JP3549220B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、内燃機関用の燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
舶用機関などでは、C重油と呼ばれる高粘度の低質油を燃料とするものがある。かかる低質油を使用する機関の燃料噴射ポンプにおいては、プランジャバレルとプランジャとの摺動面に漏出した燃料が、プランジャスバネを内装したバネ室側に流出して、そのプランジャバネに付着したり、上方に跳ね上げられて燃料コントロールラックやピニオンに付着粘結し、動作不良を生ずる問題がある。
【0003】
そこで、このような問題を解消する手段として、プランジャ摺動面に形成した周溝へ外部から粘性の低い洗浄油を供給循環させて、上方から漏れ落ちる燃料を洗い流すようにしたものがある(特公平4-47143 号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置において、上方から漏れ出てきた燃料は、その下方を流れる洗浄油と共に洗浄油タンク側へ洗い流されるが、大量の燃料が洗浄油中に混入して洗浄油が早期に劣化するため、短時間で交換しなければならないという不都合があった。特に、この洗浄油回路は排出側が洗浄油タンクに連通するのみで、大気に開放された状態にあるため圧力が低く、むしろ燃料を積極的に吸い出すことになって、洗浄油の劣化をより促進していた。
【0005】
更に、従来においては、洗浄油として通常の潤滑油を使用しており、洗浄油供給溝から供給した洗浄油がプランジャ摺動面に沿って上昇して、加圧室側から下降してきた低質燃料と混合することによって、そのプランジャ摺動面に粘結し、このためにプランジャの回動不良による噴射量の調整が正しく行なわれず、エンジンのハンチングやオーバーランを生じるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の欠点を解消して、プランジャ摺動面に洗浄油を供給するようにしたものにおいて、洗浄油が燃料によって早期に汚損するのを防止すると共に、洗浄油と低質燃料との混合によって、プランジャ摺動面に粘結してプランジャの回動不良を生ずることのない燃料噴射ポンプを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明では、バレル外周の燃料室と同じく内周のプランジャ挿入穴とを連通する燃料供給口を備え、プランジャをその頂部が前記燃料供給口を開閉するように往復移動させることによって、プランジャ頂部に形成される加圧室内に吸入された燃料を圧送するものにおいて、前記加圧室内からプランジャ摺動面に漏れ出た燃料を前記プランジャ挿入穴から排出させる燃料逃がし溝より下方におけるプランジャバレルのプランジャ摺動面に、外部から洗浄油が供給される洗浄油供給溝を形成し、更に、その洗浄油供給溝よりも下方のプランジャ摺動面には、そのプランジャ摺動面の洗浄油を外部に排出する排出通路と直接連通する排出溝を形成したことを特徴とする。
【0008】
上記において、洗浄油として、この出願の請求項2の発明では、燃料よりも軽質の燃料油を使用するもので、そのような燃料油としては、A重油或は軽油などがあげられる。
【0009】
また、燃料がプランジャ摺動面を下降するのを防止する手段として、この出願の第3の発明では、洗浄油の供給圧力を燃料供給圧力の2/3以上とするものである。
【0010】
他方、洗浄油排出溝内の洗浄油が、プランジャ外周面に沿ってバレルの下端よりバネ室側へ漏出するのを防止する手段として、この出願の請求項4の発明では、その排出溝を、バレルのプランジャ摺動面下端よりプランジャストロークの長さ分以上高くするものである。
【0011】
の出願の請求項5の発明では、前記燃料逃がし溝に連通する逃がし路を燃料噴射ポンプ外部に導出するものが提供される。
【0012】
また、請求項6の発明では、前記洗浄油供給溝を洗浄タンクへの戻り通路側にも連通させるものである。
【0013】
