JP2005042289A - 不織布用短繊維及び短繊維不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルキレンテレフタレート単位を主体とする融点220℃以上のポリエステルAと流動開始温度又は融点がポリエステルAより30℃以上低いポリマーBからなる複合繊維において、繊維長が1.0〜30mm、単糸繊度が0.3〜40dtex、かつ捲縮が付与されている短繊維であって、単糸の捲縮形態が捲縮部の最大山部において、山部の頂点と隣接する谷部の底点2点を結んだ三角形の高さ(H)と底辺(L)の比(H/L)が下記(1)式を満足することを特徴とする不織布用短繊維。
(1)式:0.01T+0.1≦H/L≦0.02T+0.25
【選択図】 図1
Description
これらの要因により、エアレイド法による製造工程における静電気の発生量は多くなり、繊維塊の発生も多くなっている。
すなわち、本発明は、次の(ア)、(イ)を要旨とするものである。
(ア)アルキレンテレフタレート単位を主体とする融点220℃以上のポリエステルAと流動開始温度又は融点がポリエステルAより30℃以上低いポリマーBからなる複合繊維において、繊維長が1.0〜30mm、単糸繊度が0.3〜40dtex、かつ捲縮が付与されている短繊維であって、単糸の捲縮形態が捲縮部の最大山部において、山部の頂点と隣接する谷部の底点2点を結んだ三角形の高さ(H)と底辺(L)の比(H/L)が下記(1)式を満足することを特徴とする不織布用短繊維。
(1)式:0.01T+0.1≦H/L≦0.02T+0.25
Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数
(イ)(ア)記載の不織布用短繊維を含有してなることを特徴とする短繊維不織布。
乾式不織布を得る場合、特にエアレイド法で製造する場合には、静電気の発生が多くなる。このエアレイド法に用いられる装置としては、例えば特開平5−9813号公報に開示されているような、複数の回転シリンダーをハウジング内に収納し、これらシリンダーを高速回転させることによってシリンダーの周縁に積極的に空気流を発生させ、この空気流によって繊維成分を所定方向に吹き飛ばし得る装置が挙げられる。そして、このエアレイド法によるウエブ形成(短繊維の解繊、搬送、分散、積層工程の全て)においては、空気流を積極的に発生させているために、繊維同士が摺擦され、また繊維と装置(金属)との摩擦によっても静電気の発生が多くなる。
ここで、最大山部とは、本発明の短繊維の繊維長において複数の山部がある場合、山部の高さ(H)が最大のものをいう。
(1)式:0.01T+0.1≦H/L≦0.02T+0.25
(4)式:0.01T+0.1≦H/L≦0.02T+0.2
(5)式:0.1T+4.8≦捲縮数≦0.2T+6.6
(6)式:0.8T+1.2≦捲縮率≦1.0T+2.8
(1)流動開始温度
フロテスター(島津製作所CFT−500型)を用い、荷重100Kgf/cm2
、ノズル径0.5mmの条件で、初期温度50℃より10℃/分の割合で昇温していき、ポリマーがダイから流出し始める温度として求めた。
(2)融点
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC7)を用い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸収曲線の極値を与える温度を融点とした。
(3)極限粘度
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
(4)繊度、繊維長、捲縮部のH/L、捲縮数、捲縮率
前記の方法で測定、算出した。
(5)繊維塊の生成
得られた短繊維を図2の簡易空気流撹拌試験機を用い繊維塊の生成を評価した。100gの短繊維を解綿機で予備解繊した後、サンプル送り込み用ブロア3から空気流にて撹拌タンク1に投入し、撹拌用ブロア2から20m/秒の空気流を吹き込み、攪拌タンク1内で1分間撹拌する。攪拌後の繊維をサンプリング口4より0.1g採取し、黒色紙の上に広げ、独立した繊維塊の有無を目視にて評価した。
○:繊維塊が発生していない
△:繊維塊が少量発生している
×:繊維塊が大量発生している
(6)不織布の均一性、嵩高性
〈乾式不織布〉
−均一性−
得られた乾式不織布の均一性の状態を目視にて観察し、以下のように3段階評価とした。
○:十分に解繊されて均一である
△:部分的に未解繊な部分がある
×:解繊が不十分で不均一である
−嵩高性−
得られた乾式不織布を20cm×20cmに切り出してサンプルとし、そのサンプル10枚を重ねた上に25cm×25cm×5mmのアクリル板(370g)を載せ、その上に1Kgの錘を載せてアクリル板の下面の4辺のそれぞれの辺の中央の高さを測定し、4点の平均値により以下のように3段階評価とした。
(1)得られた短繊維のみを用いて乾式不織布とした場合(実施例1〜39、比較例1〜14)
○:高さが8.5mm以上である
△:高さが7.5mm以上8.5mm未満である
×:高さが7.5mm未満である
(2)得られた短繊維と他の繊維を用いて乾式不織布とした場合(実施例63〜77、比較例27〜29)
○:高さが5.5mm以上である
△:高さが4.5mm以上5.5mm未満である
×:高さが4.5mm未満である
〈湿式不織布〉
−均一性−
得られた湿式不織布の均一性の状態を目視にて観察し以下のように3段階評価とした。
○:十分に分散しており均一である
△:部分的に分散の悪い部分がある
×:分散が不十分で不均一である
−嵩高性−
得られた湿式不織布を20cm×20cmに切り出してサンプルとし、そのサンプルを10枚重ねた上に25cm×25cm×5mmのアクリル板(370g)を載せ、その上に1kgの錘を載せてアクリル板の下面の4辺のそれぞれの辺の中央の高さを測定し、4点の平均値により以下のように3段階評価とした。
(1)得られた短繊維のみを用いて湿式不織布とした場合(実施例40〜62、比較例15〜26)
○:高さが7.5mm以上である
△:高さが6.5mm以上7.5mm未満である
×:高さが6.5mm未満である
(2)得られた短繊維と他の繊維を用いて湿式不織布とした場合(実施例78〜92、比較例30〜32)
○:高さが5.0mm以上である
△:高さが4.0mm以上5.0mm未満である
×:高さが4.0mm未満である
