JP2005042574A - 内燃機関のオイルストレーナ - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関を潤滑するための潤滑油を潤滑油供給路に取り込むためのオイルストレーナにおいて、潤滑油中の気泡を除去すると共に潤滑油の供給量を常に十分な量に維持しておく。
【解決手段】潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第1の潤滑油取込領域21と、潤滑油を取り込むための複数の孔23を備えた第2の潤滑油取込領域22であって孔の平均の大きさが第1の潤滑油取込領域の孔の平均の大きさよりも大きく且つ潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗が第1の潤滑油取込領域から潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗よりも小さい第2の潤滑油取込領域と、潤滑油の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を許可し且つ潤滑油の温度が上記予め定められた温度よりも高いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を禁止する潤滑油取込制御手段14,16とを具備する。
【選択図】 図2
【解決手段】潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第1の潤滑油取込領域21と、潤滑油を取り込むための複数の孔23を備えた第2の潤滑油取込領域22であって孔の平均の大きさが第1の潤滑油取込領域の孔の平均の大きさよりも大きく且つ潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗が第1の潤滑油取込領域から潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗よりも小さい第2の潤滑油取込領域と、潤滑油の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を許可し且つ潤滑油の温度が上記予め定められた温度よりも高いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を禁止する潤滑油取込制御手段14,16とを具備する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関のオイルストレーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関の様々な部品を潤滑するために、潤滑油が用いられている。こうした潤滑油は、オイルパンと呼ばれる潤滑油貯留容器内に貯留されており、機関運転中、このオイルパンからオイルポンプによって潤滑油が吸い上げられて、内燃機関の様々な部品(以下、「機関部品」と称す)に供給される。
ところで、オイルパンに貯留されている潤滑油中には、様々な原因(例えば、機関運転中におけるクランクシャフトによる潤滑油の攪拌)によって、気泡が存在する。このように気泡を内包した潤滑油が機関部品に供給される場合、供給される潤滑油の量が十分ではなく、機関部品に焼き付き等が生じてしまうという不具合がある。したがって、潤滑油が機関部品に供給される前に、潤滑油から気泡を取り除くべきである。このように潤滑油から気泡を取り除くためのフィルタが、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−129311号公報
【特許文献2】
特開平1−247709号公報
【特許文献3】
特開平8−246835号公報
【特許文献4】
実開平6−69597号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示されているフィルタは、例えば、潤滑油供給路内に配置されるのであるが、この場合、フィルタは、少なからず、潤滑油供給路内を流れる潤滑油に対する抵抗となる。特に、潤滑油の温度が低いとき(例えば、内燃機関が始動された直後)には、潤滑油の温度が低いことから潤滑油が潤滑油供給路内を流れづらいのに加えて、潤滑油供給経路内にフィルタが配置されていることから潤滑油が潤滑油供給路内をなおいっそう流れづらくなってしまう。この場合、機械部品に供給される潤滑油の量が不十分となり、機械部品に焼き付き等が生じてしまうという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、潤滑油中の気泡を除去すると共に潤滑油の供給量を常に十分な量に維持しておくことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、内燃機関を潤滑するための潤滑油を潤滑油供給路に取り込むためのオイルストレーナにおいて、潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第1の潤滑油取込領域と、潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第2の潤滑油取込領域であって孔の平均の大きさが第1の潤滑油取込領域の孔の平均の大きさよりも大きく且つ潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗が第1の潤滑油取込領域から潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗よりも小さい第2の潤滑油取込領域と、潤滑油の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を許可し且つ潤滑油の温度が上記予め定められた温度よりも高いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を禁止する潤滑油取込制御手段とを具備する。
