JP2005038890A - 不揮発性半導体メモリに関する回路および記憶方法および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の不揮発性半導体記憶素子では信頼性を高めるためにトンネル酸化膜を厚くし、ゲートを2層構造にしなければならず微細化を阻む要因となっていた。また、そのために製造プロセスの工程が増え、製造コストが高くなっていた。
【解決手段】二つのCMOSインバーターを用いてフリップフロップ回路を形成し、それぞれのCMOSインバーターの出力を互いの入力とコンデンサーを介して容量結合し、それぞれのCMOSインバーターのゲートをフローティングにする。各インバーターにおいてON状態のMOSトランジスタから各フローティングゲートに電荷が注入されることで、コンデンサーに電位が保持され、電源を切っても記憶保持可能であり、僅かな電荷のチャージ量で安定な動作が期待できる。
また、1層ploy構成でLSI製造工程に新たな工程を追加することなく形成することができるため、製造コストを低くでき、汎用性が高い。
【選択図】 図1
【解決手段】二つのCMOSインバーターを用いてフリップフロップ回路を形成し、それぞれのCMOSインバーターの出力を互いの入力とコンデンサーを介して容量結合し、それぞれのCMOSインバーターのゲートをフローティングにする。各インバーターにおいてON状態のMOSトランジスタから各フローティングゲートに電荷が注入されることで、コンデンサーに電位が保持され、電源を切っても記憶保持可能であり、僅かな電荷のチャージ量で安定な動作が期待できる。
また、1層ploy構成でLSI製造工程に新たな工程を追加することなく形成することができるため、製造コストを低くでき、汎用性が高い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
近年、データやプログラムを記憶する半導体メモリ、特に電気的に書き込み可能かつ部分消去可能な不揮発性半導体メモリ及びその不揮発性半導体メモリを一つの半導体基板に組み込みCPU、DRAM、SRAMまたその他の機能をもった集積回路などと共に構成されたシステムLSIが注目されている。このようなシステムLSIはプリント基板や実装基盤の小型化に有効であり、携帯電話や携帯型端末、またICカードなどに利用されている。
【0002】
本発明は不揮発性半導体メモリを構成する回路に関する発明である。不揮発性半導体メモリの信頼性向上と製造容易化により、高性能化と低コスト化を図ることを目的とした発明である。
【0003】
【従来の技術】
半導体メモリには揮発性半導体メモリと不揮発性半導体メモリがある。揮発性半導体メモリは電源を切ると記憶が消去されるメモリである。一方不揮発性半導体メモリは電源を切っても記憶し続けることが可能なメモリである。さらに不揮発性半導体メモリには、ウエハー製造時点で書き込みをし、以後読み出し動作のみ可能なものと、再書き込み可能なものとがある。本発明は再書き込み可能な不揮発性半導体メモリに関するものであり、従来の再書き込み可能な不揮発性半導体メモリには図13に示すようなフラッシュメモリがある。
【0004】
以下にフラッシュメモリの動作を説明する。フラッシュメモリは、メモリセルアレイ上にワード線とビット線が走り、メモリセルの制御ゲート電極1311にワード線が、ドレイン電極1307にビット線が接続されている。
【0005】
まず、書き込み時には、ソース電極1306と基盤を接地し、制御ゲート電極1311にワード線から高電圧を印加する。「1」を書き込むときはビット線からドレイン電極1307に高電圧を印加する。このとき、ソース1301から供給された電子は、シリコン表面のチャネル内を流れ、ドレイン1302近傍で高エネルギー状態になる。このような電子をホットエレクトロンと呼ぶ。ホットエレクトロンがシリコン結晶格子などに散乱され、ゲートSiO2−Si界面に達すると、ゲート酸化膜1305を飛び越えて浮遊ゲート1309に注入される。これでフラッシュメモリには「1」が書き込まれたことになる。「0」を書き込むときは、ビット線からドレイン電極1307に低電圧を加えればよい。読み込み時には、ソース電極1306を接地したまま、ドレイン電極1307と制御ゲート電極1311の電圧を下げ、ビット線に電流が流れれば「1」、流れなければ「0」と区別する。消去時には、基板1303と制御ゲート1310を接地し、ドレイン電極1307をオープンにした状態で、ソース電極1306に高電圧を印加する。すると書き込みにより浮遊ゲート1309に注入された電子が電界でソース1301側に引き抜かれ、元の状態に戻る。
【0006】
フラッシュメモリはEPROMの微細構造とEEPROMの機能を併せもち、携帯電話や携帯端末などの携帯機器の軽量化、高性能化に貢献している。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−150675号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
フラッシュメモリの欠点と考えられるのは、まず信頼性を確保するため、MOSの浮遊ゲートに蓄積させる電荷の量をある程度まで保つためにトンネル酸化膜の厚さを10nm以上に保たなければならないということである。そのため、これ以上のMOSの微細化にとって障害となっている。また、ゲート2層構造ということも同じように微細化を阻む要因となっている。しかもゲート2層構造は、CMOS−LSIプロセスとは別に新たな工程を追加しているため製造コストという面からも改善すべき問題となっている。また10nm以上のトンネル酸化膜でなければならないということも製造コストを大きくしている原因となっていると言える。なぜなら、厚さ10nmのトンネル酸化膜を介して、書き込み、消去動作を行なう場合、そのトンネル膜の厚さゆえに14〜16MV/cm2の電界が必要であり、その電界を起こすために10Vで駆動するトランジスタが必要であり、そのためCMOS−LSIプロセスで製造されるトランジスタとは別のトランジスタを製造する必要があり、これが製造コストを大きくしているからである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、無電源放置によっての情報の消失を許容できる手段を提示して、電源駆動トランジスタの製造工程を削除し、しかもトンネル酸化膜を薄くすることを可能にしている。さらにゲートを一層化することで、メモリセルトランジスタの微細化が図られ、またCMOS−LSI製造工程に新たな工程を追加することなく製造できるような不揮発性半導体メモリの構造を提供している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリについて説明する。図2は第1の実施の形態に係る不揮発性半導体メモリの構造であり、キャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有している構成を示している。201、212はP型MOSトランジスタのゲート電極、203、209はN型MOSトランジスタのゲート電極、202、214はキャパシタ用電極、207、213はP型MOSトランジスタのソース電極、206、211はP型MOSトランジスタのドレイン電極、205、210はN型MOSトランジスタのドレイン電極、204、208はN型MOSトランジスタのソース電極である。205と206が電気的に接続され、210と211が電気的に接続される。また、P型MOSトランジスタのゲート電極201とN型MOSトランジスタのゲート電極203とキャパシタ用電極214が電気的に接続され、全てが他の導電体、半導体から絶縁された浮遊ゲートである。同様にP型MOSトランジスタのゲート電極212とN型MOSトランジスタのゲート電極209とキャパシタ用電極202が電気的に接続され、全てが他の導電体、半導体から絶縁された浮遊ゲートである。半導体基板上の全ての電極が1つのゲート電極材料をパターニングすることにより実現している。
【0011】
