JP2005036451A - 壁下地構造及び壁下地処理方法 - Google Patents

壁下地構造及び壁下地処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外壁の壁下地材や構造材等に含水率の高い木材が使用され、外壁構造内部において例え結露が起きても、水滴を発生させず、水分を速やかに排出し得て、壁下地材や構造材等の機械的強度の低下や、壁下地材や構造材等に対するカビや腐朽の発生を防ぎ、建築物の耐久性を向上させること。
【解決手段】壁下地材10と、その壁下地材10の室外側に備わる防水シート22と、を具備し、その防水シート22が表面親水性又は表面撥水性を有する壁下地構造を、建築物の外壁に用いられる下地の構造として採用すること。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外壁に用いられる壁下地構造及び壁下地処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木材は、その温もり、美しい木目模様、心地よい肌触り等が評価され住宅等の建築物を建設する場合に、床、天井等の材料として不可欠なものである。一方、軽量で強度が大きく、緩衝能力、加工容易性を備えることから、構造材あるいは壁下地材としても重用されるが、この場合には、木材の乾燥に留意が必要となる。
【0003】木材は、特に構造材あるいは壁下地材としての使用にあたっては予め乾燥させることが望ましく、又、建設現場においても、例えば屋根を取り付け軸組の状態で一定期間放置して木材を更に乾燥させてから内装工事を行うことが好ましいとされる。これは、木材中の含水率の変化によって木材が収縮(変形)し、建具の立て付け不良、クロスの裂けや皺の発生、床鳴り等が生じるのを避けるため、あるいは、木材中の含水率の増加により曲げ強さ等の機械的強度が小さくなることやカビの発生や場合によっては生じ得る木材の腐朽を避けるため、である。
【0004】しかし、含水率が管理された乾燥木材は、天然乾燥によるものも人工乾燥したものも高コストであり採用され難い。又、近年においては、建設工期は一層の短縮が求められる一方において雨の多い日本では、充分な乾燥を施す前に内装工程に入らざるを得ないことも少なくない。このような事情により、構造材あるいは壁下地材として用いられる木材は、充分に乾燥していない場合がある。更に、構造材や壁下地材として用いられる木材には水溶性薬剤による防蟻処理が施されることが多いが、それが施工直前に行われる場合には、むしろ、通常より高い水分を含むこととなってしまう。
【0005】ところで、従来、建築物の外壁構造は、構造材及び断熱材の他、それらの室内側の内装ボードと、それらの室外側の壁下地材、及びその上に塗着されたモルタル、更にその上のサイディング又はリシン吹きつけにより構成される。そして、壁下地材とモルタルとの間及び壁下地材と内装ボードとの間には防水シート又は防水透湿シートが貼られ、防水性乃至通気性が確保される。外壁の壁下地材としては、一般に、木摺れや面材張り、あるいは胴縁材にラス金網、ラスボード、小舞(竹)等を重ねたものその他が用いられているが、特に木摺れと面材張りは、壁耐力の壁量計算に含ませることが可能な分だけ構造にかかる費用を低コストに抑え得ることから多用されている。
【0006】しかし、木摺れは、小幅板が水平方向に配設されてなるものであるため空気の抜けが悪く、通気性が必ずしも良好ではない壁下地材である。又、面材張りは、接着剤層が存在するため、透湿性が低い壁下地材である。従って、上記したように用いられる木材の含水率が低くなくむしろ高くなりがちな状況下では、防水シート又は防水透湿シートを使用した外壁構造を有していても、建築物を建設中又は建設後において、特に外壁ではその一面(例えば室内側)と他面(例えば室外側)との気温差が大きくなることから、外壁構造内部で結露を生じさせ易く、それが壁下地材自体や構造材の機械的強度の低下、及びそれらに対するカビや腐朽の発生を誘発し、建築物の耐久性を低下させる要因となっていた。
【0007】尚、壁下地構造にかかる先行技術文献として、特許文献1が挙げられる。ここで提案されている壁仕上用下地パネル及び壁構造によれば、壁仕上用下地パネルは、容易かつ迅速に取付作業を行うことが出来るとともに高い壁倍率を得て耐力壁効果を発揮するとされている。そして、それを用いた壁構造は、壁仕上用下地パネルが適切な隙間を有し、その隙間に位置する空気を上下方向及び左右方向に移動させつつスムーズに通気させ、この隙間に漏水した水分を速やかに流れ落とさせて容易に排除し得るものであるとされている。
