JP2005043445A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】良質な画質を実現しながら、印刷用途に応じてユーザが印刷濃度範囲を変更することを可能とする。
【解決手段】画像形成装置1では、操作部22を介してユーザにより色域の変更設定が行われると、制御部21において、当該変更設定された色域に応じて現像スリーブ14Y〜14Kの電位が制御されて、現像部13Y〜13Kと感光ドラム25Y〜25Kとの電位差である現像バイアス電圧が変更されるとともに、変更された現像バイアス電圧で印刷を行ったときに、出力画像の階調が変更設定された色域に応じた目標階調となるような階調補正テーブルが作成される。
【選択図】 図1
【解決手段】画像形成装置1では、操作部22を介してユーザにより色域の変更設定が行われると、制御部21において、当該変更設定された色域に応じて現像スリーブ14Y〜14Kの電位が制御されて、現像部13Y〜13Kと感光ドラム25Y〜25Kとの電位差である現像バイアス電圧が変更されるとともに、変更された現像バイアス電圧で印刷を行ったときに、出力画像の階調が変更設定された色域に応じた目標階調となるような階調補正テーブルが作成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データに基づいて印刷出力を行うファクシミリ装置、プリンタ、複写機又はこれらの複合機(以下、画像形成装置という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、電子写真方式の画像形成装置においては、印刷対象の画像データに基づいた静電潜像が感光ドラムに形成され、この感光ドラムにトナーが付着されてトナー像が形成される。そして、このトナー像が印刷用紙に転写されると、加熱処理されてトナー像が印刷用紙に定着する。複数色からなるカラー画像を形成する場合には、イエロー(Y)、シアン(C)、マジェンタ(M)、クロ(K)のトナー像が感光ドラムから転写ベルト上に重ねて形成されて印刷用紙に一括転写されるタンデム方式のものが知られている。
【0003】
近年では、省エネルギー化のために、画像形成装置における印刷時にも裏紙や再生紙を使用したり、トナー量を抑えるために印刷濃度を低く設定したりと、資材コストの節約が図られている。
【0004】
例えば、トナーセーブモードを設け、印刷時にこのモードが指定されると、現像スリーブの回転数が下がるように制御したり、露光時の画像信号の画素値を減少させるように画像変換することにより、トナーの付着量を削減させる画像形成装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−185208号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テキスト画の印刷を行う場合には上述したように消費されるトナー量を減少させてコストを削減したいが、写真画像等の自然画の印刷を行う場合は再現される色の濃度領域(つまり、濃度範囲のことである。以下、これを色域という。)をより広くして良質な画像を得たいという要望があり、ユーザの必要に応じて色域を可変することが望まれている。
【0007】
本発明の課題は、良質な画質を実現しながら、印刷用途に応じてユーザが印刷濃度範囲を変更することができる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
印刷対象の画像の静電潜像が形成された感光体に電気的にトナーを付着させる現像部を備えた画像形成装置において、
印刷時の濃度範囲の設定操作を行うための操作部と、
印刷時に、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて、感光体と現像部との間の現像バイアス電圧を変更制御するとともに、その濃度範囲に応じた階調補正テーブルを作成し、当該階調補正テーブルを用いて印刷対象の画像を階調変換する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、印刷時には、ユーザにより設定された濃度範囲に応じて現像バイアス電圧を変更制御するとともに、濃度範囲に応じた階調補正テーブルを作成して印刷対象画像の階調を変換するので、設定された濃度範囲に応じて印刷に使用されるトナー量を可変させることができるとともに、その濃度範囲で最適な画質となるように階調補正を行うことができる。従って、印刷用途に応じて濃度範囲をユーザが適宜設定することができるとともに、設定した濃度範囲で良質な画質を再現することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には全色に共通する濃度範囲を設定可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色全てに共通する濃度範囲を設定可能であるので、一の設定操作で各色全ての濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には色毎に濃度範囲の設定が可能であることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色の各色に対して濃度範囲を設定可能であるので、細かな設定を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
黒、シアン、マジェンタ、イエローの複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には、黒のモノクロ色と、シアン、マジェンタ、イエローのカラー色とでそれぞれ濃度範囲の設定が可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、モノクロ色と、カラー色とに対して濃度範囲を設定可能であるので、例えばテキスト画像の場合はカラー色の濃度範囲を小さくしてカラー色のトナー量の節約を図り、逆に写真画像の場合はカラー色の濃度範囲を大きくして色の再現を豊かにするように設定する等、容易な設定操作で印刷用途に応じた濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置において、
濃度範囲の設定時に、広い濃度範囲、標準の濃度範囲、狭い濃度範囲の予め準備された濃度範囲のうち、何れかの濃度範囲を選択設定可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、予め準備された、広い、標準、狭い、の濃度範囲のうち、何れかを選択設定可能であるので、ユーザは印刷用途に応じて何れかの濃度範囲を選択するだけでよく、設定操作が容易となる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて、現像部を構成する現像スリーブの電位を制御することにより、現像バイアス電圧を変更制御することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、レーザを照射することにより電位を制御する感光体よりも電位制御が容易な現像スリーブの方を制御して現像バイアス電圧を変更制御するので、安定した現像バイアス電位の変更制御を行うことができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて出力画像の目標階調を変更し、印刷対象の画像の階調を当該変更された目標階調に変換する階調補正テーブルを作成することを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、設定された濃度範囲に応じた目標階調となるように印刷対象の画像の階調を変換する階調補正テーブルを作成するので、ユーザにより濃度範囲が変更されても、出力画像の階調をその濃度範囲に応じた目標階調に補正することができる。従って、良好な画質を再現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、ユーザにより変更設定された色域に応じて、現像部と感光体とにおける現像バイアス電圧を変更制御して感光体に付着するトナー量を色域に応じたトナー量に調整するとともに、補正用画像を用いて色域に応じた階調補正テーブルを作成して印刷時の階調変換に使用することにより、色域に応じた画質を実現する例を説明する。
【0023】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の内部構成を示す。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成を行うプリンタ部10と、制御系である本体部20とから構成される。
【0024】
まず、プリンタ部10について説明する。