2番目の発明では、1番目の発明において、上記潤滑油取込制御手段が温度に応じて物理的な形状が変化するものである。
3番目の発明では、2番目の発明において、上記潤滑油取込制御手段が熱によって物理的な形状が変化するものである。
4番目の発明では、3番目の発明において、上記潤滑油取込制御手段が形状記憶合金からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において「上」または「頂」は図中において上側を意味し、「下」または「底」は図中において下側を意味する。図1は、本発明の1つの実施形態のオイルストレーナが取り付けられる内燃機関の全体図である。図1において、1は内燃機関の本体、2はシリンダヘッド、3はシリンダブロック、4は吸気弁、5は吸気ポート、6は排気弁、7は排気ポート、8は点火栓、9はピストン、10は燃焼室、11aはコネクティングロッド、11bはクランクシャフトである。
【0007】
シリンダブロック3の底部には、潤滑油を貯留するための潤滑油貯留容器(いわゆる、オイルパン)12が取り付けられている。潤滑油は、内燃機関の様々な部品(特に、機関運転中に互いに摺動する部品の摺動面であり、上述と同様に、以下、単に、「機械部品」と称す)を潤滑するためのものである。また、オイルパン12内には、オイルストレーナ(以下、単に、「ストレーナ」と称す)13が配置されている。ストレーナ13には、オイルポンプ(図示せず)が接続されている。オイルパン12内の潤滑油は、オイルポンプによってストレーナ13から取り込まれ、機関部品に供給される。なお、機関運転中においては、潤滑油はクランクシャフト11bによって攪拌される。
【0008】
図2に、本実施形態のストレーナが示されている。図2において、14はストレーナ13の本体(以下、「ストレーナ本体」と称す)、15はケーシングである。ストレーナ本体14は、図2の軸線Cを中心としたほぼ円筒形をしている。また、ケーシング15も、図2の軸線Cを中心としたほぼ円筒形をしている。
【0009】
ストレーナ本体14は、ケーシング15内で該ケーシング15に対して上下方向に摺動可能に収容されている。詳細には、ストレーナ本体14の外周壁面(以下、「本体外周壁面」と称す)がケーシング15の内周壁面(以下、「ケーシング内周壁面」と称す)に接触しており、ストレーナ本体14は、本体外周壁面をケーシング内周壁面に接触させつつ該ケーシング内周壁面に対して摺動可能となっている。
【0010】
ストレーナ本体14(詳細には、ストレーナ本体14の外周側の上壁面)とケーシング15(詳細には、ケーシング15の頂壁の下壁面)との間には、複数のスプリング16が配置されている。スプリング16は、その下端でストレーナ本体14に固定され、その上端でケーシング15に固定されている。また、スプリング16は、軸線C周りでほぼ等角度間隔を開けて配置されている。
【0011】
また、スプリング16は、温度に応じて物理的な形状を変化させる形状記憶合金から作製されており、予め定められた温度(以下、「所定温度」と称し、詳細については後述する)を境として最長状態(スプリング16が伸張して長さが最も長くなった状態)と最短状態(スプリング16が収縮して長さが最も短くなった状態)とのいずれかの状態をとる。詳細には、スプリング16はその温度が所定温度よりも高くなると図2(A)に示したように最長状態をとり、一方、その温度が所定温度よりも低くなると図2(B)に示したように最短状態をとる。したがって、スプリング16の温度が上昇して所定温度を上回ると、スプリング16の状態は最短状態から最長状態に変化し、これにより、ストレーナ本体14がケーシング15に対して相対的に下方へ摺動せしめられる。一方、スプリング16の温度が下降して所定温度を下回ると、スプリング16の状態は最長状態から最短状態に変化し、これにより、ストレーナ本体14がケーシング15に対して相対的に上方へ摺動せしめられる。
【0012】
ストレーナ本体14はその内部に潤滑油流路17を有する。また、ストレーナ本体14の底壁には、潤滑油を取り込むための1つの開口(以下、「本体開口」と称す)18が形成されている。本体開口18は潤滑油流路17に連通しており、本体開口18から取り込まれた潤滑油は潤滑油流路17を介して機関部品に供給される。なお、本体開口18は、ストレーナ本体14の底壁面のかなりの部分を占める。
【0013】
さらに、ストレーナ本体14の底壁には、本体開口18全体を覆うように、多数の孔を備えたフィルタ(以下、「本体フィルタ」と称す)19が取り付けられている。したがって、本実施形態では、潤滑油はこの本体フィルタ19の孔を介してストレーナ本体14の潤滑油流路17に取り込まれる。なお、本体フィルタ19の各孔の大きさは、本体フィルタ19が潤滑油に対してほとんど流抵抗とならない大きさであって、潤滑油中の比較的大きな塵をフィルタリングできる大きさであればよい。本実施形態では、本体フィルタ19は、例えば、金網である。
