JP2001348862A - 鋼製矢板継手部の止水構造及び遮水護岸構造と構築方法 - Google Patents
鋼製矢板継手部の止水構造及び遮水護岸構造と構築方法Info
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Abstract
水壁構成部材の継手部の止水性の向上と、それにより空
間内のドライワークを実現可能とする。 【解決手段】 不透水材料の鋼材より構成された内外遮
水壁構成部材71を用いて、継手部77を連続させた内
外連続壁71a,71bを不透水性地層に単列もしくは
複数列に立設させた後、空間44内を掘削洗浄し、ドラ
イアップした後に、空間44内に、アスファルト混合物
等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土モ
ルタル、粘性系材料等の止水材15aを打設して遮水護
岸を築造する。
Description
止水構造及び遮水護岸の構造と構築方法に係り、特に、
遮水護岸の複数列の内外遮水壁からなる連続壁における
継手部の止水構造に関するものである。
るいは一般廃棄物を海面埋め立て処分する場合は、その
廃棄物埋め立て処分場からの保有水の外海への浸出を防
止する必要がある。
する場合は、予定された海面埋め立て地の境界線に沿っ
て遮水工が施された護岸を構築して外海と遮断した埋め
立て処分場を造り、この処分場内に廃棄物を投棄してい
た。この護岸形式としては、鋼管矢板式護岸、鋼製箱形
矢板式護岸、鋼矢板セル式護岸、ケーソン式護岸、捨石
式護岸等が知られている。
築造するに際し、重要な留意事項は、埋め立て処分場内
の汚染された保有水が護岸底部や矢板継手部や護岸本体
部等から外海へ浸出するのをいかにして防止するか、ま
た、いかに漏水を管理するかである。
号、特開平8−246485号、特開平10−1659
16号公報に示されているように、鋼矢板、鋼管矢板、
地中連続壁等で内壁と外壁で構成される二重壁を築造
し、その内部を利用して水質、水位を管理する方法が提
案されている。
に渡って連続しており、底部、内壁、外壁のどこが欠損
または欠陥箇所かを特定するのが難しい。また、同時に
二重壁両方に数カ所の欠損または欠陥箇所が発生した場
合は、特定するのがより難しく、補修も遅くなり、外海
へ保有水が浸出する欠点がある。
処分場内より高くして、保有水の流失を防止することが
提案されているが、二重壁内全体の水位を外海および処
分場内より高くするには、二重壁内の平面積・体積が非
常に大きいため、水(無害な海水や水)を注入するには
大変大掛かりな設備と時間を要し、常に一定の高水位を
維持するための費用も高くなる。
処分場内より低くし、保有水を二重壁内部に滞留させ、
保有水の外海への浸出を防止することも提案されている
が、二重壁内部の滞留水を常に処分場側に戻すことは、
二重壁内の平面積・体積が非常に大きいため、大変大掛
かりな設備と時間を要し、費用も高くなる欠点がある。
合には、その場所の特定に時間を要すると共に、二重壁
内部を高水位に保持するためには大量の水を注入する必
要があるだけでなく、その注入された水は、二重壁内部
に滞留する処分場からの保有水と混合し、新たな保有水
となると共に、処分場内に流入させた水も新たな保有水
となるため、これらをポンプで汲み上げ、汚水処理施設
で処理する量が膨大な量となり、それに要する費用も高
くなる欠点がある。
が護岸をオーバーフローし、外海に流出する事態にも発
展する問題がある。
とり説明するが、鋼管矢板の継手部止水構造としては、
例えば図20(a),(b)に示すようなものがある。
各図において、各継手部101,102を構成する雄側
部材は共にT字状突起部103が単位二重壁構成部材1
04に溶接されてなり、雌側部材は共にスリット105
a,106a付きの、パイプ部材105または箱形部材
106が単位二重壁構成部材104に溶接されている。
しては、突起部103の脚部103aをスリット105
a,106aに挿入して打設し、次いで継手部101,
102の止水方法としては、土中部は継手管105,1
06内の土砂をウォータージェットで攪拌し、エアーリ
フト等を用いて排土した後に、その継手部101,10
2内空間部にナイロン等の繊維で縫合された筒状布体1
14を挿入した後にセメントミルク107を充填して止
水していた。通常の締め切り用の継手部101,102
の止水性能としては、この程度の止水方法で十分な効果
を発揮する。
数がk=1×10-8cm/sec以下と非常に厳しい遮
水性能が求められている。
オロジー的材料特性を示すアスファルト混合物等の瀝青
材料が優れた性能を発揮することが分かっている。この
瀝青材料はそれ自体は優れた遮水性を示すが、水中に位
置する鋼材等との水中部での接着性が低く、海面・水面
下で遮水材として充填された場合、鋼材との一体化に問
題があった。
体であるが、鋼管矢板の継手部に充填する際は、加熱し
て液体状で流し込むのが一般的な施工法であると考えら
れている。この充填時、土中部の継手部の外側は、周辺
土で拘束状態であるので、注入する瀝青材料は流出する
ことはない。
ないため流出防止対策として、図21に示すように、継
手部材111のスリット部112の近傍に当て金具11
3を水中溶接し、スリット部112の間隙を閉塞する方
法が提案されているが、この方法は、狭小空間では、施
工が困難であると共に、水中溶接が作業の主体となるた
めに施工費が高く、工期も長くなるとともに、作業の安
全性も損なわれるという欠点があった。
位二重壁構成部材110は不透水性地層となる硬質の粘
土や軟岩等に打設される。このような硬質地盤に単位二
重壁構成部材110の継手部111を貫入させると、継
手部111が変形したり破損したりし、止水材が変形部
・破損部に確実に充填されないなど所定の遮水効果が発
揮されない問題がある。
報には、パイルを構成する鋼管矢板、U形矢板、Z形矢
板等の継手部に充填材を充填することで、各パイルの継
手部の止水構造を構築する発明が開示されている。しか
し、この特開平8−151630号公報に記載の発明で
は、あくまでも、各パイルの継手部の止水構造のみを問
題としており、後述の本発明におけるごとき、継手部を
介して長手方向に連続する複数列の内外遮水壁を鋼材で
構築し、この内外遮水壁における継手部および/または
継手部材を介して隣接する内外遮水壁構成部材間に形成
される空間を止水することで遮水護岸を連続的にかつ、
閉鎖状に構築するものではない。
うな従来の種々の問題点を解決する技術として、先に特
願2000−106072号を提案した。本発明は、こ
の先願発明を更に改良し、複数列の内外遮水壁からなる
内外遮水壁構成部材を継手を介して接合して連続壁を構
築すると共に、継手部および/または継手部材を介して
隣接する内外遮水壁構成部材間に形成される空間を止水
することで、鋼製矢板により構築された閉鎖状連続壁内
部でのドライワークを実現可能とした遮水護岸の構造と
構築方法を提供することを目的とする。
め、本発明は次のように構成する。
板、鋼管矢板等の鋼材を用いた鋼製矢板の継手部材の閉
合部の内面に瀝青・ゴム系接着剤、アスファルトプライ
マー等の接着剤が塗布されていると共に、前記継手部材
の閉合部内の空間が前記接着剤層を介して止水材として
のアスファルト混合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、
コンクリート、粘土モルタル、粘性系材料等の止水材で
充填されていることを特徴とする。
部材の閉合部の密閉度向上のため、雌側の継手部材のス
リット幅が雄側の継手部材寸法より狭く、雄側の継手部
材が当該スリット部に強制的に挿入されることで雌側の
継手部材に残留応力が付与されていることを特徴とす
る。
部材の閉合部の密閉度向上のため、雌側の継手部材のス
リット部もしくは、雌側継手部材のスリット部と接合す
る雄側継手部材もしくは、雌側、雄側相方の継手接合部
のスリット部に伸縮自在な部材を設置し、雄側の継手部
材が前記スリット部に強制的に挿入されることで雌側の
継手部材に残留応力が付与されていることを特徴とす
る。
発明において、前記継手部材の閉合部内の空間に充填さ
れる止水材は、材質、性能の異なる複数種の止水材が上
下方向に複数層をなして充填されていることを特徴とす
る。
上下方向に複数層をなして充填される止水材として、地
盤内で鋼製矢板の変形が少ない部位については、モルタ