プリンタ部10は、タンデム方式の画像形成を行うものであり、本体部10の制御部21から入力された画像データに基づいて印刷用紙上に画像形成を行う。図1に示すように、プリンタ部10は、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の色毎に、像構造形成部11Y、11M、11C、11K、露光部12Y、12M、12C、12K、現像部13Y、13M、13C、13K、感光体である感光ドラム15Y、15M、15C、15K、帯電部16Y、16M、16C、16Kを備え、各色の感光ドラム15Y〜15K上に形成されたトナー像が1次転写される転写ベルト17、転写ベルト17上に転写されたトナー像に光を発光してその反射光量を測定するためのセンサ18を備えて構成される。
【0025】
像構造形成部11Y〜11Kは、本体部20の制御部21から入力された階調補正済みのYの画像データ、Mの画像データ、Cの画像データ、Kの画像データに基づいて、露光用の画像信号をそれぞれ生成する。生成された露光用画像信号は、各露光部12Y〜12Kに出力される。
【0026】
露光部12Y〜12Kは、レーザダイオード等から構成され、像構造形成部11Y〜11Kから入力された露光用画像信号に基づくレーザ光を感光ドラム15Y〜15Kに照射し、感光ドラム15Y〜15K上に静電潜像を形成する。
【0027】
ここで、図2を参照して、露光までの画像データ処理の流れを説明する。図2に示すように、制御部21において印刷対象の画像データが色分解され、Y、M、C、Kの各色の画像データが生成されると、階調補正テーブルを用いて各色Y、M、C、Kの画像データが階調変換され、階調補正が施される。この階調補正済みのY、M、C、Kの画像データは、制御部21から像構造形成部11Y〜11Kに入力され、各像構造形成部11Y〜11Kにおいて出力画像の像構造を形成する像構造マトクリスが露光用の画像信号として生成される。そして、Y、M、C、Kの露光用画像信号は露光部12Y〜12Kに出力され、この露光用画像信号に基づいたレーザ光が発光される。
【0028】
現像部13Y〜13Kは、現像スリーブ14Y〜14Kを備えて構成され、感光ドラム15Y〜15K上にトナーを付着させる。現像スリーブ14Y〜14Kは図示しない駆動回路に接続され、トナーの付着時には、駆動回路から現像スリーブ14Y〜14Kに、使用するトナー極性と同極性の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアス電流が印加され、図3に示すように、その極性の反転現象によりトナーが感光ドラム15Y〜15Kに付着する。その他、駆動回路は制御部21からの指示に従って、例えば現像スリーブ14Y〜14Kに印加する電流を変更する等、駆動制御を行う。
【0029】
以下、プリンタ部10における画像形成のプロセスについて説明する。
まず、入力された露光用画像信号に基づいて露光部12Y〜12Kにより露光が行われ、感光ドラム15Y〜15K上に静電潜像が形成される。なお、露光の前処理として、感光ドラム15Y〜15Kの帯電状態が一定電位となるように帯電部16Y〜16Kにより均一に帯電されているものとする。
【0030】
次いで、現像部13Y〜13Kにより現像が行われ、感光ドラム15Y〜15K上にトナーが付着してトナー像が形成される。感光ドラム15Y〜15K上に形成されたトナー像は、回動する転写ベルト17上に逐次転写されて(これを一次転写という。)、転写ベルト17上には各色のトナー像が重ねられたカラー画像が形成される。一方、図示しない給紙部から印刷用紙が搬送され、当該印刷用紙の一方の面上に転写ベルト17上に形成されたカラー画像が一括転写される(これを二次転写という。)。トナー像が一括転写された印刷用紙は定着処理された後、排紙される。
【0031】
次に、プリンタ部10に設置されるセンサ18について説明する。
図1に示すように、転写ベルト17に隣接してセンサ18が設置される。
センサ18は、内部にフォトトランジスタ及びLED(Light Emitting Diode)等を備えて構成され、LEDにより発光してその反射光量(反射率、光量等の各種測定要素を含めて反射光量とする。)を測定する。階調補正テーブルの作成時には、転写ベルト17上に形成された補正用パッチ画像のトナー像の反射光量を測定し、その測定結果を制御部21に出力する。
【0032】
図3に、転写ベルト17上に形成された補正用パッチ画像例を示す。図3に示すように、補正用パッチ画像は、予め濃度値(階調)が分かっているパッチ状の画像(以下、単にパッチという。)が高濃度から低濃度の順にセンサ18により測定が行われるように配置されている。各パッチにはパッチ番号が付与され、そのパッチの既知の階調の値が本体部20のROM25に記憶されている。
【0033】
なお、測定に用いるパッチ数は、例えば256階調の表現が可能な場合、パッチ数を256として各階調について測定を行ってもよいが、パッチ数が多いと測定データの処理に時間を要するため、適当な間隔で階調を抽出しパッチ数を削減することとしてもよい。本実施の形態では、256階調のうち10間隔で階調を抽出し合計26パッチで測定した例で説明する。
【0034】
次に、本体部20について説明する。
本体部20は、制御部21、操作部22、表示部23、画像メモリ24、ROM(Read Only Memory)25から構成される。
【0035】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ROM25に格納されている印刷処理プログラム等の各種処理プログラムに従って画像形成装置1の各部の動作を集中制御する。
【0036】
制御部21は、印刷時には、画像メモリ24から印刷対象の画像データを読み出して、当該画像データを色分解しY、M、C、Kの色毎の画像データを生成する。そして、生成された各色の画像データを階調補正テーブルを用いて階調補正し、プリンタ部10に出力する。
【0037】
また、制御部21は、本発明に係る色域変更処理プログラム(図6参照)に従ってその処理動作を統括的に制御する。この色域変更処理において、操作部22を介して色域の変更設定が指示されると、制御部21は、当該変更設定された色域に応じて現像スリーブ14Y〜14Kの電位(以下、スリーブ電位という。)を制御して、現像部13Y〜13Kと感光ドラム25Y〜25Kとの電位差である現像バイアス電圧を変更するとともに、変更された現像バイアス電圧で現像を行ったときに、出力画像の階調が変更設定された色域に応じた目標階調となるような階調補正テーブルを作成する。
【0038】
階調補正テーブルの作成時には、変更された現像バイアス電圧で現像された補正用パッチ画像の反射光量の測定値(以下、センサ値という。)を得て、予めセンサ18のセンサ特性と輝度値との相関から求められた変換式により、得られたセンサ値を輝度値に変換する。そして、パッチ画像の階調に対して測定により得られた輝度値をプロットした印刷特性テーブルを作成する。次いで、変更設定された色域に応じた目標階調テーブルをROM25から読み出し、読み出された目標階調テーブル及び作成された印刷特性テーブルに基づき、階調補正テーブルを作成する。
【0039】
操作部22は、数字キー、印刷開始を指示するためのスタートキー等の印刷機能が割り当てられた各種機能キー等のキー群や、表示部23と一体型に設けられたタッチパネルから構成され、押下されたキーに対応する操作信号を制御部21に出力する。
【0040】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)とLCD上を覆うように設けられたタッチパネルから構成され、印刷条件の設定画面、色域の設定画面等の各種操作画面や、制御部21による処理結果等の各種表示情報を表示する。
【0041】
画像メモリ24は、印刷対象の画像データを一時的に格納するためのメモリである。
【0042】
ROM25は、不揮発性メモリから構成され、印刷に係る各種処理プログラムや、本発明に係る色域変更処理プログラム及び各プログラムで処理されたデータ等を格納する。
【0043】
また、ROM25は、補正用画像であるパッチ画像の画像データをY〜Kの色毎に格納するとともに、測定テーブル251を備え、この測定テーブル251にセンサ18によって測定されたパッチ画像の反射光量の測定結果を記憶する。
【0044】
図5に、測定テーブル251の一例を示す。
測定テーブル251には、図5に示すように、パッチ画像に含まれる各パッチのパッチ番号、そのパッチの階調(パッチの既知の濃度値)、実際にセンサ18により測定されたパッチのセンサ値、センサ値から所定の変換式で得られた輝度値が格納される。なお、本実施の形態では、センサ値から輝度値を得て、補正用画像の階調を輝度値に代替して階調補正テーブルを作成することとするが、これに限らず、センサ18との相関を予め求めておいて濃度値、或いは明度値を得る等して階調補正テーブルを作成することとしてもよい。
【0045】
さらに、ROM25は、複数の色域に応じて予め準備された目標階調テーブル、制御部21によって作成された印刷特性テーブル、階調補正テーブルを記憶する。