ポリエステルAとして、融点が256℃、極限粘度0.61のPETを用い、ポリマーBとして、流動開始温度130℃、極限粘度0.57のイソフタル酸を33mol%共重合したポリエステルを用いた。複合紡糸装置を用い、ポリエステルAを芯、ポリマーBを鞘成分とし、芯鞘質量比率が1/1となるようにして、紡糸温度280℃、吐出量446g/min、紡糸速度1170m/minの条件で、ホール数560の丸型断面のノズルで紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.3ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.09倍、延伸温度60℃で延伸を行い、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.39MPa、スタフィング圧0.07MPaとして捲縮を付与した。捲縮形態、捲縮数、捲縮率は表1に示すものであった。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする通常用いられる紡績用油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、切断して単糸繊度2.2dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。
得られた短繊維のみを用いて、図3に示す簡易エアレイド試験機を用い、以下のようにして目付50g/m2の乾式不織布を得た。まず、試料投入ブロア13より投入された短繊維は、解繊翼回転モータ15より解繊翼回転用スプロケット16を介して回転する、それぞれ5枚1組の第1解繊翼11と第2解繊翼12で解繊され飛散落下させた。落下する短繊維を、下部にあるサクションボックス14で吸引しつつ、矢印方向に移動する集綿コンベア17の上に堆積させウェブを作成し、下流にある熱処理機18にて熱処理を施し(ポリマーBを融着させて)、乾式不織布を得た。このとき、不織布の目付調整は、集綿コンベア17の移動速度を変化させることで行った。
押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1、2に示すように種々変更し、表1、2に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は、実施例1と同様に行って短繊維を得、さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリマーBとして、イソフタル酸を20mol%共重合したポリエステル(融点206℃、極限粘度0.63)を用い、延伸倍率、押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は実施例1と同様に行い、短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリマーBとして、イソフタル酸を40mol%共重合したポリエステル(流動開始温度95℃、極限粘度0.56)を用い、延伸倍率、押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は実施例1と同様に行い、短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリマーBとして、ε−CLを15mol%、1,4−ブタンジオール55mol%共重合したポリエステル(融点158℃、極限粘度0.73)を用い、延伸倍率、押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は実施例1と同様に行い、短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリマーBとして、融点132℃のポリエチレンを用い、延伸倍率、押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は実施例1と同様に行い、短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリマーBとして、イソフタル酸を29mol%、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA)を4.25mol%、イタコン酸を4.25mol%共重合したポリエステル(流動開始温度132℃、極限粘度0.61)を用い、延伸倍率、押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は実施例1と同様に行い、短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリエステルAとして、HCAを4.25mol%、イタコン酸を4.25mol%共重合したポリエステル(融点230℃、極限粘度0.63)を用い、ポリマーBとして実施例10と同じ共重合ポリエステルを用い、延伸倍率、押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は実施例1と同様に行い、短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリエステルAとして実施例18と同じ共重合ポリエステル、ポリマーBとして実施例16と同じ共重合ポリエステルを用い、延伸倍率、押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は実施例1と同様に行い、短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリエステルA、ポリマーBに実施例1と同じものを用い、複合紡糸装置を用い、ポリエステルAを芯、ポリマーBを鞘成分とし、芯鞘質量比率が1/1となるようにして、紡糸温度280℃、吐出量268g/min、紡糸速度1100m/minの条件で、ホール数65の丸型断面のノズルで紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を14.3ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.41倍、延伸温度60℃で延伸を行い、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.44MPa、スタフィング圧0.14MPaとして、捲縮を付与した。捲縮形態、捲縮数、捲縮率は表1に示すものであった。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする通常用いられる紡績用油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、切断して単糸繊度11dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1、2に示すように種々変更し、表1、2に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は、実施例22と同様に行い、短繊維を得た。得られた短繊維のみを用いて実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