【0014】
また、ケーシング15の底壁には、潤滑油を取り込むための1つの開口(以下、「底部開口」と称す)20が形成されている。底部開口20はケーシング15の内部空間に連通しており、底部開口20から取り込まれた潤滑油はケーシング15の内部空間を介してストレーナ本体14の本体開口18に取り込まれる。なお、底部開口20は、ケーシング15の底壁面のかなりの部分を占める。
【0015】
さらに、ケーシング15の底壁には、底部開口20全体を覆うように、多数の孔を備えたフィルタ(以下、「底部フィルタ」と称す)21が取り付けられている。したがって、本実施形態では、潤滑油はこの底部フィルタ21の孔を介してケーシング15の内部空間に取り込まれる。なお、底部フィルタ21の各孔の大きさは、潤滑油中の比較的小さな塵をもフィルタリングできる大きさである。したがって、潤滑油に対する底部フィルタ21の流抵抗は比較的大きい。本実施形態では、底部フィルタ21は、例えば、ナイロン不織布である。
【0016】
また、ケーシング15の周壁の下方領域22には、潤滑油を取り込むための多数の孔(以下、「側部孔」と称す)23がケーシング15の周壁全体に形成されている。潤滑油はこれら側部孔23を介してもケーシング15の内部空間内に取り込まれることが可能である。ここで、側部孔23を備えたケーシング15の周壁の下方領域は、潤滑油中の比較的大きな塵のみをフィルタリングできればよい。以下の説明では、側部孔23を備えたケーシング15の周壁の下方領域は、潤滑油中の塵をフィルタリングする働きをすることから、この領域を「側部フィルタ」と称す。
【0017】
以上の説明から分かるように、本体フィルタ19の各孔の大きさ(あるいは、平均の大きさ。以下、同じ)をD1とし、側部フィルタ22の各側部孔23の大きさをD2とし、底部フィルタ21の各孔の大きさをD3とすると、これら大きさD1,D2,D3は、以下の関係(1)にある。
D1>D2>D3 …(1)
【0018】
なお、本体フィルタ19の各孔の開口面積の総和、側部フィルタ22の各側部孔23の開口面積の総和、および、底部フィルタ21の各孔の開口面積の総和は、各フィルタに起因する流路抵抗と単位時間当たりに該フィルタを通過可能としたい潤滑油の量との関係から決定される。例えば、各孔の開口面積の総和が同じであれば、各孔の大きさが小さくなるほど、各フィルタに起因する流路抵抗は高くなり、したがって、単位時間当たりに各フィルタを通過可能な潤滑油の量は少なくなる。ここで、単位時間当たりにさらに多くの潤滑油が各フィルタを通過できるようにしたければ、各孔の大きさを維持したまま各孔の開口面積の総和を大きくすればよい(具体的には、孔の数を増やせばよい)。もちろん、各孔の開口面積の総和が同じであっても、各孔の大きさを大きくすれば(具体的には、孔の数を減らせば)、単位時間当たりに各フィルタを通過可能な潤滑油の量は多くなる。しかしながら、各孔の大きさは、各フィルタによってフィルタリングすべき塵の大きさに依存して決定されるべきであるので、上述したように、単位時間当たりに各フィルタを通過可能な潤滑油の量は、各フィルタの各孔の開口面積の総和を調整することによって調整されるべきである。
【0019】
次に、本実施形態のストレーナの作用について説明する。ストレーナ13はそれが少なくともスプリング16のところまで潤滑油に浸るようにオイルパン12内に配置される。ここで、本実施形態では、スプリング16が最長状態(図2(A)に示されている状態)と最短状態(図2(B)に示されている状態)とが切り替わる温度(すなわち、上記所定温度)は、通常機関運転時の潤滑油の温度(すなわち、通常、内燃機関が始動されてから予め定められた時間が経過したとき(内燃機関の運転が通常運転となったとき)に達すると想定される潤滑油の温度)に設定されている。
【0020】
したがって、通常機関運転時においては、潤滑油の温度が上記所定の温度に達しているので、スプリング16は図2(A)に示されている最長状態となっている。この場合、側部フィルタ22の一部のみがストレーナ本体14の周壁面によって閉鎖されており、且つ、ストレーナ本体14の底壁面の外周領域がケーシング15の底壁の内面の外周領域に当接している。このため、潤滑油は側部フィルタ22を介してケーシング15の内部空間には流入できなくなっている。より一般的に表現すれば、図2(A)に示されている状態では、側部フィルタ22がストレーナ本体14の周壁面によって閉鎖されており、したがって、潤滑油は側部フィルタ22を介してケーシング15の内部空間には流入できなくなっている。したがって、図2(A)の矢印で示したように、潤滑油は底部フィルタ21を介してのみケーシング15の内部空間内に取り込まれ、そして、本体フィルタ19を介して潤滑油流路17に流入する。したがって、潤滑油は孔の大きさが小さい底部フィルタ21を介してのみ潤滑油流路17に取り込まれる。したがって、潤滑油中の気泡の潤滑油流路17への流入が底部フィルタ21によって阻止される。もちろん、この場合、潤滑油の温度は上記所定の温度よりも高くなっており、したがって、潤滑油の流動性が高くなっているので、潤滑油に対する流抵抗が比較的高い底部フィルタ21を介してのみ潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれるとしても、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれることになる(すなわち、潤滑油の油圧が所望の値に維持される)。
