル酸、4−ブチルテトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロ
フタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチ
ルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタ
ル酸、3−プロピルヘキサヒドロフタル酸、4−プロピ
ルヘキサヒドロフタル酸、3−ブチルヘキサヒドロフタ
ル酸、4−ブチルヘキサヒドロフタル酸等の多価カルボ
ン酸に対応する無水物等を挙げることができる。これら
の酸無水物は単独又は二種以上を適宜組み合わせて用い
ることができるものである。
【0025】また分子中に1個のヒドロキシル基及び1
個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物とし
ては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート等との反応物等を
挙げることができ、また、ヒドロキシル基は有さないが
ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等も用い
ることができる。これらのものは、単独又は二種以上を
適宜組み合わせて用いることができる。 〈(b2)エポキシ基及びエチレン性不飽和基を各1個
のみ有する化合物と多価カルボン酸との部分エステル化
物について〉化合物(b)として、部分エステル化物
(b2)を用いる場合、この化合物の製造方法は公知で
あり、例えばエポキシ基及びエチレン性不飽和基を各1
個のみ有するエチレン性不飽和化合物と二塩基酸、三塩
基酸等の酸無水物とを、必要に応じ触媒を用い、加熱反
応させることによって得られる。この反応の場合、モノ
エステル化で留めることが望ましい。
【0026】このエポキシ基を1個のみ有するエチレン
性不飽和化合物としては、例えばグリシジル(メタ)ア
クリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレー
ト等のグリシジル(メタ)アクリレート類、(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導
体類等が挙げられる。これらのものは、単独又は二種以
上を適宜組み合わせて用いることができる。また多価カ
ルボン酸としては、化合物(b1)の製造に用いる上記
酸無水物に対応するものを用いることができる。 〈(C)光重合開始剤について〉本発明に係るフォトレ
ジストインクは、光重合開始剤(C)を含むものであ
る。
【0027】この光重合開始剤(C)としては、極性溶
媒溶解性のもの、或いは非溶解性のもののいずれも使用
することが可能である。例えば、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキ
ルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−
2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2
−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフ
ェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等のアセトフェノン
類、2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキ
ノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサ
ントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロ
チオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサント
ン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチ
オキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベ
ンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノ
ン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、
3,3’,4,4’−テトラ−(tert−ブチルペル
オキシルカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル
−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノ
ン類又はキサントン類、2−メチル−1−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−
オン、2−ベンゾイル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4,4’−ビ
ス−ジエチルアミノベンゾフェノン等の窒素原子を含む
もの、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド等が挙げられ、これらは安息香酸系又
はp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジ
メチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチ
ルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の光
重合促進剤及び増感剤等と併用しても良い。ここでこれ
らの光重合開始剤(C)は単独又は二種以上を適宜組み
合わせて用いることができる。
【0028】また、カチオン重合反応を誘起させる光重
合触媒を光重合開始剤(C)と併用することができ、こ
の光重合触媒としては例えば、アリールジアゾニウム、
ジアリールハロニウム、トリフェニルホスホニウム、ジ
アルキル−4−ヒドロキシスルホニウム、ジアルキル−
4−ヒドロキシジフェニルスルホニウム、アレン−鉄錯
体等のPF6-、AsF6-、BF4-、SbF6-塩等を挙げ
ることができる。
【0029】光重合開始剤(C)の配合割合は、本発明