【0046】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
図6は、本実施の形態における画像形成装置1により実行される色域変更処理を説明するフローチャートである。
図6に示す色域変更処理では、まず色域を設定するための設定画面が表示部23に表示され、操作部22を介してユーザにより色域の変更設定が行われる(ステップS1)。
【0047】
図7に、表示部23に表示される設定画面例を示す。
例えば、図7(a)に示すように、C、M、Y、Kの色毎に色域を変更設定可能としてもよいし、図7(b)に示すように、C、M、Y、Kの全ての色に対して一括して色域を変更設定することとしてもよい。また、図7(c)に示すように、Kのモノクロ色と、C、M、Yのカラー色とに分けて色域を変更設定可能な構成としてもよい。この場合、テキスト画像を印刷する場合はモノクロ色の色域を広く、カラー色の色域を狭く設定する等、4色に対して個々に設定操作する必要がなく、少ない設定操作で印刷用途に応じた色域を指定することができる。
【0048】
操作部22を介して色域が変更設定されると、制御部21の制御により、設定された色域に応じて現像スリーブ14Y〜14Kと感光ドラム15Y〜15Kとにおける現像バイアス電圧が変更される(ステップS2)。
【0049】
例えば、色域が「標準」に変更設定された場合、図8(a)に示すように、現像スリーブ14Y〜14Kのスリーブ電位が “−700V”と、 通常の印刷時と同じ電位に設定され、その現像バイアス電圧に応じて感光ドラム15Y〜15Kにトナーが付着する。しかし、色域が「狭い」に変更設定された場合、図8(b)に示すように、現像スリーブ14Y〜14Kのスリーブ電位が“−600V”に設定され、現像バイアス電圧が低く設定されるため、感光ドラム15Y〜15Kに付着するトナー量が「標準」設定の場合より減少する。逆に、色域が「広い」に変更設定された場合、図8(c)に示すように、現像スリーブ14Y〜14Kのスリーブ電位が“−800V”に設定され、現像バイアス電圧が高く設定されるため、感光ドラム15Y〜15Kに付着するトナー量が「標準」設定より増加する。
【0050】
すなわち、スリーブ電位をよりマイナス側に設定すると感光ドラム15Y〜15Kに付着するトナー量が増加し、プラス側に設定するとトナー量が減少することとなる。
【0051】
なお、本実施の形態では、現像スリーブ側の電位を変更することにより現像バイアス電位を変更制御することとしたが、感光体側の電位を変更することにより現像バイアス電位を変更制御することとしてもよい。ただし、感光体にレーザ光を照射することにより感光体の帯電を行っている場合は、感光体の電位制御結果がばらつくことが多いので、現像スリーブ側の電位を変更する方が安定した現像バイアス電圧の変更制御を行うことができる。
【0052】
変更設定された色域に応じて現像バイアス電圧が変更されると、ROM25から読み出された補正用パッチ画像の画像データがプリンタ部10に入力される。このとき、制御部21では、階調補正テーブルとして、階調変換を行わずに画像データを素通りさせるスルーの階調補正テーブル、つまり入力画像と出力画像の階調が一致する階調補正テーブルがセットされており、補正用パッチ画像に対しては階調変換が行われない。そして、プリンタ部10において補正用パッチ画像が転写ベルト17上に形成されると(ステップS3)、センサ18により当該補正用パッチ画像の反射光量の測定が行われる(ステップS4)。測定結果はROM25に格納され、測定されたセンサ値から輝度値が制御部21により算出されてROM25に格納される。
【0053】
次いで、ステップS5では、制御部21においてセンサ18から入力された測定値に基づいて色域に応じた階調補正テーブルが作成される。このステップS5の階調補正テーブルの作成処理について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、制御部21では、まずROM25に格納されている各色域に応じた目標階調テーブルのうち、操作部22を介して設定された色域に応じた目標階調テーブルが選択される(ステップS51)。
【0054】
図10(a)に、0〜255の階調を有する256階調の場合に、「広い」、「標準」、「狭い」の色域毎に準備された目標階調テーブル例を示す。
図10(a)では、X軸は出力画像の目標階調を示し、Y軸はその目標階調の出力画像をセンサ18により測定した際に得られた輝度値を示している。階調0に対応する輝度値は、トナーがのっていない白紙状態の印刷用紙に対して測定された輝度値であり、階調255に対応する輝度値は、印刷用紙全面に「広い」、「標準」、「狭い」の各色域の最大階調255でトナーがのせられた印刷用紙に対して測定された輝度値である。このように、各色域の目標階調テーブルは、階調0における輝度値の測定点と階調255における測定点とをリニアに結んだ直線として作成されている。
【0055】
目標階調テーブルの選択は、例えば「標準」の色域が設定された場合は、図10(a)に示した目標階調テーブルのうち、「標準」の目標階調テーブルが選択される。目標階調テーブルが選択されると、ROM25の測定テーブル251に基づいて、印刷特性テーブルが作成される(ステップS52)。すなわち、測定テーブル251に記憶されている補正用パッチ画像の階調に対して輝度値をプロットすることにより、図10(b)に示すような印刷特性テーブルを得る。図10(b)では、「狭い」、「標準」、「広い」の各色域に対して得られた印刷特性テーブルを示し、X軸はパッチの階調、Y軸は輝度値を示している。なお、各階調間で輝度値(センサ値)が測定されなかった階調部分は線形補間することとする。
【0056】
次いで、選択された目標階調テーブル及び作成された印刷特性テーブルに基づいて、階調補正テーブルが作成される(ステップS53)。階調補正テーブルは、図10(a)に示す目標階調テーブルにおいて256階調のうち、任意のi階調に対応する輝度値をTiとすると、図10(b)に示す印刷特性テーブルにおいて輝度値Tiに対応する階調aが目標階調テーブルの階調iと等しくなるように入力画像の階調と出力画像の階調を設定すればよい。
【0057】
従って、印刷特性テーブルにおいて目標階調の輝度値Tiに近い2つの輝度値Rj、Rk(ただし、Rj<Ti<Rkとする。)を抽出し、この輝度値Rj、Rkに対応する階調をj、kとすると、目標階調の再現値である階調aは、以下に示す式1により求められる。
a={(Rk−Ti)*j+(Ti−Rj)*k/(Rk−Rj)}・・・(1)
【0058】
上記式1において、階調iを変数として再現値aを順次求め、階調iに対してこの再現値aをプロットすることにより、図10(c)に示すように、階調補正テーブルが作成される。図10(c)では、x軸に階調iを、y軸に再現値aをプロットすることにより「標準」、「広い」、「狭い」の各色域に応じて作成された階調補正テーブルを示している。階調補正の際には、これらの階調補正テーブルは、x軸は階調変換する画像、つまり入力画像の階調に該当し、y軸は階調変換後の出力画像の階調に該当することとなる。
【0059】
このようにして、変更設定された色域に応じて階調補正テーブルが作成されると、図6に示すステップS6の処理に戻り、作成された階調補正テーブルが制御部21にセットされて(ステップS6)、本処理を終了する。
【0060】
印刷時には、作成された階調補正テーブルを用いて印刷対象の画像データが階調変換され、この階調変換された画像データに基づいて露光が行われると、色域に応じて変更された現像バイアス電圧で現像が行われる。
【0061】
以上のように、色域をユーザが設定可能な構成とし、ユーザにより変更設定された色域に応じて現像バイアス電圧を変更するとともに、色域に応じた階調補正テーブルを作成し階調変換に使用するので、印刷時には変更された色域に応じてトナー量を可変させることができるとともに、その色域で最適な画質となるように階調変換を行うことができる。従って、良質な画質を実現しながら、印刷用途に応じて色域をユーザが適宜設定変更することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、色域の変更に応じて現像バイアス電圧を変更させるとともに色域に応じた目標階調となるように階調補正テーブルを作成してセットすることとしたが、色域の変更に応じて現像バイアス電圧の変更、或いは色域に応じた階調補正のどちらか一方のみを実行する場合にも、印刷時のトナー量を制御することは可能である。
【0063】
しかしながら、現像バイアス電圧の変更だけを行って色域に応じた階調補正を行わなかった場合、図11(b)に示すように印刷特性テーブルが各色域に対して作成されるにも関わらず、目標階調テーブルは、図11(a)に示すように標準の色域に応じたものしか準備されないため、このような目標階調テーブル及び印刷特性テーブルから作成された階調補正テーブルは、図11(c)に示すようなものとなる。