次に図2に示したメモリセルを構成するP型MOSトランジスタ、N型MOSトランジスタ、及びコンデンサーの製造方法について説明する。図2に示されるキャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有している構成のメモリセルの製造方法を図11を用いて説明する。1101、1103はそれぞれn型ウェル、1102はp型ウェルである。1104は素子分離領域である。ゲート酸化後にポリシリコン1105を堆積し、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、トランジスタのゲート1106、1109、1111を形成する。同時にキャパシタ用電極形成1110を形成する。この後、不純物拡散領域の形成により、ソース1107およびドレイン1108のように、各ウェルにソースおよびドレインを形成し、よく知られた配線形成工程により、回路を構成する。図11においては、トランジスタの不純物拡散領域とキャパシタ電極1110のオーバーラップによりキャパシタを実現しているのが特徴である。
【0012】
次に図2に示した不揮発性半導体メモリの回路動作について説明する。図1は図2に示される不揮発性半導体メモリの回路図である。101、102はインバーター回路であり、103、105はそれぞれインバーター回路101、102のP型MOSトランジスタであり、104、106はそれぞれインバーター回路101、102のN型MOSトランジスタである。107、108、109、110はそれぞれトランジスタ103、104、105、106のゲートである。111はインバーター回路101の出力とインバーター回路102の入力を容量的に結合させているコンデンサーで、112はインバーター回路102の出力とインバーター回路101を容量的に結合させているコンデンサーである。113は電源端子である。114、115はそれぞれインバーター回路101、102の入出力端子である。
【0013】
電源端子113は、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103のソースとインバーター回路102のP型MOSトランジスタ105のソースに接続され、電源を提供する。またインバーター回路101のN型MOSトランジスタ104のソースとインバーター回路102のN型MOSトランジスタ106のソースはアースに接地されている。インバーター回路101の出力は入出力端子114の他にコンデンサー111を介してインバーター回路102の入力と容量的に接続されている。またインバーター回路102の出力は入出力端子115の他にコンデンサー112を介してインバーター回路101の入力と容量的に接続されている。このとき、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103、N型MOSトランジスタ104それぞれのゲート107、108とコンデンサー112は電気的に接続され、他の導電体から絶縁された浮遊ゲート部116となっている。また同じように、インバーター回路102のP型MOSトランジスタ105、N型MOSトランジスタ106それぞれのゲート109、110とコンデンサー111は電気的に接続され、他の導電体から絶縁された浮遊ゲート部117となっている。
【0014】
次に、この回路の書き込み方法、記憶保持方法及び読み込み方法について説明する。
【0015】
まずこの回路の書き込み方法について説明する。図1において、まず電源端子113に電源電圧を印加する。次に入出力端子114に電源電圧に近い電圧、入出力端子115にアース電圧に近い電圧を印加する。入出力端子114から電源電圧に近い電圧が加えられることによりインバーター回路102の入力に電源電圧に近い電圧が印加される。このとき、電源電圧に近い電圧とアース電圧に近い電圧の差がチャネル電流を流すのに必要な電圧値に達しさえすれば、MOSトランジスタ103のソースからドレインに負の電荷が流れる。このチャネル電流を流すのに必要な電圧はトンネル膜の厚さにはほとんど影響を受けず、約0.7V程度である。このチャネル電流が流れることにより、P型MOSトランジスタはOFF、N型MOSトランジスタはONされ、インバーター回路102の出力はアース電圧に近い電圧となる。
【0016】
一方入出力端子115から入力されたアース電圧に近い電圧によりインバーター回路101の入力にはアース電圧に近い電圧が印加される。このとき、電源電圧に近い電圧とアース電圧に近い電圧の差がチャネル電流を流すのに必要な電圧値に達しさえすれば、MOSトランジスタ103のソースからドレインに正の電荷が流れる。このチャネル電流を流すのに必要な電圧はトンネル膜の厚さにはほとんど影響を受けず、約0.7V程度である。このチャネル電流が流れることにより、P型MOSトランジスタ103はON、N型MOSトランジスタ104はOFFされ、インバーター回路101の出力は電源電圧に近い電圧になる。
【0017】
さらに入出力端子114、115を切った場合でも、以下の動作によりこの状態は維持される。入出力端子114、115を切る瞬間、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103はON状態なのでインバーター回路102の入力には電源端子113からの電源電圧に近い電圧が入力されるため、インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106はONし続ける。一方インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106がON状態なのでインバーター回路101の入力にはアース電圧に近い電圧が入力されるため、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103はONし続ける。このようにインバーター回路101のP型MOSトランジスタ103はONの状態を継続し続け、インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106もONの状態を継続し続けるので、入出力端子114の電圧は電源電圧に近い電圧、入出力端子115の電圧はアース電圧に近い電圧という状態で、このメモリセルは安定した状態を維持する。なお入出力端子114、115に入力する電圧信号をそれぞれアース電圧に近い電圧、電源電圧に近い電圧と逆にした場合も同様に、インバーター回路101のN型MOSトランジスタ104とインバーター回路102のP型MOSトランジスタ105がONされた状態で安定となる。
【0018】
以上の動作からわかるように電源端子113から電源電圧を加え続ける限り、入出力端子114、115を切っても、記憶を保持することができ、この作用は従来から知られる揮発性半導体メモリSRAMの記憶保持方法とほぼ同一である。
【0019】
第1の実施の形態に係る本発明の回路では、さらに電源端子113の電源電圧を切った場合の、すなわち不揮発性半導体メモリとしての記憶保持方法を有しており、以下にその方法を説明する。
【0020】
これまで説明した回路動作によりインバーター回路101のP型MOSトランジスタ103とインバーター回路102のN型MOSトランジスタ106がONされ、入出力端子114、115を切った状態にあるとする。その状態からさらに電源端子113の電源電圧を高くした時の動作を説明する。電源端子113の電源電圧をさらに高くすると、インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106において、ソースから供給される負の電荷がN型MOSトランジスタ106のゲート酸化膜を飛び越え、ゲート110に注入される(トンネル効果)。なおこの回路では、従来のフラッシュメモリよりもリーク電流を許容できるので、トランジスタのトンネル膜の厚さを従来のフラッシュメモリのトンネル膜の厚さに比べ薄くすることができる。そのためトンネル効果を起こすための電圧を従来のフラッシュメモリより低くすることが可能である。トンネル効果によって、浮遊ゲート部117に負の電荷が入り込み、浮遊ゲート部117の電位は低くなり、そのためコンデンサー111には、インバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より高い電位差が生じる。
【0021】
一方、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103において、さらに電源端子113の電源電圧を上げて、アース電圧との電位差を大きくすると、ソースから供給される正の電荷がP型MOSトランジスタ103のゲート酸化膜を飛び越え、ゲート107に注入される(トンネル効果)。なおこの回路では、従来のフラッシュメモリよりもリーク電流を許容できるので、トランジスタのトンネル膜の厚さを従来のフラッシュメモリのトンネル膜の厚さに比べ薄くすることができる。そのためトンネル効果を起こすための電圧を従来のフラッシュメモリより低くすることが可能である。トンネル効果により、浮遊ゲート部116には正の電荷が入り込み、浮遊ゲート部116の電位は高くなり、そのためコンデンサー112には、インバーター回路102と接続されている電極側がインバーター回路101と接続されている電極側より低い電位が生じる。