【0021】
一方、潤滑油の温度が上記所定の温度よりも低くなっており、したがって、潤滑油の流動性が低くなっているとき(例えば、内燃機関が始動されてから予め定められた時間が経過するまでの間)に、ストレーナ13が図2(A)に示されている状態にあると、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれなくなってしまう。ところが、この場合、本実施形態では、スプリング16は最短状態(図2(B)に示されている状態)となっている。この場合、図2(B)の矢印で示したように、潤滑油は、本体フィルタ21を介しても潤滑油流路17に取り込まれるが、潤滑油流路17に取り込まれる潤滑油のほとんどは、潤滑油に対する流抵抗が比較的低い側部フィルタ22を介して潤滑油流路17に取り込まれる。したがって、潤滑油の流動性が低くなっているとしても、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれることになる(すなわち、潤滑油の油圧が所望の値に維持される)。そして、内燃機関が始動されてから予め定められた時間が経過するまでの間にストレーナ13が図2(A)に示されている状態となっている場合には、潤滑油の攪拌が進んでおらず、したがって、潤滑油中の気泡は少ないので、孔の大きさが大きい側部フィルタ22を介して潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれたとしても、結果的には、潤滑油流路17に取り込まれる潤滑油中の気泡は少ない。
【0022】
このように、本実施形態によれば、潤滑油の温度に係わらず、潤滑油流路17に取り込まれる潤滑油中の気泡が少なく維持されつつ、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれる。
【0023】
なお、上述した実施形態では、温度に応じて、側部フィルタ22を閉鎖したり開放したりする手段として、スプリング16を採用しているが、この手段は、その温度(すなわち、潤滑油の温度)に応じて物理的な形状を変化させて側部フィルタ22を閉鎖したり開放したりするものであればよい。別の云い方をすれば、この手段は、潤滑油の熱によって物理的な形状を変化させるものであればよい。
【0024】
また、上述した実施形態では、スプリング16は所定温度を境にして最短状態と最長状態との間で切り替わるタイプのスプリングであるが、その温度が所定温度よりも低い温度から所定温度よりも高い温度に向かって高くなるにつれて最短状態から最長状態に徐々に変化するタイプのスプリングを採用してもよい。
【0025】
また、上述した実施形態では、潤滑油の温度に係わらず、底部フィルタ21は常に開放された状態になっているが、潤滑油の温度が上記所定温度よりも高いと底部フィルタ21を開放し且つ潤滑油の温度が上記所定温度よりも低いと底部フィルタ21を閉鎖する手段を採用してもよい。言い換えれば、上述した実施形態においては、少なくとも、潤滑油の温度が上記所定温度よりも高いときには側部フィルタ22が閉鎖されており且つ潤滑油の温度が上記所定温度よりも低いときには側部フィルタ22が開放されていればよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、潤滑油の温度が低く、したがって、潤滑油が取り込まれづらいときには、第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込が許可される。ここで、第2の潤滑油取込領域から潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗は小さいので、潤滑油の温度が低く、したがって、潤滑油が取り込まれづらくなっているとしても、潤滑油は良好にオイルストレーナに取り込まれる。したがって、潤滑油の温度が低いとしても、十分な量の潤滑油が供給されることになる。一方、潤滑油の温度が高く、したがって、潤滑油が取り込まれやすいときには、第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込が禁止される。この場合、潤滑油は第1の潤滑油取込領域からのみ取り込まれることになる。ここで、第1の潤滑油取込領域の孔の平均の大きさは小さいので、潤滑油が第1の潤滑油取込領域を通過するときに潤滑油中の気泡が第1の潤滑油取込領域によって除去される。もちろん、潤滑油の温度が高いときには、潤滑油が取り込まれやすいので、第1の潤滑油取込領域の流抵抗が高いとしても、潤滑油は良好に第1の潤滑油取込領域を通過できる。したがって、この場合にも、十分な量の潤滑油が供給されることになる。まとめると、本発明によれば、全体として、潤滑油中の気泡が除去されると共に潤滑油の供給量が常に十分な量に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施形態のオイルストレーナを備えた内燃機関の全体図である。
【図2】(A)は通常機関運転時における本発明の1つの実施形態のオイルストレーナの縦断面図であり、(B)は機関始動時における本発明の1つの実施形態のオイルストレーナの縦断面図である。
【符号の説明】
1…機関本体
4…吸気弁
6…排気弁
9…ピストン
12…オイルパン
13…オイルストレーナ
14…ストレーナ本体
15…ケーシング
