JP5824394B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射装置の燃料噴射ポンプに関し、より詳細にはコントロールラックの凍結防止の技術に関する。
従来、ポンプヘッドとポンプポンプハウジングとから形成されるラック室にコントロールラックが配置されたエンジンの燃料噴射ポンプが公知となっている。コントロールラックを操作することにより、燃料噴射ポンプがエンジンに供給する燃料の量を調整することができる。このような燃料噴射ポンプにおいて、常温状態のエンジンを始動する際に供給する燃料の量よりも低温状態のエンジンを始動する際に供給する燃料の量を増加させて、エンジンの始動性を向上させるものがある。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の燃料噴射ポンプは、エンジンの温度常態に応じてコントロールラックを移動させているリンクのストッパー位置を切り替える。これにより、コントロールラックの移動量を変更させてエンジンの始動性を向上させる。しかし、エンジンから侵入したブローバイガスに含まれる水分が凝縮してコントロールラックに付着している場合、コントロールラックの周囲の温度が氷点よりも下回ると水分がコントロールラック上で凍結する。この結果、コントロールラックが氷滴により動かなくなりエンジンに燃料が供給できなくなる可能性があった。
特開平8−128335号公報
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、コントロールラックに水分が付着し、当該水分が凍結することによるエンジンの始動不良を防止する燃料噴射ポンプの提供を目的とする。
即ち、請求項1においては、ポンプハウジングに燃料噴射量を調整するコントロールラックが配置され、前記ポンプハウジング内の潤滑油の油面を調整する油戻し孔が前記ポンプハウジングとエンジンのギヤケースとを連通するように形成される燃料噴射ポンプであって、前記ポンプハウジングには、前記油戻し孔を出口として前記油面よりも下に入口が配置される油戻し通路が形成されるものである。
請求項2においては、前記ポンプハウジングには、空気ポンプが接続されるとともに、空気排出孔が形成され、前記ポンプハウジング内に外気が供給されるものである。
請求項3においては、前記空気ポンプは、エンジンの始動時にエンジンの冷却水温度が所定温度以下の場合、外気の供給を行うものである。
請求項4においては、ポンプハウジングに燃料噴射量を調整するコントロールラックが配置され、前記ポンプハウジング内の潤滑油の油面を調整する油戻し孔が前記ポンプハウジングとエンジンのギヤケースとを連通するように形成される燃料噴射ポンプであって、前記ポンプハウジングには、空気ポンプが接続され、前記ポンプハウジング内に外気が供給され、前記空気ポンプは、エンジンの始動時にエンジンの冷却水温度が所定温度以下の場合、外気の供給を行うものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、請求項1に係る発明によれば、エンジンのギヤケースから水分を含んだブローバイガスが油戻し孔を介してポンプハウジング内に侵入することがない。これにより、コントロールラックに水分が付着し、当該水分が凍結することによるエンジンの始動不良を防止する。
請求項2に係る発明によれば、外気の供給により、水分を含んだブローバイガスをポンプハウジングから排出するとともに、ポンプハウジング内に侵入することがない。これにより、コントロールラックに水分が付着し、当該水分が凍結することによるエンジンの始動不良を防止する。
請求項3に係る発明によれば、コントロールラックが凍結する可能性がある場合にブローバイガスがポンプハウジング内から排出される。これにより、コントロールラックに水分が付着し、当該水分が凍結することによるエンジンの始動不良を防止する。
請求項4に係る発明によれば、外気の供給により、水分を含んだブローバイガスをポンプハウジングから排出するとともに、ポンプハウジング内への侵入を防止することができる。また、コントロールラックが凍結する可能性がある場合にブローバイガスがポンプハウジング内から排出される。これにより、コントロールラックに水分が付着し、当該水分が凍結することによるエンジンの始動不良を防止する。