【0022】
このように書き込まれたデータの保持方法を説明する。コンデンサー111、112に電位差が生じた状態から電源電圧113を切ったとき、P型MOSトランジスタ103、N型MOSトランジスタ106で起きたトンネル効果によって浮遊ゲート部116、117に注入された電荷がコンデンサー111、112に蓄えられており、これにより、コンデンサー111にはインバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より高い関係にある電位差が維持され、コンデンサー112にはインバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より高い関係にある電位差が維持される。また電源電圧113を切ったことにより、入出力端子114、115と繋がっている部分の電圧は0に近づくため、コンデンサー111、112に生じている電位差により浮遊ゲート部116は浮遊ゲート部117より高い電圧値となる。
【0023】
このような記憶保持状態で再び電源端子113に電源電圧を加えたときの動作について説明する。図4は第1の実施の形態に係る本発明の回路に用いられる一般的なインバーター回路を、図5はインバーター回路の入力と出力の関係の特性を示したものである。401はインバーター回路であり、402は入力、403は出力である。入力402の電圧をa、出力403の電圧をbとすると、aとbの関係は図5に示すグラフのようになる。すなわち、aが電源電圧に近い値ならばbはアース電圧に近い値であり、aがアース電圧に近い値ならばbは電源電圧に近い値であるというどちらかの状態になる。また図6はインバーター回路を二つ組み合わせて構成したフリップフロップ回路であり、図7、図8、図9はこのフリップフロップ回路の特性を示したものである。601はフリップフロップ回路であり、602、603はフリップフロップ回路601を構成するインバーター回路である。インバーター回路602の出力はインバーター回路603の入力に接続され、インバーター回路603の出力はインバーター回路602の入力に接続されている。604はインバーター回路602の出力端子及びインバーター回路603の入力端子であり、605はインバーター回路602の入力端子及びインバーター回路603の出力端子である。606はフリップフロップ回路601の電源である。図7は入出力端子604からの入力電圧aが電源606の電源電圧の半分Vdd/2以下で、入出力端子605からの入力電圧bが電源606の電源電圧の半分Vdd/2以上の時の特性を表しており、入力後入出力端子604、605を切ると入出力端子604の電圧aはアース電圧に近づき、入出力端子605の電圧bは電源電圧に近づく。図8は入出力端子604からの入力電圧aと入出力端子605からの入力電圧bが共に電源606の電源電圧の半分Vdd/2以下でかつa<bの時の特性を表しており、入力後入出力端子604、605を切ると入出力端子604の電圧aはアース電圧に近づき、入出力端子605の電圧bは電源電圧に近づく。図9は入出力端子604からの入力電圧aと入出力端子605からの入力電圧bが共に電源606の電源電圧の半分Vdd/2以上でかつa<bの時の特性を表しており、入力後入出力端子604、605を切ると入出力端子604の電圧aはアース電圧に近づき、入出力端子605の電圧bは電源電圧に近づく。これら図7、図8、図9の特性によると、電源電圧Vddを加える時に、二つの入出力端子の電圧のうちどちらか一方の高いほうは電源電圧Vddに近づき、低いほうはアース電圧値に近づく。この特性により、電源電圧113に再び電圧を加えた瞬間、浮遊ゲート部116には浮遊ゲート部117より高い電圧がかかっているため、最終的にインバーター回路101のN型MOSトランジスタ104とインバーター回路102のP型MOSトランジスタ105がONされるため、入出力端子114にはアース電圧に近い電圧がかかり、入出力端子115には電源電圧に近い電圧がかかることになる。すなわちこの回路は電源電圧を切る前と再び電源電圧を加えた後では、2つの入出力端子に出力される電圧は反転する。
【0024】
さらに入出力端子114にアース電圧に近い電圧がかかり、入出力端子115には電源電圧に近い電圧がかかっている状態から、再び電源電圧を切った後、再び電源電圧を加えたときの動作を説明する。
【0025】
入出力端子114にアース電圧に近い電圧がかかっていて、入出力端子115に電源電圧に近い電圧がかかった状態であると、インバーター回路101のN型MOSトランジスタ104ではソースからゲートに負の電荷が注入される(トンネル効果)。これにより浮遊ゲート部116に負の電荷が注入されることになり、浮遊ゲート部116の電位は電源電圧に近い値より下がり、コンデンサー112にはインバーター回路101と接続されている電極側のほうがインバーター回路102と接続されている電極側より低い状態で電位差が生じる。
【0026】
一方インバーター回路102のP型MOSトランジスタではソースからゲートに正の電荷が注入される(トンネル効果)。これにより浮遊ゲート部117に正の電荷が注入されることになり、浮遊ゲート部117の電位はアース電圧に近い電圧より上がり、コンデンサー111にはインバーター回路101と接続されている電極側のほうがインバーター回路102と接続されている電極側より低い状態で電位差が生じる。
【0027】
この状態で電源電圧を切ると、コンデンサー111に電荷が蓄えられ、コンデンサー111にはインバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より低い状態で電位差が維持される。一方コンデンサー112にも電荷が蓄えられ、コンデンサー112にはインバーター回路101と接続されている側がインバーター回路102と接続されている側より低い状態で電位差が維持される。電源電圧を切った状態なので、入出力端子114、115の電圧は共に0に近づき、したがってコンデンサー111、112に蓄積されている電位差によって浮遊ゲート部116は浮遊ゲート部117より高い電圧値となっている。
【0028】
このようにコンデンサー111、112に電位差が維持された状態で、再び電源電圧端子113に電源電圧を加えると、浮遊ゲート部116には浮遊ゲート部117より低い電圧がかかっているため、最終的にインバーター回路101のP型MOSトランジスタ103とインバーター回路102のN型MOSトランジスタ106がONされ、入出力端子114にはアース電圧に近い電圧、入出力端子115には電源電圧に近い電圧がかかる。すなわちこの回路は電源電圧を切る前と、再び電源電圧を加えた後で状態が反転する。
【0029】
以上のように、第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリの回路では電源端子113の電源電圧を切ってから再び電源電圧を加えると、回路の状態が反転して、入出力端子114、115からの出力は電源電圧を入れ直す度に入れ替わる。この回路の記憶読み取り方法を図10を用いて説明する。1001は図1記載の第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリの回路、1002、1003は不揮発性半導体メモリ回路1001に書き込むデータおよび読み出すデータが流れるデジット線、1004はデータの書き込みおよび読み込み時に不揮発性半導体メモリ回路1001の入出力端子とデジット線1002、1003を接続するワード線である。また、不揮発性半導体メモリ回路1001の記憶を読み取る記憶読み取り回路は、デジット線1002とデジット線1003の間に生じる電位差を検出増幅するセンスアンプ1005、不揮発性半導体メモリ回路1001の電源端子1008の電源電圧が加えられる時と切られる時の切り替わりを検知する検知回路1006、検知回路1006が電源電圧の切り替わりを検出した時にセンスアンプ1005を制御する制御回路1007から構成されている。この回路では、不揮発性半導体メモリ回路1001にデータが保持されている状態で、電源電圧を切り、再び電源電圧を加えた時に、検知回路1006がこの切り替わりを検知し、電源電圧の切り替わりが検知された場合、制御回路1007からセンスアンプ1005に制御をかけ、センスアンプ1005に入出力端子114、115からの出力を反転して読み取らせるので、不揮発性半導体メモリ回路1001に保持されていたデータが電源電圧の切り替わり前と後で反転して出力されることを認識することができる。