この出願の請求項7の発明では、前記洗浄油供給溝よりも上方の前記燃料逃がし溝との間におけるプランジャ摺動面に、上方部から降りて来た燃料と洗浄油供給溝から上昇して来た洗浄油との混合物を外部に排出する燃料ドレン溝を形成したことを特徴とする。
【0014】
この出願の請求項8及び9の発明では、洗浄油として燃料油を供給する場合において、外部周辺部にその燃料油ミストが排出されるのを防止するため、プランジャバネ室を密閉して大気側へ導出するか、或は、プランジャバネ室を突き棒外周部で密封して、その突き棒外径をプランジャ外径と同一にすることで、ポンプ作用によるミストの排出を防止するものである。
【0015】
この出願の請求項10〜12の発明では、前記洗浄油供給通路に、排出困難な油の排出を促進するためのエア供給手段又は吸引手段を設けたもの、或は、一時的に洗浄油供給圧力を高圧にするためのブースター用高圧ポンプを設けたものが提供される。
【0016】
【作用】
プランジャ上端部側の燃料は、洗浄油供給溝側に供給される洗浄油圧力による密封効果によって、洗浄油の排出側への混入を低減できる。また、洗浄油供給溝より上方に移動した洗浄油が燃料と混合したとしても、この洗浄油が軽質の燃料油等であるため、従来のような粘結の恐れがない。
【0017】
【実施例】
この発明の実施例を示す図1及び図2において、(1)は、筒状のポンプハウジングであり、このポンプハウジング(1)内に、同じく筒状のプランジャバレル(2)が挿入されている。このプランジャバレル(2)のプランジャ挿入穴(3)内に、プランジャ(4)が上下方向に摺動自在に挿入されている。ポンプハウジング(1)の内周面には、前記プランジャバレル(2)上端の外周面に沿って環状の燃料室(5)が形成され、この燃料室(5)に、燃料供給通路(7)から常時燃料が供給されるようになっている。更に、この燃料室(5)と前記プランジャ挿入穴(3)内におけるプランジャ(4)頂部の加圧室(8)に向けて、燃料供給口(9)が形成されている。プランジャ(4)の頂部近傍における上端部外周には、前記加圧室(8)と図示しない縦溝を介して常時連通し、かつ上縁に燃料噴射量調整用のリード(10)を備えた環状溝(11)が形成されている。更に、プランジャバレル(2)のプランジャ摺動面すなわちプランジャ挿入穴(3)内周面には、円周方向に沿って燃料逃がし溝(12)が形成され、この燃料逃がし溝(12)は、前記燃料室(5)と斜めの逃がし路(14)を介して連通している。
【0018】
すなわち、プランジャ(4)が上方に摺動すると、まず、その頂部が前記燃料供給口を塞いで、加圧室(8)内の燃料を加圧して、その上方のデリベリバルブ(15)を押し開いて燃料が吐出される。更にこの状態で、上方へ摺動すると、前記リード(10)部分が、例えば図の燃料供給口(9)に対向して設けた燃料供給口(符号で示していない部分)に連通するので、燃料噴射が終了するとともに、このリード(10)と燃料供給口との連通時期を、プランジャ(4)の回動操作によって変更することによって、燃料噴射量を調整することができる。
【0019】
プランジャバレル(2)の下端の小径部分には、ピニオン(17)を備えたスリーブ(18)が、円周方向に回転自在に外嵌されるとともに、前記ピニオン(17)が、ポンプハウジング(1)へ横方向に差し込んだ燃料コントロールラック(19)へ咬合している。このピニオンスリーブ(18)の下端が、前記プランジャバレル(2)よりも下方に突出するとともに、この突出部分において縦方向の溝(20)が形成され、この溝(20)に、同じくプランジャバレル(2)より下方に突出するプランジャ(4)外周の突起(21)が係合して、そのピニオン(20)を介して、プランジャ(4)が回転されるようになっている。更に、その突起(21)よりも下方のプランジャ(4)下端部分には、カップ状のプランジャガイド(23)が、ポンプハウジング(1)内を上下方向に摺動自在に挿入されるとともに、前記ピニオンスリーブ(18)外周に外嵌した上部バネ受け(24)とこのプランジャガイド(23)底部との間に、プランジャ(4)を下方に押し下げるプランジャバネ(25)が取付けられている。上部バネ受け(24)の上端面は、ピニオンスリーブ(18)の外周に形成した下向きの段部と同じくポンプハウジング(1)内周に形成した下向きの段部(26)(27)に当接して、上方に対して支持されており、この上記バネ受け(24)の下側は、その下方のプランジャガイド(23)とによって囲まれたバネ室(28)を形成している。