本発明に係る燃料噴射ポンプの第一実施形態における構成を示した一側面断面図。 本発明に係る燃料噴射ポンプの第一実施形態における構成を示した他側面断面図。 (a)本発明に係る燃料噴射ポンプの第一実施形態における油戻し孔を示す部分拡大断面図(b)同じく部分拡大斜視図。 本発明に係るディーゼルエンジンと燃料噴射ポンプにおける潤滑油の供給経路を示すブロック図。 本発明に係る燃料噴射ポンプの第一実施形態における他の実施形態の構成を示した他側面断面図。 本発明に係る燃料噴射ポンプの第二実施形態における構成を示した他側面断面図。 本発明に係る燃料噴射ポンプの第二実施形態における制御構成を示すブロック図。 本発明に係る燃料噴射ポンプの第二実施形態における制御態様を表すフローチャートを示す図。
以下では、本発明に係る燃料噴射ポンプにおける第一実施形態である燃料噴射ポンプ1の構成について図1から図3を用いて説明する。なお、本発明には、各実施形態に示す構成を相互に組み合わせた構成も含まれる。
燃料噴射ポンプ1は、燃料をディーゼルエンジン40(図4参照)の図示しない燃料噴射ノズルに供給するものである。本実施形態の燃料噴射ポンプ1は、ディーゼルエンジン40の各気筒に燃料を分配して供給する、いわゆる分配型の燃料噴射ポンプ1である。図1および図2に示すように、燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2とポンプヘッド3とから構成される。
ポンプハウジング2は、燃料噴射ポンプ1の下半部を成す構造体である。ポンプハウジング2の上面には、略直方体形状に下方に凹んだ窪みが形成される。ポンプハウジング2の下部には、カム室4が形成される。カム室4は、後述のカム軸6が配置されるとともにポンプハウジング2の内部を潤滑した潤滑油が貯留可能に構成される。ポンプハウジング2には、ガバナ装置24を取り付けるためのガバナフランジ2aがポンプハウジング2と一体的に形成される。ポンプハウジング2には、カム軸6、タペット8、伝達軸11等が組み付けられるとともに、カム室4に油戻し孔10が形成される。
ポンプヘッド3は、燃料噴射ポンプ1の上半部を成す構造体である。ポンプヘッド3はポンプハウジング2の上に固定される。ポンプハウジング2の上面のうち前記窪みを形成している部分と、ポンプヘッド3の下面と、によって取り囲まれる空間は、ラック室5を成している。ラック室5はカム室4の上方に配置される。ポンプヘッド3には、プランジャ12、プランジャバレル13、スプリング14、分配軸15、スリーブ17、および調量機構18(図2参照)等が組み付けられる。
カム軸6はカム室4に水平に架け渡される長い略円柱形状の部材である。カム軸6は、ベアリング等を介してポンプハウジング2に回転可能に支持される。カム軸6の途中部には、後述のプランジャ12を駆動させるカム6aが固定される。カム軸6の一側端部はガバナフランジ2aよりも突出している。カム軸6の他側端部にはカムギヤ7が固定される。カムギヤ7はディーゼルエンジン40のギヤケース43の内部の図示しない各種ギヤと連動連結される。これにより、カム軸6は、ディーゼルエンジン40の図示しないクランク軸の回転動力がギヤケース43に収容される各種ギヤを介して伝達される。
タペット8は下端部を閉塞した略円筒形状の部材である。タペット8は、ポンプハウジング2に形成されたタペット孔2bに摺動可能に嵌装される。タペット孔2bは、カム室4とラック室5とを上下方向に連通するように形成された孔であり、タペット8により概ね塞がれている。タペット8は、その軸線方向がカム軸6に垂直な方向となるように、カム軸6の上方に配置される。タペット8の下端部には、ローラ9がカム6a上を転動可能に設けられる。
伝達軸11は、ポンプハウジング2に支持される略円柱形状の部材である。伝達軸11はその軸線方向がカム軸6に垂直な方向となるように、カム軸6の上方に配置される。伝達軸11はポンプハウジング2に形成された伝達軸孔2cに回転可能に嵌装される。伝達軸孔2cはカム室4とラック室5とを上下方向に連通するように形成された孔であり、伝達軸11により概ね塞がれている。伝達軸11は、ベベルギヤ6b・6cを介してカム軸6と連動連結される。
