JP2006189011A - 動弁系潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 動弁系の潤滑装置において、潤滑剤の使用量を低減し、且つ動弁系を安定に潤滑させる。
【解決手段】 動弁系潤滑装置500は、第1貯留部510における貯留空間512内に多孔質フィルタ520を有している。この多孔質フィルタ520は、潤滑油20を滴下するための滴下用孔513に近接し、この貯留空間512の底面を覆うように形成されており、潤滑油20を滴下直前まで濾過することが可能に構成されている。また、貯留空間512において、潤滑油20は多孔質フィルタ520に浸潤した状態で保持されるため、液面高の変化が生じにくい。更に、滴下用孔513を介さずに潤滑油20を第1貯留部510から第2貯留部530へと導くバイパス用流路部550によって、液面高は所望の値に制御される。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車用のエンジンなどの内燃機関において、例えばVVT(Variable Valve Timing)機構或いは可変動弁機構などの動弁系を潤滑させるための動弁系潤滑装置の技術分野に関する。
このような動弁系潤滑装置では、動弁系を含めた内燃機関の全体における潤滑を、一つのポンプで潤滑剤を潤滑させて行う形式のものがある。特に、動弁系に対して潤滑油を滴下することによって潤滑を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された技術(以下、「従来の技術」と称する)によれば、潤滑油流路において、カムと対応する位置にのみ給油口を設け、この給油口から潤滑油を滴下することにより、動弁系の効率的な潤滑が可能であるとされている。また、この潤滑油は、一旦動弁系の潤滑に使用された後、ポンプなどによって再び潤滑油流路に供給され循環利用されている。
尚、これとは別に、カムやバルブなど動弁系の潤滑経路と、ピストンやクランクシャフトなど往復回転系の潤滑経路とを相互に分割して形成することによって、動弁系を効率よく潤滑させることが可能であるとされる技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3508572号公報 特開平8−270428号公報
上述した潤滑油流路を流れる潤滑油には、潤滑の過程で経時的に様々な不純物、例えば、カムやカムシャフトの摺動部分において生じる金属粉やゴミなどが混入する。従来の技術では、給油口にこれら不純物が詰まり潤滑に支障をきたすことがある。それを解消するために、給油口の口径を拡大すると、滴下される潤滑油量が増加し、動弁系のフリクションロスの増加、及び潤滑油の無駄が発生して、結局効率的な潤滑が困難になる。更には、このような動弁系が一時的にしろ傾いて使用された場合、潤滑油流路内の潤滑油の液面高が部位に応じて変化するため、潤滑油の滴下量が動弁系の部位に応じて異なってしまう。即ち、従来の技術においては、潤滑油の使用量を低減しつつ動弁系を安定に潤滑させることが困難であるという技術的な課題がある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、潤滑剤の使用量を低減し、且つ動弁系を安定に潤滑させることが可能な動弁系潤滑装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る動弁系潤滑装置は、内燃機関において潤滑剤により動弁系の潤滑を行う動弁系潤滑装置であって、前記潤滑剤を貯留するための貯留空間を規定する壁部を有し、該壁部のうち前記動弁系の設置空間を隔てて前記動弁系と対面する底部に、複数の滴下用孔が開けられた第1貯留手段と、前記貯留空間に配置され、前記第1貯留手段に貯留される潤滑剤を内部に保持すると共に濾過して、前記滴下用孔へ供給する濾過部材と、該濾過部材から供給された後に前記滴下用孔から滴下された潤滑剤を、前記設置空間を介して貯留する第2貯留手段と、前記第2貯留手段に貯留された潤滑剤を前記貯留空間へ還流させる循環手段とを具備することを特徴とする。
本発明において「動弁系」とは、例えば、自動車のエンジンなどに代表される内燃機関において、燃焼室に対し燃料の吸入及び排出を行うための弁(バルブ)及び弁を駆動する系を総称する概念であり、例えば、吸入弁及び排出弁、カム及びカムシャフト、並びに、これらの摺動箇所に配される軸受などを指す。
また、本発明における「潤滑剤」とは、これら動弁系を潤滑させることが可能な限りにおいて如何なるものであってもよいが、好適には一般に潤滑油と称される油系材料が使用される。また、潤滑剤の粘度も、動弁系の潤滑を阻害しない範囲で自由に決定されてよい。
内燃機関においては、動弁系に連なって、例えば、シリンダ、ピストン、又はクランクシャフト等を含む往復回転系が配設される。係る往復回転系と動弁系とは、必要とされる潤滑剤の粘度が異なるが、例えば、本発明に係る動弁系潤滑装置が往復回転系の潤滑装置と別体に設けられる場合には、動弁系に最適化された潤滑剤を使用可能となって有利である。但し、本発明に係る動弁系潤滑装置は、潤滑対象に動弁系が含まれる限りにおいて、往復回転系など他の運動系の潤滑に使用されても構わない。いずれの場合であっても、本明細書中に述べる効果は担保される。