【0030】
次に第2の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリについて説明する。図3は第2の実施の形態に係る不揮発性半導体メモリの構造であり、キャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有せず、新たな活性領域にキャパシタを形成する構成を示している。301、312はP型MOSトランジスタのゲート電極、303、309はN型MOSトランジスタのゲート電極、302、314はキャパシタ用電極、307、313はP型MOSトランジスタのソース電極、306、311はP型MOSトランジスタのドレイン電極、305、310はN型MOSトランジスタのドレイン電極、304、308はN型MOSトランジスタのソース電極、315、316はそれぞれキャパシタ用電極302、314と接続されコンデンサーを形成する活性領域である。この構造では、コンデンサーの活性領域はトランジスタのソース電極及びドレイン電極とは共通ではないが、電気的に結合されている。
【0031】
次に図3に示したメモリセルを構成するP型MOSトランジスタ、N型MOSトランジスタ、及びコンデンサーの製造方法について説明する。図3に示されるキャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有せず、新たな活性領域にキャパシタを形成する構成のメモリセルの製造方法を図12を用いて説明する。この製造方法は、別途活性領域1201上にキャパシタ用電極1208を形成することにより、キャパシタを実現する方法である。1201、1203はそれぞれn型ウェル、1202はp型ウェルである。1204は素子分離領域である。ゲート酸化後にポリシリコン1205を堆積し、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、トランジスタのゲート1206、1207を形成することにより、キャパシタを実現する。
【0032】
なお、図3における不揮発性半導体メモリの書き込み、記憶保持、読み込みといった回路動作については、図2における不揮発性半導体メモリの回路動作と同様であるので省略する。
【0033】
【発明の効果】
本発明の実施により、以下に記述される効果が得られる。フリップフロップ回路の特性を生かし揮発性半導体メモリSRAMとしての機能を有し、さらにトンネル効果を利用してコンデンサーに電荷を保存する方法により、メモリセルの電源電圧を切ったとしても、記憶を保存することが可能である。この回路は双安定動作であるためトンネル効果によるトランジスタから浮遊ゲート部への電荷のチャージ量が僅かでもデータを識別することができる。またコンデンサーで電位差を保持するため、浮遊ゲート部に蓄積される電荷のチャージの損失が起こったとしても、2つの浮遊ゲートのチャージ量が同じにならない限り、データの識別が可能なので、トンネル膜を薄くすることができ、その結果トンネル効果を起こすのに必要な電圧を低くすることができ、また微細化が可能となる。また読み出し動作の原理はSRAMと同じであり、高速動作が可能である。さらに本発明の回路構成は、1層poly構成でありCMOS−LSIプロセスに何ら工程を追加することなく製造することが可能であり、製造コストを低くすることができ、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路図
【図2】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路の構造図
【図3】第2の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路の構造図
【図4】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するインバーター回路図
【図5】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するインバーター回路の特性図
【図6】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路図
【図7】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路の特性図(a)
【図8】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路の特性図(b)
【図9】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路の特性図(c)
【図10】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路と記憶読み取り回路図
【図11】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路のトランジスタ及びコンデンサーの製造過程を示す図
【図12】第2の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路のトランジスタ及びコンデンサーの製造過程を示す図
【図13】従来技術のフラッシュメモリを示す図
【符号の説明】
101、102 インバーター回路
103、105 P型MOSトランジスタ
104、106 N型MOSトランジスタ
107、108、109、110 ゲート
111、112 コンデンサー
113 電源端子
114、115 入出力端子
116、117 浮遊ゲート部
201、212 P型MOSトランジスタのゲート電極
202、214 キャパシタ用電極
203、209 N型MOSトランジスタのゲート電極
204、208 N型MOSトランジスタのソース電極
205、210 N型MOSトランジスタのドレイン電極
206、211 P型MOSトランジスタのドレイン電極
207、213 P型MOSトランジスタのソース電極
301、312 P型MOSトランジスタのゲート電極
302、314 キャパシタ用電極
303、309 N型MOSトランジスタのゲート電極
304、308 N型MOSトランジスタのソース電極
305、310 N型MOSトランジスタのドレイン電極
306、311 P型MOSトランジスタのドレイン電極
307、313 P型MOSトランジスタのソース電極
315、316 コンデンサーの活性領域
401 インバーター回路
402 入力
403 出力
601 フリップフロップ回路
602、603 インバーター回路
604、605 入出力端子
606 電源端子
1001 第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路
1002、1003 デジット線
1004 ワード線
1005 センスアンプ
1006 電源電圧切り替わり検知回路
1007 センスアンプ制御回路
1008 電源端子
1101、1103 n型ウェル
1102 p型ウェル
1104 素子分離領域
1105 ポリシリコン
1106、1109、1111 ゲート
1107 ソース
1108 ドレイン
1110 キャパシタ用電極
1201、1203 n型ウェル
1202 p型ウェル
1204 素子分離領域
1205 ポリシリコン
1206、1207 ゲート
1208 キャパシタ用電極
1301 ソース
1302 ドレイン
1303 基板
1305 ゲート酸化膜
1306 ソース電極
1307 ドレイン電極
1309 浮遊ゲート
1310 制御ゲート
1311 制御ゲート電極
【発明の属する技術分野】
近年、データやプログラムを記憶する半導体メモリ、特に電気的に書き込み可能かつ部分消去可能な不揮発性半導体メモリ及びその不揮発性半導体メモリを一つの半導体基板に組み込みCPU、DRAM、SRAMまたその他の機能をもった集積回路などと共に構成されたシステムLSIが注目されている。このようなシステムLSIはプリント基板や実装基盤の小型化に有効であり、携帯電話や携帯型端末、またICカードなどに利用されている。
【0002】
本発明は不揮発性半導体メモリを構成する回路に関する発明である。不揮発性半導体メモリの信頼性向上と製造容易化により、高性能化と低コスト化を図ることを目的とした発明である。