図1から図3に示すように、油戻し孔10は、潤滑油をギヤケース43に排出する。油戻し孔10は、ポンプハウジング2のカム室4とディーゼルエンジン40のギヤケース43とを連通するように形成される。油戻し孔10は、カム室4の底部から所定の高さに形成される。従って、カム室4に貯留される潤滑油は、その油面が油戻し孔10に達すると油戻し孔10を介してカム室4からギヤケース43に排出される。
油戻し孔10のカム室4側は、カム室4の内壁(ポンプハウジング2のカム室4側の壁面)に形成される隔壁2eによって覆われている。隔壁2eは、油戻し孔10よりもカム室4の底部に近接する位置が開放されている。つまり、油戻し孔10のカム室4側には、隔壁2eによって油戻し孔10を出口とする油戻し通路10aが形成される。また、隔壁2eが開放されて形成される油戻し通路10aの入口は、潤滑油の油面が油戻し孔10に達したときにその油面よりも下になるように構成される。なお、本実施形態において、油戻し通路10aは、ポンプハウジング2に形成される隔壁2eによって構成されるが、これに限定されるものではない。例えば、油戻し孔10にパイプを接続して構成してもよい。
図1および図2に示すように、プランジャ12は、燃料を加圧するものである、プランジャ12は、略円柱形状の部材であり、ポンプヘッド3に固定されたプランジャバレル13に嵌装される。プランジャ12の上面とプランジャバレル13の内周面とで取り囲まれる空間は加圧室13aを構成している。プランジャ12は、その軸線方向がカム軸6に垂直な方向となるようにカム6aの上方に配置される。プランジャ12はプランジャバレル13の内周面に沿って軸線方向に摺動可能、かつ、周方向に回転可能に構成される。
プランジャ12の下端部には、タペット8が係止される。さらに、プランジャ12の下端部には、圧縮コイルバネであるスプリング14が嵌装される。スプリング14の上端部はバネ受け16を介してポンプヘッド3に当接され、スプリング14の下端部はタペット8底部に当接される。これにより、タペット8は、スプリング14の付勢力により下方に付勢され、ローラ9を介してカム6aに常に当接される。
分配軸15はポンプヘッド3に支持される略円柱形状の部材である。分配軸15はポンプヘッド3に固定されたスリーブ17に回転可能に嵌装される。分配軸15は、その軸線方向がカム軸6に垂直な方向となるように伝達軸11の上方に配置される。分配軸15は、伝達軸11と連動連結される。
図2に示すように、調量機構18は、燃料噴射ポンプ1からディーゼルエンジン40の各気筒に供給する燃料の量を調整するための機構である。調量機構18は、ラックガイド19、コントロールラック20、コントロールスリーブ21を具備する。
ラックガイド19は、コントロールラック20を支持する部材である。本実施形態のラックガイド19は、ラック室5の内部であるポンプヘッド3の下面に固定される。ラックガイド19には、コントロールラック20を貫装するための貫装孔が形成される。
コントロールラック20は棒状の部材である。コントロールラック20はラックガイド19の貫装孔に貫装される。コントロールラック20はラックガイド19の貫装孔内を摺動可能である。コントロールラック20の一側端部はコントロールスリーブ21に接続され、コントロールラック20の中途部はピン等を介して後述するガバナ装置24のリンク30に接続される。
コントロールスリーブ21は略円筒形状の部材である。コントロールスリーブ21は、プランジャ12とバネ受け16との間に挟まれた状態でプランジャ12に嵌装される。コントロールスリーブ21は、バネ受け16の内周面に沿って周方向に回転可能である。このときプランジャ12は、コントロールスリーブ21の回転にともなってコントロールスリーブ21と一体的に回転する。
次に、燃料噴射ポンプ1に取り付けられるガバナ装置24について、図1および図2を参照して説明する。
ガバナ装置24は調量機構18を作動させるための装置である。ガバナ装置24は、支持部材25、複数の遠心錘26・26・・・、スライド体27、ガバナアーム28、リンク30および、ガバナハウジング29等を備える。これらの部材を収容したガバナハウジング29がボルト等を用いてガバナフランジ2aに取り付けられる。
