JP2005042307A - 護岸構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】海底地盤21上に複数のケーソン12を列設し、このケーソン12同士を目地部13を用いて接合することで構築した護岸11にて、各ケーソン12同士が互いに対向するケーソン12の側面に内側に湾曲した凹部31を形成し、この凹部31同士が対向することで形成された拡大空間部34にアスファルトマスチック36を充填した目地部13を形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底地盤上に複数のケーソンやL型ブロックなどの護岸構造物を列設して護岸を構築する際、隣接する護岸構造物同士を接合するための護岸構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
港湾などにて廃棄物を埋め立て処分場工事を行う場合、所定の領域における海底地盤上に複数の護岸構造物を連続して直列に設置し、この各護岸構造物により埋め立てを行う領域を囲み、各護岸構造物同士を接合して護岸を構築し、この護岸に囲まれた領域に土砂や廃棄物を搬入して行っている。
【0003】
そして、このような護岸工事では、埋め立てのための土砂が海域に流出しないように、護岸構造物同士を接合する目地部に高い遮水性能が要求されている。従来の護岸構造としては、下記に示す特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1の「ケーソン用目地材およびその施工法」は、一端部が閉塞して他端部が開放した中空長筒の空気を抜いて平坦に潰したロール状に巻回したケーソン用目地材を工事現場まで搬送し、このケーソン用目地材をケーソンの壁面に取付けた後、ケーソンを海底に設置し、内部に充填材を注入することで膨出して隣接するケーソンの端面に密着させてシールし、ケーソン用目地材内にアスファルトやモルタルなどの充填材を充填するものである。
【0004】
【特許文献1】
特公平07−013365号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この護岸工事では、上述したように、埋立地内の土砂や廃棄物が外部の海域に流出しないようにケーソン目地部に高い遮水性能が要求されており、この護岸内に廃棄物を投入して埋め立てを行った場合には、汚染物質の外部漏洩を防止するために更に高精度の遮水性能が要求される。そして、このような埋立地では、地震などの地盤沈下によりケーソンが位置ずれを発生することがあり、ケーソンがずれても目地部に隙間が発生しないことが重要な要件となっている。
【0006】
ところが、上述した従来の「ケーソン用目地材およびその施工法」にあっては、中空長筒のケーソン用目地材の内部にアスファルトやモルタルなどの充填材を注入膨出してケーソンの端面に圧接することでシール性を確保している。そのため、設置されたケーソンが上下や前後にずれた場合、ケーソン用目地材がケーソンに追従することができず、隙間が発生する虞がある。特に、海底地盤の移動により隣接するケーソン同士離間した場合には、ケーソンの端面とケーソン用目地材との間に隙間が発生しやすく、土砂や汚染物質の外部漏洩を防止することが困難となる。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するものであって、護岸構造物の移動に対して追従性を確保することで遮水性能の向上を図ると共に、護岸構造物の目地間に充填される不透水性遮水材のせん断強さを有効に発揮させて護岸構造物の目地部のせん断強さの向上を図った護岸構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の護岸構造は、海底地盤上に複数のケーソンやL型ブロックなどの護岸構造物を列設して構成した護岸構造において、前記護岸構造物同士が互いに対向する側面に凹部が設けられたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明の護岸構造では、前記護岸構造物の目地部は、前端部及び後端部に位置して前記護岸構造物の側面同士が接近する前後の狭隘空間部と、該前後の狭隘空間部の間に位置して前記護岸構造物の側面同士が離間する拡大空間部とを有することを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明の護岸構造では、前記狭隘空間部に充填材漏洩防止部材が介装され、前記拡大空間部にアスファルト混合物、粘土、モルタル、コンクリート、土質系遮水材のうちの一つ、また、複数組み合わせた不透水性遮水材料が充填されたことを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明の護岸構造では、前記凹部は、前記護岸構造物の側面が湾曲して形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明の護岸構造では、前記