【0020】
さて、上記のような構成において、前記プランジャ挿入穴(3)のプランジャ摺動面には、前記燃料逃がし溝(12)よりも下方において、洗浄油供給溝(30)が形成されるともに、更にこの洗浄油供給溝(30)よりも下方には同じく洗浄油の排出溝(31)が、ともに円周方向に形成されている。洗浄油供給溝(30)には、プランジャバレル(2)に形成した洗浄油供給口(3)にポンプハウジング(1)に形成した直径方向の洗浄油供給口(33)を介して、外部の洗浄油供給通路(34)に連通されて、これらを介して、この洗浄油供給溝(30)内に洗浄油を供給するようにしている。図2に示す(35)が洗浄油タンクであり、この洗浄油タンク(35)から、前記洗浄油供給通路(34)の途中に設けた供給ポンプ(36)によって洗浄油を供給するようになっている。他方、その下方の洗浄油排出溝(31)は、その排出溝(31)と直接連通するよう同じくプランジャバレル(2)に形成した洗浄油排出路(37)とポンプハウジング(1)の洗浄油排出口(38)を介して、洗浄油排出通路(39)側に連通し、図2に示すように、この洗浄油排出通路(39)が、前記の洗浄油タンク(35)側に洗浄油を戻すように接続されている。(40)は、この排出通路(39)中に設けた冷却器である。
【0021】
すなわち、洗浄油供給溝(30)内に供給された洗浄油は、プランジャ摺動面内に流出して、その摺動面を洗浄した後、下方の洗浄油排出溝(31)側から、前記洗浄油タンク(35)側に排出されて循環する。この場合、洗浄油供給溝(30)は、前記排出通路(39)側とは直接連通していないので、この供給溝(30)に供給される洗浄油は比較的高い圧力に維持され、このために、前記加圧室(8)或いは燃料逃がし溝(12)側からその加圧室(8)側の圧力によって降りてくる燃料は、この圧力によって上方に押し上げられるような密封効果が得られ、かかる燃料の洗浄油側への混入を低減することができる。この場合、そのような洗浄油による密封効果をより高めるため、洗浄油供給溝(30)への洗浄油の供給圧力を、前記燃料供給溝(9)より供給される燃料フィード圧力の少なくとも2/3 倍以上の給油圧力すなわち4kg/cm2 以上の圧力で供給することが望ましい。また、これにより、上方から降りてくる燃料圧力によって、その燃料が、洗浄油供給溝(30)から洗浄油供給口(32)側に逆流する恐れをより確実に解消できる。更に、望ましくは、このような燃料の逆流のみならず、その燃料が下方へ降りて来ないようなより高い密封圧力を持たせるため、前記燃料フィード圧力の1.5 倍すなわち10kg/cm2〜20kg/cm2とするとことが考えられる。
【0022】
加えて、上記において、前記洗浄油供給溝(30)に供給される洗浄油は、燃料としてC重油等の低質油を用いるものにおいて、それより軽質なA重油或いは軽油等を用いるもので、プランジャ摺動面に流出した洗浄油が、その上方において燃料と混合した場合であっても、従来のようにそれらが、粘結してラッカリングを起こすことがないのである。
【0023】
次に、前記のように、プランジャ(4)は、プランジャバレル(2)の下端よりも下方に突出し、また、排出溝(31)は、そのバレル(2)下端(2a)よりもかなり高い位置に配置されているが、このプランジャ下端(2a)からその排出溝(31)までの高さLは、プランジャ(4)のストロークの長さよりも大きくされている。すなわち、上記のように、洗浄油供給溝(30)側に供給された洗浄油は、その下方の排出溝(31)よりタンク(35)側に戻されるのであるが、この排出溝(31)よりも下方に流下してくることは避けられず、この場合において、プランジャ(4)のストロークに伴なってそのプランジャ外周面に付着した洗浄油が、プランジャバレル(2)下端よりも下方に露出すると、プランジャ(4)が上方に移動したときに、プランジャバレル(2)下端縁により掻き出されるような状態となって、前記バネ室(28)側に流出する恐れがあるが、このようにすることによってそのような流出を抑えることができるのである。