のフォトレジストインクから、水(D)を除外した全成
分中で0.1〜20重量%であることが望ましい。配合
割合が0.1重量%に満たない場合は、本発明のフォト
レジストインクに充分な光硬化性を付与することが困難
であり、また、20重量%を超えて配合しても、光硬化
性をより向上させることに寄与しない。 〈(D)水について〉本発明のフォトレジストインクは
水(D)を必須の媒体としている。その配合割合は本発
明のフォトレジストインク全成分に対して10〜97重
量%であることが望ましい。配合割合が10重量%未満
の場合、インクの流動性が不充分となり、塗布性等を良
好なものとするのが困難であり、また97重量%を超え
ると本発明のフォトレジストインクを対象面に塗布した
際の塗布皮膜が薄くなりすぎ、エッチングレジストイン
ク、めっきレジストインク、ソルダーレジストインクと
して充分な性能を発揮できなくなり好ましくない。
【0030】また、本発明のフォトレジストインクに任
意成分として水(D)と併せて有機溶剤等の媒体を用い
ることができる。具体的には、水に易溶性の溶剤のみな
らず、難溶性、非溶性の有機溶剤を用いることができ、
これら有機溶剤の例としてはエタノール、プロパノー
ル、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、
ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、グリ
セリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、ダイアセトンア
ルコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール
類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエー
テル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル等のポリエチレングリコ
ールアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテ
ル類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
ポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセ
リンモノアセテート、グリセリンジアセテート等の酢酸
エステル類、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル
類、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジアル
キルグリコールエーテル類、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、スワゾールシリーズ(丸
善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケ
ミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン等例えば親水
性に優れる水溶性有機溶剤等の媒体を挙げることができ
る。これら水(D)と併せて用いることのできる媒体
は、単独又は二種以上を適宜組み合わせて用いることが
できるものである。
【0031】ただし、水(D)と併せて用いることので
きる上記の媒体は、上記感光樹脂(A)による光反応性
のエチレン性不飽和化合物の溶解性、乳化性、又は分散
性を損ねない範囲の量を使用しなければならないもので
ある。また、本発明のフォトレジストインクには、酢酸
ビニル系重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体、酢酸ビニル系共重合体、スチレン−マレ
イン酸樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタン樹脂、
フッ素樹脂等或いはこれらにエチレン性不飽和基を導入
したもの、並びにビスフェノールA型、フェノールノボ
ラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹
脂に(メタ)アクリル酸を付加したもの、或はこれらに
さらに飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を付加したも
の等の高分子化合物或いはこれらのエマルジヨンを加え
ることができる。
【0032】さらに、本発明のフォトレジストインクに
は、印刷適性を調節する等の目的で、必要に応じてシリ
コーン、(メタ)アクリレート共重合体或いはフッ素系
界面活性剤等のレベリング剤、アエロジル等のチクソト
ロピー剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル
エーテル、ピロガロール、tert−ブチルカテコー
ル、フェノチアジン等の重合禁止剤、ハレーション防止
剤、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤、顔料湿潤剤、粉末ゴ
ム等の各種添加剤及び分散安定性を向上させるための界
面活性剤や高分子分散剤等を加えても良い。
【0033】また、耐めっき性向上剤として例えばジシ
アンジアミド、ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−
1,2,3−ベンゾトリアゾール、2−メルカプトベン
ゾイミダゾール、1−(ジ−2−エチルヘキシルアミ
ノ)メチル−5−カルボキシベンゾトリアゾール、1−
ジオクチルアミンメチルベンゾトリアゾール等を配合す
ることもできる。
【0034】上記のように本発明のフォトレジストイン
クは水又は希アルカリ溶液により洗浄除去することがで
き、露光硬化させた後に非露光部分を水又は希アルカリ
溶液で除去することができるものであり、すなわち水又
は希アルカリ溶液で現像可能なものである。またインク
成分を水(D)若しくは水(D)と水性有機溶剤等の混
合溶媒中に溶解、乳化、又は分散させて水性化すること
が可能なものである。従って現像時に有機溶剤を使用す
る必要がなく、またフォトレジストインクを基材ヘ塗布
した後予備乾燥塗膜を形成する過程におけるインクから