【0003】
【従来の技術】
半導体メモリには揮発性半導体メモリと不揮発性半導体メモリがある。揮発性半導体メモリは電源を切ると記憶が消去されるメモリである。一方不揮発性半導体メモリは電源を切っても記憶し続けることが可能なメモリである。さらに不揮発性半導体メモリには、ウエハー製造時点で書き込みをし、以後読み出し動作のみ可能なものと、再書き込み可能なものとがある。本発明は再書き込み可能な不揮発性半導体メモリに関するものであり、従来の再書き込み可能な不揮発性半導体メモリには図13に示すようなフラッシュメモリがある。
【0004】
以下にフラッシュメモリの動作を説明する。フラッシュメモリは、メモリセルアレイ上にワード線とビット線が走り、メモリセルの制御ゲート電極1311にワード線が、ドレイン電極1307にビット線が接続されている。
【0005】
まず、書き込み時には、ソース電極1306と基盤を接地し、制御ゲート電極1311にワード線から高電圧を印加する。「1」を書き込むときはビット線からドレイン電極1307に高電圧を印加する。このとき、ソース1301から供給された電子は、シリコン表面のチャネル内を流れ、ドレイン1302近傍で高エネルギー状態になる。このような電子をホットエレクトロンと呼ぶ。ホットエレクトロンがシリコン結晶格子などに散乱され、ゲートSiO2−Si界面に達すると、ゲート酸化膜1305を飛び越えて浮遊ゲート1309に注入される。これでフラッシュメモリには「1」が書き込まれたことになる。「0」を書き込むときは、ビット線からドレイン電極1307に低電圧を加えればよい。読み込み時には、ソース電極1306を接地したまま、ドレイン電極1307と制御ゲート電極1311の電圧を下げ、ビット線に電流が流れれば「1」、流れなければ「0」と区別する。消去時には、基板1303と制御ゲート1310を接地し、ドレイン電極1307をオープンにした状態で、ソース電極1306に高電圧を印加する。すると書き込みにより浮遊ゲート1309に注入された電子が電界でソース1301側に引き抜かれ、元の状態に戻る。
【0006】
フラッシュメモリはEPROMの微細構造とEEPROMの機能を併せもち、携帯電話や携帯端末などの携帯機器の軽量化、高性能化に貢献している。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−150675号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
フラッシュメモリの欠点と考えられるのは、まず信頼性を確保するため、MOSの浮遊ゲートに蓄積させる電荷の量をある程度まで保つためにトンネル酸化膜の厚さを10nm以上に保たなければならないということである。そのため、これ以上のMOSの微細化にとって障害となっている。また、ゲート2層構造ということも同じように微細化を阻む要因となっている。しかもゲート2層構造は、CMOS−LSIプロセスとは別に新たな工程を追加しているため製造コストという面からも改善すべき問題となっている。また10nm以上のトンネル酸化膜でなければならないということも製造コストを大きくしている原因となっていると言える。なぜなら、厚さ10nmのトンネル酸化膜を介して、書き込み、消去動作を行なう場合、そのトンネル膜の厚さゆえに14〜16MV/cm2の電界が必要であり、その電界を起こすために10Vで駆動するトランジスタが必要であり、そのためCMOS−LSIプロセスで製造されるトランジスタとは別のトランジスタを製造する必要があり、これが製造コストを大きくしているからである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、無電源放置によっての情報の消失を許容できる手段を提示して、電源駆動トランジスタの製造工程を削除し、しかもトンネル酸化膜を薄くすることを可能にしている。さらにゲートを一層化することで、メモリセルトランジスタの微細化が図られ、またCMOS−LSI製造工程に新たな工程を追加することなく製造できるような不揮発性半導体メモリの構造を提供している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリについて説明する。図2は第1の実施の形態に係る不揮発性半導体メモリの構造であり、キャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有している構成を示している。201、212はP型MOSトランジスタのゲート電極、203、209はN型MOSトランジスタのゲート電極、202、214はキャパシタ用電極、207、213はP型MOSトランジスタのソース電極、206、211はP型MOSトランジスタのドレイン電極、205、210はN型MOSトランジスタのドレイン電極、204、208はN型MOSトランジスタのソース電極である。205と206が電気的に接続され、210と211が電気的に接続される。また、P型MOSトランジスタのゲート電極201とN型MOSトランジスタのゲート電極203とキャパシタ用電極214が電気的に接続され、全てが他の導電体、半導体から絶縁された浮遊ゲートである。同様にP型MOSトランジスタのゲート電極212とN型MOSトランジスタのゲート電極209とキャパシタ用電極202が電気的に接続され、全てが他の導電体、半導体から絶縁された浮遊ゲートである。半導体基板上の全ての電極が1つのゲート電極材料をパターニングすることにより実現している。
【0011】
次に図2に示したメモリセルを構成するP型MOSトランジスタ、N型MOSトランジスタ、及びコンデンサーの製造方法について説明する。図2に示されるキャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有している構成のメモリセルの製造方法を図11を用いて説明する。1101、1103はそれぞれn型ウェル、1102はp型ウェルである。1104は素子分離領域である。ゲート酸化後にポリシリコン1105を堆積し、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、トランジスタのゲート1106、1109、1111を形成する。同時にキャパシタ用電極形成1110を形成する。この後、不純物拡散領域の形成により、ソース1107およびドレイン1108のように、各ウェルにソースおよびドレインを形成し、よく知られた配線形成工程により、回路を構成する。図11においては、トランジスタの不純物拡散領域とキャパシタ電極1110のオーバーラップによりキャパシタを実現しているのが特徴である。
【0012】
次に図2に示した不揮発性半導体メモリの回路動作について説明する。図1は図2に示される不揮発性半導体メモリの回路図である。101、102はインバーター回路であり、103、105はそれぞれインバーター回路101、102のP型MOSトランジスタであり、104、106はそれぞれインバーター回路101、102のN型MOSトランジスタである。107、108、109、110はそれぞれトランジスタ103、104、105、106のゲートである。111はインバーター回路101の出力とインバーター回路102の入力を容量的に結合させているコンデンサーで、112はインバーター回路102の出力とインバーター回路101を容量的に結合させているコンデンサーである。113は電源端子である。114、115はそれぞれインバーター回路101、102の入出力端子である。
【0013】
電源端子113は、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103のソースとインバーター回路102のP型MOSトランジスタ105のソースに接続され、電源を提供する。またインバーター回路101のN型MOSトランジスタ104のソースとインバーター回路102のN型MOSトランジスタ106のソースはアースに接地されている。インバーター回路101の出力は入出力端子114の他にコンデンサー111を介してインバーター回路102の入力と容量的に接続されている。またインバーター回路102の出力は入出力端子115の他にコンデンサー112を介してインバーター回路101の入力と容量的に接続されている。このとき、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103、N型MOSトランジスタ104それぞれのゲート107、108とコンデンサー112は電気的に接続され、他の導電体から絶縁された浮遊ゲート部116となっている。また同じように、インバーター回路102のP型MOSトランジスタ105、N型MOSトランジスタ106それぞれのゲート109、110とコンデンサー111は電気的に接続され、他の導電体から絶縁された浮遊ゲート部117となっている。