【0024】
図3は、この発明の別の実施例であって、前記燃料室(5)へ連通させていた燃料逃がし路(14)を直接外部へ導くようにして、大気側に解放させたものである。すなわち、燃料逃がし溝(12)に連通する前記逃がし路(14)を、燃料室(5)を介することなく直接外部へ導いて排出するものである。このように、加圧室(8)から漏れる燃料のスピル圧力を大気側へ解放することにより低減して、燃料の摺動面側への流出をより低減するようにしたのである。
【0025】
図4は、この発明の別の実施例であり、前記洗浄油供給溝(30)へ連通するようにして、洗浄油を排出するための第2の排出通路(46)(47)を、プランジャバレル(2)及びハウジング(1)に形成して、洗浄油供給溝(30)に供給した洗浄油をそのまま、洗浄油戻し通路(39)を介してタンク(35)側にスルーフィードするようにしたものである。他方、前記排出溝(31)側は、ドレン通路(48)を介して、ドレンタンク(49)側に排出されるようになっている。この場合には、このように洗浄油供給溝(30)が排出側にそのまま連通しているため、洗浄油圧力が低下することになるが、その分だけ、前記ポンプ(36)による供給圧力を上げる必要がある。それに加えて、排出回路(39)に絞り(50) を設けて、圧力を高く保つようにしている。また、排出通路(39)の洗浄油は、その洗浄油がA重油のような燃料油の場合には、燃料供給通路(7)側に供給して、機関の燃料として使用することも可能である。
【0026】
図5は、この出願の請求項7の発明にしたがって実施された実施例であり、前記図2と同じ回路において、洗浄油供給溝(30)の上部側であって前記燃料戻し溝(12)との間に、第2の排出溝であるドレン溝(51)を形成し、このドレン溝(51)を、バレル(2)とハウジング(1)のドレン通路(52)(53)を介してドレン(49)側へ排出するようにしたものである。すなわち、上方部から降りて来た燃料と供給溝(30)から上昇して来た洗浄油との混合物は、このドレン溝(51)からドレン側に排出されて、ラッカリング等の発生をより低減できる効果が得られる。
【0027】
図6及び図7は、前記バネ室(28)側にリークして来た洗浄油等を、そのバネ室(28)からミストとしてその周辺に放散されるのを防止するようにしたものである。前記洗浄油としてA重油等の燃料油を使用すると、この洗浄油は前記バネ室(28)からコントロールラック(19)の挿入穴の隙間を通ってその周辺に放散される可能性があり、特に、燃料としてC重油等の低質燃料を使用したものでは、このC重油が固まるのを防止するため常に加熱された状態にあり、この熱のために、周辺の雰囲気はかなりの高温になっている。それゆえ、このような高温雰囲気中に洗浄油ミストが放散されると発火の危険があり、これを防止するようにしたものである。まず、ポンプハウジング(1)を据え付ける取付け台(55) には、前記プランジャガイド(23)底部の連通穴(56)を介して連通する密封空間(57)が形成されており、前記のような洗浄油ミスト等はこの密封空間(57)側へ捕集するとともに、この密封空間(57)には、図7のように各気筒毎のポンプハウジング(1)の取付け台(55) へ連通するようにして排出管(58)を設け、この排出管(58)によって、船外或いは高温雰囲気以外の大気中へ放散させるようにしたものである。
【0028】