ル、コンクリート等の弾性的応答を示す止水材が充填さ
れ、鋼製矢板の変形が予想される部位については、変形
追従性があるアスファルト混合物等の瀝青材料、粘土、
粘土モルタル、粘性系材料等の粘弾性的ないし粘性的応
答を示す止水材が充填されていることを特徴とする。
発明において、継手部材の先端部に、閉塞手段を取り付
けて鋼製矢板打設時の継手部材の変形を防止すると共に
継手部材の先端まで空間を確保し、当該先端まで前記止
水材が充填可能なことを特徴とする。
閉塞手段は、十字リブのごとき補強材および沓で構成さ
れることを特徴とする。
板、鋼管矢板等の不透水材料である鋼材を用いた鋼製矢
板同士を、継手部材を介して接合して不透水性地層に打
設して構築する遮水性連続壁用の鋼製矢板継手部止水構
造の構築方法であって、前記鋼製矢板には、雌側のスリ
ット幅が雄側の継手部材寸法より狭い継手部材を有する
鋼製矢板、または雌側のスリット部、雌側のスリット部
と接合する雄側継手部材、もしくはこれら雌側スリット
部、雄側継手部材の相方に、伸縮自在な部材を設置した
継手部材を有する鋼製矢板であって、該継手部材の閉合
部の内面に瀝青・ゴム系接着剤、アスファルトプライマ
ー等の接着剤が塗布されている鋼製矢板を用いること
で、該鋼製矢板の打設に際し、雄側継手部材と雌側スリ
ット部とを強制的に挿入嵌合しながら密閉度の高い継手
部材の閉合部を構築し、該打設完了後、密閉された継手
部材の閉合部空間を掘削洗浄した後、該空間をドライア
ップした状態で、該空間にアスファルト混合物等の瀝青
材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土モルタル、
粘性系材料等の止水材を充填して構築することを特徴と
する。
止水材を充填する前の前記閉合部空間の状態を、前記ド
ライアップした状態に代えて、該空間に滞水している海
水または濁度の高い真水を濁度の低い真水に置換した後
のウェット状態として、該空間に滞水している真水と置
換しながら、該空間に前記止水材を充填して構築するこ
とを特徴とする。
おいて、材質、性能の異なる複数種の止水材の中から、
前記継手部材の上下方向の場所毎の要求特性に応じた止
水材を選択して充填することで、継手部材の閉合部内の
空間に上下方向で材質、性能の異なる複数種の止水材層
を形成することを特徴とする。
前記上下方向に複数層をなして充填される止水材とし
て、地盤内で鋼製矢板の変形が少ない部位については、
モルタル、コンクリート等の弾性的応答を示す止水材を
選択し、鋼製矢板の変形が予想される部位については、
変形追従性があるアスファルト混合物等の瀝青材料、粘
土、粘土モルタル、粘性系材料等の粘弾性的ないし粘性
的応答を示す止水材を選択することを特徴とする
かの発明において、前記継手部材の先端部に、閉塞手段
を取り付けて前記鋼製矢板打設時の該継手部材の変形を
防止すると共に該継手部材の先端まで空間を確保して、
該先端まで前記止水材を充填可能にすることを特徴とす
る。
前記閉塞手段は、十字リブのごとき補強材および沓で構
成されることを特徴とする。
間隔をあけて平行ないし略平行に複数列配置して端部に
継手部材を有する複数列の内外遮水壁間を仕切連結鋼材
で連結して内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)を構成し、
内外遮水壁構成部材同士を継手部材を介して接合して不
透水性地層に打設して構築する遮水護岸用の閉鎖状連続
壁であって、前記継手部材を介して隣接する内外遮水壁
構成部材間に形成される空間に、アスファルト混合物等
の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土モル
タル、粘性系材料等の止水材が充填されていることを特
徴とする。
前記継手部材を介して隣接する内外遮水壁構成部材間に
形成される空間の鋼材内表面と該空間に充填されている
前記止水材との間に、瀝青・ゴム系接着剤、アスファル
トプライマー等の接着剤層が形成されていることを特徴
とする。
明において、前記内外遮水壁構成部材同士を接合する継
手部材内の閉合空間に水膨潤性止水材が充填されている
ことを特徴とする。
明において、前記内外遮水壁構成部材同士を接合する継
手部が、請求項1ないし7の何れか1項に記載の鋼製矢
板の継手部の止水構造を有することを特徴とする。
れかの発明において、前記内外遮水壁構成部材間の空間
内に充填される止水材として、材質、性能の異なる複数
種の止水材が上下方向に複数層をなして充填されている
ことを特徴とする。
前記内外遮水壁構成部材間の空間内で前記上下方向に複
数層をなして充填される止水材として、地盤内で内外遮
水壁構成部材の変形が少ない部位については、モルタ
ル、コンクリート等の弾性的応答を示す止水材が充填さ
れ、内外遮水壁構成部材の変形が予想される部位につい
ては、変形追従性があるアスファルト混合物等の瀝青材
料、粘土、粘土モルタル、粘性系材料等の粘弾性的ない
し粘性的応答を示す止水材が充填されていることを特徴
とする。
間隔をあけて平行ないし略平行に複数列配置して、端部
に継手部材を有する複数列の内外遮水壁の間を仕切連結
鋼材で連結してなる内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)
を、継手部材を介して接合しながら不透水性地層に打設
する遮水護岸用の閉鎖状連続壁の構築方法であって、前
記継手部材を介して隣接する内外遮水壁構成部材間に形
成される空間を掘削洗浄し、その後に、該空間に滞水し
ている海水または濁度の高い真水を濁度の低い真水に置
換した後、該空間に滞水している水と置換しながら、該
空間に、アスファルト混合物等の瀝青材料、粘土、モル
タル、コンクリート、粘土モルタル、粘性系材料等の止
水材を充填して築造することを特徴とする。
前記内外遮水壁構成部材間に形成される空間に滞水して
いる水と置換しながら止水材を充填するのに代えて、前
記掘削洗浄後の空間を強制排水してほぼドライ状態と
し、このドライ状態の空間に、前記止水材を充填して築
造することを特徴とする。
明において、前記内外遮水壁構成部材として、継手部材
を介して隣接する該部材間に形成される空間の該部材内
面に、瀝青・ゴム系接着剤、アスファルトプライマー等
の接着剤が予め塗布されている内外遮水壁構成部材(鋼
製矢板)を用いることを特徴とする。
間隔をあけて平行ないし略平行に複数列配置して、端部
に継手部材を有する複数列の内外遮水壁の間を仕切連結
鋼材で連結してなる内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)
を、継手部材を介して接合しながら不透水性地層に打設
する遮水護岸用の閉鎖状連続壁の構築方法であって、前
記内外遮水壁構成部材には、該部材端部の継手部材の閉
合部内に予め水膨潤性止水材を塗布もしくは注入充填し
た内外遮水壁鋼製部材を用いることを特徴とする。
れかの発明において、前記内外遮水壁構成部材として、
該部材同士を接合する継手部材の閉合部内に予め水膨潤
性止水材を塗布もしくは注入充填した内外遮水壁構成部
材(鋼製矢板)を用いることを特徴とする。
間隔をあけて平行ないし略平行に複数列配置して、端部
に継手部材を有する複数列の内外遮水壁の間を仕切連結
鋼材で連結してなる内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)
を、継手部材を介して接合しながら不透水性地層に打設
する遮水護岸用の閉鎖状連続壁の構築方法であって、前
記内外遮水壁構成部材として、該内外遮水壁構成部材同
士を接合する継手部材の閉合部内に予め水膨潤性止水材
を塗布もしくは注入充填した内外遮水壁構成部材(鋼製
矢板)を打設しながら、該内外遮水壁構成部材(鋼製矢
板)の継手部止水構造を構築した後、該継手部を介して
隣接する内外遮水壁構成部材間に形成される空間内を掘
削洗浄し、その後、該空間をドライアップして、そのド
ライ状態の空間の内面に瀝青・ゴム系接着剤、アスファ
ルトプライマー等の接着剤を塗布した後、アスファルト
混合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、
粘土モルタル、粘性系材料等の止水材を充填して築造す
ることを特徴とする。
れかの発明における、前記水膨潤性止水材による内外遮
水壁構成部材(鋼製矢板)の継手部止水構造の構築に代
えて、第8ないし第13の何れかの発明の鋼製矢板継手