本発明の動弁系潤滑装置によれば、その動作時には、第1貯留手段の壁部によって規定される貯留空間に潤滑剤が貯留される。ここで、本発明における「第1貯留手段」とは、壁部によって係る貯留空間を規定し得る限りにおいて、その態様は何ら限定されない。例えば、タンク又は貯留槽などの箱体であってもよい。また、貯留空間とは、一部が開口した空間であってもよいし、密閉された空間であってもよい。また、この壁部を構成する材料は、金属材料であってもよいし、樹脂材料であってもよい。第1貯留手段は、係る壁部のうち底部が動弁系の設置空間を隔てて動弁系と対面するように配置されている。尚、「動弁系の設置空間」とは、動弁系の周囲空間であるが、狭義には、動弁系と係る底部との間に介在する空間を指す。
このように配置された第1貯留手段の底部には、複数の滴下用孔が開けられており、貯留空間に貯留される潤滑剤はこの孔を通じて動弁系に滴下される。尚、滴下用孔の形成位置は、動弁系に潤滑剤を滴下可能である限りにおいて、何ら限定されるものではないが、例えば、動弁系において潤滑剤を供給したい箇所(例えば、カムなど)の上部に相当する位置であれば比較的容易に潤滑剤の滴下が可能である。また、滴下用孔の形状は何ら限定されず、例えば、この底部における滴下用孔の周囲が、動弁系に向ってテーパ状に突出していており、その先端に係る孔が形成されていてもよい。
この滴下された潤滑剤は、動弁系の設置空間を介して動弁系における潤滑対象箇所に到達し、余剰な分は更に下方に落下するか、又は動弁系をつたって下方へ向かい、最終的に第2貯留手段によって貯留される。ここで、本発明に係る第2貯留手段とは、一般的に「オイルパン」と称される部材であってもよいし、それと置換し得るタンク様の部材であってもよい。この第2貯留手段に貯留される潤滑剤は、循環手段により第1貯留手段の貯留空間に還流され、再び動弁系の潤滑に使用される。
尚、本発明における循環手段とは、例えばエンジンの回転数に応じて回転数が変化する機械式のポンプ、又はエンジン全体を制御するECU(Engine Control Unit)などと電気的に接続された電子制御式のポンプなどのポンプ或いはそれと置換し得る装置、及びそれらと第1及び第2貯留手段に夫々繋がる潤滑剤の流路部などを含む概念である。尚、動弁系が必要とする潤滑剤の供給量は、他の系に比較して少なく、動弁系の潤滑が他の系と独立して行われる場合には、 ポンプを比較的小規模なものとすることも可能となる。
ここで特に、潤滑剤を上記した如く単に循環利用する場合、循環の過程で、例えばカムとカムシャフトとの摺動面で発生した不純物が潤滑剤に混入し、主として滴下用孔の目詰まり、及び滴下量のばらつきといった問題点が発生する。前者は、例えば、滴下用孔の孔径を大径化すれば回避し得るが、必然的に潤滑剤の浪費、及びフリクショロスの増加を招くので非現実的である。また、後者については潤滑剤の滴下が重力又は圧力といった自然的な物理量に支配される以上は避け難い問題である。また、電気的な制御、或いは機構的な制御によって、これら滴下量を制御しようとすると、機構の複雑化を招くので好ましくない。そこで、本発明に係る動弁系潤滑装置は、濾過部材を備えることによりこの問題点を解決している。
本発明に係る動弁系潤滑装置において、濾過部材は、貯留空間に配置され、潤滑剤を内部に保持すると共に濾過して、滴下用孔に供給することが可能に構成されている。ここで、「内部に保持する」とは、例えば、浸潤させたり、付着させたり、孔隙に貯留したりすることなどを指し、そのような濾過部材が何ら形成されない場合と比較して、潤滑剤の移動が幾らかなりとも制限される状態を指す概念である。従って、濾過部材とは、例えば、スポンジなどの多孔質部材、繊維状部材、又は粒体質部材などの各種態様を採る。
このように、濾過部材は、貯留空間に配置されている、即ち、ポンプなどの循環手段の前後に配置されるよりも滴下用孔に近接した部位に位置しているため、滴下用孔に流入する不純物を著しく低減することが可能となる。従って、滴下用孔の孔径を小さくすることが可能となり、潤滑剤の使用量を低減することが簡便にして可能となる。更には、このように、従来目詰まりに律束され、動弁系に必要以上の潤滑剤が供給されることによって生じていた動弁系のフリクションロスを著しく低減することも可能となるのである。
一方、この濾過部材は、上述した濾過機能の他に、前述したように、濾過部材全体として、ある程度の量の潤滑剤を、絶えず比較的移動を制約された状態で保持することが可能となっている。従って、第1貯留手段自体がある程度傾いた場合における、滴下用孔に供給される潤滑剤の量のばらつきが著しく軽減される。即ち、動弁系に対し、常に一定量、或いは一定とみなし得る安定した量の潤滑剤を供給することが可能となるのである。従って、極めて安定した動弁系の潤滑が可能となるのである。
本発明に係る動弁系潤滑装置の一の態様では、前記循環手段は、前記第2貯留手段に貯留された潤滑剤を、前記貯留空間のうち、前記濾過部材により前記滴下用孔から隔離された一次空間側へ還流させる。
この態様によれば、潤滑剤は、貯留手段のうち、濾過部材によって滴下用孔から隔離された一次空間側に還流する。従って、滴下用孔へ供給される潤滑剤は、濾過部材によって十分に濾過されることになり好適である。更には、滴下用孔への安定した潤滑剤の供給も可能となる。
本発明に係る動弁系潤滑装置の他の態様では、前記濾過部材は、前記貯留空間において前記滴下用孔を塞ぐように前記底部に少なくとも部分的に接するように配置されている。