の有機溶剤の揮発を抑制することができ、有機溶剤に起
因する労働安全衛生、環境汚染、火災防止等の問題を低
減することができるものである。また光二量化反応によ
って光架橋反応が起こる感光性樹脂(A)を含有するの
で、感光速度が速く、熱安定性が良い。また、その硬化
物は耐熱性及び耐水性に優れ、強度が高いため、本発明
のフォトレジストインクの光重合反応により生成する硬
化皮膜を、より耐水性に優れ、皮膜硬度が高く、また基
材に対する密着性の高いものとすることができる。
【0035】また感光性樹脂(A)自体が成膜性を有
し、この感光性樹脂(A)から形成される皮膜の粘着性
が低いため、感光性樹脂(A)を含む本発明のフォトレ
ジストインクを基材上に塗布した後予備乾燥させて形成
した予備乾燥皮膜の粘着性が小さくなり、本発明のフォ
トレジストインクの現像の際のフォトツールアートワー
ク等の汚染の問題が無いものである。
【0036】また化合物(B)の一部又は全部として化
合物(b)を用いることにより、本発明のフォトレジス
トインクを水だけでなく希アルカリ溶液により容易に除
去可能なものとすることができ、併せて、本発明のフォ
トレジストインクの硬化物の耐酸性を向上させ、また硬
化皮膜を過ヨウ素酸ソーダ等による剥離だけでなく、ア
ルカリ金属水酸化物等の水溶液においても剥離可能なも
のとすることができる。
【0037】従って、本発明のフォトレジストインクは
特にプリント配線板製造用のエッチングレジスト、めっ
きレジスト、ソルダーレジスト、マーキングインク、銘
板製造用レジスト、及びグラビアロール蝕刻用レジスト
インクとして用いる場合、好適に用いることができるも
のである。本発明のフォトレジストインクを用い、基板
上にパターンを成形する方法としては、現像法を用いる
ことができる。
【0038】本発明のフォトレジストインクを用いて現
像法により基材上にパターンを形成する方法は、特に限
定されるものではないが、例えば、以下のような方法が
採られる。 ・塗布工程 基材上にフォトレジストインクを浸漬法、スプレー塗
装、スピンコート法、ロール塗装、カーテンフロー塗装
又はスクリーン印刷法等により塗布する。ここで本発明
のフォトレジストインクをプリント配線板製造用インク
として用いる場合には、基材として銅張積層板等のプリ
ント配線板製造用基板等が用いられる。 ・予備乾燥工程 上記のフォトレジストインクを、熱風加熱、電磁誘導加
熱、ホットプレス或いは遠赤外線乾燥等を用いて乾燥さ
せ、予備乾燥皮膜を形成する。 ・露光工程 フォトツールアートワークを上記の予備乾燥したフォト
レジストインクの塗膜表面に直接又は間接的に当てが
い、タングステンランプ、ケミカルランプ、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン
ランプ、メタルハライドランプ等を用いて紫外線を照射
して選択的に露光される。また、ヘリウムカドミウムレ
ーザー、アルゴンレーザー、YAGレーザー等を用いた
レーザ直接画描法によって露光しても良い。 ・現像工程 本発明のフォトレジストインクは露光工程の後、水若く
は希アルカリ溶液にて非露光部を洗浄除去することによ
り現像することが可能である。
【0039】ここで、水による場合はその温度は特に限
定はされないが常温水若くは温水によるのが好ましい。
ここで、希アルカリ溶液によっても露光できるのは、本
発明のフォトレジストインクに上記化合物(B)の一部
又は全部として化合物(b)を含有させた場合であり、
ここで用いることのできる希アルカリ溶液としては、例
えば、ナトリウム、カリウム又はリチウム等の水酸化ア
ルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカ
リの水溶液などを例示することができる。
【0040】また、水若くは希アルカリ溶液としては、
その溶媒として、水単独のみならず、例えば水とアルコ
ール系等の親水性のある有機溶媒を混合したものを用い
ることも可能である。 ・エッチング、めっき工程 本発明のフォトレジストインクをプリント配線板のエッ
チングレジスト又はめっきレジストとして用いる場合に
は、例えば、上記の現像法によってプリント配線板製造
用基板上に形成されたレジストパターンをマスクとし
て、露出している基板の表面を、エッチング、めっき等
の公知の方法で処理する方法等が挙げられる。
【0041】エッチングを行う場合は、基板上の導電性
層の種類に応じて選択されたエッチング剤を用いること
ができる。例えば、塩化第二銅などの酸性エッチング
液、アンモニア系エッチング液等を用いて行うことがで
きる。まためっきを行う場合には、例えば、硫酸銅めっ
き、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはん
だめっき等のはんだめっき、スルファミン酸ニッケルめ
っき等のニッケルめっき、ソフト金めっき、ハード金め
っき等の金めっき等を行うことができる。 ・剥離工程 本発明のフォトレジストインクは、ソルダーレジスト、
マーキングインクとして用いる場合、その硬化物を残存
させて用いることもできるが、エッチングレジスト又は
めっきレジスト等として用いる場合には、その硬化物を
最終的に剥離することもできる。
【0042】硬化物は硬化物中の感光性樹脂(A)由来
部分を過ヨウ素酸ソーダ、次亜塩素酸ソーダ等で分解す
ることにより剥離できる。ここで、本発明のフォトレジ
ストインクに上記化合物(B)の一部又は全部として化
合物(b)を含有させた場合はアルカリ金属水酸化物等
のアルカリ性の水溶液や上記現像工程に用いるアルカリ
溶液により剥離することもでき、この場合には現像に用
いたものよりさらに強アルカリ性の溶液を用いることが
好ましい。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。な
お、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
以下に使用される「%」は、特に示さない限り、全て重
量基準である。 (合成例1)重合度1700、ケン化度88モル%の部
分ケン化ポリ酢酸ビニル(日本合成化学工業(株)製、
商品名「ゴーセノールGH−17」200gを1774
gの水に溶解してから、20gのN−メチル−4−(p
−ホルミルスチリル)ピリジニウムメトサルフェートを
加え、6gの85%リン酸を添加し、80℃で7時間反