【0014】
次に、この回路の書き込み方法、記憶保持方法及び読み込み方法について説明する。
【0015】
まずこの回路の書き込み方法について説明する。図1において、まず電源端子113に電源電圧を印加する。次に入出力端子114に電源電圧に近い電圧、入出力端子115にアース電圧に近い電圧を印加する。入出力端子114から電源電圧に近い電圧が加えられることによりインバーター回路102の入力に電源電圧に近い電圧が印加される。このとき、電源電圧に近い電圧とアース電圧に近い電圧の差がチャネル電流を流すのに必要な電圧値に達しさえすれば、MOSトランジスタ103のソースからドレインに負の電荷が流れる。このチャネル電流を流すのに必要な電圧はトンネル膜の厚さにはほとんど影響を受けず、約0.7V程度である。このチャネル電流が流れることにより、P型MOSトランジスタはOFF、N型MOSトランジスタはONされ、インバーター回路102の出力はアース電圧に近い電圧となる。
【0016】
一方入出力端子115から入力されたアース電圧に近い電圧によりインバーター回路101の入力にはアース電圧に近い電圧が印加される。このとき、電源電圧に近い電圧とアース電圧に近い電圧の差がチャネル電流を流すのに必要な電圧値に達しさえすれば、MOSトランジスタ103のソースからドレインに正の電荷が流れる。このチャネル電流を流すのに必要な電圧はトンネル膜の厚さにはほとんど影響を受けず、約0.7V程度である。このチャネル電流が流れることにより、P型MOSトランジスタ103はON、N型MOSトランジスタ104はOFFされ、インバーター回路101の出力は電源電圧に近い電圧になる。
【0017】
さらに入出力端子114、115を切った場合でも、以下の動作によりこの状態は維持される。入出力端子114、115を切る瞬間、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103はON状態なのでインバーター回路102の入力には電源端子113からの電源電圧に近い電圧が入力されるため、インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106はONし続ける。一方インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106がON状態なのでインバーター回路101の入力にはアース電圧に近い電圧が入力されるため、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103はONし続ける。このようにインバーター回路101のP型MOSトランジスタ103はONの状態を継続し続け、インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106もONの状態を継続し続けるので、入出力端子114の電圧は電源電圧に近い電圧、入出力端子115の電圧はアース電圧に近い電圧という状態で、このメモリセルは安定した状態を維持する。なお入出力端子114、115に入力する電圧信号をそれぞれアース電圧に近い電圧、電源電圧に近い電圧と逆にした場合も同様に、インバーター回路101のN型MOSトランジスタ104とインバーター回路102のP型MOSトランジスタ105がONされた状態で安定となる。
【0018】
以上の動作からわかるように電源端子113から電源電圧を加え続ける限り、入出力端子114、115を切っても、記憶を保持することができ、この作用は従来から知られる揮発性半導体メモリSRAMの記憶保持方法とほぼ同一である。
【0019】
第1の実施の形態に係る本発明の回路では、さらに電源端子113の電源電圧を切った場合の、すなわち不揮発性半導体メモリとしての記憶保持方法を有しており、以下にその方法を説明する。
【0020】
これまで説明した回路動作によりインバーター回路101のP型MOSトランジスタ103とインバーター回路102のN型MOSトランジスタ106がONされ、入出力端子114、115を切った状態にあるとする。その状態からさらに電源端子113の電源電圧を高くした時の動作を説明する。電源端子113の電源電圧をさらに高くすると、インバーター回路102のN型MOSトランジスタ106において、ソースから供給される負の電荷がN型MOSトランジスタ106のゲート酸化膜を飛び越え、ゲート110に注入される(トンネル効果)。なおこの回路では、従来のフラッシュメモリよりもリーク電流を許容できるので、トランジスタのトンネル膜の厚さを従来のフラッシュメモリのトンネル膜の厚さに比べ薄くすることができる。そのためトンネル効果を起こすための電圧を従来のフラッシュメモリより低くすることが可能である。トンネル効果によって、浮遊ゲート部117に負の電荷が入り込み、浮遊ゲート部117の電位は低くなり、そのためコンデンサー111には、インバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より高い電位差が生じる。
【0021】
一方、インバーター回路101のP型MOSトランジスタ103において、さらに電源端子113の電源電圧を上げて、アース電圧との電位差を大きくすると、ソースから供給される正の電荷がP型MOSトランジスタ103のゲート酸化膜を飛び越え、ゲート107に注入される(トンネル効果)。なおこの回路では、従来のフラッシュメモリよりもリーク電流を許容できるので、トランジスタのトンネル膜の厚さを従来のフラッシュメモリのトンネル膜の厚さに比べ薄くすることができる。そのためトンネル効果を起こすための電圧を従来のフラッシュメモリより低くすることが可能である。トンネル効果により、浮遊ゲート部116には正の電荷が入り込み、浮遊ゲート部116の電位は高くなり、そのためコンデンサー112には、インバーター回路102と接続されている電極側がインバーター回路101と接続されている電極側より低い電位が生じる。
【0022】
このように書き込まれたデータの保持方法を説明する。コンデンサー111、112に電位差が生じた状態から電源電圧113を切ったとき、P型MOSトランジスタ103、N型MOSトランジスタ106で起きたトンネル効果によって浮遊ゲート部116、117に注入された電荷がコンデンサー111、112に蓄えられており、これにより、コンデンサー111にはインバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より高い関係にある電位差が維持され、コンデンサー112にはインバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より高い関係にある電位差が維持される。また電源電圧113を切ったことにより、入出力端子114、115と繋がっている部分の電圧は0に近づくため、コンデンサー111、112に生じている電位差により浮遊ゲート部116は浮遊ゲート部117より高い電圧値となる。
【0023】
このような記憶保持状態で再び電源端子113に電源電圧を加えたときの動作について説明する。図4は第1の実施の形態に係る本発明の回路に用いられる一般的なインバーター回路を、図5はインバーター回路の入力と出力の関係の特性を示したものである。401はインバーター回路であり、402は入力、403は出力である。入力402の電圧をa、出力403の電圧をbとすると、aとbの関係は図5に示すグラフのようになる。すなわち、aが電源電圧に近い値ならばbはアース電圧に近い値であり、aがアース電圧に近い値ならばbは電源電圧に近い値であるというどちらかの状態になる。また図6はインバーター回路を二つ組み合わせて構成したフリップフロップ回路であり、図7、図8、図9はこのフリップフロップ回路の特性を示したものである。601はフリップフロップ回路であり、602、603はフリップフロップ回路601を構成するインバーター回路である。インバーター回路602の出力はインバーター回路603の入力に接続され、インバーター回路603の出力はインバーター回路602の入力に接続されている。604はインバーター回路602の出力端子及びインバーター回路603の入力端子であり、605はインバーター回路602の入力端子及びインバーター回路603の出力端子である。606はフリップフロップ回路601の電源である。