この態様によれば、滴下用孔が濾過部材によって塞がれるので、滴下用孔に供給される潤滑剤を極めてクリアな状態に保つことが可能である。尚、ここで述べる「塞ぐように」とは、滴下用孔が完全に塞がれた状態に限らず、何ら滴下用孔が塞がれない場合と比較して、供給される潤滑剤の不純物濃度を幾らかなりとも低減し得る限りにおいて、滴下用孔の一部が塞がれた状態であってもよい。
本発明に係る動弁系潤滑装置の他の態様では、前記濾過部材は、前記第1貯留手段に貯留される潤滑剤を、多数の孔隙で保持すると共に濾過する多孔質部材を含んでなる。
この態様によれば、濾過部材が多孔質部材を含んでなるため、本発明に係る潤滑剤の濾過及び保持を比較的効果的に行うことが可能となる。
ここで、「多孔質部材」とは即ち、その径の大小によらず多数の孔が形成され、潤滑剤中の不純物をトラップして潤滑剤を濾過することが可能な部材を指し、その限りにおいて如何なる態様を有していてもよい。例えば、スポンジ、或いはそれに準じるものであってもよい。
また、多孔質部材中における個々の孔隙の孔径は、例えば予め用意される複数の多孔質部材の中から、適切な一を選択することにより、自由に変化させることが可能である。或いは、そのような適切な多孔質部材を要求に合わせて作製することも比較的に容易である。更には、動弁系において、必要とされる滴下量が部位に応じて異なる場合には、多孔質部材内において、部位に応じて孔径を変化させることによって、ある程度係る必要量に応じた滴下を実現することも可能である。
本発明に係る動弁系潤滑装置の一の態様では、前記貯留空間に貯留される前記潤滑剤の液面高を検出する液面高検出手段と、前記検出された液面高に基づいて、前記潤滑剤の液面高が所定値に維持されるように前記循環手段を制御する第1制御手段とを更に具備する。
本発明に係る動弁系潤滑装置において、動弁系への潤滑剤の供給は、滴下により行われる。従って、貯留空間内における液面高は滴下量に大きく影響する。無論、既に述べたように、濾過部材が潤滑剤を保持することにより、滴下量を制御することは可能であるが、この態様によれば、液面高検出手段によって液面高が検出可能であると共に、第1制御手段によって、液面高が所定値に維持されるように循環手段が制御されるため、極めて安定した動弁系の潤滑が可能となる。
尚、液面高検出手段とは、貯留空間内に貯留される潤滑剤の液面高を検出可能な限りにおいて、如何なる態様のものであってもよい。例えば、機械式、電気式、或いは化学式などの各種センサが使用されてもよい。また、このようにして検出された液面高に基づいて循環手段の制御を行う第1制御手段とは、例えば、ECUであってもよいし、ECUに上位制御される制御系であってもよい。また、液面高が所定値に維持されるように循環手段を制御するとは、例えば、液面高が所定値以上となった場合に、循環量を低減させたり、液面高が所定値以下となった場合に、循環量を増加させたりすることを指す。この場合、循環手段は、電子制御が可能なポンプを含んで好適である。
本発明に係る動弁系潤滑装置の他の態様では、一方の端部が、前記貯留空間の側面を規定する前記第1貯留手段の側部における、所望の液面高に相当する部位を介して前記貯留空間と連通し、他方の端部が前記第2貯留手段と連通することにより、前記所望の液面高を超えて貯留される前記潤滑剤を、前記滴下用孔を介さずに前記第2貯留手段へバイパスする管状の流路部を更に具備する。
この態様によれば、流路部により、所望の液面高を超えて貯留される潤滑剤は、滴下用孔を介することなく第2貯留手段に貯留される。従って、液面高を極めてシンプルな構成で制御することが可能となり、動弁系を安定して潤滑することが可能となる。
この態様において、前記所望の液面高は、前記濾過部材における前記底部と反対側に位置する表面高に設定されていてもよい。
このように流路部の形成位置が決定された場合、濾過部材の高さを超えて貯留される、換言すれば、濾過部材に保持されることなく貯留空間内に貯留される潤滑剤はほぼ無くなり、滴下用孔から滴下される潤滑剤の量が極めて安定する。
本発明に係る動弁系潤滑装置の他の態様では、前記貯留空間内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記検出された圧力に基づいて、前記貯留空間内の圧力が所定値に維持されるように前記循環手段を制御する第2制御手段を更に具備する。
例えば、貯留空間内の圧力は、貯留される潤滑剤量に応じて変化するから、係る圧力をモニタすることによっても、潤滑剤の滴下量を安定させることが可能である。この態様によれば、第2制御手段が、圧力検出手段によって検出された貯留空間内の圧力に基づいて、係る圧力が所定値に維持されるように循環手段を制御するので、潤滑剤を安定して滴下することが可能となる。
尚、圧力検出手段の態様は、貯留空間内の圧力を直接的或いは間接的に検出可能である限りにおいて、何ら限定されない。ここで、直接的な検出とは、例えば、公知の圧力計、圧力センサなどを介した検出であり、間接的な検出とは、例えば、予め貯留空間内における圧力との相関関係が判明している、又は推測可能である何らかの数値又は状態の検出を指す。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態により明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<実施形態の概要>