図8は、このような洗浄油ミストのバネ室(28)外への放散を防ぐようにした別の実施例である。図のように前記プランジャガイド(23)は、下方の燃料カム(60)によって上下に往復移動する突き棒(61)で上方に押し上げられ、これによって、前記プランジャ(4)を往復移動させるようになっているが、この突き棒(61)を前記取付け台(55) 内に配置したものにおいて、その突き棒(61)の外周部分をオイルシール(62)で密封して、前記バネ室(28)側を密封された空間としている。そして、この突き棒(61)の外径を、前記プランジャ(4)の外径と同一とし、突き棒(61)の押し上げによるプランジャ(4)の上方への摺動時及び下降時に、シール(62)より上方の前記バネ室(28)側の空間内の容積が、変わらないようにしている。すなわち、従来においては、バネ室(28)とバネ下部室(28a) は、連通穴(23a) を介して連通し、ポンプ本体(1)と取付け台(55) の間で密閉され、しかも突き棒(61)とプランジャ(4)の外径が異なっていたことから、突き棒(61)の上下動に応じてバネ室(28)とバネ下部室(28a)の室内総合容積が増減変化する。このような従来の構造では、バネ室(28)とバネ下部室(28a) 内の洗浄油がその室内総合容積の減少時に外部に排出されていたのに対して、上記のように突き棒(61)部分で密封して、しかもその突き棒(61)の外径をプランジャ(4)と同径とすることによって、そのような容積の変化を抑えて、洗浄油の排出を防止するようにしたものである。(63)は、リーク油を回収するための排出路である。
【0029】
図9は、前記洗浄油供給通路(34)に連通するようにして、エアポンプ(65)等のエア供給手段を設けたものである。すなわち、前記洗浄油供給溝(30)までの通路中或いは前記洗浄油排出溝(31)側に目詰まりを生じ或いは洗浄油や燃料が粘結したような場合に、エアを吹き込んでやることにより通路を貫通させて、洗浄油の供給が正常に行われるように復帰させることができる。
【0030】
図10は、この発明の更に別の実施例であって、前記図9と逆に、洗浄油排出通路(39)側に真空ポンプ(66)を設けて、この真空ポンプ(66)によって、積極的に洗浄油を排出させて、それら洗浄油や或いは燃料の排出を促進できるようにしたものである。
【0031】
図11は、前記のような洗浄油供給回路の洗浄を行うための装置で、洗浄油供給通路(34)の途中にバイパス通路(67)を設けるとともに、このバイパス通路(67)に、そのバイパス通路(67)を開閉する開閉弁(68)と供給圧力の高いブースターポンプ(69)とを設け、通路を洗浄する必要がある場合には、開閉弁(68)を開き、ブースターポンプ(69)によって高圧の洗浄油を供給して、その洗浄油供給回路の洗浄を行うようにしたものである。この場合、洗浄油供給ポンプ(36)による供給圧力を4kg/cm2 とすると、そのブースターポンプ(69)による圧力を20kg/cm2程度のものとする。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば次のような効果がある。
【0033】
(a) 洗浄油供給溝と洗浄油排出溝とを別にし、洗浄油供給溝を排出溝よりも上部側に配置して、その洗浄油供給溝は排出側に直接連通していない構造としているので、その洗浄油供給溝に供給された洗浄油は従来のスルーフィードと異なって相対的に圧力が高く、上方からの燃料の流下を防止する密封効果が得られる。したがって、洗浄油中に混入する低質燃料の混入量を低減でき、洗浄油が早期に劣化するのを防止することができる。また、洗浄油排出溝は洗浄油供給溝よりも下側にあるので、洗浄油の外部への排出が良好に行われ、それだけ洗浄油の摺動面での滞留時間が短くなり、低質燃料の洗浄油への混入もより低減できることになる。更に、本発明では、供給溝の下方に設けられた排出溝は、プランジャバレルに形成された排出通路に直接連通しており、従って、供給溝から入ってプランジャ摺動面を下方に流下する洗浄油は、排出溝から直ちに排出通路に導かれることになる。そのため、洗浄油が排出溝から更に下方へ流下して、プランジャバレル下方のバネ室内へ落下するのを防止でき、このため、バネ室内での洗浄油ミストによる発火の危険性が減少する利点がある。
【0034】