支持部材25は、遠心錘26・26・・を支持する部材である。支持部材25は、カム軸6上のガバナフランジ2aの内側となる位置に固定される。支持部材25はカム軸6の回転にともなってカム軸6と一体的に回転する。支持部材25には、複数の遠心錘26・26・・が支持される。
遠心錘26・26・・は、スライド体27を摺動させる錘である。複数の遠心錘26・26・・は、その一端がカム軸6の軸心から離間可能に支持部材25に支持される。複数の遠心錘26・26・・の他端は、カム軸6の先端部に嵌装されるスライド体27の一端に当接される。スライド体27は、遠心錘26・26・・の一端がカム軸6から離間する方向に移動すると、遠心錘26・26・・の他端によって軸方向に押し出される。
スライド体27は、ガバナアーム28を押し出す部材である。スライド体27は、ガバナハウジング29に回転自在に支持されるガバナアーム28の一側に当接される。ガバナアーム28の他側には、リンク30が接続される。リンク30は、ガバナフランジ2aに形成されたガバナ連通孔2dを介してコントロールラック20に接続される。
以下では、このように構成される燃料噴射ポンプ1の動作態様について説明する。
カム軸6が回転すると、カム6aに当接しているタペット8がタペット孔2b内を上下方向に往復運動する。これにともなって、プランジャ12がプランジャバレル13内を上下方向に往復運動する。これにより、燃料は、加圧室13a内に吸入および加圧された後に分配軸15に供給される。
分配軸15は、カム軸6が回転することにより、ベベルギヤ6b・6cおよび伝達軸11を介して回転する。分配軸15に供給された燃料は、分配軸15の回転によりデリバリバルブ31に供給される。デリバリバルブ31に供給された燃料は図示しない噴射管を通って各気筒の燃料噴射ノズルから噴射される。
ガバナ装置24において、カム軸6と一体的に回転する遠心錘26・26・・は、発生する遠心力の大きさに応じてスライド体27を移動させる。スライド体27の移動によってガバナアーム28が支持軸回りに回転される。ガバナアーム28の回転によってリンク30が移動される。リンク30の移動によってコントロールラック20がラックガイド19の貫装孔内を移動される。コントロールラック20の移動によってコントロールスリーブ21およびプランジャ12が周方向に回転される。これにより、燃料噴射ポンプ1から各気筒に供給する燃料の量を調整することを可能としている。
次に、潤滑油の循環について、図3および図4を参照して説明する。
図4に示すように、ディーゼルエンジン40および燃料噴射ポンプ1の潤滑油は、オイルパン41に貯留される。オイルパン41に貯留されている潤滑油は、潤滑油ポンプ42によって吸い上げられ、図示しないオイルフィルタ等を介してディーゼルエンジン40に供給される。ディーゼルエンジン40に供給された潤滑油は、ディーゼルエンジン40に形成される図示しない油路を介してディーゼルエンジン40の各部に供給される。ディーゼルエンジン40の各部を潤滑した潤滑油は、オイルパン41に戻される。
また、ディーゼルエンジン40に供給された潤滑油の一部は、燃料噴射ポンプ1に供給される。燃料噴射ポンプ1に供給された潤滑油は、ポンプハウジング2の内部にある調量機構18やカム軸6を潤滑した後にカム室4に貯留される。カム室4に貯留された潤滑油は、その油面が油戻し孔10に達すると、油戻し孔10からディーゼルエンジン40のギヤケース43に排出される。ギヤケース43に排出された潤滑油は、オイルパン41に戻される。
図3に示すように、燃料噴射ポンプ1から排出される潤滑油は、油戻し通路10aを介して油戻し孔10から排出される(図3(a)(b)淡色矢印参照)。油戻し通路10aの入口(カム室4側)は、潤滑油の油面よりも下に配置されている。従って、油戻し通路10aの内部は、潤滑油の油面よりも下の部分が潤滑油によって満たされている。このため、ギヤケース43の内部に存在するブローバイガスが油戻し孔10を通じてポンプハウジング2の内部に侵入することを防止できる(図3(b)濃色矢印参照)。つまり、燃料噴射ポンプ1のラック室5の温度がブローバイガスの露点温度以下になっても、ラック室5の内部に配置されるコントロールラック20に水分が付着することがない。同時に、ラック室5の温度が氷点下になっても、コントロールラック20の凍結によるエンジンの始動不良が発生することがない。