始めに、図1を参照して、本発明の実施形態に係る動弁系潤滑装置の概要について説明する。ここに、図1は、エンジン10の模式図である。
図1において、エンジン10は、動弁系100、往復回転系200、タイミングギア系300及びオイルパン400を備える。
動弁系100は、カムシャフト110、軸受120、カム130、及びバルブ140を備える。
カムシャフト110は、軸受120により回動自在に支持されたシャフトである。
カム130は、カムシャフト110に適度な間隔を隔てて複数固定された、バルブ140の開閉を制御するための部材である。カム130は、夫々、設定されるカムプロファイルに応じた楕円形状を有しており、カムシャフト110の回動に伴ってカムシャフト110と同一方向に回動することが可能である。
バルブ140は、後述するシリンダ210に対し、燃料(混合気)の吸入、及び燃焼済みガスの排気を制御するための制御弁である。バルブ140は、一のシリンダに対し夫々少なくとも一つ用意される吸気バルブ及び排気バルブからなるが、図1においては、説明の煩雑化を防ぐ目的から一個のバルブのみが示されている。バルブ140は図示せぬバルブスプリングによって、カム130の回動に伴い、図1における上下方向へ往復運動を行うことが可能に構成されている。
往復回転系200は、複数のシリンダ210、これらシリンダ210内に夫々備わったピストン220及びコンロッド230、並びにクランクシャフト240を備える。
シリンダ210は、燃料の燃焼させるための燃焼室211を有する筒状の部材であり、図1において横方向に複数並列して配置されている。
ピストン220は、シリンダ210内部壁面と、図1における上下方向へ摺動することが可能に配置され、燃焼室211の底面を規定する部材である。
コンロッド230は、ピストン220における燃焼室211と反対側の端部に連結された、ピストン220の往復運動をクランクシャフト240に伝達するための連結部材である。
クランクシャフト240は、不図示の軸受に回動自在に支持されており、各シリンダ210に設けられたコンロッド230各々が連結されている。クランクシャフト240は、ピストン220の往復運動を、コンロッド230を介して回転運動に変換するシャフトである。
タイミングギア系300は、タイミングギア310及びタイミングベルト320を備える。
タイミングギア310は、クランクシャフト240及びカムシャフト110に夫々固定されたギアである。
タイミングベルト320は、タイミングギア310に夫々噛合するように固定されており、クランクシャフト240の回転に伴う回転力をカムシャフト110に伝達するためのベルトである。
オイルパン400は、往復回転系200の下方に配置されると共に、往復回転系200と対面する側の一部が開口しており、往復回転系200を潤滑させるために供給された潤滑油を貯留することが可能に構成されている。
尚、動弁系100は、エンジン10におけるシリンダヘッド11内に配置されており、往復回転系200は、エンジン10におけるシリンダブロック12内に配置されている。
以上の構成の下、カムシャフト110の回動に伴ってカム130が回動し、カムプロファイルなどによって決定されるタイミングでバルブ140が開閉する。詳細には、楕円形状の長手部分に押圧されてバルブが閉じ、カム130の回転に伴って長手部分を通過すると、バルブスプリングの弾性力によりバルブ140が開くようになっている。係るバルブ140の開閉に伴い、燃焼室211では各工程(吸入、圧縮、爆発、及び排気)が行われ、この爆発力及び慣性力により、ピストン220が往復運動を行う。このピストン220の往復運動がコンロッド230を介してクランクシャフト240の回転運動に変換される。
このように、エンジン10には、摺動を伴う部位が多く且つその動作は精細なものとなっている。従って、動弁系100及び往復回転系200は絶えず潤滑されている必要がある。しかしながら、特に動弁系100においては、例えば、エンジン10の始動時にはごく少量の潤滑油しか必要とされない上、潤滑油の供給量が過多な場合には、カムシャフト110にフリクションロスが発生しやすい。フリクションロスはバルブ140の開閉性能に直結するから、動弁系100の潤滑は繊細に制御される必要がある。そこで、本実施形態に係るエンジン10では、動弁系100の潤滑が、本実施形態に係る動弁系潤滑装置によって単独に行われている。以下に、本実施形態に係る動弁系潤滑装置の詳細な構成について説明することとする。
尚、往復回転系200に対する潤滑は、動弁系100を潤滑させるための潤滑装置とは異なる潤滑装置により行われており、本実施形態における説明は省略することとする。簡略的には、シリンダ210上部に配設された潤滑油貯め部(図示略)から滴下される潤滑油によって潤滑が行われると共に、潤滑に使用された潤滑油は一旦オイルパン400に貯留された後、図示せぬポンプなどによって循環利用される。
<第1実施形態>
<第1実施形態の構成及び動作>