【0008】しかしながら、既に述べたように構造材や壁下地材として用いられる木材に水分が多く含まれる場合には、上記提案によっても、壁構造内部の結露による水滴の発生は避けられていなかった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−160732号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、外壁の壁下地材や構造材等に含水率の高い木材が使用され、外壁構造内部において例え結露が起きても、水滴を発生させず、水分を速やかに排出し得て、壁下地材や構造材等の機械的強度の低下や、壁下地材や構造材等に対するカビや腐朽の発生を防ぎ、建築物の耐久性を向上させることにある。水分を多く含んだ木材が使用されること等により結露が生じた場合の、水滴発生防止、水分排出容易化等の対策について検討がなされた結果、以下の手段により、上記目的が解決されることが見出された。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、建築物の外壁に用いられる下地の構造であって、壁下地材と、その壁下地材の室外側に備わる防水シートと、を具備し、防水シートが表面親水性又は表面撥水性を有する壁下地構造が提供される。
【0012】本発明に係る壁下地構造においては、表面親水性が、防水シート表面の微細凹凸加工、防水シート表面への親水剤による塗膜形成、防水シート原料への親水剤の混練、からなる表面親水性付与手段のうち何れか一の手段又は複数手段の併用により、防水シートに付与されることが好ましい。又、表面撥水性が、防水シート表面への撥水剤の塗膜形成、防水シート原料への撥水剤の混練、からなる表面撥水性付与手段のうち何れか一の手段又は両手段の併用により、防水シートに付与されることが好ましい。
【0013】本発明に係る壁下地構造は、壁下地材の室内側を覆う防水透湿シートを備えることが好ましい。この防水透湿シートは10000g/m×24時間以上の透湿性能を有することが好ましい。
【0014】又、本発明に係る壁下地構造は壁下地材を限定するものではないが、壁下地材として、接合一体化された表側下地板と裏側下地板とからなり、表側下地板及び裏側下地板の各々が所定数の帯状小幅板を所定の隙間をおいて傾斜方向に平行に配設して構成され、且つ、表側下地板を構成する帯状小幅板と裏側下地板を構成する帯状小幅板とが交差するように相反する方向に傾斜しているものを用いることが好ましい。このような壁下地材の一例は、特許文献1に開示されている壁仕上用下地パネルである。即ち、本発明に係る壁下地構造は、この特許文献1で開示された壁仕上用下地パネルを壁下地材として用いた場合に、より優れた効果を発揮し得る。何故ならば、このような壁下地材は優れた通気性と排水性とを有するとされているので、後述するように、液状水分を水滴にせず薄膜状にして再蒸発させて排出され易くし、又、水滴を落下し易くして外壁構造内部に留まらせず排出され易くする、という本発明の作用・効果が妨げられず充分に発揮され得るからである。
【0015】次に、本発明によれば、建築物の外壁の、下地の処理方法であって、壁下地材の少なくとも室外側を、表面親水性又は表面撥水性を有する防水シートで覆う壁下地処理方法が提供される。本発明に係る壁下地処理方法においては、壁下地材の室内側に防水透湿シートを備えることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参照しながら実施形態を説明する。
【0017】図1、図2、図3は、本発明に係る壁下地構造を含む外壁構造の一実施形態を示す図である。図示される外壁構造20は、柱等の構造材21と、その構造材21の枠内に配設された断熱材25と、構造材21の室外側に固定された壁下地材10と、壁下地材10の室内側(構造材21との間)に貼られた防水透湿シート28と、壁下地材10の室外側の表面を覆う防水シート22と、防水シート22の室外側に取り付けられたラス23と、ラス23の上(室外側)に塗られたモルタル24とにより形成されている。そして、外壁構造20の基礎26には、水切27が設けられている。尚、防水透湿シート28は、構造材21の室内側に加えて、壁下地材10の室内側(壁下地材10と構造材21乃至断熱材25との間)にあってもよい。ここで、室内側とは図1中で奥側、図2中で上側、図3中で右側を指し、室外側とは図1中で手前側、図2中で下側、図3中で左側を指す。