以上が本実施形態に係る燃料噴射ポンプ1の動作態様についての説明である。なお、本発明の技術的思想は、上述したディーゼルエンジン40および燃料噴射ポンプ1への適用に限るものではなく、その他の構成のエンジンおよび燃料噴射ポンプ1に適用することが可能である。
以上の如く、本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2に燃料噴射量を調整するコントロールラック20が配置され、ポンプハウジング2内の潤滑油の油面を調整する油戻し孔10がポンプハウジング2とエンジンのギヤケース43とを連通するように形成されるエンジンであるディーゼルエンジン40の燃料噴射ポンプ1であって、ポンプハウジング2には、油戻し孔10を出口として油面よりも下に入口が配置される油戻し通路10aが形成されるものである。このように構成することにより、ディーゼルエンジン40のギヤケース43から水分を含んだブローバイガスが油戻し孔10を介してポンプハウジング2内に侵入することがない。これにより、コントロールラック20に水分が付着し、当該水分が凍結することによるディーゼルエンジン40の始動不良を防止する。
加えて、図4および図5に示すように、本実施形態の別実施形態として、更にディーゼルエンジン40により駆動されるエアコンプレッサー(空気ポンプ44)を具備する場合がある。
空気ポンプ44は、外気を圧縮し燃料噴射ポンプ1の内部に供給する。空気ポンプ44の吐出ポートには、ホース等を介してノズル44aと接続され、ノズル44aは燃料噴射ポンプ1またはガバナ装置24に挿入され、その内部空間に空気を吐出可能とされる。ポンプハウジング2には、空気ポンプ44によって供給された空気を排出する空気排出孔2fが形成される。空気排出孔2fは、ポンプハウジング2の油戻し孔10の径よりも小さい径になるように形成される。
空気ポンプ44によって燃料噴射ポンプ1の内部に外気が供給されると(図5白塗矢印参照)、燃料噴射ポンプ1の内部の気圧が上昇して燃料噴射ポンプ1の外部の気圧(大気圧)よりも高くなる。カム室4の油戻し通路10aの入口が潤滑油の油面よりも下にある場合、燃料噴射ポンプ1の内部の空気は、空気排出孔2fから燃料噴射ポンプ1の外部に排出される。カム室4の油戻し通路10aの入口が潤滑油の油面よりも上にある場合、燃料噴射ポンプ1の内部の空気は、空気排出孔2fから燃料噴射ポンプ1の外部に排出されるとともに、油戻し孔10からディーゼルエンジン40のギヤケース43に排出される。これにより、ギヤケース43の内部に存在するブローバイガスが燃料噴射ポンプ1(ポンプハウジング2)の内部に侵入することがない。
また、空気排出孔2fの径は油戻し孔10の径よりも小さいので、空気排出孔2fから排出される外気の排出抵抗は、油戻し孔10から排出される外気の排出抵抗よりも大きい。すなわち、油戻し孔10から排出される空気の量は、空気排出孔2fから排出される空気の量よりも多い。これにより、燃料噴射ポンプ1の内部の空気が空気排出孔2fから排出されてもギヤケース43の内部に存在するブローバイガスが燃料噴射ポンプ1(ポンプハウジング2)の内部に侵入することがない。つまり、燃料噴射ポンプ1のラック室5の温度がブローバイガスの露点温度以下になっても、ラック室5の内部に配置されるコントロールラック20に水分が付着することがない。同時に、ラック室5の温度が氷点下になっても、コントロールラック20の凍結によるエンジンの始動不良が発生することがない。
以上の如く、本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2には、空気ポンプ44が接続されるとともに、空気排出孔2fが形成され、ポンプハウジング2内に外気が供給されるものである。このように構成することにより、外気の供給により、水分を含んだブローバイガスをポンプハウジング2から排出するとともに、ポンプハウジング2内に侵入することがない。これにより、コントロールラック20に水分が付着し、当該水分が凍結することによるディーゼルエンジン40の始動不良を防止する。
以下では、図4、および図6から図8を用いて、本発明に係る燃料噴射ポンプにおける第二実施形態である燃料噴射ポンプ50について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図4に示すように、燃料噴射ポンプ50またはガバナ装置24には、空気ポンプ44が接続される。空気ポンプ44は、外気を燃料噴射ポンプ50の内部に供給する。図6に示すように、空気ポンプ44は、燃料噴射ポンプ50またはガバナ装置24にノズル44aを介して接続される。