16…スプリング
21…底部フィルタ
23…側部フィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関のオイルストレーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関の様々な部品を潤滑するために、潤滑油が用いられている。こうした潤滑油は、オイルパンと呼ばれる潤滑油貯留容器内に貯留されており、機関運転中、このオイルパンからオイルポンプによって潤滑油が吸い上げられて、内燃機関の様々な部品(以下、「機関部品」と称す)に供給される。
ところで、オイルパンに貯留されている潤滑油中には、様々な原因(例えば、機関運転中におけるクランクシャフトによる潤滑油の攪拌)によって、気泡が存在する。このように気泡を内包した潤滑油が機関部品に供給される場合、供給される潤滑油の量が十分ではなく、機関部品に焼き付き等が生じてしまうという不具合がある。したがって、潤滑油が機関部品に供給される前に、潤滑油から気泡を取り除くべきである。このように潤滑油から気泡を取り除くためのフィルタが、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−129311号公報
【特許文献2】
特開平1−247709号公報
【特許文献3】
特開平8−246835号公報
【特許文献4】
実開平6−69597号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示されているフィルタは、例えば、潤滑油供給路内に配置されるのであるが、この場合、フィルタは、少なからず、潤滑油供給路内を流れる潤滑油に対する抵抗となる。特に、潤滑油の温度が低いとき(例えば、内燃機関が始動された直後)には、潤滑油の温度が低いことから潤滑油が潤滑油供給路内を流れづらいのに加えて、潤滑油供給経路内にフィルタが配置されていることから潤滑油が潤滑油供給路内をなおいっそう流れづらくなってしまう。この場合、機械部品に供給される潤滑油の量が不十分となり、機械部品に焼き付き等が生じてしまうという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、潤滑油中の気泡を除去すると共に潤滑油の供給量を常に十分な量に維持しておくことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、内燃機関を潤滑するための潤滑油を潤滑油供給路に取り込むためのオイルストレーナにおいて、潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第1の潤滑油取込領域と、潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第2の潤滑油取込領域であって孔の平均の大きさが第1の潤滑油取込領域の孔の平均の大きさよりも大きく且つ潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗が第1の潤滑油取込領域から潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗よりも小さい第2の潤滑油取込領域と、潤滑油の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を許可し且つ潤滑油の温度が上記予め定められた温度よりも高いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を禁止する潤滑油取込制御手段とを具備する。
2番目の発明では、1番目の発明において、上記潤滑油取込制御手段が温度に応じて物理的な形状が変化するものである。
3番目の発明では、2番目の発明において、上記潤滑油取込制御手段が熱によって物理的な形状が変化するものである。
4番目の発明では、3番目の発明において、上記潤滑油取込制御手段が形状記憶合金からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において「上」または「頂」は図中において上側を意味し、「下」または「底」は図中において下側を意味する。図1は、本発明の1つの実施形態のオイルストレーナが取り付けられる内燃機関の全体図である。図1において、1は内燃機関の本体、2はシリンダヘッド、3はシリンダブロック、4は吸気弁、5は吸気ポート、6は排気弁、7は排気ポート、8は点火栓、9はピストン、10は燃焼室、11aはコネクティングロッド、11bはクランクシャフトである。
【0007】
シリンダブロック3の底部には、潤滑油を貯留するための潤滑油貯留容器(いわゆる、オイルパン)12が取り付けられている。潤滑油は、内燃機関の様々な部品(特に、機関運転中に互いに摺動する部品の摺動面であり、上述と同様に、以下、単に、「機械部品」と称す)を潤滑するためのものである。また、オイルパン12内には、オイルストレーナ(以下、単に、「ストレーナ」と称す)13が配置されている。ストレーナ13には、オイルポンプ(図示せず)が接続されている。オイルパン12内の潤滑油は、オイルポンプによってストレーナ13から取り込まれ、機関部品に供給される。なお、機関運転中においては、潤滑油はクランクシャフト11bによって攪拌される。
【0008】