凹部は、その表面に複数の小凹部あるいは小凸部が形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明の護岸構造では、前記凹部は、前記護岸構造物の側面に複数設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明の護岸構造では、前記護岸構造物の対向する各側面に対して、前記凹部が対称形状に設けられていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1に本発明の第1実施形態に係る護岸構造を表す護岸の断面(図2のI−I断面)、図2に図1のII−II断面、図3に第1実施形態の護岸構造を適用した護岸の平面視を示す。
【0017】
第1実施形態の護岸構造において、図3に示すように、護岸11は、所定の海域に複数の護岸構造物としてのケーソン12を直列に連続して設置し、各ケーソン12同士を目地部13により接合して構成されている。そして、この護岸11を矩形状に構築することで、外部の海域Aに対して廃棄物や土砂により埋め立てる埋立地Bを区画することができる。
【0018】
そして、この護岸11にて、図2に示すように、海底地盤21の所定位置に地盤改良部22が形成され、この地盤改良部22上に所定高さの基礎捨石層23が形成され、この基礎捨石層23上にアスファルトマット24を敷設してケーソン12が設置されている。そして、このケーソン12の両側にアスファルトマスチック層25,26が海底地盤21とほぼ同様に高さに形成され、ケーソン12における埋立地B側の平面部に遮水シート27が取付けられると共に、遮水シート27と下部とアスファルトマスチック層26との隙間を覆うようにアスファルトマスチック製のシール部材28が固定されている。
【0019】
また、図1及び図2に示すように、護岸11の目地部13にて、ケーソン12は左右の側面に内側に湾曲した凹部31が上下方向に沿って形成されると共に、この凹部31の前後に平坦面32が同じく上下方向に沿って形成されている。そのため、このケーソン12の側面同士が互いに対向して設置されることで、前端部及び後端部に位置する平坦面32同士が接近して対向する前後の狭隘空間部33が形成されると共に、この狭隘空間部33の間に位置する凹部31同士が離間して対向する拡大空間部34が上下方向に沿って形成される。この場合、目地部13にて、ケーソン12の凹部31は左右対称形状をなすこととなる。
【0020】
そして、各狭隘空間部33にゴム管(充填材漏洩防止部材)35が上下に沿ってそれぞれ各平坦面32に密着するように介装され、拡大空間部34にアスファルトマスチック(不透水性遮水材料)36が充填されている。更に、各狭隘空間部33には、ゴム管35の外側にコンクリート37が打設され、隣接ケーソン12同士の表面部を連結するように塞ぎ板38が固定されている。
【0021】
ここで、本実施形態の護岸構造を用いた護岸11の構築方法について説明する。
【0022】
図1乃至図3に示すように、まず、護岸11を構築する領域の海底を地盤改良して海底地盤21に地盤改良部22を形成し、この地盤改良部22上に所定高さの基礎捨石層23を形成し、この基礎捨石層23上にアスファルトマット24を敷設してからケーソン12を設置する。このケーソン1は、埋立地Bを囲うように、複数直列に連続して設置する。
【0023】
次に、各ケーソン12の側面同士が互いに対向して設置された状態で、ケーソン12の目地部13における前後の狭隘空間部33に所定長さのゴム管35をその上下方向に沿って各平坦面32に密着するように介装する。この場合、ゴム管35の下端部がアスファルトマット24に密着するように配設する。そして、この状態で、凹部31同士が対向して形成された拡大空間部34に、その上方から溶融状態にあるアスファルトマスチック36を充填する。このとき、拡大空間部34の前後の狭隘空間部33にはゴム管35が介装され、下方には、アスファルトマット24が敷設されているため、溶融したアスファルトマスチック36が外部に漏洩することはない。
【0024】
続いて、目地部13における各狭隘空間部33にて、各ゴム管35の外側にコンクリート37を打設した後、隣接ケーソン12同士の表面部を塞ぎ板38により連結する。そして、目地部13により連続して接合された各ケーソン12の両側にアスファルトマスチック層25,26を海底地盤21とほぼ同様に高さに充填し、ケーソン12における埋立地B側の平面部に遮水シート27を取付けてから、この遮水シート27と下部とアスファルトマスチック層26との隙間を覆うようにシール部材28を固定する。
【0025】
最後に、各ケーソン12の中空部12aに土砂などを充填した後、蓋部材12bを固定して閉塞し、この蓋部材12bの上部に縦壁12cを形成することで、護岸11を構築することができる。
【0026】