図6に示すように、ポンプハウジング2は、燃料噴射ポンプ1の下半部を成す構造体である。ポンプハウジング2の下部には、カム室4が形成される。ポンプハウジング2には、カム室4に油戻し孔51が形成される。空気ポンプ44は、外気を燃料噴射ポンプ50の内部に供給する。
油戻し孔51は、潤滑油をギヤケース43(図4参照)に排出する。油戻し孔51は、ポンプハウジング2のカム室4とディーゼルエンジン40のギヤケース43とを連通するように形成される。油戻し孔51は、カム室4の底部から所定の高さに形成される。従って、カム室4に貯留される潤滑油は、その油面が油戻し孔51に達すると油戻し孔51を介してカム室4からギヤケース43に排出される。
図7に示すように、制御装置23は、空気ポンプ44(または、空気ポンプ44の吐出部とノズル44aの間に接続される電磁切換バルブ)の制御を行う。制御装置23は、空気ポンプ44の制御を行うための種々のプログラムやデータが格納される。制御装置23は、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。
制御装置23は、ディーゼルエンジン40の各種装置やセンサーに接続される。具体的には、制御装置23は、ディーゼルエンジン40の冷却水の温度を検出する冷却水温度センサー45に接続され、冷却水温度センサー45が検出する冷却水の温度信号を取得することができる。また、制御装置23は、ディーゼルエンジン40の電源スイッチ46に接続され、電源スイッチ46の入り信号を取得することができる。制御装置23は、空気ポンプ44に接続され、空気ポンプ44の入り切り制御することができる。
空気ポンプ44によって燃料噴射ポンプ50の内部に外気が供給されると(図6白塗矢印参照)、燃料噴射ポンプ50の内部の気圧が上昇して燃料噴射ポンプ50の外部の気圧(大気圧)よりも高くなる。燃料噴射ポンプ50の内部の空気は、油戻し孔51からディーゼルエンジン40のギヤケース43に排出される。これにより、ギヤケース43の内部に存在するブローバイガスが燃料噴射ポンプ50(ポンプハウジング2)の内部に侵入することがない。つまり、燃料噴射ポンプ50のラック室5の温度がブローバイガスの露点温度以下になっても、ラック室5の内部に配置されるコントロールラック20に水分が付着することがない。同時に、ラック室5の温度が氷点下になっても、コントロールラック20の凍結によるディーゼルエンジン40の始動不良が発生することがない。
以下では、図7および図8を用いて上述の如く構成される燃料噴射ポンプ50における制御装置23の動作態様について説明する。
図7に示すように、制御装置23は、電源スイッチ46からの入り信号を取得すると、冷却水温度センサー45からディーゼルエンジン40の冷却水の温度信号を取得する。制御装置23は、取得した信号に基づいて空気ポンプ44の入り切りを制御する。
図8に示すように、制御装置23は、以下のステップで空気ポンプ44の入り切りを制御する。
まず、ステップS101において、制御装置23は、制御装置23に接続されている電源スイッチ46からの入り信号を取得する。
ステップS102において、制御装置23は、制御装置23に接続されている冷却水温度センサー45から冷却水の温度信号を取得する。
ステップS103において、制御装置23は、冷却水温度センサー45からの冷却水の温度信号から、冷却水の温度Tが基準温度Ttよりも低いか否か判定する。すなわち、却水の温度Tに基づいてラック室5の内部の温度がブローバイガスの露点温度よりも低いか否か判定する。その結果、温度Tが基準温度Ttよりも低いと判定した場合、すなわち、却水の温度Tに基づいてラック室5の内部の温度がブローバイガスの露点温度よりも低いと判定した場合、制御装置23は、ステップをステップS104に移行させる。一方、温度Tが基準温度Ttよりも低くないと判定した場合、すなわち、却水の温度Tに基づいてラック室5の内部の温度がブローバイガスの露点温度よりも低くないと判定した場合、制御装置23は、ステップをステップS204に移行させる。