部止水構造の構築方法を用いて構築することを特徴とす
る。
は、第24ないし第26の何れかの発明において、材
質、性能の異なる複数種の止水材の中から、前記遮水性
連続壁の上下方向の場所毎の要求特性に応じた止水材を
選択して、前記隣接する内外遮水壁構成部材間に形成さ
れる空間に充填することで、該空間に上下方向で材質、
性能の異なる複数種の止水材層を形成することを特徴と
する。
前記上下方向に複数層をなして充填される止水材とし
て、地盤内で鋼製矢板の変形が少ない部位については、
モルタル、コンクリート等の弾性的応答を示す止水材を
選択し、鋼製矢板の変形が予想される部位については、
変形追従性があるアスファルト混合物等の瀝青材料、粘
土、粘土モルタル、粘性系材料等の粘弾性的ないし粘性
的応答を示す止水材を選択することを特徴とする。
れる廃棄物海・水面埋立処分場であって、該処分場は、
第14ないし第19の何れかの発明における遮水性連続
壁を有する遮水護岸が海面ないし水面部に閉鎖状に築造
されていると共に、廃棄物をその閉鎖部内に投入した際
に発生する保有水を発生させない、または、発生し難い
ようにするため、閉鎖状の前記遮水護岸の内部が、内部
水が排水されてドライな状態またはそれに近い状態にさ
れていることを特徴とする。
人工島であって、該人工島は、第14ないし第19の何
れかの発明の遮水性連続壁を有する遮水護岸が、海面な
いし水面部に閉鎖状に築造されていると共に、埋立部分
の圧密沈下を抑制し、かつ構造物の基礎を、埋立後再度
掘削することなく築造するため、閉鎖状の前記遮水護岸
の内部が、内部水が排水されることでドライな状態また
はそれに近い状態にされていると共に、埋立用の土砂が
ドライな状態で敷き均されていることを特徴とする。
れかの発明における遮水性連続壁を有する遮水護岸であ
って、ドライアップされ大気中に露出される部分、干満
帯(スプラッシュゾーン)等を含めた遮水性連続壁の鋼
材表面に、ウレタンエラストマー等の有機ライニング、
アスファルト等の塗装、ペトロラタムライニング、無機
ライニング等の1種または2種以上の防食被覆層を有す
ることを特徴とする。
れかの発明の方法で構築した遮水性連続壁を用いた遮水
護岸を海面ないし水面部に閉鎖状に築造し、閉鎖状の該
遮水護岸の内部を排水してドライな状態またはそれに近
い状態にすることにより、廃棄物をその閉鎖部内に投入
した際に発生する保有水を発生させない、または、発生
し難いことを特徴とする海面ないし水面における廃棄物
海・水面埋立処分場の構築することを特徴とする。
れかの発明で構築した遮水性連続壁を用いた遮水護岸を
海面ないし水面部に閉鎖状に築造し、閉鎖状の該遮水護
岸の内部を排水してドライな状態またはそれに近い状態
にすることにより、埋立用の土砂をドライな状態で敷き
均し、埋立部分の圧密沈下を抑制するとともに、構造物
の基礎を、埋立後再度掘削することなく築造することを
特徴とする。
れかの発明で構築した遮水性連続壁を用いた遮水護岸の
防食方法であって、鋼材表面にウレタンエラストマー等
の有機ライニング、アスファルト等の塗布、ペトロラタ
ムライニング、無機ライニング等の1種または2種以上
の防食被覆層を予め施した鋼製矢板を用いるか、また
は、前記遮水護岸を海面ないし水面部に閉鎖状に築造
し、閉鎖状の該遮水護岸の内部を排水してドライな状態
またはそれに近い状態にして、そのドライアップされ大
気中に露出される部分、干満帯(スプラッシュゾーン)
等を含めた遮水性連続壁の鋼材部分に、ウレタンエラス
トマー等の有機ライニング、アスファルト等の塗装、ペ
トロラタムライニング、無機ライニング等の1種または
2種以上の防食被覆層を施すことを特徴とする。
徴的な構築方法では、鋼製矢板の継手部材の閉合部内
に、不透水材料である鋼材との接着性が悪いが、優れた
不透水性能を発揮し、可撓性を有するアスファルト混合
物等の瀝青材料を止水材に使用して水中充填する。そし
て、鋼材と止水材との前記接着性能の点は、瀝青・ゴム
系接着材、アスファルトプライマー等の接着材を継手部
材の閉合部の内面に塗布することで改善され、止水材と
鋼材との一体化が図られて完全な止水性が得られること
が確認されている。
加熱して液体状で継手閉合部内の空間に流し込む際に、
海底面より上部は、流出防止対策としてスリット間隙部
近傍への当て金具による水中溶接の代わりに、雌側の継
手部のスリット幅を雄側の継手部寸法より狭くし、継手
接合部内の密閉度を向上させた継手構造内に雄側の継手
部を強制的に打設挿入させて、止水材の海中への流れ出
しを防止した密閉構造にする。この密閉構造を機械的に
築造する方法としては、雌側の継手部のスリット部に伸
縮自在な部材を設置する方法もある。
矢板は、不透水性地層となる硬質の粘土や軟岩等に打設
される。このような硬質地盤に鋼製矢板の継手部を貫入
させないと、遮水効果が十分発揮されない。さらに、硬
質地盤に打設された継手部(管部材)が所定の形状に維
持されなければ止水材が確実に注入もしくは充填されな
いことから、硬質地盤に継手部が打設されても継手部が
変形しないように継手部の先端(下端)に閉塞手段、例
えば十字リブや沓を設置して継手部を補強しておく方が
好ましい。
連結鋼材で連結してなる内外遮水壁構成部材を不透水性
地層に打設して構築する遮水護岸用の閉鎖状連続壁を構
築するもので、この場合、必要に応じて、内外遮水壁構
成部材の継手に予め水膨潤性物質等の止水性物質を塗布
もしくは注入・充填したものを嵌合させながら順次不透
水性地盤内に打設していく。
を介して隣接する複数列の内外遮水壁構成部材間に空間
を形成し、この空間を掘削洗浄してドライとした後、あ
るいは、掘削洗浄後に空間に存在する水と置換しなが
ら、アスファルト混合物、粘土、モルタル、コンクリー
ト、粘土モルタル、粘性系材料等の止水材を充填する等
の施工法を選択でき、これによる様々な作用が奏され
る。
水材を塗布し又は充填した場合には、不透水性地盤内に
打設された内外遮水壁構成部材の継手部は、時間の経過
とともに止水材に含まれている水膨潤性物質の膨張によ
り止水される。その後、不透水性地盤まで立列した内外
遮水壁構成部材空間内や、継手部で閉塞された内外遮水
壁構成部材間の空間の内部をこれら大小の閉塞空間部に
適した機具、すなわち、ウォータージェットやグラブバ
ッケット、オーガー、エアーリフト等で掘削洗浄しなが
らサンドポンプ、水中ポンプ等でドライアップして、そ
のドライ状態の空間内に可撓性を有するアスファルト混
合物などの瀝青材料、モルタル、コンクリート、粘性
土、粘性系材料等の止水材を充填して遮水性連続壁を築
造する。
手部材の閉合空間に前述の止水材を充填することで継手
部の止水性が向上し、また、空間が仕切連結鋼材で仕切
られている内外遮水壁構成部材を用いて遮水性連続壁と
した場合においては、万一継手部で漏水が発生しても、
その漏水部を特定し易く、補修が容易である。この場
合、まず、第1のステップで内外遮水壁構成部材の空間
内をウォータージェット等で洗浄した後、水中ポンプ等
でドライアップした時点で、継手部の止水状況を確認す
る。この時点で止水性に不具合な場合は、内外遮水壁構
成部材の継手部内外より補修を実施し、完全な止水構造
を完成させることが可能となる。
より再度水膨潤性物質を継手部材閉合空間に注入させる
方法、継手外部より継手部近傍にセメントミルクや水ガ
ラス系、高分子系の薬液を注入して止水する方法、更に
は、鋼製あて金具とか板状・棒状金具を溶接する方法が
ある。
外遮水壁構成部材間の空間をドライな状態にした場合に
あっては、必要に応じて鋼材内表面に瀝青・ゴム系接着
材もしくはアスファルトプライマー等の接着材を塗布し
た後に、その空間に前述のアスファルト混合物、モルタ
ル、粘性土等の止水材を内外遮水壁構成部材の先端まで
充填することにより、弱点となる内外遮水壁構成部材と
止水材との境界面の水路を接着材により、強固に結合し
遮水できる高品位な遮水構造を構築できる。また、事前
に接着材を塗布してなるものを打設してもよい。
位をコントロールしながら施工し、補修することもでき
る。この場合は、空間内の水位と外部の水位を同レベル
に保つことで、空間内外の水圧を等しい状態に保つこと
ができるので、地盤の中間層の打ち貫き時とか、転石と
かの障害により予め嵌合させて打設した継手部が離脱し
たり、内外遮水壁構成部材の座屈により継手部に欠損が
生じた場合など、その補修に際し、空間内外の水圧を等
しくすることにより、補修部に外部の水圧による変応力