図7は入出力端子604からの入力電圧aが電源606の電源電圧の半分Vdd/2以下で、入出力端子605からの入力電圧bが電源606の電源電圧の半分Vdd/2以上の時の特性を表しており、入力後入出力端子604、605を切ると入出力端子604の電圧aはアース電圧に近づき、入出力端子605の電圧bは電源電圧に近づく。図8は入出力端子604からの入力電圧aと入出力端子605からの入力電圧bが共に電源606の電源電圧の半分Vdd/2以下でかつa<bの時の特性を表しており、入力後入出力端子604、605を切ると入出力端子604の電圧aはアース電圧に近づき、入出力端子605の電圧bは電源電圧に近づく。図9は入出力端子604からの入力電圧aと入出力端子605からの入力電圧bが共に電源606の電源電圧の半分Vdd/2以上でかつa<bの時の特性を表しており、入力後入出力端子604、605を切ると入出力端子604の電圧aはアース電圧に近づき、入出力端子605の電圧bは電源電圧に近づく。これら図7、図8、図9の特性によると、電源電圧Vddを加える時に、二つの入出力端子の電圧のうちどちらか一方の高いほうは電源電圧Vddに近づき、低いほうはアース電圧値に近づく。この特性により、電源電圧113に再び電圧を加えた瞬間、浮遊ゲート部116には浮遊ゲート部117より高い電圧がかかっているため、最終的にインバーター回路101のN型MOSトランジスタ104とインバーター回路102のP型MOSトランジスタ105がONされるため、入出力端子114にはアース電圧に近い電圧がかかり、入出力端子115には電源電圧に近い電圧がかかることになる。すなわちこの回路は電源電圧を切る前と再び電源電圧を加えた後では、2つの入出力端子に出力される電圧は反転する。
【0024】
さらに入出力端子114にアース電圧に近い電圧がかかり、入出力端子115には電源電圧に近い電圧がかかっている状態から、再び電源電圧を切った後、再び電源電圧を加えたときの動作を説明する。
【0025】
入出力端子114にアース電圧に近い電圧がかかっていて、入出力端子115に電源電圧に近い電圧がかかった状態であると、インバーター回路101のN型MOSトランジスタ104ではソースからゲートに負の電荷が注入される(トンネル効果)。これにより浮遊ゲート部116に負の電荷が注入されることになり、浮遊ゲート部116の電位は電源電圧に近い値より下がり、コンデンサー112にはインバーター回路101と接続されている電極側のほうがインバーター回路102と接続されている電極側より低い状態で電位差が生じる。
【0026】
一方インバーター回路102のP型MOSトランジスタではソースからゲートに正の電荷が注入される(トンネル効果)。これにより浮遊ゲート部117に正の電荷が注入されることになり、浮遊ゲート部117の電位はアース電圧に近い電圧より上がり、コンデンサー111にはインバーター回路101と接続されている電極側のほうがインバーター回路102と接続されている電極側より低い状態で電位差が生じる。
【0027】
この状態で電源電圧を切ると、コンデンサー111に電荷が蓄えられ、コンデンサー111にはインバーター回路101と接続されている電極側がインバーター回路102と接続されている電極側より低い状態で電位差が維持される。一方コンデンサー112にも電荷が蓄えられ、コンデンサー112にはインバーター回路101と接続されている側がインバーター回路102と接続されている側より低い状態で電位差が維持される。電源電圧を切った状態なので、入出力端子114、115の電圧は共に0に近づき、したがってコンデンサー111、112に蓄積されている電位差によって浮遊ゲート部116は浮遊ゲート部117より高い電圧値となっている。
【0028】
このようにコンデンサー111、112に電位差が維持された状態で、再び電源電圧端子113に電源電圧を加えると、浮遊ゲート部116には浮遊ゲート部117より低い電圧がかかっているため、最終的にインバーター回路101のP型MOSトランジスタ103とインバーター回路102のN型MOSトランジスタ106がONされ、入出力端子114にはアース電圧に近い電圧、入出力端子115には電源電圧に近い電圧がかかる。すなわちこの回路は電源電圧を切る前と、再び電源電圧を加えた後で状態が反転する。
【0029】
以上のように、第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリの回路では電源端子113の電源電圧を切ってから再び電源電圧を加えると、回路の状態が反転して、入出力端子114、115からの出力は電源電圧を入れ直す度に入れ替わる。この回路の記憶読み取り方法を図10を用いて説明する。1001は図1記載の第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリの回路、1002、1003は不揮発性半導体メモリ回路1001に書き込むデータおよび読み出すデータが流れるデジット線、1004はデータの書き込みおよび読み込み時に不揮発性半導体メモリ回路1001の入出力端子とデジット線1002、1003を接続するワード線である。また、不揮発性半導体メモリ回路1001の記憶を読み取る記憶読み取り回路は、デジット線1002とデジット線1003の間に生じる電位差を検出増幅するセンスアンプ1005、不揮発性半導体メモリ回路1001の電源端子1008の電源電圧が加えられる時と切られる時の切り替わりを検知する検知回路1006、検知回路1006が電源電圧の切り替わりを検出した時にセンスアンプ1005を制御する制御回路1007から構成されている。この回路では、不揮発性半導体メモリ回路1001にデータが保持されている状態で、電源電圧を切り、再び電源電圧を加えた時に、検知回路1006がこの切り替わりを検知し、電源電圧の切り替わりが検知された場合、制御回路1007からセンスアンプ1005に制御をかけ、センスアンプ1005に入出力端子114、115からの出力を反転して読み取らせるので、不揮発性半導体メモリ回路1001に保持されていたデータが電源電圧の切り替わり前と後で反転して出力されることを認識することができる。
【0030】
次に第2の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリについて説明する。図3は第2の実施の形態に係る不揮発性半導体メモリの構造であり、キャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有せず、新たな活性領域にキャパシタを形成する構成を示している。301、312はP型MOSトランジスタのゲート電極、303、309はN型MOSトランジスタのゲート電極、302、314はキャパシタ用電極、307、313はP型MOSトランジスタのソース電極、306、311はP型MOSトランジスタのドレイン電極、305、310はN型MOSトランジスタのドレイン電極、304、308はN型MOSトランジスタのソース電極、315、316はそれぞれキャパシタ用電極302、314と接続されコンデンサーを形成する活性領域である。この構造では、コンデンサーの活性領域はトランジスタのソース電極及びドレイン電極とは共通ではないが、電気的に結合されている。
【0031】
次に図3に示したメモリセルを構成するP型MOSトランジスタ、N型MOSトランジスタ、及びコンデンサーの製造方法について説明する。図3に示されるキャパシタ用電極をトランジスタのソース及びドレインの活性領域と共有せず、新たな活性領域にキャパシタを形成する構成のメモリセルの製造方法を図12を用いて説明する。この製造方法は、別途活性領域1201上にキャパシタ用電極1208を形成することにより、キャパシタを実現する方法である。1201、1203はそれぞれn型ウェル、1202はp型ウェルである。1204は素子分離領域である。ゲート酸化後にポリシリコン1205を堆積し、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、トランジスタのゲート1206、1207を形成することにより、キャパシタを実現する。
【0032】
なお、図3における不揮発性半導体メモリの書き込み、記憶保持、読み込みといった回路動作については、図2における不揮発性半導体メモリの回路動作と同様であるので省略する。
【0033】
【発明の効果】