応させポリビニルアルコール系重合体のスチリルピリジ
ニウム基付加物の水溶液(S−1)を得た。 (合成例2)ケン化度88モル%の酢酸ビニル重合体−
不飽和カルボン酸Na共重合体部分ケン化物((株)ク
ラレ製、商品名「ウェイポバールKL318」)200
gを1774gの水に溶解してから20gのN−メチル
−4−(p−ホルミルスチリル)キノリニウムメトサル
フェートを加え、溶解した。この溶液に6gの85%リ
ン酸を添加し70℃で5時間反応させポリビニルアルコ
ール系重合体のスチリルキノリニウム基付加物の水溶液
(S−2)を得た。 (実施例1)2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ラ
イトアクリレートHOA−HH」)120g、ロジン変
性マレイン酸樹脂(酸価160、軟化点95℃)10
g、フェノキシエチルアクリレート(共栄社油脂化学工
業(株)製、商品名「ライトアクリレートPO−A」)
30g、トリメチロールプロパントリメタクリレート
(三菱レイヨン(株)製、アクリエステルTMP)30
g、光重合開始剤として2−メチル−1−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−
オン(チバ・ガイギー(株)製、商品名「イルガキュア
ー907」)7g、及び4−ジエチルチオキサントン
(日本化薬(株)製,商品名「カヤキュアDETX」)
3g、硫酸バリウム80g、カオリン40g、有機染料
(保土ヶ谷化学工業(株)社製、商品名「ビクトリアピ
ュアブルーBOH」)2g、微粉シリカ(日本アエロジ
ル(株)製、「アエロジル#360」)4g、消泡剤
(東レ・シリコーン(株)製、商品名「SH−30P
A」)0.2g、レベリング剤(モンサント(株)製、
商品名「モダフロー」)2g、ジシアンジアミド0.3
gを混合した後、三本ロール((株)井上製作所製)を
用いて十分に混練して組成物を得た。
【0044】このようにして得られた組成物中に、合成
例1で得た水溶液(S−1)490gを、加えホモミキ
サーで乳化分散し、水性のフォトレジストインク(A−
1)が得られた。このフォトレジストインク(A−1)
を、基材厚1.6mm 銅箔厚35μmのFR−4両面
銅張積層板(住友ベークライト(株)社製 ELC 4
762)に縦型ロールコーター((株)ファーネス社
製)を用いて塗布し、熱風対流式乾燥機にて80℃、1
5分乾燥させた後、室温まで冷却し、膜厚は15μmの
予備乾燥皮膜を得た。 (実施例2)2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ラ
イトアクリレートHOA−HH」)60g、2−アクリ
ロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸
(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ライトアクリ
レートHOA−MPL」)60g、重合ロジン(酸価1
40、軟化点95℃)20g、テトラヒドロキシフルフ
リルアクリレート(共栄社油脂化学工業(株)製、商品
名「ライトアクリレートTHF−A」)50g、光重合
開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(チバ
・ガイギー(株)製、商品名「イルガキュアー90
7」)7g及び2,4−ジエチルチオキサントン(日本
化薬(株)製、商品名「カヤキュアDETX」)3g、
タルク20g、ケイ酸アルミニウム60g、消泡剤(東
レ・シリコーン(株)製、商品名「SH−21PA」)
0.2g、レベリング剤(モンサント(株)製、商品名
「モダフロー」)2g、ジシアンジアミド0.3gを混
合した後、三本ロール((株)井上製作所製)を用いて
十分に混練して組成物を得た。
【0045】このようにして得られた組成物中に、合成
例1で得た水溶液(S−1)300gを加え、ホモミキ
サーで乳化分散した後、青色水性顔料分散体(大日精化
工業(株)製、商品名「ニューラクチミンカラー Bl
ue FLB Conc.」)10gを加えて混合し、
水性のフォトレジストインク(A−2)が得られた。こ
のフォトレジストインク(A−2)を用いて、実施例1
と同様にして、膜厚18μmの予備乾燥皮膜を得た。 (実施例3)2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ラ
イトアクリレートHOA−HH」)120g、ロジン変
性マレイン酸樹脂(酸価250、軟化点130℃)20
g、フェノキシエチルアクリレート(共栄社油脂化学工
業(株)製、商品名「ライトアクリレートPO−A」)
20g、トリメチロールプロパントリメタクリレート
(三菱レイヨン(株)製商品名「アクリエステルTM
P」)30g、光重合開始剤として2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プ
ロパン−1−オン(チバ・ガイギー(株)製、商品名
「イルガキュアー907」)7g及び2,4−ジエチル
チオキサントン(日本化薬(株)製、商品名「カヤキュ
アDETX」)3g、タルク60g、シリカ20g、有
機染料(オリエント化学工業(株)社製、商品名「オイ
ルブルー2N」)3g、消泡剤(東レ・シリコーン
(株)製、商品名「SH−21PA」)0.2g、レベ
リング剤(モンサント(株)製、商品名「モダフロ
ー」)4g、ジシアンジアミド0.3gを混合した後、
三本ロール((株)井上製作所製)を用いて十分に混練
して組成物を得た。
【0046】このようにして得られた組成物中に、合成
例2で得た水溶液(S−2)430gを加え、ホモミキ
サーで乳化分散し、水性のフォトレジストインク(A−
3)が得られた。このフォトレジストインク(A−3)
を用いて、実施例1と同様にして、膜厚16μmの予備
乾燥皮膜得た。 (実施例4)2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ラ
イトアクリレートHOA−HH」)60g、2−アクリ
ロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸
(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ライトアクリ
レートHOA−MPL」)70g、ロジン変性マレイン