を発生させることなく補修が可能となる。
の閉合面にアスファルトプライマーを気中塗布した後
に、不透水材料のアスファルト混合物の瀝青材料を止水
材として水中充填し、不透水材料の鋼材と一体化させ、
完全な不透水の鋼製矢板の継手部の止水構造を築造す
る。
する内外遮水壁構成部材を用いた遮水護岸構造を用いて
海面、水面部に閉鎖状の遮水護岸を構築した後、閉鎖状
の護岸内部水を護岸外部にポンプ等により排水してドラ
イな状態を事前に構築しておけば有害廃棄物を遮水護岸
で閉鎖された内部に投入しても、有害物質を含有する保
有水の処理を省くか大幅に軽減することができ、保有水
処理費用の大幅な軽減が可能となる。
処分場(つまり人工島)では、管理型護岸の安定を保つ
ために保持する管理水位のコントロールが不要となり、
陸上処分場と同様な廃棄物処理方法・管理方法をとるこ
とができ、漏水等のモニタリング管理が容易となる。
の止水工法では、波力、水圧、土圧、地震力等の外力が
作用すると継手部を含め護岸構造が大きな変形をおこす
が、止水工がこの変形に追従できないために閉鎖状の護
岸内部空間を完全にドライな状態にできず、前記空間は
滞留水が残置された状態になる。それ故に、従来技術で
は、閉鎖状の護岸内部は外海と通じた状態となり海水が
満たされてしまうので、護岸内部に埋め立て土を投入せ
ざるを得なかった。この場合、埋立部の沈下を抑制する
ため、地盤改良を施さなければならなかった。本発明の
遮水技術を用いることにより、閉鎖状内部の既存海水を
ドライアップし、ドライワークが可能となることから、
埋め立て部で陸上の土木工事と概同様な気中施工法を取
ることが可能となる。また、本発明を建物の地下室等の
構築に適用する時は、その地下室等は掘削を伴うことな
く直接構築できる付随効果もある。その基礎工事も埋立
前の旧海底地盤面にて施工可能につき、その深さ分経済
的となる。
矢板、U型鋼矢板、組み合わせ鋼矢板、直線形鋼矢板、H
型鋼矢板、Z形鋼矢板等を用いて単体で構成し、もしく
は、これらを組合わせて構成してもよい。
て説明する。
形態の継手部の止水構造を適用した護岸構造を示す。こ
の護岸構造は、廃棄物海面処分場の護岸として一般的に
用いられているものと同様のものである。図2は、図1
の拡大平面図であり、図3は、図2の側面図である。な
お、図1において、H.W.L(high water
level)は高潮位を示し、L.W.L(low
water level)は低潮位を示し、C.W.L
(control water level)は管理水
位を示す。
の廃棄物処分場6側との間に、所定間隔をあけて2列に
打設された鋼製矢板1によって、二重の遮水壁としての
外壁(外海5側)と内壁(右方廃棄物処分場6側)の各
鋼製矢板列1b,1aがそれぞれ海底下の難透水性地層
や不透水性地層2に至る深さに打設されている。
には透水性地層3が存在する。鋼製矢板列1a,1bの
間にあっては、透水性地層3の上に中詰土砂4が充填さ
れている。そして、図1〜図3に示すように、外壁1b
(外海5側)と内壁1a(右方廃棄物処分場6側)を構
成する鋼製矢板1同士の間は継手部7を介して接合され
ると共に、各鋼製矢板列1b,1aの間は、鋼製矢板1
の上端部に矢板列方向に延びて固定された接続部材8
と、内外二重列の接続部材8間をつなぐタイロッド9と
により保持されている。
の連続壁からなる場合は、両壁の間の壁間中空部に前述
の中詰土砂4を充填する。
に応じた、前面鋼製矢板の控え組杭式護岸構造を示す。
この護岸も前記の継手部7の止水構造を適用したもので
ある。図示のように、鋼製矢板21は不透水性地層2に
達して打設されている。鋼製矢板21の左方は外海5で
あり、右方は廃棄物処分場6である。図中3は透水性地
層である。鋼製矢板21の処分場6側には裏込石22に
より裏込工が施され、さらに図示のように鋼管杭または
H形鋼杭23が不透水性地層2に達して打設され、その
上端部はタイロッド24を介して鋼製矢板21を保持し
ている。
の継手部7を構成する継手部材には、スリット付きの鋼
製パイプ部材10a,10bが用いられ、パイプ部材1
0a,10bは鉛直方向に延びて各鋼製矢板1に溶接さ
れている。継手部7の接合時には、短いパイプ部材10
aと長いパイプ部材10b(図5参照)とが、図2に示
すように組み合わせられて接合される。
はその側面図であり、図5(b)はその底面図である。
そして、図6(a)〜(d)は短いパイプ部材10aの
構造を示す拡大図であり、同様に図7(a)〜(d)は
長いパイプ部材10bの拡大図である。いずれも図5
(a)をベースにした拡大図である。
材10b,10aの下端部は斜めに切断され、短いパイ
プ部材10aの切り口は、接合相手の長いパイプ部材1
0bと組み合わせられるため、底板(沓)12がスリッ
ト11の部分を避けて溶接されている。一方、長いパイ
プ部材10bは、短いパイプ部材10aのスリット11
に対応する長さにスリット11が形成されると共に、下
端部の切り口は溶接された底板(沓)13により全閉さ
れている。さらに、長いパイプ部材10bの下端部の内
部には十文字状に交差した補強リブ14が溶接されてい
る。
時に、パイプ部材10b内に土の浸入がなく、また下端
部の変形が防止されるので、止水材15が下端部まで確
実に充填され、止水性が向上する。
材10bとの接合に際し、これらの継手部7の内表面に
は、必要に応じてアスファルトプライマー等の接着剤を
塗布してあり、さらにその空間内に、アスファルト混合
物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土
モルタル、粘性系材料等の止水材15を打設し、当該空
間内に滞水している水と置換しながら充填して築造す
る。
図8(a),(b)を参照して説明する。本実施形態は
鋼製矢板の継手部の構成が前記第1実施形態と異なり、
その他の構成は第1実施形態同様である。従って、重複
する説明は省略して説明する。
面図である。図8(b)は、継手部37の透水試験結果
を示す説明図である。
士の接合時には、一方の鋼製矢板31に脚部33aを溶
接された雄側の継手部材を構成するT字状突起部33
が、その脚部33aを接合相手の鋼製矢板31の雌側の
パイプ部材32のスリット32aに挿入されて打接さ
れ、接合される。
内外閉合面、すなわち雌側のパイプ部材32の内面と雄
側の突起部33の外面とに、瀝青・ゴム系接着剤、アス
ファルトプライマー等の接着剤34を塗布した後に、継
手部37の中空部に止水材15としてのアスファルト混
合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘
土モルタル、粘性系材料等の止水材を充填する。これに
より、拘束力のある土中における止水性の向上はもとよ
り、水中における止水材15のパイプ部材32およびT
字状突起部33に対する接着性能が向上するので、止水
性が向上する。
マーの塗布の有り無しの場合の水中におけるアスファル
ト混合物との接触面の透水性能比較を行った結果を示
す。打ち継ぎ時およびアスファルトプライマーの塗布有
りの場合には、継手部37からの流出水量は0(ゼロ)
で、したがって透水係数は「不透水」であり、前記の海
面廃棄物処分場等の場合の透水係数の要求値を大巾にク
リアする結果が得られた。また、アスファルトプライマ
ーの塗布無しの場合も、その透水係数は、前記海面廃棄
物処分場に要求されている10-8cm/sの遮水性能を
クリアする結果が得られた。
図9を参照して説明する。本実施形態は継手部の雌側部
材のスリット幅が、第2実施形態と相違する。
の雌側パイプ部材42のスリット42aの幅寸法が、接
合相手側の鋼製矢板41のT字状突起部43の脚部43
aの厚さよりも所定量狭く形成されている。従って、両
鋼製矢板41の接合に当たり、パイプ部材42のスリッ
ト42aを突起部43の脚部43aを押し広げながら強
制的に挿入される。こうして、突起部43の脚部43a
はパイプ部材42により図示の矢印方向に押さえつけら
れて密閉度が向上している。
間の中空部に止水材15としてのアスファルト混合物等
の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土モル
タル、粘性系材料等の止水材を充填する。
で、内部の密閉度が向上され、充填した止水材の漏れが
無くなると共に、止水性が向上する。
図10を参照して説明する。本実施形態は継手部を構成