このように第1実施形態の護岸構造にあっては、海底地盤21上に複数のケーソン12を列設し、このケーソン12同士を目地部13を用いて接合することで構築した護岸11にて、各ケーソン12同士が互いに対向するケーソン12の側面に内側に湾曲した凹部31を形成し、この凹部31同士が対向することで形成された拡大空間部34にアスファルトマスチック36を充填した目地部13を形成している。
【0027】
従って、隣接するケーソン12同士は、側面に凹部31が設けられているためにこの拡大空間部34に従来より多量のアスファルトマスチック36が充填されることで、距離Lの長いアスファルトマスチック層により接合されることとなる。このアスファルトマスチック36は、充填して固化した後も十分な弾性力が確保されるものであり、地盤沈下等により隣接するケーソン12が上下方向、前後方向、左右方向にずれても、このアスファルトマスチック36はケーソン12の側面に密着したままその移動に対して伸縮して追従することとなり、護岸11の遮水性能を向上することで、土砂や汚染物質等の外部漏洩を確実に防止することができる。
【0028】
また、隣接するケーソン12の側面に、アスファルトマスチック36が充填される拡大空間部34の前後に位置して平坦部32を形成して狭隘空間部33を設け、この狭隘空間部33にゴム管35を各平坦面32に密着するように介装しており、拡大空間部34に充填されるアスファルトマスチック36の漏れを阻止して拡大空間部34にアスファルトマスチック36を隙間なく充填することができる。
【0029】
更に、ケーソン12の凹部31を内側に湾曲して形成しており、ケーソン12自体の強度を低下させることなく、アスファルトマスチック36を充填する拡大空間部34を確実に確保することができると共に、アスファルトマスチック36の充填性を向上することができる。
【0030】
図4乃至図7に本発明の他の実施形態に係る護岸構造を表す護岸の断面を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0031】
第2実施形態の護岸構造において、図4に示すように、護岸11の目地部40にて、ケーソン12は左右の側面に内側に湾曲した凹部41が形成されると共に、この凹部41の前後に上下方向に沿った平坦面42が形成されることで、各平坦面42同士が接近して対向することで前後の狭隘空間部43が形成されると共に、各凹部41同士が離間して対向することで拡大空間部44が形成されている。また、この各凹部41は、その表面に拡大空間部44側に突出する複数の小凸部45が形成されている。そして、各狭隘空間部43にゴム管35が各平坦面43に密着するように介装される一方、拡大空間部44にアスファルトマスチック36が充填され、ゴム管35の外側にコンクリート37が打設され、塞ぎ板38が固定されている。
【0032】
従って、第2実施形態の護岸構造における目地部40にあっては、隣接するケーソン12同士は、側面に凹部41の拡大空間部44に充填された距離の長いアスファルトマスチック36により接合されることとなり、地盤沈下等により移動するケーソン12に対してこのアスファルトマスチック36が密着したまま伸縮して追従することとなり、護岸11の遮水性能を向上することで、土砂や汚染物質等の外部漏洩を確実に防止することができる。また、ケーソン12に湾曲した凹部41を形成すると共にこの凹部41に複数の小凸部45を形成しており、ケーソン12自体の強度を低下させることなく、アスファルトマスチック36を充填する拡大空間部44を確実に確保してアスファルトマスチック36の充填性を向上することができると共に、小凸部45によりケーソン12とアスファルトマスチック36との密着強度を向上することができる。
【0033】
第3実施形態の護岸構造において、図5に示すように、護岸11の目地部50にて、ケーソン12は左右の側面に内側に湾曲した凹部51が形成されると共に、この凹部51の前後に上下方向に沿った平坦面52が形成されることで、各平坦面52同士が接近して対向することで前後の狭隘空間部53が形成されると共に、各凹部51同士が離間して対向することで拡大空間部54が形成されている。また、この各凹部51は、その表面に内側に凹んだ複数の小凹部55が形成されている。そして、各狭隘空間部53にゴム管35が各平坦面53に密着するように介装される一方、拡大空間部54にアスファルトマスチック36が充填され、ゴム管35の外側にコンクリート37が打設され、塞ぎ板38が固定されている。
【0034】
従って、第3実施形態の護岸構造における目地部50にあっては、隣接するケーソン12同士は、側面に凹部51の拡大空間部54に充填された距離の長いアスファルトマスチック36により接合されることとなり、地盤沈下等により移動するケーソン12に対してこのアスファルトマスチック36が密着したまま伸縮して追従することとなり、護岸11の遮水性能を向上することで、土砂や汚染物質等の外部漏洩を確実に防止することができる。また、ケーソン12に湾曲した凹部51を形成すると共にこの凹部51に複数の小凹部55を形成しており、ケーソン12自体の強度を低下させることなく、アスファルトマスチック36を充填する拡大空間部54を確実に確保してアスファルトマスチック36の充填性を向上することができると共に、小凸部45によりケーソン12とアスファルトマスチック36との密着強度を向上することができる。