図2に、本実施形態のストレーナが示されている。図2において、14はストレーナ13の本体(以下、「ストレーナ本体」と称す)、15はケーシングである。ストレーナ本体14は、図2の軸線Cを中心としたほぼ円筒形をしている。また、ケーシング15も、図2の軸線Cを中心としたほぼ円筒形をしている。
【0009】
ストレーナ本体14は、ケーシング15内で該ケーシング15に対して上下方向に摺動可能に収容されている。詳細には、ストレーナ本体14の外周壁面(以下、「本体外周壁面」と称す)がケーシング15の内周壁面(以下、「ケーシング内周壁面」と称す)に接触しており、ストレーナ本体14は、本体外周壁面をケーシング内周壁面に接触させつつ該ケーシング内周壁面に対して摺動可能となっている。
【0010】
ストレーナ本体14(詳細には、ストレーナ本体14の外周側の上壁面)とケーシング15(詳細には、ケーシング15の頂壁の下壁面)との間には、複数のスプリング16が配置されている。スプリング16は、その下端でストレーナ本体14に固定され、その上端でケーシング15に固定されている。また、スプリング16は、軸線C周りでほぼ等角度間隔を開けて配置されている。
【0011】
また、スプリング16は、温度に応じて物理的な形状を変化させる形状記憶合金から作製されており、予め定められた温度(以下、「所定温度」と称し、詳細については後述する)を境として最長状態(スプリング16が伸張して長さが最も長くなった状態)と最短状態(スプリング16が収縮して長さが最も短くなった状態)とのいずれかの状態をとる。詳細には、スプリング16はその温度が所定温度よりも高くなると図2(A)に示したように最長状態をとり、一方、その温度が所定温度よりも低くなると図2(B)に示したように最短状態をとる。したがって、スプリング16の温度が上昇して所定温度を上回ると、スプリング16の状態は最短状態から最長状態に変化し、これにより、ストレーナ本体14がケーシング15に対して相対的に下方へ摺動せしめられる。一方、スプリング16の温度が下降して所定温度を下回ると、スプリング16の状態は最長状態から最短状態に変化し、これにより、ストレーナ本体14がケーシング15に対して相対的に上方へ摺動せしめられる。
【0012】
ストレーナ本体14はその内部に潤滑油流路17を有する。また、ストレーナ本体14の底壁には、潤滑油を取り込むための1つの開口(以下、「本体開口」と称す)18が形成されている。本体開口18は潤滑油流路17に連通しており、本体開口18から取り込まれた潤滑油は潤滑油流路17を介して機関部品に供給される。なお、本体開口18は、ストレーナ本体14の底壁面のかなりの部分を占める。
【0013】
さらに、ストレーナ本体14の底壁には、本体開口18全体を覆うように、多数の孔を備えたフィルタ(以下、「本体フィルタ」と称す)19が取り付けられている。したがって、本実施形態では、潤滑油はこの本体フィルタ19の孔を介してストレーナ本体14の潤滑油流路17に取り込まれる。なお、本体フィルタ19の各孔の大きさは、本体フィルタ19が潤滑油に対してほとんど流抵抗とならない大きさであって、潤滑油中の比較的大きな塵をフィルタリングできる大きさであればよい。本実施形態では、本体フィルタ19は、例えば、金網である。
【0014】
また、ケーシング15の底壁には、潤滑油を取り込むための1つの開口(以下、「底部開口」と称す)20が形成されている。底部開口20はケーシング15の内部空間に連通しており、底部開口20から取り込まれた潤滑油はケーシング15の内部空間を介してストレーナ本体14の本体開口18に取り込まれる。なお、底部開口20は、ケーシング15の底壁面のかなりの部分を占める。
【0015】
さらに、ケーシング15の底壁には、底部開口20全体を覆うように、多数の孔を備えたフィルタ(以下、「底部フィルタ」と称す)21が取り付けられている。したがって、本実施形態では、潤滑油はこの底部フィルタ21の孔を介してケーシング15の内部空間に取り込まれる。なお、底部フィルタ21の各孔の大きさは、潤滑油中の比較的小さな塵をもフィルタリングできる大きさである。したがって、潤滑油に対する底部フィルタ21の流抵抗は比較的大きい。本実施形態では、底部フィルタ21は、例えば、ナイロン不織布である。
【0016】
また、ケーシング15の周壁の下方領域22には、潤滑油を取り込むための多数の孔(以下、「側部孔」と称す)23がケーシング15の周壁全体に形成されている。潤滑油はこれら側部孔23を介してもケーシング15の内部空間内に取り込まれることが可能である。ここで、側部孔23を備えたケーシング15の周壁の下方領域は、潤滑油中の比較的大きな塵のみをフィルタリングできればよい。以下の説明では、側部孔23を備えたケーシング15の周壁の下方領域は、潤滑油中の塵をフィルタリングする働きをすることから、この領域を「側部フィルタ」と称す。
【0017】
以上の説明から分かるように、本体フィルタ19の各孔の大きさ(あるいは、平均の大きさ。以下、同じ)をD1とし、側部フィルタ22の各側部孔23の大きさをD2とし、底部フィルタ21の各孔の大きさをD3とすると、これら大きさD1,D2,D3は、以下の関係(1)にある。
D1>D2>D3 …(1)
【0018】