する雌側のパイプ部材のスリット部の構成が、前記第3
実施形態と相違する。
パイプ部材52のスリット部52aの左右に、それぞれ
異なる止水部材54,55を貼り付けた構造を示す。ス
リット部52aの左方には伸縮自在な止水部材54とし
てのゴム状部材が貼り付けられている。そして、スリッ
ト部52aの右方には止水部材55として塩化ビニール
の帯状板材が貼り付けられている。
左方のゴム状部材54を所定量撓ませて、雄側のT字状
突起部53の脚部53aを挿入して接合させる。そし
て、パイプ部材52と突起部53との間の中空部に止水
材15としてのアスファルト混合物等の瀝青材料、粘
土、モルタル、コンクリート、粘土モルタル、粘性系材
料等の止水材を充填する。
パイプ部材52のスリット部52aが、強制的にはまり
込んだ雄側のT字状突起部53の脚部53aを弾性的に
押さえ込むので隙間が生じず、止水材の漏れが無くな
り、確実な止水効果が得られる。
図11を参照して説明する。本実施形態は継手部を構成
する雌側のパイプ部材のスリット部の構成が、第3実施
形態と相違する。
イプ部材62のスリット部62aの両側に伸縮自在な部
材としての塩化ビニール製のシール部材65が、断面が
ほぼコの字形の樋状に形成され、パイプ部材62の長手
方向に延びて嵌め込まれている。そして、このシール部
材65は、コイルばね64によりスリット幅を減少する
方向に付勢されている。
方向に所定の間隔をおいて凹部に配置され、シール部材
65のスリット幅が広げられた場合に反発力を生じる。
なお、継手部67を構成する雄側のT字状突起部63
は、第3、第4実施形態(図9、図10)の43、53
と同じであるので、図示を省略してある。
に当たっては、両側のシール部材65を押し開いて雄側
のT字状突起部63の脚部63aをスリット部62aに
挿入して接合させる。そして、パイプ部材62と突起部
63との間の中空部に止水材としてのアスファルト混合
物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土
モルタル、粘性系材料等の止水材15を充填する。
り、シール部材65と突起部63の脚部63aとの間に
隙間が生じないので、確実な止水効果が得られる。
形態〜第5実施形態では、本発明の複数の特徴の中の一
部の実施例として、鋼製矢板(鋼管矢板)1における継
手部の止水構造例を示した。また、前記の各実施形態で
は、図1〜図3に示されるように壁間中間部に中詰土砂
4が充填可能な二重壁の護岸構造例を示した。
形態では、本発明の特徴とする他の実施例として、前述
の鋼製矢板1とは異なる構成の内外遮水壁構成部材7
1,81を用いて継手部の止水性に優れた二重壁の護岸
構造例を説明する。ここで、第6〜第11実施形態で用
いる内外遮水壁構成部材71、81及び内外連続壁72
の用語は、図1〜図3に示す第1実施形態の2列構築さ
れた鋼管矢板列1a,1bからなる二重壁とは異なる意
味で用いている。つまり、第1実施形態に対応させるな
らば、第1実施形態における2列の鋼管矢板列1a,1
bのそれぞれが、後述の内外連続壁72で構築されるこ
とになる。
施形態として、遮水護岸壁として内外連続壁72を構成
する単列の内外遮水壁構成部材71および継手部77を
示す平面図、 図12(B)〜(F)は、同図(A)の
継手部77の具体例を示す図、図13(a)、(b)
は、内外遮水壁構成部材71の斜視図である。
としての内外遮水壁構成部材71とその継手部77は次
のように構成されている。すなわち、内外遮水壁構成部
材71には、その内外側の各壁面に沿って、左右に隣接
する内外遮水壁構成部材71側に延びる内壁部材71a
と外壁部材71bが設けられ、対向する左右の内外遮水
壁部材71a,71b間は一定間隔をあけて設けられた
仕切連結鋼材70で連結され、仕切連結鋼材70と内外
遮水壁部材71a、71bで囲まれた内側には閉合空間
部20が形成されている。
に延びる内壁部材71aと外壁部材71bの端縁同士は
突き合わせ端部に備えられた嵌合継手45aからなるジ
ョイント部45が互いに嵌合することにより列状に連結
されている。こうして、連結された各継手部77は内部
に箱形の空間44を有している。そして、内外遮水壁構
成部材71の継手部77の空間44には、アスファルト
混合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、
粘土モルタル、粘性系材料等の止水材15aが充填され
ている。なお、嵌合継手45aの具体的構造は任意でよ
く、例えば、図12(B)に示すP−P(パイプ−パイ
プ)の継手45a、同図(C)に示すP−T(パイプ−
T字突起)の継手45a、同図(D)に示すL−T(角
パイプ−T字突起)の継手45a、同図(E)に示すH
−H(半割パイプ−半割パイプ)の継手45a、同図
(F)に示すK−K(鉤手−鉤手)の継手45a等いず
れでもよい。
は、直線矢板に2枚の仕切連結鋼材(ダブルウェブ)7
0を施して構成した例を示し、図13(b)の内外遮水
壁構成部材71は、角形鋼管に半割りした直線矢板を施
して構成した例を示す。
壁構成部材71とその継手部をH形鋼矢板で構成した例
を示す。この構造例は、前記箱形矢板からなる内外遮水
壁構成部材71の継手部構造(図13)と同様のもので
ある。
る場合、嵌合継手45aには、予め止水性物質が塗布さ
れている。そのため、空間44内を掘削洗浄しながらド
ライアップして、そのドライ状態の空間44内にアスフ
ァルト混合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリ
ート、粘土モルタル、粘性系材料等の止水材15aを充
填して築造できる。
構成部材71からなる連続壁は、単列または複数列に立
設して遮水護岸を構築してよく、また、連続壁で海上が
仕切られた廃棄物処分場6となる閉鎖状の内部は、ドラ
イワークが可能となることから、廃棄物の埋め立て処分
を陸上の廃棄物処分と略同様な気中施工法を取ることが
可能となる。
図15(a),(b)を参照して説明する。本実施形態
はシートパイル16からなる内外遮水壁構成部材81と
その継手部87の構成が第6実施形態と異若干異なる
が、基本的な構成は第6実施形態と同じであるので、重
複する点の説明は省略し、特に構成上相違する点を中心
に説明する。
遮水壁構成部材81は、シートパイル16を一定間隔に
て並列配置し、両シートパイル16の両フランジ17、
17の間をウェブ(仕切連結鋼材)18で連結して構成
されている。また、継手部87は、嵌合継手87aから
なっていて、継手部表面に水膨潤性物質を塗布すると共
に、さらに必要に応じて接着剤を塗布することで継手部
の止水性を確保している。この内外遮水壁構成部材81
の製作は、全体を一体もの型材として成形するか、シー
トパイル16同士をウェブ18で溶接してなるかを問わ
ない。
水壁構成部材81は並列するシートパイル16同士を嵌
合継手87aで嵌合することにより、列状に連結されて
下端は不透水性地盤に達して打設されている。こうし
て、各継手部87は内部に空間44aを有している。
形成された嵌合継手87aを連続させた連続壁の空間4
4a内にアスファルト混合物等の瀝青材料、粘土、モル
タル、コンクリート、粘土モルタル、粘性系材料等の止
水材15aを充填して築造する。
る場合、嵌合継手87aには、予め止水性物質が塗布さ
れているので、空間44a内を掘削洗浄しながらドライ
アップして、そのドライ状態の空間44a内にアスファ
ルト混合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリー
ト、粘土モルタル、粘性系材料等の止水材15aを充填
して築造できる。
壁構成部材81からなる連続壁は、単列または複数列に
立設して遮水護岸を構築してよく、また、連続壁で海上
が仕切られた廃棄物処分場6となる閉鎖状の内部は、ド
ライワークが可能となることから、廃棄物の埋め立て処
分場を陸上の廃棄物処分と略同様な気中施工法を取るこ
とが可能となる。
パイル製の内外遮水壁構成部材81の外表面で大気中に
露出される鋼材部分は、海水、真水からの飛来塩分や飛
来水分や有害廃棄物よる厳しい腐食環境下での防食のた
め、ウレタンエラストマー等の有機ライニングやアスフ
ァルトプライマー等の塗装、ペトロラタムライニング、
無機ライニング等を施すのがよい。また、空間44aの
内面については、内外遮水壁構成部材81を打設し、空
間44aをドライにした後に内面にアスファルトプライ