【0064】
図11(c)に示すように、目標階調テーブルが準備されていた標準以外の色域の階調補正テーブルは、最大階調である255に達していなかったり、255で頭打ちになってしまっている。最大階調の255に達しない場合(図11(c)では「狭い」の色域の場合)、階調をラインスクリーンや誤差拡散で再現している印刷方式を採用していると、本来は全面ベタ塗りになっているはずの階調255の領域でラインスクリーンの構造が視認できるようになったり、誤差拡散の白く抜ける状態が現れることとなり、画質の低下を招く。一方、最大階調の255で頭打ちになっている場合(図11(c)では「広い」の色域の場合)、255で頭打ちとなった領域の階調が全て同じ階調となってしまい、画像の滑らかさが損なわれ、やはり画質の低下を招くこととなる。
【0065】
また、色域に応じた階調補正だけを行って現像バイアス電圧の変更を行わなかった場合、目標階調補正テーブルは、図12(a)に示すように、各色域に応じたものが準備されるが、印刷特性テーブルは、図12(b)に示すように、現像バイアス電圧の変更を行っていないため、どの色域に変更しても1つの印刷特性テーブルしか得られない。従って、このような目標階調テーブル及び印刷特性テーブルから作成された階調補正テーブルは、図12(c)に示すようなものが作成される。
【0066】
図12(c)に示すように、目標階調テーブルが準備されていた標準以外の色域の階調補正テーブルは、最大階調である255に達していなかったり、255で頭打ちになってしまっている。そのため、前述したような画質の低下を招くこととなる。
【0067】
すなわち、現像バイアス電圧とともに色域に応じた階調変換を行うように制御することにより、色域に応じてトナー量の削減を実現するとともに良質な画質を実現することができる。
【0068】
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明を適用した画像形成装置1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0069】
また、上述した説明では、画像形成装置1に備えられた操作部22を操作して色域を設定することとしていたが、これに限らず、外部のユーザ端末に色域の変更設定画面の画面データを送信し、ユーザ端末において色域の変更設定を行うこととしてもよい。
【0070】
また、上述した説明では、「標準」、「狭い」、「広い」の3つの色域を予め準備しておき、この中から所望の色域を選択設定可能であることとしたが、その色域の設定方法は特に限定せず、例えば1レベル〜5レベルまで段階的に色域を広くすることとし、この5つのレベルの中から所望の色域のレベルを選択可能としてもよい。
【0071】
また、色域の変更設定後、変更を行ったユーザのユーザ情報と、変更設定により設定された色域と、その色域に応じて作成された階調補正テーブルとを対応付けてROM25に格納しておき、変更履歴を残すようにすることとしてもよい。この変更履歴に基づいて、例えば印刷時にユーザ情報を入力すると、当該ユーザに対応する色域の情報や階調補正テーブルを読み出して以前指定した色域に自動的に設定されるような構成にすることにより、色域設定操作を容易にすることが可能となる。
【0072】
その他、本実施の形態における画像形成装置1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0073】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、印刷時には、ユーザにより設定された濃度範囲に応じて現像バイアス電圧を変更制御するとともに、濃度範囲に応じた階調補正テーブルを作成して印刷対象画像の階調を変換するので、設定された濃度範囲に応じて印刷に使用されるトナー量を可変させることができるとともに、その濃度範囲で最適な画質となるように階調補正を行うことができる。従って、印刷用途に応じて濃度範囲をユーザが適宜設定することができるとともに、設定した濃度範囲で良質な画質を再現することができる。
【0074】
請求項2に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色全てに共通する濃度範囲を設定可能であるので、一の設定操作で各色全ての濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0075】
請求項3に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色の各色に対して濃度範囲を設定可能であるので、細かな設定を行うことができる。
【0076】
請求項4に記載の発明によれば、モノクロ色と、カラー色とに対して濃度範囲を設定可能であるので、例えばテキスト画像の場合はカラー色の濃度範囲を小さくしてカラー色のトナー量の節約を図り、逆に写真画像の場合はカラー色の濃度範囲を大きくして色の再現を豊かにするように設定する等、容易な設定操作で印刷用途に応じた濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0077】
請求項5に記載の発明によれば、予め準備された、広い、標準、狭い、の濃度範囲のうち、何れかを選択設定可能であるので、ユーザは印刷用途に応じて何れかの濃度範囲を選択するだけでよく、設定操作が容易となる。
【0078】
請求項6に記載の発明によれば、レーザを照射することにより電位を制御する感光体よりも電位制御が容易な現像スリーブの方を制御して現像バイアス電圧を変更制御するので、安定した現像バイアス電位の変更制御を行うことができる。
【0079】
請求項7に記載の発明によれば、設定された濃度範囲に応じた目標階調となるように印刷対象の画像の階調を変換する階調補正テーブルを作成するので、ユーザにより濃度範囲が変更されても、出力画像の階調をその濃度範囲に応じた目標階調に補正することができる。従って、良好な画質を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の画像形成装置1の内部構成を示す図である。
【図2】現像部から感光ドラムにトナーが付着する様子を示す図である。
【図3】転写ベルト17上に補正用のパッチ画像が形成された様子を示す図である。
【図4】露光が行われるまでの画像データの流れを示す図である。
【図5】測定テーブル251のデータ構成例を示す図である。
【図6】画像形成装置1により実行される色域変更処理を説明するフローチャートである。
【図7】表示部23に表示される色域変更の設定画面例を示す図である。
【図8】現像バイアス電圧の変更により感光ドラムに付着するトナー量の変化を色域毎に示す図である。
【図9】階調補正テーブルの作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】(a)は色域毎に準備された目標階調テーブルを示す図であり、(b)は測定により作成された印刷特性テーブルを示す図であり、(c)は色域に応じて目標階調テーブル及び印刷特性テーブルに基づいて作成された階調補正テーブルを示す図である。
【図11】変更設定された色域に応じて現像バイアス電圧のみを変更し、色域に応じた階調変換を行わなかった場合の各種テーブルを示す図であり、(a)は目標階調テーブル、(b)は印刷特性テーブル、(c)は階調補正テーブルを示す図である。
【図12】変更設定された色域に応じた階調変換のみを行い、現像バイアス電圧の変更を行わなかった場合の各種テーブルを示す図であり、(a)は目標階調テーブル、(b)は印刷特性テーブル、(c)は階調補正テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
10 プリンタ部
11Y、11M、11C、11K 像構造形成部
12Y、12M、12C、12K 露光部
13Y、13M、13C、13K 現像部
14Y、14M、14C、14K 現像スリーブ
15Y、15M、15C、15K 感光ドラム
16Y、16M、16C、16K 帯電部
17 転写ベルト
18 センサ
20 本体部
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 画像メモリ
25 ROM
251 測定テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データに基づいて印刷出力を行うファクシミリ装置、プリンタ、複写機又はこれらの複合機(以下、画像形成装置という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、電子写真方式の画像形成装置においては、印刷対象の画像データに基づいた静電潜像が感光ドラムに形成され、この感光ドラムにトナーが付着されてトナー像が形成される。そして、このトナー像が印刷用紙に転写されると、加熱処理されてトナー像が印刷用紙に定着する。複数色からなるカラー画像を形成する場合には、イエロー(Y)、シアン(C)、マジェンタ(M)、クロ(K)のトナー像が感光ドラムから転写ベルト上に重ねて形成されて印刷用紙に一括転写されるタンデム方式のものが知られている。