【0018】本発明に係る壁下地構造は、上記外壁構造20の構成要素のうち壁下地材10と防水シート22を必須の構成要素とし、その防水シート22が表面親水性又は表面撥水性を有するところに特徴がある。従来の外壁構造でも、壁下地材と防水シート、防水透湿シートを組み合わせているが、含水率の高い木材が使用されること等により外壁構造内部において発生した水分は、防水シートの表面で水滴を形成して留まり、建築主の印象を悪化させるだけでなく、実際に再蒸発や水滴落下による水分排出が行われ難かった。
【0019】本発明に係るこの壁下地構造において、防水シート22が表面親水性を有する場合には、外壁構造内部において結露により発生した水分が、防水シート22の表面において水滴を形成せず薄膜状になるので、外壁構造内部の通気に伴って容易に再蒸発し通気とともに排出される。又、防水シート22が表面撥水性を有する場合には、水分が水滴を形成した途端に防水シート22の表面に留まることなく落下し、外壁構造内部から基礎・地面へと排出される。図3は外壁構造内部の通気の概要を示しており、水切27から流入した空気は、壁下地材10の隙間に沿って上昇し、軒天換気29などから排出される。尚、当然ながら、このような効果を発揮するために、親水性乃至撥水性が付与されている防水シートの表面とは、少なくとも室内側の表面である。
【0020】防水シート22に表面親水性を付与する手段は限定されるものではない。又、一定の親水性を有し水滴形成を抑制することが出来ればよく、表面親水性の程度は水接触角等で限定されない。本発明の実施に際し、好ましい表面親水性付与手段について、以下に説明する。
【0021】先ず、防水シート22の表面を微細凹凸加工する手段が挙げられる。加工により形成される表面の微細な凹凸が水滴の表面張力を弱め親水性が付与される。親水性が付与される限りにおいて微細凹凸の具体的態様は限定されないが、好ましくは凹凸の底部と頂部の差は数十〜数百μmであり、凹凸は独立して存在するより、例えば平面上に形成される連続した凸条部として存在することが好ましい。表面が微細凹凸加工された防水シートの好適な例を、図6(a)、図6(b)に示す。この例では、防水シートの表面の凹凸は、100μmの凸条部の間に30μmの突条部が3つというパターンで平行に設けられている。
【0022】次に、防水シート表面への親水剤により塗膜形成する手段が挙げられる。即ち、後天的に防水シート表面に親水性を付与するのである。親水剤や具体的な塗膜形成方法、あるいは塗膜の厚さ等は限定されない。公知技術によって行えばよい。例示すれば、親水剤は、シリコン化合物の他、オルガノシリケート化合物等のケイ素酸化物含有無機酸化物、酸化ケイ素ゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化アンチモンゾル等の無機酸化物ゾルの少なくとも何れか1つを含有し、水接触角を所定の範囲に制御出来る化合物、が挙げられる。塗膜形成方法は、一般的に、親水剤を含む塗膜成分を溶剤に溶解又は分散させて塗布液(塗料)を形成し、防水シートの表面上に塗布し乾燥させて塗膜化する。塗膜の厚さは好適には0.001〜5μm程度である。
【0023】次に、防水シート原料への親水剤の混練手段が挙げられる。即ち、もとから防水シートに表面を含み全体に親水性を付与するのである。親水剤は上記したものが採用出来る。尚、表面親水性は、これら表面親水性付与手段のうち何れか一の手段で防水シートに付与してもよく、又、複数手段の併用により防水シートに付与してもよい。
【0024】防水シート22に表面撥水性を付与する手段も限定されるものではない。本発明の実施に際し、好ましい表面撥水性付与手段について、以下に説明する。
【0025】先ず、防水シート表面への撥水剤による塗膜形成する手段が挙げられる。即ち、後天的に防水シート表面に撥水性を付与するのである。撥水剤や具体的な塗膜形成方法、あるいは塗膜の厚さ等は限定されない。公知技術によって行えばよい。例示すれば、撥水剤は、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等のフッ素系樹脂等が挙げられる。塗膜形成方法は、一般的に、撥水剤を含む塗膜成分を溶剤に溶解又は分散させて塗布液(塗料)を形成し、防水シートの表面上に塗布し乾燥させて塗膜化する。塗膜の厚さは好適には0.001〜5μm程度である。
【0026】次に、防水シート原料への撥水剤の混練手段が挙げられる。即ち、もとから防水シートに表面を含み全体に撥水性を付与するのである。撥水剤は上記したものが採用出来る。尚、表面撥水性は、これら表面撥水性付与手段のうち何れか一の手段で防水シートに付与してもよく、又、両方の手段の併用により防水シートに付与してもよい。