酸樹脂(酸価200、軟化点110℃)20g、エチル
カビトールアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、
商品名「ビスコート#190」)40g、光重合開始剤
として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(チバ・ガ
イギー(株)製、商品名「イルガキュアー907」)7
g及び2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬
(株)製、商品名「カヤキュアDETX」)3g、硫酸
バリウム60g、タルク40g、微粉シリカ(日本アエ
ロジル(株)製、商品名「アエロジル#200」)4
g、消泡剤(東レ・シリコーン(株)製、商品名「SH
−21PA」)0.2g、レベリング剤(モンサント
(株)製、商品名「モダフロー」)2g、ジシアンジア
ミド0.3gを混合した後、三本ロール((株)井上製
作所製)を用いて十分に混練して組成物を得た。
【0047】このようにして得られた組成物中に、合成
例2で得た水溶液(S−2)300gを加え、ホモミキ
サーで乳化分散した後、紫色水性顔料分散体(大日精化
工業(株)製、商品名「ニューラクチミンカラー Vi
olet FL3R」)10g加えて混合し、水性のフ
ォトレジストインク(A−4)が得られた。このフォト
レジストインク(A−4)を用いて、実施例1と同様に
して、膜厚20μmの予備乾燥皮膜を得た。 (実施例5)ビスフェノールA系ビニルエステル(昭和
高分子(株)製、商品名「リポキシSP−1507」)
50g、トリメチロールプロパントリアクリレート(東
亜合成化学工業(株)製、商品名「アロニックスM−3
09」)60g、フェノキシポリエチレングリコールア
クリレート(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ラ
イトアクリレートP−200A」)60g、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(共栄社油脂化学工業(株)
製、商品名「ライトエステル HO」)20g、光重合
開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(チバ
・ガイギー(株)製、商品名「イルガキュアー90
7」)7g及び2,4−ジエチルチオキサントン(日本
化薬(株)製、商品名「カヤキュアDETX」)3g、
有機染料(オリエント化学工業(株)社製、商品名「オ
イルブルー2N」)5g、タルク30g、シリカ30
g、ジシアンジアミド0.3g、消泡剤(東レ・シリコ
ーン(株)製、商品名「SH−30PA」)0.2gを
混合した後、三本ロール((株)井上製作所製)を用い
て十分に混練して組成物を得た。
【0048】このようにして得られた組成物中に、合成
例1で得た水溶液(S−1)400gを加え、ホモミキ
サーで乳化分散し、フォトレジストインク(A−5)が
得られた。このフォトレジストインク(A−5)を用い
て、実施例1と同様にして、膜厚16μmの予備乾燥皮
膜を得た。 (実施例6)ビスフェノールA系ビニルエステル(昭和
高分子(株)製、商品名「リポキシSP−1507」)
50g、トリメチロールプロパントリアクリレート(東
亜合成化学工業(株)製、商品名「アロニックスM−3
09」)60g、フェノキシポリエチレングリコールア
クリレート(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「ラ
イトアクリレートP−200A」)60g、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(共栄社油脂化学工業(株)
製、商品名「ライトエステル HO」)20g、光重合
開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(チバ
・ガイギー(株)製、商品名「イルガキュアー90
7」)7g及び2,4−ジエチルチオキサントン(日本
化薬(株)製、商品名「カヤキュアDETX」)3g、
タルク45g、シリカ30g、ジシアンジアミド0.3
g、消泡剤(東レ・シリコーン(株)製、商品名「SH
−30PA」)0.2gを混合した後、三本ロール
((株)井上製作所製)を用いて十分に混練して組成物
を得た。
【0049】このようにして得られた組成物中に、合成
例2で得た水溶液(S−2)400gを加え、ホモミキ
サーで乳化分散した後、紫色水性顔料分散体(大日精化
工業(株)製、商品名「ニューラクチミンカラー Vi
olet FL3R」)10gを加えて混合し、水性の
フォトレジストインク(A−6)が得られた。このフォ
トレジストインク(A−6)を用いて、実施例1と同様
にして、膜厚15μmの予備乾燥皮膜を得た。 (比較例1)メチルメタクリレート40g、ブチルアク
リレート40g、アクリル酸20gおよびアゾビスイソ
ブチロニトリル2gからなる混合液を窒素ガス雰囲気下
において110℃に保持したプロピレングリコールモノ
メチルエーテル90g中に3時間を要して滴下した。滴
下後、1時間熟成させ、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル1gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル
10gからなる混合液を1時間要して滴下し、さらに5
時間熟成させて高酸価アクリル樹脂溶液を得た。次に、
この溶液にグリシジルメタクリレート24g、ハイドロ
キノン0.12gおよびテトラエチルアンモニウムブロ
マイド0.6gを加えて空気を吹き込みながら110℃
で5時間反応させて光硬化性樹脂溶液を得た。
【0050】この光硬化性樹脂溶液227gにトリエチ
ルアミン6.7gを加えて十分に中和した後、光重合開
始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(チバ・
ガイギー(株)製、商品名「イルガキュアー907」)
7g及び2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬
(株)製、商品名「カヤキュアDETX」)3g、有機
染料(保土ヶ谷化学工業(株)社製、商品名「ビクトリ
アピュアブルーBOH」)1g、ジシアンジアミド0.