ポリエステルA、ポリマーBに実施例1と同じものを用い、ポリエステルAを芯、ポリマーBを鞘成分として複合紡糸装置を用い、紡糸温度280℃、吐出量428g/min、紡糸速度750m/minの条件で、ホール数65の丸型断面のノズルで紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を14.3ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.99倍、延伸温度60℃で延伸を行い、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.51MPa、スタフィング圧0.19MPaとして、捲縮を付与した。捲縮形態、捲縮数、捲縮率は表1に示すものであった。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする通常用いられる紡績用油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、切断して単糸繊度22dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1、2に示すように種々変更し、表1、2に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は、実施例30と同様に行い、短繊維を得た。得られた短繊維のみを用いて実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
切断時の繊維長を変更し、表1、2に示す繊維長とした以外は、実施例1と同様に行い、短繊維を得た。得られた短繊維のみを用いて実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
一方、比較例1、3、5、7、9、11の短繊維は、H/L比が(1)式の範囲より大きいため、いずれも静電気をためやすく、また、繊維の絡みも生じ、玉状の繊維塊が生じた。したがって、得られた乾式不織布は不均一で品位の劣るものであった。
それぞれ実施例1〜7、比較例1〜4の短繊維のみを用いて、以下のようにして湿式不織布を作成した。
得られた短繊維をパルプ離解機(熊谷理機工業製)に投入し、3000rpmにて1分間攪拌した。その後、得られた試料を抄紙機(熊谷理機工業製角型シートマシン)に移し、アルキルホスフェート金属塩を主成分とする分散油剤を添加した後、付帯の撹拌羽根にて撹拌を行い抄紙をし、湿式不織布ウェブとした。抄紙した25×25cmの湿式不織布ウェブを、温度140℃、時間10分の熱処理を箱型熱風乾燥機で行い、目付50g/m2の湿式不織布を得た。
得られた湿式不織布の均一性、嵩高性の評価結果を表3に示す。
表3に示すように、それぞれ実施例、比較例で得られた短繊維のみを用いて、実施例40と同様にして湿式不織布を作成した。
得られた湿式不織布の均一性、嵩高性の評価結果を表3に示す。
一方、比較例15、19、23の不織布を構成する短繊維は、H/L比が(1)式の範囲より大きかったため、さらに捲縮数、捲縮率が(2)、(3)式の範囲より大きいため、比較例17、21、25の不織布を構成する短繊維は、H/L比が(1)式の範囲より大きいため、さらに捲縮率が(3)式の範囲より大きいため、いずれも水中分散性が悪く大きな繊維の集束が発生した。したがって、得られた湿式不織布は不均一で品位にも劣るものであった。また、比較例16、20、24の不織布を構成する短繊維は、H/L比が(1)式の範囲より小さいため、さらに捲縮数、捲縮率が(2)、(3)式の範囲より小さいため、また、比較例18、22、26の不織布を構成する短繊維はH/L比が(1)式の範囲より小さいため、さらに捲縮率が(3)式の範囲より小さいため、いずれも得られた湿式不織布は嵩高性が十分でなかった。
バインダー繊維として実施例1の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例1の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を表4に示すように種々変更した以外は実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
バインダー繊維として比較例1の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例1の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を50/50とした以外は実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
バインダー繊維として実施例22の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例2の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を表4に示すように種々変更した以外は実施例22と同様にして乾式不織布を得た。
バインダー繊維として比較例5の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例2の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を50/50とした以外は実施例22と同様にして乾式不織布を得た。
バインダー繊維として実施例30の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例3の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を表4に示すように種々変更した以外は実施例30と同様にして乾式不織布を得た。
バインダー繊維として比較例9の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例3の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を50/50とした以外は実施例30と同様にして乾式不織布を得た。
融点が256℃、極限粘度0.61のPETを用い、通常の溶融紡糸装置を用い、紡糸温度285℃、吐出量344g/min、紡糸速度950m/minの条件で、ホール数518の丸型断面のノズルで紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.3ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.18倍、延伸温度70℃で延伸を行い、押し込み式クリンパーで捲縮を付与することなく、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする紡績用油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、切断して単糸繊度2.2dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。