マーの防食剤を塗布し、その後止水材15aを充填して
もよいし、あるいは、内外遮水壁構成部材81を打設前
に、予めアスファルトプライマー等の防食剤を塗布して
おき、空間44aをドライにした後に止水材15aを充
填しても何れでもよい。
図16を参照して説明する。第8実施形態は、図15に
示した第7実施形態の変形例ともいうべきもので、一定
間隔にて並列配置した2つのシートパイル16のそれぞ
れのフランジ17間が所定間隔離して配置するダブルの
ウェブ(仕切連結鋼材)18、18で連結され、両ウェ
ブ18,18間に閉合空間部20を形成する点が第7実
施形態と異若干異なるが、他の構成は第7実施形態と同
じであるので、重複する点の説明は省略する。この第8
実施形態では、密閉されている閉合空間部20内には止
水材を充填しなくてよいので、その分、第7実施形態に
比べて止水材の使用量が少なくてすむ。
図17を参照して説明する。第9実施形態は、図16に
示す第8実施形態の変形例ともいうべきもので、一定間
隔にて並列配置した各シートパイル16のフランジ17
が、各シートパイル16の一つ置きにそれぞれ交互に内
側と外側になるよう配置し、各広幅と狭幅のフランジ1
7間が長寸と短寸のダブルのウェブ(仕切連結鋼材)1
8で連結された広幅型鋼矢板の例が示されている。他の
構成は図16の第8実施形態と同じであるので、重複す
る点の説明は省略する。
合空間部20内には止水材を充填しなくてよいので、そ
の分、第8実施形態に比べて止水材15aの使用量が少
なくてすむと共に、広幅の連続遮水壁を構築できる。
態を図18を参照して説明する。第10実施形態は、図
12に示したのと同様に、内壁部材71aおよび外壁部
材71bの間が、所定の間隔をあけて設けたダブルの仕
切連結鋼材70で連結されてなる二重遮水壁としての内
外遮水壁構成部材71の空間44に止水材15aを充填
した例が示されている。この第10実施形態でも、ダブ
ルのウェブ(仕切連結鋼材)70の間に形成された閉合
空間部20内には止水材を充填しなくてよいので、その
分、止水材の使用量が少なくてすむものである。
合する継手部は、既述の継手部77と同じ構成である。
内外遮水壁構成部材71を設置する構造は単列に限定さ
れるものではなく、複数列の遮水壁にも適用可能であ
る。
された内外遮水壁構成部材71(81)の内外連続壁7
1a、71bで囲繞された囲繞中空部82に、廃棄物6
aを受け入れるに先立ち、囲繞中空部82を排水ポンプ
19で排水しドライアップする状態を図示している。
の外海5を遮水壁で取囲んで仕切るように内外遮水壁構
成部材71からなる内外連続壁72を海底下の難透水性
地層や不透水性地層2に至る深さに打設している。
には透水性地層3が存在する。内外連続壁72の海面側
には捨石マウンド26が築造されていて、捨石マウンド
26上にケーソン27が据付けられている。ケーソン2
7と内外連続壁72の間に裏埋め土砂28が充填されて
いて、裏埋め土砂28の上面を閉鎖するように内外連続
壁72とケーソン27の間にコンクリート製上部工29
が架設されている。
繞中空部82内に排水ホース25を挿入し、囲繞中空部
82内に満たされた海水を外海5など囲繞中空部82外
に排水ポンプ19を用いて排水する。この場合、内外連
続壁72の継手部77は止水材15による止水構造とさ
れていて囲繞中空部82内は外部からの海水の浸入が断
たれているので、囲繞中空部82内の海水を排出するこ
とで、囲繞中空部82内はドライアップされる。
と同じ作業環境の中で、囲繞中空部82内に廃棄物を埋
立て処理して人工島を構築することが可能となる。すな
わち、囲繞中空部82の内部水を事前に排水ポンプで排
水してドライな状態または、それに近い状態にすること
により、埋立用の土砂をドライな状態で敷き均すことが
できるために、廃棄物運搬の作業用仮道路も容易に築造
可能となる。
れた囲繞中空部82は、継手部の遮水性を完璧にするこ
とができなかったために、ドライな状態にはできなかっ
た。そのため、既存海水中に埋め立て土を投入せざるを
得なかったが、埋め立て土による沈下を抑制するために
は地盤改良を施さなければならなかった。本実施形態の
遮水技術を用いることにより、遮水性が完璧になり、ド
ライワークが可能となることから、埋め立て部で陸上の
土木工事と概同様な気中施工法を取ることが可能とな
る。また、本発明を建物の地下室等の構築に適用する時
は、その地下室等は掘削を伴うことなく直接構築できる
付随効果もある。その基礎工事も埋立前に施工可能につ
き、その深さ分経済的となる。
81のドライアップ部分で大気中に露出される鋼材部分
や干満帯(スプラッシュゾーン)には、海水、真水から
の飛来塩分や飛来水分や有害廃棄物よる厳しい腐食環境
下での防食のため、ウレタンエラストマー等の有機ライ
ニングやアスファルト等の塗装、ペトロラタムライニン
グ、無機ライニング等の防食を施すのがよい。また、内
外連続壁が外海に面している場合には、干満帯(スプラ
ッシュゾーン)に同様の防食を施すのが好ましい。
板や内外壁鋼製部材における、継手部材の閉合部内の空
間に充填される止水材として、材質、性能の異なる複数
種の止水材を上下方向に複数層をなして充填してもよ
く、具体例として、例えば、地盤内で鋼製矢板の変形が
少ない部位についてはコンクリート系の弾性的応答を示
す止水材を充填し、鋼製矢板の変形が予想される部位に
ついては、変形追従性があるアスファルト混合物系の粘
弾性的ないし粘性的応答を示す止水材を充填するとよ
い。
鋼製部材間の空間内に充填される止水材として、材質、
性能の異なる複数種の止水材を上下方向に複数層をなし
て投入充填してもよく、具体例として、例えば、地盤内
で鋼製矢板の変形が少ない部位についてはコンクリート
系の弾性的応答を示す止水材を投入充填し、鋼製矢板の
変形が予想される部位については、変形追従性があるア
スファルト混合物系の粘弾性的ないしは粘性的応答を示
す止水材を充填するとよい。
の空間内には、当該空間内の掘削洗浄後における水との
置換を介して打設されたアスファルト混合物等の瀝青材
料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土モルタル、粘
性系材料等の止水材が充填されているので、止水性が向
上する。また、継手部に予め止水性物質を塗布しておく
ことで止水性が一層向上する。すなわち、前記継手部の
内表面に瀝青・ゴム系接着剤、アスファルトプライマー
等の接着剤を塗布した後に、止水材を充填するので、拘
束力のある土中での止水性の向上はもとより、水中にお
ける止水材の鋼材に対する接着性能が向上するので、止
水性が向上する。
が雌側継手部材のスリット幅を押し広げて嵌り込むので
継手部内の密閉度が向上し、充填した止水材の漏れが無
くなると共に、止水性が向上する。
ット部が、強制的に嵌り込んだ雄側の継手部材を弾性的
に押さえ込むので、確実な止水効果が得られる。
する継手部材内の閉合空間を、これら大小の空間部に適
した機具、すなわち、ウォータージェットやグラブバッ
ケット、オーガー、エアーリフト等で掘削洗浄しながら
サンドポンプ、水中ポンプ等でドライアップして、その
ドライ状態の空間内にアスファルト混合物等の瀝青材
料、モルタル、粘土、粘性系材料等の止水材を充填でき
る。
外遮水壁構成部材同士を嵌合接合する継手部材の止水に
よりドライな状態とすることができるので、必要に応じ
て矢板表面にアスファルトプライマー等の接着剤を塗布
した後で、その空間内にアスファルト混合物等の瀝青材
料、モルタル、粘土等の止水材を内外遮水壁構成部材の
先端まで充填でき、内外遮水壁構成部材と止水材との境
界面の水路を接着剤により、強固に遮水できる高品位な
遮水構造を構築できる。
する鋼製矢板とその弱点となる継手部に高品位な止水工
法を用いた遮水護岸構造を用いて海面、水面部に閉鎖状
の遮水護岸を構築した後、閉鎖状の護岸内部水を事前に
護岸外部にポンプ等により排水してドライな状態を事前
に構築しておけば有害廃棄物を護岸内部に投入しても、
有害物質を含有する保有水の処理を殆どなくすることが
でき、保有水処理費用の大幅な軽減が可能となる。
いることにより、ドライワークが可能となることから、
埋め立て部で陸上の土木工事と概同様な気中施工法を取
ることが可能となる。また、本発明を建物の地下室等の
構築に適用する時は、その地下室等は掘削を伴うことな
く直接構築できる付随効果もある。その基礎工事も埋立
前に施工可能につき、その深さ分経済的となる。