【0003】
近年では、省エネルギー化のために、画像形成装置における印刷時にも裏紙や再生紙を使用したり、トナー量を抑えるために印刷濃度を低く設定したりと、資材コストの節約が図られている。
【0004】
例えば、トナーセーブモードを設け、印刷時にこのモードが指定されると、現像スリーブの回転数が下がるように制御したり、露光時の画像信号の画素値を減少させるように画像変換することにより、トナーの付着量を削減させる画像形成装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−185208号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テキスト画の印刷を行う場合には上述したように消費されるトナー量を減少させてコストを削減したいが、写真画像等の自然画の印刷を行う場合は再現される色の濃度領域(つまり、濃度範囲のことである。以下、これを色域という。)をより広くして良質な画像を得たいという要望があり、ユーザの必要に応じて色域を可変することが望まれている。
【0007】
本発明の課題は、良質な画質を実現しながら、印刷用途に応じてユーザが印刷濃度範囲を変更することができる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
印刷対象の画像の静電潜像が形成された感光体に電気的にトナーを付着させる現像部を備えた画像形成装置において、
印刷時の濃度範囲の設定操作を行うための操作部と、
印刷時に、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて、感光体と現像部との間の現像バイアス電圧を変更制御するとともに、その濃度範囲に応じた階調補正テーブルを作成し、当該階調補正テーブルを用いて印刷対象の画像を階調変換する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、印刷時には、ユーザにより設定された濃度範囲に応じて現像バイアス電圧を変更制御するとともに、濃度範囲に応じた階調補正テーブルを作成して印刷対象画像の階調を変換するので、設定された濃度範囲に応じて印刷に使用されるトナー量を可変させることができるとともに、その濃度範囲で最適な画質となるように階調補正を行うことができる。従って、印刷用途に応じて濃度範囲をユーザが適宜設定することができるとともに、設定した濃度範囲で良質な画質を再現することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には全色に共通する濃度範囲を設定可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色全てに共通する濃度範囲を設定可能であるので、一の設定操作で各色全ての濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には色毎に濃度範囲の設定が可能であることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色の各色に対して濃度範囲を設定可能であるので、細かな設定を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
黒、シアン、マジェンタ、イエローの複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には、黒のモノクロ色と、シアン、マジェンタ、イエローのカラー色とでそれぞれ濃度範囲の設定が可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、モノクロ色と、カラー色とに対して濃度範囲を設定可能であるので、例えばテキスト画像の場合はカラー色の濃度範囲を小さくしてカラー色のトナー量の節約を図り、逆に写真画像の場合はカラー色の濃度範囲を大きくして色の再現を豊かにするように設定する等、容易な設定操作で印刷用途に応じた濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置において、
濃度範囲の設定時に、広い濃度範囲、標準の濃度範囲、狭い濃度範囲の予め準備された濃度範囲のうち、何れかの濃度範囲を選択設定可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、予め準備された、広い、標準、狭い、の濃度範囲のうち、何れかを選択設定可能であるので、ユーザは印刷用途に応じて何れかの濃度範囲を選択するだけでよく、設定操作が容易となる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて、現像部を構成する現像スリーブの電位を制御することにより、現像バイアス電圧を変更制御することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、レーザを照射することにより電位を制御する感光体よりも電位制御が容易な現像スリーブの方を制御して現像バイアス電圧を変更制御するので、安定した現像バイアス電位の変更制御を行うことができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて出力画像の目標階調を変更し、印刷対象の画像の階調を当該変更された目標階調に変換する階調補正テーブルを作成することを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、設定された濃度範囲に応じた目標階調となるように印刷対象の画像の階調を変換する階調補正テーブルを作成するので、ユーザにより濃度範囲が変更されても、出力画像の階調をその濃度範囲に応じた目標階調に補正することができる。従って、良好な画質を再現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、ユーザにより変更設定された色域に応じて、現像部と感光体とにおける現像バイアス電圧を変更制御して感光体に付着するトナー量を色域に応じたトナー量に調整するとともに、補正用画像を用いて色域に応じた階調補正テーブルを作成して印刷時の階調変換に使用することにより、色域に応じた画質を実現する例を説明する。
【0023】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の内部構成を示す。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成を行うプリンタ部10と、制御系である本体部20とから構成される。
【0024】
まず、プリンタ部10について説明する。
プリンタ部10は、タンデム方式の画像形成を行うものであり、本体部10の制御部21から入力された画像データに基づいて印刷用紙上に画像形成を行う。図1に示すように、プリンタ部10は、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の色毎に、像構造形成部11Y、11M、11C、11K、露光部12Y、12M、12C、12K、現像部13Y、13M、13C、13K、感光体である感光ドラム15Y、15M、15C、15K、帯電部16Y、16M、16C、16Kを備え、各色の感光ドラム15Y〜15K上に形成されたトナー像が1次転写される転写ベルト17、転写ベルト17上に転写されたトナー像に光を発光してその反射光量を測定するためのセンサ18を備えて構成される。
【0025】
像構造形成部11Y〜11Kは、本体部20の制御部21から入力された階調補正済みのYの画像データ、Mの画像データ、Cの画像データ、Kの画像データに基づいて、露光用の画像信号をそれぞれ生成する。生成された露光用画像信号は、各露光部12Y〜12Kに出力される。
【0026】
露光部12Y〜12Kは、レーザダイオード等から構成され、像構造形成部11Y〜11Kから入力された露光用画像信号に基づくレーザ光を感光ドラム15Y〜15Kに照射し、感光ドラム15Y〜15K上に静電潜像を形成する。
【0027】
ここで、図2を参照して、露光までの画像データ処理の流れを説明する。図2に示すように、制御部21において印刷対象の画像データが色分解され、Y、M、C、Kの各色の画像データが生成されると、階調補正テーブルを用いて各色Y、M、C、Kの画像データが階調変換され、階調補正が施される。この階調補正済みのY、M、C、Kの画像データは、制御部21から像構造形成部11Y〜11Kに入力され、各像構造形成部11Y〜11Kにおいて出力画像の像構造を形成する像構造マトクリスが露光用の画像信号として生成される。そして、Y、M、C、Kの露光用画像信号は露光部12Y〜12Kに出力され、この露光用画像信号に基づいたレーザ光が発光される。