【0027】本発明に係る壁下地構造は、図1〜図3に示す外壁構造20の構成要素のうち防水透湿シート28を好ましい構成要素としている。防水透湿シート28を用いることで、壁下地材10に基づく通気性に加えて壁下地構造に透湿性が付与され、一層効率よく水分排出がなされるので、新たな結露の発生を抑制することが出来る。又、壁下地材の通気性とは関係なく即ち壁下地材の通気性が例え劣るものであっても、一定の水分排出能力を発揮するので、壁下地材の機械的強度の低下やカビや腐朽の発生を招来することがない。特に、経年により外壁構造の内部の水分量が安定した後も透湿性が発揮されるので、使用された木材は完全乾燥に近づき、機械的強度を増すとともに腐朽のおそれは皆無となる。尚、この効果を発揮するに充分な防水透湿シート28の透湿性能は、10000g/m×24時間以上である。
【0028】壁下地材10は、高い通気性及び排水性を有する構造をなすものが好ましい。但し限定されるわけではなく、そうではない通気性、排水性の劣るものであっても、本発明の、水滴発生防止及び水分排出容易化にかかる効果は、発揮される。既に述べたように、より好ましい壁下地材の一例は、特許文献1で開示された壁仕上用下地パネルである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】(実施例1)図4に示される試験器Aを作製し、第1の水滴発生試験を行い、水滴発生の程度を評価した。試験器Aは、直径が150mmφ、軸長が100mmのアクリル製の円筒状をなすケース45に含水率18%に調製した縦50mm×横50mm×高さ80mmの木片40が入れられ、ケース45の両開放端が室外側シート42及び室内側シート48で覆われ、シリコン樹脂で確実にシールが施されたものである。実施例1では、室内側シート48として、厚さ38μmのMPF(商品名マイクロポーラスフィルム:住友3M社製、ポリプロピレン65%、ミネラルオイル35%)を用いた。これは透水性能10000g/m×24時間を有し、坪量65g/m、耐水圧力10000mmHOを有する防水透湿シートである。又、室外側シート42として、FTF(住友3M社製)を用いた。これは微細凹凸加工により表面親水性が付与された防水シートである。
【0031】第1の水滴発生試験は、以下のように行った。先ず、試験器Aを恒温恒湿装置の中に入れ、温度25℃、湿度60%の環境で24時間保持する。次いで、試験器Aに冷却装置を接続し、試験器Aの室外側シート42側の面を5cmだけ冷却装置に入れ冷却し、ケース45及び室内側シート48内面への水滴の付着状況を確認して評価した。尚、冷却装置の温度は5℃、10℃、20℃と変えて試験を行った。その結果を表1に示す。評価は、表1中において、○が水滴の付着なし、△がケース45のみに水滴付着あり、×がケース45及び室内側シート48の両方に水滴付着あり、である。
【0032】
【表1】
Figure 2005036451
【0033】(実施例2)室内側シート48として、タイベックシート(登録商標:デュポン社製、ポリエチレン100%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、試験器Aを作製し第1の水滴発生試験を行った。その結果を表1に示す。尚、タイベックシートは、透水性能6000g/m×24時間を有し、坪量39〜44g/m、耐水圧力13000mmHOを有する防水透湿シートである。
【0034】(実施例3)室内側シート48として、厚さ250μmのポリプロピレンフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、試験器Aを作製し第1の水滴発生試験を行った。その結果を表1に示す。尚、用いたポリプロピレンフィルムは、耐水圧力30000mmHOを有するが、透湿性、表面親水性、及び表面撥水性を有していない防水シートである。
【0035】(比較例1)室外側シート42として、表面親水性も表面撥水性も有さず、透湿性もない防水シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、試験器Aを作製し第1の水滴発生試験を行った。尚、使用した室外側シート42は、厚さ250μmのポリプロピレンフィルムである。
【0036】(比較例2)室外側シート42として、表面親水性も表面撥水性も有さず、透湿性もない防水シートを用いた以外は、実施例2と同様にして、試験器Aを作製し第1の水滴発生試験を行った。尚、使用した室外側シート42は、厚さ250μmのポリプロピレンフィルムである。