明図である。
体説明図である。
であり、(b)は断面図である。
材の構造説明図である。
材の構造説明図である。
であり、(b)は同構造の止水性能の説明図である。
である。
図である。
図である。
の内外遮水連続壁の平面図であり、(B)〜(F)は、
継手形状を示す断面図である。
部材の斜視図である。
例を示す斜視図であり、(b)は断面図である。
パイルを用いてなる二重護岸構造の平面図であり、
(b)は同図(a)に示すシートパイル単体の斜視図で
ある。
図である。
図である。
面図である。
た護岸構造で廃棄物処分場または人口島と築造するに際
し、連続壁で囲繞された中空部をドライアップしている
状況を示す縦断面説明図である。
面図である。
Claims (34)
- 【請求項1】 鋼製箱形矢板、H形鋼矢板、鋼管矢板等
の鋼材を用いた鋼製矢板の継手部材の閉合部の内面に瀝
青・ゴム系接着剤、アスファルトプライマー等の接着剤
が塗布されていると共に、前記継手部材の閉合部内の空
間が前記接着剤層を介して止水材としてのアスファルト
混合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリート、
粘土モルタル、粘性系材料等の止水材で充填されている
ことを特徴とする鋼製矢板継手部の止水構造。 - 【請求項2】 継手部材の閉合部の密閉度向上のため、
雌側の継手部材のスリット幅が雄側の継手部材寸法より
狭く、雄側の継手部材が当該スリット部に強制的に挿入
されることで雌側の継手部材に残留応力が付与されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の鋼製矢板継手部の
止水構造。 - 【請求項3】 継手部材の閉合部の密閉度向上のため、
雌側の継手部材のスリット部もしくは、雌側継手部材の
スリット部と接合する雄側継手部材もしくは、雌側、雄
側相方の継手接合部のスリット部に伸縮自在な部材を設
置し、雄側の継手部材が前記スリット部に強制的に挿入
されることで雌側の継手部材に残留応力が付与されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の鋼製矢板継手部の
止水構造。 - 【請求項4】 前記継手部材の閉合部内の空間に充填さ
れる止水材は、材質、性能の異なる複数種の止水材が上
下方向に複数層をなして充填されていることを特徴とす
る請求項1ないし3の何れか1項に記載の鋼製矢板継手
部の止水構造。 - 【請求項5】 前記上下方向に複数層をなして充填され
る止水材として、地盤内で鋼製矢板の変形が少ない部位
については、モルタル、コンクリート等の弾性的応答を
示す止水材が充填され、鋼製矢板の変形が予想される部
位については、変形追従性があるアスファルト混合物等
の瀝青材料、粘土、粘土モルタル、粘性系材料等の粘弾
性的ないし粘性的応答を示す止水材が充填されているこ
とを特徴とする請求項4に記載の鋼製矢板継手部の止水
構造。 - 【請求項6】 継手部材の先端部に、閉塞手段を取り付
けて鋼製矢板打設時の継手部材の変形を防止すると共に
継手部材の先端まで空間を確保し、当該先端まで前記止
水材が充填可能なことを特徴とする請求項1ないし5の
何れか1項に記載の鋼製矢板継手部の止水構造。 - 【請求項7】 前記閉塞手段は、十字リブのごとき補強
材および沓で構成されることを特徴とする請求項6に記
載の鋼製矢板継手部の止水構造。 - 【請求項8】 鋼製箱形矢板、H形鋼矢板、鋼管矢板等
の不透水材料である鋼材を用いた鋼製矢板同士を、継手
部材を介して接合して不透水性地層に打設して構築する
遮水性連続壁用の鋼製矢板継手部止水構造の構築方法で
あって、前記鋼製矢板には、雌側のスリット幅が雄側の
継手部材寸法より狭い継手部材を有する鋼製矢板、また
は雌側のスリット部、雌側のスリット部と接合する雄側
継手部材、もしくはこれら雌側スリット部、雄側継手部
材の相方に、伸縮自在な部材を設置した継手部材を有す
る鋼製矢板であって、該継手部材の閉合部の内面に瀝青
・ゴム系接着剤、アスファルトプライマー等の接着剤が
塗布されている鋼製矢板を用いることで、該鋼製矢板の
打設に際し、雄側継手部材と雌側スリット部とを強制的
に挿入嵌合しながら密閉度の高い継手部材の閉合部を構
築し、該打設完了後、密閉された継手部材の閉合部空間
を掘削洗浄した後、該空間をドライアップした状態で、
該空間にアスファルト混合物等の瀝青材料、粘土、モル
タル、コンクリート、粘土モルタル、粘性系材料等の止
水材を充填して構築することを特徴とする鋼製矢板継手
部止水構造の構築方法。 - 【請求項9】 前記止水材を充填する前の前記閉合部空
間の状態を、前記ドライアップした状態に代えて、該空
間に滞水している海水または濁度の高い真水を濁度の低
い真水に置換した後のウェット状態として、該空間に滞
水している真水と置換しながら、該空間に前記止水材を
充填して構築することを特徴とする請求項8に記載の鋼
製矢板継手部止水構造の構築方法。 - 【請求項10】 材質、性能の異なる複数種の止水材の
中から、前記継手部材の上下方向の場所毎の要求特性に
応じた止水材を選択して充填することで、継手部材の閉
合部内の空間に上下方向で材質、性能の異なる複数種の
止水材層を形成することを特徴とする請求項8または9
に記載の鋼製矢板継手部止水構造の構築方法。 - 【請求項11】 前記上下方向に複数層をなして充填さ
れる止水材として、地盤内で鋼製矢板の変形が少ない部
位については、モルタル、コンクリート等の弾性的応答
を示す止水材を選択し、鋼製矢板の変形が予想される部
位については、変形追従性があるアスファルト混合物等
の瀝青材料、粘土、粘土モルタル、粘性系材料等の粘弾
性的ないし粘性的応答を示す止水材を選択することを特
徴とする請求項10に記載の鋼製矢板継手部止水構造の
構築方法。 - 【請求項12】 前記継手部材の先端部に、閉塞手段を
取り付けて前記鋼製矢板打設時の該継手部材の変形を防
止すると共に該継手部材の先端まで空間を確保して、該
先端まで前記止水材を充填可能にすることを特徴とする
請求項8ないし11の何れか1項に記載の鋼製矢板継手
部止水構造の構築方法。 - 【請求項13】 前記閉塞手段は、十字リブのごとき補
強材および沓で構成されることを特徴とする請求項12
に記載の鋼製矢板継手部止水構造の構築方法。 - 【請求項14】 不透水材料の鋼材を所定間隔をあけて
平行ないし略平行に複数列配置して端部に継手部材を有
する複数列の内外遮水壁間を仕切連結鋼材で連結して内
外遮水壁構成部材(鋼製矢板)を構成し、内外遮水壁構
成部材同士を継手部材を介して接合して不透水性地層に
打設して構築する遮水護岸用の閉鎖状連続壁であって、
前記継手部材を介して隣接する内外遮水壁構成部材間に
形成される空間に、アスファルト混合物等の瀝青材料、
粘土、モルタル、コンクリート、粘土モルタル、粘性系
材料等の止水材が充填されていることを特徴とする遮水
性連続壁。 - 【請求項15】 前記継手部材を介して隣接する内外遮
水壁構成部材間に形成される空間の鋼材内表面と該空間
に充填されている前記止水材との間に、瀝青・ゴム系接
着剤、アスファルトプライマー等の接着剤層が形成され
ていることを特徴とする請求項14に記載の遮水性連続
壁。 - 【請求項16】 前記内外遮水壁構成部材同士を接合す
る継手部材内の閉合空間に水膨潤性止水材が充填されて
いることを特徴とする請求項14または15に記載の遮
水性連続壁。 - 【請求項17】 前記内外遮水壁構成部材同士を接合す
る継手部が、請求項1ないし7の何れか1項に記載の鋼
製矢板の継手部の止水構造を有することを特徴とする請
求項14または15に記載の遮水性連続壁。 - 【請求項18】 前記内外遮水壁構成部材間の空間内に
充填される止水材として、材質、性能の異なる複数種の
止水材が上下方向に複数層をなして充填されていること
を特徴とする請求項14ないし17の何れか1項に記載
の遮水性連続壁。 - 【請求項19】 前記内外遮水壁構成部材間の空間内で
前記上下方向に複数層をなして充填される止水材とし
て、地盤内で内外遮水壁構成部材の変形が少ない部位に
ついては、モルタル、コンクリート等の弾性的応答を示
す止水材が充填され、内外遮水壁構成部材の変形が予想
される部位については、変形追従性があるアスファルト
混合物等の瀝青材料、粘土、粘土モルタル、粘性系材料
等の粘弾性的ないし粘性的応答を示す止水材が充填され