本発明の実施により、以下に記述される効果が得られる。フリップフロップ回路の特性を生かし揮発性半導体メモリSRAMとしての機能を有し、さらにトンネル効果を利用してコンデンサーに電荷を保存する方法により、メモリセルの電源電圧を切ったとしても、記憶を保存することが可能である。この回路は双安定動作であるためトンネル効果によるトランジスタから浮遊ゲート部への電荷のチャージ量が僅かでもデータを識別することができる。またコンデンサーで電位差を保持するため、浮遊ゲート部に蓄積される電荷のチャージの損失が起こったとしても、2つの浮遊ゲートのチャージ量が同じにならない限り、データの識別が可能なので、トンネル膜を薄くすることができ、その結果トンネル効果を起こすのに必要な電圧を低くすることができ、また微細化が可能となる。また読み出し動作の原理はSRAMと同じであり、高速動作が可能である。さらに本発明の回路構成は、1層poly構成でありCMOS−LSIプロセスに何ら工程を追加することなく製造することが可能であり、製造コストを低くすることができ、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路図
【図2】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路の構造図
【図3】第2の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路の構造図
【図4】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するインバーター回路図
【図5】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するインバーター回路の特性図
【図6】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路図
【図7】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路の特性図(a)
【図8】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路の特性図(b)
【図9】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路を構成するフリップフロップ回路の特性図(c)
【図10】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路と記憶読み取り回路図
【図11】第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路のトランジスタ及びコンデンサーの製造過程を示す図
【図12】第2の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路のトランジスタ及びコンデンサーの製造過程を示す図
【図13】従来技術のフラッシュメモリを示す図
【符号の説明】
101、102 インバーター回路
103、105 P型MOSトランジスタ
104、106 N型MOSトランジスタ
107、108、109、110 ゲート
111、112 コンデンサー
113 電源端子
114、115 入出力端子
116、117 浮遊ゲート部
201、212 P型MOSトランジスタのゲート電極
202、214 キャパシタ用電極
203、209 N型MOSトランジスタのゲート電極
204、208 N型MOSトランジスタのソース電極
205、210 N型MOSトランジスタのドレイン電極
206、211 P型MOSトランジスタのドレイン電極
207、213 P型MOSトランジスタのソース電極
301、312 P型MOSトランジスタのゲート電極
302、314 キャパシタ用電極
303、309 N型MOSトランジスタのゲート電極
304、308 N型MOSトランジスタのソース電極
305、310 N型MOSトランジスタのドレイン電極
306、311 P型MOSトランジスタのドレイン電極
307、313 P型MOSトランジスタのソース電極
315、316 コンデンサーの活性領域
401 インバーター回路
402 入力
403 出力
601 フリップフロップ回路
602、603 インバーター回路
604、605 入出力端子
606 電源端子
1001 第1の実施の形態に係る本発明の不揮発性半導体メモリ回路
1002、1003 デジット線
1004 ワード線
1005 センスアンプ
1006 電源電圧切り替わり検知回路
1007 センスアンプ制御回路
1008 電源端子
1101、1103 n型ウェル
1102 p型ウェル
1104 素子分離領域
1105 ポリシリコン
1106、1109、1111 ゲート
1107 ソース
1108 ドレイン
1110 キャパシタ用電極
1201、1203 n型ウェル
1202 p型ウェル
1204 素子分離領域
1205 ポリシリコン
1206、1207 ゲート
1208 キャパシタ用電極
1301 ソース
1302 ドレイン
1303 基板
1305 ゲート酸化膜
1306 ソース電極
1307 ドレイン電極
1309 浮遊ゲート
1310 制御ゲート
1311 制御ゲート電極
Claims (10)
- 第1、第2のインバーター回路と第1、第2のコンデンサーを具備し、前記第1のインバーター回路の出力は前記第2のインバーター回路の入力と前記第1のコンデンサーを介して接続されており、前記第2のインバーター回路の出力は前記第1のインバーター回路の入力と前記第2のコンデンサーを介して接続されていることを特徴とする回路。
- 前記第1のインバーター回路の出力にはデータを入出力する第1の入出力端子が電気的に結合され、前記第2のインバーター回路の出力にはデータを入出力する第2の入出力端子が電気的に結合されていることを特徴とする請求項1記載の回路。
- 前記第1、第2のインバーター回路はそれぞれP型MOSトランジスタのソース側に電気的に接続された共有の電源電圧装置を有しており、N型MOSトランジスタのソース側は接地されていることを特徴とする回路。
- 請求項1、請求項2、請求項3記載の回路において、前記第1のインバーター回路のトランジスタからゲートに注入した電荷を前記第2のコンデンサーに保存し、前記第2のインバーター回路のトランジスタから注入した電荷を前記第2のコンデンサーに保存する記憶方法。
- 記憶を書き込みした後、電源電圧を切って、再び電源電圧を加える度に前記第1、第2の入出力端子から読み出される記憶が入れ替わって出力されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3記載の回路。
- 入出力端子を備え、記憶保持状態で電源電圧が切れて、再び前記電源電圧が加えられる度に前記入出力端子から出力される記憶が反転することを特徴とするメモリ回路の記憶を読み取る回路であり、前記電源電圧が切れて、再び前記電源電圧が加えられることを検知することで前記入出力端子からの出力を反転して読み取ることを特徴とする記憶読み取り回路。
- 前記コンデンサーは、半導体基板上の不純物拡散領域と前記不純物拡散領域上方に形成された酸化膜と、前記酸化膜上方に形成された導電体材料で構成され、前記不純物拡散領域は前記一方のインバーター回路の入力に接続され、前記導電体材料は前記他方のインバーター回路の出力に接続されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3記載の回路。
- コンデンサーとMOSトランジスタから構成される半導体素子の製造工程において、前記コンデンサーの製造工程は、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に導電体材料を形成する工程からなり、前記絶縁膜を形成する工程は同一基板上の前記MOSトランジスタのゲート絶縁膜を形成する工程と同一であり、前記導電体材料を形成する工程は同一基板上の前記MOSトランジスタのゲートを形成する工程と同一であることを特徴とする半導体回路製造方法。
- トランジスタのゲートとコンデンサーを電気的に結合させることで浮遊ゲートを形成することを特徴とする半導体記憶回路。
- 請求項9記載の回路において、前記トランジスタのゲートから前記浮遊ゲートに電荷を注入することで記憶を保持する記憶方法。
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- 2003-07-15 JP JP2003197154A patent/JP2005038890A/ja active Pending
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