(b) 上記において、洗浄油として低質燃料よりもより軽質なA重油或いは軽油等を用いることにより、プランジャ摺動面においてその洗浄油と低質燃料とが混合した場合であっても、従来のようなラッカリングを発生させる恐れが極めて少ない。また、仮にその洗浄油が燃料と混合して燃料戻し路側から燃料タンク側に戻されたとしても、もともと上質の燃料が混入するだけであるから、エンジンの性能には何ら影響がない。特に、低質燃料を使用するものにおいては、エンジンの停止直前にC重油からA重油に切換えて運転することによって、その低質燃料が配管中に残るのを防ぐものがあるが、このような場合には、当然A重油用の燃料配管も備えているから、容易にそのようなものに適用することができる。勿論、低質燃料のみを使用するものにおいても適用可能である。
【0035】
(c) この出願の請求項の発明においては、この洗浄油供給圧力を燃料フィード圧の2/3以上としているから、低質燃料に対するより有効な密封効果が得られて、低質燃料の下方へのリークを有効に防止することができる。
【0036】
(d) この出願の請求項の発明では、洗浄油排出溝が、プランジャバレルの下端に対して、プランジャストロークの長さ以上の高さに配置されており、それゆえ、その排出溝の洗浄油がプランジャ外周面に付着して下方へ下りたとしても、プランジャバレル下端より露出することがないため、そのプランジャバレル下端の掻き上げ作業によって、プランジャバレル外へ流出する恐れが少ないという効果がある。
【0037】
(e) この出願の請求項の発明では、燃料逃がし路を燃料噴射ポンプの外部から大気側に解放できるので燃料の摺動面側への流出をより低減することができる。
【0038】
(f) この出願の請求項の発明では、前記洗浄油供給溝にも洗浄油の排出通路を連通させたスルーフィード構造となっているため、この洗浄油供給溝の供給圧力を高くすれば密封効果を高められるのみならず、洗浄油の循環効率が向上し洗浄油のより早期の劣化を防止することができる。
【0039】
(g) この出願の請求項の発明では、洗浄油供給溝の上部側にドレン溝を設けており、それゆえ、上方からリークしてきた燃料と下方から上昇してきた洗浄油が、ドレン溝よりドレン等へ排出されるので、洗浄油供給溝の下側の排出溝と合わせて、洗浄油の循環が良好に行われ、洗浄効果が向上する利点がある。
【0040】
(h) この出願の請求項の発明では、プランジャバネ室にリークしてきた洗浄油等のミストは、その周辺の雰囲気中に放散されることなく、安全性の高い別の場所で解放されるので、このような洗浄油として燃料油を用いた場合でも、その洗浄油ミストが雰囲気中で発火する危険を防止できる。
【0041】
(i) 同じくこの出願の請求項の発明では、そのような洗浄油ミストの周辺への放散が防止されて、同様に発火の危険を防止できる効果がある。
【0042】
(j) この出願の請求項10以下の発明では、洗浄油供給回路内をエアの吹き込み、或いは、真空吸引によってその洗浄油の供給排出を促進して、洗浄油のプランジャ摺動面への粘結等を防止して、より有効に洗浄効果を向上させることができる。
【0043】
(k) この出願の請求項12の発明では、洗浄油供給回路中のブースターポンプを使用することにより、定期的或いは臨時的に洗浄油回路を洗浄することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す燃料噴射ポンプの縦断面図である。
【図2】同じく燃料噴射ポンプと洗浄油回路の全体を示す縦断面図である。
【図3】この発明の別の実施例を示す燃料噴射ポンプの燃料戻し路部分の要部拡大縦断面図である。
【図4】この発明の他の実施例を示す燃料噴射ポンプと洗浄油回路の全体縦断面図である。
【図5】この発明の更に他の実施例を示す燃料噴射ポンプの要部の拡大縦断面図である。
【図6】この発明の別の実施例を示す燃料噴射ポンプと洗浄油供給回路の全体縦断面図である。
【図7】図6の実施例における洗浄油ミストの排出装置の全体側面図である。
【図8】この発明の更に別の実施例を示す燃料噴射ポンプの全体縦断面図である。
【図9】この発明のエア供給手段を備えた燃料噴射ポンプの全体縦断面図である。
【図10】同じくこの発明の真空吸引手段を備えた燃料噴射ポンプの全体縦断面図である。
【図11】ブースターポンプを備えたこの発明の実施例を示す燃料噴射ポンプと洗浄油供給回路の全体縦断面図である。