ていることを特徴とする請求項18に記載の遮水性連続
壁。 - 【請求項20】 不透水材料の鋼材を所定間隔をあけて
平行ないし略平行に複数列配置して、端部に継手部材を
有する複数列の内外遮水壁の間を仕切連結鋼材で連結し
てなる内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)を、継手部材を
介して接合しながら不透水性地層に打設する遮水護岸用
の閉鎖状連続壁の構築方法であって、前記継手部材を介
して隣接する内外遮水壁構成部材間に形成される空間を
掘削洗浄し、その後に、該空間に滞水している海水また
は濁度の高い真水を濁度の低い真水に置換した後、該空
間に滞水している水と置換しながら、該空間に、アスフ
ァルト混合物等の瀝青材料、粘土、モルタル、コンクリ
ート、粘土モルタル、粘性系材料等の止水材を充填して
築造することを特徴とする遮水性連続壁の構築方法。 - 【請求項21】 前記内外遮水壁構成部材間に形成され
る空間に滞水している水と置換しながら止水材を充填す
るのに代えて、前記掘削洗浄後の空間を強制排水してほ
ぼドライ状態とし、このドライ状態の空間に、前記止水
材を充填して築造することを特徴とする請求項20に記
載の遮水性連続壁の構築方法。 - 【請求項22】 前記内外遮水壁構成部材として、継手
部材を介して隣接する該部材間に形成される空間の該部
材内面に、瀝青・ゴム系接着剤、アスファルトプライマ
ー等の接着剤が予め塗布されている内外遮水壁構成部材
(鋼製矢板)を用いることを特徴とする請求項20また
は21に記載の遮水性連続壁の構築方法。 - 【請求項23】 不透水材料の鋼材を所定間隔をあけて
平行ないし略平行に複数列配置して、端部に継手部材を
有する複数列の内外遮水壁の間を仕切連結鋼材で連結し
てなる内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)を、継手部材を
介して接合しながら不透水性地層に打設する遮水護岸用
の閉鎖状連続壁の構築方法であって、前記内外遮水壁構
成部材には、該部材端部の継手部材の閉合部内に予め水
膨潤性止水材を塗布もしくは注入充填した内外遮水壁鋼
製部材を用いることを特徴とする遮水性連続壁の構築方
法。 - 【請求項24】 前記内外遮水壁構成部材として、該部
材同士を接合する継手部材の閉合部内に予め水膨潤性止
水材を塗布もしくは注入充填した内外遮水壁構成部材
(鋼製矢板)を用いることを特徴とする請求項20ない
し22の何れか1項に記載の遮水性連続壁の構築方法。 - 【請求項25】 不透水材料の鋼材を所定間隔をあけて
平行ないし略平行に複数列配置して、端部に継手部材を
有する複数列の内外遮水壁の間を仕切連結鋼材で連結し
てなる内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)を、継手部材を
介して接合しながら不透水性地層に打設する遮水護岸用
の閉鎖状連続壁の構築方法であって、前記内外遮水壁構
成部材として、該内外遮水壁構成部材同士を接合する継
手部材の閉合部内に予め水膨潤性止水材を塗布もしくは
注入充填した内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)を打設し
ながら、該内外遮水壁構成部材(鋼製矢板)の継手部止
水構造を構築した後、該継手部を介して隣接する内外遮
水壁構成部材間に形成される空間内を掘削洗浄し、その
後、該空間をドライアップして、そのドライ状態の空間
の内面に瀝青・ゴム系接着剤、アスファルトプライマー
等の接着剤を塗布した後、アスファルト混合物等の瀝青
材料、粘土、モルタル、コンクリート、粘土モルタル、
粘性系材料等の止水材を充填して築造することを特徴と
する遮水性連続壁の構築方法。 - 【請求項26】 前記水膨潤性止水材による内外遮水壁
構成部材(鋼製矢板)の継手部止水構造の構築に代え
て、請求項8ないし請求項13の何れか1項に記載の鋼
製矢板継手部止水構造の構築方法を用いて構築すること
を特徴とする請求項23ないし25の何れか1項に記載
の遮水性連続壁の構築方法。 - 【請求項27】 材質、性能の異なる複数種の止水材の
中から、前記遮水性連続壁の上下方向の場所毎の要求特
性に応じた止水材を選択して、前記隣接する内外遮水壁
構成部材間に形成される空間に充填することで、該空間
に上下方向で材質、性能の異なる複数種の止水材層を形
成することを特徴とする請求項20ないし22または2
4ないし26の何れか1項に記載の遮水性連続壁の構築
方法。 - 【請求項28】 前記上下方向に複数層をなして充填さ
れる止水材として、地盤内で鋼製矢板の変形が少ない部
位については、モルタル、コンクリート等の弾性的応答
を示す止水材を選択し、鋼製矢板の変形が予想される部
位については、変形追従性があるアスファルト混合物等
の瀝青材料、粘土、粘土モルタル、粘性系材料等の粘弾
性的ないし粘性的応答を示す止水材を選択することを特
徴とする請求項27に記載の遮水性連続壁の構築方法。 - 【請求項29】 海面ないし水面に設けられる廃棄物海
・水面埋立処分場であって、該処分場は、請求項14な
いし19の何れか1項に記載の遮水性連続壁を有する遮
水護岸が海面ないし水面部に閉鎖状に築造されていると
共に、廃棄物をその閉鎖部内に投入した際に発生する保
有水を発生させない、または、発生し難いようにするた
め、閉鎖状の前記遮水護岸の内部が、内部水が排水され
てドライな状態またはそれに近い状態にされていること
を特徴とする海面ないし水面における廃棄物海・水面埋
立処分場。 - 【請求項30】 海面ないし水面における人工島であっ
て、該人工島は、請求項14ないし19の何れか1項に
記載の遮水性連続壁を有する遮水護岸が、海面ないし水
面部に閉鎖状に築造されていると共に、埋立部分の圧密
沈下を抑制し、かつ構造物の基礎を、埋立後再度掘削す
ることなく築造するため、閉鎖状の前記遮水護岸の内部
が、内部水が排水されることでドライな状態またはそれ
に近い状態にされていると共に、埋立用の土砂がドライ
な状態で敷き均されていることを特徴とする海面ないし
水面における人工島。 - 【請求項31】 請求項14ないし19の何れか1項に
記載の遮水性連続壁を有する遮水護岸であって、ドライ
アップされ大気中に露出される部分、干満帯(スプラッ
シュゾーン)等を含めた遮水性連続壁の鋼材表面に、ウ
レタンエラストマー等の有機ライニング、アスファルト
等の塗装、ペトロラタムライニング、無機ライニング等
の1種または2種以上の防食被覆層を有することを特徴
とする遮水護岸。 - 【請求項32】 請求項20ないし28の何れか1項に
記載の方法で構築した遮水性連続壁を用いた遮水護岸を
海面ないし水面部に閉鎖状に築造し、閉鎖状の該遮水護
岸の内部を排水してドライな状態またはそれに近い状態
にすることにより、廃棄物をその閉鎖部内に投入した際
に発生する保有水を発生させない、または、発生し難い
ことを特徴とする海面ないし水面における廃棄物海・水
面埋立処分場の構築方法。 - 【請求項33】 請求項20ないし28の何れか1項に
記載の方法で構築した遮水性連続壁を用いた遮水護岸を
海面ないし水面部に閉鎖状に築造し、閉鎖状の該遮水護
岸の内部を排水してドライな状態またはそれに近い状態
にすることにより、埋立用の土砂をドライな状態で敷き
均し、埋立部分の圧密沈下を抑制するとともに、構造物
の基礎を、埋立後再度掘削することなく築造することを
特徴とする海面ないし水面における人工島の構築方法。 - 【請求項34】 請求項20ないし28の何れか1項に
記載の方法で構築した遮水性連続壁を用いた遮水護岸の
防食方法であって、鋼材表面にウレタンエラストマー等
の有機ライニング、アスファルト等の塗布、ペトロラタ
ムライニング、無機ライニング等の1種または2種以上
の防食被覆層を予め施した鋼製矢板を用いるか、また
は、前記遮水護岸を海面ないし水面部に閉鎖状に築造
し、閉鎖状の該遮水護岸の内部を排水してドライな状態
またはそれに近い状態にして、そのドライアップされ大
気中に露出される部分、干満帯(スプラッシュゾーン)
等を含めた遮水性連続壁の鋼材部分に、ウレタンエラス
トマー等の有機ライニング、アスファルト等の塗装、ペ
トロラタムライニング、無機ライニング等の1種または
2種以上の防食被覆層を施すことを特徴とする遮水護岸
の防食方法。
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