【0028】
現像部13Y〜13Kは、現像スリーブ14Y〜14Kを備えて構成され、感光ドラム15Y〜15K上にトナーを付着させる。現像スリーブ14Y〜14Kは図示しない駆動回路に接続され、トナーの付着時には、駆動回路から現像スリーブ14Y〜14Kに、使用するトナー極性と同極性の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアス電流が印加され、図3に示すように、その極性の反転現象によりトナーが感光ドラム15Y〜15Kに付着する。その他、駆動回路は制御部21からの指示に従って、例えば現像スリーブ14Y〜14Kに印加する電流を変更する等、駆動制御を行う。
【0029】
以下、プリンタ部10における画像形成のプロセスについて説明する。
まず、入力された露光用画像信号に基づいて露光部12Y〜12Kにより露光が行われ、感光ドラム15Y〜15K上に静電潜像が形成される。なお、露光の前処理として、感光ドラム15Y〜15Kの帯電状態が一定電位となるように帯電部16Y〜16Kにより均一に帯電されているものとする。
【0030】
次いで、現像部13Y〜13Kにより現像が行われ、感光ドラム15Y〜15K上にトナーが付着してトナー像が形成される。感光ドラム15Y〜15K上に形成されたトナー像は、回動する転写ベルト17上に逐次転写されて(これを一次転写という。)、転写ベルト17上には各色のトナー像が重ねられたカラー画像が形成される。一方、図示しない給紙部から印刷用紙が搬送され、当該印刷用紙の一方の面上に転写ベルト17上に形成されたカラー画像が一括転写される(これを二次転写という。)。トナー像が一括転写された印刷用紙は定着処理された後、排紙される。
【0031】
次に、プリンタ部10に設置されるセンサ18について説明する。
図1に示すように、転写ベルト17に隣接してセンサ18が設置される。
センサ18は、内部にフォトトランジスタ及びLED(Light Emitting Diode)等を備えて構成され、LEDにより発光してその反射光量(反射率、光量等の各種測定要素を含めて反射光量とする。)を測定する。階調補正テーブルの作成時には、転写ベルト17上に形成された補正用パッチ画像のトナー像の反射光量を測定し、その測定結果を制御部21に出力する。
【0032】
図3に、転写ベルト17上に形成された補正用パッチ画像例を示す。図3に示すように、補正用パッチ画像は、予め濃度値(階調)が分かっているパッチ状の画像(以下、単にパッチという。)が高濃度から低濃度の順にセンサ18により測定が行われるように配置されている。各パッチにはパッチ番号が付与され、そのパッチの既知の階調の値が本体部20のROM25に記憶されている。
【0033】
なお、測定に用いるパッチ数は、例えば256階調の表現が可能な場合、パッチ数を256として各階調について測定を行ってもよいが、パッチ数が多いと測定データの処理に時間を要するため、適当な間隔で階調を抽出しパッチ数を削減することとしてもよい。本実施の形態では、256階調のうち10間隔で階調を抽出し合計26パッチで測定した例で説明する。
【0034】
次に、本体部20について説明する。
本体部20は、制御部21、操作部22、表示部23、画像メモリ24、ROM(Read Only Memory)25から構成される。
【0035】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ROM25に格納されている印刷処理プログラム等の各種処理プログラムに従って画像形成装置1の各部の動作を集中制御する。
【0036】
制御部21は、印刷時には、画像メモリ24から印刷対象の画像データを読み出して、当該画像データを色分解しY、M、C、Kの色毎の画像データを生成する。そして、生成された各色の画像データを階調補正テーブルを用いて階調補正し、プリンタ部10に出力する。
【0037】
また、制御部21は、本発明に係る色域変更処理プログラム(図6参照)に従ってその処理動作を統括的に制御する。この色域変更処理において、操作部22を介して色域の変更設定が指示されると、制御部21は、当該変更設定された色域に応じて現像スリーブ14Y〜14Kの電位(以下、スリーブ電位という。)を制御して、現像部13Y〜13Kと感光ドラム25Y〜25Kとの電位差である現像バイアス電圧を変更するとともに、変更された現像バイアス電圧で現像を行ったときに、出力画像の階調が変更設定された色域に応じた目標階調となるような階調補正テーブルを作成する。
【0038】
階調補正テーブルの作成時には、変更された現像バイアス電圧で現像された補正用パッチ画像の反射光量の測定値(以下、センサ値という。)を得て、予めセンサ18のセンサ特性と輝度値との相関から求められた変換式により、得られたセンサ値を輝度値に変換する。そして、パッチ画像の階調に対して測定により得られた輝度値をプロットした印刷特性テーブルを作成する。次いで、変更設定された色域に応じた目標階調テーブルをROM25から読み出し、読み出された目標階調テーブル及び作成された印刷特性テーブルに基づき、階調補正テーブルを作成する。
【0039】
操作部22は、数字キー、印刷開始を指示するためのスタートキー等の印刷機能が割り当てられた各種機能キー等のキー群や、表示部23と一体型に設けられたタッチパネルから構成され、押下されたキーに対応する操作信号を制御部21に出力する。
【0040】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)とLCD上を覆うように設けられたタッチパネルから構成され、印刷条件の設定画面、色域の設定画面等の各種操作画面や、制御部21による処理結果等の各種表示情報を表示する。
【0041】
画像メモリ24は、印刷対象の画像データを一時的に格納するためのメモリである。
【0042】
ROM25は、不揮発性メモリから構成され、印刷に係る各種処理プログラムや、本発明に係る色域変更処理プログラム及び各プログラムで処理されたデータ等を格納する。
【0043】
また、ROM25は、補正用画像であるパッチ画像の画像データをY〜Kの色毎に格納するとともに、測定テーブル251を備え、この測定テーブル251にセンサ18によって測定されたパッチ画像の反射光量の測定結果を記憶する。
【0044】
図5に、測定テーブル251の一例を示す。
測定テーブル251には、図5に示すように、パッチ画像に含まれる各パッチのパッチ番号、そのパッチの階調(パッチの既知の濃度値)、実際にセンサ18により測定されたパッチのセンサ値、センサ値から所定の変換式で得られた輝度値が格納される。なお、本実施の形態では、センサ値から輝度値を得て、補正用画像の階調を輝度値に代替して階調補正テーブルを作成することとするが、これに限らず、センサ18との相関を予め求めておいて濃度値、或いは明度値を得る等して階調補正テーブルを作成することとしてもよい。
【0045】
さらに、ROM25は、複数の色域に応じて予め準備された目標階調テーブル、制御部21によって作成された印刷特性テーブル、階調補正テーブルを記憶する。
【0046】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
図6は、本実施の形態における画像形成装置1により実行される色域変更処理を説明するフローチャートである。
図6に示す色域変更処理では、まず色域を設定するための設定画面が表示部23に表示され、操作部22を介してユーザにより色域の変更設定が行われる(ステップS1)。
【0047】
図7に、表示部23に表示される設定画面例を示す。
例えば、図7(a)に示すように、C、M、Y、Kの色毎に色域を変更設定可能としてもよいし、図7(b)に示すように、C、M、Y、Kの全ての色に対して一括して色域を変更設定することとしてもよい。また、図7(c)に示すように、Kのモノクロ色と、C、M、Yのカラー色とに分けて色域を変更設定可能な構成としてもよい。この場合、テキスト画像を印刷する場合はモノクロ色の色域を広く、カラー色の色域を狭く設定する等、4色に対して個々に設定操作する必要がなく、少ない設定操作で印刷用途に応じた色域を指定することができる。
【0048】
操作部22を介して色域が変更設定されると、制御部21の制御により、設定された色域に応じて現像スリーブ14Y〜14Kと感光ドラム15Y〜15Kとにおける現像バイアス電圧が変更される(ステップS2)。
【0049】