1gを添加し、固形分含有率が20%になるように脱イ
オン水を加えて水性フォトレジストインク(B−1)を
得た。
【0051】この水性フォトレジストインク(B−1)
を、実施例1と同じ両面銅張積層板に縦型ロールコータ
ー((株)ファーネス社製)を用いて塗布し、熱風対流
式乾燥機にて80℃、20分乾燥させた後、室温まで冷
却し、膜厚10μmの予備乾燥膜を得た。 (比較例2)βーアクリロイルオキシエチルハイドロジ
エンサクシネート184.8g、塩化ベンジルトリメチ
ルアンモニウム0.36g、ハイドロキノン0.1g、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2
57gからなる混合液を115℃に昇温し、次にグリシ
ジルメタクリレート121.6gとプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート50gの混合溶液を3
0分かけて均一に滴下した。滴下後、115℃で約20
時間撹拌を続けた後、室温に冷却し、不飽和化合物(C
−1)を得た。次に、この不飽和化合物(C−1)を用
いて以下の通り、不飽和高分子化合物を合成した。すな
わち、スチレン/無水マレイン酸共重合体(日本モンサ
ント社製、商品名「RPC−1022」)100gとジ
オキサン356gを混合して100℃に昇温し、上記不
飽和化合物(C−1)141.7g、トリエチレンジア
ミン0.11g、ハイドロキノン0.1g、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート208gの混
合溶液を30分かけて均一に滴下した。滴下後、100
℃で約20時間撹拌を続けた後、室温に冷却し、不飽和
高分子化合物(R−1)得た。
【0052】次に、この不飽和高分子化合物(R−1)
53gにビスフェノールAポリオキシエチレンジメタク
リレート(新中村化学工業(株)製、商品名「BEPー
10」)47g、2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン
(チバ・ガイギー(株)製、商品名「イルガキュアー9
07」)7g及び2,4−ジエチルチオキサントン(日
本化薬(株)製、商品名「カヤキュアDETX」)3
g、有機染料(保土ヶ谷化学工業(株)社製、商品名
「ビクトリアピュアブルーBOH」)0.04g、ジシ
アンジアミド0.6g、メチルエチルケトンを混合して
フォトレジストインク(B−2)を得た。
【0053】このフォトレジストインク(B−2)を、
実施例1と同じ両面銅張積層板に縦型ロールコーター
((株)ファーネス社製)を用いて塗布し、熱風対流式
乾燥機にて80℃、10分乾燥させた後、室温まで冷却
し、膜厚15μmの予備乾燥膜を得た。 (評価試験) 〈露光・現像工程〉 [1]予備乾燥皮膜の粘着性 実施例及び比較例の積層板に配線パターンを描いたフォ
トツールアートワークを両面から直接貼付し、超高圧水
銀灯を有する両面同時露光機(オークHMW−201G
X)を用いて積算光量200mJ/cm2 になるように
露光し、露光後において、フォトツールアートワークを
予備乾燥皮膜上からの剥離させる際の予備乾燥皮膜上の
張り跡の有無を観察すると共に、フォトツールアートワ
ークの予備乾燥皮膜上からの剥離容易性を評価し、予備
乾燥皮膜の粘着性が小さいために張り跡が無く、フォト
ツールアートワークが容易に剥離できたものを「良」と
して評価した。 [2]現像性 [1]の操作に続いて、実施例1乃至6、比較例1及び
2について、それぞれ下記(i)、(ii)の二条件を用
いて現像性の評価を行った。
【0054】(i)30℃、1重量%炭酸ソーダ水溶液
を、スプレー圧1.5Kg/cm2で1分間吹きつけて
未露光部分を除去して現像した。 (ii)30℃の水をスプレー圧1.5kg/cm2 で3
分間吹きつけて未露光部分を除去して現像した。 上記(i)及び(ii)について、現像性を目視で観察
し、硬化皮膜が形成された露光部分が残存すると共に未
露光部分が除去され、現像残りの全く無いものを「良」
と判定した。また露光部分と未露光部分が共に除去され
たものを「不良」として評価した。また露光部分と未露
光部分が共に除去不能であったものを「不可」として評
価した。 [3]粘着テープ剥離試験による密着性の評価 得られたレジストの基材に対する密着性を確認するた
め、硬化皮膜の、JISD 0202−1988の4.