【0037】(比較例3)室外側シート42及び室内側シート48として、表面親水性も表面撥水性も有さず、透湿性もない防水シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、試験器Aを作製し第1の水滴発生試験を行った。その結果を表1に示す。尚、使用した室外側シート42及び室内側シート48は、ともに厚さ250μmのポリプロピレンフィルムである。
【0038】(実施例4)図5に示される試験器Bを作製し、第2の水滴発生試験を行い、水滴発生の程度を評価した。試験器Bは、外壁構造を模したものであり、含水率18%に調製した木材で作られた薄い角筒状のケース50の両開放端が、室外側シート42及び室内側シート48で覆われ且つシリコン樹脂で確実にシールを施され、室外側シート42側にはアクリル部材により密閉空間54が形成されたものである。実施例1と同様に、室内側シート48として厚さ38μmのMPFを用い、室外側シート42としてFTFを用いた。
【0039】第2の水滴発生試験は、以下のように行った。先ず、試験器Bの密閉空間54に5℃の冷気を吹き込み、室外側シート42及び室内側シート48の変化を観察した。結果は、水滴の発生はみられず、室外側シート42の水滴発生防止能力、及び、室内側シート48の水分排出能力を確認出来た。次に、試験器Bのケース50に蒸気を吹き込んだ。結果は、室外側シート42には水滴の発生がなく、水滴発生防止能力が優れていることが理解された。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の壁下地構造及び壁下地処理方法によれば、外壁構造内部において例え結露が起きても水滴を発生させず水分を速やかに排出し得るので、例え含水率の高い木材が使用されていても、壁下地材や構造材等の機械的強度は低下せず、それらへのカビや腐朽の発生は防止され、建築物の耐久性はより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る壁下地構造の一実施形態を示す図であり、壁下地構造を含む外壁構造の一例を表す一部破断斜視図である。
【図2】図1のA−Aに沿った断面図である。
【図3】図1におけるP視図であり、空気の流れを説明する断面図である。
【図4】実施例で使用される試験器Aを表す斜視図である。
【図5】実施例で使用される試験器Bを表す断面図である。
【図6】本発明に係る壁下地構造を構成する防水シートの一例を示す図であり、図6(a)は表面の微細加工の態様を表す斜視図であり、図6(b)は断面図である。
【符号の説明】
10…壁下地材、20…外壁構造、21…構造材、22…防水シート、23…ラス、24…モルタル、25…断熱材、26…基礎、27…水切、28…防水透湿シート、29…軒天換気、40…木片、42…室外側シート、45…ケース、48…室内側シート、50…ケース、54…密閉空間。

Claims (8)

  1. 建築物の外壁に用いられる下地の構造であって、壁下地材と、前記壁下地材の室外側に備わる防水シートと、を具備し、前記防水シートが表面親水性又は表面撥水性を有する壁下地構造。
  2. 前記表面親水性が、防水シート表面の微細凹凸加工、防水シート表面への親水剤による塗膜形成、防水シート原料への親水剤の混練、からなる表面親水性付与手段のうち何れか一の手段又は複数手段の併用により、防水シートに付与される請求項1に記載の壁下地構造。
  3. 前記表面撥水性が、防水シート表面への撥水剤の塗膜形成、防水シート原料への撥水剤の混練、からなる表面撥水性付与手段のうち何れか一の手段又は両手段の併用により、防水シートに付与される請求項1に記載の壁下地構造。
  4. 前記壁下地材の室内側に防水透湿シートを備える請求項1〜3の何れか一項に記載の壁下地構造。
  5. 前記防水透湿シートが、10000g/m×24時間以上の透湿性能を有する請求項4に記載の壁下地構造。
  6. 前記壁下地材が、接合一体化された表側下地板と裏側下地板とからなり、前記表側下地板及び裏側下地板の各々が所定数の帯状小幅板を所定の隙間をおいて傾斜方向に平行に配設して構成され、且つ、前記表側下地板を構成する帯状小幅板と前記裏側下地板を構成する帯状小幅板とが交差するように相反する方向に傾斜している請求項1〜5の記載の何れか一項に記載の壁下地構造。
  7. 建築物の外壁の、下地の処理方法であって、壁下地材の少なくとも室外側を、表面親水性又は表面撥水性を有する防水シートで覆う壁下地処理方法。
  8. 壁下地材の室内側を、防水透湿シートで覆う請求項7に記載の壁下地処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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