ステップS104において、制御装置23は、空気ポンプ44の電源を入りにする。すなわち、制御装置23は、空気ポンプ44によって燃料噴射ポンプ50の内部に外気を供給させる。その後、制御装置23は、ステップをステップS105に移行させる。
ステップS105において、制御装置23は、ディーゼルエンジン40を始動させる。その後、制御装置23は、ステップをステップS106に移行させる。
ステップS106において、制御装置23は、空気ポンプ44の入り時間が所定時間経過したか判定する。その結果、空気ポンプ44の入り時間が所定時間経過したと判定した場合、制御装置23は、ステップをステップS107に移行させる。一方、空気ポンプ44の入り時間が所定時間経過していないと判定した場合、制御装置23は、ステップをステップS106に戻す。
ステップS107において、制御装置23は、空気ポンプ44の電源を切りにする。
ステップS204において、制御装置23は、ディーゼルエンジン40を始動させる。
以上が本実施形態に係る燃料噴射ポンプ50の動作態様についての説明である。なお、本発明の技術的思想は、上述したディーゼルエンジン40および燃料噴射ポンプ50への適用に限るものではなく、その他の構成のエンジンおよび燃料噴射ポンプ1に適用することが可能である。
以上の如く、本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2に燃料噴射量を調整するコントロールラック20が配置され、ポンプハウジング2内の潤滑油の油面を調整する油戻し孔51がポンプハウジング2とエンジンのギヤケース43とを連通するように形成されるエンジンの燃料噴射ポンプ1であって、ポンプハウジング2には、空気ポンプ44が接続され、ポンプハウジング2内に外気が供給されるものである。このように構成することにより、外気の供給により、水分を含んだブローバイガスをポンプハウジング2から排出するとともに、ポンプハウジング2内への侵入を防止することができる。これにより、コントロールラック20に水分が付着し、当該水分が凍結することによるディーゼルエンジン40の始動不良を防止する。
また、空気ポンプ44は、エンジンの始動時にエンジンの冷却水温度が所定温度以下の場合、外気の供給を行うものである。このように構成することにより、コントロールラック20が凍結する可能性がある場合にブローバイガスがポンプハウジング2内から排出される。これにより、コントロールラック20に水分が付着し、当該水分が凍結することによるディーゼルエンジン40の始動不良を防止する。
1 燃料噴射ポンプ
2 ポンプハウジング
5 ラック室
10 油戻し孔
20 コントロールラック
40 ディーゼルエンジン
43 ギヤケース

Claims (4)

  1. ポンプハウジングに燃料噴射量を調整するコントロールラックが配置され、
    前記ポンプハウジング内の潤滑油の油面を調整する油戻し孔が前記ポンプハウジングとエンジンのギヤケースとを連通するように形成される燃料噴射ポンプであって、
    前記ポンプハウジングには、前記油戻し孔を出口として前記油面よりも下に入口が配置される油戻し通路が形成される
    燃料噴射ポンプ。
  2. 前記ポンプハウジングには、空気ポンプが接続されるとともに、空気排出孔が形成され、前記ポンプハウジング内に外気が供給される請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
  3. 前記空気ポンプは、エンジンの始動時にエンジンの冷却水温度が所定温度以下の場合、外気の供給を行う請求項2記載の燃料噴射ポンプ。
  4. ポンプハウジングに燃料噴射量を調整するコントロールラックが配置され、
    前記ポンプハウジング内の潤滑油の油面を調整する油戻し孔が前記ポンプハウジングとエンジンのギヤケースとを連通するように形成される燃料噴射ポンプであって、
    前記ポンプハウジングには、空気ポンプが接続され、前記ポンプハウジング内に外気が供給され、
    前記空気ポンプは、エンジンの始動時にエンジンの冷却水温度が所定温度以下の場合、外気の供給を行う
    燃料噴射ポンプ。
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