15に準拠したクロスカットによるセロハン粘着テープ
剥離試験を行い、有効面に形成した碁盤目の数に対する
完全に剥がれないで残った碁盤目の数をカウントした。 〈エッチング工程〉 [4]耐エッチング液性(酸性の水溶液に対する耐水
性) [2]の現像処理の後、40重量%塩化第2鉄溶液で4
5℃、240秒エッチングを行い、硬化皮膜の剥がれの
有無を観察し、剥がれの無いものを「良」として評価し
た。 [5]硬化皮膜の皮膜剥離性 続いて、 (i)実施例1乃至3、比較例1について、45℃、3
%水酸化ナトリウム水溶液を、スプレー圧2kg/cm
2 で吹きつけてレジストを剥離除去した場合の硬化皮膜
の剥離を観察した。
【0055】(ii)実施例4乃至6について、20℃、
3%過ヨウ素酸水溶液に2分間浸漬後、スプレー圧2k
g/cm2 で吹きつけてレジストを剥離除去した場合の
硬化皮膜の剥離を観察した。 上記(i)及び(ii)につき、硬化皮膜が完全に剥離さ
れるのに要する時間を測定した。 [6]エッチング性の評価 [5]により硬化皮膜が剥離された積層板上に形成され
た導体パターンに、断線、欠線、線細り、ピンホール、
ラインキザ(導体の直線パターンの直線性不良)及びエ
ッチングのもぐり等がないものを「良」として評価し
た。 〈めっき工程〉 [7]耐めっき液性 [2]の現像処理の後、 ・脱脂(メルテックス(株)製、商品名「PC−45
5」の薬剤の25重量%水溶液に30℃で5分間浸漬) ・水洗 ・ソフトエッチング(過硫酸アンモニウムタイプソフト
エッチング剤(三菱ガス化学(株)社製、商品名「NP
E−300」)20重量%水溶液に室温で2分浸漬) ・水洗 ・硫酸洗浄(10重量%硫酸に室温で1分間浸漬) の工程を経た後、ニッケルめっき浴(硫酸ニッケル 3
00g、塩化ニッケル40g、硼酸40g、水620
g)に入れ、ニッケルめっきを45℃,1.5A/dm
2 で10分間行った。ニッケルめっき終了後直ちに水洗
し、続いて、金めっき浴(日本高純度化学(株)製、商
品名「オーロブライトHS−2」)を用いて、液温40
℃、1.0A/dm2 で10分間金めっきを行った。
【0056】以上の工程の間における、硬化皮膜の剥が
れの有無を観察し、剥がれの無いものを「良」として評
価した。 [8]めっき終了後の硬化皮膜の粘着テープ剥離試験 [7]の操作の後、水洗、乾燥を行い、乾燥後の硬化皮
膜について、JISD 0202−1988の4.15
に準拠したクロスカットによるセロハン粘着テープ剥離
試験を行い、有効面に形成した碁盤目の数に対する完全
に剥がれないで残った碁盤目の数をカウントした。 [9]めっき性評価 続いて、実施例1乃至3及び比較例2について、45℃
の3%水酸化ナトリウム水溶液を、スプレー圧2kg/
cm2 で吹きつけてレジストを剥離除去し、また実施例
4乃至6について、20℃の3%過ヨウ素酸水溶液に2
分間浸漬後、スプレー圧2kg/cm2 で吹きつけてレ
ジストを剥離除去した。
【0057】上記のものを拡大鏡で目視観察し、めっき
性が良好で、めっきもぐりの無いものを「良」として評
価した。 [10]アルカリエッチング後の金の回路パターンの評
価 続いて、アルカリエッチングを行い、銅を剥離した後の
ラインキザ(金の直線パターンの直線性不良)を光学顕
微鏡にて確認し、凹部と凸部の幅の差を測定した。
【0058】以上の結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1から判るように、比較例1では露光部
の耐アルカリ性が低く、希アルカリ溶液により露光部分
が取り除かれてしまい、また水現像では露光部分、非露
光部分共に除去することができず、水及び希アルカリ溶
液では現像することができなかった。また比較例2では
希アルカリ溶液では現像できたが水では現像できなかっ
た。それに対して実施例の全てのものでは、水、希アル
カリ溶液双方によって現像可能であることが確認でき
た。
【0061】また実施例全てのものについて予備乾燥皮
膜の粘着性が小さく、また硬化皮膜の基材への密着性が
高く、また耐エッチング性が高いことが確認できた。ま
た化合物(b)を含む実施例1乃至3では硬化皮膜をア
ルカリ溶液により剥離することができ、更にエッチング
レジストとして用いた場合、硬化皮膜が剥離された積層
板上に形成された導体パターンに、断線、欠線、線細
り、ピンホール、ラインキザ及びエッチングのもぐりが
無くエッチング性が良好であり、まためっきレジストと
して用いた場合、めっきもぐりが無くめっき性が良好で
あり、アルカリエッチング後の金回路パターンのライン
キザが小さいことが確認された。
【0062】以上により、実施例の全てのものは、現像
法を用いたエッチングレジストインク及びめっきレジス
トインクとして好適であることが確認された。
【0063】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のフォトレジス
トインクは、(A)ポリビニルアルコール系重合体にス
チリルピリジニウム基若くはスチリルキノリニウム基を