なお、本体フィルタ19の各孔の開口面積の総和、側部フィルタ22の各側部孔23の開口面積の総和、および、底部フィルタ21の各孔の開口面積の総和は、各フィルタに起因する流路抵抗と単位時間当たりに該フィルタを通過可能としたい潤滑油の量との関係から決定される。例えば、各孔の開口面積の総和が同じであれば、各孔の大きさが小さくなるほど、各フィルタに起因する流路抵抗は高くなり、したがって、単位時間当たりに各フィルタを通過可能な潤滑油の量は少なくなる。ここで、単位時間当たりにさらに多くの潤滑油が各フィルタを通過できるようにしたければ、各孔の大きさを維持したまま各孔の開口面積の総和を大きくすればよい(具体的には、孔の数を増やせばよい)。もちろん、各孔の開口面積の総和が同じであっても、各孔の大きさを大きくすれば(具体的には、孔の数を減らせば)、単位時間当たりに各フィルタを通過可能な潤滑油の量は多くなる。しかしながら、各孔の大きさは、各フィルタによってフィルタリングすべき塵の大きさに依存して決定されるべきであるので、上述したように、単位時間当たりに各フィルタを通過可能な潤滑油の量は、各フィルタの各孔の開口面積の総和を調整することによって調整されるべきである。
【0019】
次に、本実施形態のストレーナの作用について説明する。ストレーナ13はそれが少なくともスプリング16のところまで潤滑油に浸るようにオイルパン12内に配置される。ここで、本実施形態では、スプリング16が最長状態(図2(A)に示されている状態)と最短状態(図2(B)に示されている状態)とが切り替わる温度(すなわち、上記所定温度)は、通常機関運転時の潤滑油の温度(すなわち、通常、内燃機関が始動されてから予め定められた時間が経過したとき(内燃機関の運転が通常運転となったとき)に達すると想定される潤滑油の温度)に設定されている。
【0020】
したがって、通常機関運転時においては、潤滑油の温度が上記所定の温度に達しているので、スプリング16は図2(A)に示されている最長状態となっている。この場合、側部フィルタ22の一部のみがストレーナ本体14の周壁面によって閉鎖されており、且つ、ストレーナ本体14の底壁面の外周領域がケーシング15の底壁の内面の外周領域に当接している。このため、潤滑油は側部フィルタ22を介してケーシング15の内部空間には流入できなくなっている。より一般的に表現すれば、図2(A)に示されている状態では、側部フィルタ22がストレーナ本体14の周壁面によって閉鎖されており、したがって、潤滑油は側部フィルタ22を介してケーシング15の内部空間には流入できなくなっている。したがって、図2(A)の矢印で示したように、潤滑油は底部フィルタ21を介してのみケーシング15の内部空間内に取り込まれ、そして、本体フィルタ19を介して潤滑油流路17に流入する。したがって、潤滑油は孔の大きさが小さい底部フィルタ21を介してのみ潤滑油流路17に取り込まれる。したがって、潤滑油中の気泡の潤滑油流路17への流入が底部フィルタ21によって阻止される。もちろん、この場合、潤滑油の温度は上記所定の温度よりも高くなっており、したがって、潤滑油の流動性が高くなっているので、潤滑油に対する流抵抗が比較的高い底部フィルタ21を介してのみ潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれるとしても、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれることになる(すなわち、潤滑油の油圧が所望の値に維持される)。
【0021】
一方、潤滑油の温度が上記所定の温度よりも低くなっており、したがって、潤滑油の流動性が低くなっているとき(例えば、内燃機関が始動されてから予め定められた時間が経過するまでの間)に、ストレーナ13が図2(A)に示されている状態にあると、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれなくなってしまう。ところが、この場合、本実施形態では、スプリング16は最短状態(図2(B)に示されている状態)となっている。この場合、図2(B)の矢印で示したように、潤滑油は、本体フィルタ21を介しても潤滑油流路17に取り込まれるが、潤滑油流路17に取り込まれる潤滑油のほとんどは、潤滑油に対する流抵抗が比較的低い側部フィルタ22を介して潤滑油流路17に取り込まれる。したがって、潤滑油の流動性が低くなっているとしても、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれることになる(すなわち、潤滑油の油圧が所望の値に維持される)。そして、内燃機関が始動されてから予め定められた時間が経過するまでの間にストレーナ13が図2(A)に示されている状態となっている場合には、潤滑油の攪拌が進んでおらず、したがって、潤滑油中の気泡は少ないので、孔の大きさが大きい側部フィルタ22を介して潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれたとしても、結果的には、潤滑油流路17に取り込まれる潤滑油中の気泡は少ない。
【0022】
このように、本実施形態によれば、潤滑油の温度に係わらず、潤滑油流路17に取り込まれる潤滑油中の気泡が少なく維持されつつ、所望の量の潤滑油が潤滑油流路17に取り込まれる。
【0023】
なお、上述した実施形態では、温度に応じて、側部フィルタ22を閉鎖したり開放したりする手段として、スプリング16を採用しているが、この手段は、その温度(すなわち、潤滑油の温度)に応じて物理的な形状を変化させて側部フィルタ22を閉鎖したり開放したりするものであればよい。別の云い方をすれば、この手段は、潤滑油の熱によって物理的な形状を変化させるものであればよい。
【0024】