始めに、図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る動弁系潤滑装置500の構成を、その動作と共に説明する。ここに、図2は、図1と同方向から見たシリンダヘッド11及びその周囲の断面模式図である。尚、図2において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図2において、動弁系潤滑装置500は、シリンダヘッド11の内部及び周囲に、第1貯留部510、多孔質フィルタ520、第2貯留部530、循環系540、及びバイパス用流路部550を備えてなる。
第1貯留部510は、例えばアルミニウムなどの金属材料で構成された外壁511によって規定される空洞の箱体であり、本発明に係る「第1貯留手段」の一例である。第1貯留部510の内部空間は、本発明に係る「貯留空間」の一例たる貯留空間512となっている。
第1貯留部510の外壁511は、動弁系100と、動弁系100の設置空間を隔てて対面する底部511aを有しており、この底部511aにおける、複数のカム130と夫々対面する位置には、カム130と同個数の滴下用孔513が形成されている。この滴下用孔513は、第1貯留部510の底部に下方(即ち、カム130の方向)に向ってテーパ状に形成された突出部分の先端部分に、直径約0.5mm程度の孔径で形成されている。
多孔質フィルタ520は、スポンジ状の多孔質部材からなるフィルタであり、底部511aにおいて貯留空間512を規定する面部分のほぼ全域を覆うように敷き詰められている。また、多孔質フィルタ520は適度な厚みを有しており、従って、多孔質フィルタ520は、外壁511において、底部511aに連なる側部511bの一部も占有している。多孔質フィルタ520は、本発明に係る「濾過部材」の一例である。
多孔質フィルタ520には、動弁系100を潤滑させるための潤滑油20(即ち、本発明に係る「潤滑剤」の一例)が浸潤した状態で保持されている。この保持された潤滑油20は、重力に従って下方に進行し、滴下用孔513から夫々対応するカム130に滴下される。一方、この滴下される潤滑油20は、多孔質フィルタ520内を進行する過程で徐々に濾過される。従って、滴下される潤滑油20は、殆ど不純物が含まれない極めてクリアな潤滑油となっている。
第2貯留部530は、カムシャフト110の下方に配置され、上方(即ち、カムシャフト110の方向)が一部開口した箱体であり、本発明に係る「第2貯留手段」の一例である。第2貯留部530は、滴下用孔513を介して滴下され、カム130を含む動弁系100の潤滑に使用された潤滑油20を貯留する。
循環系540は、オイルポンプ541及び循環流路部542を備えた、本発明に係る「循環手段」の一例である。
オイルポンプ541は、機械式のポンプであり、第2貯留部530に貯留された潤滑油20を汲み上げ、第1貯留部510へ還流させることが可能に構成されている。
循環流路部542は、一方の端部が、第1貯留部510の側部511bにおける、比較的上方位置において貯留空間512と連通し、他方の端部は第2貯留部530に連通する管状部材である。循環流路部542には、途中オイルポンプ541が介在しており、オイルポンプ541によって還流される潤滑油20は、循環流路部542により貯留空間512における、多孔質フィルタ520の上部空間(即ち、本発明に係る「1次空間」の一例)内に案内されている。
尚、オイルポンプ541は、図2においては不図示のクランクシャフト240の回転と連動するように構成されており、エンジン10の回転数に応じて回転数が上昇し、第2貯留部530からの潤滑油20の汲み上げ量が増加する仕組みとなっている。
バイパス用流路部550は、一方の端部が、第1貯留部510の側部511bにおける、多孔質フィルタ520の上端面付近に相当する部位において貯留空間512と連通し、他方の端部が第2貯留部530と連通する管状部材であり、本発明に係る「流路部」の一例である。このバイパス用流路部550により、多孔質フィルタ520の、底部511aと反対側の表面高を超えて貯留される潤滑油20は、即座に第2貯留部530へ排出される。即ち、係る表面高が、本発明に係る「所望の液面高」となるように、バイパス用流路部550が形成されている。
動弁系潤滑装置500の構成及び動作は以上のようになっている。
<実施形態の作用及び効果>
次に、図3、図4及び図5を参照して、動弁系潤滑装置500における作用及び効果について説明する。ここに、図3は、動弁系潤滑装置500と、比較例に係る潤滑装置600との、潤滑油使用量の比較図である。図4は、動弁系潤滑装置500及び潤滑装置600の安定性を相互に比較する第1の図である。図5は、動弁系潤滑装置500及び潤滑装置600の安定性を相互に比較する第2の図である。尚、これらの図において、既に登場した各図面と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図3において、図3(a)には比較例に係る潤滑装置600が、また図3(b)には動弁系潤滑装置500が夫々示される。
図3(a)において、潤滑装置600は、(i)循環用流路部542においてオイルポンプ541と第1貯留部510との間にフィルタ部610を介在させ、(ii)多孔質フィルタ520を有さず、(iii)バイパス用流路部550を有さない点において、動弁系潤滑装置500と異なっている。