導入してなる水溶性の感光性樹脂、(B)分子中に少な
くとも1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する化
合物、(C)光重合開始剤、及び(D)水を含み、水又
は希アルカリ溶液で現像可能であるため、露光硬化させ
た後に非露光部分を水又は希アルカリ溶液で除去するこ
とができるものであり、また感光性樹脂(A)を用い、
他のインク成分を水若くは水と水性有機溶剤等の混合溶
媒中に溶解、乳化又は分散することができて水性化が可
能なものであり、従って、現像時に有機溶剤を使用する
必要がなく、またフォトレジストインクを基材ヘ塗布し
た後予備乾燥塗膜を形成する過程におけるインクからの
有機溶剤の揮発を抑制することができ、有機溶剤に起因
する労働安全衛生、環境汚染、火災防止等の問題を低減
することができるものである。またその光重合反応によ
り生成する硬化皮膜は皮膜硬度が高く、基材に対する密
着性が良好であり、またエッチング液、めっき液等に対
する耐水性及び耐熱性に優れたものとすることができ
る。また感光性樹脂(A)自体が成膜性を有し、この感
光性樹脂(A)から形成される皮膜の粘着性が低いた
め、感光性樹脂(A)を含む本発明のフォトレジストイ
ンクを基材上に塗布した後予備乾燥させて形成した予備
乾燥皮膜の粘着性が小さくなり、本発明のフォトレジス
トインクの現像の際のフォトツールアートワーク等の汚
染の問題が無いものである。また感光性樹脂(A)は、
光二量化反応によって光架橋反応が起こるので、反応速
度が速く、熱安定性が良いものであり、またその光重合
反応により生成する硬化皮膜は皮膜硬度が高く、基材に
対する密着性が良好であり、またエッチング液、めっき
液等に対する耐水性及び耐熱性に優れたものとすること
ができる。
【0064】また本発明の請求項2に記載のフォトレジ
ストインクは、請求項1の構成に加えて、化合物(B)
の一部又は全部が、(b)分子中に少なくとも1個のカ
ルボキシル基、及び少なくとも1個の光反応性のエチレ
ン性不飽和基を有する化合物であるため、本発明のフォ
トレジストインクを水だけでなく希アルカリ溶液により
容易に現像可能なものとすることができ、併せて、本発
明のフォトレジストインクの光重合反応により生成する
硬化皮膜の耐酸性を向上させ、また硬化皮膜を過ヨウ素
酸ソーダ等による剥離だけでなく、アルカリ金属水酸化
物等の水溶液においても剥離可能なものとすることがで
きるものである。
【0065】また本発明の請求項3に記載のフォトレジ
ストインクは、請求項2の構成に加えて、化合物(b)
が、分子中に1個のヒドロキシル基及び1個の光反応性
のエチレン性不飽和基を有する化合物と多価カルボン酸
との部分エステル化物である化合物であるため、本発明
のフォトレジストインクを水だけでなく希アルカリ溶液
により容易に現像可能なものとすることができ、併せ
て、本発明のフォトレジストインクの光重合反応により
生成する硬化皮膜の耐酸性を向上させ、また硬化皮膜を
過ヨウ素酸ソーダ等による剥離だけでなく、アルカリ金
属水酸化物等の水溶液においても剥離可能なものとする
ことが可能なものである。
【0066】また本発明の請求項4に記載のプリント配
線板製造用インクは、請求項1乃至3のいずれかに記載
のフォトレジストインクから成るため、エッチングレジ
スト、めっきレジスト又はソルダーレジスト用インクと
して好適なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリビニルアルコール系重合体に
    スチリルピリジニウム基若くはスチリルキノリニウム基
    を導入してなる水溶性の感光性樹脂、(B)分子中に少
    なくとも1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する
    化合物、(C)光重合開始剤及び(D)水を含んで成
    り、水又は希アルカリ溶液で現像可能であることを特徴
    とするフォトレジストインク。
  2. 【請求項2】 化合物(B)の一部又は全部が、(b)
    分子中に少なくとも1個のカルボキシル基、及び少なく
    とも1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する化合
    物であることを特徴とする請求項1に記載のフォトレジ
    ストインク。
  3. 【請求項3】 化合物(b)が、分子中に1個のヒドロ
    キシル基及び1個の光反応性のエチレン性不飽和基を有
    する化合物と多価カルボン酸との部分エステル化物であ
    ることを特徴とする請求項2に記載のフォトレジストイ
    ンク。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のフォ
    トレジストインクから成ることを特徴とするプリント配
    線板製造用インク。
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