また、上述した実施形態では、スプリング16は所定温度を境にして最短状態と最長状態との間で切り替わるタイプのスプリングであるが、その温度が所定温度よりも低い温度から所定温度よりも高い温度に向かって高くなるにつれて最短状態から最長状態に徐々に変化するタイプのスプリングを採用してもよい。
【0025】
また、上述した実施形態では、潤滑油の温度に係わらず、底部フィルタ21は常に開放された状態になっているが、潤滑油の温度が上記所定温度よりも高いと底部フィルタ21を開放し且つ潤滑油の温度が上記所定温度よりも低いと底部フィルタ21を閉鎖する手段を採用してもよい。言い換えれば、上述した実施形態においては、少なくとも、潤滑油の温度が上記所定温度よりも高いときには側部フィルタ22が閉鎖されており且つ潤滑油の温度が上記所定温度よりも低いときには側部フィルタ22が開放されていればよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、潤滑油の温度が低く、したがって、潤滑油が取り込まれづらいときには、第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込が許可される。ここで、第2の潤滑油取込領域から潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗は小さいので、潤滑油の温度が低く、したがって、潤滑油が取り込まれづらくなっているとしても、潤滑油は良好にオイルストレーナに取り込まれる。したがって、潤滑油の温度が低いとしても、十分な量の潤滑油が供給されることになる。一方、潤滑油の温度が高く、したがって、潤滑油が取り込まれやすいときには、第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込が禁止される。この場合、潤滑油は第1の潤滑油取込領域からのみ取り込まれることになる。ここで、第1の潤滑油取込領域の孔の平均の大きさは小さいので、潤滑油が第1の潤滑油取込領域を通過するときに潤滑油中の気泡が第1の潤滑油取込領域によって除去される。もちろん、潤滑油の温度が高いときには、潤滑油が取り込まれやすいので、第1の潤滑油取込領域の流抵抗が高いとしても、潤滑油は良好に第1の潤滑油取込領域を通過できる。したがって、この場合にも、十分な量の潤滑油が供給されることになる。まとめると、本発明によれば、全体として、潤滑油中の気泡が除去されると共に潤滑油の供給量が常に十分な量に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施形態のオイルストレーナを備えた内燃機関の全体図である。
【図2】(A)は通常機関運転時における本発明の1つの実施形態のオイルストレーナの縦断面図であり、(B)は機関始動時における本発明の1つの実施形態のオイルストレーナの縦断面図である。
【符号の説明】
1…機関本体
4…吸気弁
6…排気弁
9…ピストン
12…オイルパン
13…オイルストレーナ
14…ストレーナ本体
15…ケーシング
16…スプリング
21…底部フィルタ
23…側部フィルタ
Claims (4)
- 内燃機関を潤滑するための潤滑油を潤滑油供給路に取り込むためのオイルストレーナにおいて、潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第1の潤滑油取込領域と、潤滑油を取り込むための複数の孔を備えた第2の潤滑油取込領域であって孔の平均の大きさが第1の潤滑油取込領域の孔の平均の大きさよりも大きく且つ潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗が第1の潤滑油取込領域から潤滑油を取り込むときの潤滑油に対する流抵抗よりも小さい第2の潤滑油取込領域と、潤滑油の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を許可し且つ潤滑油の温度が上記予め定められた温度よりも高いときには上記第2の潤滑油取込領域からの潤滑油の取込を禁止する潤滑油取込制御手段とを具備することを特徴とするオイルストレーナ。
- 上記潤滑油取込制御手段が温度に応じて物理的な形状が変化するものであることを特徴とする請求項1に記載のオイルストレーナ。
- 上記潤滑油取込制御手段が熱によって物理的な形状が変化するものであることを特徴とする請求項2に記載のオイルストレーナ。
- 上記潤滑油取込制御手段が形状記憶合金からなることを特徴とする請求項3に記載のオイルストレーナ。
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JP2003201223A JP2005042574A (ja) | 2003-07-24 | 2003-07-24 | 内燃機関のオイルストレーナ |
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CN110017193A (zh) * | 2018-01-10 | 2019-07-16 | 北汽福田汽车股份有限公司 | 机油收集器以及车辆 |
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- 2003-07-24 JP JP2003201223A patent/JP2005042574A/ja active Pending
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