例えば、色域が「標準」に変更設定された場合、図8(a)に示すように、現像スリーブ14Y〜14Kのスリーブ電位が “−700V”と、 通常の印刷時と同じ電位に設定され、その現像バイアス電圧に応じて感光ドラム15Y〜15Kにトナーが付着する。しかし、色域が「狭い」に変更設定された場合、図8(b)に示すように、現像スリーブ14Y〜14Kのスリーブ電位が“−600V”に設定され、現像バイアス電圧が低く設定されるため、感光ドラム15Y〜15Kに付着するトナー量が「標準」設定の場合より減少する。逆に、色域が「広い」に変更設定された場合、図8(c)に示すように、現像スリーブ14Y〜14Kのスリーブ電位が“−800V”に設定され、現像バイアス電圧が高く設定されるため、感光ドラム15Y〜15Kに付着するトナー量が「標準」設定より増加する。
【0050】
すなわち、スリーブ電位をよりマイナス側に設定すると感光ドラム15Y〜15Kに付着するトナー量が増加し、プラス側に設定するとトナー量が減少することとなる。
【0051】
なお、本実施の形態では、現像スリーブ側の電位を変更することにより現像バイアス電位を変更制御することとしたが、感光体側の電位を変更することにより現像バイアス電位を変更制御することとしてもよい。ただし、感光体にレーザ光を照射することにより感光体の帯電を行っている場合は、感光体の電位制御結果がばらつくことが多いので、現像スリーブ側の電位を変更する方が安定した現像バイアス電圧の変更制御を行うことができる。
【0052】
変更設定された色域に応じて現像バイアス電圧が変更されると、ROM25から読み出された補正用パッチ画像の画像データがプリンタ部10に入力される。このとき、制御部21では、階調補正テーブルとして、階調変換を行わずに画像データを素通りさせるスルーの階調補正テーブル、つまり入力画像と出力画像の階調が一致する階調補正テーブルがセットされており、補正用パッチ画像に対しては階調変換が行われない。そして、プリンタ部10において補正用パッチ画像が転写ベルト17上に形成されると(ステップS3)、センサ18により当該補正用パッチ画像の反射光量の測定が行われる(ステップS4)。測定結果はROM25に格納され、測定されたセンサ値から輝度値が制御部21により算出されてROM25に格納される。
【0053】
次いで、ステップS5では、制御部21においてセンサ18から入力された測定値に基づいて色域に応じた階調補正テーブルが作成される。このステップS5の階調補正テーブルの作成処理について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、制御部21では、まずROM25に格納されている各色域に応じた目標階調テーブルのうち、操作部22を介して設定された色域に応じた目標階調テーブルが選択される(ステップS51)。
【0054】
図10(a)に、0〜255の階調を有する256階調の場合に、「広い」、「標準」、「狭い」の色域毎に準備された目標階調テーブル例を示す。
図10(a)では、X軸は出力画像の目標階調を示し、Y軸はその目標階調の出力画像をセンサ18により測定した際に得られた輝度値を示している。階調0に対応する輝度値は、トナーがのっていない白紙状態の印刷用紙に対して測定された輝度値であり、階調255に対応する輝度値は、印刷用紙全面に「広い」、「標準」、「狭い」の各色域の最大階調255でトナーがのせられた印刷用紙に対して測定された輝度値である。このように、各色域の目標階調テーブルは、階調0における輝度値の測定点と階調255における測定点とをリニアに結んだ直線として作成されている。
【0055】
目標階調テーブルの選択は、例えば「標準」の色域が設定された場合は、図10(a)に示した目標階調テーブルのうち、「標準」の目標階調テーブルが選択される。目標階調テーブルが選択されると、ROM25の測定テーブル251に基づいて、印刷特性テーブルが作成される(ステップS52)。すなわち、測定テーブル251に記憶されている補正用パッチ画像の階調に対して輝度値をプロットすることにより、図10(b)に示すような印刷特性テーブルを得る。図10(b)では、「狭い」、「標準」、「広い」の各色域に対して得られた印刷特性テーブルを示し、X軸はパッチの階調、Y軸は輝度値を示している。なお、各階調間で輝度値(センサ値)が測定されなかった階調部分は線形補間することとする。
【0056】
次いで、選択された目標階調テーブル及び作成された印刷特性テーブルに基づいて、階調補正テーブルが作成される(ステップS53)。階調補正テーブルは、図10(a)に示す目標階調テーブルにおいて256階調のうち、任意のi階調に対応する輝度値をTiとすると、図10(b)に示す印刷特性テーブルにおいて輝度値Tiに対応する階調aが目標階調テーブルの階調iと等しくなるように入力画像の階調と出力画像の階調を設定すればよい。
【0057】
従って、印刷特性テーブルにおいて目標階調の輝度値Tiに近い2つの輝度値Rj、Rk(ただし、Rj<Ti<Rkとする。)を抽出し、この輝度値Rj、Rkに対応する階調をj、kとすると、目標階調の再現値である階調aは、以下に示す式1により求められる。
a={(Rk−Ti)*j+(Ti−Rj)*k/(Rk−Rj)}・・・(1)
【0058】
上記式1において、階調iを変数として再現値aを順次求め、階調iに対してこの再現値aをプロットすることにより、図10(c)に示すように、階調補正テーブルが作成される。図10(c)では、x軸に階調iを、y軸に再現値aをプロットすることにより「標準」、「広い」、「狭い」の各色域に応じて作成された階調補正テーブルを示している。階調補正の際には、これらの階調補正テーブルは、x軸は階調変換する画像、つまり入力画像の階調に該当し、y軸は階調変換後の出力画像の階調に該当することとなる。
【0059】
このようにして、変更設定された色域に応じて階調補正テーブルが作成されると、図6に示すステップS6の処理に戻り、作成された階調補正テーブルが制御部21にセットされて(ステップS6)、本処理を終了する。
【0060】
印刷時には、作成された階調補正テーブルを用いて印刷対象の画像データが階調変換され、この階調変換された画像データに基づいて露光が行われると、色域に応じて変更された現像バイアス電圧で現像が行われる。
【0061】
以上のように、色域をユーザが設定可能な構成とし、ユーザにより変更設定された色域に応じて現像バイアス電圧を変更するとともに、色域に応じた階調補正テーブルを作成し階調変換に使用するので、印刷時には変更された色域に応じてトナー量を可変させることができるとともに、その色域で最適な画質となるように階調変換を行うことができる。従って、良質な画質を実現しながら、印刷用途に応じて色域をユーザが適宜設定変更することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、色域の変更に応じて現像バイアス電圧を変更させるとともに色域に応じた目標階調となるように階調補正テーブルを作成してセットすることとしたが、色域の変更に応じて現像バイアス電圧の変更、或いは色域に応じた階調補正のどちらか一方のみを実行する場合にも、印刷時のトナー量を制御することは可能である。
【0063】
しかしながら、現像バイアス電圧の変更だけを行って色域に応じた階調補正を行わなかった場合、図11(b)に示すように印刷特性テーブルが各色域に対して作成されるにも関わらず、目標階調テーブルは、図11(a)に示すように標準の色域に応じたものしか準備されないため、このような目標階調テーブル及び印刷特性テーブルから作成された階調補正テーブルは、図11(c)に示すようなものとなる。
【0064】
図11(c)に示すように、目標階調テーブルが準備されていた標準以外の色域の階調補正テーブルは、最大階調である255に達していなかったり、255で頭打ちになってしまっている。最大階調の255に達しない場合(図11(c)では「狭い」の色域の場合)、階調をラインスクリーンや誤差拡散で再現している印刷方式を採用していると、本来は全面ベタ塗りになっているはずの階調255の領域でラインスクリーンの構造が視認できるようになったり、誤差拡散の白く抜ける状態が現れることとなり、画質の低下を招く。一方、最大階調の255で頭打ちになっている場合(図11(c)では「広い」の色域の場合)、255で頭打ちとなった領域の階調が全て同じ階調となってしまい、画像の滑らかさが損なわれ、やはり画質の低下を招くこととなる。
【0065】
また、色域に応じた階調補正だけを行って現像バイアス電圧の変更を行わなかった場合、目標階調補正テーブルは、図12(a)に示すように、各色域に応じたものが準備されるが、印刷特性テーブルは、図12(b)に示すように、現像バイアス電圧の変更を行っていないため、どの色域に変更しても1つの印刷特性テーブルしか得られない。従って、このような目標階調テーブル及び印刷特性テーブルから作成された階調補正テーブルは、図12(c)に示すようなものが作成される。
【0066】
図12(c)に示すように、目標階調テーブルが準備されていた標準以外の色域の階調補正テーブルは、最大階調である255に達していなかったり、255で頭打ちになってしまっている。そのため、前述したような画質の低下を招くこととなる。
【0067】