融点が256℃、極限粘度0.61のPETを用い、通常の溶融紡糸装置を用い、紡糸温度285℃、吐出量328g/min、紡糸速度600/minの条件で、ホール数120の丸型断面のノズルで紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を14.2ktexのトウに集束した後、延伸倍率4.14倍、延伸温度75℃で延伸を行い、押し込み式クリンパーで捲縮を付与することなく、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする紡績用油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、切断して単糸繊度11dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。
融点が256℃、極限粘度0.61のPETを用い、通常の溶融紡糸装置を用い、紡糸温度285℃、吐出量283g/min、紡糸速度900m/minの条件で、ホール数40の丸型断面のノズルで紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を14.0ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.57倍、延伸温度80℃で延伸を行い、押し込み式クリンパーで捲縮を付与することなく、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする紡績用油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、切断して単糸繊度22dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。
一方、比較例27、28、29では、不織布を構成する短繊維が本発明の短繊維ではなく、H/L比が(1)式の範囲より大きく、さらに捲縮数、捲縮率が(2)、(3)式の範囲より大きいため、得られた乾式不織布は均一性が十分でなかった。
バインダー繊維として実施例1の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例1の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を表5に示すように種々変更した以外は実施例40と同様にして湿式不織布を得た。
バインダー繊維として比較例1の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例1の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を50/50とした以外は実施例40と同様にして湿式不織布を得た。
バインダー繊維として実施例22の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例2の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を表5に示すように種々変更した以外は実施例47と同様にして湿式不織布を得た。
バインダー繊維として比較例5の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例2の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を50/50とした以外は実施例47と同様にして湿式不織布を得た。
バインダー繊維として実施例30の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例3の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を表5に示すように種々変更した以外は実施例53と同様にして湿式不織布を得た。
バインダー繊維として比較例9の短繊維を用い、主体繊維(他の繊維)として参考例3の短繊維を用い、主体繊維とバインダー繊維の質量比(主体繊維/バインダー繊維)を50/50とした以外は実施例53と同様にして湿式不織布を得た。
一方、比較例30、31、32では、不織布を構成する短繊維が本発明の短繊維ではなく、H/L比が(1)式の範囲より大きく、さらに捲縮数、捲縮率が(2)、(3)式の範囲より大きいため、得られた乾式不織布は均一性が十分でなかった。
Claims (8)
- アルキレンテレフタレート単位を主体とする融点220℃以上のポリエステルAと流動開始温度又は融点がポリエステルAより30℃以上低いポリマーBからなる複合繊維において、繊維長が1.0〜30mm、単糸繊度が0.3〜40dtex、かつ捲縮が付与されている短繊維であって、単糸の捲縮形態が捲縮部の最大山部において、山部の頂点と隣接する谷部の底点2点を結んだ三角形の高さ(H)と底辺(L)の比(H/L)が下記(1)式を満足することを特徴とする不織布用短繊維。
(1)式:0.01T+0.1≦H/L≦0.02T+0.25
Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数 - 捲縮数と捲縮率が下記(2)及び(3)式を同時に満足する請求項1記載の不織布用短繊維。
(2)式:0.1T+3.8≦捲縮数≦0.3T+7.3
(3)式:0.8T+0.3≦捲縮率≦1.0T+4.9
ただし、捲縮数は繊維長25mm当たりの数 Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数 - ポリエステルAを芯部に、ポリマーBを鞘部に配した芯鞘型複合繊維である請求項1又は2記載の不織布用短繊維。
- ポリマーBがイソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートである請求項1〜3いずれかに記載の不織布用短繊維。
- ポリマーBが結晶性を有するポリエステルであって、テレフタル酸成分、エチレングリコール成分を含有し、1,4−ブタンジオール成分、脂肪族ラクトン成分及びアジピン酸成分の少なくとも一成分を含有する共重合ポリエステルである請求項1〜3いずれかに記載の不織布用短繊維。
- 9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド及び/又はイタコン酸をポリエステルAとポリマーBの少なくとも一方に共重合させた請求項1〜5いずれかに記載の不織布用短繊維。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の不織布用短繊維を含有してなることを特徴とする短繊維不織布。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の不織布用短繊維を30質量%以上含有してなる請求項7記載の短繊維不織布。
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