潤滑装置600が動弁系100を潤滑する過程において、フィルタ610が濾過することにより除去可能な不純物は、循環用流路部542に存在する不純物までであり、第1貯留部510内において発生する不純物は濾過対象外である。しかしながら、潤滑油20に混入する不純物は、例えば、カムシャフト110、軸受120、又はカム130などにおける摺動面で発生する金属粉や磨耗粉のみならず、第1貯留部510の貯留空間512内壁部分に付着したゴミなども含まれる。従って、フィルタ610を設けたとしても、その濾過性能は十分とは言い難く、貯留空間512内には、ある程度の不純物620が混入する。このように除去しきれない不純物620によって生じる滴下用孔513の目詰まりを回避するために、潤滑装置600における滴下用孔513の孔の孔径は、概ね1〜2mm程度となっている。このように、潤滑装置600から動弁系100に供給される潤滑油量は、目詰まり回避の目的に律束されるため、本来動弁系100が必要とする量よりも多くなり、非経済的となる。更には、過剰な量の潤滑油が供給されることにより、動弁系100におけるフリクションロスも大きくなり、エンジン10の性能劣化も招くことになる。
一方、図3(b)において、本実施形態に係る動弁系潤滑装置500は、多孔質フィルタ520が、貯留空間512の底面部分のほぼ全域を覆うように且つ適度な厚みを有した状態で敷き詰められており、十分な不純物濾過性能を有している(図3(b)参照)。即ち、多孔質フィルタ520は、滴下用孔513に極めて近接するように形成されることによって、濾過直後の極めてクリアな潤滑油を動弁系100に対し供給することが可能に構成されているのである。従って、滴下用孔513各々における孔の孔径は、0.5mm程度と、潤滑装置600と比較して著しく小さく設定することが出来、動弁系100に対し、本来動弁系100が必要とされる量のみを適切に供給することが可能となっている。即ち、潤滑装置600と比較して極めて経済的であり、エンジン10の性能劣化も低減される。
図4において、図4(a)には比較例に係る潤滑装置600が、また図4(b)には動弁系潤滑装置500が夫々示される。
図4(a)において、潤滑装置600では、エンジン10の回転数に応じて第2貯留部530から還流される潤滑油量が増加した際、滴下が追いつかずに貯留空間512内の液面高が徐々に増加することがある。この場合、液面高は、例えば図示する位置A、A、及びAの順に徐々に上昇する。一方、滴下用孔513から滴下される潤滑油20の量は、重力の影響によって、係る液面高に依存する。従って、潤滑装置600においては、エンジン10の回転数に応じて潤滑油20の滴下量が増加する。無論、エンジン10の回転数に応じて、動弁系100における各摺動面はより高速に摺動するから、ある程度の回転数領域までは、このように単調増加傾向を有してよいが、動弁系100が必要とする潤滑油量は、エンジン10の、ある回転数領域において飽和するため、この領域で潤滑装置600によって供給される潤滑油20の量は余剰となる。即ち、潤滑油20の滴下量が安定しない。
一方、図4(b)において、動弁系潤滑装置500は、バイパス用流路部550を有しており、エンジン10の回転数に応じて第2貯留部530から還流される潤滑油量が増加した際、エンジン10の高回転域において余分に供給される潤滑油20は、図示するバイパス流551となって、動弁系100に滴下されることなくダイレクトに第2貯留部530にバイパスされる。従って、エンジン10の回転数変化に対しても、常に適切な量を動弁系100に供給することが可能となっている。即ち、潤滑油20の滴下量が安定する。
尚、このバイパス用流路部550によって制御される液面高、換言すれば、バイパス用流路部550が形成される位置は、予め、経験的、実験的、或いはシミュレーションなどによって、最適な値(位置)に設定されていてもよい。
図5において、図5(a)には比較例に係る潤滑装置600が、また図5(b)には動弁系潤滑装置500が夫々示される。
図5(a)において、エンジン10が傾いて使用される場合(例えば、エンジン10を搭載する自動車が坂道を走行する場合)を考える。この場合、潤滑装置600の貯留空間512に貯留される潤滑油20の、底面からの液面高は一定ではなくなり、連続的に変化することになる。従って、滴下用孔513の各々について、潤滑油20の滴下量は異なってしまう。従って、潤滑装置600では、動弁系100を安定に潤滑することは困難である。
一方、図5(b)において、本実施形態に係る動弁系潤滑装置500では、エンジン10が傾いて使用された場合であっても、潤滑油20は、貯留空間512内に単に貯留されているのと異なり、多孔質フィルタ520に浸潤した状態で保持されているため、その移動が制限され、潤滑装置600において生じた如き液面高の変化は生じないか、或いは著しく低減される。即ち、動弁系100に潤滑油20を安定に供給することが可能となっている。
このように、動弁系潤滑装置500は、潤滑装置600と比較して明らかに潤滑剤の使用量を低減し、且つ動弁系を安定に潤滑させることが可能となっているのである。
尚、本実施形態において、多孔質フィルタ520は、貯留空間512の底面のほぼ全域を覆うように配設されているが、上述した効果を担保可能な限りにおいて、多孔質フィルタ520の形状及び厚みは何ら限定されない。