すなわち、現像バイアス電圧とともに色域に応じた階調変換を行うように制御することにより、色域に応じてトナー量の削減を実現するとともに良質な画質を実現することができる。
【0068】
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明を適用した画像形成装置1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0069】
また、上述した説明では、画像形成装置1に備えられた操作部22を操作して色域を設定することとしていたが、これに限らず、外部のユーザ端末に色域の変更設定画面の画面データを送信し、ユーザ端末において色域の変更設定を行うこととしてもよい。
【0070】
また、上述した説明では、「標準」、「狭い」、「広い」の3つの色域を予め準備しておき、この中から所望の色域を選択設定可能であることとしたが、その色域の設定方法は特に限定せず、例えば1レベル〜5レベルまで段階的に色域を広くすることとし、この5つのレベルの中から所望の色域のレベルを選択可能としてもよい。
【0071】
また、色域の変更設定後、変更を行ったユーザのユーザ情報と、変更設定により設定された色域と、その色域に応じて作成された階調補正テーブルとを対応付けてROM25に格納しておき、変更履歴を残すようにすることとしてもよい。この変更履歴に基づいて、例えば印刷時にユーザ情報を入力すると、当該ユーザに対応する色域の情報や階調補正テーブルを読み出して以前指定した色域に自動的に設定されるような構成にすることにより、色域設定操作を容易にすることが可能となる。
【0072】
その他、本実施の形態における画像形成装置1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0073】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、印刷時には、ユーザにより設定された濃度範囲に応じて現像バイアス電圧を変更制御するとともに、濃度範囲に応じた階調補正テーブルを作成して印刷対象画像の階調を変換するので、設定された濃度範囲に応じて印刷に使用されるトナー量を可変させることができるとともに、その濃度範囲で最適な画質となるように階調補正を行うことができる。従って、印刷用途に応じて濃度範囲をユーザが適宜設定することができるとともに、設定した濃度範囲で良質な画質を再現することができる。
【0074】
請求項2に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色全てに共通する濃度範囲を設定可能であるので、一の設定操作で各色全ての濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0075】
請求項3に記載の発明によれば、濃度範囲の設定時には、複数色の各色に対して濃度範囲を設定可能であるので、細かな設定を行うことができる。
【0076】
請求項4に記載の発明によれば、モノクロ色と、カラー色とに対して濃度範囲を設定可能であるので、例えばテキスト画像の場合はカラー色の濃度範囲を小さくしてカラー色のトナー量の節約を図り、逆に写真画像の場合はカラー色の濃度範囲を大きくして色の再現を豊かにするように設定する等、容易な設定操作で印刷用途に応じた濃度範囲を設定することができ、操作性が向上する。
【0077】
請求項5に記載の発明によれば、予め準備された、広い、標準、狭い、の濃度範囲のうち、何れかを選択設定可能であるので、ユーザは印刷用途に応じて何れかの濃度範囲を選択するだけでよく、設定操作が容易となる。
【0078】
請求項6に記載の発明によれば、レーザを照射することにより電位を制御する感光体よりも電位制御が容易な現像スリーブの方を制御して現像バイアス電圧を変更制御するので、安定した現像バイアス電位の変更制御を行うことができる。
【0079】
請求項7に記載の発明によれば、設定された濃度範囲に応じた目標階調となるように印刷対象の画像の階調を変換する階調補正テーブルを作成するので、ユーザにより濃度範囲が変更されても、出力画像の階調をその濃度範囲に応じた目標階調に補正することができる。従って、良好な画質を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の画像形成装置1の内部構成を示す図である。
【図2】現像部から感光ドラムにトナーが付着する様子を示す図である。
【図3】転写ベルト17上に補正用のパッチ画像が形成された様子を示す図である。
【図4】露光が行われるまでの画像データの流れを示す図である。
【図5】測定テーブル251のデータ構成例を示す図である。
【図6】画像形成装置1により実行される色域変更処理を説明するフローチャートである。
【図7】表示部23に表示される色域変更の設定画面例を示す図である。
【図8】現像バイアス電圧の変更により感光ドラムに付着するトナー量の変化を色域毎に示す図である。
【図9】階調補正テーブルの作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】(a)は色域毎に準備された目標階調テーブルを示す図であり、(b)は測定により作成された印刷特性テーブルを示す図であり、(c)は色域に応じて目標階調テーブル及び印刷特性テーブルに基づいて作成された階調補正テーブルを示す図である。
【図11】変更設定された色域に応じて現像バイアス電圧のみを変更し、色域に応じた階調変換を行わなかった場合の各種テーブルを示す図であり、(a)は目標階調テーブル、(b)は印刷特性テーブル、(c)は階調補正テーブルを示す図である。
【図12】変更設定された色域に応じた階調変換のみを行い、現像バイアス電圧の変更を行わなかった場合の各種テーブルを示す図であり、(a)は目標階調テーブル、(b)は印刷特性テーブル、(c)は階調補正テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
10 プリンタ部
11Y、11M、11C、11K 像構造形成部
12Y、12M、12C、12K 露光部
13Y、13M、13C、13K 現像部
14Y、14M、14C、14K 現像スリーブ
15Y、15M、15C、15K 感光ドラム
16Y、16M、16C、16K 帯電部
17 転写ベルト
18 センサ
20 本体部
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 画像メモリ
25 ROM
251 測定テーブル
Claims (7)
- 印刷対象の画像の静電潜像が形成された感光体に電気的にトナーを付着させる現像部を備えた画像形成装置において、
印刷時の濃度範囲の設定操作を行うための操作部と、
印刷時に、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて、感光体と現像部との間の現像バイアス電圧を変更制御するとともに、その濃度範囲に応じた階調補正テーブルを作成し、当該階調補正テーブルを用いて印刷対象の画像を階調変換する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には全色に共通する濃度範囲を設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には色毎に濃度範囲の設定が可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 黒、シアン、マジェンタ、イエローの複数色からなる画像の形成が可能であり、濃度範囲の設定時には、黒のモノクロ色と、シアン、マジェンタ、イエローのカラー色とでそれぞれ濃度範囲の設定が可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 濃度範囲の設定時に、広い濃度範囲、標準の濃度範囲、狭い濃度範囲の予め準備された濃度範囲のうち、何れかの濃度範囲を選択設定可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて、現像部を構成する現像スリーブの電位を制御することにより、現像バイアス電圧を変更制御することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記操作部を介して設定された濃度範囲に応じて出力画像の目標階調を変更し、印刷対象の画像の階調を当該変更された目標階調に変換する階調補正テーブルを作成することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
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- 2003-07-23 JP JP2003200367A patent/JP2005043445A/ja active Pending
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