【符号の説明】
(1) ポンプハウジング
(2) プランジャバレル
(3) プランジャ挿入穴
(4) プランジャ
(5) 燃料室
(8) 加圧室
(9) 燃料供給口
(12) 燃料逃がし溝
(14) 燃料逃がし路
(28) バネ室
(30) 燃料供給溝
(31) 燃料排出溝
(34) 燃料供給通路
(39) 燃料排出通路
(51) ドレン溝
(61) プランジャ突き棒

Claims (12)

  1. バレル外周の燃料室と同じく内周のプランジャ挿入穴とを連通する燃料供給口を備え、プランジャをその頂部が前記燃料供給口を開閉するように往復移動させることによって、プランジャ頂部に形成される加圧室内に吸入された燃料を圧送するものにおいて、前記加圧室内からプランジャ摺動面に漏れ出た燃料を前記プランジャ挿入穴から排出させる燃料逃がし溝より下方におけるプランジャバレルのプランジャ摺動面に、外部から洗浄油が供給される洗浄油供給溝を形成し、更に、その洗浄油供給溝よりも下方のプランジャ摺動面には、そのプランジャ摺動面の洗浄油を外部に排出する排出通路と直接連通する排出溝を形成したことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 洗浄油が前記燃料よりも軽質な燃料油であることを特徴とする請求項1の燃料噴射ポンプ。
  3. 洗浄油供給溝への洗浄油供給圧力を前記燃料室への燃料供給圧力の2/3以上としたことを特徴とする請求項1又は2の燃料噴射ポンプ。
  4. 洗浄油排出溝が、前記プランジャ摺動面下端に対してプランジャのストロークの長さ分よりも高い位置に形成されていることを特徴とする請求項1からの何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
  5. 前記燃料逃がし溝に連通する燃料逃がし路を燃料噴射ポンプ外部へ連通させてなることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
  6. 前記洗浄油供給溝を洗浄油タンクへの戻り通路へ連通させたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
  7. 前記洗浄油供給溝よりも上方の前記燃料逃がし溝との間におけるプランジャ摺動面に、上方部から降りて来た燃料と洗浄油供給溝から上昇して来た洗浄油との混合物を外部に排出する燃料ドレン溝を形成したことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
  8. プランジャバネを内装するバネ室をその周辺より密封するとともに、そのバネ室内のオイルミストを機関室外に導出するようにしたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の燃料噴射ポンプ。
  9. プランジャガイドの下方にあってプランジャを上方に押し上げるプランジャ突き棒外周部で、その外周部の上部からプランジャバネを内装するバネ室までを密封し、しかも連通穴を介してバネ室とバネ下部室とを連通すると共に、プランジャ突き棒の径をプランジャ径とほぼ同じにしたことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
  10. 洗浄油供給通路の途中に、前記洗浄油供給溝側へ向けてエアを吹込むエア供給手段を接続してなることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
  11. 洗浄油排出通路の途中に前記洗浄油排出溝からの排出を促進する吸引手段を設けたことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
  12. 洗浄油供給通路に、ブースター用の高圧ポンプを備えたバイパス回路を設けたことを特徴とする請求項1から11の何れかに記載された燃料噴射ポンプ。
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