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、第1貯留部510に対してバイパス用流路部550を設けることによって、貯留空間512内の液面高が制御されているが、潤滑油20の液面高を制御する態様はこれに限定されない。このような本発明の第2実施形態に係る動弁系潤滑装置700について、図6を参照して説明する。ここに、図6は、シリンダヘッド11及びその周囲の断面模式図である。尚、図6において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明及び一部図示を省略する。
図6において、動弁系潤滑装置700は、(i)バイパス用流路部550を有さず、(ii)オイルポンプ541の代わりにオイルポンプ710を有し、(iii)オイルポンプ710を制御する制御部720を有し、(iv)液面高検出センサ730を有する点において動弁系潤滑装置500と相違している。
オイルポンプ710は、オイルポンプ541と異なり、電子制御式のポンプである。このオイルポンプ710は、制御部720によって潤滑油の汲み上げ量(即ち、回転量)が制御可能に構成されている。尚、エンジン回転数に対し必要とされる滴下量が飽和しない領域においては、オイルポンプ710は、オイルポンプ541と同様、エンジン10の回転数に連動して回転数が上昇するように、制御部720によって制御されている。
制御部720は、オイルポンプ710を制御するコントロールユニットであり、エンジン10を制御する不図示のECUによって上位制御される、本発明に係る「第1制御手段」の一例である。尚、制御部720は、ECUそのものであってもよい。
液面高検出センサ730は、貯留空間512の側面に設置されており、潤滑油20が接触した場合に、所定の検出信号を制御部720に出力することが可能に構成されている。液面高検出センサ730は、本発明に係る「液面高検出手段」の一例である。
以上の構成を有する動弁系潤滑装置700の動作時には、エンジン10の回転数に対して、必要とされる滴下量が飽和する領域では、液面高検出センサ730から制御部720に検出信号が出力される。この検出信号を取得した制御部720は、オイルポンプ710の回転を停止させるか、或いは回転数を減少させ、貯留空間512内の液面高を制御する。このように、液面高検出センサ730を使用することによっても、第1実施形態と同様に動弁系100の安定した潤滑が可能である。
尚、第2実施形態において、液面高検出センサ730は、単に、所望の液面高に潤滑油20が到達したことのみを検出するのみならず、液面高の物理的な数値を一定のタイミング毎に検出して制御部720に供給可能なセンサであってもよい。制御部720は、このように一定のタイミング毎に取得される信号に基づいて、積極的に液面高を制御してもよい。また、第2実施形態に係る作用を担保可能な限りにおいて、液面高検出センサ730の態様は限定されない。
<第3実施形態>
上述の第1及び第2実施形態においては、貯留空間内の液面高を検出することによって、潤滑油の滴下量の安定化が図られているが、エンジン10の回転数に対して滴下量を安定化するための構成は、これに限定されない。このような本発明の第3実施形態に係る動弁系潤滑装置800について、図7を参照して説明する。ここに、図7は、シリンダヘッド11及びその周囲の断面模式図である。尚、図7において、図2又は図6と重複する箇所には同一の符号を付してその説明及び一部図示を省略する。
図7において、動弁系潤滑装置800は、(i)液面高検出センサ730を有さず、(ii)圧力検出センサ810を有し、(iii)制御部720の代わりに制御部820を有する点において動弁系潤滑装置700と相違している。
圧力検出センサ810は、貯留空間512の上面を規定する面部分に設置された、貯留空間512内の圧力を検出するセンサであり、係る圧力が所定値に達した場合に、所定の検出信号を制御部820に出力することが可能に構成されている。ここで、貯留空間512内の圧力は、貯留空間512内における潤滑油20の液面高と対応付けられており、「圧力の所定値」とは、エンジン10の回転数に対し、動弁系100に必要とされる潤滑油量が飽和する液面高と対応する値に設定されている。尚、圧力検出センサ810は、本発明に係る「圧力検出手段」の一例である。
制御部820は、オイルポンプ710を制御するコントロールユニットであり、エンジン10を制御する不図示のECUによって上位制御される、本発明に係る「第2制御手段」の一例である。尚、制御部820は、ECUそのものであってもよい。
以上の構成を有する動弁系潤滑装置800の動作時には、エンジン10の回転数に対して、必要とされる滴下量が飽和する領域では、圧力検出センサ810から制御部820に検出信号が出力される。この検出信号を取得した制御部820は、オイルポンプ710の回転を停止させるか、或いは回転数を減少させ、貯留空間512内の圧力を制御する。この圧力の制御に伴って、貯留空間512内の液面高は所望の値に制御される。このように、圧力検出センサ810を使用することによっても、第1実施形態と同様に動弁系100の安定した潤滑が可能である。
尚、第2実施形態において、圧力検出センサ810は、単に、貯留空間512内の圧力が所望の値に到達したことのみを検出するのみならず、圧力値の物理的な数値を一定のタイミング毎に検出して制御部820に供給することが可能なセンサであってもよい。制御部820は、このように一定のタイミング毎に取得される信号に基づいて、積極的に液面高を制御してもよい。また、第3実施形態に係る作用を担保可能な限りにおいて、圧力検出センサ810の態様は限定されない。