【0035】
第4実施形態の護岸構造において、図6に示すように、護岸11の目地部60にて、ケーソン12は左右の側面に内側に矩形に凹んだ凹部61が形成されると共に、この凹部61の前後に上下方向に沿った平坦面62が形成されることで、各平坦面62同士が接近して対向することで前後の狭隘空間部63が形成されると共に、各凹部61同士が離間して対向することで拡大空間部64が形成されている。そして、各狭隘空間部63にゴム管35が各平坦面63に密着するように介装される一方、拡大空間部64にアスファルトマスチック36が充填され、ゴム管35の外側にコンクリート37が打設され、塞ぎ板38が固定されている。
【0036】
従って、第4実施形態の護岸構造における目地部60にあっては、隣接するケーソン12同士は、側面に凹部61の拡大空間部64に充填された距離の長いアスファルトマスチック36により接合されることとなり、地盤沈下等により移動するケーソン12に対してこのアスファルトマスチック36が密着したまま伸縮して追従することとなり、護岸11の遮水性能を向上することで、土砂や汚染物質等の外部漏洩を確実に防止することができる。また、ケーソン12の凹部61を矩形に凹んで形成しており、ケーソン12の加工性を向上することができる。
【0037】
第5実施形態の護岸構造において、図7に示すように、護岸11の目地部70にて、ケーソン12は左右の側面に内側に矩形に凹んだ凹部71が複数形成されると共に、この凹部71の前後に上下方向に沿った平坦面72が形成されることで、各平坦面72同士が接近して対向することで前後の狭隘空間部73が形成されると共に、各凹部71同士が離間して対向することで複数の拡大空間部74が形成されている。そして、各狭隘空間部73にゴム管35が各平坦面73に密着するように介装される一方、各拡大空間部74にアスファルトマスチック36が充填され、ゴム管35の外側にコンクリート37が打設され、塞ぎ板38が固定されている。
【0038】
従って、第5実施形態の護岸構造における目地部70にあっては、隣接するケーソン12同士は、側面に複数の凹部71によりなる拡大空間部74に充填された距離の長いアスファルトマスチック36で接合されることとなり、地盤沈下等により移動するケーソン12に対してこのアスファルトマスチック36が密着したまま伸縮して追従することとなり、護岸11の遮水性能を向上することで、土砂や汚染物質等の外部漏洩を確実に防止することができる。また、ケーソン12に複数の凹部71を形成しており、ケーソン12自体の強度を低下させることなく、アスファルトマスチック36を充填する拡大空間部74を確実に確保することができると共に、ケーソン12の加工性を向上することができる。
【0039】
なお、上述の実施形態では、ケーソン12の凹部を各種形状に形成したが、この凹部の形状は、隣接するケーソン12同士の側面の距離、つまり拡大空間部の幅を狭隘空間部の幅よりも大きく確保することができるものであれば、いずれの構造であっても良い。この場合、ケーソン12の対向する側面を異なる形状としても良く、例えば、一方のケーソン12の側面に湾曲した凹部31を形成し、他方のケーソン12の側面に矩形の凹部61や複数の凹部71を形成しても良く、上述した実施形態で説明した凹部の形状あるいはそれ以外の凹部の形状を左右非対称に設けても良い。
【0040】
また、上述の各実施形態では、ケーソン12の対向する側面に内側に湾曲した凹部を上下方向に沿って形成したが、前後方向に沿って形成しても良い。この場合、凹部の形状は、前述の説明のように、湾曲形状、矩形状、単数又は複数、左右対称、非対称など適宜選択すれば良い。そして、ケーソン12の対向する側面に上下方向に沿った凹部を形成し、他方のケーソン12の側面に前後方向に沿った凹部を形成しても良い。更に、この凹部の形成方向は、上下方向あるいは前後方向に限らず、傾斜させたり、曲線状に形成したりしても良い。
【0041】
更に、本発明の護岸構造を構成する護岸構造物として、ケーソン12を適用して説明したが、ケーソンに限らず、L型ブロックや逆T字ブロックなどの護岸構造物を用いても良い。そして、ケーソン12の目地部に充填した不透水性遮水材料もアスファルトマスチックに限らず、アスファルト混合物、粘土、モルタル、コンクリート、土質系遮水材のうちの一つ、または、これらを複数組み合わせた不透水性遮水材料を用いても良いものである。
【0042】
【発明の効果】
以上、実施形態を挙げて詳細に説明したように請求項1の発明の護岸構造によれば、海底地盤上に複数のケーソンやL型ブロックなどの護岸構造物を列設して構成した護岸構造にて、護岸構造物同士が互いに対向する側面に凹部を形成したので、隣接するケーソン同士は、側面に凹部が設けられているためにこの両者の間に従来より多量の充填材を充填してその接合幅を大きく確保することができ、地盤沈下等により隣接する護岸構造物が上下方向、前後方向、左右方向にずれても、充填材が護岸構造物の側面に密着したままその移動に対して伸縮して追従することとなり、護岸の遮水性能を向上することで土砂や汚染物質等の外部漏洩を確実に防止することができる。
【0043】
請求項2の発明の護岸構造によれば、護岸構造物の目地部に、前端部及び後端部に位置して護岸構造物の側面同士が接近する前後の狭隘空間部と、前後の狭隘空間部の間に位置して護岸構造物の側面同士が離間する拡大空間部とを設けたので、充填材を拡大空間部に充填することで、護岸構造物の接合幅を大きく確保することができる。
【0044】
請求項3の発明の護岸構造によれば、狭隘空間部に充填材漏洩防止部材を介装し、拡大空間部にアスファルト混合物、粘土、モルタル、コンクリート、土質系遮水材のうちの一つ、また、複数組み合わせた不透水性遮水材料を充填したので、充填剤漏洩防止部材により拡大空間部に充填される不透水性遮水材料の漏れを阻止し、拡大空間部に不透水性遮水材料を隙間なく充填することができる。
【0045】
請求項4の発明の護岸構造によれば、凹部を護岸構造物の側面を湾曲して形成したので、護岸構造物自体の強度を低下させることなく、不透水性遮水材料を充填する領域を確実に確保することができると共に、不透水性遮水材料の充填性を向上することができる。
【0046】
請求項5の発明の護岸構造によれば、凹部の表面に複数の小凹部あるいは小凸部を形成したので、護岸構造物自体の強度を低下させることなく、不透水性遮水材料を充填する領域を確実に確保して不透水性遮水材料の充填性を向上することができると共に、護岸構造物と不透水性遮水材料との密着強度を向上することができる。
【0047】
請求項6の発明の護岸構造によれば、凹部を護岸構造物の側面に複数設けたので、護岸構造物自体の強度を低下させることなく、不透水性遮水材料を充填する領域を確実に確保することができると共に、護岸構造物の加工性を向上することができる。
【0048】
請求項7の発明の護岸構造によれば、護岸構造物の対向する各側面に対して、凹部を対称形状に設けたので、応力が極部に集中することなく、護岸の強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1に本発明の第1実施形態に係る護岸構造を表す護岸の断面(図2のI−I断面)図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】第1実施形態の護岸構造を適用した護岸の平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る護岸構造を表す護岸の断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る護岸構造を表す護岸の断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る護岸構造を表す護岸の断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る護岸構造を表す護岸の断面図である。
【符号の説明】
11 護岸
12 ケーソン(護岸構造物)
13,40,50,60,70 目地部
31,41,51,61,71 凹部
32,42,52,62,72 平坦部
33,43,53,63,73 狭隘空間部
34,44,54,64,74 拡大空間部
35 ゴム管(充填材漏洩防止部材)
36 アスファルトマスチック(不透水性遮水材料)
45 小凸部
55 小凹部
Claims (7)
- 海底地盤上に複数のケーソンやL型ブロックなどの護岸構造物を列設して構成した護岸構造において、前記護岸構造物同士が互いに対向する側面に凹部が設けられたことを特徴とする護岸構造。
- 請求項1記載の護岸構造において、前記護岸構造物の目地部は、前端部及び後端部に位置して前記護岸構造物の側面同士が接近する前後の狭隘空間部と、該前後の狭隘空間部の間に位置して前記護岸構造物の側面同士が離間する拡大空間部とを有することを特徴とする護岸構造。
- 請求項2記載の護岸構造において、前記狭隘空間部に充填材漏洩防止部材が介装され、前記拡大空間部にアスファルト混合物、粘土、モルタル、コンクリート、土質系遮水材のうちの一つ、また、複数組み合わせた不透水性遮水材料が充填されたことを特徴とする護岸構造。
- 請求項1記載の護岸構造において、前記凹部は、前記護岸構造物の側面が湾曲して形成されていることを特徴とする護岸構造。
- 請求項1記載の護岸構造において、前記凹部は、その表面に複数の小凹部あるいは小凸部が形成されていることを特徴とする護岸構造。
- 請求項1記載の護岸構造において、前記凹部は、前記護岸構造物の側面に複数設けられていることを特徴とする護岸構造。
- 請求項1記載の護岸構造において、前記護岸構造物の対向する各側面に対して、前記凹部が対称形状に設けられていることを特徴とする護岸構造。
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