更に、ここでは、貯留空間512内の圧力を潤滑油20の液面高と対応付けることによって制御が行われているが、滴下用孔513から滴下される潤滑油20の滴下量と係る圧力値との関係が、予め経験的に、実験的に、或いはシミュレーションなどにより判明している、又は推定可能である場合には、そのような関係に基づいて、滴下量の制御が行われてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う動弁系潤滑装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の各実施形態に係るエンジンの模式図である。 図1のエンジンにおいて、本発明の第1実施形態に係る動弁系潤滑装置を含むシリンダヘッド及びその周囲の断面模式図である。 図2の動弁系潤滑装置と比較例に係る潤滑装置との、潤滑油使用量の比較図である。 図2の動弁系潤滑装置及び比較例に係る潤滑装置の安定性を相互に比較する第1の図である。 図2の動弁系潤滑装置及び比較例に係る潤滑装置の安定性を相互に比較する第2の図である。 図1のエンジンにおける、本発明の第2実施形態に係る動弁系潤滑装置を含むシリンダヘッド及びその周囲の断面模式図である。 図1のエンジンにおける、本発明の第3実施形態に係る動弁系潤滑装置を含むシリンダヘッド及びその周囲の断面模式図である。
符号の説明
10…エンジン、20…潤滑油、100…動弁系、110…カムシャフト、120…軸受、130…カム、140…バルブ、200…往復回転系、300…タイミングギア系、400…オイルパン、500…動弁系潤滑装置、510…第1貯留部、511…外壁、512…貯留空間、513…滴下用孔、520…多孔質フィルタ、530…第2貯留部、540…循環系、541…オイルポンプ、542…循環用流路部、550…バイパス用流路部、600…潤滑装置、610…フィルタ、700…動弁系潤滑装置、710…オイルポンプ、720…制御部、730…液面高検出センサ、800…動弁系潤滑装置、810…圧力検出センサ、820…制御部。

Claims (8)

  1. 内燃機関において潤滑剤により動弁系の潤滑を行う動弁系潤滑装置であって、
    前記潤滑剤を貯留するための貯留空間を規定する壁部を有し、該壁部のうち前記動弁系の設置空間を隔てて前記動弁系と対面する底部に、複数の滴下用孔が開けられた第1貯留手段と、
    前記貯留空間に配置され、前記第1貯留手段に貯留される潤滑剤を内部に保持すると共に濾過して、前記滴下用孔へ供給する濾過部材と、
    該濾過部材から供給された後に前記滴下用孔から滴下された潤滑剤を、前記設置空間を介して貯留する第2貯留手段と、
    前記第2貯留手段に貯留された潤滑剤を前記貯留空間へ還流させる循環手段と
    を具備することを特徴とする動弁系潤滑装置。
  2. 前記循環手段は、前記第2貯留手段に貯留された潤滑剤を、前記貯留空間のうち、前記濾過部材により前記滴下用孔から隔離された一次空間側へ還流させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の動弁系潤滑装置。
  3. 前記濾過部材は、前記貯留空間において前記滴下用孔を塞ぐように前記底部に少なくとも部分的に接するように配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の動弁系潤滑装置。
  4. 前記濾過部材は、前記第1貯留手段に貯留される潤滑剤を、多数の孔隙で保持すると共に濾過する多孔質部材を含んでなる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の動弁系潤滑装置。
  5. 前記貯留空間に貯留される前記潤滑剤の液面高を検出する液面高検出手段と、
    前記検出された液面高に基づいて、前記潤滑剤の液面高が所定値に維持されるように前記循環手段を制御する第1制御手段と
    を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の動弁系潤滑装置。
  6. 一方の端部が、前記貯留空間の側面を規定する前記第1貯留手段の側部における、所望の液面高に相当する部位を介して前記貯留空間と連通し、他方の端部が前記第2貯留手段と連通することにより、前記所望の液面高を超えて貯留される前記潤滑剤を、前記滴下用孔を介さずに前記第2貯留手段へバイパスする管状の流路部を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の動弁系潤滑装置。
  7. 前記所望の液面高は、前記濾過部材における前記底部と反対側に位置する表面高に設定されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の動弁系潤滑装置。
  8. 前記貯留空間内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記検出された圧力に基づいて、前記貯留空間内の圧力が所定値に維持されるように前記循環手段を制御する第2制御手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の動弁系潤滑装置。
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